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妹「私を埋めたら妹が増えるよ!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1328361744/
妹「私を埋めたら妹が増えるよ!」
兄「あ?」
妹「うーめーてー」グイグイ
兄「痛い痛い首は痛いから引っ張んな」
妹「じゃあ埋めて、育てて、収穫!」
兄「わかったからちょっと待ってろ」
妹「やったー!これでいっぱいだね!」
兄「たぶんな」
妹「絶対だよー」
妹「あっこあっこ」チョイチョイ
兄「あそこもう花植えてるけど、いいのか?」
妹「もーわかってないなーお兄ちゃんは」
兄「なんで」
妹「花が育つってことは、栄養が良いんだよ?」
兄「ほう」
妹「だから私もよく育つ!」
兄「なるほど、まあ妹がいいっていうならそこにするか」
妹「育つのよ私」
妹「ん、手伝おっか?」
兄「いいよ、こういうのは男がやるから」
妹「私が入る穴なんだから、私も掘りたーい」
兄「あーもう分かったよ、好きにしろ」
妹「頑張って掘るよ」ザクザク
妹「多分こんなもんかな」
兄「いいんじゃねーの」
妹「ちょっとインしてみる・・・うん、バッチシ」
兄「よかったな妹」
妹「よかったよ私」
妹「ちょっとこしょばゆいけど、慣れると思う」
兄「そうか、顔はどの辺まで出すんだ?」
妹「首のー・・・あ、大体この辺、喉の真ん中くらい」
兄「こんくらいか」
妹「うんうん、いいよー」
兄「さーて、今日は疲れたなー」
妹「そだね、もうそろそろ暗いね」
兄「俺もう寝るけど、妹どーすんの」
妹「もう私は育つ準備に入るよ」
兄「そっか、じゃあお休みー」
妹「お休みお兄ちゃん」
妹「・・・・・・痒くて眠れない・・・」
妹「うーん・・・何か出たくなって来たなぁ・・・」
妹「はっ、ダメダメ私何てことを!お兄ちゃんのためなんだから!」
妹「何よりそのお兄ちゃんも頑張ってるんだから、私も耐えないと!」
妹「かゆーい・・・・・・」モゾモゾ
妹「でも出られなーい・・・・・・」モゾモゾ
兄「元気か妹」
妹「お、おはよ・・・お兄ちゃん」
兄「あら?寝てないのか」
妹「かゆかったの」
兄「大変だなー・・・ま、俺は頑張れとしか言えない」
妹「うん、頑張って慣れるよ」
兄「さて、何したらいいんだろ・・・」
妹「お水」
兄「お水?」
妹「育つためには水と空気と適当な温度だよ」
妹「肥料も欲しい」
兄「光は?」
妹「わかんない、でも一応光は当たってるからいいや」
妹「お願いしまーす」
兄「ほれ」ビシャー
妹「ちべたい」
兄「育つためには我慢我慢」ビシャビシャ
妹「うう・・・育つって大変」
兄「早く大きくなってくれよー」
妹「なりまーすガボフッ」
兄「あら、大丈夫か?・・・よし、こんなもんだろ」
妹「潤ったー」ポタポタ
妹「ちょっと寒い・・・」
兄「寒い言われてもなあ」
妹「お湯欲しい」
兄「バカ、熱湯かけたらアウトだろ」
妹「あ、そ、そうだよね・・・ハハ・・・」
兄「じゃあアレ、風除けするか」
妹「あ、それいいね」
兄「じゃあちょっと風除け買ってくるわ」
妹「いってらー」
妹「(何だかんだで私のために動いてくれてる・・・)」
妹「(お兄ちゃんのためにも、頑張るからね)」
妹「あ、おかえりー」
兄「よくあるフェンス」
妹「あ、風通んなくなったかも」
兄「これで少しはマシになったろ」
妹「うんうん」
兄「じゃ、俺はそろそろバイト行くから」
妹「頑張ってねー」
兄「妹もなー」
妹「アイウィルグローアップだよ」
兄「はいはい」
妹「ひまーい」
妹「・・・・・・何か足がダルいなぁ」
妹「手の先も感覚がないし・・・・・・」
妹「もしかして、これって成長準備突入?」
妹「だといいんだけど」
妹「・・・・・・早く帰ってこないかなー」
兄「ったく、あの店長人使い荒いっつーの」
兄「・・・あ、そういやアレ買わんと」
兄「・・・・・・妹、喜ぶかな」
妹「あ、おかえりお兄ちゃん」
兄「調子はどうだ?」
妹「なかなか」
兄「お土産買ってきたぞー」
妹「え、なになに?」
兄「ふふん、それは明日の朝のお楽しみー」
妹「えーケチー」
兄「まあまあ、いいじゃないか」
妹「ぶー・・・」
兄「それじゃ、そろそろ風呂入って寝るわ。何かあったら言えよー」
妹「・・・あ、おやすみ」
兄「おやすみ」ガチャ
兄「おはよう」
妹「おはよー・・・」
兄「あれ、また寝てないのか?」
妹「いや、そういうんじゃなしに、寝れなかった・・・」
兄「そうか、何か顔も疲れてるっぽいしなぁ」
妹「そうかな・・・」
兄「肥料がいるな」
妹「え?」
兄「じゃーん」ガサッ
妹「え、何それ」
兄「肥料、お徳用です」
妹「ほえー」
兄「これ食えば調子も良くなるぞ」
妹「えっ」
妹「いやちょっと待っ」
兄「口開けて」
妹「うわ臭っ、これ何」
兄「大丈夫だって、栄養栄養、ほれ」
妹「がほっ!?」
兄「お、食った食った。まだまだいっぱいあるぞ」
妹「・・・えうっ、まずぅ・・・・・・」モニャモニャ
兄「ありゃ、不味い?まあ、良薬は口に苦しと言うからなぁ」
妹「ほ、ほう・・・・・・やね」ゴクッ
妹「ほえ・・・」
兄「肥料と水はここに置いとくから、好きに使っていいぞ」
妹「あ、ありがと」
兄「お礼なら、育ってからにしてな」
妹「うん・・・」
兄「じゃ、行ってくる」
妹「いってら」
妹「肥料・・・・・・不味いけど、食えなくもないし・・・」
妹「何より疲れがどんどん抜けてく感じがする・・・」
妹「意外と、肥料って良い物なんだなぁ・・・もうちょっと食べよう」
妹「んっ、も、ちょっ、とで・・・・・・と、とろいた!」
妹「いただきまー・・・・・・まずっ、えふっ、でも食べたい!」モニャモニャ
妹「おかえり・・・ゲフッ」
兄「うわ、お前むっちゃ食ってね?」
妹「そうでもないよ」
兄「だってこれ、3分の1は食ってるじゃん」
妹「何か、途中からクセになっちゃって」
兄「あのなぁ・・・食い過ぎはよくねーんだぞ」
妹「ゴメンゴメン、次からは気をつけるから」
兄「ったく・・・んで、調子は?」
妹「肥料のおかげで調子良いよ!」
兄「それは良かった、期待してるぞー」
妹「いもピクミンだよ」
兄「じゃ、後は大丈夫だな」
妹「うん、バイト頑張ってね」
兄「ああ、いってくる」
妹「いってらー」
妹「埋まってから結構経つけど・・・何か、変な感じ」
妹「感覚も首から上しかない・・・。順調、なのかな」
妹「あー、早く育って実ってお兄ちゃんに恩返ししたい!」
兄「調子どうだ?」
妹「いいよ」
兄「変わったことは?」
妹「ないよ」
兄「そっか、じゃあ俺は寝るよ」
妹「おやすみ」
兄「おやすみ」バタン
兄「調子はどうだ」
妹「いい」
兄「何か欲しいものとかは?」
妹「いい」
兄「そうか、じゃあ俺はそろそろ寝るから」
妹「うん」
兄「おやすみ」
兄「そろそろ何かあってもいいんだけどなー」
妹「・・・・・・」
兄「調子は変わりない?大丈夫か?」
妹「・・・・・・」コクコク
兄「お、肥料がそろそろ無くなってきたな。明日買ってくるよ」
妹「・・・・・・」コクコク
兄「よし、じゃあ寝るよ。おやすみ」
妹「・・・・・・ぃ」ニッ
兄「ん?」
妹「・・・・・・」
兄「・・・・・・?」バタン
兄「ただいま!やったぞ妹!来週から俺も正社員だ!」
妹「・・・・・・」
兄「・・・あー、でも、これであんまり一緒にいられんくなるな。お前にとっちゃよろしくないか」
妹「・・・・・・」
兄「まだ花とかは・・・・・・咲いてないか。ま、焦ることはない、ゆっくりいこうな」
妹「・・・・・・」
兄「じゃ、俺は寝るよ。おやすみ」
妹「・・・・・・」フルフル
兄「来週からあんまりかまってやれなくなるけど、寂しがるなよ?」
妹「・・・・・・」フルフル
兄「じゃ、おやすみ」バタン
妹「・・・・・・」
兄「おはよう」
「・・・・・・」
兄「今日はかなりいい天気だなー」
「・・・・・・」
兄「何か顔色がえらいことになってるけど、元気そうだ」
「・・・・・・」
兄「よし、じゃあ会社行ってくるよ」
「・・・・・・」ヒョコ
兄「ん、何か今・・・・・・」
兄「おおっ!つぼみだ!やったな妹!」
「・・・・・・」
兄「よかったよかった!やったなぁ、よく頑張ったな妹!」
「・・・・・・」
兄「よし!元気出た所で会社行ってくる!あとちょっとだから頑張れよ!!」
「」
「・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・・・・ワタシハ」
「・・・・・・・・・オニイ、チャンノ、タメニ」
「・・・・・・・・・イモウト、フヤスヨ」
「・・・・・・・・・ガンバルヨ」
「
モ
ウ 少
シ 」
兄「ただいまー」
兄「調子どうだ?」
兄「良さそうだなー」
兄「つぼみも順調、と」
兄「頑張ってな、それじゃ、おやすみー」
「ねぇ」
「ねぇってば」
「ねぇ起きて」 「ねぇお兄ちゃん」
「朝だよ」 「早くぅ」
兄「・・・・・・ん、、あ、あと5分・・・・・・」
妹「だーめー!!」ブワッ
兄「うわうわ!誰っ・・・・・・って、あれ?妹?お前埋まってたんじゃ・・・・・・」
妹1「うん、さっきまでね」
妹2「埋まってたよ」
妹3「でもね」
妹「実りましたーーーっ!!」
妹1「実ったんだよ!」
妹2「期待に応えたよ!」
妹3「妹増量だよ!」
妹「だいせいこー!!ワーッ!!」
兄「・・・や、やったんだ・・・・・・ついに、やったぞ!」
妹「やったー!!!」
兄「成功した!!増えた!!やった!!!」
妹「ありがとおにーちゃーーん!!」ガバッ
兄「おいおいよせって・・・・・・こーらっ、どこ触ってんだ妹・・・あ、こっちの妹・・・もー訳分かんねーよーー・・・・・・・・・・・・」
兄「・・・・・・夢か」
兄「期待させやがって・・・・・・」
兄「・・・・・・なんか見に行くの辛いなぁ」
兄「ま、でも行かんと」
兄「妹?おはよ・・・・・・あれ?」
兄「いない・・・・・・あれ、何処行った?妹?」
兄「おーい!!妹ーー!!いたら返事しろー!!!」
兄「もしかして、家の中とかか!?」
兄「ベッドに隠れてかっ!?いない!」
兄「台所でこっそり!?でもない!」
兄「トイレで隠れ!?てもない!!」
兄「あ゛あ゛あ゛あ゛!!!どーなってんだ一体!!!!」
ピーンポーン
兄「!?」
隣人「あ、どうも。隣に住んでる戸鳴です」
兄「あ、戸鳴さん・・・どうも」
隣人「えっと・・・実は、ちょっと言いづらい事がありまして・・・・・・」
兄「な、何ですか一体」
隣人「あの、お宅・・・花壇、ありますよね?」
兄「ありますけど・・・も、もしかして妹のこと!?」
隣人「え?・・・あ、いや、妹さんのことはわかんないんですけど・・・・・・」
隣人「実は昨日、その花壇のとこにお茶こぼしちゃいました・・・・・・すいません」
兄「・・・・・・え?」
兄「・・・・・・大丈夫、でしたか?」
隣人「あっ、ご、、ごめんなさい・・・・・・やっぱり、怒ってます・・・・・・?」
兄「・・・・・・そ、ですね・・・・・・ちょっともう一度見に行きましょか・・・・・・」
隣人「す、すいません・・・・・・」
兄「えーと、ここが庭で」
隣人「あ、あそこに転がってるの、私のコップです・・・・・・」
兄「・・・・・・と、いうことは」
兄「・・・・・・妹は、まだそこに!」
隣人「あ、ちょっと!どうしたんですか急に」
兄「(まだあそこに妹はいる!どこかに行ったわけじゃない!!)」
兄「妹!大丈夫か!い・・・・・・」
隣人「あ、あの・・・・・・」
兄「(殻だ・・・・・・しかも、3つ落ちてる!!)」
兄「(そうか、やっと実がなったんだな!!)」
兄「やった・・・やったぞ!ついにやったぞー!!!」
隣人「・・・・・・だ、大丈夫・・・・・・です、か」
兄「ええ?大丈夫?大丈夫に決まってますでしょ!収穫ですよこれから!!」
隣人「え?」
隣人「あ、いや、でも」
兄「いいから」
隣人「その、どうもすみま」
兄「失せろ!!!」
隣人「ひっ」
兄「さーて妹・・・・・・」
兄「思えば長かったなぁ・・・・・・どれぐらい経つんだっけ?」
兄「どんどん喋らなくなってったけど、着実に準備してたんだなぁ・・・・・・」
兄「くっ・・・・・・ぬ・・・・・・ぜ、全然割れない・・・・・・」
兄「やっぱ切らなきゃダメだな・・・・・・包丁でいいか。取ってこ」
電話「ピルルルルルルル」
兄「くっそ、こんな時に誰だよ!」ピッ
兄「はいもしも・・・」
上司「君!大丈夫か!」
兄「はいっ?(しまった、会社のことすっかり忘れてた!)」
上司「はい?じゃない!遅刻だぞ、もしかして、事故にでもあったのか?」
兄「いや、別に・・・・・・」
上司「じゃあどうして来れない?」
兄「それは、えと・・・・・・収穫祭があるからです」
上司「はぁ?収穫・・・?」
兄「これから収穫があるんで、今日は休みます。すみません」ピッ
上司「おいちょっ君・・・・・・」ツーツー
兄「包丁も取ってきたし、いよいよだね」
兄「ああ、緊張する・・・・・・やっと会えるね」プズッ
兄「うりゃあああ!!」ガシャッ
妹1「・・・・・・」
兄「いた・・・・・・妹だ・・・・・・なあ妹、聞こえるか?」
妹1「・・・・・・」パチパチ
兄「そうだ、俺の顔が・・・分かるかい?」
妹1「・・・・・・・・・・・・ケヘヘ」
兄「ん、ケヘヘ?・・・・・・うわっ!」
妹「ケヘヘ、ケヘヘヘヘ-」ペタペタ
兄「う、腕が・・・・・・ない・・・・・・顔も、めちゃくちゃ・・・・・・」
兄「・・・・・・つ、次だ!次のはきっと・・・・・・」プジャッ
妹2「・・・・・・」
兄「・・・こ、今度は・・・顔がない・・・・・・!?」
妹2「・・・・・・」ベタベタ
妹1「ケハハハハハハハハハハハハ」
兄「・・・・・・さ、最後の・・・・・・は・・・・・・」プッ、プズッ
妹3「れとらっ!みらそつををーえいあかるりゅらしょかきがとよって!!」ピョンピョン
兄「ア、アハハ・・・・・・アハハハ・・・・・・」
妹1「ケヒヒヒヒヒヒヒヒ? ヘヘヘ」ペチペチ
妹2「・・・・・・・・・・・・」ユラユラ
妹3「なろろんとばっしゆっかじょろげるっしゃ!ぢゃわけごっすまろへんるめーな!」ピョンピョン
兄「あ、埋まってるのを掘り起こせば妹に会えるんだ」
妹3「りゃりょんちべるべろーもなっしゅ?うるーとわもれしぎゅっちゅるちゅのんが!!」ピョンピョン
兄「ちょ、近づくんじゃねえ!!この化け物がっ!!!」バシッ
妹3「ぎゃぶらっ!!・・・・・・みゅ、みゅいがろざきゅーすかわめちらっそがれめ!!」ピョンピョン
妹2「・・・・・・」
妹1「カッ、カーーーーーーーー・・・・・・カヘッ!」ギロッ
兄「な、なんだよお前ら・・・・・・お前らなんてなあ、妹じゃねえよ!!ただの・・・醜い化け物だ!!」
妹1「・・・・・・キフッ!」ヨロヨロ
妹2「・・・・・・・・・」スタスタ
妹3「・・・・・・るひろもなーかころるっさじゃろめるびー!!めぜんどしさーや!!」ピョンピョン
兄「はぁ・・・・・・い、妹ー・・・・・・」ザクザクザクザク
兄「・・・・・・うわ臭っ!何だこれ!ひっでえ臭い!!」ドサッ
兄「・・・・・・で、でも、もしかしたら・・・・・・お、おーい・・・妹ー・・・?」ペシペシ
物「」
兄「・・・・・・や、やっぱり・・・・・・駄目か・・・・・・」
兄「・・・・・・・・・・・・」
兄「・・・・・・・・・・・・」
兄
「
許
ス
モ
ノ
カ
」
隣人「朝から花とお話してたし、花が大好きな人なんだ・・・・・・」
隣人「やっぱり、もう一回謝りに行こう!」
隣人「確かまだ開けてないお菓子が・・・・・・どっかに・・・・・・あ、あった」
隣人「チョコ・・・・・・好きかなあの人」
隣人「いや、大事なのは誠意だ!お詫びは後でちゃんと考えよう!!」
隣人「・・・・・・ああっ、やっぱり怒ってるだろうなぁ・・・・・・怖いなぁ・・・・・・」
隣人「いや、でも行かなきゃ!行くしかないこれは!!」
兄「・・・・・・ヒヒヒッ」
隣人「あの、す、すみませーん!」
隣人「えっと、さ、さっきのこと・・・・・・本当に、すみませんでした!!」
兄「・・・・・・」
隣人「えと、こ、これチョ、チョコです!とりあえず受け取ってください!!」
兄「・・・・・・」
隣人「あ、あの・・・・・・や、やっぱり・・・・・・だ、ダメ・・・・・・ですかね?」
兄「・・・・・・顔ヲ上げてください」
隣人「は、はい・・・(良かった、怒鳴られるかと思った)」
兄「戸鳴さん・・・・・・」
隣人「は、はい・・・・・・」
エ
兄「許 テモラ ルトデ モ思ッ タ ?」
シ ノ カ
隣人「え、あ・・・・・・がっ!!!」
隣人「あ・・・・・・ぐ・・・・・・」バタバタ
兄「イモートシンジャッタノネー」ギリギリギリギリ
隣人「い・・・・・・あぁ・・・・・・げ」ピクピク
兄「ダカラサー、テメーガサー」ギリギリギリギリギリギリ
隣人「・・・・・・ぁ・・・・・・・・・はっ・・・・・・」カタカタ
兄「カワッテ」ギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリ
隣人「・・・・・・・・・・・・ぇ・・・・・・」カクッ
ズルズルズルズルズルズルズルズル
兄「起きてくださーい・・・・・・起きてってばー・・・・・・」ペシペシ
隣人「・・・・・・・・・ん、?」パチッ
兄「あ、やっと目覚めた」
隣人「・・・・・あ、あの・・・・・・ちょっ!こ、これ!何で私、つ、つち、土に」
兄「妹の代わりです」
隣人「な、何のことですか一体、い、妹?どういう・・・」
兄「妹を育ててたら貴方がお茶をこぼして不完全のまま熟しました、よってこれから貴方を育てます」
兄「もう一回説明しましょうか?」
隣人「・・・・・・え、え?どういう・・・・・・」
兄「もう決まったことです、次こそ失敗しないように、お互い頑張りましょうね」
兄「いやあ、もう怒ってないですよ。むしろ貴方みたいな美人がこれから増えると思ったら嬉しいかもしれませんね」
隣人「ど、どういう・・・・・・ことですか」
兄「ははっ、いつまでも純粋な方ですね。そのまま純粋なままでいてくれた方が可愛いので、これ以上は説明しません」
隣人「そ、そんな・・・・・・お、お願いです・・・ここから出してください・・・・・・体が、動かな」
兄「さて、まずは肥料から与えましょうかね」
隣人「え、ひ、肥料って・・・・・・そんな、やだ、出して・・・お願い、ち、近づけないで・・・あっ」
隣人「きゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
いもピクミンは 腕がない
いもピクミンは 顔がない
いもピクミンは 片足ない
全員ちゃんと 喋れない
隣人ピクミン よく育つ
個性がイロイロうつくしいね・・・・・・
おしまい
途中からトリプ付けるの忘れてました。すみません
そしてこれ以上の展開は言いません。ご想像にお任せします
皆さんお疲れ様でした、次はzipうpスレでお会いしましょう
乙
Entry ⇒ 2012.02.16 | Category ⇒ 兄弟姉妹「」SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
美希「ハニー大好きなの」
P「ん?」
美希「呼んでみただけなの」
P「あんまりからかうなよ、忙しいんだから」
美希「ごめんなさいなの」
P「……」
美希「……」ジーッ
P「……」
美希「……ぷっ、あはははっ!
あーあ、またミキの負けかぁ」
P「勝手に人をにらめっこの相手にするな」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1328804379/
美希「ハニー大好きなの」
P「お前お茶のわかし方知ってるのか?」
美希「はい、あげる」
P「ペットボトルかよ」
美希「これでハニーと間接キスなの」
P「……」ゴクゴク
美希「ちゃんと口つけて飲んでなのー!」
美希「もー……計画が台無しなの」
P「穴だらけだな」
美希「……」
P「……」
美希「……あ、雪」
P「うわ、ほんとだ」
美希「つもるかな?」
P「ちょっと降ったら止むんじゃないか?」
美希「そっかぁ」
P「わからないけどな。天気予報見てなかったし」
P「ん」
美希「最後は春になって雪だるまはとけちゃうんだけど」
P「ふむ」
美希「もしミキだったら、その雪だるまと一緒に南極まで行けばいいと思うな」
P「そうきたか」
美希「好きな人とだったらどこにでも行けるの」
P「まぁ、美希の場合はそうだろうな」
P「凄いな」
美希「ちなみに、もしミキがその雪だるまの方だったら」
P「うん」
美希「気合いでとけないの」
P「さすがに無茶じゃないか?」
美希「好きな人のためならそれぐらい出来るよ。
空だって飛べるかも知れないの」
P「美希らしいな」
P「……」
美希「いま、ミキすっごくいいこと言ったの」
P「自分で言うなよ」
美希「惚れる?」
P「まだまだ」
美希「ちぇーなのー」
P「お茶沸かして来るか……」
美希「ミキのもお願いするの」
美希「あふぅ」ズズズッ
P「甘いものがほしいな」
美希「何かないの?」
P「パッと見たけど切らしてるみたいだな」
美希「コンビニ行こうよ、コンビニ」
P「俺は事務所空けられないぞ」
美希「むー」
P「……小鳥さんのプリンとゼリーなら、ある」
美希「今日のおやつが決まったの」
美希「ダイエットのお手伝いなの」
P「怒られるぞ」
美希「ハニーがね」
P「納得いかん」
美希「んー、おいしい」モキュモキュ
P「……まぁいいか」
美希「後で考えればいいのー」
美希「はーい」
P「鍵の確認手伝ってくれ」
美希「まかせてなの」
P「……なんか仕事した気がしないな」
美希「ミキの癒やしパワーのおかげに違いないよ」
P「わかった、単にだらだらしてはかどらなかっただけだ」
美希「そんなのってないの!」
P「ほんとだな」
美希「明日の朝まで残ってるかな?」
P「もう雪はやんでるし、朝までは残らないんじゃないか?」
美希「気合いで残っててほしいの」
P「雪だるまでも作るのか?」
美希「プリンとゼリーの代わりにかき氷を冷凍庫に入れとくの」
P「お前な……」
P「なんか食べてくか。さっきおやつ食べたばっかりだけど」
美希「ミキ的には牛丼の気分かな」
P「マジかよ。俺はそばとかうどんとかの気分だわ」
美希「じゃあそれでいいよ」
P「いいのか?」
美希「肉うどん楽しみなのー」
P「肉の気分なのか今日の美希は」
P「俺は天そば一つ」
美希「ハニーと晩ごはん一緒なの久し振りだね」
P「そうだったか? まぁ最近はほとんど遅い直帰だからな美希は」
美希「お仕事増えてきて大変なの」
P「まぁ順調だな。こないだも化粧品のタイアップの話来てたし。
そのうちもっと忙しくなるかもな」
P「あんまり興味ないか? キラキラのピカピカになれるぞ。
美希にはぴったりの仕事だと思ったんだが」
美希「興味がないわけじゃないよ? ハニーが取ってきてくれたお仕事だし」
P「なら良いんだが」
美希「でもね、ミキ、最近ちょっと考えたんだけど」
P「ん?」
ご飯食べたりぼーっとしたりしてるときなんじゃないかなって」
P「おいおい、それじゃ困るぞ」
美希「困らせてやるの。
カメラもなーんにもないところでキラキラしてやるのー」ズゾゾッ
P「良い顔で食べるなぁ、肉うどん」ズゾゾゾ
P「ごちそうさま」
美希「これで今日もぐっすり眠れるの。
って言うかもう眠くなってきたの」
P「待て待て、ちゃんと帰って布団で寝ろよ」
美希「あふぅ」
P「腹膨れたら眠いって子供じゃないんだから勘弁してくれ。
ほら、行くぞ」
美希「うー……ある意味幸せなの」
明日は八時には事務所だぞ」
美希「了解なの」
P「気を付けて帰れよ」
美希「はぁい」
P「……いまいち心配だ」
美希「女の子は心配されてなんぼなの」
P「バカ言ってんなよ。さっさと帰れ」
美希「また明日なのー」フリフリ
P「はいはい」ヒラヒラ
美希「おはよーございますなのー」
P「おはよう。遅刻せずに来たな」
美希「一応プロだからね、ミキ」
P「頼もしいな」
美希「でもやっぱり眠いから、撮影中にあくび出るかも知れないの……あふぅ」
P「頼むから勘弁してくれ」
P「なにを?」
美希「お姫様を眠りから覚ます方法」
P「外の風に当たれば目も覚めるだろ」ガララッ
美希「あんまりなの! 寒いから窓閉めて!」
美希「付いてきてくれないの?」
P「次のライブの打ち合わせとこあるんだよ」
美希「そっか。ハニーも頑張ってね」
P「おう、ありがとう」
美希「ミキのために頑張ってね」
P「美希含めみんなのために頑張って来るよ」
P「聞き分けがよくて助かる」
美希「じゃあ行ってらっしゃいのチューを」
P「あ、お忙しいところすみません、765プロのPと申すものですが、
はい、はい、その件で少し確認したい事案がありまして、はい」
美希「こんなのってないの!」
P「あれ、美希? 直帰するんじゃなかったっけ」
美希「プリンとゼリー買ってきたの」ガサガサ
P「あー、そりゃ一足遅かったな」
美希「え?」
P「もう俺が買ってきた」
美希「えぇー。じゃあ今食べるの」
美希「ミキも」
P「……」
美希「……」
P・美希「「じゃんけんほいっ!」」
P「よっしゃあ!」グッ
美希「なんてこったいなの……」ガーン
P「じゃんけん弱いなー美希は」
美希「春香達にはそんなに負けないのにハニーには全然勝てないの。
なんでだろ」
美希「ミキのも負けてないと思うんだけどなぁ」
P「まだまだだな」
美希「ちょっと研究が必要なの」
P「と言うか、えらく自然に俺も食う流れになってるけどいいのか?」
美希「ふた開けてから聞くことじゃないよね」
P「まぁな」
これの隣にあったミックスフルーツのにすればよかったかなぁ」モキュモキュ
P「でもそれ昨日食べたやつとも違うよな。
なんでそれにしたんだ?」
美希「安かったから」
P「なかなかひどいなお前。
……あ、よく見たらプリンにも特売シールが」
P「ダメだ」
美希「まだなんにも言ってないの!」
P「どうせ『ミキもプリン食べたいから一口ちょーだいなの。あーん』とかだろ」
美希「ぐぬぬ……あ、じゃあミキのゼリー食べて!」
P「なにが『じゃあ』なんだか」
美希「はい、あーん」アーン
P「んうー」ンウー
美希「口あけてなの!」
美希「次は……次こそは……!」
P「あ、おい美希、口元にゼリーくっついてるぞ」
美希「えっ、どこどこ?」
P「右の方。美希から見て」
美希「ハニーに拭いてほしいなー」
P「ほれ」スッ
美希「何も箱ごとティッシュ渡さないでもいいと思うの!」
美希「あー、朝ちょっとさみしかったの」
P「今日はちょっとだけ暖かかったしな」
美希「春が来る前に一回ぐらいはつもってほしいかな」
P「まぁ一回ぐらいな」
P「もう帰った」
美希「そっか」
P「美希もあんまり遅くならないうちに帰る準備しろよ」
美希「ねぇ、ハニー」
P「なんだ?」
美希「いま、ミキたち二人っきり……だよね?」
P「いや、社長がいる」
美希「台無しなの!」
美希「あ、今日も晩ごはん連れてってくれるの?」
P「今日はちょっと遅いからな。また今度だ」
美希「急いで食べるから!」
P「身体に悪いぞ」
美希「食べない方がもっと身体に悪いの!」
P「まぁそれもそうだが……」
P「仕方ないな。と言うかまた肉かよ」
美希「お肉食べて運動したら、スタイルとかちょうどいい感じになるんだよ」
P「言っても牛丼チェーンの安肉だけどな」
美希「肉は肉なの。
ミキ的には千早さんももっとお肉食べたらいいんじゃないかなって思うな」
P「確かに説得力はある」
P「俺はしょっちゅうだけどな」
美希「もっと食べもの関係のお仕事とか来ないかな?」
P「そう言うのは大体貴音かやよいに回るからな。
美希のイメージとはちょっとズレる」
美希「そうなのかなー。ミキもグルメレポートとかしてみたいの」
美希「楽しみなの」
P「……食べるの早いのはいいが、また口元に米粒ついてるぞ」
美希「あれっ、ほんと? じゃあハニー、取ってー」
P「仕方ないな……」スッ
美希「お箸で取ろうとするのはあんまりだと思うの!
しかもミキの!」
美希「うん」
P「ごちそうさま」
美希「ごちそーさまなの」
P「しかし、牛丼食べるアイドルってどうよ」
美希「何人かミキのこと知ってたみたいだよ?
こっち見てひそひそ言ってたし」
P「……今度から牛丼はやめとこう。
有名になってきたのは喜ばしいが」
美希「えー」
美希「ハニーはすっごく馴染んでるの。ザ・サラリーマンって感じ」
P「まぁ実際サラリーマンだしな」
美希「ザ・普通の人。ザ・そこの人かな?」
P「なんかへこむからやめて」
P「お嫁さんなのに牛丼屋が似合うのはなんか嫌だ」
美希「そうかなぁ?」
P「もっとエプロンとかさ」
美希「あー、自慢じゃないけどミキはエプロンかなり似合うよ」
P「ほう? そうなのか。で、料理は?」
美希「今後に乞うご期待なの」
美希「はーい」
P「午後には俺も行くから、それまで頑張れよ」
美希「えっ、午後からずっと一緒なのっ?」
P「いや、ちょっと顔出すだけだ」
美希「ミキはハニーの逆サプライズで深く傷ついたの。
賠償としてハニーに癒やしを請求するの」
P「なんだよ癒やしって」
ミキをぎゅっと抱き寄せて、耳元で『美希、結婚しよう』って」
P「あ、もしもし、律子か?
明日の打ち合わせなんだけど、俺は近くの現場から直接行くから」
美希「こんなのってないの!」
美希「つーんなの」ツーン
P「口で言うのか。
まぁ、また明日な」
美希「えっ、なんのフォローもなしで帰る気なのっ?」
P「え? なにが?」
美希「ハニーは女心が全っ然わかってないの!
別れ際にほかの女から電話が掛かってくるなんてサイテーの中のサイテーなの!」
美希「そういう問題じゃないの!
もーっ、こんなんじゃバッドコミュニケーションなのー!」
P「何をそんなに騒いでるんだか。
まぁ、なにか至らないところがあったならすまなかったよ」
美希「……理由もわからず謝るのはもっとダメなの」
P「どうすりゃいいんだよ」
P「ふむ」
美希「『ごめん、俺美希の気持ち全然わかってなかった。だからお詫びにキスを』」
P「あ、もしもし、小鳥さんですか?
はい、今朝、机に置いてあった書類なら社長に」
美希「こんなんばっかりなの!」
美希「今度という今度は今度こそ怒ったの。絶対許さないの」
P「やれやれ。なぁ、美希」
美希「つーんなのっ」ツーンッ
P「今度の土曜日は午後からオフだったよな?」
P「そうか。俺は午後も仕事があるんだ」
美希「うん、ハニーは午後も仕事が……あれ?」
P「ん?」
美希「な、な、な、なんで?」
P「なんでって、そりゃお前たちのプロデュースがだな」
美希「そこは『お詫びに美希とデートするよ』って流れじゃないの!?」
美希「ハニーのバカぁっ!」ポカポカ
P「痛い痛い! あ、また律子から電話が」
美希「こんな携帯逆パカしてやるのーっ!」
P「うわっ、よせっ! 危ないって!」
どさくさに紛れてPに抱きついたりしてる星井美希は、
こんな日常が割と嫌いではない。
おわり。
俺も嫌いじゃない
こういうのも良いね
全裸正座で待ってる
ちゃんとネクタイしめろよ
P「俺をそう呼んでるのは美希だけだけどな。まぁ好きだな」
美希「えっ? ミキのことがっ?」
P「こんがらがってるぞ色々」
美希「なんだ……
『俺』と『美希』と『好き』がこれだけ狭い間隔で出てきたんだから、
間違いなく『俺は美希が好き』だと思ったのに……」
美希「で、ハニーは甘党なんだね?」
P「辛いのも好きだけどな」
美希「じゃあ、バレンタインにはチョコレートあげるね」
P「ほほう。期待しとくよ」
美希「任せてなの!」
P「チョコレートは甘いものの特に好きだからな。審査は厳しいぞ」
美希「……」
美希「……納得できないの」
P「何がだよ」
美希「ハニーはどんなに迫っても、ミキのこと好きって言ってくれないのに、
ミキ以外の物とか人には結構頻繁に『好き』って言葉遣ってるのが気にくわない」
P「いや、別にそんなことないだろ」
P「ん? そうだな。まぁ好きだろう」
美希「千早さんは?」
P「好きだな」
美希「やよいは?」
P「好き」
美希「ミキはっ?」
P「もしもし、こちら765プロのPと言う者ですが、
いえいえこちらこそお世話になっております、その節はどうも」
美希「だろうと思ったの!」
美希「かくなる上はバレンタインにはぶっちぎりのガッチガチ本命チョコを投げつけてやるの!」
P「はいはい」
美希「鼻血が止まらなくなるような強烈なヤツを一発お見舞いするから!」
P「火薬仕込むとかは勘弁してくれよ」
美希「愛情は爆発なの!」
P「テロだろもはや」
P「悪役のセリフだよな完全に」
美希「ふっふっふっ、一口食べたら絶対ハニーはミキにメロメロになっちゃうんだからね」
P「言っとくけど、俺はチョコは好きだがブランデーチョコはあんまりだからな」
美希「ハニーってひょっとしてエスパーなの?」
美希「あっ、もうこんな時間だったの。
行ってきまーすなのー」
P「気を付けてな。帰りは迎えに行くから」
美希「やったぁ!」
P「律子が」
美希「倒置法やめてなのー!」
美希「まさかほんとに律子……さんが迎えに来るとは思わなかったの……」
P「だからそう言っただろう」
美希「サプライズを期待したミキがバカだったって思う」
P「仕事上でのサプライズって、この業界ではトラブルって言うんだぜ?」
美希「ドヤ顔で追い討ちするのやめてほしいな……」
美希「ひとりで現場に行って、ひとりで家に帰る、でしょ?
はぁ……さみしくて死んじゃうの……」
P「そのはずだったんだけど、急遽予定が変わって俺もそっちに行くことになった」
美希「……どうせ『俺もひとりで行ってひとりで帰る』ってオチなの」
P「いや、美希と一緒にだ」
P「基本的には撮影してるところにいると思うぞ」
美希「……」
P「……」
美希「……わかったの。このあとの電話でまた予定が変わるが正解なの」
P「何言ってんだ。ほら、行くぞ」
美希「えっ、あれっ、うそっ、ほんとにっ?」
美希「正直全然信用できないの。どっかに落とし穴があると思うな」
P「ならひとりで行くか?」
美希「ハニーっ! 手繋いで行こっ!」
P「あ、もしもし、律子か?
言った通り、今日は予定を差し替えて美希の方の現場に行くから」
美希「右手は携帯、左手は鞄で塞がれてるの! でも今日ばっかりは許しちゃうの!」
俺はスタッフさんとかに挨拶してくるから」
美希「いつもの3倍ぐらいはキラキラするの!」
P「いつもそのくらいテンション上げてくれよ」
美希「限界の3倍なのっ!」
P「はいはい」
美希「ちなみにハニーのキスで最後の封印が……あれっ、もう居ないの!」
ちょっとした雑誌のカット撮影なのに、表紙を飾る勢いだ」
美希「ふぅっ、はいっ、次はどんなのですかっ?
え、小道具? このチョコをかじりながら? わかりましたなの!
このチョコを……チョコ……
あーーーーっ!!」
P「うおっ! なんだなんだ?」
P「? 何があったんだ……?」
美希(せっかくハニーに渡そうと思ってたチョコ、事務所に忘れてきちゃった……!)
美希「ありがとうございましたっ」
P「いやー、会心の成果だったんじゃないか?
頑張ったな、美希」
美希「あのねハニー、ほめてもらえてすっごく嬉しいんだけど、
ミキね、どうしても一回事務所に寄りたいの。出来るだけ急いで」
美希「……」ウルウルウル
P「わかったよ、一緒に行けばいいんだろ?」
美希「ハニーっ、ありがとうなのっ!」
P「まぁ今日ぐらいはちょっとのわがままなら聞いてやろう」
美希「そうと決まれば、光の速さで事務所まで帰るの!
ハニーも早く!」
P「無茶言うな」
事務所出るときにあせってすっかり忘れちゃってたの……)
P「なんか忘れ物か?」
美希「すっごく、すっっっっごく大事な忘れ物なの!」
P「そ、そうか。
そんなに大事なのに忘れるって、美希も相当おっちょこちょいだな」
美希「か……返す言葉もないの……」
美希「ミキ、ちょっと探してくるね!」
P「おう。手伝わなくて大丈夫か?」
美希「へーきなの! ハニーはそこで待ってて!」
P「あいよ」
美希(確か……ハニーが来るまで事務所の冷蔵庫に入れとこうとして)ガチャッ
なんでなんでなんでっ? 確かにここに入れておいたはずなのにっ)
ガサゴソガサゴソ
美希(どこ? どこにあるのっ? なんでここにないのっ? ううぅ……あっ!)
ガタッ
美希(そうだっ! ハニー来る前にハニーの机の上に置こうとして出したんだ!
そのあとすぐに出発したから、きっとハニーの机に……!)
パチッ
P「おいおい、探し物なら電気ぐらいつけてだな」
美希「……」
P「ん? 見つかったか?」
P「美希?」
美希「ハニーのために作ったチョコが……どこにもないの……」ウルウルウル
と言うか、それがない、って」
美希「う……ううっ……ご、ごめんね、ごめんね、ハニー……っ
ミキね……一生懸命つくったんだけど……っ……」ポロポロ
P「お、おいおい」
美希「ハニーに……喜んでもらえるかなって……っ……なのに……っ」ポロポロ
美希「で、でも、ミキが覚えてる場所にはどこにもなくて……」
P「じゃあ覚えてない場所にあるかもだろ? どんなチョコなんだ?
包装紙とかは何色?」
美希「えっと……ひっく……赤のチェック模様なの……」
P「赤のチェックね。それで、あるとしたら大体どの辺なんだ?」
P「なるほど、赤のチェックで、俺の机の上か。ふむふむ」
美希「誰かが……食べちゃったのかなぁ……」ジワッ
P「なぁ、美希、それってひょっとしてこんな包装紙だった?」ガサガサ
美希「あっ! それなの!
……でも、包装紙だけってことは、中身はやっぱり誰かが……」
美希「……なぁに? ハニー……」ポロポロ
P「それ食べたの俺だわ」
美希「……え?」
たまに小鳥さんが差し入れくれるんだよ。ちょっとしたお菓子とか。
それで、大概俺の机の上においてあるもんだから、てっきり今回もそれかと」
美希「……」
P「いや、すまん。まさか美希のチョコだったとは。
なんかずいぶん凝った差し入れだとは思ったんだがな」
美希「……」プルプル
向こうの昼休みに食べさせてもらったよ。いやぁ、なかなかうまかった、うん」
美希「……」プルプルプルプル
P「えーと、あー……美希?」
美希「……ねぇ、ハニー……なんでそれがミキのチョコだって気付かなかったの……?」
P「え? なんでってそりゃ、名前も何もなかったからな」
P「あぁ、あるぞ。バタバタしてて鞄に入れっぱなしだったからな」
美希「……そのチョコが入ってたところの、枠を取ってみて」
P「ん? これ取れるのか? よっと」スポッ
美希「……」
美希「もぉおおおおおおおおっ!!
ハニーのバカぁあああっ!!」ポカポカポカポカ
P「うおあっ! 美希、落ち着け美希! いや、俺が悪かったって!」
美希「ぜっっっっったい許さないの!!
人の本命チョコをよりによって小鳥のと間違えるなんて信じらんないの!!」ポカポカポカポカ
美希「許してほしかったらどうすればいいかちょっとは考えるの!
でなきゃ明日からストライキなのっ!」
P「わ、わかったわかった。えーと、そうだな……あ、そうだ。
ローソンおにぎり一週間食べ放題ってのは」
P「……ど、どうですかね?」
美希「ハニーはミキのこと好きなの!? 嫌いなの!?」バァン!
P「おわっ……そ、そりゃ好きだよ」
美希「……」
P「……」
美希「もっかいなの」
P「え?」
美希「いまのをもっかい言うの」
美希「……」ギュウーッ
P「うわっ! い、いきなりなんだよ」
美希「……今は気分がいいから、今回だけゆるしたげるの」ギュウーッ
P「わかったから、ちょっと離してくれないか?」
美希「いま離したら、いまだかつてない不機嫌になるの」ギュウウウーッ
P「はぁ、やれやれ……」
『ハニー、大好きなの! ハニーのアイドル、美希より』
とあった。
この後、某製菓会社のチョコレートのイメージキャラクターに美希が選ばれたことが、
美希のブレイクの大きなきっかけになるわけだが、
その話とこの話の関連は特になさそうである。
おわり。
おやすみ
おやすみ
久々にまったりしたよ
Entry ⇒ 2012.02.16 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
岡部「明日は何の日か、だと?」
ほぼオールキャラバレンタインネタ。
今日は何が何でも完走する。
では最初から投下します。
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1329314581/
岡部「明日は何の日か、だと?」
岡部「そんなもの……この狂気のマッドサイエンティスト鳳凰院凶真の知ったことではぬわぁーい!」
ダル「オカリン、それ今回だけはただの負け惜しみにしか聞こえないお」
岡部「ぐっ……じ、事実! 関係ないのだから関係ないのだ!」
ダル「世界中のおにゃのこたちが男子諸君にチョコをあげる、そんなバレンタインイベントだろ!」
岡部「正直お前がチョコを貰えるとは思えん。相手がいないだろう」
ダル「僕には明日!大事な使命があるんだお!暇人のオカリンと一緒にしないでもらいたい!」キリッ
岡部「なっ……貴様抜け駆けか……!!」
岡部「(……いや、コイツには将来鈴羽が生まれるぐらいの美人嫁が出来るはずなのだから不思議でもないか……)」
岡部「(しかしバレンタインデートとは……まるでリア充ではないか。……なんだか複雑だ)」
岡部「ダルよ……俺に紹介もしないとは随分独り占めをしたいようだな。流石ダルの嫁と言ったところか」
ダル「独り占めなんて出来る事ならしたいに決まってるだろ常考」
ダル「おおおおおフェイリスたんは俺の嫁! 誰にも譲らん!」
岡部「……は? フェイリス? コミマで知り合ったコスプレ少女じゃなくて?」
ダル「オカリンこそ何言ってるん? 僕明日はメイクイーンニャン×2のバレンタインイベントに参戦するんだぜ?」
ダル「フェイリスたんからの手作りチョコ貰えるとか幸せすぎるだろおおおおおおおおwktk!」
岡部「」
岡部「(くそっ……深読みしすぎたか……)」
ダル「というわけで僕明日はラボには来ないと思われ。一日中のイベントだからさ」
岡部「ほう、メイクイーンも中々でかい規模のイベントやるんだな」
ダル「何々? オカリンも興味湧いちゃった感じ?」ニヤニヤ
岡部「興味などない。俺が興味を持つのは世界に混沌をもたらす方法のみだ!」
ダル「はいはい、厨二病乙」
ダル「だけど牧瀬氏がいないんだからあんまり暴走すんの控えてくれお。ツッコミめんどい」
岡部「なっ、助手は関係ないだろう。それに暴走ではない!これが俺のn」
カンカンカンカン トントン ガチャ
まゆり「トゥットゥルー♪ まゆしぃなのです☆」
まゆり「本当はそうだったんだけどねー」
まゆり「明日のイベントのまゆしぃ担当分が早く終わったからちょっと遊びにきちゃったのです」
岡部「ほう、やはりまゆりも参加するのか」
まゆり「うん! きっと明日は楽しくなると思うんだぁ」ニコッ
ダル「まゆ氏はメイクイーンの中でもなかなかの人気を誇ってるからね。ファンも結構多いんだお」
岡部「……そうか。まぁあまりはしゃぎすぎるなよ」
まゆり「うん? 大丈夫だよ~フェリスちゃんもいるしねぇ」
ダル「お? もうこんな時間かお。明日は早いから今日はもう帰るお」
岡部「む、分かった。じゃあな」
まゆり「じゃあねーダル君~また明日なのです~」
まゆり「ダル君帰っちゃったねえ」
岡部「お前も帰らなくていいのか? ダルのあの感じだと明日も早いのだろう?」
まゆり「うん。でもね、オカリンにちょっと言っておこうかなーと思って」
岡部「ん? なんだ?」
まゆり「最近ね、ラボメン全員で集まったイベントってなかったよね?」
岡部「? あー……まぁそうだな。年始に助手が帰ってきたという事で少し集まったぐらいだな」
岡部「結局奴はすぐ帰ってしまったが…」
まゆり「それでね……」
まゆり「本当はね、明日はバイトが入ってなかったら」
まゆり「ラボメン皆でチョコパーティを開こうと思ってたのです」
まゆり「それにまゆしぃとオカリン。皆で」
まゆり「……バイトのせいってわけじゃないんだけど」
まゆり「なんだか考えてた事が出来なくなっちゃって寂しいなあって思ったのです」
岡部「ふむ……」
まゆり「フェリスちゃんだってメイクイーンの方でイベントは考えてると思ったし……」
まゆり「よーく考えてみれば最初っから無理だったんだねえ」
まゆり「……皆で、集まりたかったなあ」
岡部「……」
まゆり「……こうやって二人でいるとね、最初の頃のラボを思い出して寂しくなっちゃうんだぁ」
まゆり「最初の頃のあのゆったりとした感じも好きだったんだけど、今はやっぱり皆一緒が楽しいのです」
岡部「……まゆり」
まゆり「うん?」
岡部「まぁ流石に各々の予定は聞かないとまずいが……」
岡部「基本的に忙しいクリスティーナに合わせれば問題なかろう」
まゆり「……うん、そうだねぇ。じゃあクリスちゃんにメールしとかなきゃ!」
岡部「問題ない。それは俺が送っておく。とりあえずお前は明日のイベントのことだけ考えておけ」
まゆり「うん!」
岡部「じゃあ今日はもう遅いから帰れ。……俺が送っていってやるから」
まゆり「えへへぇ~……じゃあお言葉に甘えようと思うのです♪」
―――――
―――
―
岡部「さて、世の中はバレンタインなどとうつつを抜かしているようだが……」
岡部「この狂気のマッドサイエンティスト鳳凰院凶真にはそんなことは関係なーい!」
岡部「まぁ、昨日まゆりが言っていた事は考えねばならぬのだが……」
岡部「いかんせん、助手から返信が来ないようでは身動きが出来ん……」
岡部「というわけで」
岡部「クリスティーナから返信がくるまでだが!」
岡部「今日も今日とて機関に対抗するべくして未来ガジェットの開発にいそしむのだ!!」
岡部「では開始する!!!」
岡部「…………」カチカチッ
岡部「…………」カチカチッ
岡部「…………」ドアチラッ
・ ・ ・
岡部「…………」カチカチッ
岡部「…………」カチカチッ
岡部「…………」ケイタイカパッ
・ ・ ・
岡部「なんだこのバレンタイン系スレの乱立は……」カチカチッ
岡部「…………」カチカチッ
岡部「…………」ドアチラッ
岡部「……今日はラボには誰も来ないのだろうか……」
岡部「ってまるで俺が忙しくないみたいじゃないか! そんなことはないぞ!!」
岡部「ちょっと気分が下がってるな……ここはドクペでも飲んで喝を入れるか」キッチンへ
冷蔵庫 カパッ
岡部「なっ……」
岡部「ドクペが…一本もない…」
岡部「名前を書いておかなかったから誰かが食べてしまったのか……くそっ」
岡部「ぐっ……こんな日に外へ出かけるのは大変不本意であるが……」
岡部「致し方ない。俺の灰色の脳細胞が糖分とドクペを欲しているため、買い出しに出かけるか」
岡部「(ふむ。目的の品は手に入った。ドクペもプリンも予備を考慮して二つずつ)」
岡部「(ついでに夕飯分のカップ麺だって二つ購入だ!)」
岡部「(フッフッフ……これで万が一誰かに食されても俺の分が残ってるという訳だ!! ぬかりはない!)」
岡部「(さて、ラボへ戻るか……)」
ポッピーンポロロンポッピッポー
岡部「ん?メール……助手か?」パカッ
From:ルカ子
凶真さん、本日はラボにいらっしゃいますか?
あとで少し用事があるので寄ろうと思ってるんですけど…
いらっしゃらなければまた今度にするので大丈夫です。
P.S.今日はまだ五月雨の素振りはやってません。。。
すみません><
--------------
岡部「ほう、用事とな。……柳林神社ならここからすぐだし……」
岡部「修行の様子見も兼ねて寄るか」
るか「…………」箒シャッシャッ
岡部「フゥーッハッハッハ!! ルぅーカぁー子ぉよ! この鳳凰院凶真が直々に出向いてやったぞ!」
るか「……え? ……って、え、あ、おかっ、きょ、凶真さん!? なんでここに!?」
岡部「いや、丁度買い出しに行っていてな。メールをもらった時に近くを通りかかったものだから来たのだが」
るか「あっ、す、すみません! まさか来て頂けるとは思わなかったので……!あっと、えっと……」ワタワタ
岡部「ん?何か言い辛い事なのか?」
るか「い、いえ!そうじゃないんですけどっ……じゅ、準備が……」
岡部「準備?」
岡部「まぁ特に急いでるわけでもないからな。よかろう」
るか「っじゃ、じゃあちょっと取りに行ってきますね!」
岡部「(どうしたというのだ?)」
-数分後-
タッタッタッタ…
るか「っはぁ! た、大変お待たせしました……すみません……」
岡部「いやたいして待ってなどいないが……」
るか「直前にラッピングをしてお渡ししようと思っていたので準備が整ってなくて……」
るか「あのっ……こっ、これをどうぞ!」箱差し出し
るか「バ、バレンタインのチョコレートですッ!」
岡部「なっ!? チョ、チョコレート……だと?」
るか「はい! えっと、おかっ……凶真さんにはいつもお世話になってますし」
るか「そのっ……教えてあげるついでに作った程度なのであまり自信はないんですけど……」
るか「貰って……頂けないでしょうか?」ウルッ
岡部「お、おぉう、ちょ、ちょっと待てええええええ」アセアセ
岡部「(ひ、日頃のお礼ぐらいなら貰ってもいいよな……)」
岡部「(一瞬ルカ子が女だった時の世界線を思い出してキュンとなってしまったが……)」
岡部「(だが男だ!)」
岡部「(よし! 俺は正常!)」
岡部「ちょっと待て! 誰がいらないと言った」
岡部「俺はルカ子の師だからな! 弟子の好意は受け取っておくのが道理だろう!」
岡部「その……有難く頂いておこう」
るか「……っ、あ、ありがとうござます!」ニコッ
岡部「(ぐっ、またもや精神攻撃を……)」
るか「え? ……あっ! い、いえ! そこは何でもないんです! 気にしないで下さいっ!」
岡部「そうか……」
るか「はい……」
岡部「……」アセアセ
るか「……」テレテレ
岡部「(な、なんだこの微妙な空気……)」
岡部「ま、まぁなんだ。チョコはラボで美味しく頂くとしよう!」
岡部「それでは俺は今日は帰るが……しゅ、修行はしっかり個人で行っておくように!」
るか「っはっ、はい! それでは失礼します!」
岡部「(ふう……さっきは流石に驚いたな……まさかルカ子からチョコを貰うとは……)」
岡部「(バレンタインに貰うチョコが男からって……いいのかそれで)」
岡部「(まぁ見た目はそこらの女より女らしいからいいか)」
岡部「だが、男だ」キリッ
萌郁「……」ボーッ
岡部「ん? シャイニングフィンガーではないか」
萌郁「あっ……岡部、くん……?」
萌郁「ううん……違う……今日は非番……だった」
岡部「だった?」
萌郁「……」コクッ
萌郁「店長さん……体調、悪くなっちゃった……みたいで……」
岡部「なん、だと……」
岡部「……クックック、実に気分が良い! そのまま当分は寝込んでいてほしいものだな!」
萌郁「……」
岡部「それで今は貴様が店番、という訳か」
萌郁「……」コクッ
萌郁「ぁ……そうだ……ちょっと、待って」ガサゴソ
岡部「?」
岡部「……あー……もしやこれは、『チョコレート』と言った奴か……?」
萌郁「昨日……作った……食べてくれるかなって……」モジモジ
岡部「そ、そうか……」
岡部「(くっ、本来女子からチョコを貰ったとなれば大喜びするはずなのだが……)」
岡部「(何故か包みを見せられた時から悪寒しかしない!! といっても理由は明白だがな!)」
岡部「指圧師よ……一応聞いておくが、そのー……」
岡部「Mr.ブラウンにも……渡した……のか?」
萌郁「…………もちろん。その場で、食べてくれた」
岡部「」
岡部「―――俺だ。現在、機関の攻撃よりも強烈な"ブツ"を手に入れてしまうかもしれない可能性が出てきた」
岡部「出来れば回避したかったのだが……何? これもシュタインズ・ゲートの選択だと……?」
岡部「こんな選択が……こんな選択が許されるのか……くっ、了解した。何とか乗り切って見せるさ」
岡部「―――エル・プs」
萌郁「……何、してるの?」ヒョイ
岡部「うおおおおおお!!! いきなりこっちをのぞき込んでくるなあああああ!!!」
萌郁「……っ……ごめん、なさい」ビクッ
岡部「い、いや、だ、大丈夫だ」ドキドキ
萌郁「……それで、チョコ……」
岡部「あ、あぁ。いい頂いておこう」ブルブル
岡部「よってこの場では食さないが、いいな!?」
萌郁「……うん……ありがと」ホッ
岡部「む、むう……」
岡部「(なんなんだ、調子が狂うぞこれは……)」
岡部「(とりあえず、一旦"コイツ"は封印でもしておくか……)」
岡部「(Mr.ブラウンでさえ勝てないのに俺が勝てるわけがない)」
まゆり「あれー?オカリンだぁートゥットゥルー♪」
岡部「なっ、まゆり!? お前何故ここにいるんだ。 今日はメイクイーンのイベントではないのか?」
まゆり「えへへ~それがまゆしぃとしたことが忘れ物をしちゃったのです。だから取りに来てたんだよぉ~」
岡部「そうか……忙しないやつだな」
まゆり「えへへぇ~……あ、バイトが終わったらまたラボ寄ってもいいかな?」
岡部「まぁ、別にかまわんが」
まゆり「じゃあ帰りに寄るね! ……あっ、そうだ!」
まゆり「オカリンも今からメイクイーンニャン×2のイベント参加しない?」
岡部「俺が? 今からか?」
まゆり「オカリンが時間空いてたらでいいんだけど、どうかな?」
岡部「俺は別にバレンタインなぞに興味はない」
まゆり「あう……そっかぁ……残念」ショボン
岡部「(ぐぐっ、そんな残念そうな顔をするなと……! だが……!)」
岡部「だ、だが、どうしてもというなら行かない事も無いぞ」
まゆり「わあほんとぉ!? うわぁーい! じゃあ今すぐ行くのです☆」パァァッ
岡部「え? おい、ちょっ、準備が」荷物ドサァ
まゆり「レッツゴー♪」
岡部「しかしイベントとは一体どんな事やってるんだ? 随分早い時間からやってるようだが……」
まゆり「んー? それはねぇ」
ガチャッ
フェイリス『まだまだ行っくニャーン!!』
客「「「うおおおおおおおおおおおお!!!!!!」」」
客「「「( ゚∀゚)o彡°フェイリス!フェイリス!( ゚∀゚)o彡°」」」
岡部「な、なんだこれは……」ポカーン
まゆり「午前中はチョコ配ったりー色々ゲームとかしてたんだけどね~」
岡部「そ、そうか……」
岡部「(これは予想以上の熱気である)」
フェイリス「凶ぉ真ぁ~~~!!!」ダキッ
岡部「どわぁ、ちょ、くっつくでない!」ヒッペガシ
フェイリス「むぅ~このぐらいなんでもないニャン!」
フェイリス「それにぃ~凶真ならきっと来てくれるって信じてたニャン♪」
ダル「ぬおおおおお!! フェイリスたんに抱きつかれるとか裏山過ぎるだろ常孝!!」机バンバンバンバンッ
フェイリス「ダルニャンはまたあとでニャン♪」
ダル「うっはあwwwww僕全裸待機余裕wwwwwwwww」
岡部「リアルにはやるなよ」
ダル「心の全裸的な意味だお」
フェイリス「先の事まで見とおせる未来眼[フューチャーアイズ]が覚醒したのニャ!」シャキーン
岡部「なに!? ついに覚醒の時だと……!?」
フェイリス「そうニャ。そして、この先は……凶真とのラッブラブデートだニャーン☆」
岡部「だが断る」キリッ
フェイリス「だけどそんな凶真も……大好きだニャン♪」
岡部「い、いい加減からかうのはよせ!!」
ダル「オカリンまじ爆発しろ!!! 死ね! 氏ねじゃなくて死ね!!!」
岡部「はぁ……ダルは本当に通常運転だな」
岡部「え? あ、あぁ、うむ。そういえばそういうイベントだったな。……貰っておく」
フェイリス「ちなみに味はビターだニャン☆ ちょっぴり苦ーい大人の味ニャン♪」ウィンク
ダル「うおおおおおおおおおフェイリスたん僕にもウィンクぷっりいいいいいいいず!!!!!」バンバンッ
岡部「……実にここは平和である」
岡部「(さて……そろそろか)」チラッ
ガチャッ
まゆり「あっれ~? オカリンなんでいるのー?」キョトン
岡部「お前を駅まで送ろうと思ってな」
岡部「まぁ俺は後でラボに戻るから自宅までは送れないが……」
岡部「(少し過保護すぎる気もするが……平気だろう)」
まゆり「大丈夫だよ~」
まゆり「じゃあ今日もオカリンと途中まで帰れるんだねぇ~なんだかデートみたいだねぇ~えへへぇ」ニッコニッコ
岡部「なっ、変な言い方をするでない!」
岡部「流れとは言え、客があれだけ騒げば疲れもあるだろうし、今日はそのまま駅に向かうぞ」
まゆり「んーっと、まゆしぃは別に疲れてないよ? 体力には自信があるのです」
岡部「それでも、だ。ダルも帰ったことだし……」
岡部「なにより、暗くもなってきたしな」
まゆり「オカリンがそこまで言うなら……今日はそのまま帰ろうと思うのです♪」
岡部「ちなみにラボに用事とはなんだったんだ?」
まゆり「んー? えへへぇ~知りたい? 知りたい~?」
岡部「ラボメンの行動管理は俺の最優先事項だからな」
まゆり「本当はねぇ……今オカリンがここにいるから寄らなくてもよかったのです☆」
岡部「ん? どういうことだ?」
まゆり「んふふふ~それでは発表しまぁーす!ダダダダダダ……(セルフドラムロール)」
岡部「?」
岡部「ほう、今年も……俺にくれるのか?」
まゆり「うん♪ しかも今年はフェリスちゃんと一緒に作ったから味もばっちりなのです☆」
岡部「毎年毎年完食しきれた試しがなかったからな……」
まゆり「ぶー! あれはあれで美味しいと思うのです! 食べ物を粗末にしちゃだめだよー?」
岡部「ふっ……分かってるさ。それに、今年のは味見もしたんだろう?」
まゆり「もちろんなのです♪」
岡部「なら安心して食えるな」
まゆり「うん♪ ……あのね、オカリン」
まゆり「いつもありがとうね」
岡部「ど、どうした突然」
まゆり「ううん、突然じゃないよー? 言う機会がないだけで、いっつも心の中ではそう思ってるのです」
まゆり「まゆしぃはオカリンの人質で、本当に本当によかったと思うんだぁ」
まゆり「昨日も似たような事言っちゃったけど」
まゆり「オカリンの人質だったからラボメンの皆ともお友達になれたし」
まゆり「それはまゆしぃにとっても辛いことだから、きちんと言ってほしいかなぁーっt」
岡部「だから俺はお前を重荷だと思った事は一度も無いと何度も言ってるだろう…!」
まゆり「へっ?」キョトン
岡部「そこにまゆりの意思は関係ない!」
岡部「だが、貴様はこの崇高なる鳳凰院凶真の手中にある、すなわち、それが人質!」ババッ
岡部「フゥーッハッハッハッハ!!!!」
まゆり「ほぇー……」ポカーン
岡部「……つまりっ、……まだまだお前には人質になってもらうからな」
岡部「そっ、そこそこの自由は与えてやるが! この俺からは逃れられないと思え!!」
岡部「……あと、もう俺が辛いだろうとか自分が重荷だろうとか、そんなこと考えるな」
岡部「俺はお前が生きててくれるなら何でもしたし、これからも……多分する、と思う」
岡部「って、これは言ってもまゆりには分からんか……まぁとにかくだ」
岡部「重荷どころか随分助けられてるんだぞ? これでも」
岡部「存在そのものと言うかー……なんというかー……」
岡部「う、上手くは言えないが……」ワタワタ
岡部「と、とにかく。 お前はそのままでいいから。今のままでいいから……」
岡部「何も考えずに普通にしてろ。いいな?」頭ポンポン
まゆり「オカリン……」ジワッ
まゆり「っ……ありがとう、オカリン」ニコッ
岡部「う、うむ」
まゆり「……やっぱりオカリンは優しいんだよねぇ」ボソッ
岡部「うん? 何か言ったか?」
まゆり「ううん、なんでもないよー♪ じゃあまゆしぃは心置きなく……」
まゆり「オカリンが嫌ーって言うまで人質を続けようと思うのです♪」エヘヘ
岡部「そんな時は来ないだろうが……うむ、まぁそれでいい」
―――――
―――
―
まゆり「それじゃあまた明日ね! トゥットゥルー♪」バイバイ
岡部「あぁ。……あっ、電車の中で寝過ごしたりするなよー?」
タッタッタッタッ…
岡部「……」
岡部「(……まゆりは……やはりいつもあんな事を考えているのだろうか)」
岡部「また少し、考え直さねばな……」
岡部「(ふむ……しかし、まぁなんだ)」
岡部「(今年は意外にも多く貰えたな。……まぁ全てラボメンガールズからなのだが)」
岡部「(……悪くない)」
岡部「……ん? って、なああああああ!」ラボ見上げ
岡部「あああああしまった……出る時に急いで連れ出されたから気づかなかったのか……不覚ッ!」
岡部「急いで消さねば電気代がああああああ」ダッシュ
カンカンカンカン
ガチャッ
「遅いッッッ!!!」
岡部「」ビク
紅莉栖「…………岡部、あんた今日どこ行ってたんだ?」
岡部「え、……く、クリスティーナ!? 何故ここにいる!? 今はアメリカにいるはずだろう!!」
紅莉栖「いいから私の質問に答えろ」ギロッ
岡部「うぐっ……助手の分際でこの俺に指図などs」
紅莉栖「あん?」
岡部「あ、はい。ご説明させて頂きます」
紅莉栖「ふーん……つまり他の女の子にチョコを貰いに行ってたんだ。わ・ざ・わ・ざ」イライラ
岡部「ご、誤解を招くような言い方をするな! それにわざわざ貰いに行ったわけではない!」
岡部「……い、行く先々で……くれたのだ」
岡部「フッ……まぁこれも、この狂気のマッドサイエンティストの人望と言うやつk」
紅莉栖「黙れ厨二病」
岡部「なっ、これは断じて厨二病などでないだろう! 事実だ!」
紅莉栖「は?」
岡部「帰ってくる時は必ず連絡をよこすという約束ではなかったか!」
紅莉栖「あっ、ま、まぁそんな約束もしてたわね……」
岡部「それに昨日のメールにも返信すらしないとはどういう事なのだ!」
紅莉栖「それは……」
紅莉栖「……っ」
岡部「貴様は生粋の研究大好きっ娘だからな! だがな! まゆりも寂しがっていたのだぞ!」
紅莉栖「……」
岡部「それを貴様はよくも……ぬけぬけと俺を問いただせるものだな!」
紅莉栖「……」グスッ
岡部「え?」
岡部「(本気で責めようとかは欠片も思ってなかったのだが……まずい)」
岡部「あっ、いや、つまりはー、そのー……ちゃ、ちゃんとこまめに連絡は欲しいということで……」
紅莉栖「……――ッ! こッの馬鹿岡部!!!」シュッ
パァンッ ポトッ
岡部「あいたっ!! ちょ、顔に物を投げるのは反則だろう!! 角がっ!」ヒリヒリ
岡部「……って、…………ん? これは……」
紅莉栖「私だって何度も連絡しようか迷ったわよ!!!」
紅莉栖「でもっ、どうせ! 岡部のことだから! チョコ一個も貰えてないだろうと思って!!」
紅莉栖「あんたの落ち込んだ顔を励ましてやろう……とかって思ってたわけじゃないけど!!」
紅莉栖「あんたが貰った時に驚いた顔見て』プゲラざまあああwwwwww』って言ってやろうと思って!!」
紅莉栖「それがなによ!! あんた朝早く様子見に行ったらまだラボにいないじゃない!!」
紅莉栖「それで午後には流石にいるだろうと思って来てみても! またいないじゃない!!」
紅莉栖「私を避けてるの?! なんなの?! 馬鹿なの!? 死ぬの!!!?」
岡部「」
岡部「くっ、紅莉栖……とりあえず泣くのは……」
紅莉栖「泣いてないわ!!!」グズズッ
岡部「お、おう……」
岡部「(なんだこの状況は……俺は幻覚でも見てるのか……?)」
岡部「お、俺に、手作りチョコを渡して驚かせようとしたから……連絡はしなかった……のか?」
紅莉栖「……なッ!! 違っ! っけど……」
紅莉栖「ええい! もういい!! それでいい!!」グズッ
岡部「(こ、これはなんということだ……)」
岡部「じゃ、じゃあこの投げてきた箱は……」カパッ
紅莉栖「……私が作ったチョコだ。悪いか」グズッ ゴシゴシ
紅莉栖「……ッちなみに、漆原さんに教えてもらったから味は完璧なはずよ……」
紅莉栖「まずいなんて言わせるもんですか……!」キッ
紅莉栖「……なっ、何よ……」
岡部「すまない」
紅莉栖「……っ」
岡部「まさかお前がそこまで計画した上で……こんな形で貰えると思ってなかったのだ」
岡部「ある意味、いや、そのままの意味でも驚いた」
紅莉栖「……」
岡部「それで……つい、とっさにああ言ってしまったが……」
岡部「そのー……あー……」
紅莉栖「……?」
紅莉栖「……っ」
紅莉栖「……そ、それは……まぁ私も……あんたに連絡なしで帰ってきちゃったわけだから……」
紅莉栖「……悪かったわ。よくよく考えてみればちょっと度が過ぎたわね」
岡部「し、しかしだな!!」
紅莉栖「な、なによ……」
岡部「その……俺としては、帰ってきた時に……」
岡部「お前がいた時点で驚いたというか嬉しかったというかなんというかだな……」目ソラシ
岡部「だ、だからそれは! 連絡をよこさなかった貴様が悪い訳で!!!」
紅莉栖「ぐっ……」
岡部「むっ……」
岡部「……いかん、これでは終わらないな」
紅莉栖「……」モジモジ
岡部「……」キョロキョロ
紅莉栖「なっ……ちょっ、私もう帰るからあとで一人で食べなさいよ!!」
岡部「しかしもう終電も行ってしまってるぞ?」
紅莉栖「えっ……あ、歩いて帰るからいい!!」
岡部「しかし暗いと危ないではないか。……今日はラボに泊ってけ」
紅莉栖「でも……夕飯も……」
岡部「昼に偶然にも予備と思って買ってきたカップ麺が2つある。それを食うがいい」
紅莉栖「……」
岡部「それに……何を心配してるのかは知らんが、別にお前にHENTAI行為をしようなどとも思ってない」
紅莉栖「バッ! そんなこと考え……たけども、ちょっとだけ、あくまでわずかな可能性として」
岡部「おい」
岡部「……ほら、カップ麺」コトッ
紅莉栖「……あ、ありがとう」
岡部「その間に俺はこれを食べる」パカッ
紅莉栖「……あくまでチョコが先なのか」
岡部「当たり前だろう。お前がそこまで行動したチョコだからな。食べるのが礼儀だろう」
紅莉栖「なんか礼儀とかまで言われるとちょっと複雑なんだけど……」
紅莉栖「え、えぇ……」ドキドキ
岡部「(コイツはもちろん覚えてないだろうが……)」
岡部「(夏以来、助手の料理は避けてきたからな……心配だが)」
岡部「(だが今回はルカ子と作ったというし……大丈夫、きっと大丈夫……なハズ!)」
岡部「むぐ」パクッ
紅莉栖「ど、どう……?」
岡部「これは……普通に食えるぞ……!!!」
紅莉栖「美味しいとは言わないんだな」
岡部「…………いや、美味い」
紅莉栖「はいはい、どーせ分かってましたよ絶対美味しいなんて言わな……え?」
岡部「このぐらいの甘さが良いな。甘すぎず苦すぎず」
紅莉栖「……な、なんでこういう時に限って素直にっ……」カァァッ
岡部「って、ん? どうしたのだ? うつむいたりなんかして。カップ麺伸びるぞ?」
紅莉栖「うるさい!! こっち見んな! バカ岡部!!!」
岡部「お、おう……」
岡部「とっ、とにかく! このぐらいならラボのキッチンに立たせてやるから……」
岡部「……これからも……その、精進するように! いいな!」
紅莉栖「いっ、言われなくても上手くなるわよ!」
紅莉栖「それに今回は結構長い滞在になるから思う存分食べさせてやろうじゃないの!!」
岡部「あっ! いやいや! まままだ、時間はあるのだだだろう?」声ウワズリ
岡部「なら当分はルカ子と一緒に作ってくれ頼む!!」ブルブル
紅莉栖「……仕方ないわね……漆原さんには迷惑がかかっちゃうけど……」
紅莉栖「岡部にまた不味いって言われるよりマシかしら」
岡部「(俺とラボメンの健康面も兼ねて是非そうして欲しい……)」
岡部「(と、いったら殺されそうだから言うのはやめておこう……)」
紅莉栖「じゃあこれからどんどん美味しいもの食べさせてやるんだから覚悟しなさいよね!!」
岡部「まぁ期待せずに待っているとするか」
【-終わり-】
なんだか詰め込み過ぎて、
後半もはやバレンタインとは何の関係も無くなった気がしてならない。
お付き合い頂いた方々、お疲れさまでした。
初SSで色々あったけど
昨日今日に引き続き保守・支援してくれた人、本当に有難う。
嬉しいものだね。
そして鈴羽はどう頑張っても入らなかった…
まぁそれは7+数年後にたっぷり貰うという事で。
個人的にモヤモヤした部分があったので
とりあえず需要ありでもなしでもとりあえず全投下しておく。
-------------------------------------------
―
―――
―――――
岡部「……時に、助手よ」
紅莉栖「だから助手じゃないといっとろーが。何よ?」
岡部「昨日聞きそびれたのだが……貴様、早朝に一回寄ったと言ったよな?」
紅莉栖「ええ、言ったわ。その時あんたもいなかったけどね」
岡部「……もしやその時、プリン食べていかなかったか……?」
紅莉栖「へっ!?」ビクッ
岡部「食べたんだな?」
紅莉栖「だ、だって……名前書いてなかったし……誰が食べてもいい用なのかと……」
岡部「ほほーう、犯人は貴様だったか。朝からプリンとは……随分食い意地が張っているではないか」
紅莉栖「プリンなんて食べれなかったし……」
紅莉栖「それに! 名前を書いておかない方が悪いのよ!」プイッ
岡部「いや、自分で買ってきたものを食べるのが普通だろう!!」机バンバンッ
岡部「貴様、もしダルやまゆりの分でも同じことが言えるのか!?」
紅莉栖「ぐぐっ……橋田やまゆりはプリン買ってこないわよ!」
紅莉栖「大体! まゆりはバナナとからあげが好物だし! 橋田は……知らないけど」
岡部「なら今度2人が買ってきた時の反応が楽しみだなァ? 助手よォ」
紅莉栖「ふんっ! いつになることやらだけどね!!」
カンカンカンカン…トントン ガチャ
まゆり「トゥットゥルー♪ おはよーなのです☆」
紅莉栖「あっ、まゆり。ハロー」
タタタタッ
まゆり「うわああああ本当にクリスちゃんだあああ」ダキッ
紅莉栖「うわああう! まっ、まゆり?!」アセアセ
まゆり「うわあー! 久しぶりだねぇ~! 会いたかったよおおう」ムギューッ
紅莉栖「あっ、ちょっ、くすぐったいわよ、ふふっ」
まゆり「まゆしぃはいてもたってもいられなくて、ラボに来ちゃったのです☆」
紅莉栖「まゆり……ごめんね。連絡出来なくて……」
まゆり「ううん。全然気にしてないよぉー♪ クリスちゃんに会えたからそれでいいのです☆」ニコッ
岡部「だから言っただろう助手よ、『まゆりも寂しがっている』とな」
紅莉栖「え、えぇ……本当にごめんね、まゆり」
まゆり「ううん! 大丈夫だってぇ~」
岡部「というかまゆり、なんだその袋。またバナナのストックはあったと思うが……」
紅莉栖「私に?」
まゆり「うーん♪ はいっ、どーぞ」スッ
紅莉栖「わぁ……こ、これは……!」
まゆり「じゃっじゃーん! 『プレミアムプリンデラックス』なのです♪」ズズイッ
紅莉栖「まゆりが……プリン……しかも、私のために?」
まゆり「えっへへ~ちょっと奮発しちゃったぁ~」
まゆり「あとでオカリンがきっとパーティ開くんだろうなあとは思ったけど……」
まゆり「先に渡しておこうと思ったのです♪」
紅莉栖「まゆり……ありがとう」ギュッ
まゆり「うん♪」ニコッ
紅莉栖「な、なによ突然! 折角人がほのぼのとした空気に浸ってるのに!」
岡部「フッフッフ……まさかァ、つい先ほどの事を忘れたわけではあるまいなァ?」
紅莉栖「はぁ? 何言ってんのよ」
岡部「先程貴様は……『橋田やまゆりはプリン買ってこない』といったな?」
岡部「だが事実! こんなにも早いとは予想外だったが……まゆりはプリンを買ってきたではないか!」フフーン
紅莉栖「はァ!? これは私に買ってきてくれたんだからノーカンでしょ!」
岡部「たとえどんな形であろうと! 買ってきたものは買ってきたものだ!」ドヤァ
岡部「これを、どう弁解するのだ? ん?」
まゆり「えへへ~オカリンと紅莉栖ちゃんはやっぱり仲が良いねえ~見ててニヤニヤしちゃうよぉ」ニヤニヤ
岡・紅「「仲良くない!!!」」
岡・紅「「ぐぬっ……」」
まゆり「えへへぇ」
こっからご都合展開。
見てる人がどれだけいるか分からないが、
ちょっとでも「ないわー」と思ったらそっと閉じて下さいな。
---------------------------
ガチャッ
ダル「お? おぉ??? 牧瀬氏いつ帰ってきたん? これは僕にも予想外の展開である」
るか「皆さん、おはようございますッ」
萌郁「……おは、よう」
フェイリス「ニャニャ~!? クーニャンがいるニャン! 」
岡部「なっ!? お前ら揃いも揃って何故ここに!?」
ダル「つい下で会ったんだお」
るか「下でお会いしたので……」
萌郁「下で……会った」
フェイリス「下で会ったのニャン♪」
岡部「これも……シュタインズ・ゲートの選択なのか」
鈴羽「……っと、やっほー! オカリンおじさん!」イエイ
岡部「ちょちょちょちょっと待て!!! お前は一番いちゃだめだろう!!!」ガタガタッ
鈴羽「えー! だって本編一回も出れなかったんだからおまけぐらいいてもいいじゃーん」ブーッ
岡部「それにお前どこにタイムマシン……」
鈴羽「ふふふー。だいじょーぶ! 今度はラジ館じゃなくてここの屋上にタイムマシン出現させたから」
岡部「そ、そうか……」
鈴羽「まぁーチョコは持ってきてないけど、7年とちょっと待っててよ。そしたらいーっぱいあげるからさっ!」
岡部「昆虫入りは勘弁してほしいがな……」
岡部「ま、まぁ何はともあれ、これで特に連絡なしで全員揃ったということで……」
岡部「これより! クリスティーナ帰還による宴会の準備を始めようと思う! 異論は却下だ!」
全員(紅除く)「「「おぉー!」」」
紅莉栖「なっ! これから!? 今日!?」
岡部「なんだ。用事でもあるのか?」
紅莉栖「用事はっ! ……ない、けど……」
紅莉栖「その、突然だし……皆迷惑なんじゃないかと……」ショボン
岡部「なら全員了承の返事などしないと思うが?」
岡部「それにルカ子もフェイリスもいる。料理を作れる絶好の機会だと思うが? ん?」
岡部「最初から……というか普段からそうやって素直になってればいいものを」ボソッ
紅莉栖「あ!? 今なんか言った!?」ギロッ
岡部「い、いやぁ、なな何も」ブルブル
岡部「よよよーし! 今日は俺も直々に買い出しに行こうではないか!」
岡部「ルカ子! フェイリス! 買い出しに行くぞ! 残りはラボで準備だ! では!」ガチャッ ダダダッ
紅莉栖「あ、ちょっ、逃げるな岡部ぇーーーー!!」
まゆり「ふふふー♪ やっぱりまゆしぃは皆仲良しさんが一番楽しいのです☆」
【---おまけ 終わり---】
これで本当に終わり。
鈴羽…本当に無理矢理になっちゃったけどごめんね…
嫌いじゃないんだよ!
そしてやっぱり昨日と同じくこんな時間ですね。
でもおまけまで完走できたので自分的にスッキリです。
まゆしぃが目を輝かせてるのが浮かぶ
Entry ⇒ 2012.02.16 | Category ⇒ シュタインズゲートSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
桐乃「私の兄貴がこんなに可愛いわけがない!」
京介「……何だ。お袋も桐乃もいないのか」
京介「とりあえず、リビングでお茶でも飲もう」 スタスタスタ
京介「……ん?冷蔵庫に見慣れん液体が」
京介「あぽときしん……よんはちろくきゅう?」
京介「……パッケージの絵がやたら萌え萌えしてんな」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1328212343/
桐乃「私の兄貴がこんなに可愛いわけがない!」
京介「どれ一口味見を」ゴクッ
京介「うーん。味がキツくて俺には合わん」
京介「やっぱ日本人はお茶に限るな」ズズーッ
京介「………………」
京介「なんか……体がムズムズする……」
京介「うっ!な、何だ。一体何が起きてんだ……!?」
京介「ぎゃああぁぁッ!!」
京介「き、桐乃!大変なんだ!!」
桐乃「きゃあっ!って……何?子供?」
京介「俺だよ俺俺!なんかとんでもねーことになっちまった!」
京介「ちげーんだって!話聞いてくれよ!」
桐乃「しかもオレオレ詐欺のごっこ遊びまで……
ちょっとお母さん!変な子あがってるよー!いないのー!?」
京介「俺は京介だ!!お前の兄貴の京介だよ!!」
桐乃「……………………はああぁ?」ギョロッ
京介「ヒイィィッ!?」
この身長差だと当社比1.5倍増しに怖ええ!)」
桐乃「子供だと思ってしたてに出てたら調子に乗って……
アンタが私の兄貴ィ?言って良い冗談と悪い冗談があんのよ!」
京介「し、信じてくれって!俺も何でこんなことになっちまったのかはわかんねーけど……
しょ、証明なら出来る!」
桐乃「……ハッ、面白いわね。やってもらおうじゃん」
桐乃「クイズ。クイズか……んー、そうね……」
桐乃「………………」
桐乃「……あ、兄貴の……え、エッチな本の隠し場所は……どこでしょぅ」ボソッ
京介「ぶーッ!!」
わかったらおまわりさんとこ連れてかれる前におうち帰んなさいよねっ!」
京介「(……か、仮にも子供に向かってなんつーこと聞いてんだコイツは)」
京介「(しかし……背に腹は変えられん!)」
京介「……ベッドの……下!」
桐乃「……なっ!?」
桐乃「正解……ですって!?」
京介「(……つーか何でお前が知ってんだよ)」
アホな兄貴が100人いたら、99人はそこに隠すというほどのチープな隠し場所!」
京介「余計なお世話だ!ていうかそこは兄貴じゃなくて、男でいいだろうが!」
桐乃「第二問!私の好きなテレビ番組のタイトルは何!?正式名称で!!」
京介「せ、正式名称……だと!?」
京介「(あいつの好きな番組といえばそりゃもちろん例の魔法少女もののアニメだが……
正式名称はヤバいな……ちょっと自信がねえ……)」
京介「(……さりげなく好きなアニメじゃなく好きなテレビ番組って聞く辺り、ぬかりねえな)」
京介「くっ…………。ほ、星くずうぃっち……メルル?」
桐乃「!!??」
京介「ど、どうだ!?」
桐乃「…………。星くずとうぃっちのあいだに、☆マークが足りない」
京介「口語じゃわかんねーとこをつっこむんじゃねえ!!」
京介「記憶にねえよ!!!」
桐乃「(チッ……ひ、引っ掛けにものらないか……///)」
京介「(真っ赤になるくらいなら聞くんじゃねえよ)」
桐乃「…………あんたのすきなおんなのこのなまえはなーんだ」ボソボソ
京介「もはやクイズじゃなくて質問だ」
京介「だから何度もそう言ってるだろ?
気づいたらガキの姿になっちまってたんだよ!」
桐乃「ハァ……つくづく面倒なことに巻き込まれやすい体質よね。アンタって」
京介「(お前が言うか…!)」ビキビキ
桐乃「(そ、それにしても……)」
桐乃「(いざ兄貴だと思ってこうして見てみると……)」ジーー
京介「とりあえず、現状の把握と対処をだな……桐乃」
桐乃「(か……可愛いぃいい!!何この生き物超可愛いぃ!
ブカブカの制服着て!なんか得意げに難しいこととか言ってるしいぃ!)」
桐乃「(まずいわ……昨日やったエロゲにいたショタっ子の弟キャラ(攻略対象、名前変更可)
のキョウスケきゅんを連想しちゃって……クソッ!)」ギンッ!
京介「ヒイィッ!?」
桐乃「そうね。ハアハア……とりあえずの対処として、まずは半ズボンをはきましょう。ハアハア」
京介「何言ってんのお前!?」
京介「お前は女だろうが!!何が悲しくて兄貴が妹をお兄ちゃんなんて呼ばなきゃならんのだ!」
桐乃「ある朝目覚めたらパンツが何かベタベタしてても変じゃないの!男なら誰もが通る道なのよー!」
京介「にじり寄ってくるんじゃねえー!落ち着け桐乃!なんか赤木(妹)みたくなってるぞー!!」
桐乃「…………ハッ!」
桐乃「…………///」コクリ
桐乃「違うの……昨日やってたエロゲにね……?」
京介「大体のことはわかってるつもりだ。何も言うな」
桐乃「うう……」
京介「バー……なんだって?」
桐乃「チッ。ネットスラングが通じない奴はこれだから……
ほら、アニメでやってるでしょ!体が小さくなる!名探偵のやつ!」
京介「ああー、あれか。なるほど、言われてみれば確かに……」
桐乃「あれは確か、悪の組織に変な薬を飲まされてってやつだったけど……」
京介「悪の組織、ねえ。あいにくそんな非日常的な奴らと接触した記憶は……」
京介「ん?待てよ。薬を飲まされ……って、まさかあれか!?」
京介「冷蔵庫に見覚えの無いジュースがあった。あぽ何とかってやつ」
桐乃「あぽ……まさか、アポトキシン4869なんて言うんじゃないでしょうね
それこそバーローに出てくる小さくなっちゃう薬じゃない」
京介「…………名前。よく覚えてたな」
桐乃「フフン、そりゃあ生粋のオタクだから。……って、アンタまさか!」
京介「……そのまさからしい」
京介「し、しょうがねえだろ!
いかにもなパッケージで冷蔵庫に入ってたら誰だってジュースだと思うだろ!」
桐乃「ほんっと馬鹿!いやバーローだわ!このバーロー!」
京介「くっ……!(なんで小さくなったほうがバーロー呼ばわりされるんだよ)」
京介「え!?い、言っちまうのか!?この現状を親父達に!?」
桐乃「当たり前!アンタ、同じ屋根の下に住んでて隠し通せると思ってんの!?
それに冷蔵庫にその薬を入れたのも、あたしらじゃないとしたらその二人のどっちかでしょ!」
京介「くっ……た、確かに……」
京介「(悔しいがやっぱこういう時は、頭の良いコイツは頼りになる……)」
父「この液体は、うちの署が追っていたある組織の施設で押収したものだ。
詳しく調べる為に特例で持ち帰っていたんだが……」
桐乃「それがなんで、冷蔵庫なんかに……?」
母「母さんがお父さんの書斎を掃除してたら見慣れないパックがあってね
飲みかけのジュースだと思ってつい冷蔵庫に入れちゃったのよ。どうやらそれが……」
京介「例の薬だったと……」
父「全く……。だから書斎の掃除はするなといつも言っているのに」
母「☆」テヘペロ
京介「(このババア……)」
摂取した量から見てもまず死ぬようなことにはならんはずだ」
京介「ほっ……当座の不安点は解消されたわけか」
母「ところで……何で半ズボンなの?京介」
京介「なんでもねーよ俺の趣味だよチクショウ!」
桐乃「ハァ……ハァ……」ジーーー
(父「今回の件は、出来る限り内密にしてほしい
信用できる者以外には事情の説明は控えてくれ」)
京介「って話だったが……」
京介「確かに信用できる者と言われて、頭に浮かんだのがコイツらなのは認める……」
京介「だからって!一度に集めることねえだろうがー!!」
麻奈実「ほえー……きょうちゃんが、本当に昔のきょうちゃんになってるー……」
沙織「むぅ~。なんとも不思議なこともあるものでござるなあ。黒猫氏?」
黒猫「と、時をさかのぼる禁呪……わ、私でも扱うのが難しい高等呪文を行使したようね(滝汗)」
あやせ「こんな非科学的な現象ありえない……嘘よ。嘘に決まってるわ」
京介「(おい桐乃!普通こういうのは一人ずつ懇切丁寧に説明するもんだろうが!)」
桐乃「(もーう大丈夫よ。ほんっと自分のこととなると途端にチキンなんだからアンタは)」
京介「(収集つかなくなったらどうすんだよ!)」
桐乃「(私に任せなさいって。アンタがすねないように
ちゃんと地味子も呼んでやったんだから感謝しなさいよね)」
桐乃「──と、いうわけで……」
「「「「…………!」」」」…ゴクリ
桐乃「うちの兄貴がちっちゃくなっちゃいました!」
「「「「………………」」」」シーン
黒猫「何が……『というわけ』なのよ……」
あやせ「どうしちゃったの桐乃?わざわざ皆を集めてこんなドッキリなんかして……
分かった!何か悩みごとね?相談なら乗るから話を聞かせて?ねえ桐乃」
京介「(予想通りダークな方面からのバッシングがすげえ……)」
桐乃「まあ待ってよ皆。皆っていうか、主に黒いのとあやせ」
麻奈実「(ぽーっ)」
沙織「(@ω@)?」
桐乃「でもね二人とも。今のコイツを……兄貴をもっとよく見てあげて!」
京介「き、桐乃……!?」
黒猫 あやせ「「………………」」
桐乃「半ズボンに……サスペンダー……。小さな膝こぞう……生意気そうに見上げる瞳……」
京介「そっちかよ!!」
桐乃「だからあたし達がその間、コイツの!『お兄ちゃん』に!なるのよ!!」
黒猫 あやせ「「……な、なんですって……!?」」
京介「いやいや!お前ら女だろ!!何でお兄ちゃんなんだよ!!」
桐乃「……昔の偉い人が、こんな言葉を残してるわ……」
「「………………」」 ゴクリ
桐乃「『かわいいは、正義!』と──」
黒猫 沙織「「ば……ばらスィー……」」
京介 あやせ「(元ネタがわからなくてつっこむにつっこめない…)」
「「・*:.。.採用.。.:*・」」ポワァァァ
京介「はや!?」
沙織「要するに京介氏が我々の弟になる……ということですかな?
フム……詳しい事情はわかりませんが、面白そうですな!」
麻奈実「きょうちゃんが弟に!?わあー!それいいね!」
京介「お、お前らまで!つか麻奈実!お前にはロックっていう列記とした弟がいんだろ!」
麻奈実「私が欲しいのはお馬鹿な弟じゃなくてえ、弟という名のきょうちゃんなの!」
京介「意味がわかんねえよ!!」
特別にコイツを皆の共有財産として、1日交代で貸し出すわ!」
黒猫「……それは、我々が先輩を個人的に自宅に招いても良いということね?」
桐乃「うっ……げ、現状をごまかすのに協力してくれるって、約束してくれるなら……」
あやせ「わ、私は別に……。お兄さんが弟になって、弟をお兄さんって呼ぶのが良いとか思ったり
頭をなでなでしたり一緒にお風呂入ったりするのが良いなんて思ってませんから!」
桐乃「(フッ、あやせ。語るに落ちたわね)」
桐乃「そんなわけだから、今から順番でくじ引きやって
書いてある順番で交代でコイツの1日お兄ちゃんやりましょ!」
沙織「いやいや~京介氏。『おとうと』に拒否権はござらんよ……
これは二次元業界の鉄則にござる!」
京介「現実と架空の世界を混同すんな!」
黒猫「京くん……」スッ
京介「ヒイィッ!?」
黒猫「心配しないで京くん。私達お姉さんに任せなさい
大丈夫。何も怖いことなんてないのよ…クスクス」
京介「(こえぇー!見下ろす黒猫ってこんな迫力あるのかよ!)」
いくら見た目が可愛くなっても所詮お兄さんは変態なんですね?」
京介「(こっちのうつろな目のあやせに見下ろされるほうがこええぇー!!)」
あやせ「こうなったらこれを期に私がお姉ちゃんとして、お兄さんを……
弟という名のお兄さんを!しっかりとしつけてあげましょう!」
京介「とりあえず手錠をしまってください」
麻奈実「えへへ、きょうちゃ~ん」ナデナデ
京介「くっ……頭をなでるな!」
京介「抱きつくなあーっ!む、胸が!)」
桐乃「ス、ストーップ!くじ引き決定した日以外は、あくまでも共有財産なの!
過剰なおさわりは禁止よ!」
「「「「チェッ」」」」」
京介「(こ、これが年上のパワー、迫り来る肉の迫力……って何言ってるんだ俺は)」
桐乃「はい!この箱の中にあるくじ引きで、順番決めるわよ!
走らず押さず、列を乱さず並んで!」
桐乃「な、何よ……何か文句あんの!?」ナデナデ
京介「ありまくりだ!反論する隙もなしに本人ほったらかして色々決めやがって!
あと、頭をなでるな!!」
桐乃「しょ、しょーがないでしょ!協力してもらう為なんだから!」ナデナデ
京介「……あいつらなら別にそんな対価がなくても、協力してくれたんじゃねえのか?」
桐乃「う……」
桐乃「この前やってた・・・・・・エロゲでね・・・・・・?」
京介「(またエロゲの話かよ)」
桐乃「5人のお兄ちゃんが、1人の弟(女装癖あり)を溺愛するっていうシチュがあって・・・・・・」
京介「何なんだその胸糞悪くなるシチュエーションは」
桐乃「うん。レビューサイトでもぼろくそに酷評されてた……
これ乙女ゲーのシチュだろとか、弟じゃなくて兄が5人とか誰得だよ……って」
弟視点なの?どっちみちありえねーだろ」
桐乃「でも……あたしは面白かったの!だからその、マネしてみたくなって」
京介「あいつら入れて、兄貴ごっこやろうって考えたのか?」
桐乃「う、うん……その……嫌だった……?」
京介「………………」
京介「まあ、ほんとにそのエロゲと同じシチュで
5人の兄貴にもみくちゃにされるのは、全力でお断りしたい」
桐乃「うう……」
もとい。精神的なダメージもない」
桐乃「じゃ、じゃあ…?」
京介「弟なんてもんがどういうものかはよくわかんねーが……
とりあえずお前らがやりたいようにやるのに任せることにする」
桐乃「………!」パアァァ
桐乃「………」ナデナデナデナデ
京介「頭をなでるな!」
桐乃「今日からお父さんとお母さん、しばらく旅行で家あけるって」
京介「はあ!?息子がこんな一大事なのにか!?」
桐乃「うん。たまったまね?私のモデル友達から旅行のチケット貰ってさ
たまったま、その旅行チケットの期限が今日までだったんだ」
京介「…………あえてつっこまないことにする」
桐乃「ってわけだから、今晩は私が料理作ったから!ありがたく食べなさいよ!」
京介「ああ。頂きます……」
京介「むぐっ…くそ。体がちっちぇえからハシがなげえ……」ポロポロ
桐乃「……ハア……ハア」ジーーー
京介「な、何を口走ってるんだお前は!?」
桐乃「しょ、しょうがないでしょ!?
うちにはアンタのサイズに合うハシなんか無いんだから!」
京介「だからってあーんはないだろあーんは……正気か!?」
桐乃「う、うるさいわね!私はアンタのお姉ちゃんなんだからね!
拒否権はないんだから!」
京介「(お兄ちゃんって設定はもういいのか……?)」
何なのよそのちっちゃなお口は!くっそー!可愛いなあもう!!!」
京介「わけのわからんキレ方すんなよ!」
桐乃「ほら・・・・・・あーん」
京介「(く、屈辱だ・・・・・・)あーーん」
桐乃「・・・・・・・・・・・・」ジーーー
京介「もぐ・・・・・・もぐ・・・・・・ゴクン」
京介「う、うまい・・・・・・もっとくれ」(上目遣い)
桐乃「・・・・・・ぐッッはァーー!!」ズキューーン
京介「!?」
京介「あーんに次ぐあーんを乗り越えて夕飯もすんだ
予想に反して風呂も無事に一人で入ることが出来た・・・・・・」
京介「なんか風呂の外でハァハァ聞こえてた気もしたが・・・・・・
さすがに突撃してくる度胸はあいつにもなかったらしいな」
京介「だが、あいつがこのままで1日を終わらせるはずがない。きっと何か……」
ガチャッ
京介「(き、来た──!)」
桐乃「ね、ねえ・・・・・・起きてる?」
京介「ここを乗りきればきっと無事に朝日を拝める!耐えるんだ高坂京介!」
お、お姉ちゃんが添い寝しにきてあげたわ。か、感謝しなさいよね!」
京介「な・・・・・・なんだって!?」
桐乃「ほ、ほら!もっとそっちつめなさいよ!」ムギュー
京介「ぐっ・・・・・・」
桐乃「・・・・・・・・・・・・」
京介「・・・・・・・・・・・・」
桐乃「うううぅぅ!」
京介「(なんかうなりはじめたぞ!?)」
桐乃「もう我慢できない!」ギュウウウッ
京介「ひぐぅっ!な、何なんだ!急に抱きついてくんなよ!」
桐乃「うるさいわね!弟に拒否権はないのよ!
あんたはもう・・・・・・お姉ちゃん専用の抱き枕なの!」
京介「ワードチョイスが完全にエロゲーじゃねえか!」
こんなちっちゃくなって!こんないいにおいで!!」クンカクンカ
京介「体臭は変わってねえよ!?」
桐乃「はあぁぁ!私より小さい兄貴が!私の腕の中で!
私より非力な兄貴が!私の腕の中で必死にもがいてええぇぇ!」ギュウウウ
京介「ぐふうっ!い、息が……でき……」
桐乃「はー!はー!京介!京介えぇぇ!」ナデナデクンカクンカ
京介「ギ、ギブ……マジで……極まってる。極まってるから……桐乃……」
京介「ゼー……ゼー……我に返ったか。桐乃」
桐乃「私一体何を!?確か……風呂場でちっちゃなパオーンを見てハァハァして……」
京介「そこまでは正気だったとでも言うのか……」
桐乃「ち、違うの!これは私の中にいる私という名のエロゲ主人公が!
京介という名の弟を攻略対象として!追い詰めようとして!」
京介「わ、わかった!わかったから!」
桐乃「決して襲おうとか、そんな……アレだから!勘違いしないでよね!?」
京介「これ以上何を勘違いしろっていうんだお前は……」
桐乃「…………」ナデナデ
京介「(一応落ち着いたものの、離してはもらえんのか……)」
桐乃「ねえ……」ギュー
京介「な、何だよ・・・…」
桐乃「一回だけでいいから、お、お姉ちゃんって呼んでみてくんない?」クンカクンカ
京介「な、何だと!?」
京介「(実の妹に向かってお姉ちゃんと呼ぶ……ハードルが高え!)」
桐乃「ねえ、一回だけだから……先っちょだけだから……」ナデナデ
京介「(とうとう訳のわからんことを言い出したぞ)」
京介「くっ……わかったよ……」
桐乃「…………」ドキドキ
京介「その……お、おねえ……ちゃん……?」
桐乃「もっとハッキリ言いなさいよ!!奪われたいの!?」クワッ!
京介「(ヒイィッ!?)」
京介「お、お姉ちゃん!」
桐乃「…………」ジーーン
京介「……え?」
桐乃「リピート!アフター!ミー!!!」
京介「お、お姉ちゃん、大きくなったらボクと結婚して!」
桐乃「目をそらすな!!」クワッ
京介「ひぃ!大きくなったらボクと結婚して!」
桐乃「もちろんよきょうきゅんん!!お姉ちゃんどっこにも行かない!
きょうきゅん以外と結婚なんか!するもんですかああああ!!」ギュウウウウ
京介「ぎやあぁぁ!さばおり!さばおり桐乃さばおり!!」
桐乃「お父さんとお母さんのことは私が説得してみせるから!何も心配いらないから!
安心してあたしの腕に抱かれればいいの!女は海なのおお!」クンカクンカクンカ
京介「帰ってこおおおおい!!」
チュンチュン……
桐乃「……フーッ」ツヤツヤ
京介「シクシクシクシク……」ゲッソリ
桐乃「これがいわゆるひとつの……『朝チュン』……ってやつね!」キリッ
京介「意味はわからんが、きっと違う……」
桐乃「堪能したわ……リアルお兄ちゃんシチュ」
京介「ああ。リアルお兄ちゃんに向かってな……
つかお兄ちゃんなのかお姉ちゃんなのかハッキリしろよ」
桐乃「なんかもう、この先もしコイツが元に戻って上から目線でムカつくこと言っても、
『もう……この子はほんとしょうがないんだから』って広い心で許せそう」
京介「なんだその心境の変化は……地味に嫌すぎる……」
別のお兄ちゃんのところで揉まれて、ひとつ上野男になって帰ってきなさい!」
京介「剥けてないのは小さくなったからだ!ちゃんと剥けてる!」
桐乃「そうよねーきょうきゅんはもう大人だもんねー?ウフフフ……」
京介「(いかん……完全におかしくなってやがる)」
京介「それにしても……例のくじ引きでいうと
俺は次に誰と兄弟やることになってんだ……?」
桐乃「えーと、ちょっと待って。確か……」
黒猫「私よ」
桐乃 京介「うわあ!?」
勝手にあがらせてもらったわ」
京介「い、いつから……そこに?」
黒猫「きょうきゅん☆きょうきゅんはもう大人だもんね?ウフッ☆の、辺りからよ……」
桐乃「くっ!不覚……!よりによって……コイツに聞かれるなんて!!」
京介「(声マネすっげー似てる……)」
黒猫「このツンデレビッチをここまでデレて骨抜きに変えてしまうなんて……
これが弟の魔力、か──。フフッ、なるほど。私も心してかからねばならないようね」
京介「嫌な予感しかしねえ……」
問題ないのよね?」
京介「さりげなくこの子とか言われてるし……」
桐乃「くっ……仕方ない。兄に二言はないわ」
京介「つっこまないからな」
桐乃「ただし!わかってるわね……?度を越えるようなことは……」
黒猫「ええ。さすがに私だって心得ているつもりよ」
京介「……ほっ」
黒猫「本人の了承を得てからにするわ」
京介「!?」
京介「(あれよあれよという間にコイツの家に来たわけだが)」
黒猫「ククククク……まさか、こんなチャンスが訪れようとはね」
黒猫「先輩を自宅に連れ込み、自由にする……しかもあの女の公認を得て」
京介「お、おい!自由にしていいなんて言われてねえだろ!」
黒猫「弟は姉の言うことには絶対服従だと、沙織は言っていたわよ?先輩」
京介「アイツの言うことは、フィクションでの話だ!」
黒猫「それに……」スッ
京介「!?」
黒猫「わ、私と先輩は……仮にも元恋人どうし。そうでしょ?」
京介「うっ……!」
京介「(さりげなく元ってとこを省いてやがる……)」
黒猫「ねえ?きょ、京くん……」ギュッ
京介「ううっ!?」
京介「(くそっ……相変わらず可愛いな黒猫……
しかも、今は頭ひとつぶん向こうがデカい……黒猫+包容力=……!!)」
黒猫「お、お姉ちゃんが……色々教えてあげる……」
京介「(顔が近えぇーっ!!)」
黒猫 京介 「「!?」」
ひなた「ふー寒い寒い。って、あれ?どしたのるり姉
って……その子、もしかして……」
たまき「るりねえさま?何してるんですか?」
黒猫「(くうっ……妹達!帰ってくるのが早すぎるわ!)」
京介「(はードキドキした……)」
黒猫「以前会ったことがあるでしょう。友達の兄の高坂京介先輩よ」
たまき「ちっちゃくなっちゃったって……ほんとだったんだ」
ひなた「てっきりるり姉の電波がまたはじまったと思ってたら……」
黒猫「信じてなかったのね。あなた達……」
黒猫「ほら、京くん。ひなたお姉ちゃんとたまきお姉ちゃんにもご挨拶なさい」
京介「あ、ああ……。って!黒猫どころかコイツら二人も姉扱いなのか!?」
黒猫「当然でしょう?あの女は私に『弟として』あなたを貸し出したんだから……クスクス」
京介「くっ……!し、しかしだな!黒猫はわかるとしても、
こいつら二人なら小さくなっても、まだ俺のほうがでけえだろ!?」
ひなた「失礼な!これでも同学年の中ではかなりスラッとしてるんだよ!?」
京介「(スラッじゃなくてペターっの間違いだろ!)」
ひなた「それに!身長だって私のほうがあるもん!ほら!」スッ
京介「うぐ……確かにこうやって比べると、若干ではあるが俺のほうが小さい……か?」
京介「……!?」
たまき「…………」ナデナデ
京介「……!!??」
たまき「きょーうちゃーん♪」ナデナデ
京介「(な、何だ……3姉妹で一番ちっこいのはコイツ……
なのに他の二人よりを凌駕する程の圧倒的な包容力を感じる……!)」
京介「(逆らえない……!この子の……いっぺんの曇りもない笑顔に!)」
京介「(これは……そうか!この子はアイツと…・・・
麻奈実と同じ空気を持っているのか!この年でなんて恐ろしい…・・・!)」
たまき「えへへへ」ナデナデ
あなたが私達3姉妹の中でも最もヒエラルキーの低い存在……
すなわち、末弟だということが!!」ピシャーン
京介「う、ううっ……!」ガクッ
たまき「……」ナデナデ
ひなた「(こりゃ確かに間違いなくるり姉の彼氏だわ……)」
ひなた「んじゃ、きょうすけ?」
京介「──え?」
ひなた「とりあえず、ひなた姉ちゃんと一緒に皿洗いしよっか♪」
京介「……は?」
ひなた「今日は私が皿洗い当番なの!だから、弟はお姉ちゃんを手伝う義務があるの!」
京介「な、何でだよ!お前の当番なんだからお前がやれ!
つーか年上を呼び捨てとはなにごとかー!」
ひなた「フン、今は私のほうがお姉ちゃんだもん
アンタはお姉ちゃんである私の言うことを聞いてればいいのよ!」
京介「(こっちはまさかの桐乃タイプか!?)」
妹達の情操教育上よろしくないんじゃないのかー!?」
黒猫「下の者を上手に扱うスキルも、社会に出れば必要になってくるわ」
京介「見た目は子供、頭脳は大人!その名は俺なの!!」
黒猫「バーローの人だってきちんと小さくなった分、相応に媚びへつらっているわ」
京介「お前はあのアニメをそんな目で見てたのか…・・・」
たまきお姉ちゃんも手伝ってあげますからね?」ニコニコ
京介「……う……うん」ドキドキ
黒猫 ひなた 「「(このロリコンが)」」
~夕飯どき~
京介「ところで……黒猫」
黒猫「…………」
京介「……るり姉さま」
黒猫「何かしら?きょうくん」
京介「今日、親御さんのほうは何時頃お帰りになられるので……?」
ひなた「今日はお父さんとお母さん、帰ってこないよ?」
京介「なにいい!?ここでもか!!」
夫婦水入らずで温泉へ行ってるわ。1泊ほど」
京介「シンクロニシティ……なわけねーだろ」
たまき「いっしょにお風呂はいろうね!きょうちゃん!」
京介「た、たま姉……」
京介「(何だろう……この響き……凄くしっくりくる……
最初から姉という文字の上にたまの2文字が存在していたかのような……)」
京介「で、でもたま姉。さすがにそれはちょっと……
長女様が許しても児ポ法が許してくれないよ……」
ひなた「いいじゃんいいじゃーん!
私だって今の京介みたいなガキに裸見られても、何とも思わないし!」
京介「どう見ても同い年ぐらいだろうがーー!!」
黒猫「ほ、ほら。じっとしていなさい、きょうくん。うまく頭が洗えないわ……」
京介「(くっ……あの黒猫が……バスタオル一枚で……!
なぜか俺の頭を……優しく洗ってくれている……ッ!)」
京介「(そ、それに……)」
たまき「背中ーごっしごっしー♪」
ひなた「なに縮こまってんのよ。男ならもっと胸をはんなさいよね!」
京介「(何でこいつらはタオルも巻かずに堂々としてるんだー!!)」
黒猫「きょうくん、見かけによらず綺麗な髪質してるのね……」ワシワシ
京介「あふぅ……」
京介「(強くもなく、弱くもなく、絶妙な力加減……
こいつぁ……ヤベえ!!)」
たまき「はーい!」
京介「ちょ、ちょっと待てオネイチャンたち!さすがに前は自分でやるから!」
ひなた「もーう。アンタはじっとしてればいいの!
お姉ちゃん達に任せて、子羊のようにプルプルしてなさい!」
たまき「だいじょうぶだよ~。いたくしないから~」
京介「う、うおーん!助けてくれ黒猫!男としての尊厳が色々ピンチだ!」
黒猫「…………」ワシワシ
京介「る、るり姉さまぁああ!!」
ひなた「るり姉……?」
たまき「るりねえさま……?」
京介「く、黒猫ぉ……!」パアァァ
黒猫「……と思ったけど、別にそんなことはなかったわ」ワシワシ
ひなた たまき「「ごっしごっしー♪」」
京介「お姉さま!るりお姉さまぁあ!かよわい弟の僕を助けてお姉さまぁあああ!!」
黒猫「……フッ。危険な火遊びはそこまでよリトルシスターたち」
ひなた たまき「「え・・・・・・?」」
京介「おねえ・・・・・・さま・・・・・・!」
黒猫「か、下半身は・・・・・・長姉である私の仕事よ
貴女達は・・・・・・見学していなさい」ドキドキ
ひなた たまき「「は~い♪」」
京介「んノォーーーーオオオッッ!!!」
これが・・・・・・これが、先輩の!!」
京介「イィーーーヤァーーーー!!!」
ひなた「な、何よ。別にガキのチン・・・・・・くらい
た、体育の授業で同級生の子が半ズボンからハミチンしてんの見たことあるもん!」
京介「やーめーてぇえええ!!!」
たまき「わ~すごーい。プルプルしてる~」
京介「高校の後輩と!年端もいかないその後輩の妹達に!
こんな辱めを受けるなんて!あんまりだー!」
黒猫「い、いいからじっとしていなさい!上手に洗えないじゃないの!」
京介「上手に洗われてたまるかー!」
黒猫「ひなた、たまき。しっかり押さえていなさいね」ハアハア
ひなた「は~い!ほら!暴れるんじゃないわよ!」
たまき「きょうちゃん、力よわいね~」ナデナデ
京介「おたすけーーッッ!!」
裏山
黒猫「ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・」
京介「シクシク・・・・・・・シクシク・・・・・・」
ひなた「フンフフンフーン♪」ゴーーー
たまき「ありがとうお姉ちゃん、髪かわきました!」
ひなた「オッケー!次交代ね!」
黒猫「・・・・・・しょ、少々、やりすぎてしまったと・・・・・・言わざるを得ないわね」
京介「どこが少々だー!とんでもなくやりすぎだ!!」
京介「おかげで俺は・・・・・・俺は・・・・・・ッ!(泣)」
黒猫「な、何も泣くことないでしょうきょうくん・・・・・・
そっちの業界では、むしろご褒美だと聞いてるわよ?」
京介「俺にマゾっ気はねえーー!!」
たまき「ねえおねえちゃん、まぞってなんですか?」
ひなた「たまきは知らなくてもいい言葉よ~」
チュンチュン……
京介「くそッ…・・・昨日は散々な目にあった・・・・・・」
黒猫 たまき ひなた 「「「Zzz・・・」」」 ギュー
京介「(ここでもしっかり抱き枕代わりにされるし・・・・・・しかも3人分)」
京介「(しかし、るり姉さ…・・・もとい、黒猫の作る飯はうまかった)」
京介「(ひなたも何だかんだいって相手してくれたし…・・・
たま姉も何かと世話焼いてくれたし…・・・案外弟ってのもいいもんだな…・・・)」
京介「…・・・…・・・」
黒猫 たまき ひなた 「「「Zzz・・・」」」 ギュー
何が『相手にしてくれた』・・・・・・だ!『世話焼いてくれた』って何だよォーッ!?)」
京介「しっかりしろ!高坂京介!自分を強く持つんだ!
まだこんな恐ろしいイベントが・・・・・・あと3回も残ってるんだぞ!!」
黒猫「・・・・・・何をぼそぼそ言っているの・・・・・・?きょうくん」
京介「あっ、ゴメンネ。起こしちゃった?るりお姉さま」
ひなた「うーん・・・・・・何よきょうすけぇ
昨日は寝るの遅かったんだから、もうちょっと抱かれてなさいよお」
京介「ウン。ゴメンネ?ひなたオネイチャン」
たまき「ん・・・・・・きょうちゃん・・・・・・むにゃむにゃ」ギュー
京介「ワアー、タマ姉。トッテモアッタカイヨウ・・・・・・」
「「「「ZZzzz・・・・・・」」」」
京介「・・・・・・ってあぶねえぇええーー!!!」ガバッ
馴染んできたの方がいいかwwww
黒猫「そう・・・・・・もうそんな時間なのね・・・・・・寂しいわ、きょうくん」
京介「る、るりおね・・・・・・!もとい、黒猫・・・・・・その、結構・・・・・・楽しかったよ」
ひなた「昨日は弟だと思ってこき使ったりしてごめんねー?京介さん」
京介「ひ、ひなた姉ちゃ・・・・・・じゃねえ!ひなたちゃん・・・・・・色々ありがとな?」
たまき「うう・・・・・・ほんとに行っちゃうの?きょうちゃん・・・・・・」ウルウル
京介「た、たまねえぇ・・・・・・!じゃあなくってええ!たまきちゃんも、また遊ぼうね!」
黒猫「あなたが別の家の弟になっても・・・・・・例え大きな姿に戻ったとしても・・・・・・
この家はこれからもあなたの家・・・・・・私達は貴方のお姉ちゃんよ」
京介「おねえさまァアーッッ!」
京介「(もう、なんつーか・・・・・・俺、弟でいいや)」
あやせ「というわけで、今日は私が担当の日ですよ。お兄さん」
京介「ああ・・・・・・話は聞いたぜ。ドンと来い!マイエンジェルあやせ!!」
あやせ「そ、そそそ、その減らず口をぉ・・・・・・!
今日1日のしつけをもって、黙らせてみせます!」
京介「しつけ・・・・・・かぁ。怖いなあー」ワクワク
あやせ「何かしら・・・・・・心なしか、お兄さんがいつもより従順だわ・・・・・・
ていうか、見た目の可愛さに反してなんか気持ち悪い・・・・・・」
京介「ドキドキ」
お兄さん=年上、私=年下という固定観念を取り払ってもらいます」
京介「フム・・・・・・あやせが可愛いということ以外、よくわからなかったぞ」
あやせ「か、かわッ!で、ですから!今までの家で姉達にどう接してきたかは知りませんが!
ここではしっかりと姉と!弟であるという認識をもって臨んでもらいます!」
京介「・・・・・・要するに、単に体が小さな京介と、体の大きなあやせという関係性じゃなく
れっきとした姉弟としてふるまう・・・・・・と、そういうわけだな?」
あやせ「理解が早くて助かります」
京介「体は子供!頭脳は大人!その名は」
あやせ「そういうのはいいです」
京介「はい」
昨日今日という連日の過酷なスケジューリングの中で培った
俺の中の!弟の心を!今こそここで解き放って見せるぜッ!」
あやせ「・・・・・・は、はい。期待しています」
あやせ「さしあたって私のことは、姉さん、と…・・・そう呼んでもらいます」
京介「わかったよ姉さん!」
あやせ「(一体どんな洗脳をうけたらここまで人格が変化するというの……)」
京介「・・・・・・え!?」
あやせ「聞こえなかったの?携帯よ。持ってきているんでしょ?出しなさい」
京介「あの、姉さん。一体何をなさるので・・・・・・?」
あやせ「姉として弟に変な虫がついていないか、チェックさせてもらいます」
京介「・・・・・・・・・・・・ね、姉さん。さすがに、そういうあとあと面倒なのは、ちょっと・・・・・・」
あやせ「・・・・・・何?京介。姉さんの言うことが・・・・・・聞けないの?」
京介「(目!目がこええー!!!)」
京介「え、えっと・・・・・・同じクラスの女の子で・・・・・・」
あやせ「消去」ピッ
京介「ちょっ!な、何すんだあや・・・・・・ね、姉さん!!」
あやせ「△△・・・・・・□美。この子は?」
京介「し、知り合いの後輩の友達だよ!」
あやせ「それは・・・・・・黒猫、という子の友達?」
京介「ああ。本人がそう言ってた・・・・・・だからアドレス教えてくれって」
あやせ「消去」ピッ
京介「問答無用にもほどがあるよ姉さーん!!」
京介「あっあっあっあっあっ」
あやせ「消去消去消去消去消去」ピッピッピッピッ
京介「あっああっ!あああッ・・・・・・・!」
あやせ「・・・・・・・ふぅ」
京介「・・・・・・・」ビクンッビクンッ
あやせ「ひとまずこれで・・・・・・・だいぶ片付きましたね!」サワヤカー
京介「ひ、ひどい・・・・・・・あんまりだ・・・・・・・女の登録だけをかたっぱしから・・・・・・・」
現に私が問題ないと判定した女性の登録は消えてないはずよ」
京介「お袋と妹とおさななじみと妹の友達しか残ってねーじゃねえか!!」
あやせ「それで十分すぎるでしょう!ふざけないで!!姉さんを怒らせたいの!!??」ギンッ
京介「ひいぃっ!?(マ、マジギレだ!)」
あやせ「さあ、私の部屋についたわ。まずは・・・・・・・っと♪」ガチャン
京介「洗濯物をたたむような軽いノリで弟に手錠をはめるのはヤメテヨ、姉さん・・・・・・・」
京介「ご、ご本・・・・・・・?で、でも。読もうにも手錠されてるし・・・・・・・」
あやせ「しょ、しょうがないから。私のお膝の上に座りなさい!
特別に私が後ろから抱きしめる形でページをめくってあげるから!」
京介「妙に説明口調だね姉さん・・・・・・・。ていうか僕に手錠をしたのは貴女です」
あやせ「ほら、座って京介」ポンポン
京介「ウン、ネエサン」チョコン
あやせ「(か、可愛い・・・・・・・!)」キューン
京介「(何だこの手作り感あふれる絵本は・・・・・・・
つーかネーミングに作為的なもんを感じるんだが)」
あやせ「きょう太くんときり子ちゃんは普段あんまり会話という会話もしませんが
ほんとはお互いのことがなんだか気になっていたりしました」ペラッ
京介「(なんだ、このどっかでみたような話は・・・・・・・まあ、ラブコメではよくある展開だしな)」
あやせ「さあ京介、質問です。このあと二人はどうなってしまうでしょう?」ナデナデ
京介「(さ、さりげなく撫でられてるし・・・・・・・いやまあ、ここは普通にラブコメ展開だよな)」
京介「えーっと・・・・・・・それがきっかけでお互いを意識しはじめる、とか・・・・・・・」
あやせ「・・・・・・・フフッ♪」ペラッ
あやせ「ハイ!きょう太はぶつかったはずみで廊下の角に頭をぶつけて死んでしまいました!」
京介「ええーーッッ!?」
豆腐の角なら即死だった
何やら頭の悪そうな服をして変な喋り方をする黒服の少女と
無駄に大きな2つの脂肪を胸にぶら下げた、奇妙な巨人の女に出会いました」ペラッ
京介「(悪意がありすぎるだろ!!)」
あやせ「その二人は何やら、きょう太に一緒に遊ぼうと言っているようです
じゃあ京介、またまた質問。きょう太はこのあとどうしたでしょう?」ナデナデ
京介「え、えーーっと・・・・・・・遊ぼうって言われてるんだから・・・・・・・あそぶ?」
あやせ「・・・・・・・フフフフッ♪」ペラッ
あやせ「『誰がてめえらみたいなアバズレと遊ぶか!一般教養身につけて出直してこいや!!』
きょう太は火炎放射器をふりまわしました」
京介「えーーッッ!?」
あやせ「それを見たきょう太のお姉さんはこういいました。
『よく言ったわきょう太。今夜はステーキよ!』・・・・・・・きょう太は大喜び」
京介「えーーッッッ!!??」
きょう太くんのお姉さんのあや子ちゃんが、スヤスヤと眠っていました」ペラッ
京介「(・・・・・・・今までの流れから見ても、完全にあやせだよな)」
あやせ「燃えさかる熱い炎を見た記憶にさいなまれ、
体が火照り、興奮の冷めやらぬきょう太くんは・・・・・・・」ペラッ
京介「(何でそこだけ描写が生々しいんだよ!)」
あやせ「ハイ!ここで最後の質問!きょう太くんは一体どうしたでしょうか!?」ナデナデクンカクンカ
京介「(・・・・・・・今までの傾向からして
つまりあやせは『安易なラブコメは許さねえ』ってことが言いたいのか・・・・・・・)」
京介「(だったら・・・・・・・)な、何もしないで素通りした!」
あやせ「・・・・・・・・・・・・・・」ギロッ!
京介「ひ、ひいぃ!?」
あやせ「『好きだ姉さん!愛してるんだ姉さん!あや姉さーん!』
きょう太はあふれんばかりの若さをお姉さんにぶつけました」ペラッ
京介「ええーッッ!?」
あやせ「こうして二人はいつまでも幸せに暮らしましたとさ・・・・・・・おしまい♪」パタン
京介「(終わった──!?)」
京介「(ていうか妹出てきただろ最初のほうで!
二人で幸せに・・・・・・・って、妹はどこ行ったんだよ!三人姉弟じゃねえのかよ!)」
あやせ「・・・・・・・ふぅ。姉さんの言いたいこと。わかってくれたわよね?」
京介「(わかんねえし目がこええーー!!)」
さもないと、あなたにどんな災いがふりかかるかわからないのよ?」
京介「(その『災い』ってのが、主に人災を指してる気がするのは気のせいかな・・・・・・・)」
あやせ「わかって・・・・・・・くれたわよね?京介」
京介「ウン、ネエサン。ヨクワカッタヨ」
あやせ「そう。いい子ね。京介・・・・・・・京介は本当にいい子
食べちゃいたいくらいに・・・・・・・」
京介「タスケテ」
あやせ「ほら、お口を開けなさい京介」
京介「あの、姉さん・・・・・・・
どうして本を読んでいる姿勢のままでご飯を食べるのかな」
あやせ「べっべっ別に、深い意味はないのよ?
た、ただ単に、スプーンとフォークが1セットしか無かったから・・・・・・・」
京介「(もはやつっこむまい・・・・・・・)せ、せめて自分で食べるから、手錠をはずし」
あやせ「ああぁーーーーーぁああん♪」
京介「あーん♪(だめだ。怖すぎる)」
京介「パクッ。モグモグ・・・・・・・
お?結構・・・・・・・うまい」
あやせ「ほ、ほんとう・・・・・・・?京介」ナデナデ
すごくおいしいよ!これ!」
あやせ「・・・・・・・!!」パアァァァ
京介「(うっ!目に輝きが戻った途端にこの破壊力・・・・・・・!
さすがはマイエンジェルと言わざるを得まい・・・・・・・!)」
あやせ「あのね・・・・・・・その、このお料理だけど・・・・・・・
姉さんが、昨日から徹夜で下準備して作ったの・・・・・・・」モジモジ
京介「ほ、本当に!?あやせ・・・・・・・じゃなかった
姉さんってそんなに可愛いのに料理まで出来るんだね!」
あやせ「か、可愛いだなんて・・・・・・・
もう!どうせ京介は誰にでもそんなこと言うんでしょう!」
京介「い、言わないよー!
少なくとも、口に出してこんなこと言うのは姉さんにだけだよ!」
あやせ「ほ、本当ですか・・・・・・・?お兄さん・・・・・・・」
京介「ああ!本当だよ!姉さんは可愛いよ!」(上目遣い)
京介「(あれ?なんかあやせキャラ崩れて・・・・・・・)」
あやせ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」キュウーン
あやせ「・・・・・・・あ、ああいけない。そうだったわね」
京介「あ、あーん・・・・・・・
(手錠なんかされてなけりゃもっとうまいのに・・・・・・・)」
あやせ「・・・・・・・・・・・・・・!!」チュウウウウ
京介「○△□×!!??」
あやせ「京介・・・・・・・京介!お兄さぁあん!」チュッチュッ
京介「(なんかあやせに!背中越しに抱きしめられながら!
唇を!奪われちまってるぅう!)」
京介「ムググッ!ね、姉さん!ちょっ!あやせッ!落ち着けー!」
お兄さん・・・・・・・一口だけですから・・・・・・・」チュッチュッ
京介「ムグッ!きょ、姉弟の設定はどうしたーッ!
完全に素に戻ってるぞあやせー!ムグゥ!」
あやせ「ハァ・・・・・・・小さいお兄さんが私を狂わせる・・・・・・・
京介ぇえ!パクッ!モグモグ・・・・・・・」
京介「(し、舌をひきずり出されて!あやせが俺のタンを食ってるーッ!)」
あやせ「京介・・・・・・・姉さんに食べさせて・・・・・・・京介を・・・・・・・」ガジガジ
京介「ほ、本噛みだ!全力で食おうとしてるぅう!?」
最高級の牛タンよりおいしいですぅう!」ガジガジガジ
京介「ムグッお、弟をガチで食べる姉ちゃんがいてたまるかー!
マジで痛いから!血の味がするからあやせーー!!」
あやせ「そんな・・・・・・・そんな変声期前の甲高い声で、必死に私の名前を呼ばないで下さい!
とまらなくなっちゃうじゃないですかッ!!」ペロペロペロ
京介「何なんだよこいつらは!弟にふれると人格変わる呪いにでもかかってんのか!?」
あやせ「ほら、姉さんと一緒に、おいしいって誉めてくれたご飯食べよう?」モグモグチュッチュッ
京介「め、飯食いながらディープキスするのはやめてくれー!
どっちかにしろーッ!!」
むしろ食べてくれ
京介「(・・・・・・・・・・・・・・)」
あやせ「京介。京介・・・・・・・」チュッチュッ
京介「やっと・・・・・・・天使のような悪魔の食事タイムが、終わった・・・・・・・」
あやせ「・・・・・・・」チュッチュッ
京介「(相変わらず手錠は外してもらえねーし・・・・・・・
あやせは暴走したまま一心不乱にキスしてくるし・・・・・・・)」
あやせ「・・・・・・・」モグモグモグ
京介「(鼻をモグモグしてくるし・・・・・・・)」
このままだとマジでカニバなリズムを知ってしまうことになりかねん)」
あやせ「・・・・・・・・・・・・・・」ガジガジガジ
京介「ひぎぃ!ネ、姉サン!耳を噛むのはヤメテヨー!」
あやせ「フフフッ・・・・・・・♪」ガジガジガジガジ
京介「ひやぁあっ!」
京介「(かくなる・・・・・・・上は・・・・・・・!)」
京介「桐乃がこのことを知ったら、どう思う!?姉さん!!」
あやせ「・・・・・・・・・・・・・・ハッッ!?」
友達のお兄さんと、妹の友達という関係でもある・・・・・・・!」
京介「(どんだけ複雑な関係なんだよその設定)」
あやせ「すいませんお兄さん・・・・・・・私、昔からひとつのことに意識が集中すると
まわりが見えなくなってしまう性格で・・・・・・・」
京介「あ、ああ。そのことは嫌というほど知ってるから、あんまり気にしないでくれ」
あやせ「ああ・・・・・・・こんなに顔中よだれまみれに・・・・・・・!
私ったらなんてはしたない・・・・・・・本当にすいません!すぐにふきますから!」
京介「いや、ふいたりするのは別にいいんだ」
あやせ「えっ」
あやせ「あ、あの、お兄さん。このことは桐乃には内緒で・・・・・・・」
京介「ああ、わかってる。(言ったら俺が殺されるし)」
あやせ「はあ・・・・・・・せっかく正しい道を説いて、おいしい料理作っておもてなしして
骨抜きにする計画だったのに・・・・・・・大失敗です」
京介「いや、しっかり骨抜きにはされたよ・・・・・・・ある意味では」
あやせ「もう、こんなんじゃ姉さんなんて呼んでもらえませんよね・・・・・・・」ウルウル
京介「あ、あやせ・・・・・・・!」キューン
京介「そんなことはないぞあやせ!いや・・・・・・・あやせ姉さん!
まだ今日は終わってない!俺達の真の姉弟ストーリーは今からはじまるんだよ!」
あやせ「きょ・・・・・・・京介・・・・・・・!」パアァァァ
京介「姉さん!!」ガバッ
あやせ「京介!京介ぇええ!」クンカクンカクンカ
京介「・・・・・・・あ、姉さん。ちょっとその前にトイレ行ってくるよ」
あやせ「トイレ・・・・・・・ですって?」
ガチャッ
京介「そうか。ガチャって・・・・・・・姉さん!?何でまた手錠を!?」
あやせ「心配要らないわ、京介。トイレなら姉さんが手伝ってあげるから」
京介「そ、それだけは!それだけはご勘弁を!
さすがに排泄関係は引くから!マジで引くから!」
あやせ「私がしっかりと小象さんをつまんで、いい感じの位置で固定してあげるからね
あなたはただ恍惚とした表情で脱力すればいいの。姉さんに全てをゆだねて」
京介「無理!そんなことされたら出るもんも出なくなるから!絶対無理だから!」
あやせ「よいしょっ・・・・・・・と♪」
京介「うつろな目でお姫様だっこはやめてーーーーッッ!!!」
京介「イヤ!イヤァッ!ヤメテヨーネエサン!」
あやせ「はあい。シーッしましょうねえ。しっかり支えててあげるからねえ・・・・・・・♪」
京介「うしろから両足かかえて強制M字開脚は死ぬ!精神的に死ぬ!!」
あやせ「ハァ・・・・・・・ハァ・・・・・・・京介の小さくって可愛い・・・・・・・」
京介「肩越しに凝視しないでヨ!ネエサーン!あと小さいはヤメテ!」
あやせ「・・・・・・・ソレ、食ベチャダメ?」ハァハァハァハァ
京介「そんなことしたらマジで桐乃に言うからなッッ!!!」キッ
あやせ「くっ・・・・・・・卑怯な・・・・・・・半泣きの癖に・・・・・・・
半泣きで強制おしっこポーズさせられてる癖に・・・・・・・
妹の友達におしっこポーズさせられて排泄を観察されてる癖に!!」
京介「精細に描写するのはヤメテヨ!ネエサン!!」
あやせ「スーッ・・・・・・・スーッ・・・・・・・」ギュー
京介「(例によって今回も・・・・・・・えらい目にあった・・・・・・・)」
京介「(いや、今回は特にひどかった・・・・・・・)」
京介「(今までのが『姉による過剰なスキンシップ』だとするならば・・・・・・・
今回のは『陵辱』・・・・・・・合意の上とかそんなチャチなもんじゃ断じてねえ)」
あやせ「・・・・・・・フフッ♪お兄さん・・・・・・・」ツヤツヤ
京介「(結局最終的には手錠どころか縄で全身束縛されちまったし・・・・・・・)」
京介「(さすが、俺のマイエンジェル・・・・・・・一筋縄じゃいかねえな!)」
京介「(・・・・・・・さっさと次にいこう)」
京介「……とまあそんな感じで、あやせのとこから命からがら逃げ出して今に至るってわけだ」
沙織「ハハハ、いやーそれはそれは……
何ともおいしい展開でござったなぁ~。京介氏ぃ」ニヤニヤ
京介「逆においしくされちゃう展開だったんだよ……マジで」フゥー
沙織「ふぅーむ……しかし、何ですなぁ」
沙織「読者モデルの中学生と顔面ペロペロプレイやらシーシープレイやらをすませ、
一皮剥けた京介氏に拙者がしてあげられることなど、果たしてあるのやら……ニンニン」
京介「……(オタクファッションと口調以外は)
常識人のお前への、俺からの希望はたったひとつだ」
沙織「む?(@ω@)」
京介「『穏便に』……頼むっ!」キリッ
沙織「…………(@ω@)」
沙織「……穏便……つまり、優しい保母さんプレイが望みだ、と?」
京介「言ってねーよ!!」
婚約を迫ったり舌を絡めてきたりしないでくれってことだ!」
沙織「い、一体ここに来るまでにどんな扱いを受けてきたのでござるか……」
京介「正直今までの姉達の家では、心休まる時間は皆無だった」
京介「せめて沙織のとこくらいでは、一人の男として……
ただの高坂京介として振舞わせてくれ!頼む沙織!」
沙織「……きょ、京介氏」
沙織「『俺を男として見てくれ』……などとそんな真剣な目で言われては
さ、さすがの拙者も照れてしまいま……しまうでござるぞ」
京介「そういう意味じゃねえー!」
拙者、演じることには人一倍慣れているでござる」
沙織「本来ならば今日は、仲のいい姉と弟として
一緒にアキバでブラブラと散歩でもしようか、などと思っておりましたが……」
京介「(そっちのほうが良かった!?)」
沙織「京介氏じきじきのお願いとあっては断るわけには参りませぬ
小さな恋人をもった年上の彼女としての拙者を、全力で演じてみせましょうぞ!」キラキラ
京介「(な……何て、迷いのない瞳だ……)」
京介「(仕方ねえ……何だかんだ言ってもこいつは良識派だ
いくら恋人ごっこやるっていっても、あいつらほどの無茶はしないはずだ)」
京介「わ、わかった……それじゃあ、そういうことで頼む」
京介「ん?」
沙織「きょ、京介さん……」スッ
京介「!?(め、眼鏡をキャストオフした!?)」
沙織「ふ、ふつつか者ですが、今日1日よろしくお願い致しますわ……」ギュッ
京介「な!?ちょ、さ、沙織!?だからそういう肉体言語的なものは……!」
沙織「だ、『だきしめるな』とは言われていないでござ……ですわ
桐乃さんも……これくらいなら許して下さるはずです」ギュッ
京介「たた、確かに……今までならこれくらいは挨拶程度だったが……!」
沙織「それに、恋人どうしなら……これくらいのことはしてもいいでしょう……?」
京介「う、ううっ……!」
沙織「ふふふ……京介氏ぃ~♪」ギュー
京介「(くっ……今までの姉達によるハグならば
確かに挨拶程度で済んだだろう……だが!)」
沙織「悔しいことにもともと拙者のほうが大きかったとはいえ
やはり小さくなった京介さんの愛らしさは素晴らしいですなぁ~」
京介「(だが……!こいつの身長と!今の俺の身長差では!
俺の顔がちょうど……)」
沙織「これはきりりん氏や黒猫氏は当然のことながら
あやせ殿まで陥落してしまうのもわかるというものでござ……ですわ」ギュー
京介「(ちょうどコイツの……股間に、顔がっ!!)」
沙織「京介氏……京介氏ぃ」ギユウウ
京介「(ジャストフィットォーッ!!)」
京介「(い、いかん……ほのかに暖かいジーンズのデニム生地と、いい香りが……!)」
京介「(このままじゃ……またいつものように、ヤラレル!!)」
180センチ以上www
京介「……って、あ……あれ?」
沙織「さあ、それでは京介さん。今日は恋人同士二人仲良く、
ゲームをしたり、プラモデルを組んだり、
サバゲーに興じたりしましょうね♪」ニッコリ
京介「……お、おう。よろしく、頼む……
(それ恋人のやることなのか!?)」
京介「(なんなんだ、この物足りなさは……
沙織にあんなこと言っておきながら、
俺のほうが弟という境遇に毒されてきてるっていうのか……!?)」
京介「くっ……この!くそっ!ええい!
あっくそ!コンボミスった!」
沙織「ふっふっふ。いくら練習しているとはいえ
シスカリの腕前はまだまだせっ……私のほうが上ですね。京介さん」
京介「くうっ!まだだ!もう1ラウンドある!」
沙織「では、次のラウンドも私がとったら……何をしてもらいましょうかね~♪」
京介「なっ!そ、そんなルール聞いてねーぞ!」
「K.O!」
京介「ぐ、ぐぐぅっ……!めちゃめちゃアッサリ負けた!」
沙織「うふふふ。わたくしの勝ちですね、京介さん!」
京介「い、一体……何をするつもりだあっ!!」
沙織「京介さん……♪」スゥーーッ
京介「(か、顔が近いっ!相変わらず眼鏡をつけてないコイツは
とんでもねー美人だ!)」
沙織「じっとしていて下さいね……」
俺の身長が縮んだせいで更にデカく……)」
京介「…………ッ!」グッ
沙織「……なでなでなで」
京介「……って、え……?」
沙織「ふっふー。名づけて頭なでなでの刑です!」ナデナデナデ
京介「……はい?」
沙織「だって、今日は姉として目一杯甘やかそうと思ってましたのに
京介さんがあんなことを言うから、機を逃してしまって……」
京介「…………」
沙織「や、やっぱり……年上とはいえ、彼女に頭をなでられるというのは、お嫌でしたか?」
京介「い、いや別に。むしろ、全然……逆に嬉しいっていうか」
沙織「……!!」パアァァァ
沙織「京介さん……!」ナデナデナデ
京介「(……なんなんだ。なんなんだこの心地よさはぁあー!!)」
京介「えーっと……このパーツが、こっちとくっついて……」
沙織「それはこっちですわ、京介さん」
京介「お、おうそうか。悪い……」
沙織「ふふっ……♪」ニコッ
京介「………!」ドキッ
京介「(た、ただ抱きしめられて頭をなでられただけなのに……
……いや、全然『だけ』じゃねーが)」
京介「(今までの姉達のスキンシップに比べれば、可愛いもの……
なのに何なんだ、この今までにないくらいの胸の高鳴りは……!)」
沙織「京介さん、どうかしましたか?」
京介「な、なんでもねー!……です」
沙織「変な京介さん……クスクス」
京介「(なんだって今日のコイツはこんなに可愛いんだ!)」
チャポーン
京介「(……結局あれからサバゲーまで付き合って
汚れたからって一緒に風呂に入ってるわけだが……)」
沙織「ふふんふーん♪ふふんふーん♪」ゴシゴシ
京介「(正直、すっげー楽しかった……時間を忘れるくらい遊んじまった
もしかするとこういうのが、俗に言う『仲の良い姉弟』の姿、なのか?」
京介「(い、いやいや!今回は姉弟設定は無しって言ったのは俺のほうだろ!?)」
沙織「ふ、ふ、ふ、ふ~~ん♪ふーん♪」ザバーッ
京介「(鼻歌がマジン○ガーZだ……)」
京介「(……沙織は自分の体を洗うだけで、結局こっちにはノータッチ)」
沙織「ふぅーっ。お湯加減はどうですか?京介さん」
京介「う、うん。すごくいいよ」
沙織「そうですか。良かったです♪」ニコッ
京介「(まあ、全裸であることには変わりないんだが……)」ドキドキ
チャポーン
京介「……ああ。文句なしに楽しかったよ。ありがとな、沙織」
沙織「そう言って頂けるだけで、私は満足ですわ♪」ニコッ
京介「その、最初にあんなこと言っちまったけどさ」
沙織「あんなこと……とは?」キョトン
京介「今日は姉弟設定は無しって話。言い出したのは俺だけど、なんつーか
沙織が俺の、本当の姉ちゃんだったら良かったのに、とか思っちまってな」
沙織「…………きょ、京介さん……ッ!」ジーーン
京介「え……あ、ああ。今日は世話になった。何でも言ってくれ」
京介「(……って、何言ってるんだ俺は!他の姉達の仕打ちを忘れたのか!?
『何でも』なんて言っちまったら、いくら沙織だって何してくるか)」
沙織「その……もう一度、抱きしめさせて下さい……」モジモジ
京介「(そう!抱きしめられたり……)って、え?」
沙織「…………」モジモジ
京介「…………ッ!」キューーン
今までの姉達が強引に迫ってくる『北風』だとすれば
沙織は相手の行動を優しく促そうとする、まさに『太陽』……!)」
京介「その……むしろ、ぜひ頼む」
沙織「…………!」パアァァア
沙織「は、はいっ!」スッ
京介「(頭をなでたり抱きしめたりすることにいちいち了承を得て
自分のやりたいことを一方的に押し付けたりしてこない……)」
沙織「京介……さん」ギュウウッ
京介「さ、沙織……」ギュウッ
京介「さ、沙織……お姉ちゃん」ギュウッ
京介「(胸に顔をうずめるのってこんなに気持ちいいのかー……)」
沙織「ッ!!??
も、もう一度言ってください!京介さん!」
京介「えっ……。(!?し、しまった!俺は何を口走って……!)」
沙織「お願いします……京介さん……!」ギュウウ
京介「オネエチャァーーーーン!!!」ギュウウウ
京介「(もう、何も……考えられねえ……)」
京介「ムニャムニャ……オネイチャーン」
沙織「スーッ……スーッ……京介さん……」ギュッ
「「………………」」
「「………………ハッ!!!」」 ガバッ!
京介「お、俺達は一体、何を……!」
沙織「シングルベッドに裸で抱き合って……!」
「「………………」」 チラッ
「「………………!!/////」」 バッ!
沙織「い……いやはや!しょ、少々やりすぎてしまいましたな!」 アセアセ
京介「あ、ああ!羽目を外し過ぎるなんて、俺達らしくねえな全く!」ドキドキ
京介「(ああ………眼鏡がキャストオンされてしまった……)」
沙織「と、というわけで拙者と京介氏の1日姉弟デーは満了にござる!
次の姉の待つ家へ、急ぎ向かうでござるよ、京介氏!」
京介「おう!そ、そうするぜ!」
京介「んじゃあ、ほんとに今日は色々ありがとな」
沙織「いえいえこちらこそ……遊び相手になって頂き感謝感謝でござる」
京介「そ、その……」
沙織「……?(@ω@)」
京介「妹が……桐乃がいなくてもまたこんな風に遊びに来てもいいか?
二人でゲームしたり、プラモ作ったり……その」アセアセ
沙織「…………ッ!」キュウーーン
沙織「も、もちろんでござる京介氏!毎日でも遊びに来て下され!
拙者首を長くしてお待ちしておりますぞ!」
京介「あ、ありがとう沙織……その、行ってきます」
沙織「は、はい……行ってらっしゃいませでござる!」
~麻奈実邸~
麻奈実「いらっしゃ~い。今日はうちの番だよお、きょうちゃーん!」
京介「うん。よろしくね!姉ちゃん♪」
麻奈実「…………ええっ!?」
京介「え……?なにが?僕、どこか変?麻奈実姉ちゃん」(上目遣い)
麻奈実「は、はうううっ!」ズキュゥウン
麻奈実「(きょうちゃんが……あの、兄バカ一直線だったきょうちゃんが……!)」
京介「……?」キラキラキラ
麻奈実「(完全に!弟になっている……っ!)」
麻奈実「(さ、さすが桐乃ちゃんに黒猫ちゃんにあやせちゃんに沙織ちゃん……
きょうちゃんを、ここまで変えちゃうなんて……)」
京介「今日1日、麻奈実姉ちゃんちの弟としてお世話になります!よろしくね!」
麻奈実「(ち、違う……!これは、私の知っている『弟』なんかじゃないっ……
弟というのはもっとお馬鹿で無神経で……ええっとあと、お馬鹿で、無神経で)」
京介「まなみねえちゃん……?どうかした?」(キョトン)
麻奈実「(と、とにかくこんなに可愛いわけがないいぃぃ!)」ズキュゥウーン
京介「(ぽけーっ)」ズズズッ
麻奈実「どう?きょうちゃん……お茶を飲んで少しは落ち着いた?」
京介「……あ、ああ。正直、自分を見失っていた……」
麻奈実「うちの弟に見つかる前で良かったねぇー?ふふっ」ズズズー
京介「……ロックに上目遣いを送る自分は、想像したくもねえ」
麻奈実「詳しく話を聞かせてくれる~?
うちに来るまでにどんなことしてたか~」
京介「あ、ああ。(コイツになら……全部話してもいいよな?)」
京介「悲喜こもごもって感じだ……もはや、弟っていう別人格が形成されつつある」
麻奈実「そっかあ~……うーん、それじゃあ私は、どうしようかなあ」
京介「う…………」ドキドキ
麻奈実「『つんでれ』のお姉さん、『はーれむ』のお姉さん、『やんでれ』のお姉さん
そして……『やさしい』お姉さん」
京介「(言われるまでもなく、桐乃達のことだよな)」
麻奈実「うーーん。そうだなあ~……」
麻奈実「……あ!そうだ!いいこと思いついたっ!」
京介「(こ、今度は一体何がはじまるっていうんだ!?)」
京介「…………は?ど、どういうことだ……?」
麻奈実「ほら、きょうちゃんってお兄ちゃんとして……
桐乃ちゃんのおねがい、いーーーっぱい聞いてきたでしょう?」
京介「あ、ああ。そうなの……かな?」
京介「(まあ……お願いっつーか、命令っつーか……)」
麻奈実「だからあ、そんな頑張り屋なお兄ちゃんに、今日はご褒美!
自分のことを桐乃ちゃん、私のことをきょうちゃんだと思って
たーーっくさんワガママ言っていいの!」
京介「お、俺が……桐乃で……麻奈実が……俺!?」
京介「(つか、やっぱこいつの中では桐乃ってそういう認識だよな……そりゃそうか)」
俺をねぎらおうとしてくれるお前の気持ちは、確かに嬉しい」
麻奈実「えへへ~でしょでしょ~?」テレテレ
京介「だがしかぁあしッ!!」クワッ
麻奈実「っ!?」ビクンッ
京介「お前は……桐乃の性格を甘く見ているからそんな提案が出来るんだ!!」
麻奈実「そ、そんなこと……ないと思うけどお」
京介「アイツはなあ麻奈実……寝ている兄貴のほっぺたを
全力でしばいて起こしたりするんだぞ!」
麻奈実「……ええっ!?」
京介「そんなことを弟が姉ちゃんにやれるか……!?
どんなハード陵辱エロ漫画の主人公だよ!!」
麻奈実「ううっ……!」
深夜のゲーム屋の行列に姉を並ばせる弟はどうだ!」
京介「その買ってこさせたエロゲーを
あろうことか姉に一緒にプレイさせることを強要する弟はッ!!」
麻奈実「うううっ……!」
麻奈実「(というかきょうちゃん……桐乃ちゃんにそんなことを・・・・・・)」
京介「そのエロゲーが!姉が弟と……その、なんだ……
アレしてしまう内容だったら、どうだーーッッ!!」
麻奈実「ううううっ……!」
京介「それでもまだ……お前は俺に、桐乃をやれなんて言えるのか!?麻奈実!」
麻奈実「…………るもん」
京介「……え、な、なに?」
麻奈実「が、頑張るもん!!!」
京介「なッ…………!?!?」ピシャーン
京介「と、いうわけで……なぜか仰向けに寝ている麻奈実に
マウントポジションをとってる俺なんだが……」
麻奈実「うううっ……!や、優しくしてね……。きょうちゃん」スッ
京介「(いや、頬をつきだされても無理無理……
コイツをひっぱたくとか絶対無理だから……)」
京介「(でもなー。正直桐乃の立場になれるってのはおいしい……
おそらくもう俺には一生訪れない機会だろう……)」
京介「………………」チョンッ
麻奈実「ひううぅっ!」ビクンッ
麻奈実「きょ、きょきょ、きょうちゃん!?今、む、むむ胸!触った!」
京介「(ワア、ネエチャンノオッパイ、ヤワラカーイ!)」
麻奈実「い、いやぁあ!い、いやじゃない……ほんとなら嫌じゃないけどっ!
なんかこの状況はいやぁああっ!」
京介「姉ちゃんとネイチャーって似てるよね……ハァハァ
きっと姉ちゃんのこの豊満な胸の柔らかさは、自然の神秘ってことだよね!
未知なる大自然への冒険心は止められない!そう、だって……男の子だもん!」モミモミモミ
麻奈実「きょうちゃんがっ!私の知ってるきょうちゃんじゃないよぉ!」
京介「(くっ……今までさんざん受け身でめちゃくちゃされてた分
自分から好きに動けるってのは素晴らしい!誰が止めるのって気もするが!)」
麻奈実「はぁ……はぁ……きょ、きょう、ちゃん?」ウルウル
京介「(…………仰向けなのに型崩れしないオッパイ)」
京介 麻奈実 「「ッ!?」」
京介「ハッ……じ、じいちゃん!」
麻奈実「おじいちゃん……!?」ササッ
じいちゃん「……きょうちゃんや」
京介「うっ!じ、じいちゃん……これはその!」
麻奈実「ち、違うのおじいちゃん!これはね、私が言い出したことで、そのう」
じいちゃん「…………ブラは、どうした?」
京介「…………え?」
じいちゃん「ブラははずしたのかと聞いとるんじゃッ!
男ならば!ノーブラで!セーターに出来たポッチを!
執拗なまでにホイール!アンドスクロール!!」
京介「じ、じいちゃん……!」パァァァ
麻奈実「ちょ、ちょっとぉおー!!」
グッドラック!(ビシッ!)」スゥーッ パタン
麻奈実「勝手なこと言って去らないで
麻奈実「いいぃいいやあぁぁああ!」
京介「こ、ここか!(スカッ)
古より伝わる、伝説の……ブラの!ホ、ホックとやらは!(スカッ)」
麻奈実「(うううぅう!ちっちゃい手が胸をまさぐって……)」
麻奈実「そ、その……ね?きょ、きょうちゃん……」ドキドキ
京介「なんだよネエチャン!今未知との遭遇中で忙しいんだヨ!」
麻奈実「…………こ、ここ。だよ……」スッ
京介「…………ッッ!?」ズキュウゥウン
俺はただ、今日の姉ちゃんのブラがメイドインどこなのか知りたいだけなんだからッ!」
麻奈実「そ、それ……桐乃ちゃんのマネのつもり?」
京介「いざ!!」プチンッ
麻奈実「……ッ!!」カァーッ
京介「…………」スルスルスル
麻奈実「…………」プルプルプル
京介「(日本(ジャパン)だー!信頼と実績の!
日本製(メイドインジャパン)だよぉー!じいちゃーん!
ありがとうじいちゃん!ありがとう……日本!)」
(じいちゃん「(きょうちゃん……グッジョブじゃよ……(グッ)」)キラキラ
京介「じいちゃーん!!」
麻奈実「うう、うぅぅーっ!!(泣)」
ブラという名の濃い霧に隠されていた……
屹立する2つの雄大なる頂がッ!!」
麻奈実「きょ、きょうちゃん……?さすがにこれ以上は……ね?
私達、姉弟なんだよ……?」
京介「……ね、姉ちゃん」
麻奈実「いい子だから……ね?」ナデナデナデ
京介「………………俺は桐乃、俺は桐乃、俺は桐乃……」ブツブツ
京介「めてお……いんぱくとぉおーーッッ!!」ポチッ
麻奈実「はううううっ!」ビクビクッ
京介「めておいんぱくと!めておいんぱくと!めておいんぱくとォーッ!」コリコリコリ
麻奈実「はうっ!あうっ!はううぅっ!」ビクビクビクッ
麻奈実「いい加減に…………」
京介「…………え?」
麻奈実「しなさああ~~~いっ!」キッ!
京介「な…………!?」
ロック「ぶははは!それでこんな顔してんのかよ兄ちゃん!」
京介「笑いごとじゃねえって……本気で殺されるかと思ったんだぜ」
ロック「とか言ってる割に、キスマークだらけだし……」
京介「……お前、絶対姉ちゃん怒らせんじゃねえぞ。死んでも知らんからな」
ロック「俺にはそんなことぜってーしねえから!兄ちゃんだからやられんの!」
麻奈実「もーう……余計なこと言わない!
ご、ごめんねきょうちゃん……つい」
京介「い、いや。今回は俺が全面的に悪かった……スマン」
じいちゃん「……ケッ。とんだチキンじゃぜ」ボソッ
京介「うっせーよ!!元はと言えばじいちゃんが悪いんだぞ!」
じいちゃん「ツーン」
今日は俺が兄ちゃんだ!お茶でも出すから、座っててくれ弟よ!」
京介「ロ、ロック……いや、兄貴……!」ジーーン
じいちゃん「……ケッ、誰得じゃよ。このくだり」ボソッ
京介「うっせーな!!」
麻奈実「きょうちゃん、お風呂わいたけどどうするー?」
京介「ああ、それじゃお茶を頂いたら入らせてもらおうかな」
(ロック「兄ちゃんと一緒に入ろうぜ!弟よ!ー」)
京介「あ、兄貴……!」キュウン
麻奈実「きょうちゃん、そっちはダメだからね……」
じいちゃん「……ケッ、当然カットじゃよ」
京介「なにい!?」
チュンチュン……
京介「(もう、この展開にも慣れた……)」
麻奈実「すやすや……」
ロック「ピューッ。ピューッ……」
じいちゃん「グゴゴゴオオ……グゴゴゴオオオ」
京介「(今までと違うのは……二人じゃないってとこか)」
京介「(なんか、結局乳首をコネコネした記憶しかないが……
結局ここはいつ来ても俺に優しい場所ってことだよな)」
麻奈実「……きょうちゃん、もう起きたの?」
麻奈実「……ふふっ。きょうちゃんがねえちゃーんだって。おかしい」
京介「うっ……うるせーな」
麻奈実「今までのぶんもあわせて、姉弟デーおつかれさまぁ
やっとおうちに帰れるね?」クスクス
京介「お疲れ様なのはそっちだろ?乳首こねくりまわされといて」
麻奈実「も、もう!そういう恥ずかしいこと言わないでよぉ!」
京介「(はあ……家か。なんか、ずいぶん長いこと帰ってない気がするな)」
じいちゃん ロック 「「(……ニヤニヤ)」」
京介「ただいまー……」ガチャッ
京介「(やれやれ……やっと我が家に帰ってきた)」
京介「(長かった姉弟デーもこれで……やっと……)」
ムクムクムクムク……
京介「お、おおお!?」
ムクムクムクムク……
京介「か、体が……元に戻った!戻ったぞーーッ!!」
京介「おい!桐乃!桐乃ぉおーッ!」ダダダッ
京介「ほら見てくれ桐乃!俺の体!戻ったんだよっ!!」
京介「って…………」
京介「な……な……なんだこりゃあああ!?」
ロリ黒猫「おかえりなさい、せんぱい」チョコン
ロリ沙織「京介ち!ほら!せっしゃちっちゃいでござるぞ!京介ち!」ピョンピョン
ロリあやせ「…………おにいさん」ピトッ
ロリ麻奈実「えへへ、おに~いちゃん♪」ニッコリ
京介「何で…………何で今度はお前らが、ちっちゃくなってるんだあああ!!!」
正直スレタイでやりたかったことはやりつくした…!しょぼくてゴメン
また今度続きとか加奈子の話とかも書きます!ほんとお付き合いありがとう・・・!またいつか!
乙なんだぜ
続編も期待してるぜ
続きも期待しとくよ
面白かった
Entry ⇒ 2012.02.16 | Category ⇒ 俺妹SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ほむら「下駄箱に不審物が入ってる……」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1329222891/
ほむら「赤い包み……プレゼントのような包みなのが怪しさを増大させているわ……」
ほむら「……上履きをとらないといけないからどかさないと……」
ほむら「触っても大丈夫なのかしら……」ソッ
ほむら(わけが分らないものを触るのは結構怖いわね……)
マミ「あら、暁美さん?」
ほむら「あら、おはようマミ」
マミ「えぇ、おはよう……それは、チョコ?」
ほむら「この中身のことならわからないわ、朝来たら入っていたのよ」
マミ「……もしかして暁美さんってバレンタインを知らない?」
ほむら「?」
マミ(学校の暁美さんってかっこいい感じだから憧れちゃった女の子がいたってわけね)クスクス
ほむら「な、なによ知らなくたって笑うことないじゃない……」ホムゥ
ほむら「それでそのバレンタインってなんなの?」
マミ「そうねぇ、簡単にいえば好きな男性に女の子がチョコを渡す日よ」
ほむら「……それはつまり私は胸がないから男の子と思われているということかしら……」
マミ「それは一般的なお話であって当然例外だって存在するわ」
ほむら「例外?」
マミ「例えば最近では大切なお友達にチョコをあげたりとか」
ほむら「でもそれなら手渡しでよくないかしら?」
マミ「そうね、だから例であげたような場合は基本的に手渡しで軽く渡されるでしょうね」
ほむら「下駄箱に入れられてるのだけど……」
マミ「ふふっ当然女の子が女の子のことが好きでっていうのもあると思うわよ?」
ほむら「じゃ、じゃあそれって」
マミ「ふふっ知らない間にあなたが射止めた女の子がいるってことね」クスクス
ほむら「///」
マミ「ふふっちゃんとチョコは受け取ってあげなさいよ?」
マミ「よかったじゃない、それよりあまりこんなところで話していると遅刻してしまうわね」
ほむら「ね、ねぇマミ」
マミ「何?」
ほむら「友達でもチョコを渡すって言ったわよね?」
マミ「あら、もしかして催促?」
ほむら「そ、そうじゃなくて!私バレンタインなんて知らなかったから準備してなくて……」
マミ「あら、そんなに気にしなくてもいいんじゃないかしら?」
ほむら「……だめよ!やっぱりいまからチョコを買ってくるわ!」
マミ「あ、こら待ちなさい!」
ほむら「何よ、学校なら今更行かなくても授業に追いつけるから大丈夫よ」ダッ
マミ「そうじゃなくて……って行ってしまったわね……友チョコを渡そうと思ったのに」
ほむら「チョコを買うとしたらまどか、さやか、マミ、杏子かしら……」
ほむら「でもその辺で買ったものでいいのかしら……」
ほむら「どうしたら……」
杏子「ん?ほむらじゃねぇか」
ほむら「あら、杏子」
杏子「今の時間は学校じゃねぇのか?」
ほむら「えぇ、でもそれどころじゃないもの」
杏子「なんかあったのか?」
ほむら「えぇ、チョコを手に入れないといけないのよ」
杏子「あったあった、くうかい?」
ほむら「あ、ありがとう///」
杏子「何照れてるんだお前……」
ほむら「う、うるさいわね!」
杏子「あ!そうか今日はバレンタインか」
杏子「別にそういう意味でやろうとしてるわけじゃねぇって」ケタケタ
ほむら「べ、別にそんなこと考えてないわよ」
杏子「まぁいいや、ほれ、友チョコってことでやるよ」
ほむら「あ、ありがとう……」
杏子「なんだよ」
ほむら「バレンタインのチョコってどのチョコを買うものなの?」
杏子「は?」
ほむら「バレンタインの事、今日知ったからわからないのよ……」
杏子「ふーん」
ほむら「お菓子に詳しそうなあなたなら……」
杏子「それなら手作りがいいんじゃねぇか?」
ほむら「手作りチョコ?」
杏子「あぁ、まぁ面倒って言うならそれこそ何でもいいんじゃないか?」
ほむら「いえ、やるわ!やり方を教えて!」
杏子「はぁ?お菓子作りなんて私もあんまり覚えてないって」
ほむら「私も家庭料理じゃないと……」
杏子「ああもうわかったわかった、うろ覚えだけど手伝ってやるよ」
ほむら「本当!」
お前人様の下駄箱に食いモン入れてんじゃねえよ死ね
お前靴入れる所に食い物入れるとか食い物粗末にするな!!ふざけんんあ!!!
ほむら「そう言われるとちゃんと考えてはいなかったわね……」
杏子「うーん……チョコレートケーキでいいか」
ほむら「そんなものが作れるの!?」
杏子「いや、お前ならマミと連絡が取れるだろ?」
ほむら「え?えぇまぁ」
杏子「ならメールとかで指示を貰えばできるんじゃないかい?」
ほむら「なるほど……でもマミは授業中なのだけど……」
ほむら「そうかしら?」
杏子「絶対すぐに連絡を返してくるだろうさ」
ほむら「杏子がそこまで言うなら……」ピッピッ
杏子(マミは結構なお節介だし困っていそうなら何とかしようとするだろうさ)
ヒリ゚リッ
ほむら「本当……凄い速さね……」
私特性のチョコケーキの作り方を特別に教えてあげるわ(ノ´Д(*´∀`)
ほむら「……マミって普段こんなメールだったかしら」
杏子「……多分自分の趣味なところを聞かれて嬉しいんじゃないか?」
ほむら「確かに趣味でよく作ってるものね」
杏子「だな」
ほむら「にしてもあの速度で顔文字とか全部使ってメールを送信するってすごいわね……」
ほむら「とにかく材料を買いに行きましょうか杏子」
杏子「ま、そうだな」
ほむら「こんなものかしら……」
杏子「これでマミのいっていた分量は丁度だな」
ほむら「そうね、じゃあ次はタマゴを」
ピリリッ
ほむら「マミからね……」
マミメール:始めてなんだから材料を買う時は失敗した時用に多く買ったほうがいいわよd(゚д゚*)
あとはケーキと別に本命チョコも一緒に作ってあの子を振り向かせちゃえ(*´ω`*)
ほむら「……顔文字好きなのかしら……まぁいいわ、助言はありがたく聞いて追加しましょう」
くぅー
杏子「……なぁほむら」
ほむら「何?」
杏子「これだけあるなら1枚食べても……」
ほむら「いいわよ、あなたにはこのチョコをもらったし」
杏子「あっそうか、今もらったらケーキはもらえないのか……なら我慢したほうが後で……でも…・…」
ほむら「ふふっ何言ってるのよ、手伝ってもらって食べるななんていうわけないじゃない」
杏子「でも相手がほむらだしなぁ……」
ほむら「人を何だと思ってるのよ」
杏子「冗談だよ冗談」
ほむら「まったく……」
ほむら「私も一枚たべちゃおっと」ガサ
杏子「……」ホムホム
ほむら「……」ホムホム
杏子「こうやってつまんだりすることを考えると多めに買っといてよかったな」ホムホム
ほむら「そうね、マミに感謝ね」ホムホム
杏子「意外とマミも材料買った帰り道につまんでるのかもな」
ほむら「ふふっチョコならいいけど果物とかホイップとかはつまめないじゃない」
杏子「意外とこうホイップをマミが吸ってだな」
ほむら「ふふっ変な想像させないでもらえる?」
杏子「あの乳の秘密はそこにあって」
ほむら「……」
杏子「おい、冗談だからまじまじとホイップを見つめんなほむら」
杏子「あーまぁそうだな」
ほむら「……なによ」
杏子「いや小さい奴が気にしてないっていうと負け惜しみ感がな」
ほむら「杏子だってたいして変わらないじゃない!」
杏子「な!う、うっせー!」
ほむら「さて、マミの送ってくれた手順は……」
杏子「この設備で大丈夫か?」
ほむら「そうね、マミにメールで聞いてみたほうがいいわねヒ」ピッピッ
ピリリッ
杏子「やっぱり早いなマミ」
ほむら「授業中のはずなのだけどね」
マミメール:大丈夫よ(*´∀`)ノそこは工夫でなんとかなるわ(* ̄∇ ̄)b
ほむら「大丈夫なのかしら……」
杏子「マミが言うなら大丈夫だろ」
ほむら「いえ、なんだがメールをみていたら大丈夫か不安になってきて……」
まどか「ほむらちゃんどうしちゃったんだろうね……」
さやか「そういうまどかもなんだかそわそわしてない?」
まどか「え?なんでもないよ!」
さやか「ふーん、まぁほむらにメールでも送りますかね」
まどか「そ、そうだね!」
さやか「あーうん……」
まどか「すごいなぁ」
さやか「いやいや、女の子としてあんまりみられてないだけじゃないかな」
まどか「でも女の子から見てそれだけ魅力的ってことだと思うな」
さやか「まどかありがとう!」ギュゥ
まどか「わひゃ!」
さやか「よーしお礼にこのチョコをまどかにあげよう」
まどか「本当?ありがとうさやかちゃん」
まどか「うぇひひ、じゃあ私もお礼にチョコを……」
ほむら(そういえばマミのメールに……)
マミメール:あとはケーキと別に本命チョコも一緒に作ってあの子を振り向かせちゃえ(*´ω`*)
ほむら(杏子が見てない隙に作ってみようかしら……なんて)
杏子「おいほむらー次は何スレばいいんだー」
ほむら「え?あ、ちょっとまってて」
杏子「だな、結構疲れるもんだな」
ほむら「えぇ、マミはよく一人でこんな事をしているわね……」
杏子「だな」
ほむら「あら、メールがきてる……」
さやメール:無断欠席とはなにごとだー
まどメール:もしかして体の調子が悪いの?帰りに寄ってもいいかな?
ほむら「……二人に心配させてしまったみたいね……」
杏子「……」ヒョイパク
ほむら「あ!こら!つまみ食いしないの!」
ほむら「……美味しいといいのだけど……」
杏子「味見したんだから大丈夫だろ」
ほむら「そ、そうよね!」
杏子「あとあいつらがくるなら片付けしたほうがよくないか?」
ほむら「そ、そうね!」タタッ
杏子「……行ったかな?さてと……」
まどか「どうしたんだろうほむらちゃん……」
さやか「大丈夫だけど家に来て欲しいってねぇ」
マミ「ふふっ楽しみね」
まどか「マミさんはなにか知ってるんですか?」
さやか「え?そうなんですか?」
マミ「え?し、知らないわよ?」
まどさや(なんだかマミさん怪しい……)
さやか「あ、チョコだ!」
まどか「手作りチョコですか!?」
マミ「ふふっお菓子作りは楽しいわよ、よかったら二人もやってみる?」
さやか「私は食べる専門の方ですねー」
まどか「チャレンジはしたんですけどマミさんみたいには……」
ピンポーン
ほむら「はい」
さやか「あれ?元気じゃんほむら」
ほむら「えぇ、健康よ」
杏子「おっやっときたか待ちくたびれたよ」
まどか「あれ?杏子ちゃんまで」
マミ「うまくできたかしら?」
ほむら「えぇ、なんとかできたわ」
マミ「そう、よかったわ」
まどか「えと、お休みしてたけど大丈夫なのほむらちゃん」
ほむら「えぇ、もともと病気じゃないもの」
さやか「何ぃ!私とまどかに心配させておいて」
ほむら「ごめんなさい、でもいつもお世話になっているあなた達にチョコを作りたかったのよ」
マミ「ふふっ楽しみね」
ほむら「ああもう、あなたは一緒に作って味見したりしたでしょう!」
杏子「食いもん目の前に我慢してろっていうのが無理だって」
さやか「そうだそうだー!ほむらは早くさやかちゃんに献上品をもってこーい」
ほむら「……やっぱりまどかとマミだけに」
杏子「ちょっ悪かったって1」
さやか「わーごめんごめん!」
まどか「すごい……」
マミ「始めてでここまで出来るなんて暁美さん才能あるわよ」
ほむら「そ、そうかしら?」
マミ「えぇ、良かったら一緒に今度お菓子作りしましょう?」
ほむら「えぇ、是非お願いするわ」
さやか「ぬぅ……ケチの付け所が見当たらないね」
杏子「早くくおうぜ」
さやか「味までいいとは……よーしほむらは私の嫁になるのだー!」
ほむら「はいはい」
マミ「とても美味しいわ、暁美さん」
ほむら「気に入ってもらえてよかったわ、まぁマミのレシピと今日この手伝いがあってこそだけど……」
杏子「なにいってんだ、たいして手伝ってねぇっての」
マミ「私なんてメールを送っただけよ」クスクス
マミ「えぇ、むしろ友達相手にするなら十分すぎるぐらいよ」ヒソヒソ
ほむら「そう、よかった」
さやか「何が?」
ほむら「へ?あ、なんでもないわ」
杏子「ん?」
まどか(ほむらちゃんの家っていつきても片付いて……)
まどか「あぁ!?」
ほむら「え?」
ほむら「え?えっと、下駄箱にはいってて……」
まどか「え?え?で、でもほむらちゃんはおやすみしてて……なのになくなってて……」
マミ「そのチョコをみてバレンタインの事を暁美さんは知ったのよ?」
さやか「あぁ、ほむらの下駄箱に入れておいたチョコをほむらが休みだから取りに行ったらなくなってて今日そわそわしてたってことね」
まどか「さ、さやかちゃん!」
マミ「となると暁美さんが射止めていた女の子って」
まどか「あ///」
ほむら「そ、そう……なの?」
まどか「えと、そのほむらちゃんに手作りチョコをその……うぇひひ///」
ほむら「あ、ありがとう///」
さやか「ですねー」
杏子「だな」
ほむら「え?」
マミ「じゃあ暁美さん、これバレンタインチョコ置いていくわね?」
さやか「私もここにおいてくねー」
ほむら「え、えぇ……」
マミ「ふふっじゃあね暁美さん、今度一緒にお菓子作りしましょう?」
さやか「んじゃねーふたりとも」
杏子「いい暇つぶしになったよ、じゃあな」
ほむら「えぇそれじゃあ」
まどか「わわわわわ」
ほむら「……」
まどか「え、えと……ほむらちゃん!よかったらこのチョコを……た、食べてください!」
ほむら「い、いただくわ……開けさせてもらうわね?」
まどか「う、うん……」
ほむら「美味しそうね、じゃ、じゃあいただくわね……」
まどか「うん……」
ほむら「……」ホムホム
まどか「……」ドキドキ
ほむら「美味しいわ、まどか」
まどか「そ、そっかよかったぁ」
まどか「え?な、何かな?」
ほむら「良かったらこれを受け取って欲しいの」
まどか「……これは?」
ほむら「チョコケーキを作るときに杏子に見つからないように作ってたのよ」
ほむら「マミに本命のものも作ったほうがいいって言われて……その///」
ほむら「ま、まどか!よ、よかったら受け取ってください!」
まどか「うぇひひ、嬉しいな///」
マミ「ふふっ二人がうまくいくといいわね」
さやか「ですねー」
杏子「まぁそうだな」
マミ「そうだわ、はい佐倉さん、バレンタインチョコよ」
杏子「おっサンキュー」
さやか「んじゃ私もほい、あとこれはまどかからだね」
杏子「おっ一気に3つも手に入るなんてラッキー」
さやか「ほほう、今返さないということはホワイトデー3倍返しに期待だね」ケタケタ
マミ「ふふっそうね」クスクス
杏子「おいおい、勘弁してくれよ」
杏子「そうかい、じゃあマミ、さやか、これやるよ」ポイ
さやか「わっとと!え?何これ」
マミ「あら、懐かしい……」
杏子「ちっこい頃にマミに教わったお菓子だよ」
杏子「ほむらの家で一緒に買った材料が余ってたから作ったんだ」
杏子「まぁ半分ぐらいはほむらの家においてきたしほむらとまどかで食うだろうさ」
さやか「ふむ……意外と美味しい……」ホムホム
杏子「マミ直伝だからな」ケタケタ
マミ「美味しいわね、当時はそんな上手じゃなかったのに」ホムホム
ほむら「バレンタインって幸せなものなのね……」
まどか「うぇひひ、そうだね」
―外―
マミ「じゃあ今から私の家でチョコフォンデュパーティーでもしましょうか」
さやか「おー!」
杏子「美味そうじゃん」
マミ「さ、行きましょう」
終わり
やっぱりまどほむが好きなのごめんなさい
おやすみなさい
ところで下駄箱にチョコってよくでてくるパターンだけど
食べ物を下駄箱に入れるのはどうなんだろうな
机の中じゃこっそりってのは難しいだろうし
またまどほむ書いてくれ
Entry ⇒ 2012.02.15 | Category ⇒ まどかマギカSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ジン「そろそろバレンタインデーか」
ブレイブルー(公式サイト)
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1329214391/
ジン「そろそろバレンタインデーか」
ツバキ「・・・・・・・」マゼマゼ
ノエル「・・・・・・・」カシャカシャ
マコト「・・・・・・・」グルグル
ツバキ「よし、程よいぐらいに固まってきたわ」
ノエル「ふぅ・・・右腕が痛くなってきちゃったよぉ」ピタッ
マコト「のえるん、そんなんじゃ美味しいチョコレートはできないよ~?」グルグル
ノエル「やっぱりそうなのかなぁ?」
マコト「そうだよ!こういうのは美味しくなれって念じないと!」グルグル
ノエル「そうだよね!頑張れ、私!がんばれ、ノエル!」カシャカシャカシャ
マコト「その調子だよのえるん!」グルグル
ツバキ「さてと・・・チョコも混ぜ終わったし型に流し込もうっと」
ツバキ「(待ってて下さいねジン兄様…)」トロトロ
ハザマ「えっ?お気づきにならないのですか?キサラギ少佐」
ハザマ「女性陣が腕によりをかけて料理を作っている以外何があるというんですかねぇ~?」
ジン「そういうことではないんだが」
ジン「何を作っているのかと聞いているんだ」
ハザマ「おやまぁ、キサラギ少佐は本当に鈍いんですねェ~」
ハザマ「おおよそチョコレートとかクッキーとかその辺りを作っていると思いますよ」
ジン「バレンタインか・・・下らん風習だな」
ジン「あんなものに踊らされる女の心理とやらは解せぬ」
ハザマ「そうカリカリしなくてもいいと思いますけども・・・」
ハザマ「何せ年に一度のイベントですから、これぐらい目を瞑っても問題ないかと」
ジン「フン・・・こんな事に勤しむ暇があれば修練をしていただきたいものだが」
ハザマ「男には分からない、女性の事情なんてのもあるんですよ~?」
ハザマ「まぁ私はチョコレートよりゆでたまごの方がいいんですけどねェ~」
ジン「下らん・・・失礼させてもらう」ガチャ
ハザマ「やれやれ・・・気難しい人ですよ本当に」
ジン「(なるほど・・・男が男に渡しちゃってもいいんだな」)
ジン「フフフ・・・待っててね兄さん・・・」
ツバキ「いいと思うわよノエル」
ノエル「ありがとうツバキ。じゃあ流し込んじゃおうっと!」トロトロ
ツバキ「さて、私は後は冷やすだけね」
マコト「ツバキは手際がいいな~」
ツバキ「そうかしら?」
ノエル「やっぱお偉いところのお嬢様は違うんだね」
ツバキ「い、いやお菓子は作らせてもらえなかったしそれは関係ないと思うわよ?」
マコト「でも料理を手伝ってたならこの腕の良さも納得だよ!」
ツバキ「そ、そう?・・・ありがとう///」テレテレ
マコト「おやぁ?ツバキさん顔が赤くなってますよ~?」ニヤニヤ
ノエル「普段は秩序秩序言ってるのにこういうところは女の子だね!」クスクス
ツバキ「う、うるさいわよもう!」プンスカ
マコト「ま、まだ作るのかい?」
ノエル「バレンタイン用のチョコだけで良さそうなのに張り切ってるね」
ツバキ「まぁね。一年に一度のイベントだしこれぐらいは当然よ」
マコト「でもケーキといえば誕生日のイメージが強いけど誰か誕生日の人いたっけ?」
ノエル「ん~・・・どうだったかなぁ?」
マコト「まっいっか!」
ノエル「そうよ、他人に構うぐらいなら自分の分を作らないと!」トロトロ
ツバキ「そういやノエルは誰に渡そうと思ってチョコを作ってるの?」
ノエル「ああああたし?・・・そうね~うーんとね・・・その・・・」
マコト「というか誰か渡す相手がいるの~?」ニヤニヤ
ノエル「ばっ・・・!それぐらいいるわよ!馬鹿にしないで!」
マコト「はいはい、馬鹿って言う方が馬鹿なんですぅ~」ニヤニヤ
ノエル「うぅ・・・」ウルウル
マコト「そうだね~ とりあえずあたしは数で勝負しようかなって思ってたり!」
マコト「とりあえずテロでばら撒く用にいっぱい作ろうかな、なんて!」
ツバキ「って事は義理チョコばかりを作っていると?」
マコト「ひどい言い方するな~」
マコト「あたしは単純にお世話になった人にチョコを渡して回るだけだよ?」
マコト「本命だとか義理だとかそんな考えはハナっからないよ!」エッヘン
ツバキ「なるほどね」
ツバキ「わ、わたしっ?・・・それは秘密よ」
ツバキ「大体誰に渡すかなんて口から出すもんじゃないわよ?」カァァ
マコト「(あっ・・・顔が赤くなってる)」
マコト「(ツバキの事だからキサラギ先輩に渡す気だなぁ)」ニタァ
マコト「(そういや今思い出したけどバレンタインデーってキサラギ先輩の誕生日なんじゃあ・・・)」
ツバキ「まぁいいわ。こういう会話もバレンタインの醍醐味でもあるし・・・」
ノエル「シクシク・・・」
マコト「いつまで泣いているのさのえるん」
ツバキ「いや、泣かせたのは貴方でしょうマコト」
マコト「ぐぬぬ・・・」
一方その頃・・・
ジン「さて・・・材料となるチョコやトッピング、ボウルや型などは一通り揃えたぞ」
ジン「ンフフ…僕の作ったチョコが兄さんの腹の中におさまるなんて胸が熱くなるよ」
ジン「・・・でも普通に作ったチョコレートなんて兄さんが満足するのかな?」
ジン「兄さんの事だ。きっと満足しないと思う」
ジン「となると何か別の方法でチョコを作る事を考えないとな」
ジン「ん~・・・どうすべきだろうか」
ジン「・・・・・・・・・・・・」ポンポンポン
ジン「閃いたぞ・・・!最高のバレンタインチョコのアイディアが!」チーン!
ジン「この方法なら兄さんも、僕も楽しめて一石二鳥だ」
ジン「しかし買ってきた分のチョコでは作れないな・・・」
ジン「こうなったら何点かはしごしてチョコを買い漁るとしよう」
ココノエ「・・・・・・・・」グルグル
ココノエ「・・・・・・・・」カシャカシャ
ココノエ「・・・・・・・・」トロトロ
ココノエ「・・・後は仕上がりを待つのみ、か」
ココノエ「やはり徹夜での作業は捗るな」
テイガー「ジーッ」
テイガー「(これが普段のココノエだから問題ないとは思うが・・・)」
テイガー「(寝る間を惜しんでの作業が続いているとやはり気になるな)」
ココノエ「ふぁぁ・・・作業が終わった途端力が抜けてしまうのはなんでだろうな」
ココノエ「まぁいい、寝るとするか」カチッ
テイガー「(どうやら終わったようだな)」
テイガー「(ココノエ、ゆっくり休んでくれ)」
タオカカ「なぁなぁトラ姉、聞きたいことがあるんだニャス」
トラカカ「ん?なんニャスか、タオ」
タオカカ「バレンタインデーってのはおいしいのかー?」
トラカカ「ははは、バレンタインデーは食べ物じゃにゃいよ」
タオカカ「にゃにゃにゃ!?おいしくにゃいならどうでもいいニャス!」
タオカカ「というと?」
トラカカ「好きな人やお世話になった人にチョコレートをあげるというイベントニャスよ」
タオカカ「おお、タオはチョコレート大好きニャス!」
タオカカ「でもタオはあげるよりもらう方が嬉しいニャ」
トラカカ「まぁそういうニャ」
トラカカ「お世話になった人にあげて喜ぶ姿を見るのも悪くにゃいニャスよ?」
タオカカ「ほぉほぉ、そう聞くとチョコレートをあげたくなってきたニャス」
タオカカ「タオがお世話になっているのはいい人と、乳の人と、むさい人と、猫の人と・・・」
タオカカ「トラ姉ニャス!!」
トラカカ「おいおい、タオ。私にはそんな気遣いいらにゃいニャスよ?」
タオカカ「いや、トラカカには絶対渡すニャス!」
タオカカ「誰よりも早く、むさい人より早く渡すニャス!!」
タオカカ「おー!待ってろニャストラカカ!」
タマカカ「タオね~ちゃん、あたしたちにもチョコちょおだ~い!」
ポチカカ「タオね~ちゃん!」
ヤルカカ「いい子にしてるから、おねが~い!」
タオカカ「おお、お前たちちびの分も勿論用意するぞ!」
ちびカカたち「わぁ~い!やったぁ~!」
タオカカ「みゅふふ、バレンタインデー待ち遠しいニャスね」
タオカカ「そうと決まればチョコを買って来るニャス!」ダダダッ
トラカカ「気をつけて行って来るニャスよ~」
トラカカ「猫の人ニャスか。今チョコを買いにカグツチへと向かっていったニャ」
獣兵衛「ああ、そういえばもうすぐバレンタインデーだな」
獣兵衛「しかし物を欲しがるタオがチョコを買いに行くなんて珍しいな」
トラカカ「私がバレンタインの風習を教えたからニャ」
獣兵衛「そうかそうか、トラカカお前が教えてくれたんだな」ハハハ
トラカカ「ええ。人間たちの風習を教えない方が良かったニャスか?」
獣兵衛「俺は別に大丈夫だと思うぞ。むしろ人間の文化を教えてやった方がいい」
獣兵衛「体は成長していても、まだ見聞を広められていない女の子ってところだしな」ワハハ
獣兵衛「そんな訳でこれからも頼んだぞ、トラカカ」
トラカカ「おやすい御用ニャスよ」
トラカカ「彼女はチョコ作りにお熱ニャ」
トラカカ「獣兵衛さまに振り向いてもらうために頑張ってチョコを作るぞ~!って言いながら作っているようニャ」
獣兵衛「ハハハ、そいつは楽しみだな」
プラチナ「へっくしぇ!」グルグル
プラチナ「今誰かがルナ様の事を噂しているような気がする・・・」コトコト
プラチナ(ルナ)「何を甘えた事言ってるんだよセナ!」トントン
プラチナ(ルナ)「このルナ様が手を動かしていながらそんな事を言うのか!?」コトコト
プラチナ(セナ)「だ、だからこそ心配して休もうかって提案したんだよぉ・・・」
プラチナ(セナ)「というか体は一緒だから僕も疲れたんだけど・・・」
プラチナ(ルナ)「あー!もうっ!てめぇはろくに作ってないのに休むことしか考えてないよな!」
プラチナ(ルナ)「バレンタインまで日がないっていうのにそんな悠長な事言ってられっかよ!」カシャカシャ
プラチナ(ルナ)「ガキはお乳でも飲んでさっさと寝ろ!」カシャカシャ
プラチナ(セナ)「ひ、ひどいよぉルナぁ・・・」シクシク
プラチナ(ルナ)「あーめんどくさっ!メソメソすんなよクソガキ!」
プラチナ(ルナ)「こうなったらルナ様だけでスペシャルでデリシャスなチョコを作ってやるかんな!」カシャカシャ
プラチナ(ルナ)「役立たずのセナはそこで指でもしゃぶって寝てろ!」カシャカシャ
プラチナ(セナ)「ううぅ・・・」シクシク
プラチナ(ルナ)「待っててね獣兵衛さま・・・!」
タオカカ「チョコを追い求めてここまできたニャ」
タオカカ「とりあえずお店を何点か回ってみるニャス!」
タオカカ「手始めにカグツチマートに行ってみるニャス」
タオカカ「あ、肝心な事を忘れていたニャ」
タオカカ「無一文のまま来てしまったニャス」
タオカカ「こういう時にいい人がいればチョコどころかご飯もおごってもらえるというのに・・・」
タオカカ「おーっす乳のひとー!」ダダダッ
タオカカ「すごくいいタイミングで来てくれたニャス!!」ギュギュギュ
ライチ「え、ちょっとタオ!いきなり抱きつかれたらびっくりしちゃうわ!」
タオカカ「申し訳にゃいニャス・・・」ボインボイン
ライチ「謝りながら乳を揉まないの!」ペシペシ
タオカカ「うにゅ~・・・これぐらい許して欲しいニャス・・・」ションボリ
ライチ「い、いや流石に許せないことはあるんだしそこは分かって頂戴ね?」
タオカカ「分かったニャス」モミモミ
ライチ「本当に分かってるの、タオ?」
タオカカ「タオが分かったと言ったら分かっているんだニャス!」モミモミ
ライチ「発言と言動が違うわよ!」
ライチ「で、何かお困りのようだけどどうかしたの?」
タオカカ「実はチョコを買いに来たけどお金を持たないまま来ちゃったニャス・・・」
ライチ「あらあら、それじゃあ何も買えないわね」クスクス
タオカカ「そんな訳で誰かにチョコをおごってもらおうかと考えていたところニャス!」
タオカカ「そしたら、タイミングを見計らったかのように乳の人が来てくれて嬉しくなったニャス!」
ライチ「それで嬉しさの余り飛びついてきちゃったということね」
ライチ「全く・・・本当にびっくりしたんだから」
タオカカ「申し訳ないニャス・・・」
ライチ「おごる、っていう表現はあまり適切ではない気がするけど・・・」
ライチ「そうね、年に一度のイベントでもあるし」
ライチ「私も今からチョコを買おうと思ってたから一緒について来る?」
タオカカ「おお!いいニャスか!?」
ライチ「あまり買いすぎないようにね」ニコッ
タオカカ「流石神様仏様乳の人ニャスッ!」ギュー
ライチ「本当に調子がいいんだから・・・」ウフフ
ライチ「早速、カグツチマートの方に行きましょうか」
タオカカ「レッツゴーニャス!」
タオカカ「ここにチョコがあるニャスね!」
店員「さーさー!チョコレートが安くなってるよー!」
店員「バレンタイン用のチョコレートとしていかがですかー!」
ライチ「どうやらチョコのコーナーはあそこみたいよ」
タオカカ「行ってみるニャス!」
ジン「何か不都合でもあるというのか?」
店員「い、いや・・・私どもとしても独占する形ではなく幅広く売りたいのですが」
ジン「売り場に出している商品が売れて何か不服なのか?」ギロッ
客A「それあたしが買おうとしてた分よ!」プンプン
客B「あんた1人が独占するために売り場に出されているんじゃあないのよ!」ピキピキ
客C「大体かごいっぱいにチョコを詰める男の人なんて見たこと無いわよ!」
店員「・・・とこのようにおっしゃっていますので・・・どうにか買う数を減らしていただけないでしょうか?」
ジン「黙れ・・・!」ギロッ
ジン「貴様ら社畜は在庫が無くなる位品出しをしていればよいのだ・・・」
店員「ヒィッ!」ビクッ
客B「見当がついてても一気に持ち去られてしまう事は予想できないわよ!」
ジン「フン・・・なら今回の1件で学んだな」
ジン「さっさと行動しないとこうなってしまうって事にな」
ジン「むしろこれが分かっただけでも収穫があったと喜ぶべきだ」
ジン「年に一度のイベントが一回抜けただけで死にはしまい」
客A「うっ・・・!」
客C「なんなのよコイツ・・・」
ジン「分かったらささっと道を開けろ」
ジン「この障害・・・!」ギロッ
客&店員「ひぃぃ!」ササッ
ジン「さて、精算するか」
店員「しょ、商品お預かりします・・・」
タオカカ「チョコがあるエリアにきたぞー!」
ライチ「それじゃあサクッと選んで買っちゃいましょうか」
タオカカ「おー!」
売り場の張り紙「大変申し訳ございませんが、人気商品につき売り切れました」
タオカカ&ライチ「あ、あれ?」
タオカカ「やっぱり人気の商品は売れ行きがいいニャスか?」
ライチ「いや、人気の商品を安売りでばら撒くってのは考えにくいわ」
ライチ「バレンタインは店側の販売戦略でもあるから売る側も稼ぎたいはずよ」
ライチ「だから販売側は余裕を持って在庫を出すはずなんだけど・・・」
ライチ「これだけ短時間で売れるって事は誰かが独占していったんじゃないかしら?」
タオカカ「そいつは許せないニャス・・・!」クワッ
タオカカ「タオの中で、何かが目覚めそうニャス!」ピラリラリーン
ライチ「もし独占していたとしたら精算に時間がかかっているはずだわ」
ライチ「レジの方に行ってみましょう!」
タオカカ「あいあいさー!ニャス!」ビュビュビューン
店員「お会計56746円です!」フゥ
ジン「結構買っていたんだな・・・ではこれで」スッ
店員「あ、すみません当店はそのカードがご利用できません」
ジン「」
ジン「(統制機構の衛士である身分が、金欠で取引中止なんて事になったらきっと語り継がれてしまうはずだ)」
ジン「(話なんてすぐに広まってしまう・・・)」
ジン「(こうなったら、僕の面子が立たない・・・!)」
ジン「(なんとしてでも、この危機を脱するしかないがどうする・・・?)」
タオカカ「んニャ?あそこにいるのはもしかしてキモい人ニャス?」
ジン「(!!)」
ジン「(ここは一か八かこの猫から金銭を巻き上げるしかあるまい・・・!)」
ジン「すまぬが一旦取引を中止させてもらう」
ジン「ただし、保留という形でな」サッ
店員「あっ!お客さまー!」アセアセ
ジン「いいところに来たな、猫」
タオカカ「もしかしてキモい人がチョコを独り占めしていったニャスか!?」ギロッ
ジン「なっ・・・!(こいつ、何故それを!?)」ピキリーン!
ジン「(動物の勘というべきものなのか・・・?)」
ジン「気になるか・・・?」
タオカカ「とっても気になるニャス」
ジン「では情報料として6746円いただこうか」ニヤリ
タオカカ「あっ、タオは無一文ニャス。悪いけどお金は払えないニャス」
ジン「」
ジン「(誰か知ってるような奴はいないのか・・・?)」
ライチ「ハッ・・・ハァ・・・相変わらずタオは早いのね」
タオカカ「おーっす乳の人!また逢ったな!」
ライチ「ダメじゃないタオ・・・勝手に走っていっちゃあ」
ジン「(そうだ・・・この女なら金を持ってるに違いない)」
ライチ「あら貴方・・・」
ジン「・・・どうも」コホン
ジン「少し買い物をしていただけだ」
タオカカ「乳の人、キモい人がチョコを独占しているニャスよ」
ジン「なっ・・・!」ピキピキリーン!
ライチ「それは本当なのタオ?」
ジン「身も蓋も無いことを言うな!」
タオカカ「でもキモい人、タオから金を取ろうとしてたニャス」
ライチ「何ですって・・・!」キッ
タオカカ「情報が欲しければ金を渡せと言ってたニャス」
ジン「何を言ってるんだ!これ以上変な口を聞くのであれば凍らせてやろうか・・・!」タラタラ
タオカカ「でもキモい人なんだか顔が青ざめてるニャス」
タオカカ「それに心なしか冷や汗が出てるよーな」
ジン「!!!!!」タラッタラ
ジン「(しょうがない、話すとするか)」
ジン「実はだな・・・」
ライチ「ということは貴方がチョコを独り占めしていったと」
ジン「そういうことになるな」
タオカカ「タオの推理は当たっていたニャス!」エッヘン
ライチ「こればかりはお手柄としか言えないわ、タオ」ナデナデ
タオカカ「にゅふふふふ~♪」ニヤニヤ
ジン「頼む!足りない分の金を貸していただけないだろうか・・・?」
ライチ「別にいいわよ」
ジン「何、それは本当か!?」
ライチ「ええ、大丈夫よ。それに返さなくてもいいわ」
タオカカ「流石神様女神様乳の人ニャスッ!」
ライチ「はいはい、大丈夫よ」ニコッ
ジン「かたじけないな・・・」
ライチ「でもこちらの条件をのんでもらえるならね」ニヤリ
ジン「フン・・・何がお望みだ?」
タオカカ「(いつものえらそーなキモい人に戻ったニャス)」
タオカカ「(もうちょっと謝り続けるキモい人を見たかったニャス)」
ジン「悪いがそれは出来ないな」
ジン「そもそもこれは僕が勝ち取った分のチョコだ」
ジン「マーケットという戦場に出遅れた貴様らにやるチョコなどない」
ジン「戦争はチョコのようには甘くはないのだ」
ライチ「あら、少佐になれるほどの人がこんなにケチだとは思わなかったわ」
ライチ「そっちがそうなら、こっちだって手は考えてあるわ」
ジン「ほう、なんだと言うんだ?」
ライチ「貴方の失態を言いふらす事ぐらい想像できないかしら?」
ジン「なっ・・・!」
ライチ「そう、貴方たち統制機構とは対立しているような機関とね」
ライチ「第七機関といえばあのココノエ博士がいるところよ?」
ライチ「貴方たち衛士がいくら優秀な集団であっても負けずとも劣らないのがココノエ博士よ?」
ライチ「あの博士、統制機構の弱みを握る事は嫌いじゃなさそうだしこのままだと貴方の面目丸つぶれが確定よ?」
ココノエ「Z・・・Z・・・Z・・・へっくし!」
ライチ「話の種としては十分すぎるぐらいだし、私も顔が広い方だから広めようと思えば広められるしね」
ライチ「さぁ、どうするの少佐さん?」ニヤニヤ
ジン「医者の癖に悪魔だな貴様は・・・!」
タオカカ「(今日の乳の人は魔性の女ニャス)」
ライチ「理解が早くて助かるわ」ニコッ
ライチ「タオ、無事にチョコレートも買えたことだし分けましょうか」
タオカカ「やったーニャス!キモい人ありがとうだニャ!」
ジン「・・・次その名前を呼んだときは容赦なく斬るからな?」
タオカカ「むふふ~♪相変わらず怖い人ニャス♪」ルンルン
ジン「・・・・・・・」
ジン「(一時はどうなるかと思ったがこれで役者は揃った)」
ジン「後は溶かすのみ、か」
ジン「ふふふ・・・あと3日後だよ。楽しみだね、兄さん・・・」
マコト「いよいよこの日が来たね・・・!」
ノエル「う、うん・・・!」
ツバキ「今日は三人にとって良い日であることを祈りながら、チョコを渡しましょう」
マコト「押っ!」
ノエル「うんっ!」
ツバキ「(ジン兄様・・・このツバキ、必ずや貴方を幸せにしてみせます!)」
マコト「あっ、はいそんなところです!」
ツバキ「ハザマ大尉、本日は休日ですよね?」
ハザマ「ええ、本日は貴方たち3人とキサラギ少佐は非番ですねェ」
ハザマ「世間ではバレンなんとからしいですが私にとってはただの平日ですよ」
ハザマ「まぁせいぜい羽目を外さない程度にエンジョイしてきてくださいねェ」
ノエル「あっ!待ってください大尉!」
ハザマ「なんでしょうか?」
ノエル「手間暇かけて作ったチョコを」
ツバキ「受け取っていただけないでしょうか?」
ハザマ「おやおや、それは嬉しいですねェ~」
ハザマ「レディの頼みとあれば断りませんよ」
ハザマ「もっとも、私にはチョコより喜ぶものがあるのはご存知でしょうけど」ボソ
ノエル「わ、私もですっ!」
ツバキ「私は・・・お口にあうか分からなかったので普通のゆでたまごにしてきました」
ハザマ「貴方たち・・・」
ハザマ「わざわざ私の好みのものにしてくれたんですねェ」
ハザマ「いやぁ、出来る部下を持つということがこれほど素晴らしいことだなんて・・・」
ハザマ「私、身に染みて感じていますよ~」
マコト「(うわぁ・・・なんか凄く嘘くさいような事言ってるよ大尉)」
ツバキ「それでは行ってきますね」
ハザマ「道中、お気をつけて下さいね?」
ノエル「いや、任務じゃありませんし・・・」
マコト「食べ過ぎて太らないように気をつけるんですよー」ガチャ
ハザマ「お気遣いの方、ありがとうございます」
ハザマ「さて・・・3人娘も出て行った事ですしもらったゆでたまごを味わうとしましょう」ガリッ
ハザマ「う~ん・・・殻を噛んでガリッといってしまうのもゆでたまごを味わう上で必要な要素ですねぇ~」
ハザマ「そしてとぅるんとした白身が舌の上で踊る・・・」ハムハム
ハザマ「〆は半熟、あるいは固めの黄身でアストラルフィニッシュと・・・」ハミハミ
ハザマ「うーん、ゆでたまごは人類が生んだ英知ですねェ」ハムハム
テイガー「良い朝だな。ココノエ、おはよう」
ココノエ「今起きたのかテイガー」
ココノエ「起きて早速だがお前に頼み事をしたい」
テイガー「なんだ?」
ココノエ「これを・・・あいつに届けてやって欲しい」
ココノエ「私が直接渡しに行くのもなんというか気が引けるしな」
テイガー「何、それぐらいお安い御用だ」
ココノエ「なんならカカ族の者に渡してくれてもいい」
ココノエ「そして中身を疑うようであれば見せてやっても構わん」
ココノエ「すまないが頼むぞ」
テイガー「分かった、では早速カカ族の村周辺に向かう」
テイガー「なんだ?」
ココノエ「その・・・これ、いつもありがとうな」サッ
テイガー「この包みの中身は・・・チョコレートなのか?」
ココノエ「あぁ」コクッ
テイガー「そういえば今日はバレンタインだったな」
テイガー「任務の後にいただくとしよう」
テイガー「ありがとう、ココノエ」
ココノエ「!!!」ドキッ
ココノエ「わ、分かったから早く行って来い!」
テイガー「すまん、では改めて行ってくる」
テイガー「TR-0009テイガー、任務を遂行する!」ガシャンガシャン
ココノエ「・・・行ったか」
ココノエ「下僕として見ていたはずが・・・私の中の価値観が変わりそうだ」
ココノエ「さて、研究だ研究!」
子分「お、お頭!急に叫ばないで下さいよ!」
バング「おお!それはすまなかったな!」
バング「だがしかぁし!ライチ殿からチョコをもらえると考えたら・・・」
バング「叫ばずにいられないでござるううううう!!」
子分「気持ちは分かりますけど声のトーンを控えめにして下されぇ!」
バング「むぐぐっ!」
バング「あわよくば二人の仲は深まり、熱い愛に包まれるであろうっ!」
子分「そう上手くいくもんなんですかねぇ~?」ボソッ
バング「とにかくっ!拙者は待つでござるよっ!」
バング「だから来て下され~!ライチ殿ぉぉぉぉぉ!!」
子分「お、お頭ぁ!あそこに人影が見えますぜ!」
バング「なななんとぉ!?」
バング「どうやらライチ殿が早速来てくれたんでござるな!」
バング「(この拙者、今日という日を待ちわびていたでござる!)」
タオカカ「おーっすむさい人!来てやったぞ!」
バング「うぉぉぉ!!ライチd・・・あるぇ~?」
バング「おお、すまんすまん!タオであったか!」ワハハハ
バング「(くっ・・・無念でござる・・・!)」
バング「へっ?何かくれるでござるか?」
タオカカ「タオがむさい人のためにチョコを買って来たニャス!」
タオカカ「是非とも受け取っていただきたいニャス!」
バング「タ、タオ・・・!」
バング「流石拙者の弟子でござるっ!!嬉しいでござるよ!!」ギュウウウ
タオカカ「むさい人暑苦しいニャス・・・」ダラダラ
ライチ「ハッハァ・・・相変わらずタオは早いわね」
タオカカ「おーっ!乳の人!!」
バング「なに!!!!!????」ダダダダダダダダッ
タオカカ「にゃにゃにゃ!?」
タオカカ「あんなに早く走るむさい人、初めて見たニャス」
ライチ「あらバングさん、こんにちは」ニコッ
バング「こんにちはでござるライチ殿」
バング「・・・」
ライチ「・・・」
バング「(ま、まずい!会話が続かないでござるっ!)」
バング「(チョコをもらうことは想定していたというのに、こんなところまで頭が回らなかったでござる!)」
バング「(なんとかそれらしく促せたらベストでござるが)」
ライチ「あの・・・バングさん?」
バング「はいぃ!?」
ライチ「これ・・・良かったらどうぞ」スッ
バング「!!!!!!!!」ドキーン
ライチ「これは・・・いつもお世話になっている私からのささやかなプレゼントです」ニコッ
バング「さ、ささやかなんて!」
バング「謙遜もいいところでござるよライチ殿!!」
ライチ「いや、でも年に一度腕を振るうだけで済んじゃいますし・・・」
ライチ「いつもありがとうございます」
ライチ「そしてこれからも頑張ってくださいね」ニッコリ
バング「は、はいぃぃぃぃ!」ドキドキ
ライチ「すみません、もうちょっと長くいたいものですが昼からの診察時間も迫っているのでこれで失礼しますね」タタタッ
バング「あ、ありがとうでござるライチ殿!」
バング「このシシガミ・バング、生まれて初めて意中の者からチョコをもらえたでござるっ!」
バング「うぐっ・・・!この溢れ出す感情を抑えることが出来るでござるか!?」
バング「いや、出来はしない!!」バーンバンバンババーン
バング「うおおおおおおおおおお!!風よりも速く、林よりも静かにぃ!炎よりも熱く、山よりも高くにぃ!」バーニングタマシイー
バング「フハハハハハハハ!!我が世の春が来たでござるうううううう!!」シュババババ
タオカカ「にゃにゃにゃ!?」
タオカカ「むさい人が金色になって走り抜けていったニャス・・・」
タオカカ「タオも負けずに走るニャスよ!」タタッタッタ
タオカカ「・・・でも一旦カカの村に帰るニャス」
テイガー「誰か身内の者に出会うと良いのだが」
トラカカ「そこの者、何をしているニャ?」
テイガー「これは・・・カカの娘か」
トラカカ「貴方は・・・赤鬼ニャスか?」
テイガー「いかにも」
トラカカ「・・・第七機関の赤鬼が何故このような場所に?」
テイガー「実は君たちの身内の者からこれを渡してくれとな・・・」スッ
トラカカ「包み紙からしてチョコレートニャスか?」
テイガー「あぁ、疑わしいなら中身を開けてもらってもかまわないと言っていた」
トラカカ「そこまでするほど疑ってはいニャいよ」
テイガー「言っただろう?君たちの身内にあたる人物だとな」
テイガー「これを獣兵衛殿に渡していただきたいのだが大丈夫か?」
トラカカ「猫の人の身内・・・おおよそ見当がついたニャ」
トラカカ「それなら大丈夫ニャス。私が事情を話しておくニャスよ」
テイガー「ご理解いただき、感謝する」
テイガー「それでは私は帰る。後は頼んだぞ」
トラカカ「任せてくれニャ」ササッ
プラチナ「チョコよーし!ラッピングよーし!リボンよーし!」
プラチナ「獣兵衛さまの喜ぶ顔がもうすぐで見られるんだよなぁ・・・」ワクワク
プラチナ「すごく楽しみっ!」
獣兵衛「」テクテク
プラチナ「おお、噂をすれば獣兵衛さま!」
プラチナ「獣兵衛さまぁ!」タッタッタッタ
プラチナ「うわっ!」ヨロヨロッ
獣兵衛「ん?今の声は・・・」
プラチナ「いてっ!」ズデーン
ピキッ!
プラチナ「いてて・・・ってうわっ!」
プラチナ「今のでチョコが割れちゃった・・・?」アセアセ
獣兵衛「俺の名を呼んでどうしたんだい?」
プラチナ「じゅ、獣兵衛さまぁ・・・!」ウルウル
獣兵衛「おいおい、いきなり泣いてどうした?」
プラチナ「ルナがせっかくチョコを作ったのに・・・もしかして割れちゃったかも知れない・・・」
プラチナ「獣兵衛さまに喜んでもらおうと思って作ったのに・・・」
プラチナ「よろけてしまっただけで台無しに・・・」シクシク
プラチナ「ううぅ・・・ごめんなさい獣兵衛さまぁ・・・!」シクシク
獣兵衛「なるほどな・・・そいつは残念だ」
プラチナ「そうですよね・・・」ウェーン
獣兵衛「俺は割れたチョコであろうと手作りのチョコは食すつもりだぞ?」
獣兵衛「本当に作ってくれてありがとうな」ギュッ
プラチナ「!!!!!!」カァッー
プラチナ「(じゅ、じゅうべいさま初めてルナのことを抱いてくれたよ!)」
プラチナ「う・・・うわぁぁぁぁぁん!!!」ビエーン
獣兵衛「お、おいおいこれは俺が泣かせてしまったのか・・・?」ハッハッハ・・・
トラカカ「おや、猫の人そこにいたニャスか」
タオカカ「猫のひとー!!」
獣兵衛「おお、お前たちも来たか」
プラチナ「ほ、ほっとけよ!」
獣兵衛「実はだな・・・」ゴニョゴニョ
トラカカ「なるほどニャ」
タオカカ「魔法使いの人もおっちょこちょいニャスね!」
プラチナ「なんだとー!」ポコスカ
タオカカ「痛いニャス!」
獣兵衛「こらこら、止めないかプラチナ」
プラチナ「フン!命拾いしたな猫!」
タオカカ「ひどい仕打ちニャス・・・」
トラカカ「えぇ、これを・・・」スッ
タオカカ「猫の人、受け取って欲しいニャス!!」スッ
獣兵衛「おお、四角い箱に包み紙・・・!チョコレートだな!」
タオカカ「ご名答ニャス!」
タオカカ「トラ姉にもあげるニャス!」ササッ
トラカカ「ふふっありがとうニャス」
トラカカ「じゃあ私からもタオにチョコをプレゼントするニャス」サッ
タオカカ「おおお!トラ姉からもチョコをもらえたニャス!」
タオカカ「これで乳の人に続いて二個目ニャス!」ルンルン
獣兵衛「ははは、もらいあってハッピーだなぁ!」
プラチナ「・・・・・・・」ムスムス
獣兵衛「それは違うぞプラチナ」
プラチナ「えっ・・・?」
獣兵衛「確かに俺はプラチナからチョコをもらった時は嬉しかったさ」
獣兵衛「愛情を注いで、手塩に掛けて作ってくれた手作りチョコだもんな」
獣兵衛「しかし、それはタオとトラカカの二匹にも同じことが言えるぞ」
獣兵衛「手作りではなかったとしてもチョコをプレゼントしてくれたんだからな」
獣兵衛「最も、もらう側の俺からすれば誰が一番だとかそんなもんはどうでもいい」
獣兵衛「あるのは、感謝の気持ちだけって言ったところだな」
プラチナ「う・・・ううぅ・・・」
獣兵衛「!?(まずい、今の一言は逆効果だったのか!?」
獣兵衛「・・・へ?」
タオカカ・トラカカ「へっ?」
プラチナ「まさか獣兵衛さまがそうお考えになっているとも知らずに・・・」
プラチナ「それなのに独りよがりな態度を取り続けちゃいました・・・」
プラチナ「これからはもっと大人になるんで許してやってくれませんか!?」
タオカカ「はは~・・・なんだか予想外の展開ニャス」
獣兵衛「うむ、分かってくれたらそれでいいぞ」
プラチナ「本当に・・・?やったぁ!」
プラチナ「来年は今年以上の出来のチョコを作りますからね!」
プラチナ「いいいいやっほおおおおおおお!」スタスタ
タオカカ「全く・・・お調子者ニャス」
トラカカ「タオ、お前が言うニャ」
タオカカ「ぐにゅにゅ・・・」
トラカカ「私はここに残るニャス」
タオカカ「タオはいい人にチョコを贈るニャス!」
獣兵衛「おお、あいつの元まで行ってくるんだな」
タオカカ「そうそうトラ姉、このチョコをちびたちに渡してやってくれにゃいか?」
トラカカ「分かったニャ。タオからのチョコだと言っておくニャス」
タオカカ「ありがとうだニャ」
タオカカ「それじゃあ行ってくるニャス!」バビューン
獣兵衛「気をつけて行って来いよ~」
獣兵衛「ん?俺は先ほどお前のチョコをもらったぞ?」
トラカカ「違うニャ。第七機関の赤鬼から渡してくれと頼まれたニャス」
獣兵衛「第七機関というと・・・あいつが勤めているところか」
獣兵衛「・・・年に一度ぐらい直接会って渡してくれても良かったと思うが」
獣兵衛「あいつにもあいつの事情があるんだな」
獣兵衛「だが確かに受け取ったぞ」
獣兵衛「最愛の娘、ココノエよ」
ラグナ「世間ではバレンタインとか抜かしてやがるが」
ラグナ「ぶっちゃけ食えるものだったら何でもいいってのが本音だ」
ラグナ「・・・しかしタオに飯をおごったせいで無一文じゃねぇか」
ラグナ「こんな時はチョコでもいいから食いたいもんだわ」ハァ
ノエル「ラグナ・ザ・ブラッドエッジ!」
ラグナ「そ、その声は!」
ラグナ「なんだ、馬鹿ノエルじゃねぇか」
ノエル「だから、馬鹿って言う方が馬鹿なんです!」プンプン
ラグナ「うるせー!ノエルの癖に生意気なんだよ!」キッ
ノエル「ひぃぃっ!?」ビクッ
ノエル「あ、あのラグナさん・・・///」ポワァー
ラグナ「って何で顔赤くなっちゃってんの!?お前!?」
ノエル「べ、別に赤くなってません!///」カァー
ラグナ「・・・熱でもあるんじゃねぇのか?」
ノエル「ありませんっ!」プッー
ラグナ「にしてもぷーって顔を膨らませるとなんというか滑稽だな」
ラグナ「深海にいそうな出で立ちをしてるぞ」
ノエル「そこまでひどく言わないで下さいっ!」プンプン
ラグナ「なんだぁ?この包装紙はぁ?」
ノエル「そ、その・・・チチチチチチチt・・・」
ラグナ「あれか、太っといお魚のソーセージって奴か」
ノエル「違いますって!!」プンプン
ラグナ「冗談だ。チョコレートなんだよな?」
ノエル「」コクッ
ラグナ「そいつはありがてぇ・・・」
ジン「(あそこにいるのは兄さん・・・とヴァーミリオン少尉か?)」
ジン「(まさかあの障害兄さんに何かそそのかしたんじゃあないだろうなぁ・・・!)」ギロッ
ノエル「だから馬鹿馬鹿言わないでください!」
ラグナ「うっせーこの馬鹿!」
ラグナ「まぁこの馬鹿が作ったチョコをいただいてやるって言うんだ」
ラグナ「ちったぁ感謝するってのが筋ってもんだぞ?」
ノエル「そこはむしろ貴方が私に感謝すべきでしょ!!」
ジン「(なんだあの二人・・・喧嘩してるのにムードは存外悪くない)」
ジン「(くっ・・・何者だ障害・・・!」
ジン「(貴様が・・・憎い!)」
ノエル「!」ビクッ
ラグナ「ん?どうしたんだ?」
ノエル「今何か殺気を感じたような・・・」
ノエル「それとは関係ありません!」プンスカプンスカ
ノエル「それじゃあ私はこれで・・・」スタスタ
ラグナ「おっまたなー」
ラグナ「しっかしなんなんだあいつは・・・忙しない野郎だ」
ジン「(障害がいなくなったか・・・!これはチャンス!!)」
ジン「に・い・さ~ん!!!!」ハァハァ
ラグナ「・・・馬鹿ノエルが感じていた殺気というものがなんとなく分かった気がするぜ」
ラグナ「何でお前がこんなところにいるんだよ!」
ジン「決まってるじゃないかぁ兄さん♪」
ジン「僕もチョコを作ってきたから受け取ってもらいたいなぁ・・・って」
ラグナ「べ、別に受け取ってやるだけならいいが・・・」
ジン「本当!?」ワクワク
ラグナ「うぉっ!?」
ジン「それはありがたいよ・・・兄さん♪」
ジン「それじゃあ僕の持ってきたチョコをお披露目するとしよう」
ラグナ「お披露目・・・?包んでるんじゃないのか?」
ジン「僕はそんな常識にはとらわれないよ?」ニッコリ
ラグナ「(なんだか分かんねぇが凄く悪い予感しかしねぇ!!)」
ジン「ふふふ・・・じゃあ見せるとしよう」
ジン「じゃじゃーん!これが僕が3日かけて作ったジン・キサラギ1/1スケールの等身大チョコさ」デーデン!
ラグナ「」ゾワッ
ラグナ「(おいおい、冗談だろう?)」
ラグナ「(こんなもん食えるかっつーの!)」
ラグナ「(今猛烈に腹が減ってるがこんなもんを食ったら吐くだろ馬鹿!)」
ジン「おや?あまりにも出来が良くて言葉が出ないのかな?」
ジン「でもこれを作るのに店をはしごしてチョコを買ったんだからね・・・」
ジン「まぁ兄さんが食べてくれると考えたら苦にはならなかったけどね♪」
ジン「さぁ・・・僕を食べてよ、兄さん♪」
ラグナ「(どうするんだ俺、どうするんだ俺ぇぇぇぇ!!)」
レイチェル「あら、こんなところにいたのね」
ラグナ「う、ウサギィィィ!」
ジン「また一人邪魔者が入ったのか・・・!」ギロッ
レイチェル「あら、お取り込み中かしら?」
レイチェル「でも二人の仲を裂く様な真似はいけないわね」クスクス
ラグナ「いや、全然いいから!!邪魔しまくれ!!」
レイチェル「あら珍しいわね。普段なら干渉すんなとか駄々をこねるのに」
ラグナ「こねてねーよ!」
レイチェル「まぁいいわ、私は貴方の保護者でもあるから助けてあげないこともないわよ?」
ラグナ「いつまでも保護者面すんな!」
ジン「チッ・・・僕の完璧な計画が・・・」
ラグナ「おい、クソウサギ・・・!」
レイチェル「ラグナちゃんはママのチョコがほしいのでちゅかー?」プークスクス
ラグナ「っざけんなウサギ!誰がお前なんかの・・・!」
レイチェル「ムッ バーデン・バーデンリリー!!」ビリビリ
ラグナ「あれー!!?しびれるー!?」ビリビリ
レイチェル「口を慎みなさい、この犬」
ラグナ「」プシュウ・・・
ジン「(なんだ・・・どうやら僕に敵意を向けるような奴ではなさそうだな)」
ゲオルグ「ゲコゲコゲコゲコ」スタスタ
ジン「あの蛙は・・・一体なんだ?」
ジン「なにやら僕のチョコ象に向かっているようだが・・・?」
ゲオルグ「ゲコゲコ」ビリビリビリビリビリ
チョコ象「」ビビビビビビビ
ジン「!あの蛙、チョコに向かって放電している・・・!」
ジン「このままだと・・・!」
ジン「蛙ぅ!貴様は泳いでいればいいのだァー!!」ブン
チョコ象「」パリーン
ジン「なっ・・・!」
レイチェル「なんとか上手くいったようね」
ラグナ「あぁ、ナイスな働きだったぞウサギ」
レイチェル「見るに耐えない銅像があったから壊そうとしただけよ」
レイチェル「ただし、貴方が自分で壊すという形でね」
ギィ「流石姫様ッス!おいら達に出来ないことを平然とやってのけるッス!」
ナゴ「そこに痺れるわぁ!憧れるわぁ!」
レイチェル「貴方たちは黙っていなさい」キッ
ギィ・ナゴ「す、すいませんでしたぁー!」
ラグナ「しかし蛙を囮にするとは考えたなウサギ」
レイチェル「まぁ貴方の愚鈍な脳みそじゃそんな事思い浮かばないでしょうね」
ラグナ「一言多いんだよてめぇは!」
ラグナ「ウサギ、お前のチョコだがもらっといてやる」
レイチェル「礼も言えないお子ちゃまにはあげないわよ」
レイチェル「・・・と言いたい所だけど、年に一回ぐらいは目を瞑ってあげる」
レイチェル「ありがたく受け取りなさい」スッ
ラグナ「サンキューウサギ!」キャッチ
ジン「図ったな道化ぇぇぇ!」ブンブンッ
レイチェル「あら、物騒なものを振り回しちゃって」
レイチェル「でも私を出し抜くのにはまだ早いわよ、えいゆうさん」スッ
ジン「攻撃が当たらないだと・・・!」ブンブン
レイチェル「」ヒョイヒョイ
レイチェル「(さぁ、早く逃げなさい・・・!)」コクッ
ラグナ「ウサギありがてぇ・・・今の内に行かせてもらうぜ!」
ラグナ「結局災難な事が目立つイベントじゃねぇかよぉー!」サササッサ
タオカカ「おや?あそこに見ゆるのは・・・おーっすいい人ー!」ダダダッ
ラグナ「なんだタオじゃねぇか。何か用か?」
タオカカ「そうだぞ!タオはいい人に用があるから探していたんだぞ!」
ラグナ「分かった、手短に頼む」
タオカカ「これ、いい人にあげるニャ!」ササッ
タオカカ「いつも飯をおごってもらってるお礼ニャス!」
ラグナ「タオ、お前・・・!」
タオカカ「だからまた今度飯をおごって欲しいニャス!」
ラグナ「少し見直した俺が馬鹿だったわ・・・」
タオカカ「というか今腹が減ってるニャス!いい人なんかくれ~」
ラグナ「困ったな・・・俺も今金が無いんでな」
ラグナ「そうだ!」ピコーン
タオカカ「にゃ?」
タオカカ「本当かニャ!?食べていいのか!?」
ラグナ「ああ、勿論だ!俺が許す!」キリッ
ラグナ「(タオには申し訳ないが、ジンのチョコ像を処理する役割を担ってもらうぜ)」
ラグナ「じゃあ俺は急いでいるからこれでな!」ダッ
タオカカ「ああ、いい人が行っちゃったニャス」
タオカカ「それでは美味しくチョコをいただくとするニャ」
タオカカ「」パクパクボリボリ
タオカカ「」ボリボリムシャムシャ
タオカカ「」ハムハムクチャクチャ
タオカカ「あー美味しかったニャス!」
タオカカ「お腹がいっぱいになったから村に戻るニャス!」スタスタ
ジン「まぁいい、砕けてもチョコが兄さんの口に入ればそれで満足だぁ!」
ジン「って・・・あれは」
ジン「ね、ねこおおおおおおおおおおおおお!!」
レイチェル「余所見をする余裕があるならいくらでも攻撃するけど?」
ジン「き、貴様ぁ!」ブンブン
レイチェル「美しくない剣技だわ」ヒョイヒョイ
ジン「ハァ・・・ハァ・・・」
レイチェル「闇雲に剣を振るうだけじゃ勝てないわよ、えいゆうさん」クスクス
ジン「う、うるさい・・・!」ハァハァ
レイチェル「まぁ腕を奮っているところ残念だけど、これ以上疲れてもらったらこちらとしても困るのよね」
ジン「どういうことだ・・・?」
レイチェル「また遭いましょう、えいゆうさん」ピュイーン ヒュンッ
ジン「おい、待て貴様・・・!」
ジン「くそっ・・・全てが泡となった・・・」
ジン「チョコは兄さんの口に入らなかったしおまけに砕かれてしまった・・・」
ジン「もう何もかもが、おしまいだぁっ!」
ツバキ「ジンにいさまー!!」
ジン「ツバキか」
ツバキ「どこにいるのかと・・・探していたんですよ?」
ジン「そいつは悪かったな」
ツバキ「・・・何かあったのですか?」
ジン「いや、別に何にもない」
ツバキ「嘘を言わないで下さい!」
ジン「つ、ツバキ?」
ツバキ「昔から厳しい家柄で友達と遊ぶことも無かった私に手を差し伸べてくださった―」
ツバキ「それがジン兄様、貴方です」
ジン「・・・・・・」
ツバキ「時には優しく、時には厳しく接してくださったジン兄様にいつしか憧れを抱くようになりました」
ツバキ「ジン兄様が士官学校に行かれると知って私も入学を志願したのですよ?」
ツバキ「まぁ家柄で進路は決まっていたようなものですが努力したのも事実です」
ツバキ「そしてジン兄様と共に肩を並べ合るという夢が実現しました」
ツバキ「だから・・・誰よりも長くジン兄様と過ごしてきたので貴方の事は分かっているつもりです」
ツバキ「ジン兄様、何かあったのなら私がお聞きいたします」
ツバキ「ですから私に相談を―」
ジン「言いたい事はそれだけか、ツバキ」
ツバキ「えっ?」
ツバキ「こ、この分からずやー!」パーン!
ジン「うぉっ!?」パシーン!
ツバキ「プライドか信念か分かりませんがジン兄様の悪い癖です!」
ジン「ツバキ・・・」
ツバキ「すみません、つい手が出てしまいました・・・」
ツバキ「でも私はジン兄様の力になりたくて・・・」
ジン「君の気持ちは分かったよ、ツバキ」
ジン「確かに僕は何事も一人で抱えようとしていた」
ジン「誰かに心配を掛けるのが怖かった、だから自然と自分の中で抱え込んでいたんだ」
ツバキ「ジン兄様・・・」
ジン「僕ももう少し君の気持ちに気づくべきだったよ」
ツバキ「そんな・・・!」
ジン「ツバキ、こんな不甲斐ない僕を君は許してくれるというのか?」
ツバキ「勿論ですよ!」
ジン「ありがとう、ツバキ」
ジン「君は僕の数少ない理解者だ」
ツバキ「!」ドキドキ
ツバキ「と、とんでもございません!」フラーッ
ジン「?ツバキ、もしかして貧血なのか?」
ツバキ「い、いえ。ただジン兄様を探すのに奔走していたので立ちくらみを起こしたのかも知れません」フラフラ
ツバキ「で、でもこのように歩けるから大丈夫です!」フラフラ
ジン「ならいいのだが」
ツバキ「はい、外も暗くなって来ましたしね」フーラフラ
ジン「・・・本当に大丈夫なのか?」
ツバキ「・・・手、繋いでいいですか。」
ジン「・・・大丈夫だ」ギュッ
ツバキ「・・・///」ギュッ
ツバキ「・・・」テクテク
ジン「・・・」テクテク
ジン「さぁ着いたぞ」ピタッ
ツバキ「手を引いていただいてありがとうございました」コクッ
ジン「いや、礼には及ばないさ」
ジン「君も無理せずに休んでくれ、ツバキ」
ツバキ「お気遣い感謝します」コクッ
ジン「では僕はこれで―」
ツバキ「待ってください!」
ジン「!」
ジン「そう・・・だが」
ツバキ「これ、良かったら・・・」スッ
ジン「これは・・・チョコレートなのか?」
ツバキ「えぇ、時間を掛けて作った・・・つもりです」
ツバキ「お口に合うといいのですが」
ジン「開けてみてもいいのか?」
ツバキ「こ、ここで食べるのですか!?」
ジン「あぁ、小腹もすいたことだ」
ツバキ「」ドキドキ
ジン「これは・・・ハート型のチョコレートか」
ツバキ「べ、ベタすぎますよね」
ジン「いや、様式美であるからこそかえって良かったりするんだ」
ジン「では一口・・・」ハム
ツバキ「・・・」ゴクリ
ツバキ「・・・お、お味はいかがですか?」
ジン「うむ、甘くて優しい味がする・・・」ウルッ
ツバキ「本当ですか!?」
ジン「あれ?なんだ?目に汗が・・・」ゴシゴシ
ツバキ「ジ、ジン兄様!」
ツバキ「(喜んでいただけたって事でいいのかしら・・・?)」
ジン「ありがとう、ツバキ」
ツバキ「いえいえ、私はジン兄様に喜んで欲しいという一心で作っただけですよ」ニコッ
ジン「だが君は無理をしすぎたようだな」
ジン「僕を見つけるために走り回ったから疲れたと言っていたが」
ジン「手の込んだチョコを作るために寝る間を惜しんで作業していたんじゃないのか?」
ツバキ「!」ドキッ
ジン「・・・図星のようだな」
ツバキ「ですがチョコではなく、こちらの方なんですけどね」ヒョイ
ジン「もう1つ箱が出てきただと・・・!?」
ツバキ「うふふ、実はもう1つあったんですよ」
ツバキ「ジン兄様、誕生日おめでとうございます!」
ジン「そうか、今日はバレンタインデーであり僕の誕生日だったんだ・・・」
ジン「まさか覚えてくれている人がいるとは思わなかったよ」
ツバキ「すみません、ご迷惑でしたか?」
ジン「そんなわけないだろう、ツバキ」
ジン「むしろこんな経験、生まれて初めてだから嬉しいよ」
ツバキ「ジン兄様・・・!」ウルウル
ジン「・・・君が涙を出すなんてらしくない」
ジン「このハンカチを・・・」スッ
ツバキ「あ、ありゅぎゃとうごじゃいましゅ・・・」ズルズル
ジン「(ツバキにもこういう一面があるんだな・・・)」
ツバキ「えっ・・・?今なんとおっしゃいましたか?」
ジン「二人で食べようか、ツバキ」
ツバキ「え、えっえええええ!!?」
ツバキ「勿論喜んで!!私、ケーキを切るナイフを持ってきます!」バビューン
ジン「お、おいツバキ!」
ジン「相変わらず仕事が速い奴だ・・・」
ジン「(バレンタインデーなんてくだらんと思っていたが・・・こんな日もあるのだな)」
ジン(ハクメン)「ありがとう、椿祈(つばき)」
おしまい
カルルとか【∵】とかはどうしたのかね?
クローバー一家はどうも女性陣が扱いづらいなーと思ったのでノータッチになってしまいました。すみません
アラクネは適当に脳内で補完しておいてくださいw
それでは、乙でした
ジン×ツバは至高だと思いますまる
スレタイはツバキ「」の形でも良かったかも知れませんが
書いていてジンの登場が自然と増えていたのでこのような形になりました
ハンターハンターだとかコナンだとか誤解を招いてすみませんでした
キサラギ少佐、誕生日おめでとう!
Entry ⇒ 2012.02.15 | Category ⇒ ブレイブルーSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
遊星「アキからチョコ貰った」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1329220509/
クロウ「……」イライラ
遊星「……」ニヤニヤ
クロウ「……」イライラ
ジャック「む、何だこの雰囲気は」
ジャック「ど、どうしたクロウ! 落ち着け!」
クロウ「どーせジャックも貰ってんだろぉぉぉおおおお!?」
ジャック「何をだ!?」
クロウ「カーリー辺りからさぁあああああああチョコレートとかさぁあああああああ!」
ジャック「チョコレート? そう言えば朝カーリーから渡されたが……」
クロウ「死ねえええええええええええええええええええ!」
クロウ「お前ら二人まとめて死ねえええええええええええ!!」
ジャック「何故だ!?」
遊星「相手がいないからな」
クロウ「黙れ」
遊星「ジャック、ちなみにお前何個?」
ジャック「カーリーと御影とあのウェイトレスで三個だ」
遊星「俺はアキから一個」
クロウ「ざまぁwwwwwwwwww遊星ざまぁwwwwwwwwwww」
ジャック「クロウ、そう言うお前は0……」
クロウ「攻撃宣言時に和睦ー! 俺ダメージ受けないー! アーアーキコエナーイ」
クロウ「はい来たー! リア充特有の面倒くせーポリシー来たー!」
クロウ「周りの女性からの好意ドブに捨てる外道の発言来たー!」
遊星「いや、そうじゃなくて」
遊星「アキ以外の女性からチョコレートを貰ったら、アキに殺される」
クロウ「……ああ、そっち……」
ジャック「お前も大変なんだな、遊星……」
龍亞「え、ちょ……これって……」
龍可「う、うん……」
龍亞「で、で、でも、これ……その、好きな人にあげるもんじゃあ……」
龍可「だ、だって……」
龍可「私は……龍亞が、好きだから……///」
龍亞「……えええええ!?」
龍可「……龍亞は、私じゃ、イヤ?」
龍亞「え……あ、その、イヤってわけじゃ……」
龍可「龍亞ーっ!」///
龍亞「わっ、ちょっ! 抱き着くなよ龍可ぁ!」///
ニコ「あ、あの、鬼柳さん、これ……」
鬼柳「……俺に?」
ニコ「そ、その……うまく手作りで作れなくて、結局市販のになっちゃったんですけど……」
鬼柳「何言ってんだよ。俺はお前から貰えればそれで満足だぜ」
ニコ「鬼柳さん……」
鬼柳「……包装、開けていいか?」
ニコ「は、はい!」
鬼柳「どれどれ……」ガサガサ
「1本満足バー」
シェリー「ミゾグチ? どこにいるの?」
ミゾグチ「む。お嬢様、何か御用で?」
シェリー「ああ、やっと見つけたわ。はい、これ」
ミゾグチ「これは……?」
シェリー「別に深い意味は無いわ。いつも私に尽くしてくれているお礼よ」
ミゾグチ「そんな……私などに勿体ない」
シェリー「そう……ならばこうしましょう。命令よ。受け取りなさい」
ミゾグチ「……フ……お嬢様には敵いませんな」
ミゾグチ「お申し付け通り、ありがたく頂戴いたします」
クロウ「そんでまさかのミゾグチ辺りもさぁー、貰ってたりするんだろーなぁー?」
ジャック「まあ、そう落ち込むなクロウ。人生は長い。これから一生を付き合える人を見つければいい」
クロウ「うるせー! 俺は、今、この瞬間に愛が欲しいんだよ!」
コンコン
遊星「? こんな時間に客人……?」
遊星「今、開ける。どちら様――」
少女「クロウ兄ちゃーん!」
クロウ「あ?」
ジャック「む? あの子は確か、お前が面倒を見ていた孤児の……」
クロウ「まあな……ここにも俺の居場所はなかったけどな……ハハ」
少女「はい、これ!」
クロウ「?」
少女「バレンタインデーのチョコ! クロウ兄ちゃんにあげる!」
クロウの癖にロリっこからなんて許せねええええええええええええ
少女「うん!」
クロウ「……」
クロウ「っしゃぁぁあああああああああ!!」
ジャック「復活したな」
遊星「死者蘇生を使われたかのように復活したな」
クロウ「デッキ的にはブリザード召喚された気分だぜヒャッハァァアア!!」
クロウ「ヴァーユで墓地からシンクロォォォォォオオオオオオ!! 手札と墓地から罠発動ォォォォォオオオオオオオ!!」
クロウ「インチキ効果も大概にしやがれイェェェエエエエエエエエエ!!!」
遊星「なにこいつうざい」
クロウ「お? 何だ?」
少女「……///」
クロウ「ん? 顔赤いぞ? 熱でもあるのか?」
少女「……ほ」
クロウ「ほ?」
少女「本命だからねっ!///」
クロウ「……えええええ!?」
少女「私、おっきくなったらクロウ兄ちゃんと結婚するからね!///」
少女「私がおっきくなるまで、浮気したら許さないんだからねっ!///」
クロウ「どえええええ!?」
少女「そ、それじゃっ!」タタタタタ バタン
クロウ「は!? え!? えええええええ!?」
ジャック「とんでもないことになってるぞ」
遊星「ちょっと牛尾呼んでくる」
クロウ「待て遊星はやまるな! 俺は無罪だ!」
クロウ「セキュリティに捕まらねえよう気を付けるわ」
ジャック「まあ、あの子が成長する頃には気持ちも変わってるかもしれんがな」
クロウ「……それはそれで辛いな」
遊星「……大変だな、クロウ」
クロウ「……ま、いーや。とりあえずチョコ食ったらデュエルしようぜ」
遊星「ああ」
ジャック「カードが汚れんように、食ったらちゃんと手を洗うんだぞ」
終わり
遊星「ただいま」
アキ「おかえりなさい、遊星」
遊星「ん? このチョコレート、まだ固まってないのか? 朝から随分経ったと思うが……」
アキ「ああ、それ、固まらないやつなの。ちょっと、別のに使いたくて」
遊星「チョコレートフォンデュでもするのか?」
アキ「は、半分は正解、かしら……」
遊星「?」
アキ「指先に付けて、遊星に舐めて欲しいかなー、なんて……」
遊星「……」
アキ「……」///
遊星「いつのまにそんな変態になったんだ、アキ?」
アキ「だ、だって遊星がこの間、そんなことしてみたいって……」
アキ「ベッドで……言ってたから……」///
遊星「ああ、あれか」
遊星「あれは冗談だ」
アキ「っ!?」
アキ「ちょ、ちょっと遊星っ!」
遊星「あれは冗談……俺が本当にやりたかったのは……」
アキ「え? ちょ、遊星、顔近―――んっ」
遊星「……」
アキ「……」
遊星「こっち、かな?」
アキ「……チョコレート、舌に塗れってこと?」
遊星「チョコレート無しでも十分だけどな」
アキ「……ばか」
今度こそ終わり
Entry ⇒ 2012.02.15 | Category ⇒ 遊戯王SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
長門「甘いチョコレートにはコーヒーが良い」
最初から投下したほうがいい?
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1329223121/
長門「甘いチョコレートにはコーヒーが良い」
昼休みの文芸部室。
長門「バレンタインデー」
キョン「あぁそうだ、で、お前は俺に渡すものとかそういうものはないのか」
長門「……」
キョン「あーなんかこう、コーヒーに合う甘いお菓子が食べたいなぁ」
長門「……」
キョン「……」
キョン「はぁ……んじゃ、教室戻るわ」
長門「……私も」
キョンと長門有希は少し急ぎ足で教室へと向かった。
ドアを開くのも大変そうな量の荷物を抱え、古泉一樹が現れた。
古泉「どうも」
キョン「……」
古泉「挨拶くらいは返していただきたいのですが」
キョン「抱えたゴミを焼却炉にでもぶち込んでから話しかけてこい」
古泉「そうもいきません。義理、本命に関わらず、僕はきちんとお返しをするつもりですし」
古泉「そのためには1つ1つの手紙を読んで、お返事を書かねばなりません」
キョン「……忌々しい」
朝比奈「遅れちゃってごめんなさい」
朝比奈「わぁ、すごい数のプレゼントですね!これ全部チョコレートですか?」
古泉「中身は確認していませんが、おそらくそうでしょう」
古泉「困ったものです……」
キョン「……」
古泉「朝比奈さん、今日はお茶ではなくコーヒーを頂けませんか?」
古泉「捨てるのはもったいないですから、今からみんなで食べましょうか」
キョン「このやろう……お前の貰ったチョコ何か食えるか!」
古泉「あなたに、食べて欲しい/////」
キョン「可愛く言ってもダメ!」
古泉「ふふ、ダメでしたか」
キョン「大体、女の子から1個ももらえなかったのに男から受け取れるわけがないだろうそれが冗談だったとしてもだ!」
キョン「えぇ、えぇそうです、誰からも!」
朝比奈「それなら……これをもらってもらえませんか?」
朝比奈みくるは自分のかばんから1つの可愛らしい包みを取り出すと、キョンに手渡す。
キョン「……朝比奈さんから……チョコレート……」
キョン「ありがとうございます!本命チョコなんて!」
朝比奈「え?義理ですよ?市販のですし」
キョン「……」
朝比奈「あと古泉くんにもこれ、どうぞ」
古泉「あはは、ありがとうございます」
朝比奈「さすがに誰からも貰ってないんじゃ可哀想ですもんね!」
古泉「その言い方ではキョンくんが本当に可哀想ですよ、朝比奈さん」
朝比奈「え?なんでですか?」
キョン「……」
そういうと古泉一樹はかばんから大きな包みを取り出す。
キョン「なんだこれは」
古泉「チョコレートではありません」
古泉「想いを伝えるイベントとしてのバレンタインにはふさわしくないかもしれませんが」
古泉「日頃お世話になっている方に、感謝の気持ちを伝えるのには良い日だと思いましたので」
朝比奈「まめですねぇ」
キョン「このクソイケメン野郎……」
そのときけたたましい音を立ててドアが開いた。
ハルヒ「やっほー!遅れてごめんなさいね!」
キョン「もうちょっと静かに入って来い。ドアが壊れるだろうが」
ハルヒ「うるさいわね、喪男。そんなだからモテないのよ」
朝比奈「こんにちは。お茶とコーヒーどちらにしますか?」
古泉「涼宮さんも、よろしかったらこのクッキー食べてください」
古泉「日頃の感謝の気持ちです」
ハルヒ「通りでモテるわけだわ、キョンとは大違い!」
キョン「余計なお世話だ……」
ハルヒ「ところで有希は?今日来てないの?」
キョン「そういやあいつどこだ。昼休みには部室にいたんだが……」
ハルヒ「あら、そうなの?何か予定でもあったのかしら」
ハルヒ「まぁいいわ!鶴屋さんに貰った高級そうなチョコ、みんなで食べましょう!」
その瞬間ドアが開き、長門有希が姿を表した。
長門「遅くなった」
キョン「……こいつ、チョコに釣られて……」
長門「あなたに」
キョン「え?」
長門「あなたに話がある。部室に残っていて欲しい」
キョン「?とりあえず、わかった」
長門はそう言うと、定位置、ではなく、部室中央のテーブルに向かって座った。
長門「甘いチョコレートにはコーヒーが良い」
朝比奈「……あ!はい!今すぐいれます!」
長門「濃いめ、砂糖抜き、ミルクは入れて」
朝比奈「は……はぁ……」
古泉「この人は……ふふふ」
ハルヒ「さぁ!みんな揃ったし、鶴屋さんご自慢のチョコレートタイムね!」
朝比奈「甘くて美味しいです!」
ハルヒ「みくるちゃん、語彙が足りないと将来グルメリポーターになれないわよ!」
キョン「局所的すぎるだろその夢」
古泉「語彙の足りないアナウンサーによるリポートは、なかなか侮れない可愛げがありますよ」
ハルヒ「確かに……。さすが古泉くんね!でもいくら何でも甘くて美味しいだけはないわよ」
古泉「甘いのはチョコレートとしてほぼ当然ですし、不味いとは言えないですからね」
ハルヒ「ブランドの名前間違えるとか、入れ物を褒めだすとかすると良いかもしれないわね!」
キョン「その無駄な妄想をそろそろやめろ」
朝比奈「あのー、さっきから気になってたんですけど……」
朝比奈「語彙って何て読むんですか?」
ハルヒ「やっぱり高いのは違うわねー」
ハルヒ「でも足りないし、古泉くんの幾つかもらって行ってもいい?」
古泉「えぇ、どうぞ。手紙だけ先に取らせてください」
ハルヒ「ありがと!それじゃ今日はもう解散でいいわ。またあしたね!」
キョン「何なんだあいつは……。バレンタインをチョコ食べるイベントと勘違いしてないか」
古泉「まぁいいじゃないですか。大きな問題も起こらず、僕は安心しました」
みくる「それじゃ私も帰りますね」
古泉「僕も失礼致します」
キョン「それで、何の話だ?」
長門有希はおもむろにかばんに手を差し入れ、小さくも可愛らしくラッピングされた小箱を取り出した。
長門「……あなたに」
キョン「えっ!?」
キョン「でも昼間は……」
長門「あなたが欲しそうにしていたから、午後の時間を使って用意した」
長門「バレンタインデーが、どのようなイベントかわからなかったため調べてみた」
長門「カカオの豆からチョコレートにするのに少し時間がかかってしまった」
長門「チョコレートを手作りするのは初めてで、あなたの口には合わないかもしれない」
長門「どんな外装が流行なのかもわからなかった」
長門「参考になるものは街中にあふれていたため、良いと思われるものを選んだ」
長門「あなたに……受け取って欲しい」
キョン「ありがとう」
長門「……それだけ」
最後にそういうと、長門有希はかばんを手に取り部室を後にする。
残ったキョンは小さな包みを眺めるのに飽きると、部室を出た。
キョン「あいつ、心なしか顔が赤かったような……」
キョン「……気のせい、だよな」
キョン「やれやれ……甘いチョコには濃いめ砂糖抜きミルク入りコーヒー、だったよな?」
すばらしい
ちょっと中途半端な気もするが乙
>>27
ホワイトデーのを書いてるが今投下すべきじゃないだろう
Entry ⇒ 2012.02.15 | Category ⇒ 涼宮ハルヒSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
響「チョコさー」
書き溜め少ないけど。
レスしまくったら伸びるから頑張って
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1329150994/
響「チョコさー」
響「何を作るんだ?」
春香「あ、響」
仕事を終えて事務所に帰ってきたら、なにやら春香が本とにらめっこをしながら唸っていた。
そんな難しい顔をしてどうしたさー?
響「あー、そういえばもうそんな時期かぁ」
春香「うん、だから日頃の感謝も込めてプロデューサーさんにあげようと思って」
響「プロデューサーにかぁ……いい考えだな、それ! 自分もあげるぞ!」
春香「うん、いいんじゃないかな。他のみんなもあげるみたいだし」
響「えっ、そうなのか? プロデューサー、モテすぎだぞ……」
春香「そうなんだよねぇ……」
春香「うん。お菓子作るの好きだしね」
響「よぉ~し、じゃあ自分も手作りにするさー!」
あ、でも自分、チョコなんて作ったことないぞ。普通の料理は得意なんだけどなぁ……。
春香「あ、じゃあこのレシピ本、貸してあげる」
どうしようかと悩んでいたら、さっきまで春香が読んでいた本を自分に手渡してくれた。
でもこれがないと春香も困るんじゃあ……。
春香「あはは、まだ家にいろんなお菓子の本があるから気にしなくていいよ」
響「春香……ありがとうだぞー! 自分、頑張って最高のチョコを作ってみせるさー!」
春香「うん、頑張って、響ちゃん」
響「さて、これで材料はレシピどおりに揃ったわけなんだけど」
ただの手作りじゃあ芸が無いぞ。春香はお菓子作りが得意だから普通に作ってたんじゃ到底敵わないし。
なにか、こうプロデューサーをびっくりさせて、ばっちり印象に残るチョコを作れないかなぁ?
響「そういえば最近のプロデューサー、ちょっと疲れ気味だったさ。なにか元気の出るものをチョコに入れたら喜んでく
れるかもしれないさー」
そうと決まればチョコに合って、元気が出る食材を探すぞ!
響「ふぅ~、ようやく完成だぞ!」
家に着いて台所で格闘すること数時間。なんとかチョコを作ることが出来たさー。
響「途中で失敗しちゃって自分が味見する分がなくなっちゃったけど……なんくるないさー!」
溶かしたチョコに元気の出る食材を入れて固めただけだし、たぶん味に問題はないはずさー。
響「プロデューサー、喜んでくれるかなぁ」
響「………………」
響「うぅ……」
自分のチョコを食べて喜ぶプロデューサーを想像したら、なんだか少し恥ずかしくなってきたぞ……。
響「明日が楽しみだぞ……」
響「はいさーい!」
P「あぁ、おはよう、響……って、あれ? 響、今日はオフのはずだろ? どうしたんだ」
響「うん、ちょっとね。……他のみんなは来てないの?」
P「仕事現場に直行だったり、オフだったりで俺一人だけだよ」
響「そっかー」
っていうことは自分が一番乗り? こいつは幸先がいいさー!
響「プロデューサーは現場に行かなくていいのか?」
P「あぁ、ちょっと事務仕事を溜め込んじゃって。今日は一日事務所にいる予定」
そう言いながら溜息を吐くプロデューサー。朝なのになんかもう既に疲れ気味だぞ。
P「ん? どうした、響」
パソコンとにらめっこしていたプロデューサーがくるりとこちらに振り向いた。
響「あ、えぇと……」
真っ直ぐな瞳に見つめられて思わず鞄の中からチョコを取り出そうとした手が止まる。
まずい……なんだかドキドキしてきたぞ。なんでこんなドキドキするんだ?
ただ日頃の感謝を込めてチョコを渡すだけだっていうのに。
P「響?」
響「別に深い意味なんてないんだからな!?」
P「うおっ!? どうしたんだ、急に」
響「べ、べべ別にどうもしてないぞ!」
うぅ……早く渡さないと他のみんながやってきちゃうぞ……。
えぇい、尻込みするなんて自分らしくないさー!
響「プロデューサー!」
響「はい、これ!」
P「これは?」
響「チョコだぞ! その……今日、バレンタインだから」
P「え? これ、俺にくれるのか?」
響「う、うん……」
P「………………」
響「………………」
うぅ……なにか言ってほしいぞ……。
響「あ……!」
プロデューサーが自分の差し出したチョコを満面の笑みで受け取ってくれた……!
やったぁ! やったぞ、自分! やっぱ自分、カンペキさー!
響「えへへー。それ、自分の手作りなんだ」
P「へぇ、響の手作りか。響、お菓子作りも出来たんだな」
響「いやぁ……」
完成するまでに結構失敗しちゃったけどなー。
P「じゃあ早速……」
ラッピングを開けて、チョコを口に運ぶプロデューサーをドキドキしながら見守る。
たぶん味に問題はないはずだけど……。
P「うん、なんか不思議な味がするけど……美味いよ!」
響「へへ~」
ぱくぱくとあっという間にチョコを平らげるプロデューサー。
もうちょっと味わって食べてほしかったけど、おいしそうに食べているからまあいいか。
響「プロデューサー、最近疲れてるみたいだったからな。チョコに元気の出そうなものを入れておいたんだ」
P「へぇ、何を入れたんだ?」
響「えーっと……マカ? っていうやつ」
P「…………え?」
響「マカのチョコレートが疲れに効くって聞いたことがあるから作ってみたんだー」
P「………………」
あ、あれ? なんだかプロデューサーが難しい顔をして黙り込んじゃったぞ……。
P「……大丈夫だよな?」
プロデューサーが心配そうに呟く。
……もしかして自分、なにかやらかしちゃったのか?
P「はぁ……はぁ……」
響「プ、プロデューサー? 大丈夫か?」
プロデューサー、なんだか苦しそうだぞ……。息も荒いし、顔も赤いし……。
響「も、もしかして自分の作ったチョコが原因か? ごめんよぅ、プロデューサー!」
P「いや、大丈夫大丈夫……平気だから。はは……」
全然大丈夫そうに見えないぞ……。
響「暖房が効きすぎてるのかな? 自分もちょっと暑いさー」
コートを着たままだから、ちょっと汗かいちゃったぞ。
P「って、なんでコート脱いでるんだ!?」
響「え? だって暑いし」
P「しかもなんでコートの下がそんな薄着なんだよ」
響「自分、暑がりだからなー。このほうが楽なんだ」
P「なんでよりによってこんな時に限って、そんな露出の高い服を……!」
あぁ!? なんかプロデューサーが机に突っ伏しちゃったぞ!?
P「ちょっ!? 響、くっつかないで! 今は不味い!」
うぅ……やっぱり自分の作ったチョコが原因なんだ。
P「む、胸が背中に……! あ、やばい……」
響「どうしたんだ、プロデューサー!? どこか苦しいのか!? 自分、擦ってあげるぞ!?」
P「さす……!? 大丈夫! 大丈夫だから! とにかく離れてくれ、響!」
響「でも……うぅ~」
P「あぁあ、響、泣かないでくれ……。くそ、こうなったら……」
響「プ、プロデューサー!?」
なんで机に頭を打ちつけてるんだ!?
P「ふぅ……ふぅ……これで少しは落ち着いた」
響「落ち着いた、じゃないぞ! おでこが真っ赤じゃないか!」
P「はは、これぐらいどうってことないよ」
響「もう……手当てするからちょっと待ってるさー」
たしか本棚の上に救急箱があったはず……って背伸びしても届かないぞ。
仕方ない。ピヨコの椅子を使わせてもらうさー。
P「ぶっ!? ひ、響! スカートの中がみ、見え……!」
響「ん? どうしたの、プロデュー……わわわッ!?」
P「危ない、響! ……ぐっ!」
響「あいてて……」
間一髪だったぞ……。プロデューサーが受け止めてくれなかったら自分も怪我しちゃうところだったさ。
響「あ、ありがとプロデューサー」
P「………………」
残っていたら続きを書かさせていただきます……。
P「うわあぁああぁあぁぁっ!」
響「うわっ!?」
P「うわああぁあぁぁぁあっ!」
ど、どうしちゃったんだプロデューサー!? 急に立ち上がったと思ったら、今度は壁に頭を打ちつけ始めたぞ!
響「ちょっ、プロデューサー、やめるさ! おでこから血が出てるぞ!」
P「フゥー……フゥー……モウダイジョウブダヨ、ヒビキ」
響「だから全然大丈夫そうに見えないって……あ、救急箱」
今の騒ぎで本棚の上から落ちてきたみたいさ。とにかく早くプロデューサーの手当てをしないと。
P「あ、あぁ」
響「………………」
P「………………」
プロデューサー、さっきからそわそわして落ち着きがないぞ。やっぱりあのチョコが悪かったのかなぁ……。
響「……はい、終わったぞ」
P「あぁ、ありがとうな、ひび……」
響「痛いの痛いのとんでけー」
P「うひゃあっ!?」
仕上げにおでこにふぅっと息を吹きかける。早く治るようにおまじないさー。
響「あ、プロデューサー、どこへ行くんだ!?」
P「煩悩退散煩悩退散煩悩退散……!」
響「うわあぁ! プロデューサーが壊れちゃったぁ!?」
給湯室に駆け込んだと思ったら頭から水をかぶりはじめたぞ!?
P「駄目だ、治まらん……このままだと……」
響「なにしてるんさ、プロデューサー! 早く拭かないと風邪ひいちゃうぞ!」
P「くっ……響!」
響「えっ……ひゃあ!?」
P「響……」
なんかプロデューサーの瞳が熱っぽいというか……。
P「早退するから、皆が来たらそう伝えておいてくれ!」
響「あっ、プロデューサー!? ……行っちゃった」
止める間もなかったぞ……。
やっぱりチョコのせいで体調を悪くしちゃったのかなぁ……息も荒かったし。
P「うぅ……いかん、全然治まらんぞ」
なんとか帰ってこれたのはいいが、どうしようかなぁ、股間のこれ。
ここのところ忙しくて自分でする暇もなかったからなぁ。
P「まったく、響のやつ、なんてもんを作るんだよ……いや、気持ちは嬉しかったけど」
顔を真っ赤にしながらチョコを差し出す響を思い出す。
普段、元気いっぱいな響からはちょっと想像出来ない姿だったから、なんだか新鮮だったな。
P「って、思い出してたらまた……」
先程の生々しい感触が甦る。
無防備すぎるんだよなぁ、響のやつ。もうちょっと女の子なんだっていう自覚を持たせないと……。
性欲が治まりそうにないから会社を早退する社会人って……とほほ。
P「えーと、エロ本は、と……ん?」
股間にテントを張ったまま部屋をうろうろしていたら、急にチャイムが鳴らされた。
無視しようかと思ったのだが、何回も執拗に鳴らされる。
これは出ないと帰りそうにないな……仕方ない。
P「はいはい、今出ますよー」
ちょっと不自然だけどコートで前を隠せばばれないだろう。
響「プロデューサーっ!」
P「うお!? ……ひ、響?」
ドアを開けたら、血相を変えた響が飛び込んできた。
P「ちょ、ちょちょ! 落ち着けって、響」
響「落ち着いてなんていられないぞ!
もしかしたら自分のチョコが原因でプロデューサーの体調が悪くなったのかもしんないし……」
P「いやまあ、あのチョコが原因といえば原因なのだが……」
響「やっぱりいぃ……」
目に涙を溜めながらこちらを上目遣いで見つめながら、心配をしてくれる響。
あ、やばい。また股間が……。
P「い、いや、大丈夫だから! 体調を崩したとかそういうのじゃないから!」
響「でもプロデューサー、苦しそうだぞ! 息も荒いし!」
まさか興奮しているせいだなんて言えないよなぁ……。
P「えぇ!? いや、それは悪いよ」
早く股間のモノをなんとかしないと不味いし、今の状態で響と同じ部屋なんてもっと不味い。
響「いいから! 自分のせいでこんなことになっちゃったんだ。ちゃんと責任を取らせてほしいさ!」
P「責任を取るって……」
い、いかん! つい邪な想像を……。
こうなってしまったら響はてこでも動かないからなぁ。大人しく従うしかないか……。
最後まで理性が保てればいいが……。
響「プロデューサー、お腹は空いてる?」
P「いや、大丈夫……」
響「………………」
P「………………」
響「なんでコート着たまま布団に入るんだ?」
P「寒いからかな……」
響「………………」
P「………………」
……気まずいぞ。プロデューサーは布団を被ったまま、そっぽを向いちゃったし。
やっぱり怒ってるのかなぁ。仕事も休ませるはめになっちゃったし……。
なんか悲しくなってきた……。
P「えぇ!? ど、どうした、響! どこか痛いのか!?」
響「ごめんよおぉ~、プロデューサー……自分のせいで……ひっく、うえぇ~ん……」
P「別に響のせいじゃないよ、ほら、俺なら大丈夫だから、泣き止んでくれよ」
響「た、ただ自分は……自分はぁ、プロデューサーに元気になって、もらいたくっ、てぇ……」
P「響……」
響「それなのに、自分、失敗しちゃって……ひぃ~ん……」
響「え……?」
P「その気持ちだけで充分嬉しいよ。それにこれは体調が悪いんじゃなくて……
そう、元気が出過ぎちゃっただけなんだ」
響「元気が……?」
P「あぁ、元気が有り余ってどうしたらいいか分からなくなっただけだから、響が心配することなんてないんだよ」
響「ほんとか……?」
P「うん。……ごめんな、余計な心配なんてかけさせて」
響「余計な心配なんかじゃないぞ!」
P「うお!?」
P「ひ、響……」
響「……あっ!」
つ、つい興奮してなんか変なこと言っちゃったぞ!?
それに思わずプロデューサーに詰め寄っちゃったし……。
うぎゃあぁ~、恥ずかしいぞ!
P「響!」
響「え……きゃっ!?」
ププププロデューサーっ!? なんでいきなり抱きしめるさ!?
なんかお腹の辺りに熱いものが当たって……。
これって、もしかしてプロデューサーの……。
元気が有り余ってるって……そういうこと!?
響「あ……あうぅ……」
P「響……響!」
プロデューサーの胸、すごいドキドキしてるぞ……。
身体も、ものすごい熱いし……。
もしかしてプロデューサー、自分で興奮してくれているのかな。
だったらちょっと……すごく嬉しいさー。
響「あ……痛い……!」
P「あ……ご、ごめん、響! 俺、その……!」
響「な、なんくるないさー。えっと……」
いつものプロデューサーでちょっと安心したぞ。
でも……。
響「プロデューサーになら……ちょっとぐらい乱暴にされてもいいぞ……?」
P「………………」
……プロデューサーの動きが止まった。
うぅ……やっぱ今のは大胆すぎたか?
でもプロデューサー、鈍感だからこれぐらい言わないと自分の気持ちに気付いてくれないだろうし……。
P「………………」
響「あ、あれ? プロデューサー?」
なんで無言のまま立ち去ろうとするんだ?
さすがにそれは自分、傷付くぞ……って、なに壁に向かって頭を振りかぶってるんだ!?
P「ふんッ!!」
響「プロデューサあぁあぁぁーっ!?」
P「……ん……あれ?」
響「あ、やっと気付いたさー。大丈夫か、プロデューサー?」
P「……どうして響に膝枕されてるんだ、俺?」
響「重くてベッドに運べなかったから。気絶するまで頭を打ち付けるなんてどうかしてるぞ」
P「いや、面目ない」
響「あっはは、なんくるないさー。それにプロデューサーはプロデューサーとしての責任を果たしただけだもんな」
P「え?」
P「……そうだな。そういうことは恋人同士がすることだ」
起き上がったプロデューサーが真剣な顔付きでこちらを見つめてくる。
響「そ、そうだよね! あはは、迷惑だったよな。ごめん、忘れてほしいさー」
P「いや、迷惑なんかじゃないさ」
響「そう、自分とプロデューサーはアイドルとプロデューサーの関係なんだから……」
あ、まずい……涙が出そうだ。
響「だから……な、なんくる……ない……」
泣いちゃ、だめだ……! 今、泣いたらプロデューサー、きっと困っちゃうぞ……!
響「…………え?」
P「好きだよ、響」
響「え? え? えぇ!? でもでもさっきは、プロデューサー、その……」
P「あのな、好きじゃない女の子を襲うほど俺は堕ちちゃいないぞ。
というか好きな女の子とじゃないと、そういうことしたくないし」
響「す、好きぃ!?」
P「あのままだと気持ちを伝える前に襲っちゃいそうだったから、ああするしかなかったの」
響「うあぁ……」
P「まったく可愛すぎるんだよ、響は。もう少しで我慢出来なくなるところだった」
響「………………」
なんかいろいろありすぎて頭がぐるぐるしてきた。
今度は自分が気絶しちゃいそうだぞ……。
響「ひゃ、ひゃい!」
P「返事がほしいな」
響「あ……その……」
言え! 言うんだ、自分! プロデューサーが好きだって!
響「あう……」
P「制限時間あと3秒ー。はい、3、2……」
響「だ、大好きだぞ、プロデューサー!」
響「んむぅ!? ん……んふ、っちゅ……ぅん」
プロデューサーの唇が突然、自分の唇を塞いだ。
あ、ちょっと甘い……これ、自分が作ったチョコの味かな。
響「……ぷはぁっ、はぁ、はぁ……」
P「もう我慢出来ないからな。……ちょっとぐらい乱暴にされてもいいんだっけ?」
響「わ、忘れて! それ、忘れて!」
P「いやぁ、あれは忘れられないよ」
響「うぅ~……その」
響「初めてだから……やっぱその、優しくして、ほしいさー……」
P「響……」
響「プロデューサー……」
P「ごめん、それ逆効果」
響「え、えぇ!? んっ、んちゅ、んん……」
あ……プロデューサーの舌が入って……。
響「んむうぅ……ぅん!?」
うあぁ……服、脱がされてるうぅ……。
大丈夫かな。プロデューサー、自分の身体を見てがっかりしないかな……?
P「綺麗だぞ、響」
響「う、うぅ~……!」
ここでそのセリフは卑怯だぞ、プロデューサー。
P「よいしょっと」
響「うわぁ!?」
お、お姫様抱っこ……。恥ずかしいぞ……。
優しくベッドに寝かされる。
なんだかんだ言ってもちゃんと優しくしてくれるから憎めないぞ。
響「……だめって言っても外すんでしょ?」
P「うん」
言うが早いか背中に手を回されてホックを外される。
響「……んっ」
P「おおぅ……これは……」
響「プ、プロデューサー、そんな、ん……! 胸、もまないでほしい、さー……」
P「すごい柔らかい……」
き、聞こえてない。
P「お、いい反応。そうかー、響はおっぱいが弱いのかー」
響「そんなこと、ない……ひゃあぁ!」
P「可愛いぞ、響」
響「んあぁ……プロデューサあぁ……胸ばっかり、いじめちゃやだぞ……」
P「じゃあスカート脱がすぞー」
響「あっ、ちょ、まっ……うああぁ」
スカートと一緒に下着まで下ろされたぁ……!
響「ううぅ……」
顔から火が出そうだぞ……もうまともにプロデューサーの顔が見れないいぃ……。
響「あっ……んうぅ……っ……ふあっ」
両手で顔を覆って隠していたら、プロデューサーの手に腕を掴まれてあっさりと引き剥がされ、唇を塞がれた。
プロデューサー、いじめっこだぞ……。
響「ちゅ……んぷっ……んう~、んんッ!?」
自分のあそこにプロデューサーの手が伸ばされた。
プロデューサーの指がゆっくりと優しくあそこの真ん中をなぞる。
んあぁ、じんじんするよぉ……!
響「へ、平気だぞ……なんたって自分、カンペキだからな……」
P「変に強がらんでもよろしい。まあそういうところも可愛いんだけど」
響「か、かわいいとか言うなぁ……!」
耳元で囁かないでほしいさ……頭がぼ~っとしちゃうぞ……。
P「ふむ」
響「……? プロデューサー? はあぁん……!」
耳を甘噛みされて思わず艶かしい吐息を漏らしてしまう。
それに気をよくしたのか、プロデューサーは耳、頬、首とくちづけしていく。
胸の先を強く吸われる。
プロデューサー、赤ちゃんみたいだぞ……。
響「んあっ、あ、あ、あぁっ……んうぅ~~~……っ」
もう片方の胸の先も指で抓まれ、全身がびくびくと跳ねる。
声を聞かれるのが恥ずかしくて堪えようとするが、我慢することが出来ない。
響「はぁ、はぁ、あうっ……うぅん……!」
胸、お腹と何回も何回もくちづけされる。
プロデューサーが自分のあそこにくちづけようと顔を近づけた。
抵抗しようとしたけど手に力が全く入らない。
響「ひあぁ……っ……だ、だめえぇ……!」
プ、プロデューサーが自分の、あそこを……。
響「んやあぁ……あ、あ……ひっ!?」
舌が……入ってくるうぅ……!
響「ひゃんっ!? え、え……!? い、今なにした、の……?」
下を見てみるとプロデューサーが指であそこの……を抓んでいた。
響「ふ、うぅ~~~……っ」
プロデューサーが指を動かす度にびりびりと電流が奔るような感覚に襲われる。
P「そろそろいいかな」
響「ふえぇ……?」
あまりの気持ちよさにぼ~っとしているとプロデューサーが自分のズボンに手を掛けて、一気にずり下ろした。
響「うわぁ!?」
あ、あんな大きいのが自分の中に入るのか!?
昔、風呂場でにーにのを見ちゃったことあったけど、ここまで大きくなかったぞ!?
響「う、うん……」
ちょっと怖いけど……女は度胸! どんとこいさー!
P「う……!」
響「ッ!? ……ぁ、は……!」
苦しい。
初めては痛いって聞いていたけど痛みとかそんなんじゃなくて苦しい。
自分じゃないものが自分の身体の中に入ってくる。
ただそれだけのことがこんなに苦しいなんて。
苦しいという言葉が口を衝いて出そうになる。
だけどプロデューサーのことだ。
そんなことを言ったら、絶対に自分を気遣って途中でやめちゃうだろう。
P「響……大丈夫か?」
響「ん……な、なんくるない、さぁ……」
P「痛いなら、もう……」
響「だめ! やめない、でえぇ……」
P「でも……」
響「う、嬉しいんだ……プロデューサーにこうして、もらえて。だからぁ……!」
響「う、うん……」
深呼吸を何度もして身体を落ち着ける。
苦しいのが和らぐまでプロデューサーは辛抱強く待ってくれていた。
響「ん……い、いいよ……」
P「あぁ……じゃあ動くぞ。きつかったらすぐ言えよ?」
響「うん……」
プロデューサーがゆっくりと身体を沈める。
途中、自分の中で何かがぷつんと切れた音がして痛みが奔ったが我慢した。
あぁ……自分の初めて、プロデューサーに奪われちゃったんだなぁ……。
気持ちいいのと苦しいのが押し寄せてくる中で、じんわりと湧き上がってきたその喜びを噛み締める。
プロデューサーの身体がリズミカルに動く度に、自分の身体が跳ねる。
だんだん苦しいのにも慣れてきたのか、気持ちのいい波が全身に奔りはじめた。
響「あ、あぁっ、ふあぁ……うやあぁあ」
気持ちよすぎて思わず猫の鳴き声みたいな声が漏れる。
P「くっ、響……響ぃ!」
名前を呼ばれる度にあそこが切なそうにきゅんとなるのが分かった。
響「んやあぁ……プロ、デューサー。プロデューサー、ぷろでゅーさあぁ……!」
身体が一際大きくびくんと跳ねた。
その拍子に心がどこかに飛んでいっちゃうんじゃないかと不安になる。
P「響? イっちゃった?」
響「あ、うぅ……」
プロデューサーが何かを言っていたが応えることが出来ない。
気持ちよすぎて頭がぼぉ~っとしたまま帰ってこれない。
自分がどこかに行っちゃいそうで、なんだかとても怖かった。
響「プ、プロ、プロデューサー……ぎゅって、抱きしめて……?」
P「あぁ」
響「ん……んぅ、っちゅ……んふぅ」
優しく抱きしめられながら何度も何度もついばむようなキスを繰り返す。
怖いのとか切ないのとかで胸がいっぱいになって、涙がぽろぽろと零れた。
P「大丈夫……大丈夫だよ、響」
優しい言葉とともに、ぎゅっと力強く抱きしめられる。
プロデューサーの身体……あったかい……。
その温もりをもっと感じたくて自分もぎゅっとプロデューサーの身体を抱きしめる。
P「くっ……響、そろそろやばいから……離し……!」
響「プロデューサー……ぷろでゅーさあぁ……!」
P「く、あ……やば……!」
響「あ……ああぁ……~~~~っ!!」
P「………………」
響「………………」
P「えっと……ごめん」
響「い、いや……自分が抱きついて離さなかったのがいけないんだし」
P「………………」
響「………………」
P「……ふふ」
響「……あはは」
どちらからともなく笑みが零れる。
P「うん?」
響「……えへへ、なんでもないぞ」
隣で寝っ転がるプロデューサーの顔が照れくさくて見れなかったので、ぎゅっと抱きついた。
……ん?
響「な、なんでまたそこ、大きくしてるんだー!?」
P「そんなこと言われても……響のチョコが効き過ぎて」
響「うっ……」
た、たしかにそれは自分のせいだけどさぁ……
P「というわけでもう一回戦」
響「えぇ!? ちょっと待っ……あぁん!」
響「うぅ……プロデューサーのばかあぁ……」
P「いやー、すまんすまん」
結局あの後、プロデューサーの精が尽きるまで何度もした。
もう自分の中、プロデューサーのでいっぱいだぞ……。
響「もうチョコはこりごりさー……」
P「自分でやっておいてなんだけど、響、身体は大丈夫か?」
響「ん……平気だぞ」
ゆっくりとお腹をさする。
じんわりとお腹の中が温かい。
その温もりがプロデューサーに愛してもらえた証のように思えて、とても愛おしかった。
響「プロデューサー」
P「ん?」
響「……かなさんどー」
fin.
エロは難しいね!
チョコを咥えながらディープキスするチョコレートプレイとかやりたかったけど
そんな余裕はどこにもなかった。
響かなさんどー
また書いてくれ
誰もいない事務所にて
響「プロデューサー、お腹空いたぁ。なにか食べにいこーよー」
P「まだ事務仕事が残ってるから無理」
響「えぇ~、自分もうお腹ぺこぺこだぞ」
P「一人で食いに行ってきなよ。俺のことは構わないでいいからさ」
響「プロデューサーと一緒がいいんだ!」
P「そんなこと言われてもまだ終わりそうにないしなぁ……」
P「あ、そうだ。これならあるぞ」
P「響ってチョコとか嫌いだったっけ?」
響「いや、ちょっと苦い思い出が……」
P「チョコなのに苦い思い出とは……ははは、こやつめ」
響「プロデューサー、それ全然面白くないぞ」
P「う……じゃあこれでどうだ?」
響「……チョコを咥えてなにやってんの?」
P「くちうふひ(口移し)」
響「そ、そんな恥ずかしい真似出来ないぞ! 誰か来たらどうするのさ!?」
響「だから……」
P「ん」
響「う、うぅ……」
P「ん……」
響「ん……んむ、ちゅっ……ちゅぷ……んあ、はぁ……」
P「ふぅ……」
響「うぅ……顔から火が出そうだぞ」
P「なんだかんだ言ってもちゃんとキスしてくれる響が好きだよ」
響「ば、ばかぁ……」
~事務所の外~
貴音「………………」
貴音(面妖な!)
終われ
素晴らしいぞ
Entry ⇒ 2012.02.15 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
鳴「目がぁ…」
榊原「え?それってどういう…」
鳴「…っく」
榊原「?」
鳴「ひ、左目が…」
榊原「左目がどうしたの?」
鳴「くっ…今はあまり私に近づかないほうがいい…」
榊原「で、でも…」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1329019943/
鳴「目がぁ…」
勅使河原「おっす、サカキ!」
榊原「え?あ…誰?」
勅使河原「ひでぇーなぁ、まだ俺の名前覚えてくれてないのか?」
榊原「ご、ごめん。昨日転校してきたばかりだから…」
勅使河原「まぁそれじゃ仕方ないよな。これから慣れてけばいいさ」
榊原「うん」
望月「へぇ、何を?」
勅使河原「だからツチノコを!」
榊原「え、ツチノコって本当にいるの?」
望月「ははは、榊原くんは優しいね。信じてあげるんだ」
榊原「いや、そこまで信じては…ん?」
勅使河原「どうした?」
榊原「ちょっと…」タッタッタ
鳴「…なんできたの?」
榊原「いや…ちょっと気になって」
鳴「あまり近づかない方がいいって、言ったよね?」
榊原「だって…さっきの授業も出てなかったし…」
鳴「仕方ないから」
榊原「仕方ないって…ほっとけないよ。今日は包帯も付けてるじゃないか」
鳴「これは力を抑えてるの」
榊原「力…?」
榊原「はぁ…」
鳴「この右腕には悪魔が眠っている。だからこうして抑えなくてはいけないの」
榊原「じゃあ、その左目は…?」
鳴「この左目は…視(み)えてしまうから」
榊原「視える…?」
鳴「千里眼のようなもの」
鳴「榊原恒一」
榊原「へ?」
鳴「あなたの名前」
榊原「そ、そうだけど…」
鳴「ね?」
榊原「ね?って言われても…転校初日に自己紹介したよね?」
鳴「そのとき私はいなかったでしょ?」
榊原「あぁ…言われてみれば」
榊原「うーん…」
鳴「ちなみに私は見崎鳴」
榊原「聞いてないけど…」
鳴「そうかもしれないけど、あなたの深層心理が知りたがっていたから」
榊原「それも視えるの?」
鳴「うん、私にはなんでもお見通し」
榊原「ふぅん…」
榊原「悪魔が?」
鳴「そ、そう…だから早く私から離れて…」
榊原「わ、わかった」タッタッタ
鳴「静まれ…私の、右腕……」グググ
榊原「すごい人もいるんだなぁ」
勅使河原「何がだ?」
榊原「いや、なんでもない」
書き溜めはあるんだが、なんか中二成分がどんどん薄くなってきてるけどいいかな
続けて
人形に対して私の半身なのとか言っちゃう鳴ちゃん続けて
榊原「うん…まだダメみたい」
桜木「この学校には慣れましたか?」
榊原「そこそこ」
桜木「そうですか」
榊原「あ、そうだ。聞いていいかな」
桜木「なんですか?」
榊原「見崎って子のことなんだけど…」
桜木「……っ!!」
桜木「い、いやなんでもありませんよ?」
榊原「そう…ん?」
桜木「どうしました?」
榊原「ごめん、ちょっと僕…」
桜木「あ、榊原くん!」
鳴「来たね」
榊原「うん…もしかして」
鳴「わかってた」
鳴「知りたい?」
榊原「うん」
鳴「…どうしようかな」
榊原「何か言いづらい事情が?」
鳴「…まぁね、とても複雑」
榊原「……」
鳴「でも、今は秘密…始まってしまうから」
榊原「始まる…?」
榊原「だから、何が」
鳴「それを知ったら、榊原くんも人でなくなっちゃうから」
榊原「で、でも…」ピピピ
鳴「携帯…」
榊原「あ、ごめん。ちょっと…」
勅使河原「おい、サカキか!?いないものの相手はよせ!」
榊原「いないもの…?」
勅使河原「詳しいことはいえないが、とにかく今すぐそこから離れろ!いいな!?」ピッ
鳴「携帯は嫌い…」
榊原「そう?便利だと思うけど…」
鳴「こんなものがなくたったって、私にはわかるから」
榊原「そうか、見崎さんにはそんな力があったね」
鳴「そう。私には不要」
榊原「すごいなぁ…」
鳴「そろそろ戻ったほうがいいよ」
榊原「え?じゃあ一緒に行こうよ」
榊原「なんで?」
鳴「何度も言うけど、私には近づかない方がいいの。でないと…」
榊原「でないと…?」
鳴「…やっぱり、聞いてないんだ」
榊原「聞いてない…?」
鳴「……それじゃ」
榊原「あ、ちょっと…いっちゃった…」
榊原「……なんなんだ?」
榊原(あ、見崎さんだ)
鳴「……」スタスタ
榊原(帰るのかな…)
鳴「……」スタスタ
榊原「……」スタスタ
榊原「あれ?どこに…」
鳴「ばぁ」
榊原「!」
榊原「え、えーと…その、見崎さんがいたから…」
鳴「尾行?」
榊原「そんなものです…ごめんなさい」
鳴「この先に私の家があるから…来る?」
榊原「え?いいの?」
鳴「来たいんでしょ?分かるよ」
榊原「そう…かな?まぁ行きたくないわけでもないし…」
鳴「あなたの心が言ってるよ。行きたいって」
榊原「そうなんだ…じゃあお言葉に甘えて…」
鳴「変わった家でしょ?」
榊原「うん…人形屋さんなの?」
鳴「お母さんが趣味で作っているの」
榊原「へぇ…失礼だけど、不気味だなぁ」
鳴「でしょ?……ちょっと怖い」
榊原「何か言った?」
鳴「う、ううん、なんでもない」
鳴「なに?」
榊原「みんなが僕になにか隠してるみたいで…それがなんなのか、見崎さん知ってる?」
鳴「26年前のことね…」
榊原「それかもしれない。なにか知ってる?」
鳴「ちょ、ちょっと待って。ゆっくり話させて」
榊原「ご、ごめん。質問攻めは嫌いだった?」
鳴「うん。まくしたてられるのが苦手で…」
榊原「配慮が足らなかったよ。ごめん」
鳴「でね…この話には続きがあってね…」
榊原「ごくり…」ピピピ
鳴「……むぅ」
榊原「ご、ごめん。何?あぁ…うん。今友達の家で…うん、わかった。それじゃ」ピッ
鳴「帰るの…?」
榊原「うん、そろそろ暗くなるから…」
鳴「そっか…」シュン
榊原「あ、あの…またくるから、ね?」
鳴「!う、うん!待ってる!……じゃ、じゃなくて」
榊原「?」
鳴「あ、あなたはまた来ることになるから」
鳴「た、楽しみにして……じゃなくて!……コホン、またね」
榊原「うん。また明日」
鳴「バイバイ」フリフリ
榊原「いやぁ、それにしても驚きだなぁ見崎さん」
榊原「結構明るい子なのかな」
榊原「26年前の話をしているとき、妙にノリノリだったし…」
榊原「なのになんで…クラスではまるでいないかのような扱いなんだろう…」
榊原「明日、誰かに聞いてみよう」
榊原「ねぇ…」
勅使河原「おうサカキ。どうした?」
榊原「26年前のこと…なんで僕に隠してたの?」
望月「さ、榊原くん!?それをどこで…」
榊原「……風の噂で」
勅使河原「……サカキ、すまねぇ…それは…」
榊原「なにか僕に知られて不都合でもあるの?」
勅使河原「とにかく!今はダメなんだ!来月だ!来月に教えるから!」
榊原「な、なんで?」
榊原「……」
勅使河原「とにかく、ダメなんだ…」
榊原「……」
榊原「……」ガタ
ガララ
榊原「やっ」
鳴「なにしてるの?…今はテスト中だよ?」
榊原「ちょっとね…君にも聞きたいことがあって」
鳴「何?」
榊原「君は、一体何者なの…?」
榊原「うん…」
鳴「選ばれし者…かな…?」
榊原「選ばれし…者?」
榊原「…すごいね」
鳴「だから、みんなには極力近づかないようにしている…」
榊原「だから君はいつも一人で…」
鳴「そういうこと」
榊原「でも…僕は大丈夫なの?」
鳴「榊原くんは…大丈夫」
榊原「なんで?」
鳴「大丈夫なものは大丈夫なの」
榊原「ふぅん…」
ガラガラ
桜木さん「ひっ!」
榊原「え?ど、どうしたの!?」
桜木「そんな…そんな!」タッタッタ
榊原「…?」
鳴「行っちゃったね」
榊原「うん…なんだったんだろう」
ドタドタドタ!!
榊原「ん?」
榊原「っ!」
鳴「どうしたn…」ヒョコ
榊原「見ちゃダメだ!」バッ
鳴「へ?」
榊原「…見ちゃ…いけない…」
鳴「??」
先生「…君た…君、今すぐここから離れなさい」
榊原「はい…」
鳴「???」
榊原「……」
生徒「聞いた聞いた。あまりに凄惨な光景だったから、
緘口令がしかれたらしいよ」
生徒「これってやっぱり…」
生徒「だよね…」
病院
榊原「……」
水野「榊原くん……大丈夫…?」
榊原「え…あぁ…はい」
水野「大変だったね…学校にはいけそう?」
榊原「……はい、多分明日には」
榊原「はい…」
水野「まっ、そういう心のケアも私が診てあげるから、ね?元気だして?」
榊原「…ありがとうございます」
水野「うんうん」
榊原「それじゃあ…さっそく相談しても、いいですか?」
水野「何?」
榊原「見崎って子のことで…」
水野「いないもののよう……選ばれし者…始まる……か」
榊原「そもそもあの子は生きているかも怪しいと言いますか…」
水野「幽霊かもしれないってこと?」
榊原「はい…」
水野「うーん……私、榊原くんと同じ3組に弟がいるからさ、聞いておこうか?」
榊原「いいんですか?」
水野「もちろん!私に任せておきなさいな!」
榊原「ありがとうございます…」
榊原「おはよう…」
勅使河原「おぉ!サカキ!大丈夫だったか!?」
榊原「う、うん…なんとか、ね」
望月「桜木さんの件、大変だったね…」
榊原「うん…」
勅使河原「ま、まぁクラスメイトが死んじまって辛いのは分かるけど、あまり辛気臭くならずにいつも通りいこうぜ?」
榊原「い、いいのかな…」
ガララ
鳴「……」スタスタ
勅使河原「…どうした?」
榊原「い、いやその…」
勅使河原「…っ……なぁ、いないものの相手はよせって言ったろ」
榊原「っ……だから、なんだよ!そのいないものって!」
赤沢「恒一くん」
榊原「……赤沢さん?」
赤沢「あなたは、どこまで聞いたの?」
榊原「どこまでって…それは26年前のことでいいの?」
赤沢「そうよ」
榊原「初めの方だけだよ…この話にはまだ続きがあるってところまで」
赤沢「そこから先は知らないのね?」
榊原「うん…続きは勅使河原くんが来月教えてくれるって言ってたけど…」
赤沢「あ、アンタ!」
勅使河原「だ、だって仕方ないだろ!あの場ではそうやってごまかすことしかできなかったんだよ!」
勅使河原「でも隠す方も悪いだろう!」
榊原「あ、あの…2人とも…」ピピピ
榊原「電話……はい、もしもし」
水野「あ、榊原くん?大体分かったよ、見崎さんのこと」
榊原「ほ、本当ですか!」
水野「うん…ただ、聞いてもよく分からないかもしれないよ?」
榊原「それでも構いません!教えてください!」
水野「…えっとね…みさ……め……は…」
榊原「み、水野さん?」
榊原「大丈夫ですか?」
水野「うん、今エレベーターに乗ったところ」
榊原「そうですか…」
水野「屋上じゃ何故か電波が悪……て」
榊原「え?」
ギィィィィィ
榊原「水野さん!どうしたんですか!?」
ガッシャァァァァン
榊原「……!」
赤沢「こ、恒一くん?」
榊原「そ、そんな…嘘だろ……」
勅使河原「お、おい…」
榊原「……そん…な…」
榊原「……」
鳴「……」ジー
久保寺「榊原くん…ちょっと」
榊原「…は、はい…」
ガラガラ
鳴「……」
榊原「はい…」
刑事「ふむふむ」
榊原「……」
ガラガラ
赤沢「……」
榊原「赤沢さん…」
赤沢「今のうちに謝っておくわ。ごめんなさい」
榊原「え?それってどういう…」
赤沢「…それじゃ」
榊原「…?」
久保寺「榊原くん」
榊原「先生…みんなはどこに…」
久保寺「新しい委員長は赤沢さんになりました」
榊原「はぁ……」
久保寺「早く帰りなさい」
望月「僕は決して男の子が好きってわけではなくてね…」
高林「いや、でもなんか…」
榊原「やっ」
望月「あ…」
高林「榊原…くん」
榊原「一緒に帰ろう?」
望月「後に、君にとってとても不愉快なことが起こるかもしれない。けど、耐えてほしいんだ」
榊原「不愉快なこと…?」
高林「……ダメだ。やっぱりフェアじゃない」
望月「高林くん?」
高林「榊原くん。僕に質問して。答えるから」
榊原「じゃあ…見崎鳴のことを教えて…」
高林「見崎さんか……見崎さんhっぐ!!」
望月「た、高林くん!?」
高林「うぐ…ぐぅあ…あぐぅ…」ピクピク
榊原「……!」
久保寺「高林くんのことはとても残念でした…」
榊原「……なぁ」トントン
男子生徒「っ……」ビクッ
榊原「……?」
榊原「なぁ…」
女子生徒「……」
榊原「まさか…」
久保寺「このように、言葉をあたかも人間のように表す表現を擬人法と…」
榊原「……」ガラッ
榊原「……」スタスタ
榊原「……う、うちゅうじんだー」
シーン
榊原「やっぱり、そういうことなのか…」
榊原「……ん?」ピラッ
榊原「……なるほど」
榊原「もしもし…はい…榊原と申します…はい……」
鳴「来たね」
榊原「こうして話すのは、久しぶりかな?」
鳴「そうだねっ、さぁさぁ」
榊原「み、見崎さん?なんか元気いいね?」
榊原「あぁ…えっと…これ」
鳴「……名簿、もらったんだ」
榊原「うん、どうやら僕も選ばれしものになったらしくて」
鳴「…これもわかっていたんだよ」
榊原「あの時大丈夫って言ったのは、こうなることを見越してのことだったんだ」
鳴「そ、その通り」
鳴「でね…10年ほど前に、有効な手段が見つかったの」
榊原「まさか、それが…」
鳴「そう。誰か一人をいないことにして人数を正す」
榊原「…」
鳴「そんな、おまじない」
鳴「スッキリ?」
榊原「うん。見崎鳴はちゃんといるってことがわかって」
鳴「そっか」
榊原「いないもの…じゃなくて、選ばれし者同士、これから仲良くしよう」
鳴「う、うん!」
榊原「嬉しそうだね…」
榊原「え?は、はい…え?」
霧果「私はそこにいる眼帯っ子の母よ」
榊原「え?母親?」
鳴「あわわわ…」
霧果「結構男前じゃない?彼氏?彼氏?」
鳴「ち、違っ!」
霧果「あらあら真っ赤になっちゃって」
榊原「僕も恥ずかしいですよ…」
鳴「!」
榊原「それってどういう…」
霧果「殆ど妄言よ」
鳴「あわわわ」
榊原「まぁ…それはわかっていましたけど…」
鳴「えっ?」
霧果「そうよねぇ…この子、去年からこんな風におかしなことを言い始めたのよ…」
榊原「結構前からなんですね」
霧果「困ったものよ…」
鳴「お、お母さん!それは…」
霧果「確か、可哀想な私の半身がどうとか言ってたかしら」
榊原「半身?」
霧果「ええ…人形を持って行っちゃったのよ…」
榊原「大丈夫だったんですか?」
鳴「榊原くん!私お腹すいちゃったな!一緒に何か食べに行かない?」
霧果「数分後に戻ってきたわよ。半ベソかきながらね」
榊原「途中で怖くなって引き返したと…」
霧果「そうねぇ…」
鳴「うわーん!」
ちょっと無理のある中二病かわいい!
霧果「あらあら、いじりすぎちゃったかしら?じゃあ榊原くん、あとよろしくぅー」
榊原「え?ちょ、ちょっと!」
鳴「……」
榊原「…えーっと」
鳴「もう榊原くん見れない…」
榊原「ま、まぁ恥ずかしいって気持ちはわかるよ?」
鳴「うぅ……」
鳴「……恥ずかしい」
榊原「そのわりには僕から離れないんだね」
鳴「だ、だって顔見られたくないから!」
榊原「確かに耳まで真っ赤だけど…」
鳴「もうダメだ…学校いけない…」
榊原(すっかり毒は抜けたようだ)
榊原「それがいいよ…これからは普通の言動をするようにね?」
鳴「うん…」
榊原「僕も君と同じだからさ。これからも友達でいたいし」
鳴「うん…」
榊原「とりあえず、明日のお昼、一緒に食べよう?」
鳴「うん!」
鳴「榊原くん!屋上行こう!」
榊原「うんわかった。だから引っ張らないで」
鳴「早く早く!」
榊原「元気いいなぁ」
赤沢(あれって……)
勅使河原(どう見ても…)
望月(カップルだよね……)
鳴「今日はたくさん食べるぞー」
榊原「お、おー」
おしまい
乙
Entry ⇒ 2012.02.14 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
許嫁「なに?あなた誰からもチョコレート貰っていないの?」
許嫁「クラスの女子がみんなに配ってるような義理チョコも?」
男「ちょうど配ってるときに呼び出しがあって貰えなかったんだよ……」
許嫁「一緒に呼び出されてたイケメン君は後で貰っていたわよ」
男「えっ……」
許嫁「あなたくらいじゃないかしら。貰っていないのって」
男「べ、別に気にしてないし……」
許嫁「強がっているのが見え見え」
男「そ、そういえば、お前昨日なんか作ってたじゃん?それって……」
許嫁「ああ、それイケメン君にあげてしまったわ」
男「」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1329133042/
許嫁「なに?あなた誰からもチョコレート貰っていないの?」
許嫁「なによ」
男「いや……でも……」
許嫁「イライラするわ。ハッキリと言いなさい」
男「それって……本命……?」
許嫁「はい?」
男「いや…その……手作りだったし……それにあんなに時間かけて……」
許嫁「だからなに?」
男「」
許嫁「別にいいでしょう?親が勝手に決めた婚約なんだから。あなただって本気にしてはいないでしょう?」
男「いや……その……」
許嫁「はいはい、この話はもう終わり」
男「………」
男母「お粗末さまでした」
許嫁「……そういえば男は?晩御飯だというのに降りてきませんでしたけど」
男母「どうしちゃったんでしょうね。寝てるのかしら?」
許嫁「そうですか」
男母「疲れてるのかしら。許嫁ちゃん何か知ってる?」
許嫁「……いえ、何も」
男母「そう。まあ、別に気にしなくていいか」
許嫁「…………」
許嫁「なにしているの。晩御飯冷めてしまったわよ」
男「ほっとけよ……」
許嫁「なによ、義理チョコ一つも貰えなかったくらいでウジウジと」
男「本命も貰えなかったけどな……」
許嫁「義理すら貰えないような人が本命を貰えるわけないでしょう」
男「………」
許嫁「そんなに欲しかったの?」
男「……………」
許嫁「ハァ……ウザ……」
男母「あら、やっと起きてきたのね」
男「……許嫁、どっか行ったの?」
男母「ええ、少し出かけてくるって」
男「へえ。どこ行ったんだろう…」
男(イケメンの所かな……)
男母「ご飯はー?」
男「……食欲ないからいいや」
男母「また寝るの?寝てばっかりもよくないわよー」
男「………」
男母「おかえりなさい。あら、買い物に行ってたのね」
許嫁「ええ。少しコンビニに行ってました」
男母「そう」
許嫁「そういえば、男は起きてきましたか?」
男母「さっき起きてきたけどまた寝ちゃったわ」
許嫁「そうですか。どうしようもないですね」
男母「本当、あの子はぐーたらしてばっか」
許嫁「ふふっ……」
許嫁「はい、おやすみなさい」
男母「許嫁ちゃんも早く寝るのよ」
許嫁「はい」
ガチャン
許嫁「………」
許嫁「……さてと」
許嫁「ハァ……めんどくさ……」
男「……喉乾いたな。水でも飲みに行こうかな」
男「………」
ガチャ
許嫁「………!」
男「あれ、許嫁?何して……」
許嫁「ちょ、ちょっと。こんな時間に起きてきてなんなのよ」
男「許嫁こそこんな時間まで何してるんだよ」
許嫁「関係ないでしょ。ほら、あっち行って」
男「いや、俺水飲みにきたんだけど……」
男「そんな汚いことしないから」
許嫁「とにかく、今キッチンはダメだから」
男「どうしてだよ」
許嫁「どうしてもよ」
男「何か作ってるの?ちょっと入るだけだからさ」
許嫁「ダーメー!」
男「はーなーせー!」グググ
許嫁「なによ、今さらこれくらい」グググ
男「なんなんだよもう!」
許嫁「本当にダメだから!」
男「ちょっとだけだから!」グイッ
許嫁「………!」
男「はあ…やっと解放された……ん……?」
許嫁「……なによ」
男「いや……えっと……なんで今頃またチョコレートなんか作ってるのかなって」
許嫁「………」
男「えっと……」
許嫁「それとも何?もしかして欲しいの?」
男「いや、でもそれ、他の人にあげるやつとかじゃないの?」
許嫁「仮にそうだとして、そこまでしてでも欲しいのなら、その惨めな気持ちに同情してあげてあげないこともないわ」
男「………」
許嫁「どうなの?欲しいの?欲しくないの?」
男「ほ、欲しいです……」
許嫁「仕方ないわね」
許嫁「こうも拝み倒されてしまったらあげないわけにはいかないわね」
男「はぁ……」
許嫁「仕方ないけど仕方なくあなたに義理チョコをあげることにするわ」
男「義理……」
許嫁「そうよ。義理」
男「義理か……」
許嫁「義理ね」
男「………やったーーーー!!!」
許嫁「………」
男「やっほおおおおい!許嫁から義理でもチョコレート貰えたぞおおお!!!」
許嫁「……ウザ」カァァ
男「え……?イケメンにあげたのは本命じゃない?」
許嫁「そうよ。あなたが勝手に勘違いしただけ」
男「でも手作りだったし……」
許嫁「手作りチョコを男子にあげると本命というその考えがいかにも童貞ね」
男「……童貞じゃないし」
許嫁「……それにしてもあなたがこんなにチョコを欲しがるなんて思ってなかったわ」
男「誰だってほしいよ、そりゃ」
許嫁「クリスマスのときだってプレゼントあげなかったけど何も言わなかったじゃない」
男「いや、俺的には貰ったと気だったというか……」
許嫁「……ねえ、やっぱり返して貰っていい?」
男「ごめん!悪かった!悪かったから!」
終
きっちん
許婚「…ハァ…色々とグダグダになってしまったわ」
許婚「それにしても男…すごい喜んでたわよね…ふふっ」
許婚「ハッ!いけない…へーじょーしんへーじょーしん」ハンニヤケ
許婚(いけないわ…いい加減遅いけど頭冷やすついでにまたコンビニ行ってこようかしら)
許婚(材料も…というか上げちゃったし)
・・・
こんびに
イケメン「あれ?許婚さんじゃない?」
許婚「あらイケメン君こんばんわ。どうしたの?こんな夜遅く」
イケメン「俺のセリフだよ。っていうかやっぱりどこでもこういうノリなの?俺と許婚さんの仲じゃん」
許婚「…人の目はどこにあるかわからないものなのよ」
・・・
男るーむ
男「愛してる!」
男「zz...そーらにたいようンガッ」ムクッ
男「……んあーのどかわいたー」
男「あぶねぇまた怒られるところだった……ん?片付けてある許婚が後で片付けたのかな」
男「悪いことしちゃったな…」
男「寝よ寝よ」
・・・
ねくすともーにんぐ
男「おはよ…」
男母「はいおはよう」
許婚「ん」
男(機嫌悪い?)「あー許婚さん?昨日はゴメン」
許婚「なにが」
男「いや、そのぉ今更ながら色々邪魔しちゃったから」
許婚「気にしてないわ」
男「ソデスカ」
がっこ
許婚「おはよう男君」
男「おはよう許婚さん」(男です今日も今日とて時間ずらして登校です私は彼女にとって邪魔な存在なんじゃないかと思うようになってきました)
イケメン「おはよう許婚さん男君」
許婚「おはようイケメン君。あ、イケメン君放課後ちょっと体育館裏に来てもらえないかしら」
男(え…昨日本命じゃないって言ってたのに…あれ?え?)「お…おあはようお?」
イケメン「うんわかったよ許婚さん」ニコ
放課後
モブ1「なにあの人…死臭がしてる…」
モブ2「オーラス4着他家全リーチのノーテンラスヅモのような負のオーラ出してる怖い」
男「……家に……帰ろう…」
・・・
いえ
男「ただ…いま…」
男(寝よう寝て全て忘れよう)
数時間後
許婚「ただいま戻りました」
男母「あら、おかえりなさい少し遅かったわねどうしたの?」
許婚「いえ少し買い物をしてきましたので」
男母「?なにも持ってないじゃない。もしかしてお店に置いてきちゃった?」
許婚「いえ小さな物なので」
許婚(小さいけどとても大切な・・・)
男母「あらごめんなさい。うふふ私なんかと違って許婚ちゃんはしっかりしてるものね」
許婚「いえとんでもないです」
許婚「あ、男君帰ってますか」
男母「いるんだけどあの子ったらまた寝てるのよちょっと叩き起こしてきてくれる?寝すぎも身体に障るって」
許婚「はいわかりました」
男るーむ
許婚「男?」コンコン
男「…」
許婚「寝てるの?入るわよ」ガチャ
男「…」モゾモゾ
許婚「ちょっと話があるのだけど」
男「…」
許婚「盗んだバイクで?」
男「…」
許婚「…起きてるわね」
許婚「…ほんとはチョコで驚かせようと思ったんだけどグダグダになっちゃったから」
男「……イケメンが本命じゃないのかよ」
許婚「ハァ…だからそうじゃないって言ったじゃないあなたも大概女々しいわね」
男「…でも放課後呼び出してたじゃん告白したんだろ…」
許婚「してないわよ」
男「ウソだ」ガバッ
許婚「やっと起きた…最初から起きてなさいよ」
許婚「そうよ。チョコがご破算になったから代わりを考えたんだけど
思いつかなかったからあんまりやりたくなかったけどイケメン君…
もとい私の弟に頼んで選ぶの手伝ってもらったの」
男「なるほどイケメンが弟………ふぇ?」
許婚「間抜けな声出さないで。まぁ言ってなかった私が悪いのだけれど」
男「でも苗字違うじゃん学年一緒だし双子だなんて聞いたことないし」
許婚「確かに双子ではないわでもイケメン君もとい弟は早生まれ3月も末。
私は4月生まれ。まぁ無理ではないはずよ。
苗字が違うのはあなたと許婚なんて前時代的なものを結ぶ家なのよ?
養子縁組の一つやふたつしてたっておかしくは無いじゃない」
男「でもでもでもぅ」
許婚「あぁもう女々しいったらありゃしない」ガバッ
チュッ
男「!!?!?!??!!?」
許婚「あなたのことが好きなにょよ!」
男・許婚「…」噛んdバチーン
許婚「ぶつわよ…」ミミマッカ
許婚「なによちょっとぶったぐらいで泣かないでよ女々しいわね」
男「よがっだよぉぉぉぉおぉ嫌われたんじゃなくてよがっだよぉぉぉぉぅ」
許婚「はぁ…嫌ったりなんかしないわよ///」
・
・
・
時はさかのぼり
許嫁「なに?あなた誰からもチョコレート貰っていないの?」
イケメンもとい弟「なぜか姉ちゃんと付き合ってるという噂が流れてて一個ももらえないんだよ!くそぅ」
許婚「しょうがないわね作ってきてあげるわよ」
おわり
乙
Entry ⇒ 2012.02.14 | Category ⇒ その他 | Comments (0) | Trackbacks (0)
マミ「バレンタインかぁ…」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1329136174/
マミ「あれ?そうだったっけ?」
QB「うん。誰かにチョコレートあげないのかい?」
マミ「チョコレートねぇ…うーん…」
俺がもらうから
マミ「うーん…いないわ…」
QB「おかしいね。マミの年頃なら恋の一つや二つあるはずなのに」
マミ「別にいいじゃない…」
マミ「うるさいわね…」
QB「マミの目はやる気が感じられないうえにタレ目だね。眠たいのかい?」
マミ「それはうまれつきよ!」ぺちっ
QB「きゅぷ!」ふらっ
QB「チョコください」
マミ「ふえ?」
QB「マミの手作りチョコください。お願いします」ぺこり
QB「きゅぷぅぅ?」チラッ
マミ「かわいこぶってもダメよ…作りません」
QB「マミのアホー!」
マミ「はいはい。アホで悪かったわねー」
マミ「はいはい。なんとでも言いなさい」
QB「マミのボケナスー!」
マミ「はいはーい。痛くも痒くもないわー」
QB「マミのデブー!」
マミ「誰がデブよッ!」ばしっ
QB「ぎゅぶっ!?」がくん
QB「マミー…チョコー…」
マミ「はぁ…しかたないわね…わかったわよ。チョコあげるからバレンタインまでおとなしくしていてね」
QB「ありがとうマミ!」
――
―バレンタイン当日の朝
マミ「はいキュゥべえ。チョコレートよ。昨日がんばって作ったんだから大事に食べてね」すっ
QB「ありがとうマミ!」
マミ「それじゃ学校行ってくるわ」
QB「ん?その紙袋はなんだい?」
マミ「チョコ、多めに作っちゃったから学校に持っていくわ」
QB「マミのお昼ご飯かい?ずるいよ!全部一人で食べるなんて!」
マミ「私が全部食べるわけないでしょ!みんなにおすそ分けするのよ!」ぺちっ
QB「きゅぷ!」ふらっ
――
――学校、マミさんのクラスの教室
マミ「おはよう」
女子「あ、巴さんおはよう」
マミ「ん?」
ざわざわ… そわそわ…
お前ら1(くっ…入ってない…!いや、あせるな…!まだまだこれからだ…!)
お前ら2(ん!?巴さんの持ってる紙袋…!あ、あれはチョコレートでは!?これはもしかしたら…!)
お前ら3(誰でもいいからチョコくれよぉぉぉ!マジでぇぇ!また今年もカーチャンからしかもらえないとかはいやだぁぁ!)
マミ「ね、ねぇ?男子たちなんかそわそわしてない…?なんなの?」ひそひそ
女子「あぁ…バレンタインだからね。女子からチョコもらえるの期待してるのよ。あいつらバカだから」ひそひそ
マミ「ふーん…そういうものなんだ…そんなにチョコもらえるのがうれしいんだ…」
教室にいるすべてのお前ら「!!!」ピクッ
マミ「いないわ。チョコは持ってきたけど男子にあげるチョコは一つもないわ」キッパリ
女子「ははは!そっかぁ!」
教室にいるすべてのお前ら(ち…!)
教室にいるすべてのお前ら(ち、ちくしょぉぉぉぉ!期待させやがってぇぇぇ!うわぁぁぁぁ!)じたばた
ですよねー
――
――昼休み、まどかたちのクラスの教室前
わいわい がやがや
マミ(えーと…)きょろきょろ
マミ(あれ?鹿目さんたちいないわね…どこに行ったのかしら?)
中沢「…」とことこ
マミ(あ!あの人に聞いてみよっと!)
マミ「あ、あの…すみません…」
中沢「はいっ?」くるっ
マミ「ちょっといいですか…?」
中沢(!)ドッキリ―ンッ
中沢(そしてあのおっぱい…!で、でかい…!やばい!中学生でこのバディーはやばいぜ…!)
中沢(それにしても…僕に話しかけてきた…?なぜ…?はっ…!?そ、そうか!今日はバレンタインだった…!)
中沢(あの片手に持った紙袋…!ほぼ100%チョコレートが入っていると見て間違いはないだろう!)
中沢(告白か!?告白だろ!間違いない!『いつも帰り道で見かけるあなた…ずっと好きでした。付き合ってください』みたいな感じだろ!?)
中沢(よっしゃぁぁぁ!ついに僕にも春がきたぁぁぁ!うひょぉぉぉぉぉ!)ぴょんぴょん
マミ「?」
中沢「はっ!?はいっ!なんでしょうか!?」びしっ
マミ「鹿目さんたちがどこに行ったか知りませんか?」
中沢「ふへ?鹿目さん…?あ、屋上で昼ごはん食べてると思いますけど…」
マミ「そうですか!ありがとうございます!」にこっ
タッタッタ…
中沢「行っちゃった…」
中沢「…」
中沢「…ち、ちくしょぉぉぉぉっ!期待させといてぇぇぇ!うわぁぁぁぁ!」ゴロゴロ
――
――屋上
マミ「はい!どうぞ。私の手作りチョコよ!」すっ
まどか「ありがとう!マミさん!」
さやか「やったぁ!マミさんにチョコもらえるなんて今年はツイてるわぁ!」
仁美「巴さん、ありがとうございます!」
マミ「ふふ!どういたしまして!」
マミ「これは?」
仁美「この間サンフランシスコを観光してきたのですが、そこの名物のチョコレートです。どうぞ召し上がってください」
マミ「あら、ありがとう!おいしそうー!大事にいただくわ」
さやか「あたしももらったけどすごくおいしかったですよ!マミさん!」
まどか「マミさん、私もホワイトデーにはマミさんにお返しするから楽しみにしててくださいね!」
さやか「あ、あたしも!あたしも!」
マミ「ふふ!ありがとね。楽しみにしてるわ」
――
――廊下
ほむら「…」とことこ
マミ「あ!暁美さーん!」
ほむら「…?」くるっ
マミ「やっと見つけたわ!はい、これ!チョコレートよ!受け取って!」すっ
ほむら「チョコレート…なぜ…?」
マミ「だって今日はバレンタインでしょ?」
マミ「なんで?」
ほむら「だ、だって…私、ずっと入院していたから…学校にも行けてなかったし…そういうのわからなくて…」もじもじ
マミ「バレンタインは実在するのよ。だから受け取って!」
ほむら「あ、ありがとう…」もじもじ
マミ「ふふ!暁美さんは誰か好きな人にあげないの?チョコレート」
ほむら「!」きゅぴーん
ほむら「手作りチョコをプレゼント…その発想はなかったわ…!まどかに心のこもった手作りチョコを渡せば私の株はうなぎのぼり…!きっとまどかは私にメロメロのペロペロだわ…!」
マミ「あなた、本当に鹿目さんのことが好きなのね」
ほむら「こうしちゃいられないわ…!適当に理由作って早退してチョコレートを作るわ!バレンタインが終わる前にまどかに渡すのよ!」ダッ
びゅーんっ
マミ「行っちゃった…」
――
――放課後、マミさんのクラスの教室
キーンコーンカーンコーン♪
マミ(さてと、帰ろっかなぁ。今日も疲れたわ)がたっ
マミ(ん?)がさっ
マミ(あ…チョコ、まだ1つ余ってるわね。けっこういろんな人に渡したつもりだったのになぁ)
そわそわ… のそのそ…
お前ら1(く…!もう放課後だ…!これ以上ねばっても無駄か!?いや、まだだ…!俺はまだ戦える!)
お前ら2(生きていれば無限の可能性があるって誰かが言っていた…だから、きっと俺にもチョコレートが…!俺はあきらめない…!)
お前ら3(あああああああああ!チョコぉぉぉぉぉ!)
お前ら1~3「…」ブツブツ…
マミ「あ!あなたたち」
お前ら1~3「!」
マミ「はい、これ。一つ余ったからあげるわ」すっ
お前ら1~3「!!」
マミ「じゃあね」くるっ
タッタッタ…
お前ら1~3「……う」
お前ら1~3「うあああああああああああああっ!」
お前ら2「ぐほぉ!?」がくんっ
お前ら3「オラオラオラオラァッ!これは俺のチョコだァー!」どかっ
お前ら1「ぐふぅ!?う、ぐあぁぁぁ!?鼻血出たぁぁ!」どばどば
お前ら4「チョコだとォ!?よこせッ!」ドガッ!
お前ら3「う…ぐあぁぁぁ!腕がァァァッ!」がくん
お前ら5「オラァ!」ドンッ!
お前ら4「ぬぐっ…!今のは効いたぜ…!だが無駄無駄ァ!チョコは渡さねぇぞぉぉぉッ!」
お前ら6~10「俺たちも参戦するぜ!」バッ
お前ら4「かかってきやがれぇぇぇ!URYYYYY!」
ぎゃーぎゃー! わーわー! ドドドドド…
パリーンッ! グシャッ! ぎゃあああ! メメタァ
俺も参加する
――
――公園
マミ(志筑さんからもらったチョコ、家に持ち帰ったらキュゥべえに取られちゃいそうだからここで食べちゃおっと♪)
マミ「いただきます!」もぐ
マミ「おいひー!アメリカの味がするわ!」もぐもぐ
きゃーきゃー! わーわー! まてー!
マミ「ん?あらあら、寒いのに外で元気に走り回って…近頃のちびっこにしては珍しいわね。えらいえらい」もぐもぐ
「おまえナマイキなんだよー!」ばしっ
「バカやろー!こいつー!」ポカポカッ
「う…!や、やめろ…!やめろよぉ…!」
「うるせぇ!バーカ!バーカ!」げしっ
「フン!もう行こうぜ!」くるっ
「けっ!うざってぇんだよ!」くるっ
タッタッタ…
マミ「なにあの子たち…?なにやら雲行きがあやしいわ…」もぐもぐ ごくん
マミ「大丈夫?」
男の子「!」ビクッ
マミ「あら…傷だらけよ…ちょっとこっちに来て」
男の子「…?」ぐすん
――
マミ「えっと、傷口の汚れを拭いてばんそうこう貼って…」ぺたっ
男の子「…」
マミ「はい!これでオッケーよ!」
男の子「うぅ…あ…ありがとう…」ぐすん
マミ「ふふ!どういたしまして」
マミ「ほらほら、しっかりしなさい。男の子なんだから」
男の子「で、でも…僕…弱虫だし…」ぐすぐす
マミ「やられっぱなしじゃ悔しいでしょ?今度やられたらやり返してやりなさい!」
男の子「でも…でも…う、うぅ…!うわぁぁぁん!」ぽろぽろ
マミ「あらあら…」
マミ(ん?これは…全部配り終わったと思ってたチョコレート…私ったらうっかり者ね。まだ一つだけ余っていたわ…)
マミ(あ、そうだ!)
男の子「うわぁぁん!う、うぅ…!」ぐすぐす
マミ「ねぇ、これ」すっ
男の子「…?」ぐすん
マミ「私の手作りチョコレートよ。あなたにあげるわ」
男の子「えっ…いいの…?」
マミ「うん!だって今日はバレンタインデーよ。遠慮しないで受け取って!」
マミ「悲しいときに甘いものを食べると元気が出るのよ?私も落ち込んだときはよく食べてるわ。元気100倍よ!」
男の子「ほ、本当…?」
マミ「ええ、本当よ!だからね、いつまでも泣いてちゃダメ。これ食べてもっと強くなってあの子たちを見返してやりなさい!」
男の子「う、うん!がんばる!」
マミ「ふふ!よく言ったわ!」なでなで
男の子「へへ…!」
男の子「うん…ありがとう!お姉さん!」
マミ「どういたしまして…またね!」
男の子「うん!またね!」
――
――マミさん家
がちゃっ
マミ「ただいまぁ…あー、疲れた…」
QB「おかえり。マミ」
杏子「おっかえりぃ♪」
マミ「あれ…なんで佐倉さんがいるの…?」
杏子「マミの手作りチョコがもらえると聞いて!」
杏子「?」
マミ「佐倉さん…ごめん…」
杏子「ふへ?」
マミ「全部配っちゃったわ。もう無いの…」
杏子「…」ぐすん
マミ「夕ご飯ごちそうしてあげるから…それでいい?」
杏子「やったー!」バンザーイ
QB「よかったね、杏子」
杏子「あ!あたしも手伝うよ!」
QB「僕も」
マミ「あらあら、二人ともやさしいのね」
杏子「ごちそうになってばっかじゃ悪いじゃん?」
QB「僕はチョコのお礼だよ」
マミ「ふふ!ありがとう!それじゃよろしくね!」
杏子「はーい!」
QB「きゅっぷい!」
わいわい! きゃっきゃ!
――
――そのころ、鹿目家、まどかの部屋
まどか「マミさんのチョコおいしー♪」もぐもぐ
ほむら「……まどか」ぬっ
まどか「ぬわあああああああ!?」ビクッ
まどか「ほ、ほむらちゃん!?どこから入ってきたの!?」
まどか「え…?なにこれ…?」
ほむら「え、えっと…わ、私の手作りチョコレートよ!受け取って…まどか!」もじもじ
まどか「チョコレート…?ていうか…でっか!座布団並みの大きさじゃん!」
ぴゅーんっ
まどか「行っちゃった…」
まどか「…」
まどか「開けてみよう…」ばかっ
まどか「巨大なハート型チョコレート…あ、なんか書いてある…」
まどか「『I LOVE MADOKA! MEROMERO! PEROPERO! LOVE! LOVE! LOVE! LOVE! MEROMERO! PEROPERO!…』」
まどか「…」ぱたんっ
まどか「ほむらちゃん…私のためにがんばってくれたのはうれしい…うれしいけれど…」
まどか「こ、こわいよ…!」がたがた
おわり
面白かった
Entry ⇒ 2012.02.14 | Category ⇒ まどかマギカSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
京子「今日はバレンタインイブ!」結衣「なんだよそれ」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1329120924/
ごらく部
京子「今日はバレンタインイブだねぇ」
結衣「………………」
結衣「……バレンタインイブってなんだよ」
京子「バレンタインの前の日ってことだよ」
結衣「いや、それは分かってるけど……」
京子「だったらなんだよぉ」
結衣「わざわざ言うほどのことじゃないなって……」
京子「いやいや~言うほどのことだよぉ」
京子「だって今日は女の子が好きな娘のために、チョコの材料買いにいったり」
京子「市販のチョコを買いに行ったりする日だよ」
京子「重要な日だよ」
結衣「……………」
ちなつ「…………………」
「女の子が好きな娘のために」
この台詞がいいね
京子「なんたって明日はバレンタインだからね」
京子「で、ごらく部全員で材料なりチョコ買いに行こうと思うんだけど」
結衣「京子……」ちなつ「京子先輩!一言いいですか?」
ちなつ「えっと……あの……普通の人はこのあいだの日曜に準備してると思うんですけど」
京子「……え……ホントに?」
結衣「うん、たぶんそうだと思うよ」
結衣「私は日曜に準備したし」
ちなつ「私も準備しましたぁ、愛する結衣先輩のために」
結衣「………あ、ありがとう、ちなつちゃん」
あかり「あかりも準備したよぉ」
ちなつ「あ、あかりちゃんいたんだ」
あかり「ちなつちゃんひどいよぉ」
京子「ガーン」
京子「準備してないのは私だけってことか………」
京子「う~ん、なら今日の活動は私のチョコ作りを手伝うってことにしよう」
京子「私だけ市販のじゃ寂しいし、料理苦手だし………」
ちなつ「あ、先輩、私……今日用事があって……」
あかり「あかりもちょっとした用事があるんだぁ」
ちなつ「結衣せんぱ~い、チョコ楽しみにしててくださいね」
あかり「また明日だよぉ」
ガララララ ガララララ
京子「はぁ、二人とも帰っちゃったよ……」
京子「………結衣は?」ちらっ
結衣「………暇だよ」
京子「それじゃあ、付き合って~」だきっ
結衣「しょうがないなぁ、京子は」
結衣「それじゃあ、買い物に行くか」
京子「よし、いこ~う」
とことこ とことこ
スーパー
京子「結衣~、ラムレ買ってぇ」
結衣「おいコラ、さっそく目的見失ってんじゃねぇか」
京子「いや~、ついそこにラムレがあったから……」
結衣「理由になってねぇよ」
京子「と、いうのは置いといて、チョコの材料買いましょう」
結衣「そうだな………ってカゴにラムレいれてんじゃねーよ」
京子「えへへ~」
結衣「笑っても買わないぞ」
京子「ええ~、結衣のいけずぅ」
結衣「ラムレは私の家に大量にストックしてあるからわざわざ買う必要ないんだよ……」
京子「結衣大好きっ」だきっ
結衣「お、おい、人前で抱きつくなって……///」
京子「え~、なら人前じゃなければいいわけ?」
結衣「そういうわけじゃないけど………」
結衣「って、いうのは置いといて材料買うよ、材料」
京子「……………」
京子「うんっ」
結衣「え~と、材料は、コレとコレとコレ…………と」
てきぱき てきぱき
結衣「よしっ、これで完璧だな」
京子「お~、もう材料選び終わったのか、速いな~」
結衣「昨日と同じことだからね」
結衣「全部そろったことだし会計すまして、早くチョコ作りしようか」
京子「うん、そうだね~」
結衣「そういえばチョコ作りってどっちの家でやるんだ?」
京子「それは結衣の家だよ~」
京子「お母さんの邪魔が入らないし」
京子「ラムレがあるからね」
結衣「おいコラ」
結衣「って、アレ?」
とことこ
結衣「うわっ、会計混んでるねぇ」
京子「うん、混んでるねぇ」
京子「んん?みんなチョコの材料買ってるじゃん」
京子「普通の人は日曜作るんじゃなかったのぉ」
京子「結衣たちのうそつき~」
結衣「ふふん、京子、甘いな」
結衣「チョコ作りに失敗しちゃってまた材料買いにきた人や」
結衣「日曜に仕事だった人、例えばデパートとかの店員さん」
結衣「そういう人が買いにきてるんだよ」びしっ
京子「………な、なんと説得力のある説明……」
結衣「まぁいいや並ぶぞ」
京子「うん」
京子「(………アレ?あそこに居る女の子たちって……)」
京子「(付き合ってるってうわさのめりちゃんとゆきちゃんだ)」
京子「(ゆりんゆりんしてるなぁ)」
京子「(いいなぁ)」
結衣「ん?京子、ぼーとしてどうした?」
京子「ううん、なんでもない」
結衣「ふ~、やっと会計終わったな」
京子「うん」
京子「もう周りが真っ暗だよ」
京子「早く帰って作らなきゃね」
とことこ とことこ
結衣「………なぁ」
京子「ん?」
結衣「あのさ……遅くまでかかったら泊まってけよ」
京子「……………」
京子「うんっ」
結衣マンション
結衣「よし、さっそく作るか」
京子「チョコ楽しみだなぁ」
結衣「お前も作るんだよ」
結衣「あと、作るのは晩ご飯な」
京子「え?」
結衣「まず夕食でしょ、いつチョコ終わるか分からないし、チョコのあと洗い物多くなるし……」
京子「おお~なんか主婦っぽいな」
京子「これでいつ私の嫁になっても安心だな」
結衣「おいコラ」
京子「えへへっ(…………)」
結衣「料理はオムライスでいいよな?」
京子「いいよ~」
トントン トントン
ジュー ジュー
…………………
京子「よし、できた~」
京子「疲れたなぁ」
結衣「お前はほぼ何もしてなかっただろ」びしっ
結衣「…ってもう8時だな」
京子「うん」
結衣「………遅いし泊まってくだろ?」
京子「うんっ」
結衣「それじゃあ、食べ終わったら、先風呂に入ってよ」
結衣「その間洗い物してるから」
京子「………………」
京子「いや、私も洗いもの手伝うよ、そっちのほうが速いでしょ」
結衣「でも、それじゃあお風呂の時間分、時間かかるし………」
結衣「チョコ作り遅くなっちゃうよ」
京子「いやいや~、二人でお風呂に入れば問題ないでしょ」
結衣「///」
京子「あれれ~、結衣さん顔赤くなっていませんか?」にやっ
京子「私たち女同士だよ~、なにか恥ずかしがるところある~?」にやにや
京子「修学旅行でも一緒に入ったじゃん、問題あるの~?」にやにや
結衣「そ、そういうわけじゃないけど……」
結衣「うちのお風呂狭いしさ………さすがに同性とはいえ恥ずかしいし……」
京子「私たちの仲じゃん、恥ずかしがることないよ……さぁ、入ろう」
結衣「………ま、まぁいいけど///」
京子「それじゃ、お風呂へレッツゴーだ」
結衣「まだ沸かしてないよ」
京子「なら、沸いたらすぐ入ろう」
結衣「その前に洗い物やってからな」
京子「う~、お風呂まで長いな」
結衣「なんかお風呂に入るのが目的見たくなってるけど、目的はチョコ作りだからな」
京子「あ、そうだった」
結衣「おいコラ」
カチャ カチャ
ジャー ジャー
…………………
京子「ふ~、やっと洗い物終わったぁ」
結衣「やっとって、お皿二枚とスプーン二本だけだし」
結衣「しかも、京子がやったのはスプーン二本だけ………」
京子「ヘヘン、普段家事をやらない私からしたら重労働なのさ」
結衣「それにしても二本で重労働はないだろ………」
京子「細かいことは気にしない気にしない」
ピピッ ピピッ
京子「お、ちょうど沸いたみたいだね」
京子「ほらっ、はいろっ」ぐいっ
結衣「な、なぁ、京子ホントに一緒に入るのか?」
京子「え?」
結衣「やっぱり一緒っていうのは……さ」
京子「……それって、結衣は私と一緒にお風呂に入りたくないってこと?」
結衣「そういうわけじゃないけど……」
京子「なら、いいじゃん、はいろっ」ぐいぐいっ
チャポーン チャポーン
結衣「(京子に服脱がされて湯船にいれられた)」
結衣「(は……恥ずかしい)」
京子「(結衣の服を剥ぎ取って湯船にいれてしまった)」
京子「(そのときは必死だったから分かんなかったけど)」
京子「(猛烈に恥ずかしい)」
京子「(ただ……私が結衣のブラのホックを外したテクはすばらしかったな)」
京子「(片手だったし………)」
結衣「(恥ずかしいのはそれだけじゃない……)」
結衣「(京子が私の体をジロジロ見てくる)」
結衣「(主に胸を……胸を隠したらあそこを……あそこを足で隠したら脇を………)」
京子「(…………おっと、結衣の体に見入ってしまってた)」
結衣「っと、いつまでも湯船に浸かってる場合じゃないか」
結衣「はやく髪や体洗ってチョコ作りしないと」
ザパー
京子「結衣~、洗うの私がやってやるよ」
結衣「え?」
京子「いやいや、洗いっこしなきゃ、一緒に入ったって感じしないじゃん?」
結衣「そ……そうか?」
京子「そうだよ……もしかして……私じゃいや?」
結衣「………そんなことないけど」
京子「なら決定ね、はいイスに座った座った」
京子「それじゃあ髪洗うよ」
ワシャ ワシャ ワシャ ワシャ
結衣「(おっ、京子、髪洗うのうまいな)」
結衣「うまいね、京子」
京子「えへへ~、そう?」
結衣「うん、うまい、うまい」
京子「よしっ、髪終わったよ、次身体だね」
京子「とりあえず、背中からいくね……」
結衣「う、うん」
ゴシゴシ ゴシゴシ
京子「どう?」
結衣「うまいうまい」
ゴシゴシ ゴシゴシ
京子「よしっ、背中終わったよ」
京子「次は………腕だね」
ピトっ
結衣「(きょ、京子に後ろから抱きつかれた///)」
結衣「(京子の胸が私の背中に当たってる///)」
結衣「………京子さん?胸が背中に当たってるんですけど……」
京子「……………」
ゴシゴシ ゴシゴシ
結衣「…………京子さん?」
京子「………結衣、ちょっと耳かして」
結衣「う、うん」
京子「わ・ざ・と・当ててんのよ」ひそっ
結衣「」ぞくぞくっ
京子「ほら………結衣………」
京子「胸も………」
ゴシゴシ
京子「脇も………」
ゴシゴシ
京子「太ももも………」
ゴシゴシ
京子「あそこも…………」
ゴシゴシ
京子「気持ちいいでしょ」
結衣「」ぞくぞくっ
京子「ねぇ………結衣…………」
京子「自分の身体に素直になったほうがいいんじゃない?」
京子「結衣の身体がぞくぞくいってるの私分かるよ」
京子「ねぇ、結衣…………」
ザッパーーーン
京子「え?」
結衣「おいコラ、京子!!!」
結衣「悪ふざけがすぎるぞ」
結衣「私はもうでる」
京子「あ、結衣、まだ洗い終わって……」
結衣「そこで少し頭ひやしてろ、私は準備してるから」
バタン
結衣「(はぁはぁ、あれ以上やられたら理性を保てる自信がない………)」
結衣「(京子……………)」
京子「(………………)」
京子「(…………………)」
京子「(やっちゃったなぁ………)」
京子「(………………ハァ)」
京子「(嫌われたなぁ)」
結衣「(………………)」
結衣「(感情的になっちゃったなぁ………)」
ワシャ ワシャ
京子「(はぁ、なんて言おう………)」
京子「(謝るしかないよなぁ)」
京子「(どう謝ろうか………)」
京子「(どうしよ)」
結衣「(はぁ、いきなり大声は悪かったよな)」
結衣「(謝らなきゃ………あと準備しとこ)」
京子「ふぅ、よし謝ろう」
ガチャ
とことこ
京子「結衣、さっきはごめんなさい」
結衣「あ、こっちもいきなり怒ってごめん」
京子「……………」
結衣「……………」
結衣「それじゃ……チョコ作りしようか」
京子「うん…………」
カチャ カチャ
カチャ カチャ
結衣「うん、これであとで型にいれるだけだよ」
京子「ありがと、結衣………」
京子「ここからは一人でやるから、先に寝てていいよ、もう12時だよ」
結衣「え………でも………」
京子「いやいや、最後まで頼りっぱなしは悪いって………」
京子「それに私が作るって言ったやつだし……」
京子「あ、片付けもしとくから………さ」
結衣「……そうか、なら先に寝させてもらうよ」
京子「うん、おやすみ、結衣」
結衣「……………寝られない」
結衣「京子どうだろ、ちょっと見てみよ」こそこそ
京子「よしっ、これで友チョコかんせ~い」
京子「次は本命だ~」
結衣「(あ、京子、本命いるんだ………)」
結衣「(誰だろ………)」
京子「う~ん、本命だけあって迷うなぁ」
京子「結衣に聞いてみるか」
京子「いやいや、それはちょっと…………なぁ……」
結衣「(京子、私に聞けないってさっきのこと引きずってるのかなぁ)」
結衣「(でも……聞かれても正直に言えるかなぁ)」
結衣「(京子の好きな人………か)」ずきっ
結衣「(胸が痛いなぁ)」
結衣「(さっきのままやってれば既成事実ができたのになぁ)」
結衣「(でも、それはいやだったんだよなぁ)」
結衣「(はぁ、どうせもう嫌われてるんだよなぁ)」
結衣「(このまま当たって砕けようかな)」
結衣「はぁ、どうしよ」
京子「!?」
京子「あ、結衣………起きてたの?」
結衣「(あ…………)」
結衣「(ええい、もうやってやるか)」
ツカツカ
京子「結衣?」
ツカツカ
ガチャ
結衣「(私が一日かけて作ったチョコ………)」
結衣「(でも………もう………)」
結衣「…………ねぇ、京子、その大きいのチョコって本命の人用?」
京子「う、うん///」
結衣「……京子………例えばの話だけど、それを渡した人に拒絶されたらどうする?………」
京子「……………諦めるかな…………」
結衣「で、本命の人に好きな人ができた、応援できる?」
京子「……………うん」
京子「それが幸せなら………好きな人の幸せなら………私は………」
結衣「……………そうか」
京子「結衣?」
結衣「…………うん、京子ハッピーバレンタインだよ」
結衣「はい、これ………」
結衣「本命…………」
京子「え…………」
結衣「………………本命」
京子「ほ、本当に?」
結衣「うん、振られるのは分かってるから、京子の本命の人教えてよ」
結衣「私は応援するから」
京子「それじゃあ、チョコ見て………」
結衣「いや、でも、これってラッピングまでしてるじゃないか」
結衣「あけていいのか?」
京子「うん、言うの恥ずかしいし………」
結衣「………なら遠慮なく」
『結衣、大好きだよ』
結衣「え?」
結衣「え?」
結衣「どういうこと?」
京子「言葉のまんまだよ………結衣……」
京子「昨日は気持ちが先行してあんなことしちゃってごめんね………」
京子「これが私の気持ちだよ………」
京子「結衣…………」
だきっ
ピピピピピピ ピピピピピピピ
京子「……………」
結衣「……………」
京子「…………これ、なんの音?」
結衣「私の目覚ましの音だ…………」
京子「ムードいいとこだったのに………」
結衣「…………そうだな」
結衣「って、まてよ、この目覚ましは一昨日の目覚まし時刻に設定しっぱなしだ」
結衣「一昨日は日曜だったから8時にセットした」
結衣「つまり今は………」
京子「8時………?」
京子「ホントに!?」
京子「って結衣、なんで、昨日気づかなかったんだよ」
結衣「私は目覚ましなしでも起きれるタイプなんだ」
結衣「目覚ましは保険ってわけ」
京子「って………私8時間ぐらいチョコ作ってたのか全然気づかなかった」
結衣「……そういってる場合じゃねぇ、遅刻だ遅刻」
ドタバタ ドタバタ
結衣「よっし、着替え終わったか、京子」
京子「着替え終わったぁぁぁ」
結衣「なら走るぞぉ」
ガチャ
タッタッタッタ
タッタッタッタ
京子「ってストップ!」
結衣「え?どうした」
チュッ
京子「行ってきますのキス忘れてた」
結衣「///」
終わり
それは今日の18時ぐらいにスレ立てる
>>239
ほう・・・期待してる乙
後日談も期待してる
Entry ⇒ 2012.02.14 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ソーニャ「やすなは私のモノだ」やすな「へ?」
ソーニャ「何だ」
やすな「おでこに“ソーニャ”って書いたった!」
ソーニャ「は?」
やすな「これで私はソーニャちゃんのものだよ!だから大事にしてね!」
ソーニャ「意味が分からん」
やすな「ソーニャちゃんてばいつも私のことぞんざいに扱うんだから、こうすれば何か大事にしたくなるでしょ??」
ソーニャ「ならん……」
やすな「ソーニャちゃーん♪」ピト
ソーニャ「……」
やすな「おおっソーニャちゃんが私を受け入れてくれてる!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1328542780/
ソーニャ「やすなは私のモノだ」やすな「へ?」
やすな「そうそう」
ソーニャ「ちゃんと手入れもしないとな」
やすな「うんうん」
ソーニャ「まずは髪のチェックだな」
やすな「わーい」
ソーニャ「特別きれいでもないけど明るい色でいい髪だな」
やすな「そうかな~それほどでも~」
ソーニャ「ここんとこはねてるぞ」クシクシ
やすな「ああっ大事にされてる……大事にされてるよお……」
ソーニャ「ん? 櫛が引っかかる……ぬん!」ブチッ
やすな「あいだー!!?」
ソーニャ「ちゃんとケアしとけ」
やすな「あい……」
やすな「か、顔!?」
ソーニャ「」ガシッ
やすな「ひい」
ソーニャ「お前は垂れ目だな」ジロジロ
やすな「ううっ」
ソーニャ「肌の調子は良し」ナデナデ
やすな「ああん///」
ソーニャ「ん? 何か勝手に頬が赤くなってきたぞ? 不良か?」ペチペチ
やすな「仕様です///」
ソーニャ「唇は」フニ
やすな「ふへ」
やすな「へひ」
ソーニャ「うるおしてやろうか」
やすな「へっ///」
ソーニャ「……」
やすな「だだだめだよソーニャちゃん私たちそんな関係じゃあ」
ソーニャ「私の物をどうしようが私の自由だろ」
やすな「あわわ」
やすな「うぇ」
ソーニャ「」ペロ
やすな「!!!」
ソーニャ「」チュー
やすな「んー、んー!」
ソーニャ「これで滑らかになったな」
やすな「あ、あ、あ……///」
やすな「///」
ソーニャ「脱げ」
やすな「えっ」
ソーニャ「」ガシ
やすな「えっ」
ソーニャ「この梱包を剥がないとな」
やすな「そそそーにゃちゃん冗談だよね」
ソーニャ「あん?」
やすな「ひっ」
ソーニャ「面倒くさいからナイフで切るか」
やすな「らめえー!」
やすな「何だ夢か」
ソーニャ「ん?」
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
\/ /
キュッキュ
やすな「見て見てソーニャちゃん!」
ソーニャ「何だ」
やすな「おでこに“ソーニャ”って書いたった!」
ソーニャ「は?」
やすな「これで私はソーニャちゃんのものだよ!だから大事にしてね!」
ソーニャ「そうか、なら心おきなく痛めつけられるな」
やすな「ヒイッやっぱり本物はこうだよね!!」
ソーニャ「は? 本物?」
やすな「やっぱり可愛げがない方が好きだなあ」
ソーニャ「良く分からんがバカにされていることは分かった……」
やすな「あっやめてそういう意味じゃないです!」
ソーニャ「可愛げがなくて悪かったな」
やすな「ソ、ソーニャちゃんはそのままでいいんだよ! ありのままの君でいてほしい!」
ソーニャ「ふん……まったく」
やすな「あ、そうだソーニャちゃん! 私今ソーニャちゃんの物だから好きなことしていいよ」
ソーニャ「まだやるのかそれ」
やすな「何でもご自由にどうぞ あっ痛いのは無しで」
ソーニャ「アホくさい」
やすな「はっはっは怖がらずに思いのたけをぶつけてきなさい」
ソーニャ「……本当に何でもいいんだな」
やすな「いいよいいよ! 今すぐカモカモ!」
やすな「?」
ソーニャ「」チュ
やすな「!?!?!?」
ソーニャ「ま、まだあっち向いてろ!」
やすな「う、うん……!?」
ソーニャ「お前が……あんまり私に付きまとうから……」
やすな「……」
ソーニャ「私だって……構ってくれて嬉しいって思う気持ちくらい……ある」
やすな「ソーニャちゃん……」
ソーニャ「お、おら! もうあっち行けバカ///」ゲシッ
やすな「あいた!」
夢のソーニャちゃんはちょっと強引だったけど……
現実のソーニャちゃんは素直になれないウブな子でした!
終
乙
キルミーSS増えてくれ
Entry ⇒ 2012.02.14 | Category ⇒ キルミーベイベーSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
あかり「結衣ちゃんって別にとりえがないよね」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1327980687/
あかり「聞こえなかったかな、ならもう一回言うけど」
結衣「い、いやハッキリ聞こえたけど」
あかり「そっかぁ…」ズズッ
結衣「…」
あかり「お料理が上手いといわれがちだけどレパートリーが少ないしね」
結衣「うっ…」
あかり「ま、まぁ運動神経はいいと思うけど?」
結衣「そりゃどうも」
あかり「あーあ、結衣ちゃんと2人きりなんて退屈だなぁ…」
結衣「…あかりの気持ちはよく分かったよ」
あかり「…ふーんだ」
結衣「とりあえず私の膝の上から降りてくれ、あと正面からハグするのもやめてくれるかな」
あかり「…」ギュッ
あかり「うん、大嫌いだよ」ギュー
結衣「だからハグされながら言われても説得力ないから」
あかり「あかりが座ってる場所にたまたま結衣ちゃんがいるんだよぉ」
結衣「な、なら私はあかりの向かい側に座るから」スクッ
結衣「よっと」
あかり「あっ…」
あかり「…」トテトテ
結衣「やっぱりおこたはいいね…」
あかり「それだけは同感だよ、結衣ちゃんのことは嫌いだけど」
あかり「…」チョコン
結衣「だ、だからなんで私の膝の上に座るんだよ!?」
あかり「たまたまだよぉ…」
結衣「わけがわからないよ」
あかり「あーあ、いつもみたいに杉浦先輩と池田先輩が遊びに来ないかなぁ」
あかり「結衣ちゃんと2人きりなんて息が詰まりそうだよぉ」スリスリ
結衣「なぁあかり」
結衣「…ほっぺとほっぺすりすりはさすがに恥ずかしいんだけど」
あかり「た、たまたまだよ、そこに結衣ちゃんのほっぺがあっただけ」
結衣「あっそ…」
あかり「ぇへへ」ギュッ
結衣「今えへへって言ったよね?」
あかり「そんなこと言うわけないよぉ、空耳だよ結衣ちゃんの」
あかり「あーあ、つまらないなぁ」
結衣「…どういうことなの」
結衣「あかり、眠いの?」
あかり「べ、べっつに~、仮にあかりが眠たくても結衣ちゃんには関係ないよね」
結衣「…いやまぁ普通はそうなんだけどさ」
結衣「あかりがちゃっかり私の膝に頭乗っけてるからね」
あかり「…」チョコン
あかり「た、たまたまだよぉ…」
結衣「はいはい、いま毛布持ってきてあげるから」
あかり「…」
結衣「はい、京子が勝手に私の家から持ってきたのだけど」フサッ
あかり「えぇ~コレ結衣ちゃんの匂いがするよぉ…」スンスン
結衣「嫌なら幸せなそうな顔して嗅ぐなよ」
あかり「…そ、…んな…ことす…るわけ…」zzz
結衣「やれやれ」
結衣『あかり、ゴメンな一足先に私たちは中学生なんだ』
京子『うん、あかりちゃんとは学年が一つ違うから』
京子『…来年また3人で学校行こうね』
あかり『い、嫌だよぉ…あかりも一緒に中学校いくもん!』
結衣『ワガママ言わないの』
京子『私たちも悲しいけど、いつでも会えるから』
あかり『い、嫌だ、行かないで…置いて行かないでよぉ』グスッ
結衣『さ、行こうか京子』
京子『えへへ結衣そうだね』
あかり『待って、待ってよぉ!!』ポロポロ
あかり「…嫌な夢見ちゃった」グスッ
あかり「あ、あれ結衣ちゃん?」
あかり「うっ、あっ…結衣ちゃ…ぐすっ……どこ」ポロポロ
ガラッ
結衣「ふー寒い寒い、あかり起きてたんだ?」
あかり「…」グスッ
結衣「あ、あかり…泣いてるの?」
あかり「あかりはもう中学生なんだから泣くワケ…」グスッ
結衣「無理しなくていい、怖い夢でもみちゃったのかな」
あかり「う、うぅ・・・うわぁあああああ・・・・・・」ポロポロ
あかり「ひ、1人にしないで、あかり…の…こと…ひっく…」
結衣「あかり…」ギュッ
あかり「うん…」
あかり「…で、でもあ、あかり泣いてなんかないもん」
結衣「もういいからそのキャラ」
あかり「…」
結衣「私はいつもの素直なあかりが一番好きかな」
あかり「ほ、ほんと?」
結衣「というかさっきまでのキャラはなんなの?」
あかり「えっ、えーっと…」
結衣「嫌いと言いつつハグしてくるし」
あかり「うぅ…」
結衣「ほっぺとほっぺすりすりまでしちゃうし」
あかり「…」カァー
あかり「…うぅ」
結衣「ん?…あかり、カバンから本はみ出てるけど」ヒョイ
あかり「あっ!だ、だめぇ見ないで結衣ちゃん!!」
結衣「『乙女必読!伝授!!ツンデレマスターまでの道のり!!!』」
あかり「い、嫌ぁああああああああぁあ」ジタバタ
結衣「だいぶ読み込んだのか、ボロボロだね」
結衣「1.相手をボロクソに罵りましょう」
結衣「2.ハグをしながら罵ると効果は100倍です」
結衣「3.これであなたもツンデレマスターです」
結衣「定価1600円」
結衣「詐欺もいいとこだろコレ…」
あかり「もうお嫁に行けないよぉ…」グスッ
結衣「そもそもツンデレにすらなってないし、ツンデレ自体死語になりつつあるよ」
あかり「そ、そうなのっ!?」
結衣「ツンデレって綾乃みたいな人を指すと思うよ」
あかり「な、なるほど…」メモメモ
結衣「こんな事メモらなくてもいいから」ヒョイッ
あかり「あぁん!」
結衣「あかりがやってたのはナニデレなんだろう…」
あかり「…」
結衣「まぁ、いいかこの本捨てておくよ」
あかり「う、うん」
あかり「は、は~い…」
結衣「ていうかボロクソに言われて結構傷ついた…」
あかり「うっ…」
結衣「まぁ確かに私はとりえのないただのツッコミ役だしね」ズズッ
結衣「お料理のレパートリーも少ないし」
あかり「うぅ…」
結衣「…退屈な人間だよ」
あかり「ゆ、結衣ちゃん…」グスッ
あかり「ど、どんな罰でも受けるから」
あかり「えぐっ…あ、あかりのこと…嫌いにならないで…」グスッ
結衣「罰、か…いいこと考えた」
あかり「…それで許してくれる?」
結衣「うん、あかりは罰として…私の家で夕飯を食べる事」
あかり「へ?」
結衣「昨日カレー作りすぎちゃってさ、嫌とは言わせないからね」
あかり「…」
結衣「あ、その…イヤだったら無理しなくていいからな?」
あかり「う、うぅ・・・うわぁあああああ・・・・・・」ポロポロ
結衣「ちょ、ちょ、あかり!?」
あかり「結衣ちゃんのばかぁ~、優しすぎるよぉ…」グスッ
結衣「…大げさだな、あかりは」ナデナデ
あかり「だって、だって…結衣ちゃんが」
結衣「む、私のせいかよ」
あかり「あかりあんなに酷い事言ったのに…」グスッ
結衣「だからもう気にしてないって」
結衣「それに本心じゃないんだろ?」
あかり「…」コクコクコクコク
結衣「そ、そんなに頷いたら首取れちゃうよ」
あかり「…結衣ちゃんは、なんでもソツなくこなして」
あかり「クールで、運動神経バツグンで、オムライスとカレーがお店に出せるくらい上手で…」
あかり「いっぱいあかりに優しくしてくれる…」ギュッ
結衣「…くすっ、可愛いなあかりは」ナデ
結衣「しっかり着て、寒くないようにね」
あかり「うん!」
結衣「ふふっ、いつもの元気なあかりだね」
あかり「えへへ、ありがと結衣ちゃん」
あかり「…手、繋いでいいかな?」
結衣「ん?いいよ、はい」
あかり「…ありがと、あのね結衣ちゃん」ギュッ
あかり「あかりね、これから頑張って自分に素直になるから」
結衣「…そっか、素直なのがあかりの素敵なところからね」
あかり「…うん、あ、あの、その」
結衣「どうしたの?」
あかり「ゆ、結衣ちゃんの事がずと、ずっとっと」
結衣「…」
あかり「すき…焼き食べたいなぁ」
結衣「…あ、そ」
あかり「あはは、すき焼き美味しいよね」
結衣「でも今日はカレーだからな、すき焼きはまた今度」
あかり「…うん」
結衣「そんなしょんぼりしないでよ、カレーだって自信あるんだから」
あかり「ううん、そういう事じゃなくて…」
結衣「へ?」
あかり「こっちの話だから気にしないで…」
結衣「…」
結衣「元気ないなぁあかり」
あかり「ぇへへ、…そんなことないよぉ」
結衣「ならいいけど」
結衣「…あ、そうだ今日泊まっていけば?」
あかり「え?い、いいの?!」
結衣「どうせ明日土曜日だし、用事がなければだけど」
あかり「用事なんてないよぉ!あってもキャンセルだよっ!!」
あかり「あかりお家に戻ってお泊りセット持ってくるね!」バヒューン
結衣「あまり走ると滑っちゃうよ」
あかり「ひゃわぁ!」ツルッ
あかり「…ぇへへ」
結衣「大丈夫そうだね、それじゃまた私の家でね」
あかり「うんっ!」
結衣「そろそろあかりが来るころかな」
<ピンポーン!
あかり「結衣ちゃんお邪魔しまーす」
結衣「いらっしゃい、よく来たね寒かっただろ?」
あかり「ううん、あかりもお料理手伝うよ」
結衣「いや、もうお皿によそうだけだから大丈夫だよ」
あかり「そっかぁ、えへへ楽しみだなぁ」
結衣「サラダもあるよ、カレーだけじゃ味気ないしね」
あかり「そんな事気にしなくてもいいのに」
結衣「大事なお客様だからね、丁重にもてなさせて頂きますよ」
あかり「こそばゆいから敬語はやめようよぉ…」
結衣「ふふ、そうだな」
結衣「お代わりあるからね、たくさん食べなよ」
あかり「うんっ!」
結衣「ところで結構な荷物だけど、何持ってきたんだ?」
あかり「えへへ、ワンワンのパジャマでしょ、歯ブラシと、あとはプッキーだよ」
あかり「ご飯食べたら2人で分けようね!」
結衣「…くすっ、あかりらしいね」
あかり「い、今バカにしたよね!?」
結衣「プッキーってところがあかりらしいかな」
あかり「も、もぉー!ワケ分からないよ!」
あかり「あとで欲しいって言ってもあげないからね!」
結衣「ふふふ」
結衣「ありがと、今回はシーフードにしてみたんだ」
あかり「へぇ~、ルーに魚介のウマみがたっぷり染みこんでるよぉ」
結衣「三流のグルメレポーターか」
あかり「えへへ、でもホントに美味しいよ?」
結衣「あかりの顔を見れば大体分かるよ」
結衣「ずーっとニコニコしながら食べてるからね」
あかり「…」ムスッ
あかり「はむっ」
あかり「…ぇへへ、やっぱり美味しくて顔が緩んじゃうよぉ」
結衣「…くすっ」
結衣「この間テレビ見て京子が食いたいって言ってね」
あかり「…あ」
結衣「人に作らせるわりには食べに来ないんだよな、アイツって」
あかり「…そうなんだ」
結衣「あかり、どうかした?」
あかり「ううん、なんでもないよ」
あかり「なんでもない…」
結衣「ん、お風呂湧いてるから食べたら入っておいで」
あかり「うん…」
結衣「あかり、大丈夫?顔色悪いけど」
あかり「ううん、大丈夫だよ」
結衣「そっかならいいけど、具合悪くなったらすぐ言うんだよ?」
あかり「ふふ、結衣ちゃんはいつも優しいよね」
結衣「あかりは私にとって大切な存在だからね」
あかり「またそんな事言う…」
あかり「…あかり勘違いしちゃうよ」
結衣「ん、何か言った?」
あかり「ううん、ごちそう様、美味しかったよ」
あかり「お風呂借りるね」
結衣「う、うん…」
あかり「…同じコップに歯ブラシが二つある」
あかり「あはは、分かってたけどね」
ガラッ
あかり「…結衣ちゃんと京子ちゃんの仲に割り込むなんて無理だって」ザバッ
あかり「いいお湯…」チャポン
あかり「分かってたけど、…えぐっ…」
あかり「やっぱり泣いちゃうんだ…ひっく…」ポロポロ
あかり「ひ、1人で浮かれてバカみたい…」
あかり「…お風呂あがったら帰ろうかな」
結衣「…」zzz
あかり「こたつなんかで寝ちゃったら風邪引いちゃうよぉ?」
あかり「ふふ、ねぇ結衣ちゃん」
あかり「あかり、素直になるって言ったよね?」
あかり「でもやっぱり臆病だから…」
あかり「結衣ちゃんが寝ている時にしかこういう事言えないの」
あかり「…ずっと好きだった、男勝りでいじめっ子も蹴散らす結衣ちゃん」
あかり「…かけっこが早くて、お料理も上手で、でもどこか寂しがり屋な結衣ちゃんが」
あかり「ずっとずーっと好きだった…」ポロポロ
あかり「…でもね」チュッ
あかり「これであかりの初恋はおしまい、これで諦めがつくよ」グスッ
結衣「…」zzz
あかり「…また学校でね、その時は仲の良い幼なじみ」
あかり「さようなら、結衣ちゃん」
結衣「…私の返事は聞いていかないの?」
あかり「ひゃわあ!?」
結衣「自分の気持ちを言うだけ言って逃げるのはズルいんじゃないか」
あかり「あっ、うっ…」ダッ
結衣「逃げても無駄だよ、絶対に離さないから」ガシッ
あかり「離して、離してよ結衣ちゃん!!」
結衣「…さっきの言葉があかりの本心なんでしょ」
結衣「あかりは私が好きなんだろ?」
あかり「ち、違うもんっ!!結衣ちゃんの事なんか…」
結衣「…」
あかり「…結衣ちゃんが好きなの、好きで好きでどうしようもないの」グスッ
結衣「…そっか」
結衣「だからそれがまずおかしいだろ」
あかり「だ、だって同じコップに歯ブラシが!!」
結衣「…ちゃんと大きさ見たか?」
あかり「へ?」
結衣「あんな幼稚園児用の小さいのを京子が使うのか」
あかり「えっ?えっ?」
結衣「あれ、まりちゃんのなんだけど」
あかり「そ、そんなすぐばれる嘘付かないでよ…」
結衣「いらっ、ちょっとここで待ってろ」
あかり「うっ…」
結衣「おおかた、暗くて部屋が見えなかったんだろ」
結衣「…まぁ確かに京子を家に泊めてるのは事実だけどね」
結衣「それでも2週に1回あるかないかだよ」
あかり「やっぱり泊めてるんだ…」
結衣「だーかーら!それで私が京子を好きっておかしいだろうが!」
あかり「…信じていいの?」
結衣「信じられないのか?」
あかり「…ううん、結衣ちゃんを信じるよ」
あかり「…」グスッ
結衣「今日の部室とか明らかにおかしかったし」
結衣「あかりは分かりやすい性格だからね」
あかり「…うん」
結衣「…ただ、自信が無かった」
結衣「女の子どうしだし、あかりを本当に幸せにできるのか不安だった…」
結衣「このまま仲の良い幼なじみでいた方がお互いいいんじゃないかって思ってた」
あかり「女の子どうしとか、そんなの関係ないもん…」ギュッ
あかり「結衣ちゃんが側にいてくれればあかりは!」
結衣「…私もそれでいいんだ、難しい事を考えるのはやめた」
結衣「結婚とか出来なくてもいい、あかりが側にいてくれれば…」
結衣「…あかり、目閉じて」
あかり「…」
結衣「…」チュッ
あかり「…自分でするより、してもらう方がいいかも」
結衣「寝込みの私にキスするなんて結構大胆だよね」
あかり「あぅ…」
結衣「…もう諦める必要なんてない、あかりの初恋は実ったんだから」
あかり「…うん」グスッ
結衣「また泣いちゃうの?…けっこう泣き虫だよねあかりって」
あかり「泣き虫でもいいもん、結衣ちゃんが守ってくれるから…」
結衣「はいはい」ギュッ
あかり「んっ、えへへ…」
あかり「…えへへ」
結衣「ふふ…あのさ、あかりに頼みがあるんだけど」
あかり「何でも言って、結衣ちゃんの恋人なんだもんっ!」
結衣「…」モジモジ
あかり「あ、あの、その…え、えっちなのはダメだからね?」
結衣「ち、違う!!…その、あかりワンワンが見たい」
あかり「…へ?そんなことでいいの?」
あかり「じゃあすぐ着替えてくるねっ~」
結衣「…あかりワンワン」
あかり「じゃーん、お待ちかねのあかりワンワンだー!」
結衣「お、お手」
あかり「わんっ♪」ポフ
結衣「おかわり」
あかり「わんわんっ♪」ポフ
結衣「ふふふ、いい子いい子」ナデナデ
あかり「えへへ…あ、その…ご褒美が欲しいなぁ結衣ちゃん」
結衣「ご褒美?…お菓子あったかな、ちょっと待っててね」
あかり「そ、そういうご褒美じゃなくて!」
結衣「あ、あぁ…そういう事」
結衣「…」チュッ
あかり「えへへ…幸せ」
結衣「あはは、なりきってるなぁあかり」ナデナデ
あかり「えへへ…」
あかり「あ、そうだプッキー食べようよっ!」
結衣「そういえばそんなことも言ってたね」
あかり「あなたたも私もぷっきー♪」ゴソゴソ
結衣「…なんだこの可愛い生き物」
あかり「へ?」
結衣「いや、あかり可愛いなぁと思って」
あかり「…ゆ、結衣ちゃんもカッコ可愛いよ」
結衣「そ、そりゃどうも」
結衣「あーん」
あかり「えへへ、美味しい?」
結衣「うん、普通のプッキーだね」
あかり「そこは、あかりのだから余計美味しいよ…とか言ってよぉ!!」
結衣「…誰だよ、私そんなこと言わないから」
あかり「…」グスッ
結衣「これくらいで涙ぐまないの、はいあ~ん」
あかり「あ、あ~ん…」
結衣「…なんちゃって」ポリポリ
あかり「…ゆ、ゆ、結衣ちゃんのバカぁ!!」
結衣「ふふふ」
あかり「…」ツーン
結衣「ありゃりゃ」
あかり「…キスしてくれたら許してあげる」
結衣「はいはい」チュッ
あかり「…えへへ~」
結衣「ふふ…明日は2人でどこかお出かけしようね」ギュッ
あかり「んっ…家族に結衣ちゃんのこと紹介したいなぁ」
結衣「幼なじみなんだからそんなの今さらだろ?」
あかり「その、あかりの恋人として…」
結衣「…あのさ、私たちまだ中学生なんだけど」
結衣「気が早すぎるだろ」
あかり「えーそうかなぁ?」
あかり「えぇ、なんで!?」
結衣「なんか悪寒がするんだよ…」
結衣「…あ、そうだ」
結衣「隣町の駅前にケーキバイキング出来たんだって」
あかり「ほんと!?」
結衣「初デートはそこでどうかな?」
あかり「えへへ、もちろんOKだよっ!」
結衣「…あかり、私が幸せにするからな」ギュッ
あかり「それじゃ、結衣ちゃんの事をあかりが幸せにするね」ギューッ
結衣「ふふ、ちょっと頼りないけど期待してるよ」
あかり「頼りないは余計だよぉー!」
結衣「ずーっと一緒だよ、あかり」
あかり「うん!!」
おしまい!
乙でした
乙
Entry ⇒ 2012.02.13 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
凛「携帯電話なんて通話できればいいでしょ?」セイバー「ですね」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1328925082/
凛「……」
凛(携帯電話、買ったはいいけど……使い道がないのよね……)
三枝「蒔ちゃん、昨日のメールどういう意味なの?」
蒔寺「え?面白くなかった?」
三枝「いや、だって……『( ゚Д゚)y─┛ゆきっちぃ、フォォ』だもん。意味、分からないよ?」
蒔寺「駄目だな。分かったないなぁ、ゆきっちはよぉ」
三枝「ご、ごめんね?」
氷室「お前のメールほど金の無駄遣いはないな」
蒔寺「へっへーん。しらないのかぁ?メールはただなんだぜ?」
氷室「……まぁいい」
凛(メールか……できれば楽しいのかしら……?)
凛「ただいまぁ」
大河「おふぇりー」ポチポチ
凛「あら?藤村先生、メールですか?」
大河「うん。学生時代の友達にねー。よし、送信っと」
凛「……」
大河「なに?どうかした?」
凛「メールって楽しいものですか?」
大河「そうね。気軽に連絡取り合えるしね」
凛「ふーん」
大河「遠坂さんもしてみたいの?」
凛「いえ。携帯電話なんて通話できればいいと思いますし」
大河「そう?寂しいと思うけど」
凛「機能過多なんですよ。はっきりいって」
大河「まあ、そうかもね」
凛(とはいっても……電話をかけるのもこれ、結構難しいのよね……)
凛「えっと……番号を押して……」
凛「このボタンをおせば……」ピッ
トゥルルルル
凛「あは、繋がったわ。うん。これぐらいはできるわよ、私だって」
セイバー「もしもし、衛宮ですが」
凛「もしもし?遠坂凛よ」
セイバー「リン?居間に居たのでは?」
凛「ふふー。瞬間移動よ」
セイバー「いつのまにそんな魔術を……」
凛「すごいでしょー」エッヘン
士郎「遠坂、電話代の無駄だからそういうことするな」
凛「え?タダって聞いたけど?」
士郎「誰にだ……」
士郎「当然だろ」
凛「あわわ……」
士郎「全く」
セイバー「リン!?もう戻ったのですか!?」
凛「まあね」
セイバー「魔法の域ではありませんか」
凛「ふっ。これぐらいはできないとね」
セイバー「流石ですね」
凛「ふふーん」
士郎「……」
桜「せんぱーい、ただいまー」
士郎「悪いな、買出し頼んで」
桜「いえ。気にしないでください」
桜「あ……メールだ」
凛「?!」
士郎「桜、携帯電話買ったのか?」
桜「はい。最近、兄さんがよく夕食に帰ってこないので、思い切って買いました」
士郎「どういうことだ……」
桜「これがあればいつでも兄さんを呼び戻せるんで」
士郎「そ、そうか」
桜「あと部活の連絡なんかもすぐにできるので、便利です」
士郎「ま、そうだろうな。今のメールは?」
桜「美綴先輩からです」
士郎「そっか」
凛「……ねえ、桜?」
桜「はい?」
凛「メール……楽しいの?」
凛「ふーん」
桜「あ、返信、返信っと」
セイバー「間桐の者は全員所持しているのですか?」
桜「はい。私と兄さん、ライダーにも」
士郎「ライダーもか?」
桜「ほら、ライダーはアルバイトしているのですぐに連絡をとれるものが欲しかったみたいで」
士郎「なるほどな」
凛「……」
桜「そういえば、姉さんも携帯電話もっているんですよね?」
凛「え、ええ」
桜「交換しませんか?」
凛「いやよ。これは私が買った携帯電話なんだから」
桜「はい?」
凛「なんでわざわざ交換しなきゃいけないの?」
士郎「遠坂、この場合の交換っていうのは携帯電話の番号とアドレスのことだ」
凛「番号を交換?なにそれ、めちゃくちゃね。まだ、自分の番号だって覚えてないのに」
士郎「違う。互いの番号を教えあうってことだ」
凛「あ、そうなの?」
桜「姉さん……」
凛「わかったわ。じゃあ、ちょっと待ってね」
凛「士郎、紙とペン」
桜「姉さん、赤外線でできますよ?」
凛「赤外線?なによそれ?」
桜「えっとですね……貸して下さい」
凛「……なによ?」
桜「ここを押して……メニュー画面から……ここを選択するんです」
凛「ふーん」
桜「で、ここの部分を合わせれば……はい、完了です」
桜「じゃあ、掛けてみますね」ピッ
ピリリリ
凛「わぁ!?」
士郎「なんで驚くんだ?」
凛「こ、これが鳴ったの初めてなのよ……。で、どこを押せばいいわけ……?」オロオロ
桜「……」
凛「え?あ、ここね」ピッ
桜「姉さん、切らないでください」
凛「え?うそ?あ、こっちか」ピッ
凛「もしもーし」
桜「もう遅いですから」
士郎「遠坂……」
凛「な、なによ!!まだ慣れてないんだから仕方ないでしょ!!」
セイバー「……」
セイバー「リン」
凛「ん?」
セイバー「以前、シロウから聞いたのですが、携帯電話は通話とメールのほかにも色々なものが備わっているとか」
凛「どうでもいいわ。緊急連絡用の道具なんだから」
セイバー「しかし、もたらされた能力を100%使わないのは宝の持ち腐れでは?」
凛「……」
セイバー「リンともあろう者がそこを妥協してしまうのですか?」
凛「なに?セイバー、興味あるの?」
セイバー「い、いえ……そういうわけでは……」
凛「隠さなくてもいいわよ。はい、どうぞ」
セイバー「え?触ってもいいのですか?」
凛「壊さないでね?」
セイバー「ど、どうも……えーと……」ポチポチ
凛(ふふ、新しい玩具を与えられた子どもみたいね)
凛「え?なに?」
セイバー「……そのまま動かないでください」
凛「ちょ……なによ!!まさか、ビームでもでるの?!」
セイバー「……」カシャ
凛「……え?」
セイバー「ほら、見てください」
凛「なになに?あ、私だ」
セイバー「写真機の機能ですね」
凛「うそ?電話なのにカメラになるの?なんで?」
セイバー「それはしりませんが……」
凛「私もやりたい!貸して」
セイバー「どうぞ」
凛「えっと……」ポチポチ
凛「んー……?ちょっと、いつもの画面に戻ったわよ?どういうこと?」
凛「どうやって?」
セイバー「中央のボタンを押してください」
凛「こう?」
セイバー「それはダイヤルボタンの5です」
凛「中央って言ったじゃない」
セイバー「えっと……この上のほうです」
凛「なんだ、初めからそういってよ」
セイバー「申し訳ありません。言葉足らずでした」
凛「はい、押したわよ」
セイバー「それからここを選択するのです」
凛「わかったわ……」グッ
セイバー「リン、この携帯は画面を押さえても選択できませんよ?」
凛「じゃあ、どうやるのよ?」
セイバー「……」イラッ
凛「あー、なるほどねー」
セイバー「そのカーソルをカメラと表示されているところに合わせます」
凛「ふんふん」
セイバー「で、真ん中のボタンを押してください」
凛「とう。―――あ、できたわ!!」
セイバー「おめでとうございます」
凛「へー、なるほどねー。セイバー、一枚いいかしら?」
セイバー「どうぞ」
凛「……で、シャッターはどこで切るの?」
セイバー「それも真ん中です」
凛「なるほど。わかってきたわ」カシャ
セイバー「どうですか?」
凛「みてよ!!これ!良く撮れてると思わない?!」
セイバー「ええ。素晴らしいですね」
士郎「なんだ?」
凛「これ、私がとったの!どう?どう?」
士郎「ああ、綺麗に撮れてるじゃないか」
凛「そうよねぇ。うんうん」
凛「さくらー」
桜「どうしたんですか?」
凛「みてー、これ、私がとったの」
桜「このよく撮れていますね」
凛「でしょー?ふふん。かなり慣れてきた感じね」
セイバー「随分と嬉しそうですね」
凛「え?そんなことないわ。遠坂は常に優雅たれ、ですもの」
セイバー「そうですか。それより、写真を撮ったら」
凛「現像ね。どうするの?」
セイバー「いえ、保存をしましょう」
セイバー「その写真を携帯の中に保存するのです」
凛「へー。すごいのね」
セイバー「ここを押せばできますよ」
凛「ふんふん……保存しました、だって」
セイバー「それで完了ですね」
凛「なるほど。携帯電話も中々、すごいじゃない。見直したわ」
セイバー「他にも色々と機能があるでしょうから自分なりに探ってみるのもいいのでは?」
凛「ええ。そしてみるわ!」
セイバー「……」
凛「ふんふーん」ポチポチ
凛「あ、あれ……?」
凛「なにこれ……ん……?」
凛「あ、れ……?変なのがでてきた……え?着信設定ってなに……なにこれ?故障?」オロオロ
セイバー「リン、貸して下さい」
士郎「なんだ、今日は帰るのか」
凛「うん。ちょっと用事もあるしね」
士郎「わかった。また、明日な」
凛「ええ。それじゃあね」
桜「姉さん、携帯電話に四苦八苦してましたね」
士郎「ま、遠坂だからな」
セイバー「シロウ……」
士郎「ん?」
セイバー「あの……その……」
士郎「どうした?」
セイバー「差し出がましいお願いをしたいのですが……」
士郎「珍しいな。なんだ?」
セイバー「私にも携帯電話なるものを……与えてくれませんか?」
士郎「……なんでさ?」
凛「ただいまー」
アーチャー「おかえり」
凛「……さてと」
凛「アーチャー。こっちを向きなさい」
アーチャー「なにかな?」
凛「えい」カシャ
アーチャー「……?」
凛「どう?携帯電話のカメラよ。電話にカメラを付加させるなんて発想、頭がいかれてるわね開発者は」
アーチャー「それで?」
凛「みて。―――保存」ピッ
アーチャー「……」
凛「ふふーん」
アーチャー「では、今保存した写真を出してみてくれ」
凛「え?出すって?そんなの写真屋さんじゃないと無理よ。現像するときまでのお楽しみね」
凛「そうじゃないの?カメラって基本、そうでしょ?」
アーチャー「……」
凛「な、なによ……?」
アーチャー「いいか?デジタル化された電子データとしてだな」
凛「??????」
アーチャー「もういい。貸せ」
凛「あ……」
アーチャー「いいか?ここのフォルダというところを選択する」
凛「うん」
アーチャー「すると、保存した写真が閲覧できる」
凛「す、すごいじゃない!!」
アーチャー「それぐらい触っていればわかるだろうに」
凛「こ、壊れたら大変じゃないの……!」
アーチャー「携帯電話はそんなに柔ではない」
ピリリリ
凛「あ、電話。はい、遠坂ですけど?」
凛「あれ?もしもし?もしもーし?」
アーチャー「凛、良く見ろ」
凛「え?押すボタンは間違えてないと思うけど……」
アーチャー「違う。着信ではない。その携帯は今、受信したんだ」
凛「電波を?」
アーチャー「……メールだ」
凛「ふーん。メールね……えっと……どうするのかしら……?」
アーチャー「……」
凛「あれ……ここかしら……?ん?アプリを選択?ここにメールが……?」
アーチャー「……」イラッ
凛「もう!!腹たつわね!!」
アーチャー「もういい!貸してみろ!!見てられん!!」
アーチャー「どうやら桜からメールが届いたようだな。ほら」
凛「んー?」
『姉さん、明日の晩御飯はどうしますか?』
凛「そっか。この程度の連絡を交わすのにメールは適しているわけね」
凛「……」
アーチャー「どうした?」
凛「返事はどうやって返せばいいの?」
アーチャー「そこからか……。返信というところがあるだろ?」
凛「あるわね」ピッ
アーチャー「で、文字を打つ」
凛「……どこで?」
アーチャー「ダイヤルボタンだ。1があ行、2がか行になっているだろう」
凛「連続で押せば文字がかわるのね。ふんふん……」ポチポチ
アーチャー「全く、猫に小判だな」
桜「あ、姉さんから帰ってきた」
桜「どれどれ……」
『あしたはわたしがつくるからさくらはかえつてまつてていいわよ』
桜「……」
ライダー「桜?画面を見て硬直していますが、なにか?」
桜「ううん。驚いただけ」
ライダー「そうですか」
桜「えっと……分かりましたっと」ポチポチ
桜「送信」
ライダー「……しかし、桜。私まで携帯電話を頂いてよかったのですか?」
桜「うん。気にしないでいいよ」
ライダー「ありがとうございます」
桜「使いこなしてる?」
ライダー「まぁ、なんとなくは。このお財布ケータイという機能が非常に便利ですね。簡素な買い物ならすぐに済みますし」
士郎「うーん……」
ライダー「士郎、まだ寝ないのですか?」
士郎「あ、ライダー」
ライダー「それは……携帯電話のカタログですか」
士郎「藤ねえに頼んで持ってきてもらったんだ」
ライダー「どうして?」
士郎「俺も携帯持ったほうがいいかなって」
ライダー「え?」
士郎「実は考えてなかったわけじゃないんだ。ネコさんも持ってくれたほうがありがたいって言ってたし」
ライダー「なるほど。私と同様に仕事のためですか」
士郎「うん。あとセイバーがほしいっていってるから。この際、まとめて加入しようかなって」
ライダー「セイバーにですか?必要ですか、彼女に」
士郎「最近は外出することもあるし、欲しいんだってさ」
ライダー「無駄なようなきもしますが……」
士郎「俺はシンプルなのでいいかなって。通話とメールさえできれば文句ないし」
ライダー「ふむ」
士郎「ただ、セイバーはやっぱり最新のタッチパネル式のやつがいいかなって思うんだけど」
ライダー「え……」
士郎「携帯電話って結構するんだな」
ライダー「士郎?」
士郎「なんだ?」
ライダー「セイバーにそんな高機能の物を持たせる意味が……」
士郎「でも、俺と一緒のじゃセイバーは退屈だろうから」
ライダー「……」
士郎「ほら、色々機能があるしセイバーでも暇を潰せるんじゃないかなって」
ライダー「まあ、士郎がそういうなら止めませんが」
士郎「なんか問題でもあるのか?」
ライダー「いえ。なにも」
凛「ふぅ……もう寝ましょう……」
凛「よっと」パカッ
凛「あ、桜からメールが……」
『わかりました』
凛「……」ポチポチ
凛「うーん……と……」
『じやあそういうことでおやすみさくら』
凛「これでよし。送信っと」
凛「うん。結構いいじゃない、メールも」
凛「他にどんな機能があるのかしら……?」
凛「……」ポチポチ
凛「ふんふーん」
凛「ん?ダイヤルロック?なにかしら……?」ピッ
凛「……あ、あれ?暗証番号?え?ちょっと……なによこれ……」オロオロ
凛「あぁぁぁぁ!!!!このやろう!!機械の分際で!!!」ガンガン
アーチャー「なにをしている!!」
凛「……アーチャー……」
アーチャー「どうかしたのか?」
凛「携帯が壊れた……」オロオロ
アーチャー「……」
凛「何もしてないのに……。いきなり言うこと聞かなくなって……」
アーチャー「貸してみろ」
凛「直せる?」
アーチャー「どうせ、ロックでもしたのだろう?」
凛「知らないわよ……」
アーチャー「ふむ……暗証番号はどうせ設定していないのだろうから……1111、1234、9999のどれかだな」
アーチャー「―――ほら、直ったぞ」ポイッ
凛「あ、ありがとう……」
凛(携帯電話も色々と難しいわね。全く、主人の言うことぐらい聞きないよ)
携帯電話「」
凛(わかってんの、このこの)ツンツン
三枝「……」
氷室「どうした?」
三枝「あ、遠坂さんが携帯電話とお話してるみたいで」
蒔寺「うわ。遠坂ってああいうメルヘンなところがあったのか?」
氷室「うむ。見ようによっては持ち物を大事にしている、と解釈もできるが」
三枝「遠坂さんも可愛いところがあるんだね」
蒔寺「ああいうタイプは家でぬいぐるみと喋ってるのかもなぁ」
氷室「あまり想像したくはないな」
凛「……」ツンツン
凛(私のしたいことをさせてくれればいいんだからね)
美綴(遠坂、悩み事でもあるのか……?)
ピリリリ
凛「ん?えっと……これは……電話のほうね。―――はい、遠坂ですけど」
桜『姉さん、さっき先輩が夕飯の材料を買って帰るからって言ってました』
凛「あら、そうなの?」
桜『はい。なので姉さんはそのまま先輩の家に直行してください』
凛「わざわざありがとう」
桜『いえ。それでは』
凛「……」ピッ
凛「便利じゃない」
蒔寺「遠坂!!」
凛「あら?なにかしら?」
三枝「あ、あの……よかったら携帯番号とアドレス……おしえてください!!」
凛「え……」
氷室「無理なら構わないが、是非とも教えて欲しい」
三枝「あ、は、はい!!」アセアセ
凛「そんなに焦らなくてもいいわよ?」
三枝「あ、ああわわ……」
蒔寺「んじゃ、まずはわたしからー!はい、赤外線」
凛「ええ」スッ
蒔寺「……」
凛「……」
蒔寺「あれ?できないぞ?」
凛「え?うそ?」
蒔寺「もっかい」
凛「ええ」
蒔寺「おい。交換する気ないのか?私とは嫌なのか?!」
凛「あるけど……」
氷室「うむ。赤外線通信の画面に切り替わっていないな」
蒔寺「え?」
凛「え?」
三枝「あ、あの……遠坂さん。ちょっといいですか?」
凛「ええ」
三枝「よいしょ……」ポチッ
凛「……?」
三枝「えっと、このまま交換してもいいですか?」
凛「ええ。いいわよ」
三枝「ありがとうございます。ほら、蒔ちゃん、鐘ちゃん、携帯だして」
氷室「ああ」
蒔寺「これでいいか?」
三枝「……よし。ごめんなさい。勝手に触ってしまって」
凛「いいのよ。それじゃあ、いつでもメールしてね」
氷室(ふむ……由紀香は本当にできる子だな)
セイバー「おぉ……これが……タッチパネル式の……!!」
士郎「大事にしてくれると嬉しい」
セイバー「無論です。後生大事に扱います」
士郎「うれしいよ、セイバー」
セイバー「私も嬉しいです。では、早速……」
士郎「どうだ?」
セイバー「シロウ!!見てください、指をこうすると」スッ
士郎「すごいな!画面がうごくぞ!」
セイバー「これは楽しいですね」スッスッ
士郎(セイバーも喜んでるし、買ってよかったな。かなりの出費だけど)
セイバー「おぉ……ふむふむ。シロウの携帯番号が一番最初に登録されていますよ!」
士郎「一緒に加入したからな。入れてくれたんだろう」
セイバー「これならシロウの声がいつでもすぐに聞けますね」
士郎「あ、ああ……確かに」
士郎「ただいまー」
セイバー「……」スッスッ
凛「おかえり。どこかに行ってたの」
士郎「ちょっと、携帯を買いに」
凛「士郎もついに重い腰をあげたわけね」
士郎「ま、そういうことだ」
凛「ん?」
セイバー「……」スッスッ
凛「ちょっと、セイバーのそれ……」
士郎「今、流行の最新機種だ」
凛「な、なんで?」
士郎「セイバーも遠坂に触発されたんじゃないか?」
凛「……」
セイバー「……」スッスッ
凛「ええ。材料は置いてて」
士郎「わかった。さてと、洗濯物でもいれるか」
セイバー「おぉ……ふむふむ」スッスッ
凛「セイバー?」
セイバー「はい?」
凛「楽しい?」
セイバー「ええ。これは味わったのことのない感覚です」
凛「ふーん。ねね、すこし触らせてよ」
セイバー「はい。どうぞ」
凛「ふーん……」スッ
凛「おぉ……これはなんか面白いわね」
セイバー「ええ。シロウにはいくら感謝してもし尽くせません」
凛「よっと、ほっと……ん?」ガシャ
凛「あれ……?なんか項目がごっそりへった……?」
凛「え、ええ……そ、そうね」
凛(あれ……どこいったの……?あれー?)
凛(ちょっと……なによ!!第二魔法かなにかなの?!)
凛(どこ……どこにいったの……!!)オロオロ
セイバー「それさえあればシロウといつでも言葉を交わすことができる。私は本当に幸せです」
凛「……」オロオロ
セイバー「リン?」
凛「な、なに?!」
セイバー「どうかしたのですか?必死に画面をこすっていますが」
凛「なにもないわ!!これほんとに病みつきになるわー!!」
セイバー「そうですね。私も今日からその機器について学んで行こうと思います」
凛「そ、それがいいわね」
セイバー「では、リン。そろそろ―――」
凛「もうちょっと貸してて!!いやぁーこれすごいわねーここまで技術が発達するなんてーほほほ!!」アセアセ
凛「あ、そ、そうね!!そうよねー!!」
セイバー「……?」
凛(どうしよう……どうしよう……)ウルウル
凛(やだ……こんなの……やだ……)ウルウル
凛(セイバーは怒るんじゃない……きっと……)
セイバー『そうですか。私には縁がなかったということでしょう……残念です』
凛(だめよ……そんなの……!!!)
凛(なんとかしなきゃ……なんとか……!!)
凛「うぐっ……ぐすっ……」
セイバー「リン……?」
凛「……」スッスッ
セイバー「リン?」
凛「ちょっと黙ってて!!」
凛(どうしよう……どうしたら……!!)
士郎「遠坂?夕食の準備はどうした?」
凛「士郎……?!」
士郎「ん……?」
凛「あ……あのね……」オロオロ
士郎「遠坂、携帯鳴ってるぞ」
凛「え……?」
ピリリリ
凛「あ……えと……」ピッ
凛「も、もしもし……?」
アーチャー『やっと出たか。今日は帰らないのか?』
凛「う、うん……」
アーチャー『何かあったのか?』
凛「え……いや、なにも……」
凛「なにもないわよ」
アーチャー『そうか。衛宮士郎の家にいるのか?』
凛「え、ええ……」
アーチャー『わかった。五分でいく。それまでもたせろ』
凛「え?」
ブツッ
凛「あ、ちょっと!!」
凛「……」
士郎「誰からだ?」
凛「アーチャー、今からくるって」
士郎「なにしに?」
凛「さ、さぁ……」
セイバー「あの……そろそろ携帯を……」
凛「あ、あと五分だけ!!お願い!!」
凛「あ、うん……今日はやっぱり士郎がつくって」
士郎「わかった」
セイバー「リン、よほど気に入ったのですね」
凛「う、うん……まぁね」
ピンポーン
凛「あ、きた」
セイバー「……」スタスタ
セイバー「―――はい?」
アーチャー「私だ」
セイバー「どうぞ、開いています」
ガラッ
アーチャー「ありがとう」
凛「アーチャー!!!」ダダダッ
アーチャー「悩みの種はなんだ?早く出せ」
アーチャー「ふむ……」
セイバー「あの……それ、私の携帯なのですが……」
アーチャー「なるほど。アプリが吹っ飛んでいるな。器用に不器用なことをするな、君は」
凛「いや……触ってただけなんだけど……」
アーチャー「……」ピッピッ
凛「……」ソワソワ
セイバー「アーチャー?何をしているのですか?」
アーチャー「―――完了だ。セイバー、返却する」
セイバー「ど、どうも」
凛「アーチャー……」
アーチャー「慣れないものには触るな。これは教訓だな」
凛「うん……ごめん……」
アーチャー「ありがとうの間違いではないかな?」
凛「あ、ありがとう……アーチャー……」
セイバー「はい」
凛「うん」
セイバー「なんだったのですか?」
凛「えっと……あいつにも色々と事情があるのよ!」
セイバー「そうですか。あ、そうです。リンの携帯番号とアドレス、教えてもえらますか?」
凛「え、ええ。いいわよ!あ、士郎のやつもついでに教えてくれないかしら?」
セイバー「そうですね。わかりました」
凛「赤外線を……」
セイバー「む……?」
凛「どうかしたの?」
セイバー「いえ。既にリンの番号が登録されています」
凛「え……どうして……?」
セイバー「いつのまに……先ほどまではシロウのものしかなかったのに」
凛「不思議ね」
凛「はい」
セイバー「……」ピッピッ
セイバー「できました」
凛「これで私は登録件数が6人になったわ」
セイバー「もうそんなに?」
凛「今日、クラスメイトに交換をせがまれてね」
セイバー「なるほど。学友が多いことはいいことですね」
凛「まぁね」
セイバー「そうだ、リン。メールをしてみたいのですが」
凛「いいわよ。送ってみて」
セイバー「では……」
セイバー「……よし」
ピリリリ
凛「おお、ちゃんと届いたわね」
凛「……」
セイバー「どうでしょうか。まだ拙い部分もあると思いますが」
凛「セイバー、この末尾にある記号はなに?」
セイバー「顔文字というやつですね」
凛「顔文字?」
セイバー「顔に見せませんか?」
凛「……あ、見えるわ」
セイバー「それを使うことで文字でも心情をより分かりやすく伝えることができると、説明書に書いてありました」
凛「あ、読んだの?」
セイバー「はい。購入した店で流し読み程度ですが」
凛「そう……」
セイバー「リン、返信をお願いします」
凛「おっけー」
凛「んしょ……」ポチポチ
セイバー「来ました」
凛「ふぅ……」
セイバー「どれどれ……」
『あちやのことはよくわからないけどまあじじようがあるんでしようねきつと』
セイバー「あの」
凛「なに?」
セイバー「これは暗号ですか?」
凛「え?違うけど」
セイバー「一応、確認しますが、なんと打ち込みましたか?」
凛「そのままだけど……『アーチャーのことはよくわからないけど、まあ、事情があるんでしょうね、きっと』よ?」
セイバー「この文章ではそれは伝わりません」
凛「いや、だってほら、どうやってカタカナや漢字にするのかわかんないし」
セイバー「リン……」
凛「なんで哀れむように見るのよ!!いいじゃない!!まだ始めて二日目なんだからぁ!!」
士郎「ごはんにするか」
凛「それで……?ここで変換したらいいのね?」
セイバー「そうです」
士郎「もしもーし」
凛「な、なによ!!」
士郎「夕食にしよう」
セイバー「はい」
凛「はぁ……ま、これでなんとか……」
セイバー「そういえば桜がまだのようですが?」
士郎「少し遅くなるから先にどうぞって」
セイバー「では、遠慮なく。いただきます」
ピリリリ
凛「誰かしら……?三枝さんか……なになに……?」
『遠坂さん、突然のメールごめんなさい。試しに送ってみました』
ピリリ
三枝「返信きた……!!」
氷室「内容は?」
『ありがとう。嬉しいわ。これからも気軽に送ってきてくださいね。ムキィィィィイ━━━━━(#`Д´)凸 』
蒔寺「……」
氷室「……」
三枝「……遠坂さんにメールは送らないほうがいいかも」
蒔寺「あ、あれだよ!たまたまだってゆきっち」
氷室「うむ。そうだろう」
三枝「……」シュン
氷室「私たちもメールはなるべく控えたほうが無難だな」
蒔寺「遠坂、マジでこわいな……」
三枝「はぁ……やっぱり、私じゃ遠坂さんとメールもできないんだぁ……」
凛「うーん……いい感じね。メールもなんとかできるようになったし」
凛「あとは……どんな機能があるのかしらね……」
凛「ん……?」
凛「そういえば着信音を変更ってあるけど、これってなんなのかしら……?」
凛「……」ポチポチ
凛「曲をダウンロードする……?」
凛「なんだろ……」ポチ
凛「へえ……なるほど。これで曲を増やせばいいのね」
凛「試しに10曲ぐらい増やしてみようかなぁ」
凛「ふんふーん」ポチポチ
凛「ダウンロードを開始……っと」
凛「うんうん。こうやって充実させていくのね」
凛「いいじゃないの」
士郎「うーん……ふぅ……そろそろ……」
ピリリリ
士郎「セイバーからメールか……」ピッ
『シロウ、今夜は冷えるので十分に暖かくしてください。(*´ェ`*)』
士郎「……ありがとう、そうするよ……」ポチポチ
士郎「セイバー……相当嬉しいんだろうな……」
ピリリリ
士郎「ん……これは桜か」
『せんぱーい、今日はさむいですよ(≧∇≦)キャー♪ 風邪にはちゅういですからねヾ(*´・ω・`*)σ[了イ=ノ〒ノレ] 』
士郎「……桜も気をつけるようになっと」ポチポチ
ピリリ
士郎「次は遠坂か……なになに……?」
『カキーン!( `皿´)。/)≡≡≡≡≡≡≡>十○ 』
士郎「……ねよ」
凛「おはよう、三枝さん」
三枝「あ、はい。おはようございます」
蒔寺「おっす」
氷室「おはよう」
凛(なんかよそよそしいわね……)
美綴「おっす。遠坂」
凛「どうかした?」
美綴「携帯もってるんでしょ?教えてくれよ」
凛「何に使う気かしら?」
美綴「遠坂のアドレスなんて高値で取引されそうだ」
凛「そういうことはしないでね。知らない番号には応じないようにしているから」
美綴「冗談だって」
凛「えっと……」
美綴「どうせ赤外線のやりかたわかんないんだろ?貸してみ」
ピリリリ
凛「お……?」
『屋上に来るか?桜も誘ったけど』
凛「……」ポチポチ
凛「よし……」
凛(これならわざわざ誘いにいく必要がないのね)
凛(持ってて良かったかもね、携帯電話)
凛「さ、屋上に行きましょうか」スタスタ
士郎「お、遠坂から返信だ」
『了解したわ。行くから待ってて。o(^-^)o ツモ!!囗囗囗固固固圈圈圈囚囚囚圀圀パタリ 』
士郎「……」
士郎「わかった。あいつ顔文字の意味が分かってないんだな」
士郎「教えてやらないと」
凛「えー?なによそれー?」
桜「ですから、この顔文字は謝っているものなので、謝罪するときに使うんです」
士郎「こっちは喜びだから、嬉しかったことを報告するときに使うんだ」
凛「ちょっと、いっぺんに言わないで。メモするから」
桜「姉さん……」
ピリリリ
士郎「ん……はい?」
セイバー『シロウ』
士郎「どうした?」
セイバー『いえ。声が聞きたくなりました』
士郎「な……」
セイバー『いいですね。シロウといつでも繋がっているようです』
士郎「あ、そ、そうだな……はは」
凛「……」
桜「姉さん?」
セイバー『シロウが作ってくれた昼食ですが―――』
士郎「うん」
凛「……」
『留守番電話サービスに接続します』
凛「士郎のバーカ」
凛「よし……」ピッ
桜「何をしたんですか?」
セイバー『では、失礼します』
士郎「ああ」
士郎「……ん?なんだ、留守電が……」ピッ
『士郎のバーカ』
士郎「……遠坂?」
凛「桜、この顔文字はどういう意味があるの?」
凛「……」ポチポチ
凛「あ、この待ち受け画像ってやつ好みの絵ね。ダウンロードしよ」ポチ
凛「うーん……あると便利ね」
凛「少しずつだけど使いこなせるようになってきたし……うん」
凛「……あら?」
イリヤ「……」
凛「どうしたの?珍しいわね」
イリヤ「あ、リン。シロウは?」
凛「まだ、校舎内ね」
イリヤ「ふーん……」
凛「なにか用事?」
セラ「お嬢様、もう帰りましょう」
イリヤ「だめよ。今日はシロウを待つの」
凛「なによ?士郎になにかあるの?」
凛「ちょっと待って、今呼んであげるわ」
イリヤ「それ携帯電話?」
凛「ええ」
イリヤ「そう……」
凛「……もしもし?士郎?イリヤが来てるんだけど……うん、そうなの」
イリヤ「……」
凛「30分もかかるの?じゃあ、イリヤをそっちに連れて行っても……うん、わかった。はーい」
凛「イリヤ、士郎はしばらく手が離せないみたいだから連れて行ってあげるわ」
イリヤ「うん」
セラ「はぁ……では、よろしくおねがいします」
凛「貴女は一緒にこないの?」
セラ「流石に衆目を集めたくありませんから」
凛「あ、そう?」
イリヤ「早く行きましょう」
一成「なるほどな。衛宮も携帯電話を」
士郎「一成も持ってみたらどうだ?」
一成「考えよう」
トントン
一成「どうぞ」
凛「こんにちは」
一成「遠坂……」
イリヤ「シロウ!!」
士郎「イリヤ、どうしたんだ?」
イリヤ「最近、会ってなかったでしょ?」
士郎「そうだな」
イリヤ「あとね……これ」
士郎「え?携帯電話……?」
イリヤ「私とシロウ専用の携帯電話よ。通話し放題なんだから」ムフー
一成「そのような携帯電話があるのか……?」
イリヤ「シロウとずっとお話できるよ!嬉しい?」
士郎「でも、基本使用料は無料じゃないだろ?」
イリヤ「そんなの気にしなくてもいいわ」
士郎「そういうわけにも……」
イリヤ「今日はこれを渡したかったの!!」
士郎「イリヤ……」
イリヤ「いいから、うけとって!!」
士郎「わ、わかった」
イリヤ「そ、それじゃあ!!」タタタッ
士郎「あ……」
ピリリリ
士郎「……はい?」
イリヤ『シロウ!大好きだからね!』
士郎「……これからはいつでも話せるねって」
凛「あ、そう」
一成「なるほど。特定の相手となら通話が無料なのか」
凛「そんなのがあったなんて……」
士郎「イリヤも思いきったことするなぁ……」
一成「そういえば宗一郎兄も新しい携帯電話を購入していた」
士郎「葛木先生が?」
凛「どうせ夫婦携帯でしょ?」
一成「その通りだ」
凛「目に浮かぶわね」
士郎「遠坂、これからどうするんだ?」
凛「そうね。帰ろうと思ったけど、士郎の用事が終わるまで待ってようかな」
士郎「わかった」
凛「はやくしてね」
凛「士郎、みてみてー」
士郎「ん?」
凛「私の携帯電話、色々とカスタマイズされたのよ」
士郎「へえ」
凛「自分の色に染めることができるのね。それがなんだか楽しいわ」
士郎「遠坂もこなれてきたって感じだな」
凛「ま、いつまでも現代文明を忌避するのもあれだしね」
士郎「いい心がけだな」
凛「でも、メールがあまりこないのよね。上達の妨げになってるわ」
士郎「メールか。俺が送ってやろうか?」
凛「え?いいの?」
士郎「遠坂のメール、まだまだ初心者だからな」
凛「ふん……なによ、えらそうに」
士郎「ほんとのことだろ?」
凛「ただいまー」
アーチャー「遅かったな」
凛「ちょっとねー」
アーチャー「そうだ。私も携帯電話も持つことにした。君の携帯に登録させてくれ」
凛「なんでよ?」
アーチャー「令呪を使って呼び出すよりもエコロジーだ」
凛「とんでもないエコロジーね」
アーチャー「だが、本当のことだ」
凛「はいはい」
アーチャー「―――よし。登録は済んだ。呼び出すときは携帯にかけろ」
凛「わかったわよ」
アーチャー「ふっ。まぁ、私の番号を一発で表示できるか疑問だがね」
凛「べーっだ」
アーチャー「可愛くないマスターだな」
凛「ふんふーん」ポチポチ
凛「メール設定……ふーん……なんか色々あるのね……」
ピリリリ
凛「お?」
『よ、何してるんだ?』
『寝てるだけよー ̄) ニヤッ 』
『また変な顔文字だなおい』
『あれ?これは汎用性が高いと思うんだけど』
『あのなぁ。もっと可愛げのあるやつにしろ。全然、女の子って感じがしないぞ』
『こういの?♪ダーリン♪ヽ( 〃 ̄ω ̄)人( ̄ω ̄〃 )ノ♪ハニー♪ 』
『それは酷いな』
『もう何がいいわけ(TДTバカ〆(°°*)カキカキ 』
『そういうのやめろって』
凛「ふふ……やめないわよー」ポチポチ
セイバー「これは……」
桜「ライダー、姉さんからメールきた?」
ライダー「はい。来ました」
三枝「え?え?なんだろ、これ?」
蒔寺「なんだぁ?」
氷室「うむ……」
美綴「ぶっ……!?これ、なんだ……?」
アーチャー「ん……?」
アーチャー「……!!!」
士郎「……あ?!」
士郎「あいつ……一斉送信にしてる……!!!」
『士郎・・・・・・・・・((* ・・*)だいちゅき』
凛「ふふ……あいつ今頃、戸惑ってるでしょうね……」
凛「なんて帰ってくるかしら……」
ピリリリリ!!
凛「な、なに……?!なんかいっぱいメールが……」
セイバー『リン、これは私に対する宣戦布告ですか?ムキャー!! ヾ(`Д´*)ノ』
桜『姉さん、先輩と仲がいいんですね』
美綴『ごちそうさまー』
蒔寺『やっぱりそういう関係だったのかよー』
士郎『遠坂、うっかりだよな?わざとじゃないんだな?』
凛「な、なに……?どういうこと……?」オロオロ
アーチャー「凛」
凛「アーチャー……」
アーチャー「君は面白いな。顔文字の使い方が微妙にずれている」
アーチャー「君は教訓を活かせないのか?また下手に設定を弄ったのだろう?」
凛「え?え?」
アーチャー「君が衛宮士郎に送った文章は全員に知れ渡っているぞ」
凛「な、なんでよ!!!」
アーチャー「一斉送信になっている」
凛「え?」
アーチャー「まぁ、何を言っても手遅れだがな」
凛「……もしかして……ここに登録されている人全員に……私……メールを……?」
アーチャー「そうだ」
凛「……」
アーチャー「……」
凛「アーチャー……助けて……」
アーチャー「すまないが今回ばかりはどうにもならない」
凛「……」
アーチャー「どうにもできない」
凛「なにかあるでしょ?消す方法……メールを消す方法……」
アーチャー「もう送信してしまっているから各携帯電話に残っている」
凛「……」
アーチャー「手遅れだ、凛」
凛「ふ……ふふ……いいえ……大丈夫よ……」フラフラ
アーチャー「お、おい……」
凛「ぶっこわせば……いいだけじゃない……」
アーチャー「まて、凛」
凛「宝石も全部使ってやるわ……」ガバッ
アーチャー「まてというに!!」
凛「……まだ間に合うわよ……」
凛「全員の携帯電話を破壊しちゃば……ふふふふ……!!」
アーチャー「おい!!」
アーチャー「凛!!しっかりするんだ!!」
凛「なによ!!」
アーチャー「君が可笑しな顔文字を送ったことは携帯にも人の記憶にも深く刻み込まれただろう」
凛「……っ!!」
アーチャー「何をしてももう遅い」
凛「そんな……これから……私……どうしたら……」ヘナヘナ
アーチャー「……」
凛「こんな……ことって……うぅ……ぐすっ……」ウルウル
アーチャー「……少し出かけてくる。変な気だけは起こすな」
凛「うぇ……ぇぇ……」ポロポロ
凛「うぅ……ぅ……」
凛「もう……学校にいけない……じゃないのぉ……」
凛「うわぁぁぁん……」ポロポロ
凛「うっく……ひっ……ぅ……はぃ……?」
士郎『遠坂、大丈夫か?』
凛「士郎ぉ……」
士郎『えっと……セイバーも桜もライダーも事情は把握してくれたから、大丈夫だ』
士郎『飽く迄、メールの練習をしていただけってことにしてある』
凛「うぅ……」
士郎『恥ずかしいのは分かるけど、あまり気にしないほうが。ほら、ただの遊びとか使用人が勝手に送ったとかにすれば』
凛「使用人なんていなぃ……」
士郎『そうか』
凛「どうしよ……もう外に出れない……」
士郎『そんなこと……』
凛「あの……美綴綾子にまで知られたんじゃ……おわりよぉ……」
士郎『遠坂……』
凛「きっと明日の朝には噂に尾ひれや羽、ジェットエンジンまでついて学校を席巻するのよぉ……」
凛「……」
ピリリリ
凛「……」
『姉さん、明日は先輩の家に来ますか?』
凛「……」ポチポチ
『行く』
凛「はぁ……」
ピリリリ
凛「……はい?」
アーチャー『夕食はどうする?』
凛「いらない」
アーチャー『そうか。わかった。食べたくなったら温めて食べてくれ』
凛「んー」
アーチャー『また、明日な。おやすみ、凛』
アーチャー「おはよう」
凛「……」
アーチャー「学校には行くのか?」
凛「行くわよ」
アーチャー「そうか」
ピリリリリ
アーチャー「失礼。―――もしもし?」
凛「はぁ……」
凛「気が重い……」
アーチャー「そうか……わかった……ああ。いや、協力感謝するよ」
凛「……」
アーチャー「分かっている。必ず手配する。ああ、それではな」
凛「誰?」
アーチャー「ん?すぐにわかるさ。さ、早く準備をするんだな」
凛「……」
ライダー「……」ダダダッ
凛「……?」
キャスター「……」スタスタ
凛「あ……?」
ランサー「……」シュッ
凛「な、なに?え……?」
凛「なにしてるんだろう……」
士郎「おはよう。遠坂」
凛「あ……うん……」
士郎「……なんだ?」
凛「どうしたの?」
士郎「いや……なんか結界があるような……ないような……」
凛「はい?」
凛「……」
三枝「おはようございます」
凛「あ、う、うん……」
蒔寺「うっす!」
氷室「おはよう」
凛「え、ええ……」
凛「……?」
美綴「遠坂!!」
凛「ひっ!?」
美綴「どうした?」
凛「なに……?」
美綴「いや、おはようのかわりだったんだけど」
凛「そう……」
凛(誰もメールに触れてこない……どういこと……?)
キャスター「記憶の操作、完了したわ」
ランサー「下手な結界でも、一部分の抹消ならどうってこないな」
ライダー「……」
アーチャー「すまないね。色々と」
ランサー「ふん……」
キャスター「では、約束通りセイバーを一日貸してね」
アーチャー「ああ。約束する」
ライダー「しかし、どうして火消しなんて。貴方にとっては別に気にすることでもないでしょう」
アーチャー「そうもいかない。マスターがあれだと張り合いがないのでね」
アーチャー「あとは泣かれると、困るんだ」
ランサー「お前が俺にまで頭を下げた理由か」
アーチャー「その通りだ。凛のために額を地面につけつ覚悟ぐらいはあった」
ランサー「はんっ。殊勝なこったな」
アーチャー「ふっ。ま、そこまでしなくても協力してくれることは分かっていたがね。皆、無駄にお人好しだからな」
凛「結局、何も言われなかった……」
凛「もしかして……アーチャーが……?」
士郎「遠坂、帰りか?」
凛「ええ」
士郎「じゃあ、一緒に帰るか」
凛「うん」
ピリリリ
士郎「ごめん。―――はい?」
イリヤ『しろー!!』
士郎「……」
イリヤ「……」ブンブン
士郎「見えてるぞ」
イリヤ『はやくきてよ!!』
士郎「はいはい」
ランサー「んじゃ……最後の仕上げだな」
ランサー「おーい」
蒔寺「お!!いつぞやのお兄さんじゃん!!」
三枝「どうかされたんですか?」
氷室「なにか御用ですか?」
ランサー「ああ、ちょっとな。あの時は聞きそびれたから、携帯番号を聞きたいと思ってよ」
蒔寺「お、いいですよ。どうぞどうぞ」
ランサー「悪いな」
ランサー「よっと」ザッ
三枝「あれ……?」
氷室「む……?」
ランサー「三人ともかわいい携帯電話だな」ピッピッ
ランサー(これか……消去っと)
蒔寺「あ、こら!!乙女のデータバンクにふれるんじゃねえ!!」
ランサー「ほらよ」
三枝「わわ……」
氷室「なにかしたのですか?」
ランサー「いや。余分なものを取り除いただけだ」
蒔寺「はい?」
ランサー「じゃ、またお茶でもしようぜ」
三枝「あ……いっちゃった……」
ライダー「綾子……」
美綴「ひぃぃ!!!!」
ライダー「携帯を……」
美綴「どどどどど、どうぞ……!!!!」
ライダー「どうも……」ピッピッ
美綴「ひぃぃ……」
ライダー「どうも。ご協力、感謝します。では、またの機会に。ふふふ……」
凛「……」
イリヤ「それでねーセラがねー」
士郎「そっか」
イリヤ「リン?どうかしたの?」
凛「え?」
イリヤ「なんか上の空だけど」
凛「別に……」
イリヤ「そう?」
士郎「何か気になることでもあるのか?」
凛「えっと……ちょっとね」
士郎「……?」
凛「士郎、先に帰ってて。私、ちょっと寄るとこあるから」
士郎「あ、ああ」
イリヤ「変なリンね」
凛「もしもし?」
アーチャー『なにかな?』
凛「今、どこ?」
アーチャー『どこだろうな』
凛「まあいいわ。貴方、何かした?」
アーチャー『なにか、とは?』
凛「誰かの記憶を弄ったりとか」
アーチャー『残念ながら私にそのような高等技術はないよ』
凛「そうね」
アーチャー『それだけかな?』
凛「……ありがとう」
アーチャー『……』
凛「それが言いたかったの」
アーチャー『メールでいいことをわざわざ声で伝えるか。なるほど、顔文字よりも心はこもっているな』
アーチャー『可愛げがないな……』
凛「……感謝しているわ。アーチャー」
アーチャー『ふっ。では、こちらは忙しいのでね。失礼する』
セイバー『アーチャー!!!どこにつれていくのですか―――』
ブツッ
凛「……」
凛「さてとー!!帰りますか!」
凛「やっぱり、携帯電話は通話ができればそれでいいわね」
凛「メールはもう怖くてできないわ」
凛「うーん……」
凛「セイバー、五体満足で帰ってこれるかしらねぇ……」
キャスター「きゃーセイバー!!!」
セイバー「アーチャー!!どういうことですか?!」
アーチャー「許せ。仕方ないのだ」
セイバー「せめて理由を!!!」
アーチャー「凛のためだよ」
セイバー「納得できません!!!」
キャスター「さぁ……セイバー……このネコ耳から……」ハァハァ
セイバー「くっ……!!」
アーチャー「抵抗はするな」ガッ
セイバー「おぉ?!」
キャスター「うふふふふ……!!!」
セイバー「やめ―――!!!」
アーチャー(セイバー……ごめん……)
セイバー「ぁぁぁあぁああ!!!」
士郎「イリヤ、ごはん食べてくか?」
イリヤ「うん!」
士郎「よし。すこし待ってろ」
ピリリリリ
凛「あら?」
イリヤ「シロウの携帯ね。―――はい、もしもし?」
セイバー『シロウ!!シロウ!!!』
イリヤ「セイバー?」
セイバー『たすけてください!!尻尾をつけられる!!!』
イリヤ「え?」
セイバー『あぁぁぁ―――!!』
ブツッ
イリヤ「……切れちゃった」
イリヤ「ま、いっか。セイバーだし」
イリヤ「まただわ」
凛「今度はメールみたいね」
凛「どれどれ……なにこれ?添付ファイル?」
イリヤ「ああ、中央のボタンを押せば画像が表示されるのよ」
凛「ふーん」ポチッ
イリヤ「……」
凛「……」
士郎「どうしたー?」
凛「な、なんでもない!!」
士郎「そうか」
イリヤ「こんなセイバーをシロウが見たら卒倒しかけねないわ」
凛「ええ。これは消去しときましょう」
イリヤ「あ、画像だけ私の携帯にコピーしておきたい」
凛「え?そんなことできるの?!じゃあ、私も……」
セイバー「……」スッスッ
士郎「セイバー?大丈夫か?」
桜「ずっと部屋のすみで膝を抱えて携帯を弄ってますね……」
ライダー「何かあったのでしょう」
大河「心配ね……」
凛「……ふふ」
桜「姉さん?」
凛「え?なんでもないわよ」
凛(こういう写真が保存できて、人目にもつかない)
凛(携帯電話……最高じゃないの)
凛「ふふふ……セイバー可愛い……」
セイバー「……」スッスッ
セイバー「……あ、このアプリいいですね」
セイバー「ダウンロードしましょう……」ブツブツ
士郎「……」
桜「先輩?どうかしたんですか?そんなところで呆けて……。あれ、これは……」ペラッ
桜「ひっ……!?!こ、これ……一ヶ月の使用料金ですか……?!」
士郎「あぁ……」
桜「セイバー……さんですよね……」
士郎「ああ……」
桜「15万って……何に使えば……」
士郎「……解約する」
桜「え?」
士郎「セイバー!!」
セイバー「は、はい……?」
士郎「来月も同じ額なら解約するからな……!!」
セイバー「は、はい!」
士郎「何に使ったんだ……セイバー……」
アーチャー「凛、携帯使用料の明細だ」
凛「見せて」
アーチャー「そのまえに呼吸を整えろ」
凛「なんで?」
アーチャー「いいから」
凛「すーはー……はい」
アーチャー「ほら」
凛「さ、いくらかしらね……」
凛「……」
凛「……」ゴシゴシ
凛「……!?」
アーチャー「20万越えとはやってくれるな、凛」
凛「え……?え……?」
アーチャー「ちなみに私は6000円だ」
アーチャー「色々なものを手当たり次第にダウンロードしていればこうなる」
凛「ま、まって……あれ……タダじゃないの……?」
アーチャー「そんなわけあるまい。利用契約を読まなかったのか?」
凛「だって……なんかめんどくさそうだったし……」
アーチャー「自業自得だな」
凛「……うわぁぁ!!!」バキュン!!
アーチャー「これからは気をつければいい」
凛「こんな金食い虫……いるかぁぁぁ!!!」ドゴォ!!
アーチャー「?!」
バキィィィン!!!!
凛「はぁ……はぁ……」
凛「月20万とかメイドを雇うわよ!!」
アーチャー「凛……」
凛「通話以外に変な機能つけるんじゃないわよぉぉぉ!!!」
凛「とまあ、携帯電話がなくてもなんとかなるし、別にいらなかったわね」
桜「そ、そうですか」
凛「私には過ぎた物だったのよ」
桜「はぁ」
士郎「……」
凛「士郎?どうかしたの?」
桜「これを」
凛「ん……先月分の使用料金ね……20万……?」
セイバー「あの……シロウ……」オロオロ
士郎「なにに使ったんだ?」
セイバー「わ、わかりません……」
桜「セイバーさんの携帯、山のようにアプリケーションがありまね」スッスッ
士郎「……解約だな」
セイバー「そ、そんな……!!」
何したら20万とかになるんだwwwww
セイバー「うぅ……そんな……」
セイバー「私はただ……シロウの声をいつでも聞いていたいだけなのに……」
セイバー「くそぉ!!!」バキィィ!!
バリィィィン!!
桜「携帯が……真っ二つに……!!!」
士郎「……」
ピリリリ
士郎「もしもし」
イリヤ『やっほ!シロウ!!』
士郎「ああ、イリヤが一番だ……」
イリヤ『なにが?』
凛「ね?セイバー、携帯電話なんて通話できればいいでしょ?」
セイバー「ですね」
凛「私たちに近代機器は似合わないのよ……」
おしまい。
乙
乙
非常に良かった
Entry ⇒ 2012.02.13 | Category ⇒ FateSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
QB「マミ!早く起きて朝ごはん作ってよ!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1328708449/
マミ「うぅ…せっかくのお休みなんだからもうちょっと眠らせてよぉ…」
マミ「んん…冷蔵庫にあるもので済ませてよ…ねむ…」
QB「マヨネーズしか入ってなかったよ!お米も炊いてないし!」
マミ「…ん…あ?…そう…よかった…わね…」すや
QB「よくないよ!」
QB「マミー!おなか空いて死にそうだよー!起きてよー!」ゆさゆさ
マミ「…」すやすや
QB「マミー!」ゆさゆさ
マミ「う…うぅ…眠らせてよぉ…お願いだからぁ…!」ぐすぐす
QB「なんで泣くのさ…泣きたいのはこっちだよ…」
QB「…きゅぷァァ!」ぺちん
マミ「ん…」
マミ「…」すー
QB「…」
QB「…」
マミ「…」すぴー
QB「…もう怒ったよ!あと10秒以内に起きなきゃハイパーきゅっぷいきゅっぷいタイムだからね!マミ!」
QB「カウントダウン開始!10、9、8、7…」
マミ「…」すーすー
QB「6、5、4…」
マミ「…」すぴーすぴー
QB「3、2、1、0…!」
QB「ハイパーきゅっぷいきゅっぷいタイム開幕だぁぁぁー!」
マミ「んん…」
QB「きゅっぷいきゅっぷい!」どすんどすん
マミ「ん…ううう…」
QB「きゅっぷいきゅっぷい!」ぺちぺちぺちぺち
マミ「う、ううう…!」
マミ「うわああぁぁん!」ぽろぽろ
QB「!」びくっ
マミ「う、うぅ…!お願いだから眠らせてよぉ…キュゥべえ…!」ぽろぽろ
QB「マジ泣きじゃん…」
マミ「うぅ…ほら、テーブルの上にお財布あるでしょ…?おこづかいあげるから…それで何か食べて…」ぽろぽろ
QB「…」
マミ「う、ううぅ…私の朝ごはんも何か買ってきてね…いってらっしゃい…」ぽろぽろ
QB「…いってきます」
――
びゅお~… びゅお~…
QB「さ、寒い…!」とことこ
QB「うぅ…マミのやつぅ…朝ごはんくらい用意しといてよ…おまけに僕をこき使うなんて…泣けばなんとでもなると思っているな…」とことこ
QB「まあいっか…牛丼でも食べに行こう…」とことこ
「ん?あれ?見覚えのある後ろ姿だと思えば…」
QB「きゅぷい?」くるっ
杏子「おお、やっぱキュゥべえじゃん!」
QB「あ、杏子。おはよう!」
QB「僕は部活してないよ」
杏子「ということは帰宅部か?」
QB「どうしてその発想になるかな?そもそも僕は学校行ってないから部活動は関係ないよ」
杏子「え!?もしかして不登校?いじめられたのか?」
QB「君とは話がかみ合わないね」
QB「そういえばそうだったね。自慢げに言うことではないけれど」
杏子「はぁ…学校かぁ…きっと楽しいだろうなぁ…行っておけばよかったかなぁ…」
QB「今からでも行けばいいじゃないか」
杏子「でも今さらあたしなんか…」
QB「大丈夫。杏子なら何とかなるさ。まだまだ若いんだしがんばりなよ」
杏子「そ、そうかな…へへ!ありがとなキュゥべえ!」
QB「きゅぷ!」
QB「君が僕に対して、どこに行くんだ?って聞いてきたんだろ?」
杏子「ああ、そうだった。朝からどこに行くの?部活動か?」
QB「話題がループしそうだね。部活動じゃないよ。朝ごはんを食べに牛丼屋に行くのさ」
杏子「おお、偶然だな。あたしも牛丼屋に行こうと思ってたんだ。一緒に行こうぜ」
QB「うん!」
――
――牛丼屋
店員「いらっしゃいませー」
杏子「テーブル席行こうぜ」
QB「きゅぷ!」
すたっ
店員「ご注文おきまりすかー?」
杏子「牛丼大盛りとけんちん汁で」
QB「牛丼並盛とサラダください」
店員「かしこまりましたー」
QB「きゅぷ…お茶おいし」ずずず
杏子「あったけー」ずずず
杏子「お、早いじゃん!」
QB「早いね」
杏子「それじゃあいただきます!」もぐ
QB「あ…れ…?」
杏子「どうした?キュゥべえ?」もぐもぐ
QB「ここに座ってると…テーブルの上の牛丼まで手が届かないよ…!ぬぐぐ…!」ぐぐぐ…
杏子「そりゃそうだ。キュゥべえちっちゃいもん」もぐもぐ
杏子「しゃあないな~…ほら、ここ。あたしの膝の上に座りな」ぽんぽん
QB「え?」
杏子「ほら、早く!」
QB「あ…これなら手が届くよ!ありがとう杏子!」
杏子「よかったな!なんならあたしが食べさせてやってもいいぞ~!へへへ!」
QB「ぼ、僕にもプライドがあるからそれはお断りするよ!きゅぷ!」もぐ
杏子「はいはい!」
――
店員「ありがとうございやしたー」
とことこ
杏子「あー食った食った!」
QB「きゅぷ!おなかいっぱいだよ!」
杏子「さぁて、あたしはそろそろ行くかな~」
QB「僕もそろそろ帰るよ。またね。杏子」
杏子「ああ!またな!」
――
QB「きゅっぷ♪きゅっぷ♪」とことこ
「ん?やたらきゅぷきゅぷ言ってる怪しいちびっこがいると思ったら…」
QB「きゅぷ?」くるっ
ほむら「あ、やっぱりキュゥべえだった。おはよう」
QB「ほむらじゃないか。おはよう」
QB「君は僕のことをハムスターだと思っているのかい?僕はインキュベーターだよ」
ほむら「えっ!?違うの!?キュゥべえってハムスターじゃないの!?」ガーン
QB「その反応は理不尽だ」
QB「なんだジョークか…」
ほむら「ふふふ、でも似てない?『インキュベーター』と『ハムスター』って」
QB「『ター』の部分しか合ってないよ」
QB「自分から言い出したくせに…」
ほむら「ところでキュゥべえ。こんな朝からどこに行くの?河原にHな本でも拾いに行くのかしら?」
QB「男子中学生じゃあるまいしそんなことしないよ」
ほむら「ふふふ、ジョークよ」
QB「なんだジョークか…」
ほむら「あ、違った。ほむジョークよ」
QB「なぜ『ほむ』を付け加えた」
ほむら「なんか可愛いでしょ?サービスよ。感謝しなさい」
QB「わけがわからないよ」
QB「杏子と牛丼を食べてきたのさ。で、今はその帰り道だよ。ほむらは?」
ほむら「私は早起きして朝のお散歩中よ。けっこう楽しいわよ。寒いけどね」
QB「偉いね、ほむら。それに比べてマミときたら…」
ほむら「あら、巴さんはお寝坊さんなの?」
QB「多分まだ寝てるね」
QB「あ、たしかにマミの胸はあの年頃の子にしてはよく育っているよね」
ほむら「くっ…!」ぎりっ
QB「うわ!こわっ!ちょっとほむら、突然こわい顔しないでよ!」
ほむら「…え?私そんなこわい顏してた?」
QB「うん。すごくこわかった」
ほむら「そう…二度とそんな顏しないって約束するわ」
QB「たのむよ。マジでこわかったから」
ほむら「交わした約束は忘れないわ」
さやか「ん?あれ?ほむらにキュゥべえじゃん」
ほむら「あら、さやか。おはよう」
QB「おはよう。さやか」
さやか「おはよう。道ばたで何してるの?」
ほむら「世界平和について語り合っていたのよ」
QB「うそはよくないね」
さやか「あたしは恭介のお見舞いに行く途中だよ。あんたらも来る?」
QB「そうだな…じゃあ行ってみようかな」
ほむら「それじゃ私も行くわ」
――
とことこ
びゅお~… びゅお~…
QB「きゅ、きゅぷしっ!」くしゅんっ
さやか「あ、くしゃみ…寒いのキュゥべえ?」
QB「う、うん…ちょっと…」ぶるぶる
QB「う、うん…おじゃまします」ぴょんっ
もぐり
QB「きゅぷ!」ぽんっ!
QB「あったかいよほむら!」
さやか「カンガルーの親子みたいね」
QB「うん」もぐりっ
ほむら「…」ボインッ!
さやか「ほ、ほむらの胸がマミさん級にレベルアップした…!」
ほむら「ふふふ…!キュゥべえ、このまま病院まで行くわよ!」
QB「ええっ!?苦しいよぉ!」もぞもぞ
――
――病院、上条恭介の病室
恭介「はぁ…退屈すぎるよ…一人でトランプするのにも飽きちゃったな…」
恭介「ババ抜きを一人でやっても最終的にババ持ってるのは自分だから100%僕の負けなんだよな…ルールに欠陥があるよ。マジで」
恭介「…」
恭介「なんかむらむらしてきたな…おっしゃ!」ぼろんっ
恭介「えっと…こっそり隠してるHな本は…っと」がさごそ
さやか「おまたせー!恭介ー!お見舞いに来たよー!」
恭介「うおおぉぉい!?」びくっ
さやか「うへ?」
恭介「ざあっしゅ!!」ばったーんっ がばっ
さやか「!?」びくっ
恭介「あ、あははは!いい天気だね!さやか!」あせあせ
さやか「ど、どしたの恭介…?なんか変だよ…?」
恭介「ななな、なんでもないよ!マジで!」あせあせ
恭介(や、やばい…!パンツ降ろしたままだ…!かろうじて布団で隠しているけど…まずいな…)
恭介「え、ええ!?」
さやか「だめかな…?」しゅん
恭介「い、いや!そんなことないさ!かまわないよ!」
さやか「よかった!…ほむらー!入っていいよー!」
がらっ
ほむら「はじめまして…暁美ほむらです」ボインッ!
恭介(!)ドッキドッキリーン
恭介(艶やかで長い黒髪に理知的な瞳!可愛いッ!ひたすら可愛いぞッ!)
恭介(そして…)ごくり
ほむら「?」ボインッ!
恭介(な、なんだあのおっぱいのでかさは!?ハンパないぞ!ハンパない!やばい!あのおっぱいに挟まれながら息を引き取るのならこの世に未練はないぞ!)
恭介(ああ!あのおっぱいに触れたい!触れたいよぉぉぉぉ!)むらむら
恭介(うわあああああ!)じたばた
さやか「きょ、恭介…?」
恭介(!?…おっぱいが活発に動いている!?おっぱいが動くとは知らなかった!また一つ賢くなったぞ!)
ほむら「ちょ、ちょっとキュゥべえ?」もこもこ
QB「きゅぷっ!」ぽんっ
恭介(!?)
QB「ふぅー!苦しかった!そろそろ出るよ?ほむら」ぴょんっ
ほむら「…」ペッタンコ
恭介「な…!?」
QB「きゅぷ!」
ほむら「あーあ…」
恭介「…」ふるふる
さやか「ん?どしたの恭介?」
恭介「ち…!」
恭介「ちくしょぉぉぉ!本当はど貧乳じゃないかあぁぁ!騙されたぁぁ!金返せぇぇ!ちくしょぉぉぉ!うわあああ!」じたばた
さやか&ほむら&QB「…」
恭介「!?」どきっ
ほむら「ん?何かベッドから落ちたわ…」
さやか「こ、これは…」ひょい
QB「Hな本…だね…」
ほむら「Hな本ね…」
さやか「Hな本だ…」
ぼろんっ!
さやか&ほむら&QB「!?」
恭介「あ…パンツ降ろしたままだった…」ぶらーん
さやか&ほむら「きゃ…」
さやか&ほむら「きゃああああぁぁぁぁ!!!」
QB「きゅぷうううううう!!!」
――
QB(病室は冬の寒さとは別件の寒さに包まれ、そこに僕らの叫び声が響き渡った)
QB(上条恭介の下条チン介を目の当たりにした僕らは叫ぶほかになかったのだ)
QB(慌ててパンツをはく上条恭介、顏を真っ赤にして叫ぶ女子中学生たち、駆けつけるナース…手の施しようのないバカげた非日常がそこにはあった)
QB(その後、僕たちは何事もなかったように無言で病院を出た…)
――
とことこ
さやか「なんか…ごめんね…」
ほむら「いいのよ…なにもなかった…なにもなかったのよ…うん…」
QB「…あ!そういえばマミに朝ごはんを買ってくるようにたのまれたんだった!」
ほむら「朝ごはん?もうすでにお昼に近いけど…」
さやか「あ!ねぇ、キュゥべえ。マミさん家に遊びに行っていい?」
QB「いいよ!おいでよ!」
ほむら「あ、私も行きたいわ」
QB「うん!あ、どうせならまどかと杏子も呼ぼうか!」
――
がちゃっ
QB「ただいまぁ。マミ、朝ごはん買ってきたよーコンビニ弁当だけどー」
さやか&ほむら&まどか&杏子「おじゃましまーす」
QB「マミー?」
マミ「…」すーすー
QB「まだ寝てる…もう昼の12時なのに…」
ほむら「起きなさーい」ゆさゆさ
QB「マミ、起きてよー」ゆさゆさ
マミ「…ん」すぴーすぴー
QB「マミ、ごはん買ってきたよー焼肉弁当だよーおいしいよー」
マミ「ん…?ふえぇ!?ご、ごはん!?焼肉!?ど、どこ!?」がばっ きょろきょろ
マミ「うえぇ…?」
さやか「ぷぷ…!おはよう、マミさん!」
まどか「おじゃましてまーす!」
マミ「ふぁ!?な、なんで!?なんでみんながここにいるの!?えっえっ!?」
QB「僕が連れてきたのさ。マミ、もう昼の12時だよ?いくらなんでも寝すぎだよ」
マミ「え…?ふえぇ!?な、なんでもっと早く起こしてくれなかったのよぉ!キュゥべえのアホ~!」ぺちぺち
QB「きゅぷっ!全然起きなかったくせに!」
――
マミ「みんな、みっともないところ見せちゃったわね…ごめんなさい…そしてお弁当おいし…」もぐもぐ
さやか「ふふ…!だらしないマミさんも可愛かったですよ。なんか得しちゃったわ」
ほむら「そうね。録画しておけばよかったわ」
マミ「て、照れるわ…そしてお弁当おいし…」もぐもぐ
QB「寝て食べてばっかりだと太るよ」
マミ「そいっ!」ばしっ
QB「きゅぷっ!」ふらっ
杏子「女子会?」
まどか「お茶とお菓子食べながら女の子だけでおしゃべりする画期的な会だよ!」
杏子「お菓子っ!!」がたっ
杏子「うう…」しゅん
マミ「大丈夫よ佐倉さん。お菓子はキュゥべえが買ってきてくれるから!」
QB「え…えぇっ!?」
ほむら「いってらっしゃい。キュゥべえ」
さやか「ポテトチップスは絶対に買ってきてね」
マミ「だって外寒いし…」
QB「寒いのは僕だって一緒さ!」
マミ「それにキュゥべえ白くて丸くてきゅぷきゅぷ言ってるから…」
QB「なんだよその理由!ていうかすでに理由になってないよ!」ぷんぷん!
QB「マミのアホー!」ぺちぺち
マミ「ふふ!冗談よ。ごめんねキュゥべえ。ここは平等にじゃんけんで買い出しに行く人を決めましょうか!」
ほむら「いいわよ」
杏子「いいぜー!絶対負けないぞ!」
さやか「よっしゃー!」
まどか「負けないよー!」
QB「よーし!」
一同「ぽん!」
マミ→チョキ
まどか→チョキ
ほむら→チョキ
さやか→チョキ
杏子→チョキ
QB→パー
QB「ぬあああああああ!!!」ガーン
杏子「けっきょくキュゥべえが買いに行くのか」
ほむら「これが運命だと思ってあきらめなさい」
QB「う、うわあああん!マミー!」だきっ
マミ「あー、よしよし…泣かないでキュゥべえ」なでなで
――
――コンビニ
わいわい! きゃっきゃ!
まどか「けっきょくみんなで買いに来ちゃったね」
さやか「まぁ、キュゥべえだけ行かせるのはかわいそうだしね」
ほむら「よかったわね。キュゥべえ」
QB「うん!」
杏子「チョコ買お!チョコ!」
マミ「あ、スルメも買っとく?おいしいわよ。スルメ」
――
QB(そのあと、マミの家にもどった僕たちは日がくれるまでずっとおしゃべりしていました)
QB(おかしはおいしいし、女の子たちのおはなしはとてもおもしろくて、僕はしあわせなきぶんになりました)
QB(僕はまいにちこんなふうに楽しくすごせたらとてもいいなぁと思いました)
――
まどか「マミさん、今日はありがとうございました!」
ほむら「おじゃましました」
さやか「おじゃましましたー…って、うわ!外真っ暗だよ!」
杏子「またなー!」
マミ「うん!また来てね、みんな!」
まどか「キュゥべえもまたね!」
QB「うん!またね!」
――
マミ「ふぅ…みんな帰っちゃったわね」
QB「うん。ちょっとさみしいね」
マミ「キュゥべえ、夕飯どうする?今日は外で食べよっか?」
QB「うん!」
マミ「よし!それじゃファミレス行こっか!」
――
――ファミレス
店員「いらっしゃいませ!2名様ですか?」
マミ「はい。人間1人とインキュベーター1匹です」
QB「きゅぷ」
マミ「はい。あ、幼児用のイスってありますか?」
店員「はい!ご用意いたしますね。ではあちらの席へどうぞ!」
マミ「よかったわね。キュゥべえ用のイスあるって。ぷぷ!」くす
QB「笑わないでよ!」
すたっ
マミ「さぁーて、何食べようかな♪」ぱらっ
QB「どれもおいしそうだね」
マミ「う~ん…最近体重が気になるのよねぇ…このヘルシーレディースセットにしようかしら?」
QB「いいね。ぐうたら少女のマミにぴったりだよ」
マミ「失礼ね…キュゥべえはどれにするの?」
QB「僕は…チーズハンバーグセットにしよ」
マミ「決まりね。じゃあ店員さん呼ぶわね」ぽちっ
ぽーん♪
店員「はい!お伺いします!」
QB「えっと、チーズハンバーグセットお願いします」
マミ「私はヘルシ……スペシャルステーキセットお願いします!あ、ライス大で!」
QB「おい」
店員「かしこまりました!少々お待ちください」
マミ「てへ♪だって食べたくなったんだもん!」
QB「太るよ」
マミ「もう!別にいいじゃない!成長期なんだから!」ぺちっ
QB「きゅぷっ!」ふらっ
――
店員「おまたせいたしました。チーズハンバーグセットとスペシャルステーキセットです」ごとっ
マミ「あ!ありがとうございます!」
QB「きゅっぷ!」
じゅーじゅー
マミ「おいしそう!いただきます!」
QB「いただきまーす!」
QB「ん?なんだ?景色が歪んでいく…」
マミ「おいし♪」もぐもぐ
しーん…
QB「はっ!?お店にいた人たちがみんな気を失っている!これは…!」
マミ「キュゥべえ、どうしたの?食べないの?おいしいわよ」もぐもぐ
QB「結界が出来上がった…!マミ!魔女だ!早く変身を!」
マミ「キュゥべえのもおいしそうね…一口ちょうだい!」ひょい ぱく!
QB「食べてる場合じゃないよ!」
魔女「ウェェェ!」
QB「ああ!魔女が来たよ!マミー早く戦ってよー!」あたふた
マミ「ちょっと待ってて…これ食べてから…」もぐもぐ
マミ「ちょ、ちょっと待っててよ…ていうかキュゥべえが戦えばいいんじゃない?」もぐもぐ
QB「え、ええ!?僕が!?」
マミ「うん!大丈夫、ベテラン魔法少女の私が指示出してあげるから!」もぐもぐ
魔女「ウェェ?ナニィ?キミタチ~?」
QB「き、来た!くそー!こうなったらやってやるー!」
ないのかと思ってた
QB「威嚇!?よ、よーし!」
QB「がおー!」
魔女「チョ、ヤメテェ~!ウルサイヨォ~!」ぶんぶんっ
ばしっ!
QB「きゅぷ!?」がくん
マミ「あら…?」
QB「ちょ、ちょっとマミ~!全然ダメじゃないか~!」
QB「わ、わかったよ!挑発だね!よし!いくぞー!」くるっ
QB「きゅっぷいきゅっぷい!」ふりふり
魔女「チョ、ナニソレェ?スゲェムカツクンダケドォ~!」ぶんぶんぶんぶんっ
べちんっ! ばしんっ!
QB「きゅぷーーー!」ずしゃああ!
マミ「あれ…?」
QB「うぅ…マミ~!」ぼろぼろ ぐすん
QB「よ、よーし!」
QB「…」
QB「えっ」
マミ「ほら!キュゥべえ!早く!」もぐもぐ
QB「な、何言ってるんだよマミ!ミサイル攻撃なんて出来るわけ…」
ぱかっ
しゅば~ ドン! ドン! ドン!
QB「え…えぇ!?僕の背中からミサイルが出たよ!?」
ドーン! ドーン! ドーン!
魔女「ウグゥゥ!?ヤ、ヤラレタァ…!」ばたっ
QB「どういうことなの…」
マミ「あ、結界がとけたわね」
QB「うん…とけたね…」
がやがや… ざわざわ…
マミ「あ!みんな意識を取り戻したわ!お手柄よ!キュゥべえ!」
QB「う、うん…」
QB「マ、マミ…僕の背中からミサイルが…!」がくがく
マミ「ふふふ!こんなこともあろうかと実はキュゥべえが眠っているときに私の魔法でこっそり仕込んどいたのよ。使いきりだからまた仕込んでおくわね!」
QB「勝手になにやってんだよ!きゅぷァ!」ぺちっ
マミ「ふふふ!ごめーんね♪」
QB「まったく!食べてばっかで全然戦わないし!20歳で魔法少女の契約は終了なんだからそれまでもうちょっとがんばってよ!」
マミ「はいはい!明日から本気出します!」
QB「絶対だよ!」
――
――マミさん家
がちゃっ
マミ「ふぅ…帰ってきたわ!おなかいっぱい!満足満足!」
QB「きゅぷ。おいしかったぁ!」
マミ「今日はお疲れ様、キュゥべえ!いろいろありがとね!」
QB「て、照れるよ…マミ…」
QB「ん?どうしたんだいマミ?」
マミ「うぅ…!キュゥべえ!」だきっ
QB「きゅぷ?マミ?」ぎゅうぎゅう
マミ「明日…!明日は月曜日…!恐怖の月曜日がやってくる…!うぅ…いやだぁぁ!キュゥべえ~!」ぐすぐす
QB「あー、よしよし…泣かないでマミ」なでなで
QB「やれやれ…いいよ、マミ。今日は一緒に寝よっか」
マミ「ありがとう!キュゥべえ!愛してる!」だきしめっ
QB「きゅっぷい!」
マミ「…愛してるからお風呂掃除もお願いね♪」にこっ!
QB「はぁ…」がくっ
QB(こうして今日ぼくは一日中マミにふりまわされました。とてもつかれたけれど、これはこれで楽しかったです。マミといっしょにすごすまいにちはとてもおもしろいです。ぼくはこんな日々がずっとつづいたらいいなぁと思うのでした)
おわり
乙だ
こんな可愛いQBのままで
アニメがみたかった
Entry ⇒ 2012.02.13 | Category ⇒ まどかマギカSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
女「ん」 男「ん?」
女「座る」
男「おう」
男「よっ」←あぐら
女「ん」ポス
男「ここが気に入ったか」ナデナデ
女「ん」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1328532903/
女「ん」 男「ん?」
女「泊まる」
男「そうか」
女「ん」
男「…」
女「…」
男「明日平日だが」
女「知ってる」
男「学校の荷物は?着替えとかは?」
女「持ってきてる」
男「準備のよろしいことで」
女「…」
男「トイレ」
女「ん」スッ
男「ん」スック
女「…」
男「付いてくんな」
女「…」ギュ
男「袖つまむな」
男「ふぅ」
女「…」
男「よっ」スト
女「ん」ポス
男「うむ」ナデナデ
女「ん」
女「…」
男「…」ツン
女「む」
男「(結構面白いんだよな)」ツンツン
女「むー」
男「ほれほれ」ツンツン
女「…」ガブッ
男「いてっ!」
女「…」
男「ほんとちっちゃいよな、お前」ポスポス
女「…男は大きい」
男「うむ」ツン
女「!」
男「おっと」ヒョイ
女「むー」
女「お腹空いた」
男「もうそんな時間か」
女「ん」
男「…」
女「…」
男「今日お袋の帰りが遅いんだった」
女「…」
男「飯作るからどいて」
女「ん」スッ
男「袖つまむな」
女「むー」
男「飯作れない」
女「お腹空いた」
男「だから待ってて」
女「…」ギュ
男「袖つまむな」
女「むー」
男「…ミカンでも食ってろ」スッ
女「ん」
女「…」モキュモキュ
男「…」ジュー
女「…」モキュモキュ
男「出来たぞー」
女「ん」
男「て、二個も食ったのか」
女「ん」ポス
男「…」
女「いただきます」
男「…」
女「いただきますは?」
男「この姿勢は食べづらい」
女「いただきますは?」
男「…いただきます」
男「…」
女「…」モグモグ
男「食いづらい」
女「…」
男「食いづらい」
女「…仕方ない」
男「仕方ないのはお前だ」
女「あーん」スッ
男「…」
女「あーん」
男「…あむ」パク
女「ごちそうさまでした」
男「ミカン二個も食ってるのによく入ったな」
女「うむ」
男「…」
女「?」チンマリ
男「(食べた分の栄養は一体どこへ)」
女「あたしがやる」
男「…」
女「…」
男「蛇口、届くか?」
女「失敬な」
男「失礼」
女「…」
男「…」
女「むー」プルプル
男「…ほれ」ジャー
女「ぐぬぬ」
女「ん」
男「どっち先に入る?」
女「お先どうぞ」
男「おう」スック
女「…」ギュ
男「袖つまむな」
女「むー」
女「ん」モキュモキュ
男「またミカン食ってたのか」スト
女「ん」ポス
男「…」
女「…」
男「風呂は?」
女「シャンプーがいい香り」
男「それはどうも」
女「ん」
男「風呂は?」
女「むー」
男「おう」
女「…」ポス
男「髪濡れてるぞ」
女「シャンプーいい香り?」
男「そうだな」
女「ん」
男「髪濡れてるぞ」
女「…」モキュモキュ
男「あーもう、ほら」ワシャワシャ
女「うむ」モキュモキュ
男「ゲーム?」
女「パワぷよ」
男「パワぷよか」
女「ん」
男「やるか」
女「ん」
男「…」
女「…」
男「ゲーム準備するからどいて」
女「むー」
女「…」ピコピコ
実況「さあ、1P側、早速連鎖を仕掛ける!」
男「…」カチャカチャ
実況「しかし2P、手堅くお邪魔ぷよを返す!」
女「…」ピコピコ
実況「ゲームはまだ始まったばかりです。まだまだ予想できませんね」
実況「おっと、2P側、ジャブを仕掛けた!」
女「む」ピコピコ
実況「お邪魔ぷよが点々と降り注ぐ!」
女「むー」ピコピコ
実況「しかし1P、連鎖を発生させずにうまく消す!」
男「ふむ」カチャカチャ
実況「あっと2P側、勝負に出た!連鎖を起爆させたー!」
男「あっ」カチャカチャ
実況「あぁー!連鎖が途中で止まった!まさかの積み立てミス!これでは火力が出ない!」
女「もらった」ピコピコ
実況「ここで1P、反撃に出る!連鎖を起爆ぅ!」
女「よし」ピコピコ
実況「最後まで行ったぁー!怒濤の12連鎖だー!」
男「!!」カチャカチャ
実況「2P、返せない、返せないぃー!お邪魔ぷよが積み重なる!」
男「ぬぁー!」
実況「決まったぁー!勝者、1Pっ!」
女「勝った」グッ
男「…」
女「ふふん」
男「いや、この姿勢でやるのは辛いから、ほんとに」
女「言い訳」
男「頭が邪魔でコントローラーが持ちにくいの!」
男「このやろう」ツンツン
女「む」ガブッ
男「いって!」
男「俺はもういい…」
女「そう」
女「じゃあサクセスやる」ピコピコ
男「おう」
女「…」ピコピコ
男「ミカン取って」
女「…」ピコピコ
男「ちぇっ」ヒョイ
ウィッチ『ふえぇ!?ま、まぁ…いいですわよ』
男「ウィッチ攻略か」
女「ん」ピコピコ
パワプロ『俺、実は見られてる方が燃えてくるんだ』
ウィッチ『ええっ!?ちょっと、何言ってるのよ!?』
女「…」ピコピコ
男「…」
パワプロ『お前が、欲しいっ!』
ウィッチ『!、も、もう、バカ…///』
女「弾道上がった」
男「上がったな」
女「…男は?」
男「おばか」ポカッ
女「あうっ」
男「すげえ」
女「褒めて」
男「よしよし」ナデナデ
女「ん」
男「…でもこのパラメータ、ぷよ勝負にどんな影響があるか不明なんだよな」
女「ん」
男「そうか」
女「眠い」
男「そうか」
女「…」コックリ
男「ベッドで寝なさい」ツンツン
女「むー」
男「仕方ないな」ヒョイ
女「ん」
女「…」ウツロ
男「じゃあ、おやす…」
女「…」ギュ
男「袖つまむな」
女「一緒」ギュ
男「袖つまむな」
女「むー…」
男「…もう」
ゴソゴソ
女「一緒」
男「うむ」ギュ
女「!」
男「抱き枕にしちゃる」
女「むー…」
男「おやすみ」
女「おやすみ」
見てくれた人ありがとう。
新しく出来たSS深夜VIPのSSです
いろんなSSがあるので是非見てください!
SS深夜VIP
Entry ⇒ 2012.02.13 | Category ⇒ 男女「」SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
まどか「変な夢ぇ…//」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1328232869/
気がつくとまどかは、ある広い部屋にいた
見たことのあるような、ないような。そんな部屋に。
ベッドの上に寝ているのか、天井が見える
部屋の温度は暑くもなく、寒くもない
まどか「え…何…これ…」
――両手、両足が布のようなもので縛られ、身動きがとれないでいた
外そうとするが、まどかの手足を縛る布がベッドの柱にくくりつけられ、
きつく結ばれているせいかどうあがいても外せない
さらに、下着を下しか着けていない状態だった
まどか「(は…恥ずかしいよぉ…//)」
まどか「(でも…今はそんなこと言ってる場合じゃない…!)」
まどか「だ…誰か…助けてぇ…!」
まどかはもう一度、叫ぼうとする
息を吸い込んだその瞬間、ドアが開いた
まどかは助けが来たのかと思い、目を輝かせる
しかしドアの向こうから出てきたのは――
???「あら…起きたかしら」
まどかの知らないまどかと同じくらいの少女が姿を現した
黒髪の、顔の整った綺麗な少女であった
まどかは思わず尋ねる
???「まどか…今回もあなたを救えそうにないわ…」
まどか「え…? 救うって…?」
???「だから今回は諦めたの…ごめんなさい」
いきなり現れて、救うだの諦めるだの言うこの少女に。
しかし今のまどかには、救世主にすら思えた
まどか「そ、それより…あの、すいません…」
???「なにかしら」
???「ええ、いいわよ…でも」
???「楽しんでから…ね」ニコ
まどか「えっ――」ゾクッ
しかし逃れようにも逃れられず、ただ近づいてくるのを見てることしかできなかった
まどか「な…何を…」
???「今回は楽しませてもらうわ…」
そういうと同時に、まどかが気づいた時にはすでに猿轡が噛ませられていた
叫ぼうとするが濁った声しか出ない
まどか「ん…!んん~!」ジタバタ
抵抗するが、やはり身体は動かない
ぎしっ、ぎしっ、とベッドが揺れるだけであった
まどか「ふぅ…!(や…やだ…!)」
冷たいのか、身体がぴくっと震える
まどか「んん…!(ドロドロしてるの…なに…?)」
???「これはね…ローションよ」
そう言いながら、どんどんたらしていく
身体を伝い、胸、腹、下着を濡らす
ぬめぬめとした液体が、まどかを覆う
???「さて」トン
???「気持ちよくしてあげるわ…まどか」
少女も手にローションを少量たらし、そして――
太ももから臍、腋と移動し、しかし胸はまだ触らない
少女は手を使いローションを丹念に塗りこんでいく
まどか「んんっ…!(な…なに…?)」
???「いい身体ね…まどか」
???「ムチムチしてて」
???「弾力があって」
まどか「ん…!ん…!」
少女はまどかの胸に手を合わせ、揉み始めた
すでに液で濡れた胸は揉まれることを容易に許した――
まどかの、柔らかく、形のよい胸を。
少女の手はどんどんスピードを速める
まどか「んん…!んっ、んっ…!(だ…だめぇ…!)」
少女のなすがままに、ただただ胸を弄ばれる
そして、十分胸を堪能した後に、
???「これはどうかしら」
ピン、と指ですでに勃っていた乳首を刺激する
まどか「ん…んんんっ…!!」ビクッ
快感と羞恥の混じった顔で少女を見つめる
まどか「んん…ふぅぅ…!(や、やめて…!)」
まどかは懇願したような顔を見せるが、その表情は少女の嗜虐心を一層くすぐるだけであった
???「まどか…やめてほしい?」
???「いやよ」
少女はすぐに拒絶し、再び胸に目を向ける
???「もっと楽しみましょうね…」
すでに堅く、感じやすくなっている乳首を、口に含める
舌で巧みに転がし、刺激する
まどかの身体がぴくぴくと痙攣する
???「気持ちいいひゃしら…?」ピチャピチャ
まどか「んんっ!!」
???「あなたの声…もっと聴かせて」
胸は刺激を受け続けていた
まどかの口から溜まった唾液があふれる
まどか「ああっ、あ、あ…!」
???「いい声ね…まどか」ピチャピチャ
もはや下着は下着としての意味を成していなかった
まどか「ひゃうぅ!」
???「ふふっ」
???「まだイっちゃだめよ」スリスリスリスリ
まどか「あっあっ、ああ…!~~~!」ビクッ ビクッ
身体が先ほどと比にならないほど震え、ついに達した
それと同時にまどかの秘所から勢いよく尿が発射された
それがまどかの下着を薄黄色く濡らした
???「あらまどか…もらしちゃったの?」
まどか「え……わ、わたし…そんな…//」
???「だめな子ねまどか…」
???「まだイってはいけないと言ったのに」
???「それでいてもらして」
???「汚いわ」
まどか「うわあああ…!」ポロポロ
言葉攻めとあまりの恥ずかしさに耐えきれず、まどかは泣き出す
???「汚れちゃったから…掃除しないと」
???「(まどかのおしっこ…!)」
まどか「き、汚いよ…!ひゃんっ…!」
???「(まどかまどかまどかまどか)」
まどか「やめ、て…!」
――――
――
まどか「やめてえっ…!」ガバッ
ピピピピ…
まどか「…今のは…夢…?」
まどか「(私…なんて夢を…//)」
まどか「(パ、パンツは…)」ペロッ
まどか「(び、びちゃびちゃ…//)」
まどか「…」ゴクッ
まどか「(だ、だめだめ!)」
まどか「(パンツ変えなきゃ…うう…//)」
上の寝巻を脱ごうとした時、小さな快感が襲う
まどか「(あっ…乳首…擦れて…//)」
淫らな夢を見たせいか、乳首がすでに勃っていた
少し小さめのブラをつけ、乳首が目立ってないことを確認し、安堵する
まどか「(ふう…次は…//)」
熱をもったそこは、びしゃびしゃに濡れていた
まどか「うう…気持ち悪い…」
まどか「(ティッシュで拭かないと…)」
秘所に当てた瞬間、
まどか「ひゃっ…!」
まどかは力が抜け、床に座りこむ
まどか「(な…なんなの…//)」ペタン
まどか「身体がおかしいよぉ…」
まどか「(が、学校…行かないと…)」
さやか「それでさー、あいつったらまたさー」
仁美「あらあら」クスクス
まどか「…」トコトコ
さやか「まどかー、どうしたー元気ないぞー」
まどか「うん、ちょっと…ね」ティヒヒ
まどか「ちょ、さやかちゃん…!」
さやか「うりうりー、どうだまどかー」モミモミ
仁美「(キタコレ)」
さやか「お、おう…悪い、まどか」
まどか「(うぅ~…//)」
早乙女「今日は、転校生を紹介します!」
さやか「そっちが後回しかよっ!」ボソッ
まどか「あはは…」
早乙女「入ってきて、暁美さん」
ほむら「……」カツカツ
ワーキレー
スゲービジン
まどか「(…………えっ!?)」
ほむら「暁美ほむらです。よろしくお願いします」
ほむら「(まどか…前回はあれだったから今回こそはっ…!)」キッ
まどか「(あっ、こっち見た…//)」フセッ
ほむら「(…?まどかが私を見てない…?)」
まどか「(どうしよう…直視できない…//)」
ドコノガッコウカラキタノー
ナガイカミダネー
ブカツトカハ?
タイツイイネーハァハァ
さやか「うお、すげー人気…」
仁美「すごいですわね…」
さやか「ねえまどか、さっき思い切りガン飛ばされてたけど知り合い?」
まどか「い、いや、えっと…」
ほむら「鹿目まどかさん。あなたがこのクラスの保険係よね?」
ほむら「連れてってもらえる? 保健室」
まどか「ふぇ…!?う、うん…//」
ほむら「…?」
まどか「私が保険係だって…どうして」
ほむら「早乙女先生から聞いたの」
まどか「そ、そうなんだ…」
まどか「(わたし…どんな顔したら…//)」
ほむら「(いつもよりまどかが静かね…)」
ほむら「鹿目まどか」クルッ
ほむら「(ふぉぉぉもじもじまどっちかわぇぇぇ!)」
ほむら「どうしたの? あなたも体調が悪いのかしら」
まどか「う、うん、少し悪い、かな」
ほむら「私と一緒に休む?」
まどか「ごめんね…暁美さん」
ほむら「ほむらでいいわ」
まどか「うん…ほむらちゃん」
ガラガラ
まどか「失礼しまーすって…誰もいないや」
ほむら「(この時間帯は職員会議ね)」
まどか「あ、じゃあそこのベッドに…」ハッ
まどか「(そういえば…今二人っきり…!)」
まどか「(はわわ//)」カァァ
まどか「ひゃ!(て、手がおでこに//)」
まどか「だ、大丈夫! 大丈夫…だよ」
ほむら「あなたの方が心配だわ、ほら、横になって」
まどか「はぅぅ…//」プシュー
ほむら「ほら、顔も赤いし、ね?」
まどか「うぅ…うん、じゃあ…」モゾモゾ
四肢こそ縛られてはいなかったが、まどかは緊張していた
また夢のようなことが起きたら――
まどかはそれを懸念していた
しかし次第に思考が薄れていき、瞼が合わさっていく
今朝夢で犯されたからか、精神的に疲れていたまどかは
すぐに眠りに落ちた
まどか「すー…すー…」
ほむら「(あまつさえ縛って…犯すなんて…)」
ほむら「(この子の純粋さに付け込んで…私は…!)」
ほむら「(ごめんなさい…!)」
ほむほむ おい
ほむら「(……寝ているまどかってムラムラするわね)」ムラッ
ほむら「(だ、だめよ私…で、でも…)」
ふにふに、とした触感が指を楽しませる
ほむら「やっぱり、や、やわらかい…//」
ほむらはそっと指を近づけ、唇に触れる
ほんのり赤く、弾力のあるそれをしばらく堪能する
ほむら「まどかぁ…」
しかし、そこで保健室のドアが開いた
ほむらは咄嗟に手を引く
さやか「だいじょぶかーって…転校生?」
ほむら「な、なにかしら…美樹さやか」サッ
ほむら「そう、わざわざ悪いわね」
さやか「あれ…体調悪いのって転校生じゃないっけ…?」
ほむら「鹿目まどかの体調の方が悪かったのよ」
さやか「まどかどうしたんだろうね? 今日なんか様子変だったし」
ほむら「変?」
ほむら「」
さやか「まどかもいっちょまえになってきたかー? ってどうした転校生」
ほむら「い、いえ、なんでも(おのれ美樹さやか…あなたはどこまで愚かなの…!)」
あ、マミさんとQBには学校の後に出会ってます
夜
まどルーム
まどか「…はぁ」ボフッ
まどか「今日いろんなことがあったな…」
まどか「マミさん…キュゥべえ…魔法少女…」
まどか「そして…ほむらちゃん…//」
まどか「(で、でも勘違いだったら私…変態さん、だよね…//)」
まどか「どうしよう…話してみようかな…」
まどか「あぁ~でも…」モンモン
まどか「いいや…今日は寝よう…!うん!」
――――
――
暗い部屋に時計のカチ、コチといった音が響く
まどか「寝られない…」
時計の音も耳に入り睡眠を妨害する
まどか「うぅ…どうしよう…」
次第に身体が熱くなっていく
まどか「(汗かいちゃった…着替えないと)」
まどかは起き上がって上を脱ぎ、その時に気づく
まどかはまた淫夢を思い出し、赤面する
まどか「…//」
まどか「(これって…触るとどうなっちゃうんだろ…)」
まどか「…」ゴクッ
まどかでするからマドニーなの?
どっちでもいいんじゃないかと
心臓が高鳴り、身体がどんどん火照っていく
まどか「ふぅ…」
深呼吸をした後自らの胸の頂をちょんと触る
まどか「ひぅっ…!」ピクッ
まどか「(も、もっと…)」
ゆっくり、時に早く、夢の中の少女にやられたように。
次第に息があがっていき、夢と同じような快感を得ていた
嬌声を押し殺し、唾液を指につけ、その指で乳首を弄る
まどか「ふぁ、あ、だ、だめぇ…」
まどか「やめてぇ…ほむらちゃん…」
まどか「ぁぁ…!んんっ…!」ビクッ
まどか「……はぁ…はぁ…」
まどか「(わたし、えっちな子になっちゃった…//)」
一種の倦怠感がまどかを包み、眠気が襲う
まどか「(服…着ないと…)」モソモソ
まどか「(これでいいかな…)」ソデトオシ
まどか「…」ウトウト
まどか「」ポスッ
まどか「すー…すー…」
――――
――
ピピピピ…
まどか「ぅん…? 朝…」
まどか「(ってなんで私…期待してるの…//)」
まどか「も、もう//」
まどか「はぅぅ…お顔見れるかな…」
まどか (ちゃんとほむらちゃんにあいさつ…あいさつ…!)
ほむら「あら鹿目まどか、おはよう」ファサ
まどか「!お、おはようほむらちゃん//」フイッ
ほむら「!?」
まどか (や、やっぱお顔見れないよぉ…//)スタスタ
ほむら (…でもそんなまどかもかわいいわ)
ほむら (ああ…あと前回も前々回もあとちょっと前にも汚してしまったまどかもかわいかったわ…)
ほむら (今回はさすがに抑えないとね…)ホムッ
ほむら「鹿目まどか」
まどか (寝たふり、寝たふり…)スースー
ほむら「まどか」
まどか (!な、名前で…)スースー
ほむら「よく寝る子ね」フフッ
まどか (…//)
まどホーム
まどか「だ…だめだよ…」ボフッ
まどか (どうしてもほむらちゃん意識しちゃうよ…)
まどか (夢のあの子って…ほむらちゃんなのかな、やっぱり…)
まどか (黒髪だし、美人さんだし…)
まどか (ど、どうしよお…)
…
――
――――
――――――
まどかは目覚めた。
目隠しがされた状態で、前回同様ベッドの上にいた
スカートと下着、サイハイソックスは着用していたが、上半身は裸であった
縛られてはいなかったが、視界が遮られ何も見えない
手で目隠しを外そうとするが、なぜか外せない
まどか「なんで…ここ、どこ…?」
そうすると、奥から扉の開く音がした
ほむら「起きた?」
まどか「えっ…誰、ですか」
ほむら「ふふっ、そろそろ薬が効くころね」
まどか「え…薬…?」
まどか「はあっ…はあっ…//」モゾモゾ
ほむら「どう、効き目は」
まどか (身体が…熱いよぉっ…!)
ほむら「私特性の媚薬はどうかしら?」
まどか「媚薬…?//」
ほむら「エッチなことがしたくなる薬のことよ」
まどか (え、え、えっちなこと…!?)
まどか「今回も…って…?//」
ほむら「楽しませてもらうわ、さ、まどか、じっとしてなさい」
まどか「や…やだっ…」
ほむら「抵抗しても無駄よ」カチッ
時間を止め、縛る用の布を準備する
身体が大の字になるように縛り、解除する
何が起きたか把握していないまどかを尻目に、ほむらは準備する
まどか (あっ、いや…!)ギシッ
ほむら「まずは筆ね」
ほむらは筆を取り出した
毛先がさらさらとしていることをほむらは触って確認する
まどか (から…だ…熱…い、よ…//)
媚薬が効いているのか、身体をもぞもぞと動かしている
顔は紅く染まり、苦しそうな息を立てる
まるで、早く快感に浸りたいと言わんばかりに。
ほむらは不意に毛先を臍に当てた
当てたあとくるくると渦を描くようにゆっくりと筆を走らせる
そして、離す。それを繰り返した
まどか「くぅぅ…!」
ほむら「ふふっ…気持ちいい?」
まどか「ゃあ…//」
ほむらは絶対領域に目を移し、微笑む
サイハイソックスとスカートの間の太ももは、実になまめかしい様子を醸し出していた
ほむら「あなたのいやらしい太ももを、存分にかわいがってあげるわ」
少し大き目の筆を取り出し、大胆に走らせた
まどか「ふわっ…ああっ…!//」
ほむら「こうかしら」ツツー
まどか「だ…だ…め…ひぃ…あんっ…」
それから数十分。
太もものみを重点的に弄られたまどかは、ただ喘ぐのみであった
まどか「ああ…んん…あんっ…」ビクッ
まどか (おっぱいが…切ないよぉ…)
すでにまどかの乳首は限界まで隆起し、触られることを望んでいた
しかしほむらの集中的な責めは終わらない
ほむら「臍…太もも…ときたら…」
ほむら 「次はどうしようかしらね」
まどか「ぇぇ…?」
まどかの当惑する声を無視し、次に弄る用の筆を準備する
その時に、主張しきった乳首を見る
ほむら「かわいいいちごね」フー
それに息を、吹きかける
まどか「!っぁぁ…!//」ビクン
まどか「も…やめ…」
ほむら「今度の筆はさっきのよりも柔らかいのよ」
ほむら「これで触れたらどうなるんでしょうね…ふふっ」
まどか (も…想像できな…)
まどか「やあぁぁんっ…!」ビクッ
ほむら「もう一回よ」ツー
まどか「んっ…!~~~!」ビクン ビクン
まどか「…はあ…はあ……あ…」
ほむら「まさか…腋でイっちゃったの? まどか」
まどか「…イって…なんか…//」
ほむら「嘘よ」
ほむらはスカートをめくり、じっと見た
さんざん焦らされたせいか、下着は濡れて秘所の形が下着越しにくっきりと見えていた
まどか「み…見ない…で//」
ほむら「今更そう言ってもね…ふふふ」
ほむら「ほぅら」ツツー
まどか「あ…あ…ひぅぅ…!//」
まどか「ひゃ…!」ピク
耳元でそっと呟く
ほむら「ふぅ…もう十分かしら?」
まどか「え…?」
ほむら「だいたい弄ったし…あなたのいやらしい身体もさぞ満足したでしょう」
まどか「…ま、待ってぇ…」
まどか「ま…まだぁ…」
ほむら「はっきりと言って」
耳の中に腋を弄った筆の毛の先を入れ、上下させる
まどか「ひ…、ら、らめ…っ!」
まどか「はっ…あっ…まろ、かの…」
まどか「お、おっぱ…い、ああんっ…!いじっ…てぇ…」
呂律の回らない状態になりながらも、まどかは必死で言った
ほむらはニヤリと笑い、耳の愛撫を止める
ほむら「仕方ないわね…」
ほむら「あなたの望み通り、弄ってあげる…」
そう言って取り出したのは、極細の筆二本。
成長途中のかわいらしい小ぶりな、形のよい胸を見つめる
まどかは呼吸を乱し、今にも達しそうな様子であった
縦に。横に。決して乳首には触れずに。
まどか「……ぁぁっ…//」
今までさんざん焦らされた、胸への愛撫。
まどかは明らかに感じた表情を見せた
ほむら「やらしい子…」
筆が汗を吸い、動きが鈍くなる
それがさらにまどかを感じさせた
まどか「~~//!あ…あああ…!」
ビクビクと身体を震わせる
限界が近いことをほむらは悟り、筆を離す
そして、右の乳首に当てる
まどか「んっ!」
ほむら「まどか…特別に…」
ほむら「もっと、もっと、気持ちよくしてあげる」
そう言い、電動ハブラシのスイッチを付けた
今までとは違う刺激に、思わず声を上げる
ぎしっぎしっ、とベッドが軋むが、それでも拘束はとけない
だんだんと振動数を上げていき、刺激を強くする
ほむら「ええ、いいわ」
つう、と指で腋を撫ぜる
まどか「……んああぁぁぁっ…!!」ビクン ビクン…
二度目の絶頂に達し、ベッドが一段と軋む音を立てた
ほむら「ふふ…気持ちよさそうにイっちゃって」
ほむら「今頃あなたのパンツの下はどうなってるのかしらね」
まどか「ま…まら…なの…?」ハァ… ハァ…
ほむら「終わりかと思った?」
まどか「もぉ…むり…」
まどか「…や、やめ…!」
――――――
――――
――
…
まどか「やめてぇ…!」ガバッ
まどか (ま、また…えっちな夢…//)
まどか (まだ夜中…)
まどかは先ほど夢の中で執拗に愛撫された右の乳首にそっと触れる
まどか「ひゃっ…//」
まどか「も、もっとぉ…ほむらちゃぁん…」
たどたどしい手つきで、服を脱ぐのも忘れて弄り始めた
まどか「ぁん…!」
チュンチュン…
まどか「…」ボー
まどか (やっぱりあの子…ほむらちゃん、だよね…?)
まどか (魔法少女と何か関係あるのかな…?)
まどか「…顔、いよいよ合わせられないよ…//」
まどか (偶然とは…思えないし…それに…)
まどか (に、二回もえっちなこと…しちゃったし…//)
昼休み
まどか「ふぁぁー…」ムニャムニャ
まどか「…」ボー
さやか「まどか、大丈夫かー?」
まどか「…ちょっと、寝不足でね…」
さやか「いかんなー、寝不足は美人の敵だぞ!」
まどか「う、うん…そうだね」ティヒヒ
まどか「…」ウトウト
さやか「ほむら…気持ちよさそうに寝てるな」
まどか (ほむらちゃんも寝てるし…放課後…聞こう、かな)
まどか「ほむらちゃん、ちょっといい、かな」
ほむら「いいわよ」ホムッ
まどか「お話がね…あるの」
まどか「ほむらちゃんの家、行っていい…かな//」
ほむら「」
まどか「ほむらちゃん?」
ほむら (春が…きた!)グッ
まどか「ここが…ほむらちゃんのお家…」
ほむら「狭いけど、上がって」
まどか「うん…(わあ…緊張してきた…//)」
――――――――――――――――――――――
ほむら「粗茶だけど」コト
まどか「あっ、ありがと」
まどか「それでね、話なんだけど…//」
ほむら「なにかしら」ソワソワ
ほむら「…えっ」ギクッ
まどか「あのね、そのね…」ゴニョゴニョ
まどか「最近ね、夢にね、ほむらちゃんが出てきてね…//」
ほむら「…それで…?」
まどか「えっちなこと…されちゃうの…//」
ほむら (ま、まさか…)アワワワ
まどか「ええっ…え~と…その…//」
――――――――――――――――――――――
まどか「っていう…//」カァァァ
ほむら (それ…前回と前々回で私がやったことじゃない…!)ガクガク
ほむら (え? なんで? なんでこの時間軸のまどかがそれを夢に見るの!?)
ほむら「しししし知らないわ」フルフル
まどか「怪しいなあ…」
ほむら「ほ、ほんとよ//」
まどか「嘘ついてない?」ジー
ほむら「ついてないわ…」(ち、近いわまどか…//)
まどか「…そっか」
まどか「わたしたちって、会ったこと、ある?」
ほむら「そ、それは…」
ほむら「ある、わ」
まどか「!」
ほむら「私が…魔法少女になったのは――」
――――――――――――――――――――――
ほむら「っていう理由で…それで…」
まどか「ひっく…ほむらちゃぁん…」グスッ
まどか「わたしなんかの為に…ごめんねぇ…」ポロポロ
まどか「ありがとう…」ギュー
ほむら (あわわ柔らかいあわわわ)
ほむら「でも…信じてくれて嬉しいわまどか…」
まどか「嘘ついてるような目じゃなかったよ、ほむらちゃん…」
ほむら「今まで…誰も信じてくれなくて…!」グスッ
ほむら「でも今っ…あなたが…!」ポロ…
ほむら「…ありがとう、まどか」グスグス
まどか「私も…言い足りないくらいだよ、ほむらちゃん」
まどか「ありがと」ニコ
ほむら「…ええ」
ほむら「今まで何度か諦めそうになったけど」
ほむら「捨てた時間軸もあったけど」
ほむら「今度は…絶対に負けないわ…!」
まどか「…ところで、ほむらちゃん」
ほむら「なにかしら」
ほむら「えっ」
まどか「遊んだりしたの?」
ほむら「え、ええ…」
まどか「わたしとも?」
ほむら「そうよ…」
まどか「諦める、とか勝てない、とか」
まどか「それってほむらちゃんの状況と似てない?」
ほむら「そ、そうかしら…」
まどか「ほむらちゃん…もういいんだよ…」
まどかは再び近寄り、ほむらの目の前に座る
ほむら「な…なにが…?」
まどかはほむらに体重を預け、押し倒す
ほむらは床に磔となる
まどか「だいたいわかってたの、あの子はほむらちゃんじゃないかって」
まどか「違う?」
ほむら「ち…違うわよぉ…」ドキドキ
ほむら「えっ…んっ…!」
まどかはほむらの唇を唇で塞いだ
ちゅぱ、ちゅぱと音を立てながら必死にまどかは唇を求める
ほむら (ふぁ…まろか…)
まどか「ん…んん…ぷはっ」
ほむら「…まろかぁ…」
まどか「最後に聞かせて、ほむらちゃん」
まどか「ほむらちゃんは、ループしてる中で、わたしにえっちなことしたこと、ある?」
ほむらは少し躊躇った後、答える
ほむら「ご…ごめんね…まどかぁ」
ほむら「まどかを犯したのは…私なの…」
まどかはもう一度、唇を合わせる
まどか「んん…」
ほむら「んっ…!(舌…が入っ…て//)」
ほむら「はぁ…はぁ…//」
まどか「わたしね、あの夢のせいでね、えっちことたくさん覚えちゃったの」
まどか「おっぱいとかお股いじったりすると気持ちいいのも知ったの」
ほむら「ぅ…うん…//」
まどか「そ…それがすごく気持ちよくて…//」
ほむら「私も…まどかと同じ…//」
まどか「すごいノリノリだったし…」
ほむら「まどかの…反応がかわいくて…つい//」
まどか「も、もう//」
ほむら「え、ええ…ローションのことかしら」
まどか「それそれ、ね、わたし、ほむらちゃんのこともっと知りたいな」
ほむら「え…//」
まどか「お風呂でぬるぬる使って、その、しない?//」
ほむら「ええええ!?//」
まどか「やった!ささ、お風呂場いこ!」
ほむら「ま、待って、心の準備が、あっ、引っ張らないでぇー!」
お わ り
まどか「んと…」シュル パサ
ほむら (エ…エロい…)ジー
まどか「そんな見ないでよほむらちゃん…//」
ほむら「あっ…ごめんなさい…まどか…本当にええと、その//」
スカート、キャミソールを脱ぎ、タイツと下着だけを纏った姿になる
まどか「ほむらちゃんいいスタイルだね」
ほむら「え…別に…普通よ…//」
ほむら「え…ええ」
タイツに手をかけ、ゆっくりとおろす
細い純白の足が次第に姿を現す
その間、まどかはほむらの背に抱きつく
まどか「ブラは私が外してあげる…」
ほむら (まどかの胸が当たって…!//)
まどか「…うぇひひ、取れた」
ほむら「…ああ…//」
まどか「ほら…ね、早く…」ドキドキ
ほむら「う、うん…」ドキドキ
タイツを脱ぎきり、残るは秘所を覆う下着を脱ぐのみとなった
ほむら「な…なに…?」
まどか「どうしてわたしにえっちなことしたとき、パンツ脱がさなかったの?」
ほむら「そ、それは…その…」
まどか「どうして?」ギュ
ほむら (また胸が…!)
まどか「えー?」
ほむら「まどかの…濡れた…」ボソボソ
まどか「もっとはっきり言って」
ほむら「まどかの…濡れたパンツが…欲しくて…//」
まどか「ほむらちゃん…」
まどか「変態」ボソッ
ほむら (み…耳…!)ゾクッ
まどか「だから…このままで…しよっか//」
ほむら「ま…まどかぁ…//」
ほむら「う…うん…//」
まどか「わあ…広ーい!」
ほむら「そ、そうかしら…」
まどか「ほむらちゃん、こっち向いて」
ほむら「え……んんっ…!」
まどか「ん…ん…」チュパ
まどかは少し背伸びして、ほむらの唇を奪う
夢の中でできなかったことを、一秒でも長く、まどかは堪能していたかった
まどか (きもちいい…//)
まどか「…ぷはぁ…ほむらちゃぁん…」
ほむら「ぷはっ…まろかー…」トロン
まどか「うぇひひ、もっと気持ちよくしてあげる…ね」
まどか「ほむらちゃん…ほら…」
ほむらは前にまどかが犯された時と同じ姿勢をとる
ほむら「まど…か…ひゃっ…!」
ぬめりとした液体は身体を伝い、やがて上半身全体を濡らす
もぞもぞとほむらは動き、白い頬を紅く染まらす
ほむら「ぁあ…//」
まどか「…触るよ、ほむらちゃん」
仕上げにまどかは自分の手に垂らす
小さな手が、ゆっくりと近づき…触れた
ほむら「ひゃぁっ…」ピクッ
まどか「ほむらちゃん、もしかしてわたしよりおっぱい小さい?」
まどか「うぇひひ、かーわいい」
そのたびにほむらは嬌声を響かせる
ほむら「あんっ…!あぅ…//」
まどか「ほむらちゃんも感じやすいんだね」ティヒヒ
ほむら (こんな、気持ちいい、なんて…!)
まどか「胸だけじゃほむらちゃんつまらないよね」
ほむら「ひぅ…だめぇ…」
まどかはいつのまにか跨る形となり、腋をひたすらに弄る
ほむら「腋は…あっ…弱いの…やめてぇ…//」
まどか「じゃ、これは?」
まどかは眼前にある隆起した胸の頂に吸い付く
ほむら「ひゃぅ…!」ピク
まどか「んー…おいひい…」ピチャピチャ
ほむらの顔が快感で歪む
ほむら「まどか…もっとぉ…!」
まどか「ほむらひゃん、ほむらひゃん…!」
まどかは無意識に股をほむらの腹でこする
すでに濡れた下着がぬちゃ、ぬちゃと音を立てながら、こすれる
そのたびにまどかは深い快感を覚えた
ほむら「まどか…私…もうっ…!」
まどか「まだ…だ、め…」
まどかは手、腰の動きを止める
ほむら「はぁっ…はぁっ…なんで…まどかぁ…」
まどか「わたし…もっとほむらちゃんと…したいから…//」
照れながらまどかはローションを手に取り、今度は自らの胸にたらす
その淫靡な様は、ほむらを魅了させた
まどかは再びまたがって胸と胸と合わせる
両者の顔が近づき、自然に唇を求めあった
ほむら「ふぁ…んんん…!」
まどか「んん…ぅ…」
まどか「…動くね」
まどかは胸が擦れ合うように、身体を動かし始めた
ほむら「んん…あっ…」ピクッ
まどか「っひゃ…っ」ビクッ
どろっとしたローションがさらに快感を増幅させる
ほむら「まろかぁ…!んん…!」
まどか「ほむら…ひゃ…!」
次第に両者とも乳首を触れさせあい、快楽をひたすらに求める
まどか「わたし…もっ…!」
ほむら「ごめっ…~~~っ!」ビクッ ビク…
まどか「~~~っ!」ビクッ
まどか (あぅぅ…わたし…またおっぱいだけで…//)
ほむら「まどかぁー…//」ボー
まどか (わたしって…やっぱ…えっち…//)
ほむら「まどかぁ…もっとぉ…//」
体力を使い果たした二人は、しばらくそのままで抱き合った
まどか「あついね…//」
ほむら「い、いったん上がろうかしら?」
まどか「待って、もうちょっと…このまま…」ギュー
ほむら (ひゃわわ…//)
まどか「ほむらちゃん…//」
ほむら「な、なにかしら…//」
まどか「その…私の…パンツ、あの…//」
ほむら「…あ」
まどかの下着はローションと蜜で濡れに濡れ、ぴっちりと張り付いていた
ほむら「エロいわ…」
まどか「も、もう!そうじゃなくて、その//」
まどか「このままじゃ、服着れないよ…」
まどか「ほむらちゃん…//」
ほむら「な、なにかしら…//」
まどか「その…私の…パンツ、その…//」
ほむら「…あ」
まどかの下着はローションと蜜で濡れに濡れ、ぴっちりと張り付いていた
毛の生えていない、つるつるとした秘所が浮かび上がっている
ほむら「エロいわ…」
まどか「このままじゃ、服着れないよ…」
ほむら「じゃあ、私の…パンツを貸すわ」
まどか「えぇ…!?……じゃ、じゃあ…//」
まどか (ほむらちゃんのおパンツ…//)
まどか「え…?」
ほむら「脱がしてあげる」
まどか「そ、それは…ちょっと…//」
ほむら「駄目?」
ほむらは一気に距離をつめまどかを見つめる
まどかは恥ずかしさで目線をそらす
まどか「…ぅ…うん…じゃぁ…//」
ほむらは屈み、下着を見つめる
まどか (うぅ…//)
ほむら (ちょっとだけ…)ツン
まどか「ほ、ほむらちゃん…!?」
ほむら「柔らかい…」ふにっふにっ
まどか「だ、だめっ…//」
リビング
ほむら「ふふっ…」ツヤツヤ
まどか「もぉ…//」
ほむら「まどか…」
まどか「なあに、ほむらちゃん」ムスー
ほむら (やだかわいい…)
ほむら「また、しましょうね…//」
まどか「…!…う、うん…//」
おわれ
保守乙でした
エロはむずい
よいエロだった!
よかったぞ
Entry ⇒ 2012.02.13 | Category ⇒ まどかマギカSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
橘純一「Hになればなるほど硬くなるものなーんだ?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1328780954/
橘「え?」
絢辻「だから鉛筆でしょ?」
絢辻「突然真剣な顔をして聞きたいことがあるって言い出すからびっくりしちゃったじゃない?」
絢辻「で、用事はそれだけなの?」
橘「……こ、これはないよ」
梅原「あぁ……そりゃないぜ。絢辻さん」
棚町「ホント、絢辻さんにはガッカリだわ」
田中「絢辻さん!見損なったよ!」
絢辻「えっ?えっ?」
絢辻「ど、どういうことなのよ!?」
橘「行こう……これ以上は無駄だよ」
梅原「そうだな」
棚町「はぁ……つまらない女になっちゃって」
田中「じゃあね、絢辻さん」
絢辻「せめてどういうことなのか説明して!」
橘「昨日、梅原達と話し合ったんだよ」
橘「絢辻さんはどこまでなら面白い対応ができるかって」
梅原「それでだな、大将に変な質問をさせて反応を見てみようってことになったわけだ」
棚町「あたし達の見解では、顔を赤くして純一を叱った後に、ハッと気づいたように正しい答えをして締めてくれるってとこだったんだけど」
田中「即答だもん。ガッカリ」
絢辻「な、何よ!それ!?」
橘「絢辻さんなら、わかっていながらも付き合ってくれると思ったんだけどなぁ……」
梅原「大将……元気だせよ?な?」
田中「橘君は悪くないよ?悪いのは……」
絢辻「わ、私だっていうの!?」
橘「……薫、田中さん……いいんだよ、もう」
橘「悪いのは……僕だからさ」
梅原「……大将」
棚町「……あんた」
田中「……橘君」
橘「ごめんね、絢辻さん。下らないことで貴重な時間を奪ってしまって」
橘「じゃあ、またね……」
絢辻(た、橘君ってあんな悲しそうな顔できたの!?)
絢辻(……急に罪悪感が)
絢辻(……素直に謝ろう、うん)
絢辻「ま、待って……待って!橘君!」
絢辻「……そんな顔をするのはやめてよ」
絢辻「橘君……ごめんなさい」
棚町「あ、あんたが空気を読めればこんなことにはッ!!?」
田中「か、薫!?」
梅原「棚町!落ち着け!」
橘「やめろ!薫!」
棚町「!?」ビクッ
棚町「……ごめん」
橘「言い争っても、僕らのトキメキは帰ってこないよ」
橘「だから、今日はもう帰ろう?」
橘「……今日、僕らの間には何もなかったんだよ」
絢辻「…………」
絢辻(…………私の……バカ)
絢辻(……橘君に嫌われちゃったかな)
絢辻「…………ハァ」ズーン
梅原「おいおい、絢辻さんこの世の終わりが来たみたいな沈み方してるぞ」
棚町「何だか可哀想になってきちゃったわね」
田中「橘君も……凄いことになってるよ?」
橘「…………僕は何にドキドキすればいいんだ」
橘「……無力だなぁ」
橘「今すぐ帰って押入れに篭りたい……」
橘「……何だい?梅原?」
梅原「の、望みを捨てんなよ!」
橘「……望み?何のこと?」
梅原「あ、絢辻さんはあんなことになっちまったけどよ!」
梅原「他にも大将には女の子の友達いるだろ!?」
橘「……うん、まぁね」
梅原「最初の趣旨とはズレちまうけどさ」
梅原「きっと……きっとだ!」
梅原「大将をドキドキさせる答をしてくれる子はいるはずだぜ!?」
橘「………そうかな?」
棚町「何を弱気になってんのよ!?」
田中「そうだよ!橘君、自信を持って!」
橘「みんな……」
橘「僕……また頑張ってみるよ!」
梅原「おう!その意気だぜ!」
橘「そうと決まればジッとしていられないよ!」
橘「ちょっと行ってくる!」
梅原「おう!」
棚町「あんたはやっぱりそうじゃないとね!」
田中「橘君!頑張ってね!」
橘「うおおおおおおッ!」
スタタタタタ……
棚町「……さて、次は」
梅原「絢辻さんだな」
田中「橘君と違って、難しそうだね」
棚町「あんたはどうするの?」
絢辻「私は取り返しのつかないことをしてしまったから」
絢辻「どうするもこうするも……」
田中「この意気地なし!!」
絢辻「!?」
梅原(た、田中さんが!?)
棚町(恵子が吠えた!?)
田中「何で橘君のことを追いかけないの!?」
絢辻「お、追いかけたって……」
田中「勉強熱心なんじゃなかったの!?」
田中「橘君が喜ぶような反応を勉強しようとは思わないの!?」
田中「そこでただ座ってるだけじゃ、橘君取られちゃうよ!?」
田中「た、たまには熱血してみたりするのもいいかな~って」
梅原「びっくりしたぜ!」
棚町「やるじゃない、恵子」
田中「えへへっ」
絢辻「……田中さんの癖に好き放題いってくれちゃってさ」
絢辻「そうね。後悔して自分に酔うなんて愚か者のすることね」
絢辻「私は……そうじゃない!」
絢辻「というわけで、敵情視察してくるこら」
絢辻「あとはよろしく」
タタタタ
田中「あ、何か元気になったみたいだよ?」
梅原「よかった、よかった」
棚町「さて、あとはどうなることやら」
森島「あ、橘くん」
橘「今お時間ありますか?」
森島「うん、大丈夫だよ。どうしたの?」
橘「そ、その……先輩にお尋ねしたいことがあって!」キリッ
森島「……その様子だと真面目な話みたいね」
森島「どうしたのかな?」
橘「あ、あの……僕……どうしても気になることがあって!」
橘「そ、その!先輩!!」
橘「え、Hになればなるほど硬くなるものって何ですかね!?」
森島「……ふぇ?」
橘「ですから!Hになればなるほど硬くなるものって何かご存知ですか!?」
森島「ほ、本気で聞いてるの?」
橘「僕は本気です!!」
森島「Hになればなるほどかぁ……」
森島「……////」
森島「そ、そんなもの私の口から言えるわけないでしょ!?」
橘「ぼ、僕は先輩の口から聞きたいんです!」
森島「……本気なの?」
橘「は、はい!」
森島「……もう!そんな眼をしてもダメなんだからね!」
橘「そ、そんな……」
森島「わ、わかった!答えるから」
森島「ちゃんと答えるから、そんな顔しないで?ね?」
橘「先輩……」
森島「聞き逃しちゃった、なんて許さないんだから!」
橘「は、はい!お願いします」
森島「……え、Hになればなるほど硬くなるもの」
森島「……それは、ね?」
橘「………」ドキドキ
森島「………え、鉛筆////」
橘「え、鉛筆!?そうだったのか!」
森島「もう……こんなこと恥ずかしいこと他の子に言わせちゃダメよ?」
橘「は、はい!ありがとうございました!」
森島「Goodよ、橘君!」
森島「まさか真面目な顔であんなことを聞いてくるなんて!ぷぷぷっ!」
橘「いや~、先輩がノリのいい人で助かりましたよ、本当に」
森島「あ、私からも橘君に聞きたいことがあったんだけど?」
橘「はい、何ですか?」
森島「クラスの子が話してたんだけどね」
森島「あのね?毛だらけの棒を口に入れて動かす行為ってなぁに?」
橘「えっ」
森島「何でも白いものが口からこぼれてくるとかどうとか」
森島「どうしたの?顔赤いよ?」
森島「でね、クラスの子の話を聞いてたら」
森島「私も橘くんにしてあげたくなっちゃった!」
橘「な、な……なんてことを……」
森島「ん?ますます顔を赤くしちゃって!」
森島「もう、エッチなんだからぁ」ニヤニヤ
橘「せ、先輩!ズルいですよ!?」
橘「そんこと言われたら、あっちにしか考えがいかないじゃないですか!?」
森島「ん?あっちって何かな?」ニヤニヤ
橘「……ぼ、僕に言わせるつもりですか!?」
森島「うん!」
森島「わお!いい返事!」
橘「こ、答えは……」
森島「うんうん!答えは?」
橘「フェ……は、歯磨きですよね!?」
森島「え?フェ?」
森島「むむむっ…………/////」
森島「ま、まさかそういう風にやり返されるとは思ってなかったわ」
橘「先輩も顔が真っ赤ですよ?」
森島「う、うるさーい!」
橘「え?歯磨きをですか?」
森島「そ、そう!橘君に歯磨きをしてるところを想像しちゃったら、小っ恥ずかしくなっただけで!」
森島「べ、別にいやらしいことなんて考えてないよ!?」
橘「……いやらしいこと?何の話ですか?」
森島「むむむっ、白々しいにも程が……/////」
森島「も、もう!橘くんのバカッ!」
タタタタタ……
森島「ベーっ!」
橘「先輩、走ってどっかに行っちゃったよ」
橘「わざわざ曲がり角であっかんべーしてく辺りが先輩だな、うん」
橘「次は誰に聞こうかな!」
梨穂子「あっ、純一!」
橘「さて、早速だけど……」
梨穂子「うん、なになに?」
橘「クイズです。素直に、思った通りにお答え下さい」
橘「正解者にはココアを一本進呈します」
梨穂子「えぇー!?本当に!?」
梨穂子「私頑張っちゃうよ~!」
橘「さて、問題」
梨穂子「デケデン!」
橘「Hになればなる程硬くなるものは何?」
梨穂子「……えぇ~!?」
橘「ココアいらないのか?」
梨穂子「ほ、欲しい!けど……/////」
橘「制限時間……五秒前、四、三、二、一……」
梨穂子「ま、待ってよ!」
梨穂子「ヒントは?ヒントはないの!?」
橘「ヒントかぁ……うん、ヒントがあってもいいよね」
橘「じゃあ、いくつか梨穂子の質問に答えるよ」
梨穂子「う~ん、それじゃあね」
梨穂子「じゅ、純一もそれを持ってるよね?」
橘「勿論だよ」
橘「そうだなぁ、高校生はあまり持ってないかも」
梨穂子「ね、年齢関係あるの!?」
橘「うん。そういえば、梨穂子は僕のを使ったこともあるよ」
梨穂子「えぇ!?私が純一のを!?」
橘「最近はそうでもないけど、小学校の時とかよく僕のを使ってたろ?」
橘「『やっぱり純一のは握りやすくていいね!』っていいながらさ」
梨穂子「わ、私……何てことを////」
梨穂子「………ないよ」
梨穂子「純一?何でそういことを言わせようとするの?」
橘「恥ずかしがってる梨穂子が可愛いからかな」
梨穂子「か、可愛い!?」
梨穂子「………純一の、ばか」
梨穂子「わかった、答えるよ」
梨穂子「ココア……二本買ってね?」
橘「え?二本も飲むのか?」
梨穂子「純一と一緒に飲みたい」
橘「う、うん。それは構わないけど」
梨穂子「………」スーハースーハー
梨穂子「覚悟が決まったよ」
梨穂子「うんとね、答えは~」
梨穂子「答えは……うぅっ、やっぱり恥ずかしい」
梨穂子「あのね?純一?聞き返さないでね?」
橘「う、うん」
梨穂子「その問題の答えは!」
梨穂子「おちん……////」
橘(おちん……?)
橘「ま、待て!梨穂子!落ち着け!」
橘「それ以上いけない!」
梨穂子「な、何!?」
橘「冷静になるんだ!!そっちじゃない!」
梨穂子「え?そっちじゃない?」
梨穂子「……あぁ!!」
橘「はい、ココア」
梨穂子「……純一にまんまと嵌められてしまったのです」
橘「だ、だって!まさか引っかかる人がいるなんて思ってなかったんだよ!」
梨穂子「ほんっとうに恥ずかしかったんだよ!?」
梨穂子「じゅ、純一が……いきなり可愛いとかいうから……悪い」
橘「ごめん……」
梨穂子「ん~、今回は許してあげるけど……」
梨穂子「あっ」
橘「どうした?」
梨穂子「仕返し……していい?」
橘「……それ聞いたら仕返しにならないだろ?」
梨穂子「えへへっ、言われてみればそうだね」
橘「何だ?」
梨穂子「『いっぱい』の『い』を『お』に変えて言ってみて?」
橘「え?」
梨穂子「ほらほら、早く~」
橘(ぼ、僕……試されてるのか?)
橘(中途半端はよくないな……よし!)
橘「おっぱい!」
梨穂子「もうエッチなことばっかり考えてるから、そうなっ」
橘「おっぱい!おっぱい!」
梨穂子「ちょっ、ちょっと?純一?」
橘「おっぱい!おっぱい!おっぱい!おっぱい!」
梨穂子「や、やめて!?みんな見てるから!」
橘「おっぱい!おっぱい!おっぱい!おっぱい!」ブンブン
梨穂子「そ、そんな腕を上下に振りながら叫ばないでよぉ~!」
橘「や、やらなきゃいけない気がしたんだ!」
橘「これに関しては梨穂子にだって責任はある!」
橘「これに懲りたら、僕を甘く見ないことだな!」キリッ
梨穂子「うぅ、自分から仕掛けたことだから何も言い返せない」
梨穂子「あのさ、純一?」
梨穂子「私だからいいけど、他の子を同じ目に合わせたら大変なことになるからね?」
橘「う、うん。気をつけるよ」
梨穂子「わかればよろしい!」ビシィッ
梨穂子「じゃあ、私行くね」
橘「うん、またね」
橘「さて、次は?」
橘「塚原先輩!」
塚原「ん?あぁ、橘君?」
森島「私もいるんだけどなぁ!?」
橘「む、無視したわけでは……」
森島「ついさっきは世話になったわね……?」ゴゴゴゴゴゴ
森島「今回は負けないんだから!」
塚原「ちょっと?何の話なの?」
橘「あー、実はですね」
橘「あっ」
森島「……橘君、一時休戦よ?わかってるわね?」
橘「えぇ、もちろんです」
橘・森島「ふふふふふふふ……フゥー、ハハハハハハッ」
塚原「ちょっと!?急に高笑いしだしてどうしちゃったの!?」
塚原「な、何?」
森島「これからひびきちゃんがいやらしい子だってことを証明してあげるわ!」
塚原「はいはい、何を馬鹿なことを……えっ?」
森島「橘くんは知らないかも知れないけど、ひびきちゃんは三年生の間では名の知れたエロ大臣なのよ?」
塚原「何を急に言い出すの!?」
塚原「た、橘君もいるんだよ!?」
森島「橘くんがいるから、よ?」
橘「つ、塚原先輩っていやらしかったんですか!?」
塚原「そ、そんなことは……ないと思う」
森島「チャック……あいてるよ?」
橘「え?チャック?……あっ!?」
橘「す、すみません!!壊れちゃってるみたいで、油断すると勝手に降りてくるんですよ」
塚原(た、橘君のチャックが……)
塚原「…………」ジー
森島(ひびき……やっぱり興味のあるお年頃なのね……)
橘(嘘なのに……ただ森島先輩にあわせただけなのに……)
森島・橘(いやらしいなぁ……)
森島「これから橘君が質問するからさ」
森島「素直な気持ちで答えてね?」
塚原「え、えぇ」
橘「では……塚原先輩」
橘「Hになればなるほど硬くなるものって何かわかりますか?」
塚原「え?」
森島「ヒントはね、橘くんも持ってるものだよ!」
塚原「………….」
塚原「////////////」
森島「んん?どうしたのかなぁ?」
橘「塚原先輩?黙られちゃうと困るんですが……」
塚原「そ、それはね!その……」
森島「黒光りしてるよね!」
塚原「く、黒光り!?」
塚原「Hだと硬くなる……」
塚原「た、橘君にも……」
森島「さぁさぁ、答えてちょうだい!」
橘「出来れば大きな声でお願いします!」
塚原「そ、そんなの……私……できないよぉ//////////」
塚原「いやらしい子だと思われちゃうし……」
森島「はい、五秒前ー!」
塚原「ま、待って!心の準備が!」
森島「四!三!二!一!」
橘「さぁ、答えてください!」
塚原「ーーーーーーッ!!」
塚原「ごめんなさい……許して」
塚原「私ははるかの言う通りいやらしい子でした……」
森島「え?恥をかくのはこれからよ?」
森島「橘くん?答えを教えてあげて?」
橘「あ、はい」
橘「塚原先輩?どんな想像をしたんですか?」
橘「答えは……鉛筆ですよ?」
塚原「えっ?……あっ、そっか」
塚原「…………」
塚原「あ~~~ッ!!!!!」ジタバタジタバタ
橘「いつも冷静な塚原先輩がここまで取り乱すなんて」
森島「ふふふっ、じたんだ踏んでるひびきちゃん可愛い!」
塚原「は、嵌めたわね!?私を嵌めたわね!?」
森島「この耳年増のオマセさん!」
塚原「~~ッッッ!/////」
橘「冷静に考えればすぐにわかりそうなものなんですけどね」
塚原「だ、だって!意識させることばっかり言うから!」
塚原「そ、そう!これは悪質な誘導尋問なのよ!!」
森島「……Hになればなるほど硬くなるのはひびきの頭みたいね」キリッ
塚原「は、はるか!もう許さないよ!!」
森島「うわ~い、ひびきが怒った~!」ピャー
塚原「ま、待ちなさい!はるか!」
橘「あ~、面白かった」
橘「次はどうしようかな」
愛歌「なんと奇遇な」
橘「あ、こんにちは」
夕月「いきなりで悪いんだけどさ、ちょっと手を貸せ!」
愛歌「お前の善意が我々を救う」
橘「え?どうしたんですか?」
夕月「いやぁ~、部室の炬燵が壊れちまってさ」
夕月「新しいのを貰う手筈はととのったんだけどな」
愛歌「ここだけの話、炬燵の癖に重すぎて運べない」
夕月「だから手伝ってくれないか?お茶くらい出すからさ!」
橘「あ、あの……交換条件ってわけじゃないんですが」
橘「運び終わったら、僕の質問に答えて貰っていいですか?」
夕月「質問だぁ?それは別に構わないよ」
愛歌「交渉成立」
橘「この炬燵……本当に洒落にならないくらい重かったですね」
夕月「助かったよ、橘」
愛歌「礼をいうぞ」
夕月「あ、そういえば質問がどーのこーのいってたな?」
愛歌「何が知りたい?美味しいうどんの作り方か?」
橘「う、うどんも魅力的なんですけど……今回はそれじゃなくてですね」
橘「……先にちょっといいですか?」
夕月「何だ?」
橘「け、蹴らないで下さいね?」
夕月「それは質問を聞いてから検討してやるよ」
愛歌「悪いようにはしない、安心しろ」
橘「あ、あのですね」
橘「Hになればなるほど硬くなるものってわかりますか?」
夕月「……は?」
愛歌「……ほう?」
夕月「そんなの鉛筆に決まって」
愛歌「待て、結論を急ぐな」
夕月「だ、だってさ!こいつポルノ野郎全開だろ!?」
愛歌「何故ここでのってやらない?」
愛歌「仮に森島なら面白おかしくしてくれるはずだ」
愛歌「……悔しくないのか?」
夕月「……わかったよ、私が先走ってたな」
橘「えっ?」
愛歌「もう一度聞け」
橘「……Hになればなるほど硬くなるものって何かわかりますか?」
夕月「な、何を言い出すんだよ!橘!/////」
夕月「このポルノ野郎!!」ゲシッ
橘「け、蹴らないで!」
愛歌「……橘」
橘「は、はい!」
愛歌「ちなみに私は硬い方が好きだ」
夕月「お、おい!何を言ってるんだよ!」
愛歌「素直になれ」
愛歌「硬くて太いの好きだろう?」
夕月「そ、それは……////」
夕月「ふ、太い方が握り易いからな!」
愛歌「私のに入り切らず、裂けそうになったことがある」
橘「む、無理しすぎですよ!」
夕月「あ~、わかるわかる!意固地になって入れようとしちまうんだよな!」
夕月「若かったからな……あの頃は」
夕月「入れすぎてパンパンになったりしてな!」
橘「ぱ、パンパンに!?」
愛歌「……ついつい何本も欲しくなる時もある」
愛歌「女の子だから、な////」
夕月「そうそう、集めたくなっちまうよな!」
夕月・愛歌「鉛筆ってさ」
橘「あ、ありがとうございました!」
橘「え?それは……」
愛歌「吐け」ズイッ
橘「ち、近いですって!そんなに顔を近づけないで下さい!」
夕月「ここまでしたんだぞ!?教えてくれてもいいだろ!?」ズイッ
橘「ゆ、夕月先輩も顔近いです!」
夕月・愛歌「さぁ、どっちだ!?」
橘「ぼ、僕は!森島先輩のが好きです!」
夕月「そうか……だよな」
愛歌「正直によく言った」
夕月「橘……この借りはきっと返すからな!」
愛歌「覚えてろよー」
橘「さて……次、いってみよう!」
中多「あ……しぇんぱい」
橘「今時間大丈夫かな?」
中多「は、はい……その……大丈夫です」
橘「ちょっと聞きたいことがあるんだけど、いいかな?」
中多「わ、私に……お、お答えできる……ことならば」
橘「あのさ、紗江ちゃん?」
橘「ちょっとわからなくて困ってるんだけどさ」
中多「は、はい!な、何が……ですか?」
橘「Hになればなる程硬くなるものがあるらしいんだけど、それって何かな?」
中多「え!?」
中多「そ、そ……それは……////」モジモジ
橘「う、うん。どうしたの?」
中多「え……Hになれば……なる程硬くなるもの……」
中多「そ、それは!」
グイッ
橘「さ、紗江ちゃん!?」
ムニュ……
中多「い、今……硬くなろうとしてる……ものです」
橘「さ、紗江ちゃん!?まずいよ!」
中多「ま、まずいことなんてないです!」
中多「そ、その……もっと触って下さい!」
橘「えぇ!?」
中多「それで……もっと硬くなったら、私……嬉しいです!」
中多(……で、でも……答えはそれしかないよね?)
中多(しぇ、しぇんぱい……私……)
橘「さ、紗江ちゃん?大丈夫?」
中多「て、手を……」
橘「ててお?」
中多(やっぱり無理!恥ずかしい!)
中多「し、失礼します!」
タタタタタ……
橘「さ、紗江ちゃん!?」
橘「……いかんなぁ、いかんいかん」
橘「……次か」
橘「あ、七咲」
七咲「今はお暇ですか?」
橘「暇だよ」
七咲「ですよね、先輩のことだからきっと暇なんだろうと思ってました」
七咲「その……お暇でしたら少し後輩の質問に答えてみませんか?」
橘「うん。いいよ。僕で答えられることなら」
七咲「最近、一部で流行ってる問い掛けらしいんですけど」
七咲「Hになればなる程硬くなるものってなぁに?」
橘「!?」
七咲「どうしたんですか?」
橘「いや、それがどうかしたの?」
七咲「いえ、私……恥ずかしながら答えが本当にわからなくて」
七咲「先輩は何だかわかりますか?」
橘(待て、純一!冷静になれ!)
橘(もう少し七咲の話を聞こうじゃないか)
橘「あのさ、検討もつかないの?」
七咲「いえ、もしかして……って思うところはあるんですが」
橘「それって?」
七咲「鉛筆、なんですが」
七咲「……まさかそんなつまらない答えの筈がないと思いまして」
橘(ちゃんと分かってるんじゃないか!)
七咲「Hなことといえば先輩かな、と思いまして」
七咲「……教えて下さい、先輩?」ウルッ
橘(そ、そんな潤んだ上目遣いで僕を見ないでよ!)
いいぞもっとやれ
橘(『鉛筆だよ!この耳年増さん!』っていうのがあって初めて成り立つものなわけで)
橘(……真面目に行くべきなのか?)
橘「あー、七咲?」
七咲「はい、何ですか?」
橘「七咲は保健体育の授業真面目に聞いてなかった方?」
七咲「いえ、真面目に聞いてました」
七咲「ちゃんと教科書に蛍光ペンで印つけたりしてましたし」
七咲「あ、テストではクラス最高点をとりましたよ!ふふっ」
橘(じゃあ、何でわからないんだよ!?)
橘(絶対にわかってやってるな!?そうなんだな!?)
橘(……それなら、僕にも考えがあるぞ!)
七咲「はい」
橘「こうね、先輩として役に立ちたいんだけどさ」
橘「その……Hになればなる程硬くなるものってヤツ、僕も話には聞いてるんだけどね」
橘「実はね男性の身体の一部らしいよ?」
七咲「そ、そうなんですか!?」
七咲「じゃあ、先輩にもありますよね!?見せて下さい!」
橘(え?水泳部はみんな興味津々なお年頃なの?……いやらしいなぁ)
橘「実物を見せられれば良かったんだけどさ……ごめん」
橘「僕には……残念ながらないんだ」
七咲「!?」
橘「いや、そういうわけじゃないよ」
橘「その部分……統計的には日本人だと五人に一人くらいの割合でしかないらしくて」
橘「……ごめんね?僕にはなくて」
七咲「……何で?」
橘「え?」
七咲「何でそういうすぐバレる嘘をつくんですか!?」
橘「その言葉、そのまま返すよ!このエロスク水!」
七咲「失礼な!スク水ではなく、競泳用です!」
橘「そこの問題じゃないよ!この思春期め!」
七咲「第二次性徴と呼んで下さい!」
橘「恥じらいも何もあったもんじゃないよ!」
七咲「そんなこといって……本当は先輩も私に見せたいんじゃないですか!?」
橘「ぼ、僕は見せ付けて得るタイプじゃないよ!?」
七咲「そうですね……粗末そうですしね!」
橘「くっ、安い挑発を……!」
七咲「あ、私は大丈夫ですよ?たとえ粗末でも先輩のは先輩のですから」
七咲「……ちゃんと受け入れますよ?」
橘「もう!付き合ってられないよ!」
七咲「あ、待って下さいよー、せんぱーい?」
橘「思春期……第二次性徴も程々にね!」
橘「次……いってみようか!」
絢辻さん、ごめん
棚町「純一?首尾の方はどうなの?」
橘「みんな面白い反応をしてくれて、僕は幸せを感じずにはいられないよ!」
棚町「へ~、よかったじゃん?」
棚町「……で、その報告をする為に戻ってきたわけじゃないんでしょ?」
橘「さすが、薫。話が早い」
棚町「ふふふっ……あたしを誰だと思ってるの?」
橘「では、早速」
棚町「かかってらっしゃい!」
橘「『ち』で始まる、股間の辺りについてるものって何?」
棚町「……え?同じネタを被せてくると思ったのに……」
橘「さぁさぁ!答えた、答えた!」
棚町「ちょ、ちょっと待って!」
棚町「こ、股間の辺りで……『ち』?」
棚町「ず、ズルいわよ!?そんなの答えられるわけが」
橘「なんだ……薫もこの程度、か」
橘「僕はどうやら棚町薫という人間を過大評価していたようだね……」
棚町「ま、待って!あたしを見捨てないで!」
棚町「……ヒントは?ヒントはないの?」
橘「おや?薫ほどの女でもヒントが欲しいのかい?」
棚町「ほ、欲しい!ヒ、ヒントを……この卑しい私めににお与え下さい!」
橘「全く……いやらしいお嬢ちゃんだぜ!」
棚町「……ばか////」
橘「僕にも勿論ついてるけど、薫にも時々ついてるよ」
棚町「あ、あたしにも!?」
橘「あとね、実は股間以外にもついてることがあるよ」
棚町「な、何それ……怖い」
橘「う~ん、ヒントはこんなもんかな」
橘「……さぁ、答えるんだ!」
棚町「わ、わかっわよ!そんなに焦らせないで!!」
棚町「そ、その……恥ずかしいから、耳打ちでいい?」
橘「耳打ちで?薫も恥ずかしいことかあるの?」
棚町「あ、あたしだって女の子なのよ!?」
棚町「恥ずかしい時くらい……あるよ」
橘「……わかった、耳打ちでいいよ」
棚町「あ、あのね……答えは……////」
棚町「…………チャック//////」ヒソヒソ
橘「さすが薫だね、僕は今モーレツに感動しているよ!」
棚町「……絢辻さんには辛く当たっちゃったから……この位はやらないと、ね」
橘「あ、そういえば絢辻さんは?姿が見えないようだけど」
棚町「あれ?出会ってないの?」
橘「うん、暫く姿を見てないなぁ」
棚町(上手にステルスしてるのね、絢辻さん)
棚町(純一……あんた全部見られてるわよ?)
棚町「……まだ終わりじゃないんでしょ?」
橘「う、うん!僕はまだ続けるつもりだよ!」
棚町「あんたも好きねぇ……ま、気を付けていってらっしゃい」
橘「うん、じゃあまた後でね!」
橘「う~ん、次は誰に聞こうかな?」
麻耶「橘君?どうしたの?」
橘「そ、その……質問がありまして」
麻耶「やっと真面目に勉強してくれる気になったのね、橘君……」
麻耶「長かった……ここまで来るのにどれだけ時間がかかったか……」
麻耶「……わかった!絢辻さんの影響でしょ?最近仲がいいものね?」
橘「い、いえ……申し訳ないのですが授業のことでは……」
麻耶「え?そうなの?」
麻耶「……残念だけど、まぁ生徒の質問に答えるのが教師の役目だものね」
麻耶「で、何なの?」
橘「人生経験豊富な高橋先生ならご存知だと思うのですが!」
麻耶「何?美味しいお酒の飲み方?」
麻耶「気持ちはわかるけど、高校生は飲酒しちゃダメよ?」
橘「そ、それも気になりますが!そうではなく!」
橘「Hになればなるほど硬くなるものって何ですか!?」
麻耶「…………なっ!?」
麻耶「……橘君?」
麻耶「それ、流行ってるの?」
橘「えっ?」
麻耶「橘君で10人目よ?それを私に聞くの」
橘(し、しまった!出遅れたのか!)
橘(そういえば……七咲が『一部で流行ってる』っていってたけど、本当だったのか!)
橘「い、いえ!身に覚えが……」
橘(……あるなぁ、うん)
麻耶「全く、何が目的だかわからないけど、大人をからかうんじゃありません!」
麻耶「第一ね、そんなことを女性の口から言わせるなんてセクハラよ?」
橘「えっ?」
麻耶「な、何?変なこといったかしら?」
橘(さすが高橋先生だッ!平然と間違えているッ!そこに痺れるッ!憧れるッ!)
橘「あ、あの……先生?」
橘「先生は、勘違いしてますよ?」
麻耶「えっ?何が?」
橘「この質問の答えは……鉛筆です」
麻耶「…………えっ?」
麻耶「えんぴつ?…………そ、そっか。鉛筆ね」
麻耶「そうよね、鉛筆よね……////////」
橘「す、すみません!どうしても高橋先生の反応が見てみたくて!」
麻耶「な、何で私なの!?絢辻さんとか森島さんとか、あなたには可愛い女の子の友達が沢山いるでしょ!?」
麻耶「恥ずかしがらせたいなら、私じゃなくて彼女達にやった方がいいでしょ?」
橘「いえ!僕は高橋先生の反応が見たかったんです!」
麻耶「だ、だから何でなの!?」
橘「だ、だって……先生はお綺麗ですから……」
麻耶「えっ……もうっ!////」
麻耶「お、大人をからかうんじゃありません!」
麻耶「……橘君?あとで職員室に来なさい?気が済むまで説教してあげるから」
麻耶「逃げたら許さないからね?」
ツカツカツカツカ……
橘「どうしよう、処刑されちゃうよ!」
橘「と、とりあえず次だ!」
橘「あ、絢辻さん!」
橘「何だか……久しぶりに会えた気がするよ」
絢辻「そうね……私はあなたのことをずっと見てたけど」
橘「えっ?」
絢辻「あの時質問にうまく答えられなかったから、今後の為に参考にしようと思ってね」
橘「何もそこまでしなくてもいいのに」
絢辻「か、勘違いしないで!?出来ないことを出来ないまま放っておくのが嫌なだけよ!?」
絢辻「それに演技の幅を広げるのは私の為になるからね」
橘「ははっ、絢辻さんらしいよ」
絢辻「それでね、まだ上手くできるかわからないから……じ、自信はあるんだけどね」
絢辻「だから……私に質問して?」
橘「うん。わかった」
橘「じゃあねぇ……二人が身体を密着しあって、出したら終わりなことって何?」
橘「質問しろっていったのは絢辻さんじゃないか!?」
橘「じゃあ、別のにする?」
絢辻「……だ、大丈夫!平気よ!」
橘「う~ん、絢辻さんのことだからヒントはいらないかな?」
絢辻「いいえ、思い込みで間違いたくないから」
絢辻「ヒントをちょうだい?」
橘「え~とね、二人でするとはいったけどね」
橘「僕はしばしば一人ですることになるよ」
絢辻「……そうね、私は一人ですることの方が多いわね。というか……恥ずかしいけど、一人でしたことしかないし」
橘「それとね、一回絢辻さんとしてみたいな」
絢辻「えっ!?」
絢辻「もう!何でそういうことを平気で言えるの!?」
絢辻「……私だって、橘君と……一回と言わずに何回でもしたいわよ!」
絢辻「橘君……」
橘「その……答えを聞いてもいいかな?」
絢辻「えぇ、もう覚悟を決めたから」
絢辻「二人が身体を密着しあって、出したら終わりなもの……それはね?」
橘「…………ゴクリ」
絢辻「……それは、ね」
橘「……うん」
絢辻「日本の国技、相撲よね?」
橘「……正解!」
橘「うん、よかったと思うよ」
絢辻「そ、そう?素直に受け取っておくわね。付き合ってくれてありがとう」
橘「いやいや、元はといえば僕のせいだし」
絢辻「でも、慣れないことはするもんじゃないわね……変な汗をかいちゃったわよ」
橘「その調子で世の中の男をドキドキさせてくといいと思うよ、僕は」
絢辻「私がドキドキさせたい男は一人だけしかいないけどね」ボソッ
橘「え?何か言った?」
絢辻「何でもないわよ?ただの一人言……いえ、一人相撲ね」
絢辻「じゃあ、私は溜まった仕事を片付けに行くから」
絢辻「またね、橘君」
橘「うん、またあとでね」
橘「……次?どうしようねぇ」
美也「あ、にぃに……じゃなくてお兄ちゃん?何してんの?」
橘「ちょっと浪漫を求めて徘徊中、ってとこかな」
美也「はぁ……学校で馬鹿なことするのやめてよね?」
美也「恥ずかしいのは私なんだからさ」
橘「ぼ、僕だって恥ずかしいんだぞ!?」
美也「お兄ちゃんのは自業自得だし、何だかんだで楽しんでるでしょ!?」
美也「私は一方的に『お兄ちゃんがまた馬鹿なことしてたぞ』って報告されるだけなんだからね!?」
橘「当事者でもないのに恥をかくのは納得いかないって?」
美也「そういうこと!」
橘「……じゃあ、美也も当事者になるか?」
美也「えっ?」
美也「私に恥をかかせないでっていってるの!」
橘「でも、結局恥をかくことになるなら、当事者だった方が諦めがつくだろ?」
美也「お、お兄ちゃんが恥ずかしいことしなければいいだけでしょ?」
橘「それは無理だよ、美也」
美也「は?」
橘「例えば紗江ちゃんのブラのホックが突然外れたとしよう」
橘「そこで僕が『ああ、そうなの……大変だね』ってスルーしちゃう」
橘「そんな僕の姿を見たいのか!?」
美也「うぅ、それはそれで見たくないかも……」
橘「だろ?だから僕は紳士的な振る舞いをやめる気はないよ」
美也「……納得いかないけど、言いたいことはわかったよ」
橘「簡単なことだよ、これから僕のする質問に答えてくれればいい」
美也「……え?それだけなの?」
美也「脱いだり、舐めたりしないの!?」
橘「ば、バカ!そんなわけないだろ!?」
美也「ふ~ん?まぁ、いいけどさ」
美也「で、質問って?」
橘「え~とな、美也?」
橘「入れると身体が熱くなる『ぼう』って何だかわかるか?」
美也「……えぇ!?」
橘「もう一度言おうか?入れると身体が」
美也「わ、わかったから!二回も言わなくていいって!」
美也(ここはとりあえず)
美也「……わかんないっ!」
橘「本当にわからないのか?」
美也「ねぇ?ヒントは?みゃーにヒントはないの?」
橘「ヒント?ヒントか……」
橘「美也は毎日いれてるぞ、その『ぼう』」
美也「え?毎日入れてるの?」
橘「ここの所寒い日が続いてるからね」
橘「ちなみに僕も毎日入れてるぞ」
美也「へ、変態!!」
橘「え?何が?」
美也「な、何でもないよ!このバカにぃに!」
美也「そんな「ぼう」なんて毎日入れてるわけないでしょ!?」
橘「こ、こら!誤解を招きそうなことをいうな!思春期で多感な七咲に謝れ!」
橘「……それに学校から帰ってきたら真っ先に入れてるだろ?」
美也「そ、そんなことないもん!」
橘「何を言ってるんだ?」
橘「『にっしっし~!みゃーは地球に優しくない女なのだ!』って得意気にいってたじゃないか!」
美也「あっ……そういうことか」
美也「にぃにの馬鹿!紛らわしいよ!!」
橘「そうなるのはお前がいやらしい子だからだろ?」
美也「違うもん!いやらしい子じゃないもん!」
橘「いいからいいから……で、答えは?」
美也「……暖房でしょ?」
橘「……どうした?顔を真っ赤にして?」
橘「これはもう暖房いらずかな?」
美也「~~~~~ッ!!///////」
美也「……うがー!許さん!」バッ
橘「こ、こら!暴力に訴えるなんて自分がいやらしい子だって認めたようなもんだぞ!?」
美也「問答無用!」
橘「や、やめろ!やるならせめて優しくして……うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
橘「酷い目にあったよ……」
橘「次……ってもう全員回ったかな?」
橘「そ、その声は……田中さん!?」
?「ち、違うよぅ!?田中Bとかそういうのじゃないよ!?」
橘「た、田中さんじゃないの?」
?「わ、私は」
絢辻「おらっしゃぁっ!」
?「ちょ、ちょっと何?きゃー!!」
デーンッ!
橘「で、出たー!絢辻さんの上手投げだ」
絢辻「ふぅ……何でもないのよ、この子は」
?「何でもなくなんて……」
絢辻「私と一緒に来てくれるわね?」
?「えっ」
絢辻「来てくれるわよね?」
?「……はい」
橘「……何を言ってるのか分からないと思うけど、僕も何が起きたのかよくわからないよ」
橘「……どういうことなんだろうな、梅原?」
梅原「俺に聞くなよ……わからねぇよ、そんなの」
梅原「絢辻さんが関係してそうなんだろ?絢辻さんに聞けばわかるんじゃないか?」
橘「それがさ、そのことに触れようとすると物凄く怖い顔をしてさ」
橘「『忘れなさい』っていわれるんだよ」
橘「……深く知ってはいけないことなのかな?」
梅原「お、おう……色々と大変なんだな」
田中「そんなよくわからない隠しキャラのことなんかより!」
田中「ねぇ、次はどうするの!?」
田中「そ、そろそろ私の出番だと思うよ?」
橘「僕の知ってる女の子の所には大体行ってしまったし」
田中「私はー?」
橘「困ったなぁ。もう終わりかな?」
田中「だからさ!わ・た・しは!?」
梅原「おいおい、伊藤さんのとこいってないだろ?忘れてやるなよ」
田中「私もいるよー?おーい?」
橘「香苗さんは僕の専門外だからさ」
梅原「専門外?大将にもそんなのあるのか?」
橘「というか、僕が行ったら人選ミスだよ」
梅原「そうかぁ?」
田中「…………私も……私もいるのに……」
梅原「おう」
橘「僕は供給過多だからさ、今」
梅原「何がいいたいんだ?大将?」
橘「……香苗さんの所には梅原が行くべきだってこと」
梅原「お、俺が!?」
橘「梅原ならできるよね?」
梅原「だ、だがしかしだな……さすがに恥ずかしくないか?」
橘「大丈夫だよ、梅原」
橘「今、校内では教師陣をも巻き込んだ『紛らわしい問い掛け』ブームが起きてるから」
橘「乗るしかない!このビッグウェーブに!」
橘「あぁ……梅原ならやれるさ!」
梅原「俺、行くぜ……じゃあな!」
橘「健闘を祈る!」
田中「梅原君……行っちゃったね」
橘「うん……早速心配になってきちゃったよ」
田中「ブームだ、なんて言っちゃったしね」
田中「でも、それはただ情報の正確さに欠けてただけだよね?」
橘「そうだね……『紛らわしい問い掛け』がブームなのは『一部で』だからね」
田中「……橘君ったら、悪い人なんだから」
橘「……田中さんもね?」
香苗「あ、梅原じゃん!」
香苗「ちょうどいい所に来てくれたね!」
梅原「へ?なんだ、なんだ?」
香苗「いやー、どうしても使いたいネタがあったんだけどさ」
香苗「中々ちょうどいい相手がいなくてね」
梅原「へへっ、ネタは新鮮なうちにつかわねぇとな!」
梅原「俺でよければ、受けて立つぜ!」
香苗「じゃあね……ちょっと恥ずかしいんだけど」
香苗「Hになればなるほど硬くなるモノって何かわかる?」
梅原「なん……だと……?」
梅原「い、伊藤さん?そのネタはどこで仕入れたんだ?」
香苗「えーとね、桜井が橘のヤツに唐突に振られたネタらしくてさ」
梅原(だよな……さすが大将だぜ……)
香苗「『大恥かいたよ、うわーん』って泣きついてきちゃってね」
香苗「これは私が再利用しない手はないな、とね!」
香苗「でさでさ!それはそうと、早く答えてよ!」
梅原「お、おう」
梅原(む、難しいぜ!絢辻さんにダメ出した手前、中途半端なことはできねぇ!)
梅原(大将ならこういう時どうする!?どう切り抜けるんだ!?)
梅原(あくまで紳士的に解決するんだ、俺!)
梅原(えぇい!腹をくくれ!)
梅原「い、伊藤さん?」
梅原「その……例のブツなんだけど」
梅原「俺も勿論もってるけど、ちょっと柔らかめなんだよな」
香苗「へ、へぇ?そうなんだ?」
梅原「でも柔らかい方が都合がいいんだよ」
梅原「俺さ、強く押し付ける方だからさ……もし硬かったら傷つけちまうだろ?」
香苗「う、うん!傷つけるのはよくないよね!」
梅原「でも……この前、ついつい力が入っちゃって」
梅原「折っちまったんだよ……豪快に」
香苗「えぇ!?折ったの!?」
梅原「先っぽだけ、だけどな」
香苗「そ、その後どうしたの?どうやって切り抜けたの?」
梅原「大将が二本持ってたから一本借りたんだよ」
香苗「橘って二本もってるんだ?へぇ……やるじゃん、アイツ」
梅原「俺のより少し硬めだったから違和感あったけど」
梅原「ま、何とかなったんだよ」
香苗「梅原のはどうしたの?」
梅原「勿論すぐに削ったぜ!少し短くなっちまったけど、仕方ないよな」
香苗「そうだね……使ってたら短くなるもんね!」
梅原「そうなんだよなぁ……あんまり短くなる前に交換するのがベストだな」
梅原「え、鉛筆はよ!」
梅原「へへっ、伊達に大将と長年つるんでるわけじゃねぇからな!」
香苗「きっと桜井が今の話を聞いてたら顔を真っ赤に染めてたと思う」
梅原「おいおい、そんなことしたら大将に怒られちまうだろ?」
香苗「はははっ!そうだね!」
梅原「伊藤さん……その、な?」
香苗「うん………」
梅原・香苗「…………」
森島「そこッ!安易なラブコメ展開禁止ッ!」
梅原「も、森島先輩!?」
森島「あ、梅原君じゃん……これはこれは、いい所を取り押さえたぞ」ニヤニヤ
森島「橘くんに報告だーッ!」ピャー
梅原「ちょっと、待って!待ってくださいよ!」
バタバタ……
香苗「……はははっ、何て間の悪い」
森島「ごめんね……?テンション上がっちゃってついつい」
橘「ついつい、じゃないですよ?先輩?」
森島「ううっ、橘くんまでひびきみたいなことをいいだして……」
田中「でも、しょうがないよね……事故だもん」
橘「た、田中さん!?」
梅原「いいんだよ、もう」
梅原「紳士力の足りない俺が悪いんだぜ?全部……な?」
森島「じゃあ、鍛えちゃう?鍛えちゃうのね!?」
梅原「鍛えてくれるんですか!?」
森島「なら、早速ひびきちゃん辺りで特訓ね!」
田中「えええええ!?私はー!?」
ひとまず終わり
面白かったまた書いてくれ
乙
面白かった
また書いてくれ
Entry ⇒ 2012.02.12 | Category ⇒ アマガミSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
後輩「灯油が切れました」 先輩「寒い」
後輩「先輩行ってくださいよ」
先輩「やだよクソ寒い」
後輩「あー、また雪強くなってきた」
先輩「さーみーいー」
後輩「ブランケット使います?」
先輩「うん」モゾモゾ
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1327812635/
後輩「灯油が切れました」 先輩「寒い」
後輩「はい」
先輩「脚にかけると首周りが寒い」
後輩「はい」
先輩「首にかけると足が寒い」
後輩「はい」
先輩「クソ役に立たないと思うんですけどね私は!」モゾモゾ
後輩「先輩と一緒ですね」
先輩「親近感わくなぁー!」モゾモゾ
後輩「寒くなってきた……」
後輩「だから、買ってきましょうよ灯油」
先輩「いくらくれる?」
後輩「クズい発言やめてください」
先輩「あ、いいこと気づいた」
後輩「はい」
先輩「一杯やろう」
後輩「く、クズい……!」
先輩「かんぱーい!」
後輩「かんぱい……」カチャン
先輩「ぐびぐび」
後輩「ぐびぐび」
先輩「いやぁ、あったまるなぁ」
後輩「なんでウォッカばっかりこんなあるんだ先輩の部屋……」
先輩「ロシアの血がな、4分の1混じってるんだ」
後輩「へえぇ」
先輩「ヤー、リュブリューティビャー」
後輩「ぐびぐび」
先輩「ん?」
後輩「飲んじゃった……」
先輩「いかんの?」
後輩「いや、飲んだら車乗れないじゃん」
先輩「うん」
後輩「車なかったら灯油買いにいけないじゃん」
先輩「それ今言うのかよ」
後輩「なんで飲ますのバカ先輩」
先輩「アホ後輩」
後輩「ついでください」
先輩「ほらよ」ドプドプ
先輩「ろれつ危ねーぞお前」
後輩「雪またすごくなってきたぁ」
先輩「おう」
後輩「あー……」
先輩「ぐびぐび」
後輩「寒い……」
先輩「ブランケット使うか?」
後輩「うん……」モゾモゾ
先輩「ほんと、よく降るなぁ」
後輩「このブランケットってやつは、脚に――」
先輩「それもう私がやったから」
後輩「そうですか……」
先輩「……」
後輩「……」
先輩「毛布とか無かったかな……」
後輩「先輩」
先輩「おう」
後輩「……」
先輩「……」
後輩「……あの」
先輩「おう」
先輩「嘘だけど」
後輩「でしゅよね」
先輩「あ、毛布あった」
後輩「くださーい」
先輩「ほらよ」バサッ
後輩「わっう、あっ、酒こぼした」
先輩「あ、こら、てめっ」
後輩「ティッシュティッシュ」
先輩「モッタイナーイ、モッタイナーイ」ペロペロ
後輩「いや、それはダメでしょ!先輩!ちょっ!」
先輩「ぐびぐび」
後輩「ちょっと温い……」
先輩「よかったな」
後輩「ぐびぐび」
先輩「あー……」
後輩「はんぶんこします?」
先輩「あ?」
後輩「毛布」
先輩「あー。うん」
先輩「あー……」
後輩「……なんか、これ」
先輩「うん」
後輩「雪山で遭難した風情ですね」
先輩「遠からずってとこだけどな」
後輩「寝たら死ぬ?」
先輩「死ぬかよ」
後輩「ですよね」
先輩「3度くらいなら耐えられるだろ」
後輩「死にませんそれ?」
先輩「死んだことないから分かんない……」
後輩「私もですよ。奇遇ですね」
後輩(♀)
だよな
先輩「え、いまさら?」
後輩「脳みそ煮えてる感じで」
先輩「暖まるだろ」
後輩「寒いです」
先輩「言うなバカ」
後輩「せんぱーい」
先輩「ひっつくなバカ」
後輩「ぐびぐび」
先輩「……あ、吐くなよ、お前マジ」
後輩「私もですよ。奇遇ですね」
つまり二人とも女ということか
私という一人称の男だっているさ
つまり先輩♂後輩♂ということか
先輩「……」
後輩「……そう言われると」
先輩「……おい」
後輩「……」
先輩「……」
後輩「……っうぷ」
先輩「おい、ばかコラ!」
後輩「冗談ですよ」
先輩「死ねっ」
後輩「いたい!」
後輩「はい」
先輩「酒強いな、お前」
後輩「肝臓が普通の人よりだいぶ大きいって、お医者さんに褒められたことがあります」
先輩「……へぇ」
後輩「ほんとですよ」
先輩「すごいじゃん」
後輩「えへへ……」
先輩「バカにしてんだから照れるな」
後輩「あっ、おつまみほしい!」
先輩「酔うと案外面倒くさいなお前」
先輩「おう」
後輩「おつまみー」
先輩「先輩はおつまみじゃありません」
後輩「お願いしますよぉ……」
先輩「指でもしゃぶってろ」
後輩「あむあむ」
先輩「私のじゃねぇよ」
後輩「ぐびぐび」
先輩「酒進んでるんじゃねーわよ」
後輩「……――です、小町伝説に関する教授の著書を読んで――」
先輩「……」
後輩「……で、このゼミに決めました。よろしくお願いします」
先輩「……」
パチパチ パチパチ
教授「……では、後輩さんは先輩の横に座って」
後輩「はい」
先輩「……」
先輩「ん」
後輩「よ、よろしくお願いします」
先輩「……おう」
後輩(怖っ)
後輩(ピアスすごい数だし)
後輩(喋り方もマニッシュ、っていうのかな?)
後輩「……」チラッ
先輩「……」
後輩(……苦手そうだな)
先輩「……おい、おーい」
後輩「むにゃ……」
先輩「むにゃじゃねーよバカタレ」
後輩「あふっ!?」
先輩「先輩にツマミ作らせて自分は居眠りとか、いい根性じゃねぇか」
後輩「……」
先輩「寒いから毛布入れろバカ」モゾモゾ
後輩「先輩」
先輩「あー?」
後輩「ピアス増やしたんですね、そういえば」
先輩「いつの話だよ」
先輩「チーズと大葉をな、餃子の皮で包んで」
後輩「なにクソ手ぇ込んだもの作ってるんですか……」
先輩「ケチつけるんなら食わせねーぞバカ娘」
後輩「柿ピーとかでいいじゃないですか」
先輩「何ていうか、性根が安っぽいのよお前」
後輩「にゃにおー!」
先輩「あーばーれーるーな。騒ぐと毛布めくれてさみぃ」
後輩「もぐもぐ」
先輩「もぐもぐ」
後輩「ぐびぐび」
先輩「ぐびぐび」
後輩「ぐびぐび」
先輩「さすがに朦朧としてきた……」
後輩「せーんぱい」
先輩「さわるなぁー……」
後輩「寝たら死にますよー」
先輩「うるせー……」
後輩「あっためたげますー」
先輩「やーあー……」
後輩「……」
先輩「……」
先輩「……」
後輩「……」
先輩「……っふ……」
後輩「……先ぱ――」
先輩「調子にのんなー!」
後輩「いって!」
先輩「お前なぁ」
後輩「先輩すぐぶつ……」
先輩「飲みすぎだって。もう寝ろ」
後輩「むぅ……」
後輩「……」
後輩「……」グスッ
後輩「……っうぅ」
先輩「あ」
後輩「……っ!」
先輩「……」
後輩「……」ゴシゴシ
先輩「……」
後輩「……」
先輩「……」
先輩「……なぁ」
後輩「っ!」
先輩「聞こえた?」
後輩「……は、はい」
先輩「アンタ、今日時間ある?」
後輩「え……」
先輩「夜。どっか飲み行こうぜー」
後輩「飲……、い、いえ、私……!」
先輩「あ、なんか用事あった?」
後輩「いえ、…お、お酒……?飲んだことなくて……」
先輩「へーぇ?」
後輩「や、そんな、ちょっと……」
後輩(……悪い遊び、クラブ、風紀紊乱)
後輩(……違法ドラッグ、身体と金銭の交換活動、デスメタル)
後輩「私は――」
先輩「だーいじょうぶ」
後輩「あ……」
先輩「心配すんなって」
後輩(笑った……)
後輩(笑うとこんな顔なんだ……)
後輩「ちょっとだけ……なら」
先輩「おっしゃ。いやー、このゼミみんな下戸でさぁー」
後輩(結構……、普通の人っぽい……)
後輩「……ぅあ」
先輩「……」
後輩「……寝てた」
先輩「……むにゃ」
後輩「先輩?」
先輩「……」
後輩「普通よりちょっと」
先輩「むにゃー……」
後輩「ダメ先輩」
先輩「……」
後輩「もっかい寝よ」
後輩「死ぬ」
先輩「死ぬ」
後輩「頭痛いよぉー……」
先輩「寒いよぉー……」
先輩「ふざけんなバカ」
後輩「アンタだろバカ」
先輩「今日は無理だぞ、私。腰抜けてるからな、マジで」
後輩「クズいと思います」
先輩「そういうお前」
後輩「私?」
先輩「腰立つの?ゆうべアレだけ飲んでおいて」
後輩「……よっこい」グラ
先輩「……」
後輩「……」バタン
先輩「……」
後輩「……むにゃ」
先輩「おい、おいバカ」
先輩「……」
後輩「……酒臭い」
先輩「なら布団出ろよ」
後輩「立てませんし」
先輩「なら文句言うな」
後輩「……」
先輩「……」
後輩「……」
先輩「……」
先輩「こーれだからゆーとーせぇちゃんは」
後輩「……」
先輩「……」
後輩「……」
先輩「……」
後輩「先輩」
先輩「ん」
先輩「暇だったから」
後輩「ですよね」
先輩「……」
後輩「……」
先輩「……」
後輩「……」
先輩「……あと」
後輩「はい」
先輩「泣いてるのが可愛かったから」
後輩「何それ」
先輩「フェチなんだよ」
先輩「うるせ」
後輩「……」
先輩「……」
後輩「……」
先輩「……」
後輩「ねぇ」
先輩「おう」
後輩「なんでしないんですか?」
先輩「……したいのかよ」
後輩「……」
先輩「変態」
後輩「もう」
先輩「頭ガンガンしてんだよ、休ませろ」
後輩「……」
先輩「……」
後輩「……」
先輩「キス顔やめろ」
後輩「……」
先輩「……」
後輩「……」
先輩「……キスだけだぞ」
後輩「んー」
後輩「……んぅ」
後輩「……」
先輩「灯油、買いに行かないと……」
後輩「……」
先輩「……寒いから」
後輩「すぐに暖かくなります」
先輩「……ばーか」
Entry ⇒ 2012.02.12 | Category ⇒ 兄弟姉妹「」SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
メイド「冥土にお送りいたします」主人「かかって来い」
主人「ん……」
若き主人が目を覚ました。
めざまし時計のベルによってではなく、強烈な殺気によって。
ドスッ!
ベッドに包丁が突き立てられた。
が、その位置に横たわっていた主人はいない。かわしたのだ。
メイド「おはようございます、ご主人様」
主人「おはよう」
メイド「冥土にお送りいたします」
主人「かかって来い」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1328097657/
メイド「冥土にお送りいたします」主人「かかって来い」
主人はすかさず机の上にあった万年筆を、メイドの眼球めがけて投げつける。
ビュッ!
飛んでくる万年筆を冷静に包丁でハジくメイド。
ガキンッ!
しかし、弾丸のような万年筆をハジいたため、包丁も砕けた。
主人「………」
メイド「………」
主人「食事にしよう」
メイド「リビングに用意してあります」
主人「今日の朝食はキノコスープか」
メイド「はい。ぜひご賞味下さいませ」
主人「ワライタケ、ベニテングタケ、ドクツルタケにコレラタケ……」
主人「実に美味そうだ」ニコッ
メイド「ありがとうございます」
主人「うん、これは美味しい」ジュルリ
主人は大量の毒キノコを煮詰めたスープを全て平らげた。
主人「君もコーヒーでもどうだい。淹れてあげよう」
メイド「ありがたくいただきます」
メイドの目の前でコーヒーカップに青酸カリのカプセルを入れた。
主人「俺はコーヒーにはうるさいんだよ」
主人「さ、どうぞ」スッ
メイド「ご主人様のコーヒーを堪能できるなんて、光栄ですわ」ゴクゴク
メイドは青酸カリ入りのコーヒーを全て飲み干した。
メイド「美味でございました」
メイド「私、これほど美味しいコーヒーを飲んだのは生まれて初めてでございます」
主人「君に喜んでもらえると、とても嬉しいよ」
テレビ『世界的に暗躍しているテロリストが、日本に潜伏したという情報が~』
テレビ『連続殺人事件を起こした犯人は現在も逃走中~』
どんなに物騒なニュースも主人とメイドにとっては脅威ではない。
主人「君は料理の天才だよ」
メイド「ご主人様こそ、このコーヒーなら今すぐにでも喫茶店を開けますわ」
二人にとって、もっとも脅威となるのは目の前にいるお互いなのだから。
主人「水を用意してもらえるかな?」
ザバァッ!
メイドはバケツ一杯に入った硫酸を、主人めがけて浴びせかけた。
ジュワァ~……
主人は硫酸をジャンプでかわしていた。
だが、メイドは空中に逃れた主人のスキを見逃さない。
ビュバババッ!
メイドは大量の爪楊枝を、散弾のように投げつけた。
主人(これは、かわせないな……やむをえん!)
主人は全身の筋肉を硬直させ、爪楊枝を受け止めた。
ほとんど刺さっていないので、ダメージはないに等しい。
主人「ふう、今のは少しヒヤッとしたよ」
メイド「あれでダメージ無しとはさすがです、ご主人様」
主人「ハハ、ちょっとチクッとしたけどね」
主人「さて、そろそろ本当に準備するか」
主人「あの退屈な時間も、この生活を維持するのには必要だからね」
メイド「かしこまりました、すぐに着替えを用意いたします」
メイドの用意したスーツに着替える主人。
メイド「いつもながら、見事なスーツの着こなしにございます」
主人「ありがとう」
主人「ところで、ちょっと後ろを向いてもらえないかな?」
メイド「かしこまりました」クルリ
主人「………」シュルリ
グイッ!
主人はネクタイを外すと、それで後ろからメイドの首を絞めた。
もちろん全力で、である。
主人「窒息で済ませるつもりはない……首をヘシ折る」グググ…
メイド「………」
メイドはネクタイに指をかけると──
ブチッ
ネクタイを引きちぎり脱出した。
主人「ヒュウ、さすがだね」
メイド「私にはもったいないお言葉ですわ」
主人「さて、そろそろ俺は出かけるよ」
メイド「かしこまりました」
メイド「ご主人様」
主人「ん?」
メイド「どうかお気をつけて」
メイド「くれぐれも……私以外の者に冥土に送られてしまうことがないよう」
主人「分かっているよ」
主人「もっともこの地球上で単独で俺を殺せる可能性があるのは、君くらいのものだろ」
主人「じゃ、行ってくる」
メイド「行ってらっしゃいませ、ご主人様」
砕けた包丁、穴のあいたベッド、折れた万年筆、割れた食器類、
床にぶちまけられた硫酸、同じく散らばった爪楊枝、ちぎれたネクタイ……。
全てを猛スピードで片付け、可能な限り元通りに修復する。
淡々と作業をこなしながらも、メイドの頭にふと今朝の攻防がよぎる。
メイド(爪楊枝攻撃は……惜しかったですわ)
メイド(あれが包丁やナイフだったなら、ダメージを与えられたかもしれないのに)
メイド(しかし、今更悔いても仕方ないこと)
メイド(その後のご主人様の首絞めは、なかなか強烈でしたわ)
メイド(私の頸動脈に食い込むネクタイの感触……十分に死を予感させるものでした)
メイド「さすがは、私のご主人様……」
メイドはぽつりと、そう漏らした。
主人は若手ナンバーワンの社員だった。
いや、もはや能力は会社でナンバーワンといえた。
課長「いや、まさかあの契約を取ってくるとは!」
課長「君はすばらしいよ! ハッハッハ!」
主人「ありがとうございます」
課長「それにしても君は入社以来ミスといえるミスが一度もない」
課長「いいかたは悪いかもしれんが、まるで機械のようだね」
主人「ハハハ、さすがに機械にはかないませんよ」
なぜなら機械は命令以上のことはしないが、彼は命令以上のこともこなすのだ。
同僚「ふんふ~ん」カチャカチャ
主人「おい、そこ計算間違ってるぞ」
同僚「あっ、ホントだ! いっけね!」
同僚「わりぃわりぃ、サンキュー。よく気づいたな」
同僚「ずっと資料と格闘してた俺が気づかなかったのに」
主人「岡目八目ってやつだよ」
OL「あ、いえっ、はいっ!」
OL「しょっ、少々お待ち下さい」カチャ
主人「どうかした?」
OL「ものすごい怒鳴り声で変なクレームが入ってて……」
OL「上司がいないんなら、社長を出せとか、もうメチャクチャなのよ……」
主人「代わるよ。こっちに電話回して」
OL「う、うん……」
主人はみごとにクレーマーを鎮めてみせた。
主人(早く家に帰りたい)
主人(メイドとの攻防に比べ、仕事のなんと退屈なことか)
主人(彼女との戦いは一瞬のミスも油断も許されない)
主人(ひとたびミスをすれば、負傷し、その先に待ち受けるのは死だ)
主人(一方、仕事は考える時間がたっぷりある)
主人(はっきりいって、ミスりようがない)
主人(仮にミスったところで怪我するわけでも、死ぬわけでもない)
主人(たまにわざと会社の存亡に関わるようなミスをしたくなる衝動に駆られるが)
主人(それは俺のポリシーに反する)
主人(俺は雇われている身だし、他の社員に迷惑がかかるからな……)
主人(ああ、早く帰りたい……)
仕事が終わり、主人は課長たちと酒を飲んでいた。
課長「ウィ~、ちゃんと飲んでるか?」
主人「もちろんですよ~、課長~。焼酎最高!」
同僚「しっかしホントお前って顔赤くならないよな」
OL「ホントよね~。でもたまにこういう人っているけどね」
主人「顔は赤くならんけど、酒自体は弱いよ。もうグデングデンだもん」ヨロッ
課長「ハハハ、おいおいしっかりしろよ」
主人は全く酔っていなかった。
毒が通じない人間が、酒(アルコール)で酔えるわけがない。
酔ったフリがうまいだけだ。
主人(ふぅ、今夜はすっかり遅くなってしまったな)
主人(だが感じるぞ……)
主人(このドア一枚へだてた向こう側から……)
主人(俺の帰りを待っていたメイドの強烈な殺気を!)
主人(待たせて悪かったな)
主人(今、開けるから──)
ガチャッ
メイド「お帰りなさいませ、ご主人様」
主人「ただいま」
メイド「冥土にお送りいたします」
主人「かかって来い」
ヒュヒュヒュヒュッ!
メイドが主人の顔面めがけて道具を投げた。
ハサミ、刃の出たカッターナイフ、ボールペン、マイナスドライバー。
主人(マイナスドライバーなんて家にあったんだ……)
などと考えつつ、主人は四つ全てをキャッチしてみせた。
ブオンッ!
メイドはバク宙でこれをかわした。
ドガァッ!
主人が振り下ろした靴ベラがぶつかった廊下が、砕けた。
たとえ靴べらでも力と速度を伴えば、立派な鈍器だ。
メイド「すばらしい一撃ですわ。さすがはご主人様」
主人「君こそ、マイナスドライバーなんてどこで見つけたんだい?」
主人「ありがとう、入らせてもらうよ」
<風呂場>
浴槽には大量の氷が浮かんでいた。
水温はおそらく5℃とないだろう。
もちろん、主人はためらうことなく入る。
ザバァッ
主人「ああ、いい湯加減だ。心も体もポカポカだよ」
外にいるメイドが答える。
メイド「ありがとうございます、ご主人様」
メイド「よろしいのですか?」
主人「今更遠慮する仲でもないだろう」
主人は浴槽に浮かんでいる小さな氷を口に含み、噛み砕いた。
そして、一番大きな氷の塊を手に取った。
ガラッ
メイド「では失礼いたし──」
主人「──プププゥッ!」
メイド「!」
主人(よし、さすがに怯んだか!)
すかさず主人は、浴槽から飛び出す。
主人は右手に持っている大きな氷塊でメイドの頭を殴りつけた。
ガゴンッ!
主人(クリーンヒットォ! ……いや、これは──)
メイド「危ないところでしたわ」
メイドは石鹸で氷をガードしていた。
主人「さっきは鳥肌が立ったよ」
メイド「氷水に浸かったからではありませんか?」
主人「いや、さっきの連続攻撃は我ながら完璧だと思ったんだが──」
主人「アレを瞬時に石鹸でガードしてみせた君に、鳥肌が立ったんだ」
主人「君の冷静さに比べれば、氷水などぬるま湯にも等しい」
メイド「ありがとうございます」
主人「では、今夜はもう休むとするよ。おやすみ」
メイド「おやすみなさいませ、ご主人様」
主人は寝室に入っていった。
投げつけた道具の数々、砕けた廊下、びしょぬれの風呂場などを
猛スピードでまるで戦いなどなかったかのように清掃・修復する。
これが終わると、彼女も就寝することになる。
メイド(先ほどのご主人様の攻撃は見事でしたわ)
メイド(私が作った氷風呂を逆に利用するなんて……)
メイド(石鹸でのガードが間に合わなければ、頭部打撲は避けられなかったでしょう)
メイド「さすがは、私のご主人様……」
メイドはぽつりと、そう漏らした。
このようにして、この家の一日は終わりを告げる。
ある日の午後、メイドは買い物をしていた。
すると──
少年「あ、ボールが道路に転がっちゃった」
母「ダメよ、飛び出しちゃ!」
ブロロロロロッ
少年「あ」
母「イヤアアアッ!」
少年の目前に、大型トラックが迫っていた。
それを見つけたメイドは走った。
メイドは目にも止まらぬ速さで子供をキャッチし、トラックの走行コースから離脱した。
メイド「お怪我はありませんか?」
少年「ご、ごめんなさい……。お姉ちゃん、ありがとう……」
母「本当にありがとうございます! なんとお礼をしたらいいか……」
メイド「いえ、それには及びません」
メイド「買い物途中ですので、これで失礼いたします」
何事もなかったかのように、メイドは買い物に戻った。
メイド「………」
メイド(やはり、ご主人様の足元にも及びませんわね)
メイドにとっては高速で突っ込んでくるトラックよりも、
毎日の主人との戦いの方がよっぽどスリリングであった。
ある日の夜、主人は帰りの電車を待っていた。
すると──
サラリーマン(なんということだ。リストラされてしまうとは……)
サラリーマン(妻よ、子よ、許してくれっ!)
バッ!
一人のサラリーマンが線路の中に飛び込んだ。
もう電車は目前まで迫っていた。
主人は線路の中に飛び込むと、サラリーマンを担ぎ上げ、
瞬く間に線路から脱出した。
その一秒後、急行電車が高速で駆け抜けていった。
サラリーマン「はぁ、はぁ。す、すいませんっ……!」
主人「大変な勇気です」
主人「死にたくないばかりに、毎日見苦しく格闘している俺には到底できない芸当です」
主人「それほどの勇者であるあなたに感動し、つい余計なマネをしてしまいました」
主人「ジャマをして申し訳ありませんでした。では……」
サラリーマン「あ、いえ……」ハァハァ
サラリーマン(行ってしまった……。いったい何者だったんだろう、彼は……)ハァハァ
サラリーマン(私が勇者……か……)ハァハァ
サラリーマン(もう一度……私も立ち上がってみるか……)
主人「………」
主人(やはりメイドには到底かなわないな)
主人にとっては迫りくる電車の前に飛び込むことより、
殺意に満ち満ちたメイドに立ち向かう方がよほど恐ろしいのである。
そしてこんなことがあった日であっても──
メイド「今日は、トラックにひかれそうな子供を助けました」
主人「偶然だね。俺も電車に飛び込んだサラリーマンを助けたよ」
メイド「やはり、人間の幸福とは生きてこそ、でございますわ」
主人「ああ、死んでしまっては、戦えないからね」
メイド「冥土にお送りいたします」
主人「かかって来い」
二人は戦う。
ある日、主人と同僚はお互いの住居の話をしていた。
同僚「お前、若いのにマイホームとかすげぇよな。俺なんかアパートだぜ」
主人「両親のおかげだよ。自分の力でも何でもない」
同僚「しかも、メイドさんを雇ってるんだったよな?」
主人「親の紹介でね。よく気が利く人で、助かってるよ」
同僚「その人と恋愛関係になったりしないのか?」
主人「そういう対象として見てないし、今後も見ないだろうな」
同僚「ふぅん、そんなもんかね」
主人は真実と嘘をうまく織り交ぜて話した。
主人「もちろんいいよ」
すると、ずっと耳を傾けていたOLも会話に参加してきた。
OL「あ、私も行きたーい! メイドさん見たーい!」
主人「いいよ。ぜひ来てくれ」
同僚「よっしゃ、じゃあ今度の日曜に寄らせてもらうよ」
主人「分かった」
主人「駅からの道がけっこう分かりにくいから、最寄駅についたら連絡してくれ」
同僚「オッケー」
その日の夜も、主人とメイドは死闘を繰り広げた。
グシャグシャになったフライパン、散らばったパスタ、へこんだ壁、
真っ二つになったテーブル、天井に突き刺さった包丁とカミソリ……。
これらが二人の死闘の凄まじさを物語っている。
死闘に一段落ついた時、主人がメイドにいった。
主人「今度の日曜、客が来る。俺の会社の同僚たちだ」
主人「悪いが、おもてなしを頼むよ」
メイド「かしこまりました、ご主人様」
<主人の家の前>
同僚「悪いな、駅まで迎えに来てもらっちゃって」
OL「ホント、ごめんなさいね」
主人「駅からここまで、微妙に道が入り組んでるからな」
同僚「──にしても、けっこういい家じゃんか」
OL「キレイねー」
主人「ま、何もないけど入ってくれよ」
ガチャッ
メイド「ようこそいらっしゃいました」
同僚&OL「!」
メイド「さ、どうぞ。お上がりになって下さい」
同僚「は……はい」
OL「お邪魔……します」
同僚とOLは主人に家で働いているというメイドを、はっきりいってナメていた。
そこらにいる女性がメイドの格好をしただけなのだろうと──
からかってやろうとさえ思っていた。
しかし、メイドの気品と優雅さにあふれる佇まいを目の当たりにし、
これらの考えは吹き飛んでしまった。
同僚「こ、こんなに美味い紅茶を飲んだのは初めてですよ……すげぇ」
OL「わ、私も……」
メイド「ありがとうございます」
同僚「まったく、お前にはもったいないメイドさんだな、おい」
主人「ハハハ、まったくだよ」
主人「彼女に家のことは全て任せてあるから、俺は仕事に集中できるのさ」
同僚「そうか、だからお前は仕事ができるんだな」
同僚「俺もメイドさん雇えば仕事できるようになるかな~……なーんてな」
同僚(たしかに彼女を恋愛対象としては見られないな……)
同僚(なんというか、下心アリで彼女と接すること自体に罪悪感を覚えそうだ)
OL「へぇ~……ご両親同士がお付き合いがあって、知り合ったんだ」
メイド「えぇ、この方の一人暮らしの世話をするように、と」
ウソである。
そしてメイドは対外的には主人を主人として扱わない。
主人が自分のことを、あくまで「住み込みで家事をする人」と紹介しているのを
知っているからだ。
このため、「主人」ではなく「この方」「あの方」などと呼ぶことになる。
同僚「やっぱり、家事の修業みたいなのをしたわけかい?」
メイド「ええ、数年間」
同僚「だよなぁ~。さっき食べた料理もプロ級の腕だったもん、すごいよ」
メイド「もったいないお言葉ですわ」
メイド「楽しい方たちでしたね」
主人「ああ。仕事は退屈だが、俺も彼らといるのは楽しいよ」
主人「しかし……君は退屈だっただろう。日曜日は、いつも一日中殺し合ってるからな」
メイド「いえ、私も楽しかったですわ」
メイド「またいつでもお訪ね下さるよう、お伝え下さい」
主人「ありがとう」
主人「しかし、ウソをつくってのは面倒だな」
メイド「仕方ありませんわ。私たちの本当のことを話してしまえば」
メイド「あの方たちがショックを受けることは間違いありません」
主人は平凡な家庭に生まれた。
両親はもちろん平凡であり、当然主人も平凡であると思われた。
しかし、主人は強かった。
他の人間に比べ、あまりにも強すぎた。
猛獣よりも強く、毒も通じず、おそらく銃弾もある程度は耐えられるだろう。
もしその気になれば、オリンピックの全種目で金メダルを取ることも
たやすいほどの身体能力。
だが、主人は自制した。
主人(俺の存在は……社会を壊す)
主人(だから、力を誇示してはならない……)
本能的に、こう自覚していたからだ。
発揮するのはせいぜい、
飛び込み自殺をしたサラリーマンを助けた時のような場面くらいだった。
もちろん、これではフラストレーションが溜まるに決まっている。
主人(戦いたい……)
主人(戦いたい……)
主人(戦いたい!)
ならば格闘技でもやればいい、と思うかもしれないが、彼はこれも自制した。
なぜなら彼は、自分の実力は他の選手全員を相手にしても楽勝してしまうほどだと
分かっていたからだ。
電流が走った。
すぐにお互いは理解した。
彼(彼女)も、自分と同じような人生を歩んできた者なのだと。
主人「あの……」
主人「初対面の人にこんなこというのは、大変非常識かもしれないが……」
主人「今から俺を殺すつもりで……いや、俺を殺すために俺と戦ってくれないか?」
メイド「………」
メイド「あなたを……」
メイド「冥土にお送りいたします」
主人「かかって来い」
二人は殺し合った。
決着はつかなかった。
主人「一緒に……メイドとして暮らしてくれないか。そうすれば毎日戦える」
主人「どちらかが死ぬまで……」
メイド「喜んで」
メイド「ようやく私はお仕えするべきご主人様を見つけたようです」
メイド「必ずや、ご期待に応えてみせましょう」
二人は抱き合った。
いや、サバ折りをやり合った。
ギュウウゥゥゥ……
主人(俺とほぼ互角のパワー……! ああ、やっと俺はパートナーにめぐり会えた)
メイド(一瞬でも気を抜けば、私の背骨はたちまち砕けるでしょう。素晴らしい力……)
巻き添えを出してしまう恐れもある。
なので、まず主人は競馬で儲けて、二人の戦闘に耐えられる家を建てることにした。
「強さ」のパラメータの一つである観察力が存分に発揮された。
主人(天候、気温、湿度、地面、観客の出す騒音、レースの距離……)
主人(馬の骨格、筋肉、呼吸、スタミナ、気性、体調……)
主人(騎手の身長、体重、技量、モチベーション……)
主人(これら全てが、どの馬がどういう順位でゴールするか教えてくれる)
主人は万馬券を連発し、あっという間に大金を儲けた。
ただし、今後二度と競馬を始めとしたギャンブルはしないと誓った。
主人の「自分の力は社会を壊す」という理念に反する行為だったためだ。
・とにかく頑丈なこと。
・音が絶対に外に漏れないこと。
・なおかつ外見は普通の家であること。
こうして出来あがったのが今の家である。
おそらくどんな災害、いや核爆発にすら耐えるかもしれない。
もっともこのくらいの家でなければ、二人の戦闘にはとても耐えられない。
二人は喜び合った。
主人「さあ、今日からは思う存分戦おう!」
メイド「よろしくお願いします、ご主人様」
彼らの戦いのルールは、これまた三つ。
・全力を尽くすこと。
・互いのおもてなしには、誠意をもって応えること。
・出来る限り規則正しい生活をすること。
<リビング>
主人「君と出会えたことは、本当に幸運だった」
メイド「私もですわ」
メイド「私の人生においての夢は二つございます」
メイド「一つは、ご主人様のような方と出会うこと。これはすでに叶いました」
メイド「そしてもう一つは、この手でご主人様を冥土に送ることでございます」
主人「ぜひとも叶えてもらいたいね」
主人「もっとも俺は死ぬのが死ぬほど嫌いだから、そう簡単にはいかない」
主人「さて、昔話もこれくらいにして、そろそろやろうか」
メイド「かしこまりました」
主人はゴルフクラブを、メイドは包丁を手に取った。
OL「いつも食べさせてもらってばかりだから、今日は私が料理を作ってきたの」パカッ
同僚「メイドさんの腕にはとてもかなわないだろうけどな」
OL「なによー」
メイド「いえ、とても美味しいですわ」モグッ
主人「これはホントに美味いよ。OLには才能がある」パクパク
同僚「うん……まぁまぁかな」モグモグ
主人「よーし、じゃあ俺もみんなにコーヒーでも淹れようかな」
同僚「お前、コーヒーとか淹れるんだ」
OL「へぇ~楽しみだわ」
主人とメイドは、二人を心から歓迎していた。
彼らが来ると殺し合いの時間は当然減ってしまうのだが、その分内容は濃密になった。
同僚たちが家を訪ねるようになって、しばらくしてのことだった。
主人は少し遠い取引先のところから、電車で帰社する途中だった。
ヒマなので、携帯電話でテレビのニュースを見る。
ニュース『現場から中継でお伝えいたします』
ニュース『先ほど、反体制グループ“熱湯弁慶”がビルに立てこもり~』
主人(熱湯弁慶……)
主人(たしか日本のトップに立つべきは我々ネット住民であるべき、とかなんとか)
主人(訳の分からん思想を掲げてる連中だったか……)
主人(インターネット上でギャーギャーわめいてるだけの集団と記憶してたが)
主人(ビルに立てこもるとは、大層なことをしたもんだな)
主人(そんな行動力があるなら、普通に政治活動しろって──ん?)
主人(このビル……俺の会社じゃないか!)
事件は主人が会社にいない昼休み直後に発生した。
銃などで武装した熱湯弁慶が、突然集団で押し寄せ、瞬く間に会社ビル内を占拠。
会社に残っていた者全員がビルの最上階に集められ、人質になっている。
主人(もし俺がいれば、この程度の奴らの襲撃は防げたかもしれないが……)
主人(今からじゃどうしようもないな……。あれだけ機動隊がいるし)
主人(ビルを囲んでいる警察の手腕に期待するしかないか……)
最上階は主に会議や行事用の大きな部屋になっている。
30名近い人質たちにマシンガンの銃口を向ける『熱湯弁慶』のリーダー。
そして、もう一人。
リーダー「こうしてあっという間にこのビルを制圧できたのも」
リーダー「君の指導と、調達してくれた武器のおかげだよ。ありがとう」
テロリスト「なぁに、熱湯弁慶の統率力と戦闘力が優れていただけのことだ」
リーダー「そう、ぼくたちは生まれ変わったんだ!」
リーダー「ネットの世界から羽ばたき、この国を支配下に置くんだ!」
リーダー「フハハハハッ!」
課長「あ、あわわ……」
同僚(くそぉ、なんなんだよこいつら……突然乗り込んできやがって)
同僚(あのバカ笑いしてる奴はともかく、もう一人の奴はただもんじゃない)
同僚(目の前にライオンでもいるかのような緊張感だぜ……)
OL(だれか、助けて……)ガタガタ
テロリスト「そろそろ主張や要求などを突きつけてはどうだ?」
リーダー「よ、よしっ! スピーカーを貸してくれっ!」
リーダーは窓を開け、スピーカーを使って叫ぶ。
リーダー「聞け、愚民どもっ!」
リーダー「我々の要求は、国会議事堂をぼくたち“熱湯弁慶”に明け渡すことだ!」
リーダー「今後、この国の政治はぼくらネットエリートが行う!」
リーダー「要求を飲まなければ、ここにいる人質がどんどん死ぬことになるよ!」
リーダー「フハハハハッ!」
同僚(こんなバカげた要求、通るわけがねえ)
同僚(くそっ、死にたくない……)
OL「怖いよ……」ガタガタ
同僚「大丈夫だ、俺がついてる」ギュッ
OL「うん……」ギュッ
同僚はOLをそっと抱き寄せた。
もっとやれ
主人の携帯電話からも、リーダーのバカげた要求を見ることができた。
しかし、主人が注目したのはリーダーではなく、その奥に映るもう一人の人物。
主人はすぐに分かった。
主人(こいつが、黒幕だ!)
主人(こいつが熱湯弁慶に武器と戦い方を与え、こんな事件を起こしたんだ!)
主人(そしてこいつは……おそらくは俺と同類!)
主人(おそろしく強い……。その上、殺しを日常にしている人種だ)
主人(こういうテロ活動をしょっちゅう実行してきたに違いない……)ハッ
テレビ『世界的に暗躍しているテロリストが、日本に潜伏したという情報が~』
主人(もしや、あの時のニュースのテロリストが、あいつか!?)
主人(俺と同類だとすれば、警察では歯が立たん! 俺が行かなくては!)
主人「もしもし、俺だ」
メイド『ご主人様、どうされましたか?』
主人「俺の会社がテロ集団に乗っ取られた。おそらく同僚たちも人質にされた」
主人「俺は今電車にいて、あと30分ほどで会社の最寄り駅に到着する」
主人「そしたら、会社に乗り込むつもりだ」
主人「しかし、相手の中に俺たちと同類……がいる」
主人「もしかしたら、俺は死ぬかもしれない」
主人「俺が死んだら、自動的にその家と俺の資産は君のものになるようになっている」
主人「後は任せたよ」
メイド『かしこまりました』
主人「君になら安心して任せられるよ」ピッ
意外なことに、主人の心の中にあったのは強敵と戦える喜びではなかった。
同類として、己の強大な力を悪用する黒幕(テロリスト)に対する怒りだった。
主人が電車から降りると、駅周辺は騒然としていた。
なにしろ近くで本格的な立てこもり事件が起こっている最中なのだ。
主人(あのテロリストに思想なんてものはない)
主人(ただ戦闘とスリルを求めているだけ……)
主人(きっと今までも世界中のテロ組織に身を置き、助力し)
主人(戦闘と殺戮を行い、飽きたら別の国へ……というのを繰り返してたんだろう)
主人(熱湯弁慶は、奴にとってはただの道具に過ぎない)
主人(あの単純そうなリーダーに武器を与えて、そそのかしたんだろう)
主人(俺の会社を狙ったのも理由なんかない)
主人(熱湯弁慶の規模でも制圧可能な小さなビルを、適当に選んだだけだろう)
主人(同僚、OL、課長……みんな。必ず俺が救い出してやる)
「ご主人様」
主人の前には、家にいるはずのメイドがいた。
主人「どうして君がここに……!」
主人「まさか俺を助けに──!?」
メイド「勘違いなさらないで下さい」
メイド「ご主人様を冥土に送ることができるのは、この地球上で私のみ」
メイド「私はご主人様の力量を疑ったことは一度もありません」
メイド「私がこうして参ったのは、ご主人様のご友人方のためです」
メイド「同僚様とOL様も、人質にされているのでしょう?」
メイド「ご主人様のご友人は、私にとっても友人です」
メイド「あの方々が危機とあらば、動かないわけには参りません」
主人「なるほど、君らしい理由だ」
主人「じゃあ行こうか」ザッ
メイド「かしこまりました」スッ
機動隊が熱湯弁慶の説得に当たるが、リーダーはまるで聞く耳を持たない。
リーダー「国会議事堂はまだぼくらのものにならないのかい!?」
リーダー「早くしないと人質殺して、死体をポイッと窓から投げちゃうよ!?」
リーダー「ぼくらは生まれ変わったんだ!」
リーダー「ネットと現実を支配する、ダブル王者になるんだ!」
リーダー「人殺しぐらい、なんてことないんだ! フハハハハッ!」
~
隊長「……参ったな。まるで話が通じんよ」
隊員A「えぇ、このままじゃ本当にやりかねません」
隊長「かといって奴ら、ああ見えてかなりの重装備な上、統率もとれている」
隊員A「うかつに突入はできませんね……」
隊長「どうした?」
隊員B「変な二人組がこっちに歩いてきてるんです」
隊長「変な二人組?」
隊員B「スーツ姿のサラリーマンと……メイドなんですが」
隊長「な、なんだそりゃ?」
ザッ
主人「皆さん、すいません。ここから先は俺たちに任せて下さい」
メイド「私とこの方で、立てこもり犯を退治いたします」
主人とメイドは自分たちよりも遥か上位にあると本能的に察した。
とはいえ、一般市民に事件解決を委ねるわけにはいかない。
隊長「冗談はよしてくれ! 君たちになにができる!?」
主人「これくらいのことはできます」
主人は機動隊の一人から盾を奪うと──
グシャンッ!
力む表情すらせず腕力だけで丸めてみせた。
隊長(私は夢でも見ているのか……?)
主人「器物破損で捕まりたくないからな。すぐ直してくれ」
メイド「かしこまりました」
メイドはグシャグシャに丸まった盾をこれまた腕力で引き伸ばし、
形を整え、元通りに修復してみせた。
機動隊員たちは言葉を失ってしまった。
主人「ビルの中にも一人、これくらいのことができる人間がいます」
主人「他の人間はともかく、そいつは俺たちでなきゃ倒せないでしょう」
主人「行こう」ザッ
メイド「かしこまりました」スッ
主人「裏口から侵入しよう。俺の会社のビルは七階……」
主人「一階につき30秒でカタをつければ、3分で最上階にたどり着く」
メイド「もし侵入を最上階に察知された場合、人質の方々は大丈夫でしょうか?」
主人「それは大丈夫だ。ただしテロリストが俺の考えているような奴であれば──」
主人「一人死ぬことになる」
主人「武器はいらないのかい?」
メイド「はい。私は武器や道具を用いない方が、戦いやすいので」
主人「ほぉ、つまりいつもは手加減をしてくれてたのか」
メイド「いえ、そうではありません」
メイド「ご主人様ほどの相手に切り札(素手)は見せたくありませんでしたので」
メイド「確実にご主人様を冥土に送れる、と思った時に素手で攻撃しようと……」
主人「まあ俺も似たようなものだ。素手で戦う方がやりやすい」
主人「家での戦いで道具を使うのも、君と同じような理由だ」
主人「さて、おしゃべりはここまでだ」
主人「入ろう」
メイド「はい」バキンッ
鍵のかかったドアを強引にこじ開け、二人は中に突入した。
中にいた熱湯弁慶の武装兵たちは面食らった。
突然、外からサラリーマンとメイドのコンビが侵入してきたのだから。
熱湯兵A(な、なんだっ!?)
熱湯兵B(ここの社員か!? ……とメイド!?)
彼らはテロリストから「誰か入ってきたらかまわず撃て」と命じられている。
テロリストからいわれた通り、マシンガンを構える。
──が、すでに二人の兵の意識は体から抜け落ちていた。
二人の突きで、一瞬にして昏倒させられてしまったのだ。
主人「あと数人いるな。撃たれる前に、倒そう」
メイド「はい」
一階の兵を全滅させた二人は、二階に上がった。
熱湯兵C「な、なんだ、こいつら──」
すでにメイドは兵Cの後ろに回っていた。
そしてチョークスリーパーをかける。
兵Cも必死に逃れようとするが、無駄な努力だった。
熱湯兵C(な、なんだこの女の力は……ビ、ビクとも……し、ねぇ……)ガクッ
メイド「ご安心を。ご主人様以外を冥土送りにするつもりはありませんので」スッ
二階の兵が全滅するのも時間の問題だった。
主人とメイドはほとんど無音で熱湯弁慶を退治していたが、
テロリストだけは侵入者の気配を察知していた。
そして、極上の来客であると理解していた。
テロリスト(凄まじい強者が二人、この階に迫っている……!)
テロリスト(すごい……すごいぞ!)
テロリスト(私が標的にこのビルを選んだ理由は、二つ)
テロリスト(一つは小さい組織である熱湯弁慶でも、制圧可能な大きさだからだ)
テロリスト(もう一つは、このビルを襲えば最上級の獲物に会えると予感したからだ)
テロリスト(私の予感は正しかった!)
リーダー「どうした? 同志よ」
テロリスト「侵入者だ……それも極上のな」
リーダー「な、なんだってっ!?」
OL(私たち助かるの!? それとも死ぬの!?)
リーダー「国会をぼくたちに明け渡さず、突入してくるとは! 警察めえっ!」
リーダー「こ、殺すっ! 人質殺してやるぅっ!」ジャキッ
テロリスト「待ちたまえ。彼らはこれから始まるショーの生き証人となる」
テロリスト「この私が強力な侵入者二名を仕留めるという究極のショーのね」
テロリスト「殺すことは許さん」
リーダー「なんだと!? なにがショーだ! ふざけるなよ、どういうつもりだっ!」
テロリスト「思い上がるなよ、熱湯弁慶」
テロリスト「キサマらなど、私がスリルと戦闘を楽しむための道具にすぎんのだ」
リーダー「なんだとぉっ!?」
リーダー「君がぼくたちなら日本のトップに立てるというから、ぼくらは──」
シュバッ!
リーダーは、手刀で首をハネられた。
テロリスト「バカが……」
テロリスト「ビルに立てこもったくらいで国を獲れるなら、だれも苦労はしない」
課長「うわぁぁぁっ!」
社員A「ひぃぃぃぃっ!」
社員B「首が、首がっ!」
同僚(おいおいマジかよ、仲間を殺しやがった! どーなってんだ、これは)
同僚(しかも今、チョップでやったよな!? んなことできるのかよ!)
OL「やだ……もういやだぁ……!」
同僚「!」
同僚「大丈夫だ、俺が守ってやる……! もう、なにも見るな!」ギュッ
OL「う、うん……」
メイド「少々眠っていただきます」
ストトトトトンッ
メイドはかろやかに宙を舞うと、武装兵たち5名の首に手刀を当て、
同時に気絶させた。
主人「おーしくらまんじゅう、押されて泣くなーっと……」
熱湯兵たち「お、押されっ──!」
グイッ!
主人も武装兵5名を壁に押しつけ、圧力で失神させた。
残るは最上階のみ──
バァンッ!
ドアを蹴破り、大広間になだれ込む主人とメイド。
テロリスト「ようこそっ!」
主人(やはり……“一人死んだ”か)
首と胴体が離れたリーダーを見て、主人はため息をつく。
主人はテロリストの性質を見抜いていた。
弱者を殺すことに興味は薄く、
なおかつ自分の戦闘(強さ)をより多くのギャラリーに見せたがる。
そして用済みになったり目障りになったりした者は、容赦なく殺すタイプ……。
できれば死人を出したくなかったとはいえ、ここまでは想定通りだった。
主人「君は人質を守ってくれ」
メイド「かしこまりました」
テロリスト「フフフ……分かる、分かるぞ」
テロリスト「キサマらも生まれながらに強すぎる力を持った者だろう?」
テロリスト「選ばれし者なのだろう!?」
テロリスト「私は世界中を渡り歩いてきたが、まさか同類に出会えるとは!」
テロリスト「それも同時に! 二人も! この国に来た甲斐があった!!」
主人「力で悪意をばら撒くようなバカが、俺らと同類?」
主人「ふざけるなよ」
主人「もっと早くに出会っていれば、いい好敵手になれたかもしれないが──」
主人「いや、やめておこう」
主人「お前とは分かり合える気がしない」
OL「メイドさん、どうしてあなたがここに!?」
同僚「それにアイツ、武器も持たずにアレと戦うつもりか!?」
同僚「死んじまう! 知らないだろうがあの男、素手で人の首をハネたんだぞ!」
メイド「大丈夫。あの方は勝ちます」
メイド「必ず」
同僚(無理だ!)
同僚(そりゃあ、たしかにアイツ、ちょっと人間離れしてるとこあったけど……)
同僚(あのテロリストは人間離れ、どころじゃない)
同僚(正真正銘の怪物なんだ!)
テロリストはリーダーの死体と首を窓の外に蹴り出した。
そしてマシンガンを構える。
が、すぐに主人に間合いを詰められ、蹴りでマシンガンは破壊された。
テロリスト「やはりこんなオモチャは通用せんか」ポイッ
主人「来い、一対一だ」スッ
テロリスト「よかろう。久々の上客だ、楽しませてくれよ」ザッ
テロリスト「──はあっ!」
ドゴォッ!
テロリストの前蹴りで、主人は吹き飛び、壁に叩きつけられた。
さらに倒れた主人を掴み上げ、頭から床に叩きつける。
ガゴンッ!
壁と床に大きなクレーターができたことは、いうまでもない。
主人も次々に拳を繰り出すが、かわされる。
足払いで転ばされ、顔面を踏みつけられる。
グシャッ!
主人「ぐぉっ……!」
テロリスト「すばらしい。常人ならば最初の蹴りで体がバラバラになってるところだ」
テロリスト「今の踏みつけも、常人なら脳みそが頭蓋骨ごとハジケ飛んでいただろう」
テロリスト「これほどの獲物に出会えるとはな……」
主人「なめるなっ!」
バゴォッ!
主人渾身の右ストレート。
しかし、テロリストは微動だにせず、鼻血を流すだけ。
テロリスト「フフ、いい一撃だったよ」ペロリ
主人「──ぶぉっ!」
テロリスト「君は先ほど私を『力で悪意をばら撒くバカ』と表現してくれたが」
肘鉄が、主人の脳天に突き刺さる。
主人「がっ……!」
テロリスト「君はおそらく自制をして生きてきたのだろう」
アッパーカットで主人が天井に叩きつけられる。
主人「ゴハァッ!」
テロリスト「分かるよ」
テロリスト「私も最初は思ったものさ。この強すぎる力は隠さねばならない、とね」
テロリスト「だから私は幼少の頃より、思う存分戦闘と殺戮を楽しんだよ」
テロリスト「無能なくせに国を変えようなどと夢想するバカどもに力を与え」
テロリスト「ある程度殺戮を楽しんだら、風のように去っていく」
テロリスト「こんなことを延々と繰り返してきたんだ」ドガッ
主人の顔面に、強烈な左ストレートが突き刺さった。
テロリスト「もう分かっただろう?」
テロリスト「発散し続けている私と、抑制し続けた君」
テロリスト「力を思う存分使った者と、使わなかった者」
テロリスト「もしぶつかったらどちらが勝つか……いうまでもない」
テロリスト「私だ」
テロリストの猛ラッシュ。
主人は歯を食いしばり、ガードを固め、耐え続ける。
主人は大人になりメイドと出会うまで、自分の力をほとんど使わなかった。
テロリストは子供の頃から、自分の力をフル悪用してきた。
この時間(キャリア)の差は、あまりにも大きい。
テロリスト「残念だな、もっと苦戦できるかと思っていたのに!」
主人(くそぉ……どうにか決定打を浴びずにいるので精一杯だ!)
主人とテロリストの戦いで飛び散る破片を防ぎ、人質たちを守るメイド。
同僚(すげぇ、すげぇよアイツ……)
同僚(あんなに強かったんだ……)
同僚(俺だったら仮に命が百個あったとしても、もうとっくに全部使い切ってるだろう)
同僚(だが……あのテロリストの方がやはり強い!)
同僚「メイドさん!」
同僚「多分だけど……あなたも強いんだろう!? 頼む、アイツに加勢してやってくれ!」
メイド「………」
メイド「あの方……いえ、ご主人様は必ず勝ちます」
メイド「なぜなら」
メイド「ご主人様を冥土に送ることができるのは、この私だけだからです」
同僚「え……(メ、メイドに送る?)」
凄まじい横蹴りで、壁に叩きつけられる主人。
衝撃で、口から大量の血が飛び出た。
テロリスト「いい戦いができた。だが、もう君に私を楽しませる力は残っていまい」
テロリスト「君の命を終わらせ、次はあのメイドを可愛がるとしよう」スッ
テロリストがニヤつきながらトドメの拳を振り上げた──瞬間。
主人は脚力を総動員させ、テロリストの顔面に頭突きを放った。
ガツンッ!
テロリスト「──ぬおぅっ!?」
主人「メイドを可愛がる……だと?」
さらに主人はラリアットで首に渾身の一撃を与えた。
テロリスト「ごあっ! ──キ、キサマ、どこにそんな力が……」
主人「どこにそんな力が? そんな台詞が出るということは、お前──」
主人「油断したな?」
主人「たしかに、戦闘経験やくぐった修羅場の数はお前の方が上だろう」
主人「だが俺はここ数年、ずっと自分と互角の人間と殺し合ってきた」
主人「俺に油断はない」
主人「少し優位に立ったくらいで油断しちまうお前如きが……」
主人「俺のメイドを可愛がるなんて──」
主人「百年早い!!!」
主人がテロリストの顎を蹴り上げる。
ガゴンッ!
初めてテロリストがダウンした。
例えば、同じ威力のパンチを受けるとしても、
戦闘態勢にある者とない者が受ければ、当然ダメージの大きさには差が出る。
超人同士の戦いでは、そのダメージ差はより顕著に表れる。
テロリスト(あ、あの頭突きで形勢が……!)
テロリスト(ウソだ……この私が、押されている!?)
テロリスト(ありえない……)
テロリストは「選ばれし者」同士の戦いで、
もっともしてはならない「油断」をしてしまったのだ。
だが、敗北の可能性がほんのわずかでもある苦戦となると話は別だ。
テロリストの精神が急速に崩れていく。
テロリストはキレていた。
テロリスト「おのれぇぇっ! 私の方が上なんだっ! 殺してやるっ!」
主人「来い」
メイドを“可愛がる”権利があるのはこの世に自分だけである。
主人もキレていた。
テロリストの力任せのパンチをさばき、顔面にヒジをぶち込む。
グチャアッ!
テロリスト「あがぁ~……っ!」
金属バット10本も楽々へし折るローキックが、テロリストの足にヒット。
ドギャアッ!!
そして、大砲にも匹敵する右ストレートが、テロリストのみぞおちに着弾した。
ドゴォン!!!
テロリスト「おごァッ!」
能力は完全に上をいっていたテロリストが、一分足らずで満身創痍になった。
しかも、主人に油断は微塵もない。
テロリスト「バカなぁ……こんなバカなぁ……!」ハァハァ
主人「俺の会社を狙ったのが運の尽きだったな、今トドメをくれてやる」
テロリスト「う……ぐぬぅ……!」
テロリスト(俺の会社……?)
テロリスト(そうか、コイツは私と戦いに来たというよりはむしろ──)
テロリスト(仕事仲間を助けに来たということか!)
ダッ!
テロリストは人質めがけて走った。
しかし、主人は冷ややかにそれを見送る。
主人「一対一を放棄したのは、お前の方だぞ……」
主人「あとは任せた」
メイド「かしこまりました、ご主人様」
テロリスト(ちぃっ、そういやこのメイドがいたんだった!)
テロリスト「どけぇっ!」
ドゴォッ!
テロリストの拳がメイドの腹に直撃した。
メイド「……っ!」
主人(どうして当たった!? あんな単純なパンチ、彼女ならかわせたはずだ!)
テロリスト「アバラ数本砕いた感触があったぞ……くくくっ……」
テロリスト(こいつも私のように“油断”をしていたようだな……バカめ)
メイド「……安心いたしました」
メイド「この程度の突きでは、ご主人様を冥土送りにするなど到底不可能ですから」
メイド「ご主人様とあなた様の戦いを拝見している最中──」
メイド「ほんの一瞬ではありますが、ご主人様が冥土に送られてしまうのでは……と」
メイド「不安がよぎりました」
メイド「ご主人様を冥土に送っていいのは、私だけです」
メイド「許せません」
テロリスト(なんなんだ、コイツは……? いや、コイツらは……!?)
ベキィッ!
メイドは困惑するテロリストの右膝にカカトをぶつけ、砕いた。
テロリスト「ギャアアアアアアアッ!」
メイド「許せません」
ボキィッ!
さらにもう片方の膝も砕いた。
両腕を砕いた。
メイド「最後は首ですね」ガシッ
メイドはテロリストの首に手をかけた。
テロリスト「や、やめ……てぇ……!」
メイド「さようなら」
メキ…
主人「よせ」
主人「心配かけてしまってすまなかった」
主人「そんな奴なんかに、君に冥土送りにされる権利はない」
主人「その権利があるのは、地球上でたった一人……俺だけだ」
テロリスト「あぐ……う」
主人「こんな奴には一言こういってやればいい」
テロリスト「!」
主人「お前は弱すぎる」
テロリスト「!!!」
主人に追い詰められ、メイドに両手足を壊され、あげく弱いと断ぜられた。
プライドを完全粉砕されたテロリストは絶叫し、
涙、鼻水、汗、唾液、小便、ついでに屁を出し、白目のおまけつきでぶっ倒れた。
主人「これでもう、再起はできないだろう……」
メイド(四肢を砕いても意識を保っていた、あのテロリストの心を)
メイド(たった一言で破壊してみせるなんて……)
メイド「さすがは、私のご主人様……」
メイドはぽつりと、そう漏らした。
いるのは主人とメイドの戦いを、呆然と見つめていた人質(社員)たちだけ。
主人(幸い重役連中は外出でもしてて、いなかったようだが……)
主人(これほどのことを起こしてしまったんだ)
主人(もうこの会社にはいられないな……)
主人(今日のところはひとまず帰り、改めて退職届を持ってこよう)
課長「え!? ……な、なにかね?」ビクビク
主人「ただいま取引先から戻ったんですが、この様子じゃ今日はもう仕事は無理ですね」
主人「早退しても、よろしいですか?」
課長「あ、ああ……いいとも」ビクビク
主人「ありがとうございます……。じゃあ、帰ろう」
メイド「皆さま、ごきげんよう」
同僚「………」
主人「!?」
同僚「今日はありがとうな、助かったぜ!」
同僚「俺たちが一人も怪我せずに済んだのは、みんなお前とメイドさんのおかげだ!」
同僚「色々警察の調査とかも入るだろうし、すぐ会社再開できるか分からないけどよ」
同僚「また一緒に仕事頑張ろうぜ!」
同僚「あと、またOLと家に遊びに行くからさ、茶菓子用意して待っててくれよ!」
OL「………」ハッ
OL「ええ、また遊びに行くわ! 本当に今日はありがとう!」
OL「メイドさん、今度料理を教えてね!」
課長「………」ハッ
課長「早退するからって、寄り道して飲んだりしちゃいかんぞ!」
課長「今度、君にはおごってやらにゃいかんな、ハッハッハ!」
「ありがとう!」 「お疲れさまー!」 「二人とも、一応病院行った方がいいよー!」
「サンキューな!」 「ありがとうございました!」 「気をつけてなー!」
まるで目の前で起きた死闘などすっかり忘れてしまったかのように──
普段の調子で、帰る二人を見送ってくれた。
主人(俺には過ぎた仲間たちだ……)
主人はいつも心の中で
「仕事が退屈」「早く家に帰りたい」「わざと大きなミスをしたくなる」
などと考えていた自分を心の底から恥じた。
そして、会社に残ろうと誓った。
メイド「ご主人様、どうぞハンカチを」スッ
主人「ありがとう……」
事件に関わった人たちが落ち着くのには、しばらく時間がかかった。
ようやく時間がいつものように動き出した頃──
<会社>
同僚「いつも行ってばかりじゃ悪いから、今度俺のアパートに遊びに来ないか?」
主人「喜んで行かせてもらうよ」
同僚「よければメイドさんも一緒に」
主人「きっと彼女も喜んで行くと思うよ」
<同僚のアパート>
主人「ここか」
メイド「キレイなアパートですね」
主人「ああ、意外だった(正直ボロアパートを想像してたよ)」
二人が部屋を訪ねる。
同僚「よっ。お、メイドさんも来てくれたか」
OL「いらっしゃい、二人とも」
主人「なんだOLも来てたのか。いってくれりゃ、待ち合わせしたのに」
メイド「お二人とも、こんにちは」
主人「キレイにしてるじゃんか。もっとグチャ~としてるかと思ってた」
メイド「ええ、整理整頓が行き届いてますわ」
同僚「そりゃいくら俺だって、友人が来るって時くらい掃除するさ」
OL「この部屋以外は汚いまんまだったしね」
同僚「バラすなよ」
同僚「──で、まぁ、今日は重大発表があるんだ」
OL「重大ってほどでもないけどね」
主人「ほお」
メイド「なんでしょうか」
同僚「俺たち──今度結婚するんだ」
主人&メイド「!」
同僚「あの会社が占拠された事件、あったろ?」
同僚「あれ以来、急速に仲が進展しちゃってな」
OL「うん、あの時の同僚はかっこよかったわ。今は見る影もないけど」
同僚「うるさい」
同僚「……そしてこうして俺たちが結婚できるのも、お前とメイドさんのおかげだ」
同僚「改めて礼をいわせてもらう。ありがとう」
OL「ありがとうね、二人とも」
主人「ハハハ、なんか照れるな。どういたしまして」
メイド「お二人のご結婚を、心から祝福いたしますわ」
その後、四人は会話に花を咲かせた。
<リビング>
主人「すっかり驚かされたな」
主人「付き合ってるんじゃないかとは思ってたけど、まさか結婚とはな」
メイド「私も驚きましたわ」
主人「ま、同僚はいい奴だし、OLもできた子だし、幸せになれるだろう」
メイド「ええ、私もあの二人を応援したいと思います」
主人「……さて!」
主人「二人を祝福する意味も込めて、今夜もやるか!」
メイド「かしこまりました」
主人「かかって来い」
テロリストの事件以降、二人は道具を使うことが少なくなった。
そしてそれは、より戦いが激しくなったことを意味する。
主人の拳が、メイドの蹴りが、主人の手刀が、メイドのヒジ打ちが──
家の中を乱舞する。
今宵の二人の宴は、いつもより長くなりそうだ。
~おわり~
おもしろかった
面白かった
いちおついちおつ
なかなか面白かった
Entry ⇒ 2012.02.12 | Category ⇒ その他 | Comments (0) | Trackbacks (0)
見崎鳴「気をつけて、もう始まってるかもしれない」
見崎「赤沢泉美があなたの貞操を狙ってる。気をつけて」
榊原「そんなバカな…」
支援
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1328500295/
見崎鳴「気をつけて、もう始まってるかもしれない」
見崎「授業、始まるよ」
榊原「おっと、いけね」
ガラガラッ
榊原「間に合った…」
シーン…
榊原(な、何だろうこの空気)
先生「で、ここがこうなるからして…」
赤沢「…」チラチラ
榊原(うわ…赤沢さんこっち見すぎ)
勅使河原(サカキ…赤沢に狙われたな)
赤沢「榊原くん、ちょっといいかな?」
榊原「え?あ…う、うん」
榊原「赤沢さん、どこまで行くの…?」
赤沢「いいからついて来て」
榊原(屋上まで連れて来られてしまった…)
赤沢「こ、これ…」
榊原「お弁当?」
赤沢「た、食べて…」
榊原「それは別に構わないけど…」
赤沢「ほら、さっさと食べなさいよ。はい、あーん」
榊原「えっ…あ、あーん」
榊原(何だか恥ずかしいな)モグモグ
榊原「う、うん」
榊原(確かに美味しいけど…)
見崎「…」
榊原「あれ?あそこに居るのって…」
赤沢「! 行っちゃ駄目!」
榊原「でも…」
赤沢「とにかめ駄目ったら駄目!!」
赤沢「別に怒ってなんかないわよ!」
榊原「ごめん…」
赤沢「謝らなくていいわよ」
榊原「うん…」
赤沢「そ、それでさ…榊原くんって…今好きな人とかいるの?」
榊原「うーん…いや、特には」
赤沢「へぇーそうなんだ」
赤沢「…」イライラ
勅使河原「おい、赤沢の奴いつもに増してピリピリしてないか?」
風見「仕方ないさ、今日は恒一君が休みだから」
勅使河原「あー、そういやあいつ今日病院に行くとか言ってたな…」
望月「あんまり休んで欲しくないよね。とばっちりが来るのは僕たちだし」
風見「ま、病院だから文句は言えないけどね」
赤沢「…」イライラ
榊原「沙苗さん。これからお帰りですか?」
沙苗「うん、夜勤だったからね」
榊原「お疲れ様です」
沙苗「ねぇ。恒一君、今から空いてる?」
榊原「え?まあ…」
沙苗「じゃあ、私の家に寄っていきなよ」
榊原「沙苗さんの家に?」
沙苗「そう。今日ね…私の家、誰もいないんだ」
沙苗「今お茶いれるね」
榊原「あ、お構いなく」
沙苗「はい、どうぞ」
榊原「どうも…」
沙苗「…ねぇ。恒一君」
榊原「な、何ですか?」(顔が近いな)
沙苗「恒一君、まだ童貞?」
榊原「えっ!?」
榊原「いや、だってまだ中学生ですし…」
沙苗「あははっ、そうだよね」
榊原「ははは…」
沙苗「…したい?」
榊原「えっ」
榊原「さ、沙苗さん…」
榊原(胸が当たってる…)
沙苗「恒一君…」
榊原「ちょ、ちょっと外の風に当たってきますっ」
沙苗「あ…」
~ベランダ~
榊原「ふぅ。参ったな…」
見崎「…」
榊原「あれ?見崎さん…何であんなところに…」
榊原「はい。さっき家の前の道路に立ってたんです」
沙苗「…」
榊原「どうしたんですか?」
早苗「…ごめん恒一君。今日は、やっぱりやめとこっか」
榊原「はい…」(助かった…のか?)
榊原「見崎さん…まだ居る」
見崎「…」
榊原「見崎さん、こんなところで何してるの?」
見崎「榊原君。…奇遇ね」
榊原「奇遇って…ずっとここに立ってたよね」
見崎「ここが好きだから。ほら、何か心が洗われる感じがしない?」
榊原「いや別に」
榊原「う、うん…まぁそういう事にしておこう」
見崎「運命感じない?」
榊原「特に」
見崎「そう…」
榊原「うん」
見崎「私は感じるわ」
榊原「ごめん急ぐからもう帰るね」
~教室~
赤沢「…」ソワソワ
勅使河原「赤沢の奴ソワソワしてんなー」
風見「今日は旦那が来るからね。無理もない」
ガラガラッ
榊原「おはよう」
勅使河原「おっす!」
赤沢「榊原君!心配したわよ!!」
赤沢「もしかしたら今日も休みなんじゃないかと思って…心配したじゃない!」
榊原「え…ごめん」
赤沢「まぁいいわ。来てくれたんだし」
榊原「ありがとう、赤沢さん」
赤沢「えっ…?」
榊原「心配してくれて、ありがとう」
赤沢「べ、別に私は…ッ」
勅使河原「朝から暑いなぁ…もう夏か?」
見崎「はぁ…榊原君とちゅっちゅしたいよぉ…」
天根「バカ言ってないでさっさと学校へお行き」
見崎「あぁ…榊原…」
天根「早くしないと他の女に取られてしまうよ」
見崎「…行ってくる」
榊原「あ、先生。何ですか?」
三神「いいから、私について来なさい」
榊原「はあ…」
赤沢「…」ギリギリ
ボキッ
勅使河原「うわ…赤沢がシャーペン粉砕した!」
三神「そこに座りなさい」
榊原「はい」
三神「私は正面に座るわね」
榊原「それで、何の用ですか?」
三神「そんなに焦らないの」
榊原「いや、別に焦ってはいませんけど…」
三神「榊原君ってさ、赤沢さんと付き合ってるって本当?」
榊原「は?」
三神「皆言ってるわよ」
榊原「」
三神「そっかぁ…そうなんだ…。ふふ」
榊原「せ、先生?」
三神「安心したわ」
榊原「はあ…」
三神「じゃあ榊原君…まだ童貞なんだ?」
榊原「…は、はい」
三神「…」スリスリ
榊原「ちょ…先生…!?」
三神「どお?先生のハイヒールでチンポスリスリされて」
三神「やだ…榊原君たら…もうこんなに大きくなってる」
榊原「うう…」
赤沢「あのババア…やっぱり私の榊原君を狙ってたのね…」
見崎「許さない」
赤沢「まったくだわ!……って、え!?」
見崎「あの年増、許せない」
赤沢(み、見崎鳴!?)
見崎「そんな事より、今は榊原君が大事」
赤沢「あっ、そうね…」
見崎「あと『私の榊原君』は撤回して」
赤沢「な、何でよ」
見崎「貴方の榊原君じゃない。私の榊原君だもの」
赤沢(このチビ…)
見崎「あ、三神先生がハイヒール脱いだ」
赤沢「え?」
見崎「臭そう」
赤沢「同意だわ。私の榊原君が汚れちゃうじゃない!」
見崎「貴女の榊原君じゃない」
赤沢「はいはい」
見崎「でも、三神先生の行動は間違っていない」
赤沢「は?何でよ?」
見崎「彼は匂いフェチ」
赤沢「…え?」
見崎「嘘じゃない」
赤沢「何でそう言いきれるのよ」
見崎「…」ゴソゴソ
赤沢「?」
見崎「これは榊原君ノート」
赤沢「…は?」
見崎「彼が転校して来てから今日まで、私がストーカーして日記をつけた」
赤沢「あんた…キモいわね」
今日、病院のエレベーターでかっこいい男の子と出会った。
緊張して何も喋れなかったよぉ…
でもでも、またいつか会えるよね…?
○月×日
転校生が来た。ななななんと!昨日の男の子だ!!
これって運命なのかなぁ?運命だよね!?
しかも話かけられちゃったよぉ!
○月×日
彼をストーキングしてみた。
へぇーこういう家に住んでるんだぁ。
覗いてみると、榊原君は叔母の下着の匂いを嗅いでいた。
思春期だもんね!仕方ないよ!
○月×日
最近、榊原君が看護婦と仲良くしている。
ちょっと妬いちゃうかな…
いつか殺そうと思う。
きゃっ。私ったら悪い子ッ
見崎「そう。彼は匂いを嗅ぎながらオナニーに励んでいた」
赤沢「やだ…言ってくれれば私の下着貸してあげたのに…」
見崎「ちなみにその時の画像がある」
赤沢「よこしなさいよ!」
見崎「1枚1万円。全部で7枚ある」
赤沢「チッ。はい、7万円」
見崎「動画もある。5万円」
赤沢「買ったわ!!」
見崎「私の彼であまり抜かないでほしい」
赤沢「いつからアンタの彼になったのよ!図々しいわね!」
見崎「それより、早く邪魔しないと」
赤沢「忘れてた!榊原君の大事な貞操が!」
見崎「こいつに邪魔させる」
勅使河原「任せろ!」
赤沢「いつの間に…」
三神「チッ」
榊原「よ、よう」
勅使河原「サカキ!教室に行こうぜ!」
榊原「そうだな」
見崎「よしっ」
赤沢「やったわね!」
見崎「優しくって、かっこよくって、かわいくって、
思わずちゅっちゅしたくなっちゃう唇とか、
私は何度もキスしちゃおっかな、とか思ったけど、
そこは理性というストッパーによって何とか抑えたわ。
でもいつかキスしたいけどね?当たり前じゃない。
あと、クリッとした大きな目とか、もう最高。
黒目とかまさに無限に広がる宇宙みたいで吸い寄せられちゃうの。
あの目で見つめられると私は…私はもう!
あぁぁぁぁぁ!理性の壁が崩壊しそう!!
あとね、なでなでしてもらいたくなる手とか、
あの手で、指で、私の色んなところに触ってほしいの!
ああ!榊原君!好き!大好き!好きすぎて私死にそう!!!!」
赤沢「なるほど。私と同じね」
赤沢「気にしなくていいわよ。榊原君を語るにはそれぐらい熱くならないと」
見崎「そうね」
赤沢「じゃ、私帰るわ。早く榊原君のオナニー見ながらオナニーしたいし」
見崎「気をつけて」
赤沢「何を?」
見崎「日記にも書いてたけど、榊原君の貞操を狙う女は多い」
赤沢「薄々は感じてたけど…やはりそうだったのね」
見崎「特に水野猛の姉には注意しなくちゃいけない」
赤沢「水野の…?そっか、確か看護士だったっけ…」
沙苗「猛ー」
猛「何?姉ちゃん」
沙苗「お願いしたやつ、早く頂戴」
猛「わ、わかったよ…」
沙苗「フフフ…持つべきものは弟よね」
猛「はい…」
沙苗「ふふっ。恒一君の盗撮写真♪」
猛(恒一…すまん)
沙苗「…ねぇ。今日なんか少なくない?」
猛「無理言わないでよ。盗撮だって楽じゃないんだぜ?」
沙苗「…ま、いいや。明日もお願いね」
猛「おう…」
沙苗「猛、ちょっとお願いがあるんだけど」
猛「写真だろ?撮って来るって」
沙苗「それもだけど、別のお願い」
猛「?」
猛「なぁ、榊原」
榊原「ん?」(珍しいな…)
猛「今日、暇か?」
榊原「うん…暇だけど?」
猛「そっか。じゃあさ…この後、俺の家に来ないか?」
榊原「え?」
猛「いや、その何だ…最近面白いゲーム買ってさ。一緒にやろうぜ」
榊原「へぇ。いいね。じゃあ行くよ」
赤沢「…」
猛「先に2階に行っててくれよ。俺もすぐ行くから」
榊原「わかった」
榊原「2階と言っても…どの部屋だ?」
沙苗「恒一君、こっちこっち」
榊原「沙苗さん?」
榊原「え…」(どう見ても沙苗さんの部屋っぽいけど…)
ガチャリ
榊原「沙苗さん?」(今、鍵かけたような…)
沙苗「それじゃあ、遊ぼっか?」
榊原「いや、でも俺は猛と…」
沙苗「来ないよ」
榊原「来ない…?」
沙苗「猛は今頃、家の外じゃないかな…ふふっ」
沙苗「いいから…じっとしてて」
榊原「ちょ、ちょっと…むぐっ」
沙苗「ん…んっ……チュッチュッ…チュパッ…レロレロ」
榊原「んぐ…ん…」
沙苗「ぷは…キス、しちゃったね」
榊原「な、何するんですかいきなり!」
沙苗「…嫌?」
榊原「嫌とかじゃなくて…」
榊原「う、うわっ」
榊原(ベッドに押し倒された…)
沙苗「今夜はここで入院よ…恒一君」
榊原「やめましょうよ、沙苗さん」
沙苗「だーめ。恒一君には治療が必要なんだから」
榊原「治療って…」
榊原「や、やめてください!」
沙苗「私も脱ぐから…」
榊原「わわっ//」
沙苗「こういうこと、初めてなんでしょ?」
榊原「当たり前ですよ!//」
沙苗「おっぱい、触ってもいいよ?ほら…」
榊原「柔らかい……じゃなくて!」
ピンポーン
榊原「誰か来たみたいですけど…」
沙苗「…」
ピンポンピンポンピンポンピンポン ピンポーン
榊原「…出なくていいんですか?」
沙苗「無視しましょ」
榊原「で、でも…」
沙苗「いいから。続き、しようよ」
榊原「しませんよ!もういい加減にしてくださいっ」
ガチャッ
赤沢「あ…」
榊原「赤沢さん?さっきまでチャイム鳴らしてたのってまさか…」
赤沢「ち、違うわよ!今たまたま通りかかっただけよ!」
榊原「たまたまって…じゃあ何で猛の家の玄関前に立ってるのさ」
赤沢「そんなのどうでもいいじゃない!」
榊原「よくはないと思うけど」
榊原「べ、別に何も…」
赤沢「本当?」
榊原「本当だって。ただ遊びに来てただけだよ」
赤沢「…ま、いいわ。一緒に帰りましょう」
榊原「う、うん」
榊原「うん、また明日」
赤沢「あ、そうだ。はい、これ」
榊原「…何?この紙袋」
赤沢「いいから持って行きなさい」
榊原「わかった…」
~榊原家~
榊原「こ、これは…赤沢さんのパンツが大量に入ってる…!」
榊原「…とりあえず、匂いを嗅いでおこう」
榊原「クンクン、スーハースーハー」
榊原「何か生々しい匂いがする…」
榊原「よく見たらシミがついてるな…洗濯前なのかな」
榊原「そ、そうか!」
榊原「俺に洗濯しとけっていう事か…」
榊原「赤沢さん、はいこれ」
赤沢「ちょっ、ばか!学校に持って来ないでよ!」
榊原「紙袋に入れてるんだし、別にいいだろ?」
赤沢「まったく…。で、どうだったのよ」
榊原「どうって…ちゃんと洗濯しといたよ」
赤沢「は?」
見崎「…」
見崎「榊原君、匂い嗅いでたわよ」
赤沢「えっ?本当?…って何で知ってるのよ」
見崎「昨日も彼の家を覗いてたから」
赤沢「警察に捕まらないように気をつけなさいよ…」
見崎「悔しいけど、彼はその匂いでシゴいてた」
赤沢「え…//」
赤沢「う、嬉しい…!」
見崎「彼のオナニーをライブで見ながら、私もオナニーした」
赤沢「そこまで言わなくていいわよ…気持ち悪いわね」
見崎「ちなみに録画してある」
赤沢「買うわ」
見崎「パンツはないけど、榊原君が精子にまみれた性器を拭いたティッシュならある」
赤沢「買うわ」
見崎「10万円」
赤沢「ぐっ…高いわね…」
見崎「それぐらいの値打ちがある」
赤沢「それもそうね…はい、10万」
見崎「パンツも盗んでおく」
赤沢「頼んだわよ」
赤沢「鳴、私も今日は恒一君の家に行くわ」
見崎「邪魔しないで」
赤沢「いいじゃない!あんたばっかズルイわよ!私だって恒一君の生オナニー見たい!!」
見崎「声が大きい」
赤沢「う…」
勅使河原「なんだなんだ?二人仲良くサカキのオナニー覗くのか?」
ボコボコッ
勅使河原「ぐはっ…」
見崎「やりすぎ」
赤沢「良いのよ。こいつはこれぐらいで」
見崎「わかった」
風見「最近あの二人仲いいな…」
猛「よし、今日は大量に撮れたな…」
風見「ん?何だよそのカメラ」
猛「いや、何でもねーよ」
玲子「じゃあ、私お風呂入ってくるわね」
榊原「はい」
榊原「さてと…」
見崎「榊原君が動いた。これは来る。きっと来る」
赤沢「自慰タイムね!!」
見崎「声が大きい」
赤沢「ごめんなさい」
ああ!いい匂いだぁ!すごく…いい匂いです!
ウォォォォォウ、ヒャアァァァァァァ!!
フォッ、フォッ!フヒャアァァァァァァァ!!」
赤沢「す、すごい…あんなにそそり勃たせて…ゴクリ」
見崎「今日は叔母さんか…残念」
赤沢「どういう事?」
見崎「榊原君は毎日ローテーションを組んでる」
赤沢「ローテーション?」
見崎「そう。叔母さん→私→あなたの順でオナニーしているの」
見崎「汚いからヨダレ拭いて」
赤沢「ああ…ごめん」
榊原「うわあぁぁぁあぁあぁぁぁぁぁぁ!!…ウッ!!」ドピュッ
赤沢「うわぁ…すごい沢山出してる…」
見崎「榊原君の精子はいつも濃い」
赤沢「素敵…」
榊原「良かったですね」
玲子「…ん?何か匂うわね」
榊原「今スルメ食べてたんですよ」
見崎「彼はバレそうになると、とりあえずスルメに頼る傾向がある」
赤沢「かっこいい…」ジュワァァ
見崎「…」
榊原「わかりました」
赤沢「行った!恒一きゅんがお風呂場に行った!ねぇ、行ったわよ!!」
見崎「わかってるから、大声出さないで」
赤沢「早く私たちも移動しましょ!」
見崎「興奮しすぎ」
見崎「声が大きい。言われなくても盗んで来るから」
赤沢「つべこべ言ってないで早く!」
見崎「…」
見崎「盗んできた」
赤沢「よくやったわ!さ、渡しなさい」
見崎「嫌」
赤沢「な、何でよ!」
見崎「まずは私が楽しむ」
赤沢「気持ち悪いわねぇ…あんた最低ね…」
見崎「…うっ」
赤沢「終わった?なら貸しなさいよ」
見崎「はい」
赤沢「んああああああっ!あああっ!あっ!!
恒一君!恒一君のパンツぅ!いいよぉ!
あぁぁぁぁ恒一くぅん!!私に突っ込んでぇ!!
あああああっ!あっ!あぁぁぁぁんっ!!」
プシャアァァァッ
見崎「激しすぎるわ。近所迷惑だから、もう少し抑えて」
赤沢「はぁはぁ…ご、ごめん」
見崎「あと私のスカートに潮がかかった」
赤沢「ごめん」
榊原「…ま、いっか」
見崎「貴女のせいでバレるところだった」
赤沢「だから謝ってるじゃない!」
榊原「あー…赤沢さんのハイソックスの匂い嗅いでみたいなぁ」
赤沢「!!?」
見崎「聞きたくなかった」
赤沢「あぁ…恒一君…私のハイソックスでよければ、いつでも嗅がせてあげるのに…」
見崎「…」
赤沢「ハイソックスとは言わずに、どうせなら私の体の隅々まで…」
見崎「…」
赤沢「って私何言ってるのかしら!もーやだー!」バシバシッ
見崎「痛い」
赤沢「あー、今日体育の授業でマラソンだったし、何か疲れたわね」
勅使河原「まったくだぜ。クタクタだ」
榊原「ご苦労様」
勅使河原「サカキはいいよなぁ、体育休めてよー」
榊原「好きで休んでるわけじゃないけどね」
赤沢「ちょっと、あんた邪魔。早くどっか行ってよ」
勅使河原「お、おう…」
榊原「何?」
赤沢「私の足、マッサージしてもらえるかしら?」
榊原「えっ…」
赤沢「ほら、早く」
榊原「うん、わかった…」
赤沢「ふふ…」
榊原「じゃあ、上履きとるね」
赤沢「ええ、お願い」
赤沢(さあ恒一君…いっぱい匂い嗅ぎなさい!)
榊原「ど、どうかな」
赤沢「うん…とっても気持ちいい」
榊原「そう…なら良かった」
赤沢(何してるのよ恒一君…早く嗅ぎなさいよ…!)
ガラガラッ
榊原「!?」
見崎「…」
赤沢「チッ」
見崎「…何してるの?」
榊原「足のマッサージを…」
見崎「そう」
榊原「え?うん、いいけど…」
赤沢(このチビ…)
赤沢「なら私も一緒に帰るわ!」
見崎「チッ」
榊原「あー…こんな事なら赤沢さんの足の匂嗅いでおけば良かった…」
赤沢「恒一君…// あんたが邪魔するから!」
見崎「榊原君のおかずは私だけでいい」
赤沢「何よそれ!」
見崎「榊原君のカバンにこっそり私のハイソックスを忍ばせておいた」
赤沢「この卑怯者…!」
榊原「あれ?なんだこれ…」
見崎「これで榊原君は、私のハイソックスの匂いでオナニーしてくれる」
赤沢「くっ…」
榊原「クンクンッ…んー何か違うな。あんまり臭くない…全然勃起できないや」
見崎「!?」
赤沢「プッ…ざまぁみなさい」
赤沢「かわいそうに恒一君…今私のハイソックスをそっちに投げてあげるからね!」
ポイッ
榊原「ん?何だこれは…」
榊原「これは…赤沢さんのハイソックス!?」
赤沢「いっぱい嗅いで、いっぱいシゴいてね…」
榊原「赤沢さん…クンクンッ…臭っ」
榊原「臭すぎるのも考えものだな…やめておこう」
見崎「貴女は蒸らしすぎた」
赤沢「うーん…なかなか加減が難しいわね」
見崎「匂いフェチの奥は深い、これで勉強になったわね」
赤沢「そうね…」
榊原「仕方ない、また玲子さんのパンティーでシコるか」
玲子さん好きだぁぁぁぁぁ!うぉうぉうぉおおあおゃゃやややや!!
ふぉわあぁああああああああ!!らあいああああああ!!ぬがっうが!!」
榊原「ウッ」ドピュピュッ
赤沢「あぁぁあぁぁぁあぁぁ!恒一君恒一君恒一君!!好きよ恒一君!!
ああんっ!あんっ!あっ!あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!
ああおあおおおおあああああおおおぉぉぉああう!!アンッ!!」
赤沢「ウッ」プシャアァァァッ
見崎「今度は髪にかかった」
赤沢「ご、ごめん」
榊原「う、うわぁぁぁ!!」
玲子「こ、恒一君…?」
榊原(ヤバイ!見られた!)
玲子(恒一君…私のこと思って…しかもこんなに大量に射精して…)
見崎「これは危険」
赤沢「嫌な予感しかしないわね…」
榊原「え…」
玲子「明日…ね」
見崎「ストーカーしていて分かったんだけど、榊原君は熟女にも精通している」
赤沢「ちょっとそれマズイじゃない!」
見崎「とりあえず明日、榊原君をこの家に帰させなければいい」
赤沢「あ、そっか!」
~病院~
榊原「今日で通院も最後か…」
沙苗「恒一君」
榊原「あ、沙苗さん…」
沙苗「ちょっと屋上まで行かない?」
榊原「いいですけど…」
沙苗「じゃあ、エレベーターで行こっか」
榊原「はい」
榊原「…」
ギギギ…ガタッ
沙苗「な、何?」
榊原「エレベーターが…急停止したみたいですね…」
沙苗「こ、怖い…!」ガバッ
榊原「沙苗さん…大丈夫ですよ。すぐ動くだろうし…」
沙苗「……だといいんだけど」
見崎「…」
赤沢「もしかして誰かに捕まったのかしら…」
見崎「…!その可能性は十分あるかも」
赤沢「ど、どうしよう!私の恒一君がっ」
見崎「まだ言ってなかったけどね、この町の女性の6割が榊原君の貞操を狙っているの」
赤沢「早く言いなさいよ!どうすんのよ!」
見崎「とにかく探しに行きましょう」
榊原「そうですね…」
沙苗「ふぅ。何だか暑くなってきちゃった…」
榊原「そうですね…」
沙苗「恒一君、大丈夫?」
榊原「はい、何とか」
沙苗「そう…。私はもう我慢できない」
榊原「え?」
沙苗「脱ぐね…」
沙苗「ごめんね…こんな所で下着姿になっちゃって」
榊原「と、とりあえず俺は後ろ向いてますねっ」
沙苗(向かなくてもいいのに…意気地がないんだから)
榊原(早く、早く動いてくれ!)
沙苗「恒一君…」
榊原「はい、何ですか?」
沙苗「おしっこしたくなっちゃった…」
沙苗「もう、我慢出来ない…」
榊原「そ、それじゃあ…俺のカバンにしていいですよ」
沙苗「それは悪いよ…」
榊原「でも、そうしないと床が汚れちゃいますし」
沙苗「…本当にいいの?」
榊原「はい」
沙苗「それじゃあ…ごめんね」
榊原「はい、わかってます」
沙苗「…」
ショロロ…シャアアアアア…
沙苗「…ッ//」
榊原「…」
沙苗「ご、ごめんなさい。匂うわよね…」
榊原「気にしないでください」
見崎「見つからない」
赤沢「どうしよぉ…恒一きゅんの貞操が!ふぇぇ!」
見崎「落ち着いて、まだ奪われたと決まったわけじゃないんだし」
赤沢「もし奪われてたらどうするのよ!!」
見崎「苦しい、胸ぐら掴まないで」
沙苗「ハッ…。み、見ないで!!」
榊原「ご、ごめんなさい」
沙苗「…」
榊原「…終わりました?」
沙苗「うん…」
榊原「いいですって」
沙苗「何かお詫びしなくちゃね…」
榊原「いや、いいですよ…」
沙苗「でもそれだと私の心が痛むの」
榊原「じゃ、じゃあ今度何か美味しいものでも奢ってもらえれば…」
沙苗「私も…美味しいよ?」
榊原「え…」
沙苗「私を、味わってみる?」
榊原「こ、困ります」
沙苗「いいから!!早くしなさい!!」
榊原「(ビクッ)は、はい…」
沙苗「ふふっ…いい子ね」
榊原(どうしたんだろ…急に人が変わったように…)
沙苗「じゃあそこに仰向けになって」
榊原「わかりました…」
榊原「は、はい」
沙苗「じゃあ…筆おろしだね…」
榊原「そうなりますね…はは」
沙苗「挿れちゃうよ?恒一君のおちんぽ、私のおまんこに…挿れちゃうよ?」
榊原「どうぞ…」
沙苗「んっ…んん…入っちゃった…」
榊原「うう…」
沙苗「どう?気持ちいい?」
榊原「き、気持ちいいです」
榊原(沙苗さんの…すごい締め付けてくる…!)
沙苗「んああっ…恒一君、おっきいね…」
榊原「うああっ」
沙苗「こすりつけてもいい?ねぇ?」
榊原「お、お願いします」
沙苗「ほらぁ…あっ!ああああっ!」
榊原「沙苗さん…激しい…ッ!」
榊原「さ、沙苗さん、もう逝きそう!」
沙苗「えぇ?もう?早いよ恒一君……あぁっ!」
榊原「で、出そうですっ」
沙苗「駄目!まだ駄目!もう少し我慢しなさい!」
榊原「でも…うああ!」
沙苗「あぁ…ッ」
榊原「ご、ごめんなさい」
沙苗「…中に出しちゃった?」
榊原「は、はい…」
沙苗「泣かなくていいのよ…安全日だし」
榊原「僕…僕…ううっ」
沙苗「泣かないで…私のかわいい恒一君…」
見崎「今はただ榊原君の無事を祈るしかない」
赤沢「ま、ここでうじうじ悩んでても仕方ないか…」
見崎「明日、榊原君に話を聞きましょう」
おめでとう、水野さん
~教室~
赤沢「恒一君、ちょっといいかしら」
見崎「…」
榊原「な、何だよ…」
赤沢「いいから。屋上まで来て」
榊原「わかった…」
見崎「家に帰ってないでしょ」
榊原「な、何でそんな事知ってるんだよ」
赤沢「今はそんな事どうでもいい!早く教えなさい!」
榊原「そんな横暴な」
赤沢「私は榊原対策係よ。だから恒一君がどこで何をしていたのか知る権利があるの」
榊原「榊原対策係…?何だよその限定的な係は…」
赤沢「いいから教えなさい!」
見崎「私からもお願いするわ、榊原君」
赤沢「なんだ…そうだったんだ」
見崎「無事で何よりね、榊原君」
榊原「いやぁ、参ったよ」
赤沢「ちなみに…その時一人だった?」
榊原「ギクッ」
見崎「誰かいたのね…」
赤沢「誰?誰と一緒だったの!?」
赤沢「沙苗って…水野猛のお姉さん?」
榊原「ああ」
見崎「赤沢泉美、ちょっと」
赤沢「え?ああ、うん」
見崎「榊原君の貞操を奪われた可能性が高い」
赤沢「そのようね…私としたことが…」
見崎「奪われたものは仕方ない」
赤沢「私はそこまで割り切れないわよ!一生に一度のものなのよ!?」
見崎「大事なのは、次」
見崎「榊原君はこれでセックスの悦びを知ったことになる」
赤沢「なるほど…榊原君はセックスしたがってるって訳か…」
見崎「このままでは水野沙苗がセックスフレンドになっちゃう」
赤沢「そ、そんなの嫌!絶対に嫌!私としてほしい!!」
見崎「声が大きい」
赤沢「ごめん…。で、何か考えでもあるの?」
見崎「簡単なこと。水野沙苗を殺せばいい」
赤沢「グッド・フェローズ的な考え方ね…でもそれしか無いか…」
猛「ああ…乗ってたエレベーターが落下したらしいんだ…」
榊原「そんな…」
赤沢「怖いわね…あの病院も老朽化が進んでたし、しょうがないわよ」
見崎「点検を怠った業者が悪い」
なんとなくドヤ顔な感じ
赤沢「恒一君…ずっと落ち込んでるわね…」
見崎「セフレを亡くしたから、無理もないのかも」
赤沢「はぁ…元気出して恒一きゅん。でも落ち込んでる恒一君も…素敵//」
見崎「…問題はこれから」
赤沢「そうね。恒一君はきっと次のセフレを求めるはず!」
見崎「そこに私たちが颯爽と現れる、そうすれば」
赤沢「私たちも恒一きゅんとキャッキャウフフなことが出来る!えへへっ」
見崎「ヨダレ」
赤沢「失敬」
見崎「姉さん事件です、大変なことが起きました」
赤沢「どうしたのよ」
見崎「榊原君と叔母さんがセックスした」
赤沢「何ですって!!?」ガタッ
勅使河原「なんだなんだ?生理でも遅れたのか?」
バシバシッ ガシャーンッ
風見「あっ!勅使河原が窓から突き落とされた!」
勅使河原「ふー死ぬかと思ったぜ」
見崎「落ち込んでいた榊原君をね、励ましてたみたいなの」
赤沢「うんうん」
見崎「そしたら自然な流れでね、やり始めたの」
赤沢「どういう流れでそうなるのよ!!」
見崎「近親相姦はね、いけないと思うの」
赤沢「そういう問題じゃないでしょうが!!」
見崎「さすがにそれは駄目。身内を殺すのは榊原君がかわいそう」
赤沢「それもそうね」
見崎「叔母さんにはどこか遠くへ行ってもらう」
赤沢「それ十分ひどくない?」
見崎「でもね、そうすれば、榊原君は自由の身」
赤沢「私たちがやりたい放題できるわね!!」ガタッ
見崎「いちいち立ち上がらないで、皆見てる」
赤沢「あ…//」
榊原「えぇ!?玲子さん、アラスカに行くんですか!?」
玲子「うん。何だか良く分からないけど、そうなっちゃったの」
榊原「そんな…」
玲子「悪い女の子に掴まっちゃ駄目よ?」
榊原「はい…」
玲子「じゃあ、行って来るね」
あらすかに転勤て、どうやったんだよwwwww
赤沢「ついに…ついにこの時が来たのね…ジュルル」
見崎「そう、今日から榊原君の家は私たちの愛の巣となる」
赤沢「ちゃんと約束守ってよね?」
見崎「分かってる。月水金は私、火木土は貴女」
赤沢「で、日曜は恒一君も疲れてるだろうからお休み」
見崎「完璧なローテーション」
赤沢「では!マイスウィートホームへ!いざ行かん!!」
見崎「突入を開始する」
榊原「はーい」
赤沢「どうも」
榊原「赤沢さんに…見崎さん。どうしたのさ」
赤沢「入るわね」
見崎「ただいまー」
榊原「ただいまって…何勝手にあがってるんだよ」
赤沢「夕飯まだよね?今、作るからね」
榊原「何勝手に人の家の台所使ってるんだよ」
見崎「ふふふ」
榊原「何人ん家のソファーに勝手に寝込びながら嵐にしやがれ見てるんだよ」
榊原「う、美味そう…」
赤沢「美味そうだなんて…恒一君……キャッ!」
榊原「は?」
見崎「心配しなくていい、ただの重症患者」
榊原「それはそれで不安なんだが」
赤沢「? 帰らないわよ?だってここが私たちの家なんだし」
見崎「そう、ここが私たち3人の家」
榊原「二人とも真顔で何を言ってるのかな?」
赤沢「…恒一君。まだ何も知らないんだ」
榊原「えっ?」
赤沢「この町の秘密…」
赤沢「そう…みんな恒一君を狙ってた」
榊原「狙ってたって…もしかして命?」
見崎「ちょっと違う」
赤沢「狙ってたのは恒一君の貞操よ」
榊原「て、貞操…?」
見崎「この町の半数以上の女があなたを狙っているの」
赤沢「だから私たちで守ってあげるのよ」
見崎「ちなみに勅使河原も榊原君の背後を狙っていた」
榊原「そ、そんな」
榊原「な、なぜそれを…」
赤沢「町の人全員知ってるわよ」
榊原「全員?!」
見崎「死ぬ間際にね、水野沙苗がみんなに自慢して周ってたらしいの」
榊原「あの人口軽すぎだろ…!」
赤沢「嫌な事件だったわね…」
榊原「そうだったのか…」
見崎「そうなの」
赤沢「そして恒一君は、その心に空いた穴を埋めるように、叔母さんとも肉体関係を結んだ」
見崎「そして榊原君は叔母さんの穴を埋めた、ペニスで」
榊原「…」
見崎「榊原君、寂しい?」
榊原「そりゃあ、まあ…」
赤沢「じゃあ今度は」
見崎「私たちが埋めてあげる」
榊原「そう来たか」
榊原「ん…朝か…」
見崎「榊原君、早く起きないと、学校に遅れるよ」
榊原「おう…」
赤沢「行こう、ダーリン」
榊原「そうだな…」
お わ り
原作も未読だし、もう無理だ!
おい
榊原「見崎さん…」
見崎「挿れて…」
榊原「う、うん」
よし
榊原「ごめん、痛かった?」
見崎「ううん、大丈夫」
榊原「俺もまだ不慣れだから…その、上手くできるかどうか…」
見崎「問題はそこじゃないの」
榊原「え…」
見崎「問題なのは、榊原君と繋がってるってこと。私、幸せ…//」
榊原「見崎さん…!」
榊原「わかった…」ズブブッ
見崎「あ…んっ…」
榊原「す、すごいよ見崎さん…」
見崎「榊原君、上手…」
赤沢「も、もう我慢できないわっ!」
赤沢「私も混ぜなさい!」
榊原「赤沢さん!?」
見崎「入って来ないで」
赤沢「いいじゃない別に!3人でやりましょう!」
榊原「えっ…ちょ、ちょっとっ」
榊原「うわぁ…」
赤沢「舐めて…」
榊原「は、はい」ペロペロッ
赤沢「んっ…!ああっ…!」
見崎「榊原君、こっちも忘れないで」
榊原「ほ、ほめん…」パンパンッ
見崎「ああっ…んっ!んんんんっ」
赤沢(ああっ!恒一君に舐められてる!クンニされてるよぉ!)
見崎「はぁ…はぁ…あああああっ!あああっ!」
榊原「も、もう逝きそう!」
赤沢「早いわね」
見崎「もうちょっと頑張って」
榊原「で、でも!」
赤沢「ったく…ほら、もっと速く舐めて!」
赤沢「ああっ!そう、そうよ!恒一君、もっと、もっと!!」
榊原君「で、出る!」
ドピュッ
見崎「榊原君、早漏ね」
榊原「ごめん」
赤沢「ま、これから私たちが訓練してあげればいいか…」
差し詰め赤沢さんは本妻で、
見崎さんは別の妻…、愛人と言ったところだろうか。
そう、別の妻
つまり
見崎さんは僕にとっての
Another
なのだと…。
お わ り
何の弁解も御座いませぬ…
本編があれだからこそラブコメが見たくなる
アナザーssが増えてくれると嬉しい
Entry ⇒ 2012.02.12 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
鳴上「朝起きたら女になってた」
鳴上「朝起きたら女になってた」
花村『…あのな、いくら相棒でも言っていい冗談と悪い冗談ってものがあってだな…』
鳴上「本当だ」
花村『全く…じゃあ今から会う?いつもの場所にいるからな。嘘ならビフテキ奢れよ』ピッ
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1328539205/
鳴上「朝起きたら女になってた」
花村「え…嘘だろ?」
>花村は本気で驚いている
花村「そりゃ驚くよ!あり得ないだろ!何があったんだよ!」
鳴上「俺にも良く分からない」
花村「昨日なんか変わったことでもあったか?」
鳴上「昨日は確か…」
堂島「ハッハッハ、お前は本当に冗談がうまいな、ハッハッハ」
足立「全くだよ鳴上君、それは面白いよ」
鳴上「……」
足立「あーあ、堂島さん酔って寝ちゃった…そろそろお暇させていただくよ…あ、そういえば」
鳴上「…?」
足立「そうそうこれこれ、君にあげるよ」
>とても怪しい…が受け取る
足立「それ飲んでみなよ面白いから…あぁ、体に害は無いから心配しないで。んじゃあね」
鳴上「あっ…待っ…」
>足立は行ってしまった…急にどうしたんだろう…
花村「で、それを飲んだと」
鳴上「あぁ」
花村「いや、理由どーみてもそれだろ。かなり怪しいだろ」
鳴上「そうか…」
花村「いや普通に気づけよ…」
>花村がいやらしい目つきでこっちを見てくる…
花村「なっ!そんなわけ…」
>花村がいやらしい目つきで胸を見てくる…
花村「み、見てねーつってんだろ!」
鳴上「落ち着け」
鳴上「そうだな…」
里中「鳴上君が女の子になっちゃったってマジ!?あっかわいー!」
天城「うん、どこからどう見ても女の子」
完二「うおっ、先輩マジっすか!?」
りせ「先輩カワイー!!…しかも私より胸おっきいし…」
直斗「ほ、本当に女の子に…驚きです」
クマ「センセーすごくかわいくなっちゃってー!びっくりクマ!」
花村「お前ら緊張感なさ過ぎだろ…」
里中「ん…で、なんでこんな風になっちゃったの?」
説明中…
直斗「そんなことが…」
花村「いや、俺もマジでびっくりしたよ」
完二「いや、もうビックリってレベルじゃねーっすよ」
天城「うん…足立さんはなんで鳴上君に薬をあげたのかな?」
鳴上「わからない…あ、もしかしたら叔父さんが何か知ってるかもしれない。今日は家にいるし…足立の電話番号とかも聞けるかも」
りせ「じゃあ早速先輩の家にレッツゴー!」
クマ「レッツゴークマ!」
菜々子「お父さん?さっき大事な会議があるって出かけちゃったよ?」
花村「そっかぁ…それじゃ電話も無理かぁ」
里中「ま、今夜帰ってきたら聞いてみたら?」
菜々子「んーん、今日はお父さん帰れないって」
花村「マジかー…じゃあれか?いつも通り勘でどうにかするか?足立のことだ、どっかでぶらついてるだろ」
鳴上「そうだな…>>25とかは?」
花村「というわけでまた戻ってきたわけだが」
鳴上「食料品売場でキャベツでも漁ってたりしないかな」
完二「そんな都合良くいるわけ…」
足立「ん?君たちは」
花村「見つけんの早すぎだろ、てかなんで百発百中なんだよ」
鳴上「何なんだ?これは」
足立「怒るなって、怖い怖い」
直斗「足立さん、説明していただけますね?」
足立「はぁ、めんどくさいなぁ」
すいませんもうしません
足立「あれは一時的に対象の性別を変えちゃう薬だよ、まあもう使ったし知ってるか」
鳴上「何でそんなものを俺に?」
足立「…女の子になれば女の子の気持ちが分かるかなって思ってさ」
鳴上「…?」
女子達「……」
花村「何この展開」
足立「まあ気にしなくていいよ、暇だっただけだから。女の子になった君の反応を見てみたかっただけだよ」
>正直気持ち悪い
花村「足立あんな性格だったっけ…まあいいか」
足立「じゃ、もう行くね。あ、まだ残ってるだろうから使って女の子にしか出来ないことでもやればいいよ」
鳴上「あ、あぁ…」
>何か釈然としないまま足立は去って行った…
クマ「かわいいお洋服とかきっと似合うクマー!」
直斗「そ、そうですよきっと似合いますよ」
花村「ほんっと切り替えはえーなお前ら…まあ否定はしないが…服とか見てみたいし」
里中「……花村のやつまさかね」
天城「……今は女の子だし完二君みたいな感じじゃないよね?」
完二「なっ、俺そんな趣味ねーっすよ!」
鳴上「そっとしておこう」
>皆とジュネスを回った…
菜々子「おかえりお兄ちゃ…お姉ちゃん…?」
>あ、そういえば朝はこっそり出てきたし家に来たときも花村と里中に対応してもらってたから事情を話していなかった…
鳴上「あ、な、菜々子…これにはいろいろ事情が」
菜々子「お兄ちゃん……すごくかわいいねっ!ほんとの女の人みたい!」
>…どうやら女装だと思われたらしい…それはそれでどうかと思うが…そっとしておこう
鳴上「き、今日は疲れたからちょっと休むよ」
菜々子「?うん…」
>自室に戻った…
鳴上「ふぅ………よし、せっかく女になったんだし一度やってみたくなるよな」
>おもむろにベッドに寝転び服を脱ぐ
>…恐る恐る胸や股をまさぐる…
>新たな快感がこみ上げる…
>一人長い夜を過ごした…
鳴上「うーん……ハッ!」
>飛び起きて確認する。
>胸…無い。アレもしっかりついている。
鳴上「戻れ…たのか?足立は効果は一時的って言ってたけど、一日だけか…」
>そういえば残りの薬はどこへやったか…無くなってしまった
鳴上「まあ…いいか」
鳴上「さあ…まあペルソナやマヨナカテレビがあるんだからそれくらいあっても不思議じゃないだろ」
花村「ま、それもそうだな、深く考えてもあんま意味ねーか…ところでまだ薬あんの?」
鳴上「無いよ」
花村「そっか…」
>?
ガソスタ店員「らっしゃせー」
ガソスタ店員「…そういえば、先日刑事にあげた薬はどうなったかな」
ガソスタ店員「一つ使ったら次の持ち主に移る仕様なんだけどちゃんと使ってくれたかな」
ガソスタ店員「…らっしゃせー」
朝・??
>朝起きて体を確かめる。うん、いろいろ増えていろいろ消えた。
??「なんで俺の机の上にあったかは知らねーが…使ってみたら案の定これか…」
花村「よーし…新生・花村陽子の誕生だぜ!」
ここでまさかの終わり
あと駄文ながら最後まで読んでくださりありがとうございました
もう寝ます
Entry ⇒ 2012.02.11 | Category ⇒ ペルソナSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
男「どうぶつの森?」
男「(電車に乗って2時間半……)」
男「(都会での生活に疲れたから、この田舎に住む事にしたが)」
ガタンゴトンガタンゴトン
男「電車の中は無人、そして」
ネコ「ミャー」
男「目の前にはなぜかネコがいる」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1328633606/
男「どうぶつの森?」
男「どうやら目的の村に着いたみたいだ」
男「しかしこの電車、運転席には誰もいなかったな……」
男「この地図の屋根マークが自宅みたいだ」
イヌ「ワン!ワン!」
ペンギン「クエー!」
ブタ「ブヒー!」
男「……なんでこの村はこんなに動物が放し飼いなんだ?」
男「しかし、気味が悪いほどに人がいなかったな……」
男「でも、俺の家を含めこの団地には4つ家が建っている」
男「荷物でも置いたら、挨拶でもしようかな?」
男「しかしこのはにわはなんだ?」
はにわ「」
男「まあ、後で片付けるか……」
男「おかしいな……3件とも留守だったぞ?」
男「……いや、居留守を使っているだけだろ」
男「多分ここの団地の人は皆、極度の人見知りなんだ」
男「……する事ないしちょっと村の周りでも見てこようかな?」
男「……なんでゾウまで放し飼いなんだよ」
男「市役所か……そういえば手続きしとかないとな」
男「でもこの市役所、建物の中に活気がないぞ?」
男「まあ入ってみるか……」ギィ
ペリカン「クワッ!」
男「」
男「家に帰ろう」トボトボ
男「……ん?」
イヌ「ワンワン!」
ネコ「フシュー!!」
トラ「グルルルルルル!」
男「え!?……まじかよトラいるぞ?」コソコソ
男「うわ!?トラがイヌの方に向かってった!?」
イヌ「!?」
トラ「ガアアアアアアア!!」
ガブッ
イヌ「キャイン!?」
トラ「……」ガッガッ
男「うわあ……イヌが無残な姿に……」
トラ「……」クチャクチャ
イヌ「」
男「トラは食事に夢中で気づいてないみたいだ……」コソコソ
パキッ
男「!?」
トラ「……!?」クルッ
男「目が会っちまった……」ガクガク
男「逃げなきゃ……」ザッ
トラ「ガアアアアアアアア!!」ザッ
男「うわああああああああああああ!?」ダッ
トラ「ガアアアアアアアアア!!」ザッザッザッ
男「ダメだ!?追いつかれる!!」ダダダダダダダ
ズボッ
男「……ヘっ?」
トラ「ウガアアアア!?」ジタバタ
男「落とし穴?誰がこんなところに」
トラ「ガアアアアアアアアアア!!」スポッ
男「家まで後少し!!」ダダダダダダダダダ
トラ「ガアアアアアアアアア!!!」ザザザザザザザザ
男「っゴール!!」ギィ
トラ「ガアアアア!!」バッ
パタン
トラ「グガッ!?」ビターン
男「ま……間に合った……」グッタリ
_________________
男「もう夕方か……」
男「あのトラは?」ソー
グルルルルルルルル
男「うわ!?まだ家の前で待ってるよ!?」
男「あのトラが退くまで家にこもるか」
男「どうしよう……」グー
男「腹減ったな……」
男「見た所、水道もガスも通っていない……」
男「なぜか照明だけは付いているけど」
男「……ラジオでも動かすか」ゴソゴソ
ガサガサガサガサ
男「うわ!?ゴキブリ!?」
カサカサカサカサカサ
男「3匹も出てきたか……」グー
カサカサカサカサカサ
男「……ゴキブリって食えるのかな?」
プチプチプチッ
男「あっ!?」
フワワーン
男「ゴキブリ踏んじまった……死体もなんか消えてるし……」
男「そういえば、トラは?」ソー
シーン
男「いなくなったみたいだな」
男「なんか食べ物探しに行くか……」
ワオーン パオーン
男「動物達がうろついている分、迂闊には歩けないな」コソコソ
男「ん?なんだ?あの建物は」
たぬきち商店
男「店だ!!」ダッ
男「……すいませーん、誰かいませんか?」
シーン
男「……誰もいないのか?」
ガタッ
男「!?」
たぬき「?」キョトン
男「なんだ、たぬきか……」
男「しかし無人とは、この店無用心だな……」
男「机の上には葉っぱしか乗ってないし」
男「ん?チューリップの種か……」
男「食えるかな?」ガシッ
たぬき「……」ジー
男「……ちゃんと金は払うよ、このレジの前に置いとけばいいかな?」チャリン
男「しかし」バリボリ
男「このチューリップの種意外といけるな」バリボリ
男「ふぅ、食った食った」
男「……やることねぇな」
男「……寝るか」バタッ
男「床冷たいな……」
男「zzz……」スヤスヤ
ギィ
男「ん……朝か」
男「体が硬いな……」ポキポキ
男「ポストでも見ようかな?」
キィ
男「入ってないか……」ガッカリ
男「そういえば、昨日は砂浜辺りは探索してなかったな」グゥー
男「……朝食でも探すか」
男「何もないな……」
男「ん?なんだこれは?」ヒョイ
男「ヤシの実か?」
男「しかし、どうやって飲もうか……」
男「ああ、そういえば」
チャリン
男「この商店に斧があったからな」
男「この斧で!」ブンッ
パンッ
男「うわ!ヤシの実を割っちまった!?」
ガッ
男「木にでも八つ当たりだ!!」ブンッ
ガッガッガッ
男「オラっ!!」ブンッ
ガッ ドシーン
男「木が折れたか……ん?」
コロコロ
男「リンゴだ!」
男「というか、この村の木にはリンゴが生えているのか」
男「……採るか」
ユサユサユサユサ ポトポトポト
男「おお、リンゴが落ちてきた」
ユサユサユサユサ ポトポトポト
男「この木も」
ユサユサユサユサ ポトポトポト
男「これも」
ユサユサユサユサ ポトッ
男「ん?これは」
ブーン
男「ハチの巣だ!?」ダッ
男「しかし、自宅の中がラジオだけだと殺風景だな……」
男「家具がどこかに無いものか……」
男「ん?肩に葉っぱが乗っかってる、さっきのハチから逃げたときか」
男「気づかなかった」サッサッ
ヒラヒラ ボンッ!
男「うわ!?イスが突然出てきた!?」
男「まさか、この葉っぱ……家具になるのか?」
男「……このイスは見た目的にはモノクロだな……」
ゴチャゴチャ
男「……統一性が無いな……」
男「まぁ、コンロや洗面所とかが揃ったからいいかな?」
男「しかもファミコンまであったし……」
男「ドンキーコングか……やってみようかな?」
デーデデーデーデーデー デッデッデデデッデッデデ
男「……意外とはまるな」
________________
チュンチュン コケコッコー
男「……朝か」
男「まさかファミコンで夜更かしするとは……」
男「ふわあぁ……寝ようかな?」
男「おお、このベッド思ったより柔らかい……」フサフサ
男「おやすみ……zzz」スヤスヤ
キィ
男「んっ……夕方か」
男「……外にでも出ようかな?」キィ
男「ん?家の前に沢山花が生えている……誰か置いたのか?」
男「というか、隣の家に人がいるんじゃないか!」
男「すいませーん」ドンドン
男「お話しましょう」ドンドン
男「なんで出ないんだ?」
キィ
男「……空いている」
男「すいませーん」ソロソロ
シーン
男「やっぱり誰も……ん?」
スゥースゥー
男「寝息?」
男「人が寝てる……?」
男「すいませーん」ユサユサ
女「zzz」
男「起きてー」ユサユサ
女「zzz」
男「ダメだ、起きないな……」
男「しかし、こうやって寝ている女の子を見てると」
女「zzz」
男「いたずらしたいよね、男の子だもん!」バッ
女「zzz」モゾモゾ
男「スカートの中に頭突っ込んでみたり!」モゾモゾ
男「さらには!」
男「添い寝!と……か……zzz」スヤスヤ
_______________
女「ふわぁ……夕方ね」ウトウト
スヤスヤ
女「!?」
男「zzz」スヤスヤ
女「きゃあああああああああああああ!!」バシッ
男「zzz」
女「なんでこんな所に人が!?」
ドンドンドン
女「!?誰?」
キィ
女「あ!ヒョウタ!ちょっとこっち来て!」グイッ
ヒョウタ「ちょっ!引っ張るなじゃが!」
女「ほら!ベットの上に不審者が!!」
男「zzz」
ヒョウタ「あれ?この人おいらを見るなり逃げていった奴じゃが!」
女「ヒョウタはこの不審者を知っているの?」
ヒョウタ「知ってるもなにも、おいらを落とし穴にはめたのはこいつじゃが!」
ヒョウタ「あっちの役所の方じゃが!」
女「(それ、私だわ……)へー」
ヒョウタ「で、この不審者どうするじゃが?」
女「そうね、警察にでも突き出しましょう」
男「zzz」
おまわりさん「落し物、でありますか?」
女「そう、落し物」
男「zzz」
おまわりさん「でもそれは人」
女「落し物!!」クワッ
おまわりさん「……わかったであります」
女「じゃあ、よろしくね!」
女「後、次くるまでには ぎょくざ でも置いといて!」
おまわりさん「……女さんはいつも自分の物でも無いのに持っていくであります」
男「zzz」
キャラメル「あっ!女ちゃんだワン!」
女「キャラメルじゃない、どうしたの?」
キャラメル「どうしたもこうしたもないワン!これ女ちゃんかワン!」バッ
女「ああ、腐ったカブね、で?」
キャラメル「これをヒョウタに渡したのかワン!」
女「うん、手紙でね」
キャラメル「これのせいでわたしひどい目にあったワン!」
_______________________
男が引っ越してきた初日
キャラメル「で、わたし言ったワン、中くらいの幸せが一番良いって」
マール「きゃはははは!キャラメルらしいニャー」
マール「あっ、わたし行かなくちゃ!またニャー」バイバイ
キャラメル「またね、暇だワン」
ヒョウタ「あっ、キャラメルちゃんじゃが!」
キャラメル「あれ?ヒョウタどうしたのワン?」
ヒョウタ「女ちゃんから、手紙もらったじゃが!」バッ
キャラメル「?それがどうしたのワン!」
ヒョウタ「初めてじゃが!女の子から手紙なんて!」
キャラメル「(ああ、写真のターゲットにされたのかワン……)へー」
ヒョウタ「ほら、文章見るじゃが!」
おはよう。
ありがとう。
こんにちは。
キャラメル「うわ」
ヒョウタ「特にこの ありがとう。からは温かみを感じるじゃが!」
キャラメル「そう……」
ヒョウタ「そういえば、プレゼントも付いてたじゃが!」
キャラメル「(わたしの時も沢山みかん贈られたワン……)中身は?」
ヒョウタ「開けてみるじゃが!」ガサガサ
パッ プーン
キャラメル「臭っ!?」バタッ
ヒョウタ「カブだじゃが!」バリボリバリボリ
キャラメル「」ピクピク
ヒョウタ「ん?あそこにいるのは誰じゃが?」
男「逃げなきゃ……」
ヒョウタ「逃げる?ああ鬼ごっこをしたいのかじゃが?」ザッ
男「うわあああああああああああ!」ダダダダダダダダ
ヒョウタ「待つじゃが!」ザザザザザザザザザザ
キャラメル「」ピクピク
___________________
女「ああ、送ったわね」
キャラメル「……あのカブはいつのワン?」
女「たしか、6月前にカブが大赤字になったからムカついて家の隅においてたわ」
キャラメル「あんな強烈な匂い嗅いだのは初めてワン……」
女「犬だもんね、そういえばキャラメル?」
キャラメル「なにワン?」
女「いつ引っ越すの?写真もらったからもう引っ越していいんだよ?」
キャラメル「」
女「おやすみー」ゴロリ
女「zzz」スゥースゥー
__________________________
男「っうん……寝てたか」ムクッ
男「机?どこだここ?」
犬「わん!わん!」
男「犬がいるな」
犬「わん!わん!」
男「見た感じここは交番だな」
犬「わん!」
男「こいつは犬のおまわりさんってか?」
男「というか、なんで俺はここに……」
男「こうしちゃいられん!」ダダダダダダダダダ
男「帰ってきたよハニー」
女「zzz」
男「さて、なにしてやろうか……ん?」
男「部屋の隅に沢山の写真があるぞ?」
男「この女の子は動物が好きなのかな?」
男「まぁ、それは置いといて」
男「君のベットにダーイブ!!」ピョーン
男「着地!」ドサッ
女「zzz」
男「しかし、本当に起きないな……」
男「……フフフ」
ボロンッ ムワーン
男「これが俺の黄金の釣竿だ!」ブラブラ
男「これをこの子の手に握らせ」
女「zzz」ニギッ
男「上下に動かす!」シコッ
男「おおおおおおおおおおおお!いいぞ!いいぞ!」シコシコシコシコ
女「zzz」ギュッ
男「ッ!?痛ってええええええええええ!?」ビクンビクン
男「流石に難しいか……」
男「まぁ、また添い寝でもするか」
男「おやすみ……」
男「zzz」スヤスヤ
__________________
ドンドンドンドン アケルデアリマス
女「ふわあ……うるさいな」
女「誰?」ガチャ
おまわりさん「落し物が消えたであります!」
女「なんだ、おまわりか」
おまわりさん「ん?そのベットで寝ているのは誰でありますか?」
女「え?」
男「zzz」スヤスヤ
おわまりさん「」
女「」
女「待って!?これは違うの!」
おまわりさん「いくらボーイフレンドが邪魔になったからって、落し物はひどいであります!」
女「違う!違うの!」
おわまりさん「失礼したであります!」トコトコ
女「待ってー!!」
男「zzz」スヤスヤ
女「……そもそもこいつはどこから?」
女「そういえば、最近隣の家に明かりが点いているような」
女「まさか……引越しとか?レアキャラ?」
女「レアキャラなら……好感度をあげておくべきか」
___________________
チュンチュン
男「ん……朝か?」
男「あれ?俺の家だ……昨日はあの子の家で寝てたはずなのに」
男「?ポストに手紙がたくさんあるぞ?」ガサゴソ
男「宛名は……女?」
男「……見てみるか」
おはよう。
こんにちは。
ありがとう。
男「……次」
ありがとう。
こんにちは。
よろしく。
男「……次」
ああああああああああああ
ああああああああああああ
ああああああああああああ
ああああああああああああ
ああああああああああああ
男「」
三日以内にこの村の住人に100通
送らないと死にます
男「呪いのメールかよ……」
男「ん?村の住人?」
男「俺が見たかぎりだとこの村には俺とあの女の子しかいないはずだぞ」
男「別の場所に人間がいるのか?」
男「……あの女の子は何か知っているのか?」
__________________
女「ふわあ……手紙書いてたら疲れてねちゃったよ……」
女「うわ!もう夜!?まだ花に水も与えてないのに……」
女「ん?ポストに手紙が……」パカッ
女「宛名は男……?ああ、あの変態レアキャラね」
女「内容は?」パラッ
この村には君以外の
人がいるのかな?
女「?なにこれ」
女「まぁ、たしかに私しか人はいないけど……」
女「まあ、写真のためだ、返事してあげよう」カリカリ
女「そういえば、昨日から何も食べてないわね」
女「リンゴでも食べよ……」
________________
男「ん……朝か」
男「ポストはっと……」パカッ
男「着てるな」パラッ
人間は確かに私と貴方しかいないけど
動物達がいるんだから問題ないんじゃない?
男「人はやっぱりいないのか……」
男「って動物達ってこの子、人がいなくてさびしかったのか……」
男「そりゃ、動物は懐けばかわいいけども、会話はできなじゃないか」
男「お腹すいたな」グゥー
男「リンゴは……あれ?無い?」
男「もしかして、ハチに追われたときに全部落としたんじゃ……」
男「しかたがない、チューリップの球根でがまんするか……」
___________________
女「また夜に起きてしまった」
女「でポストはっと……」パカッ
女「来てる……なんで夜に手紙がきてんだろう?直接入れてるのかな?」
女「どれどれ」パラッ
動物は人間と喋れないのに、
それを不自由には感じないの?
女「……は?」
女「何言ってるの?この人……気味が悪い」
女「……こんなときはリンゴでも食べて落ち着こうか……」ムシャムシャ
女「流石レアキャラ、文章もレアね……」
_________________
男「最近、夜は活動してない気がするな……」
男「商店で買った釣竿で魚を釣ってみたが」
男「見事に鯛が釣れたね、めでたいってか」
男「……そういえばあれからリンゴは一切口にしてないな……」
男「ポストに手紙が」パカッ
動物と話すなんてあたり前でしょ?
なにかおかしいの?
男「……え?」
男「待て待て待て!」
男「この子はメルヘンチックな夢でも見てるのか?」
男「……だって、周りは」ソー
ライオン「ガルルルルルル!!」
ペンギン「」グッタリ
________________
女「また来た……」
君はこんなサバイバルみたいな
村の中で本当に落ち着くのか?
よければ俺と一緒に脱出しないか?
女「何なの……この人」
コンコン オンナチャーンイルー
女「サバイバルって、こんな心豊かな動物達が?」
女「ありえない、でも手紙は返さないと……」
_______________________
男「……朝起きたら、部屋の家具が全て葉っぱに戻ってた」
男「おかしい、何かがおかしいぞ……」
男「この村に来てからおかしくなっている……」
男「手紙が来てる」パラッ
多分貴方は疲れているんでしょう
このリンゴで疲れでも取ったら?
男「リンゴ……あの日から食べてないな……」
男「ん?……あの日?」
男「もしかして、俺は今まで幻覚でも見ていたんじゃ……」
男「いろいろ調べなくちゃいけないことが増えたな」
男「そういえば、あの子の家以外のドアを開けた事がなかったな……」
男「行くか……」
_______________
世にも奇妙な物語チックで
カチャ
男「……おじゃまします」コソコソ
男「とりあえず、俺の家から正面の家に来てみたが……」
男「……見た感じ葉っぱが辺り一面に広がっているな」
男「ん?なんだあの葉っぱの山は……」
ヒュー パリンッ
男「っ!?」ビクッ
男「窓が割れた!?」
男「あの葉っぱの山の中を見てから家をでよう……」
ガサゴソ
ドサッ
死体「」
男「っうわああああああああああああああ!?」
男「死体!死体が出た!?」
男「……オエッ」ウプッ
男「やっぱりこの村には何かあるのか?」
男「……でも、なんであの女の子は無事なんだ?」
男「……次の家に行くか」
ガチャ
イヌ「……」ジー
男「うおっ!?イヌかよ驚かせやがって……」
男「ん?そこの変な印のついた地面に何かあるのか?」
イヌ「……ワン!!」
男「わかったよ、掘ればいいんだろ」
ザッザッ
男「……骨?」
男「まだ奥にあるみたいだな……」
ザッザッ
男「ッこれは!?」
ゴリラ「……」
男「え!?うわあああああああああゴリラ!?」
ゴッ
ゴリラ「ウホッ!」ブンッ
バキッ
男「っ!?……」ドサッ
イヌ「キャン!キャン!」ダッ
ゴリラ「……」
男「」グッタリ
________________
女「ふわあ、久々に朝早く起きたわね」ムニャムニャ
女「手紙は……今日は来てないみたいね」
女「あれ?あれは……」
アラン「……」ズリズリズリ
女「アランじゃない、どうしたの?」
アラン「っ!?女ちゃんかウホウホ」
女「あれ?その引きずってるのって……」
男「」グッタリ
女「変質者じゃない、どうしたの?これ」
女「あらそう、じゃあね」
アラン「……」
ガチャ
ポイッ ドサッ
男「」グッタリ
アラン「……はやくこの人間も処分しないといけないウホウホ」
女「この石からも金が出ないわね……」
ワイワイガヤガヤ
女「?役所の前に皆が群がってる、何かあったのかな?」
そんちょう「これからはどうするかのぅ」
ヒョウタ「いっそ、処分するのはどうかじゃが!」
マール「……でも女ちゃんが怪しむニャー」
そんちょう「処分するのはちょっとはやいかのぅ」
女「ねえ」
そんちょう「!?」
女「今日って、イベントの日だっけ?」
女「なんだ……」トコトコ
そんちょう「……まだ気づかれてないみたいじゃ」
マール「ごめんね……女ちゃん」
女「暇だな……ん?」
女「化石じゃない!?なんでこんな所に放置してあるのかしら……」
女「まぁ貰いますか」ガサガサ
ロビン「……」ジー
女「ん?あの子は誰かしら……」
女「おーい!」
ロビン「……また人だ」
女「君の名前は?」
ロビン「えっ?ロビンだけど……」
ロビン「え?言葉が通じてる?」
女「通じる?どういうこと」
ロビン「だって君は人間でしょ?ボクは……」
アラン「おい」
ロビン「ヒッ!?またゴリラ!?」
アラン「こっちにくるウホウホ」クイクイ
女「どうしたの?アラン?」
アラン「この子はまだ引越し手続きが終わってないウホウホ」
ロビン「引越し?引越しもなにもボクは……」
アラン「くるウホウホ!」グイッ
女「変なアラン……」
________________
アラン「はい、こいつはまだ語尾の設定が終わってないみたいウホウホ」
ロビン「語尾?設定?」
アラン「それに、こいつは村の掟を知らないみたいウホウホ」
ロビン「掟……?」
そんちょう「ロビンと行ったかのぅ」
ロビン「はい」
そんちょう「君は見たところ犬みたいだから言葉の後ろに、~だイヌと付けなさい」
ロビン「は?」
そんちょう「つけなさい」
ロビン「……だイヌ」
アラン「さっき骨を掘っていたから、気絶させておいたウホウホ」
そんちょう「あの人間にワシたちの言葉が通じないということは……」
アラン「リンゴを食べていないみたいウホウホ」
そんちょう「……そのうち、気づかれてしまうのぅ」
アラン「女ちゃんにかウホウホ?」
そんちょう「……手を打たんとのぅ」
__________________
男「っ……うん?」ムクッ
男「たしか……ゴリラに襲われて……」
男「そうだ!……あのイヌが示した場所を掘ったら」
男「人間の骨が出てきたんだ……」
男「でも……なんで埋めてあったんだ?」
男「もう一度見に行くか……」
男「誰かが処分したのか?あのゴリラか?」
男「……どちらにせよこの村がおかしいという事には変わりはない」
男「村の外にいったん出るか?駅から線路を辿れば麓には帰れるだろう」
男「……でも列車でここまで来るのに2時間半だぞ?歩いたらどの位かかる?」
男「しかも、あの女の子を残すわけにはいかないし……」
男「それにあの女の子は動物達とお話ができるメルヘンな子だし……」
男「どうするか……」
女「zzz」
男「いつ来ても寝てるな……会話もできないじゃないか」
男「……そもそも、いつ手紙を書いているんだ?」
男「ん?部屋の隅に置いてあるのはなんだ?」
男「……これは、さっき俺が見つけた骨じゃないか!?」
男「なんで、こんなものがこの子の家に……」
女「zzz」
女「zzz」
男「まだ……この村には俺が知らないことがたくさんあるな」
男「本当は気味悪いからはやく脱出したいが……」
男「調べてみようかな……」
________________
__________
______
___
_
男「(あれから一ヶ月が経過した)」
男「(わかったことは三つ)」
男「このリンゴかな?」ヒョイ
男「(このリンゴを食べると、葉っぱが家具に変わる幻覚を見る)」
男「(幻覚を見る時間はリンゴ一つで丸1日みたいだ)」
男「(因みに二個食べたら、三日間は効果が続いた)」
男「(このリンゴは、麻薬の一種なんだろう……)」
男「(現に二個目を食べたて、食べないでいたら体が痙攣を起こした)」
男「(ガマンしたら直ったが、禁断症状なんだろう)」
男「(試しに線路を辿って歩いてみたが)」
男「(村から2km先に狼の大群がなわばりにしていた)」
男「(まるで、村から何者も出さないようにしているかのような配置だった)」
男「(村から脱出する場合はあそこを抜けなければいけない……)」
男「(手紙の宛名を見るかぎり『女』というらしい)」
男「(まずあの女の子は俺が起きている時は行動しない)」
男「(逆に俺が寝ている時は行動しているみたいだ)」
男「(手紙の内容はいつも俺が寝ている時の出来事だった)」
男「(もしかしたら嘘を書いているかもしれない……けど)」
男「(あの子も俺が起きている時の間は自分は寝ているみたいな事を手紙に書いていた)」
男「そして、あの子は……いや女は」
ラジオ「……半年前から、精神病院から抜け出した『女』さんの捜索が打ち切られました」
男「精神病院の患者だったということ」
男「行ってみるか」
ゴリラ「……」ジー
男「……ペリカンがいない?」
男「好都合だ、邪魔は少ないほうがいい」
男「ん?これは……住民表?」
男「どれどれ」ガサッ
男「ん?」
男「これを見ると俺と女以外に2人はいたことになる」
男「正面の家の死体……を数えればもう一人いる」
男「もしかして……あの骨か?」
男「……考えるほどわからなくなってきた」
男「外も暗くなってきたな……帰るか」
_________________
女「また夜中に起きちゃった……」
女「ポストには……手紙が入ってる」パカッ
本当に君は病院から
抜け出した子じゃないのか?
女「もう何回目よ……この文章」
女「大体なんなの?人を障害者呼ばわりして」
女「私はちゃんと手続きをして……あれ?」
女「いつしたんだっけ?」
女「ん?なに?この名札?」
女「え?」
女「待って……冗談でしょ?」
女「いっ嫌よ……認めない……」フルフル
女「私が精神病を患っていたなんて……」ガクガク
女「ああああああああああああああああああああああああああ!!」ビクンッ
ムスメサンノ セイシンニ イジョウ ガ アルコトヲ カクニン シマシタ
イヤ! イヤ! ワタシハ セイジョウヨ!?
ムカシカラ ドウブツト ハナスクセガ アルンデスヨ コノコ
女「ああああああああああああああああああああああああああああああ」
そんちょう「……あの人間を始末するかのぅ」
ウサギ「~♪」ピョンピョン
男「……」ザッ
ザシュ!
ウサギ「ミ!?」ドサッ
男「……大分、狩りも上達してきたな……」
ウサギ「」ピクピク
男「斧も意外とトマホーク代わりにはなるもんだな……」
トラ「……」ザッザッ
男「……見つかったら終わりだな」
男「しょうがない、釣竿にウサギでも付けて」テキパキ
男「この釣竿は相変わらずすごいな、サメも持ち上げても折れなかったし」
トラ「……」ザッザッ
男「!!」ブンッ
ドサッ
ウサギ「」
トラ「っ!?があああああああああ!!」バッ
男「今だ!」ダッ
男「ちっ!気づかれたか!」ダダダダダダダダダダダ
トラ「があああああああああ!!」ザザザザザザザザザザ
ズボッ!
トラ「があっ!?」
男「また落とし穴にはまったか、学習能力がないな!」
男「今の間のうちに!」ダッ
男「食料は魚数匹しか捕まえられなかったな……」
男「そういえば、一ヶ月前に砂浜に SOS と試しに書いてみたが」
男「いつの間にか消されていた」
男「さらにこの前は村のあちこちで のろし を上げてみたが」
男「気がついたら火が消されていた」
男「何者かが、俺の脱出を邪魔しているのか?」
男「とりあえず家に帰るか……」
________
______
___
男「家が荒らされる……」
男「窓もドアもめちゃくちゃになっている……」
男「こりゃ、まずいな……」
男「今日はどこで寝ようか……」
________________
女「……なんで隣で変質者が寝てるの?」
男「zzz」スヤスヤ
女「……この変質者が来てから私はおかしくなった」
女「何か、覚えは無いけど嫌な記憶を夢に見たり」
女「この村にいることに違和感を覚えたこと」
女「……リンゴでも食べて落ち着きますか」ガサゴソ
女「ん?そういえば変質者の手紙にリンゴは麻薬だから食うなとかあったような」
女「でもそんちょうは、嫌な事を忘れたかったら食べればいいとか言ってたような」
女「……外にでよ」ガチャ
女「市役所の前に皆集まってどうしたんだろう?」
そんちょう「あの男とかいう人間を始末するかのぅ」
おまわりさん「さすがにもう限界であります!」
キャラメル「わたしも賛成だワン!」
ヒョウタ「あの2人の人間達のようにじゃが?」
そんちょう「そうじゃ」
そんちょう「そうなると、もうリンゴで暗示をかけることもできんからのぅ」
そんちょう「そもそもワシ達は女ちゃんの妄想から生まれた生き物だからのぅ」
キャラメル「もし女ちゃんがこの村の外にでも出たりしたら……」
そんちょう「そうならんために実行は今日の夜中じゃ!」
オーーーーーーーーーーーー!!
女「え?」
女「(わけがわからないよ……)」グスッ
女「……そういえば、変質者の事を始末って」
女「……助けたほうがいいの?あれを?」
女「確かによく考えれば変質者は色々私に警告をしていた……」
女「……」
____________________
男「うん……夕方か」
男「おかしいな、女の家にいたはずなのに玄関の前にワープしてる」
男「……ポストに手紙が入っている」パカッ
男「……女から手紙が来てる、久々だな」ペラッ
はやく。
すぐに逃げて。
殺される。
男「……は?」
男「……でも、女が現実に戻りつつあるのは間違いないな」
男「荷物を整えるか、早くしないと日が落ちる……」
カメ「……」
男「大体荷物はまとまったな」
男「後は女だが……起きるのか?」
女「zzz」
男「……しょうがない、背負うか」
男「よいしょっと」グッ
女「zzz」
男「意外と軽いな……リンゴばかり偏食してるからだな」
男「……日が落ちる、行こう」ダッ
サル「……」ポリポリ
男「見た所サルしかいないみたいだな」
女「zzz」
男「線路の上を辿っていけば、最悪視界が悪くてもいけるだろう」
男「……この村からはさらばだ」ダッ
サル「ウキー!ウキー!」ピョンピョン
______________
そんちょう「どうじゃ」
ヒョウタ「駄目じゃが、家はもぬけの殻じゃが!」
アラン「女ちゃんもいないウホウホ!」
そんちょう「最悪の事態じゃな……」
たぬきち「大変だなもー!線路のほうに逃げたみたいだなもー!」
そんちょう「線路側か……なら安心じゃな」
そんちょう「前の二人と同じ道を歩むのぅ」
男「っは!……はあ……」タッタッタッタッ
男「……完全に日が落ちたな」タッタッタッタッ
女「zzz」
男「月明かりで足元は見えるが」
男「線路の先が真っ暗で見えないってのは、精神的にきついな……」
ワオーン!
男「どうやら、動物達も動きだしたみたいだな」
男「……がんばろう」
________________
________
_____
___
_
男「あれから、かなり歩いたな」
女「zzz」
男「……今俺が寝たら、女は起きるんだろうか」
女「zzz」
男「……もう少しだけがんばるか」ダッ
ガサガサッ
トラ「……」
__
_
男「ん?むこうに明かりが見えるぞ!?」
女「zzz」
男「……もう少しだ」
ガサガサッ!
男「!?」サッ
狼「……」キョロキョロ
男「……見つからないように」コソコソ
狼「……」キョロキョロ
男「……」コソコソ
女「zzz」ガーゴー
男「(馬鹿野郎!?いびき出すなよ!!)」
男「み……見つかった!?」
狼「アオーーーーーーン!」
男「畜生!!」バッ
ガルルルルルルル アオーン ガアアアアア
男「仲間まで呼ばれたか!」ダダダダダダダダダダダダ
女「zzz」
狼「ハッハッハッ!」ザザザザザザザザ
男「まずい!追いつかれる!」
男「うわ!?前に回りこまれた!?」
狼B「ガルルルルルル!」
男「挟まれた!」
狼A「ガアッ!」バッ
男「飛び掛ってきた!?ならば!」ブンッ
グシャ!
狼A「ウガッ!?」ドサッ
男「持ってきてよかった、この斧」
男「なんでこいつは挟み打ちしたのに攻撃してこない?」
女「zzz」
男「……まさか、女は傷つけないのか?」
男「ならば!」ガッ
女「zzz」
男「女を盾にして進めば!」ダッ
狼D「バウッ!バウッ!」
狼E「HAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHA」
男「追っては来るが、攻撃はしてこないな」ダダダダダ
女「zzz」
男「このまま、あの明かりの方まで進めば!」
バッ!
トラ「……」
男「!?」
男「……俺の事を何度も襲ってきたトラか」
狼B・C・D・E「グルルルルル」
男「囲まれたか……」
女「zzz」
男「……すまんな女、足を掴むぞ」ガシッ
女「zzz」ブラン
トラ「!?」バッ
狼B・C・D・E「?」
女「zzz」ズザザザザザザ
男「うおおおおおおお!」ブンブンブンブンブン
女「zzz」ヒュン
男「回転切りぃ!!」ブンッ
ドガガガガガガガッ!
狼B・C・D・E「キャイン!?」ドサッ
男「どうだ!」
女「zzz」ドロッ
女「zzz」
トラ「……」ジリッ
男「来いよ!」
トラ「っ!?ガアアアアアアアアアッ!!」
男「早ッ!?」
ガブッ!
男「……危なかった、肩を噛まれたか……もう少しで首をやられる所だった……」
ポタポタッ
男「だが、いくら早かろうが、獲物に食らいつけば動きは止まる!」ブンッ
ドガッ!
トラ「ガアッ!?」ブシュッ
男「ちっ!かろうじて避けたか……」
男「だが、俺はまだ無傷だ!やれる!」ダッ
女「zzz」ポタポタ
ザクッ!
トラ「ガアアッ!?」
男「(女が)ドロップキック!!」ブンッ
女「zzz」ヒュー
バキッ! ボキッ!
トラ「」ドサッ
女「」ドサッ
男「邪魔者はもういない!行くぞ女!」ダッ
女「ここはどこ?真っ暗で見えない……」
そんちょう『君の精神世界じゃ』
女「そんちょう!?どういうことなの?」
そんちょう『まあ、慌てるんじゃないのぅ』
女「……そんちょうはなんで私を村から出そうとしなかったの?」
そんちょう『それは君のためだったのじゃ』
そんちょう『……君はなんで自分が精神病院に入院してたのかわかるかのぅ?』
女「……動物と会話していたから?」
そんちょう『それも原因だが、別に動物に声をかけるのはそこまで変ではない』
女「じゃあ……なんなの?」
そんちょう『君はすでに亡くなっている動物達の幽霊と話しておったのじゃ』
そんちょう『君には生まれつき霊力があった』
そんちょう『だから生きている動物と死んでいる動物の見分けがつかなかった』
女「そ……そんな」
そんちょう『そして、君は自分が病院に入れられたことを理解できず』
女「……脱走した?」
そんちょう『そうじゃ』
女「でも、なんであそこにはトラやゴリラが?」
そんちょう『あそこは元々は動物園じゃった』
そんちょう『昔はよく栄えたとったのぅ』
女「昔は?」
そんちょう『元々地盤が軟らかい土地でのぅ』
そんちょう『地割れがおこり、建物は崩れて、瓦礫の山じゃ』
女「……」
そんちょう『当然ワシも含め全ての動物が死んだ』
そんちょう『しかし、ワシらは成仏せずにその場に魂だけ残ったのじゃ』
女「でも、私からみたらとても幽霊には……」
女「私?」
そんちょう『あの村に迷い込んだ君の霊力のおかげか皆実体化したのじゃ』
そんちょう『ワシ達は喜んだ、何十年ぶりの食事も出来る疲れも痛みも味わえる体じゃ』
そんちょう『しかし、不安も生まれた……わかるかのぅ?』
女「私が村から去ったら、貴方達はまた幽霊になるの?」
そんちょう『だから君に、あのリンゴを使い暗示をかけ、村から出せなくした』
女「……なんで、変質者を殺そうとしたの?」
そんちょう『君からみたら今のワシ達はかわいらしいじゃろ?』
女「いや……そんちょうは正直……」
そんちょう『……君以外の人間からみたら元のワシ達の姿に見えたのじゃ』
そんちょう『君は記憶にないだろうが、あの村にあった二つの死体はそうじゃった』
女「……死体?」
そんちょう『今、君を村から出そうとしている男みたいな奴らじゃ』
そんちょう『君はなんで、この村では一人しか活動できんかわかるかのぅ』
女「わからない」
そんちょう『君が他人と話したらわかるじゃろう?』
女「……見える景色の違いがばれるから?」
そんちょう『そうじゃ、君から見たらメルヘンな世界が他人からみたらバイオレンスじゃ』
そんちょう『だから、そうなるように願ったらなったのぅ』
そんちょう『君たち人間は手紙で連絡を取り合っていた』
そんちょう『まぁ疑わしい手紙があったら役所で処分するがのぅ』
そんちょう『いままでも、君の記憶を蘇らせるような文章をみつけしだい』
そんちょう『その人間を処分した』
女「でも変質者は沢山そういう手紙を送ってきたわよ?」
そんちょう『まさか郵便局を通さないで、ポストに直接入れる小学生みたいな行動は』
女「……」
そんちょう『そのせいで君達の文通に気づくまで時間がかかった』
そんちょう『後は、君の思っているとおりじゃ』
そんちょう『……もう時間は無いから手短にのぅ』スゥー
女「……そんちょう達は私が村に来てから幸せになれましたか?」
そんちょう『?』スゥー
女「そんな人を殺してまで、作る幻想は幸せでしたか?」
そんちょう『……』ススゥー
女「そんちょう!」
そんちょう『……時間切れじゃ!バイビー!!』サラサラ
女「そんちょおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
___________________
__________
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___
__
_
ピッピッピッピッ
医者「肩の出血がひどい!早く止血をしろ!」
男「……死なないでくれよ」
_____________
________
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__
_
女「ん……ううん」ムクッ
女「……ここは?」
男「病院だ」
女「っ!?変質者!?」
男「失礼な!命の恩人と呼べ!」
女「……村からは出れたみたいね」
男「ああ、大変だったよ……死ぬかと思ったね」
女「ふうん……こうやって面向かって話すのは初めてね」
女「ちょっと!?大丈夫!?」
男「大丈夫だ、ただの筋肉痛だ……」
女「そう……なんで私包帯グルグル巻きなの?」
男「左腕と両足とアバラの骨と肩の傷の為、5ヶ月は安静だとよ」
女「なんで、命の恩人が無傷で私が重大なの?」
女「?なんでズボンのチャック下ろしてるの!?」
男「見ろっ!」ポロン
女「出すな!?」
男「お前に一個金玉握り潰されたたんだぞ!」
女「知らない!って握り?」
男「ああ、お前のその右手でな!」
女「……まさか、私が寝てる間に……」
男「握らせた」
女「」
女「来なくていいです」
男「そう言いなさんな」
女「いいです」
男「まあまあ」
女「来るな!!」
_________
_____
___
__
_
男「もう4ヶ月も過ぎたか」
女「結局毎日来たんじゃない……」
男「まあまあ、さびしいだろ?」
女「で、今日は何しに?」
男「ああ、ゲーム会社に企画書を出したら見事に採用されたんだ」
女「ゲーム?」
男「うん、あの村での出来事をゲームにしてみたんだ」
女「……どんな内容なの?」
女「村で生活するゲーム?」
男「ああ、まあここに体験版があるからやってみてくれよ」コトッ
女「……」カチッ
バ イ オ ・ ハ ザ ー ド
女「」
完
大層乙であった
まぁ男からしたらそんなもんだよなwwwww
乙!
面白かった乙!
Entry ⇒ 2012.02.11 | Category ⇒ 男女「」SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ソーニャ「やすなって、私のほかに友達いないよな」やすな「え?」
やすな「お言葉を返すようだけど、それはこっちに台詞だよ」
ソーニャ「あ?」
やすな「ソーニャちゃんも友達いないじゃーん!!」
ソーニャ「……」
やすな「やるか!?」
ソーニャ「いや、どうでもいい」
やすな「あれ?」
ソーニャ「ふん……」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1327691033/
ソーニャ「やすなって、私のほかに友達いないよな」やすな「え?」
ソーニャ「なんだ?」
やすな「お弁当たべよ」
ソーニャ「私、今日は他の友達と食べるから」
やすな「え……」
ソーニャ「じゃあな」
やすな「またまたー!!ソーニャちゃんのジョークは全くおもしろくないんだからぁ!」
ソーニャ「……」
やすな「……」
ソーニャ「バイバイ」
やすな「ま、まって……」
やすな「あぎりさんでしょ?あぎりさんなんだよね?」
ソーニャ「違うけど」
やすな「うっそだー!!ソーニャちゃんが他の子と話しているとこなんてみたことないしー!!」
ソーニャ「……どけ」
やすな「だから、そんな空想友達とかやめようよ。ソーニャちゃんが哀れに見えてくるから」
ソーニャ「……」
やすな「さ、わたしと―――」
ソーニャ「……」スタスタ
やすな「あ、あれ……」
ソーニャ「私の友達はお前だけじゃない」
やすな「ソーニャちゃん……」
ソーニャ「一緒にすんな」
やすな「ソーニャちゃんのアホー!!バカー!!」
やすな「ツンデレー!!!」
やすな「……」
やすな「よいしょ……」
やすな「今日のお弁当はなにかなー?!」
やすな「あける瞬間が一番ドキドキするんだよねー」
やすな「あけるよー!!あけちゃうよー!!」
やすな「はい!あけたー!!!」パカッ
やすな「わぁお!!今日はからあげべんとうだよー!!!」
やすな「すっごーい!!いただきまーす!!!」
やすな「おいしいー!!!」
やすな「何個でもいけるー!!!」
やすな「美味しい!!おいしい!!!」
やすな「……」
ソーニャ「……」トコトコ
やすな「あ、ソーニャちゃん。おかえり!!!じゃあ、昼休み恒例になりつつある『あぎりさんに会おうのコーナー』だよぉ!」
ソーニャ「そんなコーナーがいつできた?」
やすな「さ、いこうよ!!」
ソーニャ「うるさい。いくなら一人で行けよ」
やすな「なんで?ねえ、なんで!?」
ソーニャ「ちょっと用事」
やすな「あ、わかった!!お仕事でしょ!?やめなよぉ!!」
ソーニャ「……」
やすな「ねえねえ。殺し屋なんて流行らないしぃ」
ソーニャ「いいから一人でいけよ。私はいけない」
やすな「……あ、あとで一緒にいきたいっていっても遅いんだからー!!!」
ソーニャ「言うかよ」
やすな「べーっだ!!」
やすな(用事とか絶対に嘘だ……!!)
やすな(私のストーキング能力をフル稼働させて後を……)
やすな「あれ……いない!?」
やすな「ソーニャちゃん!!ソーニャちゃん!!どこー!!」
ソーニャ「おい」グキィ
やすな「おぉぉぉ!!!!いたぃ!!!その関節はそちらに曲がりませんからぁ!!!」
ソーニャ「尾行する気、ないだろ?」
やすな「あるよぉ!!もう10ガロンぐらいあるよ!!」
ソーニャ「そうか。ま、別につけてもいい。本当に用事だから」
やすな「じゃあ、お言葉に甘えて……後をつけさせてもらいます」ギュゥゥ
ソーニャ「はなれろ!!!」ドガァ
やすな「あん!!」
ソーニャ「ったく」
やすな(どこに向かっているのか……)
ソーニャ「……失礼します」ガラッ
やすな(職員室に……)
やすな(どれどれ……?)
ソーニャ「―――」
先生「―――」
生徒「―――」
やすな(なんか話してる……)
やすな(なんだろう……きこえない……)
あぎり「なにしてるんですかぁ~?」
やすな「おぉぉ!?あぎりさん!!」
あぎり「ん~?」
やすな「あのえっと……」
あぎり「わかりましたぁ~。ソーニャの素行調査ですねぇ~?」
あぎり「じゃあ……はいこれ」
やすな「これは?」
あぎり「ソーニャの通信簿です」
やすな「え?」
あぎり「全項目五段階評価になってます。愛嬌・服装・授業態度・交友関係。これらを全て評価したときソーニャが丸裸になりま~す」
やすな「なるほど」
あぎり「これぞ忍法他人評価のじゅつぅ~」
やすな「おぉ!!」
あぎり「一冊500円でぇす」
やすな「お金……取るんですね」
あぎり「デザイン料が結構かかってますから」
やすな「そうですか……では、これで」
あぎり「まいどぉ」
やすな(よし……ソーニャちゃんを徹底的に調査してやる……!!)
やすな(ふふ……まずは愛嬌から調べるとしますか)
やすな(ソーニャちゃんは正直超絶無愛想だから……0でもいいと思うけど)
ソーニャ「……あ」
生徒「ソーニャ、どうしたの?」
やすな(ちゃんす!!)
ソーニャ「ちょっと先生に呼ばれて」
生徒「あ。わかった。この前の委員会のやつでしょ?」
ソーニャ「そうそう。全く、しつこいんだよなぁ」
生徒「でも、意見を出したのはソーニャだし」
ソーニャ「あはは。確かに」
やすな(あれ……笑ってる……)
やすな(しかもソーニャちゃんが委員会!?)
やすな「ソーニャちゃん!!!そんな話、知らないよぉ!!!」
ソーニャ「あ?」
ソーニャ「何を言ってる?」
やすな「そんな可愛い笑顔されたら五段階評価なのに10ぐらいあげたくなるじゃん!!!」
ソーニャ「意味分からん」
やすな「なんでよぉ!!私と話してるときは殆ど……つーか、一切笑わないのにぃ!!!」
ソーニャ「そりゃそうだ」
やすな「え……」
ソーニャ「だって、やすなが私をイラつかせるからな」
やすな「……」
ソーニャ「笑うところなんてどこにあった?言ってみろ」
やすな「いっぱいあったよぉ!!!」
ソーニャ「ねーよ」
やすな「……」ウルウル
ソーニャ「……」
やすな「ソーニャちゃんのばかぁぁ!!!!」ダダダッ
やすな「……」カキカキ
やすな「ソーニャちゃんの愛嬌……10っと」
やすな「あ……レーダーチャートもあるんだ……大幅にはみ出すけどいっか……」カキカキ
やすな「よし」
やすな「次は……服装かぁ」
やすな「……」
ソーニャ「……つかれた」ガタッ
やすな「ソーニャちゃん、立って」
ソーニャ「今、座ったばかりだ」
やすな「いいから立って!!」
ソーニャ「やだよ」
やすな「なんで!?」
ソーニャ「立つ理由がない」
やすな「私には立たせる理由があるの!!」
やすな「じゃあ、そのままでいいよ」ゴソゴソ
ソーニャ「なんだ……お前……?」
やすな「ちょっと失礼……」ペラッ
ソーニャ「おまえ!!!」
やすな「ソーニャちゃんのパンツ……意外とこども―――」
ソーニャ「ヘンタイかっ!!!」ドガァ
やすな「がぎぃ!?!?」
ソーニャ「全く……とんでもないな」
やすな「あごが!!あごがぁ!!!われる!!!われたぁ!!!これ、われたよ!!!」
ソーニャ「割れてないから安心しろ」
やすな「うぅ……」
やすな「じゃあ、次はブラを……」
ソーニャ「死にたいならそういえ。楽にしてやるよ」
やすな「ブラジャーも見ないと服装チェックできないじゃん!!!」
やすな「お願いします!!見せてください!!!」
ソーニャ「耳かせ」
やすな「え、なになに?」
ソーニャ「わぁぁぁ!!!!!!」
やすな「きゃぴ!?!?!」
ソーニャ「アホか……」
やすな「おぉぉ……耳がキーンてする……」
ソーニャ「……」
やすな「わかったぁ!!ソーニャちゃん、ブラしてないでしょ!?」
ソーニャ「……」
やすな「そーなんだ。そーなんだ。ふへへへへ」
ソーニャ「……」グイッ
やすな「暴力反対宣言!!!」
ソーニャ「私の友人に変態はいらない。それ以上言うなら絶交だぞ」
ソーニャ「……」
やすな「ごめんね……」
ソーニャ「もういい」
やすな「……」
やすな「……」カキカキ
やすな「ソーニャちゃんの服装は5でいいよね……」
やすな「あ、でもパンツは高校生って感じじゃなかったから……4でいいや」カキカキ
やすな「次は授業態度か……」
ソーニャ「……」
やすな「……」
やすな「……いつも真面目に受けてるし」
やすな「……5でいいや」カキカキ
やすな「これはもうあれだよね。確実に1以下だ」
ソーニャ「……あ、おい」
生徒「どうしたの?」
ソーニャ「これ、借りてたCD。結構良かった」
生徒「だよねー!!」
ソーニャ「私は2曲目が気に入った」
生徒「私も2曲目好きなんだー」
ソーニャ「そうか」
やすな「……」
ソーニャ「なんだよ?」
やすな「べ、べつに羨ましいとかおもってないからぁ!!!」
ソーニャ「知らん」
男子「あ、いたいた」
ソーニャ「なんだ?」
男子「ちょっといいか?」
ソーニャ「いいけど……この前の話なら断ったはずだ」
男子「ど、どうしても駄目か……?」
ソーニャ「悪い」
男子「……そうだよな。ソーニャ美人だし……もう彼氏ぐらいいるよな……」
ソーニャ「そうじゃない……」
男子「じゃあ……」タタタッ
やすな「ソーニャちゃん……今の人は?」
ソーニャ「三日前に私に付き合ってくれって言ってきたんだよ」
やすな「告白されたの!?」
ソーニャ「でも、私は殺し屋だから恋人とかは邪魔なだけだな。友人も本当はいらないぐらいだ」
やすな「ソーニャちゃんが大人の階段をうなぎ上りしていく……!!!」
生徒「ソーニャ!!」
ソーニャ「どうした?」
生徒「この前の話しなんだけど」
ソーニャ「部活の助っ人か。いいけど、ギャラはもらうからな」
生徒「いいよ!アイスバー一本でいい?」
ソーニャ「……まあ、いいか」
生徒「ありがとう!!」
ソーニャ「他の部員にもよろしくな」
生徒「みんな、ソーニャがくるの楽しみにしてるから!!」
ソーニャ「ああ」
やすな「……」
やすな「ソーニャちゃん!!!」
ソーニャ「なんだよ?」
やすな「友人はいらんキリッってしてたのに!!!いっぱいいるじゃん!!どういうこと!?」
やすな「……」
ソーニャ「学生ならある程度は顔を広げてないと」
やすな「顔なんてひろげても不細工になるだけだよー!!!」ムニー
ソーニャ「……」
やすな「……」ムニー
ソーニャ「じゃあな」
やすな「これじゃあ五段階で20くらいあげなきゃならないよ!!どうすんの!?」
ソーニャ「……」スタスタ
やすな「ソーニャちゃんの八方美人!!!」
やすな「みんなに愛されろちくしょーめ!!!」
やすな「……交友関係……20っと」カキカキ
やすな「レーダーチャート……これもはみ出すなぁ」カキカキ
やすな「できたぁー!!」
やすな「―――ソーニャちゃんの完璧超美人め!!!!」ビターン!!
やすな「あぎりさん……一応……」
あぎり「どれどれ……?あらぁ?すごい……五段階評価と天元突破しちゃってますぅ」
やすな「そうなんです……ソーニャちゃんってすごいんですね」
あぎり「ソーニャは基本的に手を抜かないからぁ」
やすな「はぁ……私、すごい人と友達だったんだぁ」
あぎり「でもぉ、ソーニャはそう思ってないとおもいますよ」
やすな「え?」
あぎり「ソーニャの交友関係は全て上辺のつきあいですからぁ」
やすな「……」
あぎり「それではぁ」
やすな「そっか……」
やすな「友達って思ってるの……周囲だけで……ソーニャちゃんはなんとも思ってないんだ……」
やすな「私も……そうなんだ……」
やすな「……友達じゃないんだ、私」
やすな「……」ガタッ
ソーニャ「……」
やすな「はぁ……」
ソーニャ「やすな、おはよう」
やすな「……うん。おはよう、ソーニャちゃん」
ソーニャ「お前が元気ないと不気味だな」
やすな「そう?私は元気だよ?」
ソーニャ「ふーん」
やすな「……」
ソーニャ「……」
ソーニャ「静かだな」
やすな「そうだね」
ソーニャ「ま、いいけど」
やすな「……」ガタッ
ソーニャ「どこいくんだ?」
やすな「あぎりさんとお弁当食べてくる……」
ソーニャ「ふーん……」
やすな「……」トボトボ
ソーニャ「……なんだ、あいつ?」
やすな「はぁ……」
やすな「もうソーニャちゃんとまともにお話できる気がしない……」
やすな「……」
あぎり「……」トコトコ
やすな「あぎりさ―――」
生徒「あぎりー!!購買いこ!!」
あぎり「はぁい」
やすな「そうだよね……あぎりさんも友達ぐらいいるよね……」
やすな「……」キョロキョロ
やすな「教室には戻りにくいし……」
やすな「……」
やすな「……」トコトコ
やすな「ここしかないかな……」
やすな「……」ガチャ
やすな「いただきます……」
やすな「……」パクパク
やすな「……トイレでごはんなんて……はじめて……」ポロポロ
やすな「うぅ……」
やすな「……おいしくないなぁ」
やすな「……」トボトボ
ソーニャ「……おかえり」
やすな「うん」ガタッ
ソーニャ「……」
やすな「……なにかな?」
ソーニャ「いや、どこで飯食ってたんだ?」
やすな「だから、あぎりさんと―――」
ソーニャ「あいつなら、私と一緒に食べてたぞ?」
やすな「?!」
ソーニャ「やすな……?」
やすな「……ど、どこでもいいでしょ。ソーニャちゃんには関係ないよ」
ソーニャ「ま、確かに」
やすな「……」
ソーニャ「次は数学か……。準備しとこ」
ソーニャ「やすな、かえ―――」
やすな「ば、ばいばい、ソーニャちゃん!!」
ソーニャ「あ、おい!!」
ソーニャ「……」
ソーニャ「なんだよ……もう……」
あぎり「あらら~ソーニャ、ひとりー?」
ソーニャ「そうだけど?」
あぎり「……ふふ」
ソーニャ「なんだよ?」
あぎり「忍法で貴女の心を覗き見~」
ソーニャ「やめろ。気持ち悪い」
あぎり「そうですか」
ソーニャ「じゃあな」
あぎり「はぁーい」
ソーニャ「……」
やすな「……」トボトボ
ソーニャ「おはよ」
やすな「うん。おはよ」
ソーニャ「……」
やすな「……」ガタッ
ソーニャ「なんかあったのかよ?」
やすな「なにもないよ」
ソーニャ「昨日から様子が変だぞ。また、つまらんことでも画策してるんじゃないだろうな?」
やすな「……」
ソーニャ「どうなんだ?」
やすな「……してないよ」
ソーニャ「そ、そうか……なら、いいんだ」
やすな「……」
やすな(今日もトイレにいこう……)
ソーニャ「あ、おい―――」
生徒「ソーニャ!!」
ソーニャ「え?」
生徒「助っ人のことなんだけど」
ソーニャ「あ、えと……いまは……」
やすな(いいなぁ……色んな人に頼られて……)
やすな(考えてみたら私……ソーニャちゃんばっかりと話してたし……当然だよね……)
やすな「……」トボトボ
ソーニャ「あ……」
生徒「あの……取り込み中だった?」
ソーニャ「あ、ううん。そうでもない」
生徒「ならいいんだけど……」
ソーニャ「やすな……」
やすな「……」トボトボ
ソーニャ「やすな」
やすな「なに?」
ソーニャ「……なにかあったんだろ?」
やすな「ないよ」
ソーニャ「嘘付け。お前がそんな四六時中俯いてるのはおかしい」
やすな「……」
ソーニャ「話せよ。友達だろ?」
やすな「……!?」
ソーニャ「ほら、言いにくいなら帰りながらでも―――」
やすな「そんなことちっともおもってないくせに!!!!」
ソーニャ「な……なんだよ!!私は心配していってるんだぞ!!」
やすな「うそつき!!!」
ソーニャ「お前……その冗談は全然面白くないぞ……」
ソーニャ「それは……」
やすな「学生として怪しまれないようにしてるだけなんでしょ!?」
ソーニャ「……」
やすな「そんなこと聞いたら……普通にできないよ!!」
ソーニャ「言い方が悪かったな……あれは―――」
やすな「バイバイ!!」ダダッ
ソーニャ「やすな!!おい!!!」
ソーニャ「まて!!!」ガシッ!!
やすな「離して!!」ドンッ!!
ソーニャ「……!?」
やすな「あ……ごめん……」
ソーニャ「もういい……じゃあな」
やすな「あ……」
やすな「……」
やすな「あぎりさん……」
あぎり「珍しいですねぇ。ああいう別れ方は」
やすな「……」
あぎり「忍法仲直りセットはいりますかぁ?」
やすな「いりません……」
あぎり「そうですか。ざんねん」
やすな「さようなら……」トボトボ
あぎり「……」
あぎり(私が余計なこと言った所為かしら……)
あぎり(だとしたら、何とかしないと……)
あぎり「うーん……」
あぎり「思いつくまで時間がかかりそうですねぇ」
ソーニャ「あ……」
やすな「……」トボトボ
ソーニャ「ふん……」
やすな「……」ガタッ
ソーニャ「……」
やすな(謝らないと……。ソーニャちゃんと突き飛ばしたこと……謝らないと……)
やすな「……あ、あの」
ソーニャ「……」
やすな「……」
生徒「ソーニャ!いるー?!」
ソーニャ「おー」
生徒「ちょっときてー」
ソーニャ「わかった」スタスタ
やすな「あ……はぁ……」
やすな「……」ガタッ
ソーニャ「……おい」
やすな「……」
ソーニャ「……どこで食べるんだよ」
やすな「ど、どこでもいいでしょ……」
ソーニャ「……まぁな」
やすな「友達じゃ……ないもんね……どうでもいいよね……」
ソーニャ「おまえ!!!」
やすな「な、なに……本当のことでしょ……」
ソーニャ「……好きにしろよ!!」
やすな「するもん!!!」
ソーニャ「バカやすな……!!」
ソーニャ「くそ……」
やすな「……」トボトボ
ソーニャ「……」
ソーニャ(声をかけなきゃ……このままじゃあ……)
やすな「……」トボトボ
ソーニャ「……っ」
ソーニャ(声をかけるだけなのに……)
ソーニャ「……ちっ!」
あぎり「あれてますねー?」
ソーニャ「あれてねーよ……!!」
あぎり「仲直りセットいりますー?500円で―――」
ソーニャ「いらん……!うせろ……!」
あぎり「じゃあ、自力で仲直りできるんですねぇ?」
ソーニャ「……別に友達とかいらないから」
あぎり「そうですかぁ……」
ソーニャ「……」
やすな「……」
「あの二人どうしたんだろう……?」
「なんか最近、あんまり喋ってないよな」
「喧嘩でもしたんじゃない?」
「この前、大声でなんかいってたしな」
「心配だよね」
ソーニャ(くそ……聞こえるようにヒソヒソ話してんじゃなねえよ……)
やすな(謝らないと……でも……謝っても……別に友達じゃないし……)
ソーニャ「……」
やすな「……はぁ」
ソーニャ(そのうち、やすなからなんか言ってくるだろ……多分)
やすな(もうこのままでもいいかな……どうせ、もうすぐ席替えだし……)
ソーニャ・やすな「はぁ……」
ソーニャ「……ん?」
やすな「……」トボトボ
ソーニャ「……」スタスタスタ
やすな「あ……」
ソーニャ(前を歩けばやすながいつものように触れてくるはず)
ソーニャ(そのときに関節極めないで……)
ソーニャ『やすな……お前は私の唯一の友達なんだ!!』
やすな『ソーニャちゃん……すきっ』
ソーニャ(やすなは単純だからこうなるはずだ……!!)
ソーニャ「……」スタスタ
やすな「……」トボトボ
ソーニャ「……」
ソーニャ(なんで触れてこないんだよ……!!)
ソーニャ「……」
やすな「……」ゴソゴソ
ソーニャ「……」チラッ
やすな「……」カキカキ
ソーニャ(宿題か……?)
やすな「……」カキカキ
やすな(ごめん、ソーニャちゃん。今まで通り友達でいてください……)
やすな(こんなんじゃ駄目だ……)
やすな「……」カキカキ
やすな(だーいすき、ソーニャちゃーん!!)
やすな(謝ってないし……だめ……!!)
やすな「はぁ……」カキカキ
ソーニャ(真剣だな……)
ソーニャ(声、かけられない……)
ソーニャ「……」
やすな「……」トボトボ
ソーニャ「……お、おい、や、やすな……」
やすな「……なに?」
ソーニャ「一人で食べても……お、美味しくないだろ……?」
やすな「……」
ソーニャ「……」
やすな「一人で食べる……」
ソーニャ「なんでだよ……」
やすな「……」トボトボ
ソーニャ「……」
ソーニャ「もう!!!しるかぁ!!!」
「ソーニャ……あれてるなぁ」
「怖いよな」
やすな「あぎりさん……」
あぎり「折角、ソーニャが歩み寄ってくれたのに、それは酷いとおもいますぅ」
やすな「……」
あぎり「ほら、戻りましょう?」
やすな「でも……私は友達じゃないし……ソーニャちゃんもきっと……ただ体裁を保ちたいだけ……」
あぎり「本気でそうおもってますぅ?」
やすな「え……」
あぎり「……」
やすな「お、思ってますよ……だって、ソーニャちゃんが言ってたし……」
あぎり「……そうですか」
やすな「……」
あぎり「なら、もうなにもいいませーん」
やすな「それじゃあ……」トボトボ
あぎり「はぁ……」
あぎり「ソーニャ」
ソーニャ「なんだよ?」
あぎり「仲直りセットいりますぅ?」
ソーニャ「いらん」
あぎり「でも、あげますぅ」
ソーニャ「いらないっていってるだろ!!」
あぎり「どうぞ」
ソーニャ「な、なんだよ……これ……?」
あぎり「ソーニャ通信簿です」
ソーニャ「はぁ?」
あぎり「ふふ……では、さようなら」
ソーニャ「お、おい……!!」
ソーニャ「……なんだよ、これ……」
ソーニャ「……」ペラッ
やすな「ごめんね……ソーニャちゃん……」
やすな「ごめんね……」ポロポロ
やすな「これだけなのに……これだけなのに……」
やすな「なんで言えないんだろ……」
ソーニャ「……トイレでご飯か」
やすな「!?」
ソーニャ「交友関係は0でいいか?」
やすな「……」
ソーニャ「……いや、違うか」
やすな「え?」
ソーニャ「私がいるから1か」
やすな「……何のよう?」
ソーニャ「お前の通信簿、つけることにした。あぎりが私とお前の通信簿渡してきたからな」
やすな「……」
やすな「……」
ソーニャ「ま、いつも乱れてはいないから5だな」
やすな「……やめてよ」
ソーニャ「授業態度は……寝てることが多いし2かな」
やすな「やめて……」
ソーニャ「うわぁ、ひっでぇ。なんだこりゃ」
やすな「やめてよ!!!」
ソーニャ「……」
やすな「……」
ソーニャ「んじゃ、お前の通信簿渡すわ。ドアの下から渡すぞ?」
やすな「……」
ソーニャ「置いとくから。じゃあな」
やすな「……」
やすな「……」ペラッ
ソーニャ「天才美人です、か。……なんてこと書いてんだ」
ソーニャ「やっぱ、あいつバカだな……」
ソーニャ「レーダーチャートも突き抜けてるのがふたつもあるし……」
ソーニャ「ほんとに……」
やすな「ソーニャちゃん!!」
ソーニャ「……」
やすな「な、なにこれ……」
ソーニャ「あ?客観的に見てもお前の成績なんてそんなもんだろ」
やすな「……なんで愛嬌が……100もあるの?」
ソーニャ「それは……ほら……あの……」
やすな「……」
ソーニャ「……お前のバカな笑顔……はそれだけのもんだと思うからで……」
やすな「ソーニャ……ちゃ、ん……」ポロポロ
ソーニャ「な、泣くなよ……おい。別にバカにはしてないぞ……」オロオロ
ソーニャ「お前も私の愛嬌、突き抜けてるじゃないか」
やすな「だって……ソーニャちゃん……笑うとかわいいんだもん……!!」
ソーニャ「そ、そうか……」
やすな「なんで私には笑ってくれないの……?」
ソーニャ「それは……やすながいつもむかつくこと言うからだろ……」
やすな「友達じゃないから……?」
ソーニャ「違う!!」
やすな「……!?」
ソーニャ「あ……えと……友達だから……」
やすな「え……?」
ソーニャ「友達に決まってるだろ……。なんで信頼できないやつに素性を話さなきゃならないんだよ……バカ……」
やすな「ソーニャちゃん……ソーニャちゃぁぁん……」ポロポロ
ソーニャ「だ、だから、なくなって……おい……」オロオロ
やすな「ごめん……ご、めんね……わたし……ひどいこといっぱい……してたのに……ごめんね……」ポロポロ
やすな「うぅ……」ゴシゴシ
ソーニャ「なんか友達いないっていわれて……なんか頭にきて……嫌なこといったよな」
やすな「ううん……だって本当のことだもん……」
ソーニャ「違う」
やすな「え?」
ソーニャ「私のことをずっと気にかけてくれてたからだろ?」
やすな「それは……」
ソーニャ「お前だけだったよ。上辺だけの付き合いでよかったのに、あしらっても深く突っ込んでこようとするのは」
やすな「それはソーニャちゃんと仲良くなりたかったからで……」
ソーニャ「それが嬉しかったんだよ」
ソーニャ「だから、こいつだけは本当に友達でありたいって思ったんだ」
やすな「ソーニャちゃん……」
ソーニャ「ほ、ほら!!もうトイレで飯とか食うな!!教室で、私の隣で食え!!いいな!!」
やすな「うんっ!」
やすな「ソーニャちゃん……これ、いる?」
ソーニャ「いいよ。食えよ」
やすな「いいから、食べてよ」
ソーニャ「はいはい……あーん」
やすな「え?」
ソーニャ「あ……パンの上にのせてくれ……」
やすな「あはは、いいよ。はい、あーんして」
ソーニャ「い、いや……なんか意識すると恥ずかしい……」
やすな「あーん」
ソーニャ「あ、あーん……」
やすな「はい」
ソーニャ「……うん、うまいな」
やすな「えへへ」
ソーニャ「ふん……」
ソーニャ「……やすな」
やすな「なに?」
ソーニャ「私は……友達だと思ってる……」
やすな「私は親友だと思ってるよ?」
ソーニャ「……そうか。なら、私も親友だと思うことにする」
やすな「むー……親友だと思う、の?」
ソーニャ「うるさいなぁ!!親友だ!!文句あるか!!」
やすな「……ない!!」
ソーニャ「……ったく」
やすな「ソーニャちゃーん!!アイス買ってかえろうよぉ!!」ギュゥゥ
ソーニャ「ふん!!!」グキィィ
やすな「あん!!!いたい!!!いたいよ!!!ソーニャちゃん!!!」
ソーニャ「いい加減、触れようとするな」
やすな「別にいいじゃないのー!!!」
やすな「え?」
ソーニャ「ほら、手ぐらいなら」
やすな「やったぁ!!」
ソーニャ「お前は本当にバカだな」ギュッ
やすな「バカでいいよーだ!」ギュッ
ソーニャ「……」
やすな「こうしてソーニャちゃんと手を握れるなら馬鹿でいいもん……」
ソーニャ「はいはい」
やすな「えへへ。ほら、ソーニャちゃんもスマイル!スマイル!!」
ソーニャ「やだよ……」
やすな「じゃあ……ひっひっひっひ」
ソーニャ「脇に触れようとすんなぁ!!」グキィィ
やすな「いたい!!!指がマッチ棒みたいに折れちゃうからぁ!!!」
ソーニャ「ふん……!!」
やすな「あ……ソーニャちゃん!」ギュゥ
ソーニャ「なんだ、やすなか」ギュゥ
やすな「……」
ソーニャ「なんだ?」
やすな「手は繋いでくれるんだ……」
ソーニャ「まあな」
やすな「……」
ソーニャ「なんだよ?」
やすな「ううん!!なんでもなーい!!」
ソーニャ「……」
やすな「ねえねえ!!昨日、刑事ドラマみたんだよね!!」
ソーニャ「それで?」
やすな「私、刑事になろうと思うんだ!!」
ソーニャ「あーはいはい。がんばれ」
あぎり「あら~二人とも、仲良くなりましたねー」
ソーニャ「ああ……」
やすな「あぎりさんの仲直りセットのおかげです!!」
あぎり「それはよかったぁわぁ~」
ソーニャ「……ま、感謝はしてやる」
あぎり「ふふふ~、ただの遊び道具が役に立ってよかったですぅ~」
ソーニャ「……なんていった?」
あぎり「だからぁ~、通信簿はただの遊び道具のつもりで提供をしたんですよね~」
ソーニャ「単なる思い付きかよ!!!」
あぎり「あらぁ。口がすべったぁ。忍法隠れ蓑のじゅつぅ~」ダダダッ
ソーニャ「まて!!」
やすな「ソーニャちゃん、もういいじゃない」
ソーニャ「……まぁな」
やすな「ほら、もうすぐ授業始まるよ?」
やすな「ソーニャちゃん、ごはんは!?」
ソーニャ「今から買いに行く」
やすな「ふふ……はい!!」
ソーニャ「なんだ、それ?」
やすな「お手製の焼きそばパンだよ!!どーだ!!感謝しろ!!」
ソーニャ「いただきます……」モグモグ
やすな「はやっ!?」
ソーニャ「……まずい」
やすな「えぇぇぇ!?!?ひどいぃぃ!!!」
ソーニャ「普通に買いにいく」
やすな「ソーニャちゃん、ひどいよぉぉ!!」
ソーニャ「また明日も頼むぞ」
やすな「……ソーニャちゃん……」
ソーニャ「作ってきたら食ってやる。もったいないからな」
やすな「明日も作ってくるからね!!」ギュゥ
ソーニャ「はいはい」ギュゥ
やすな「えへへ……」
ソーニャ「なんだよ、気持ち悪いな」
やすな「ソーニャちゃん、大好き!!」
ソーニャ「……そうか」
やすな「嬉しい?ねえ?嬉しい?」
ソーニャ「うぜえよ」
やすな「てれかくしー?」
ソーニャ「うぜえ」グキィィ
やすな「いたぁ!!!!いたぁ!!!!関節が変な方向にまがってますよぉぉ!!!!」
ソーニャ「―――私も大好きだよ、やすな」
やすな「―――ソーニャちゃぁぁぁぁん!!!!」
ソーニャ「あーうぜえ。ほんとにうぜえな……私の親友は……」
おしまい。
いい話だった
ええ話やなぁ…
泣けるはニヤけられるはすげえ楽しかった
乙乙でした
Entry ⇒ 2012.02.11 | Category ⇒ キルミーベイベーSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
紅莉栖「フゥーハハハ!!どうしてこうなった!!」
岡部「――クソッ、クソッ!」カタカタカタ
岡部「跳べよぉぉぉぉぉぉぉ!!」
――バシュゥゥゥゥゥン!!
「はぁ……はぁ……ッ!?」
(タイムリープ成功……か?)
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1328723688/
紅莉栖「フゥーハハハ!!どうしてこうなった!!」
ダル「んぉ?どしたんー?いきなり荒い息遣いして、体調でも悪いん?」
「ッ!?お、おぉ!マイフェイバリットライトアームダァァァルではないかぁぁぁ!!」
ダル「へっ!?え、えぇ?あ、えと……まじでどしたん?なんか変だお?」
「変とはなんだ変とは!相変わらず失礼な奴だな、まったく」
「この脅威のマッドサイエンティストを捕まえて変などと」
「いや、待てよ? マッドサイエンティストなのだからむしろ変でなのが当たり前なのか? しかし……」
ダル「あぁ! なんぞ、それおかりんの真似かぁ。唐突すぎてびっくりしたおw」
「やはり変と言われるのはプライド的にだな……って、真似だと? 一体なんの事だ、ダルよ」
ダル「またまたぁ、悪乗りが過ぎるってーの。 て、言うかなんでおかりんのケータイ持ってるん?」
ダル「牧瀬氏」
岡栗「えっ」
岡栗(どうやら俺は、クリスティーナになってしまったらしい)
岡栗(先程のダルからの呼び掛けでその事に気が付き、ついつい動揺して逃げ出してしまった……)
岡栗(しかし、ブーツとはなんと歩きにくいのだ。助手め、面倒なものを履きよってからに)
岡栗(グヌヌ、更に言えばなにやら太股から踝にかけてはスースーするし、上半身は長袖だから逆に暑いし)
岡栗(助手はずっとこんな不便極まりない格好をしていたと言うのか……天才少女の癖に服装の機能性、合理性等は考えていないのだな)
岡栗(とは言え、今はこの格好を甘受するしかないか。まずはこうなった原因を考えるべきだろう。)
岡栗(タイムリープをしたら俺が助手になってしまった。そしてその手にあったのは俺の、岡部倫太郎の携帯電話)
岡栗(この事象から考えられる事は……そうだな)
未来の俺:タイムリープ、自分の携帯へ発信。
↓
現時間軸の岡部倫太郎:不明、恐らくラボに携帯を忘れたまま外出中。
↓
同助手:俺の携帯が鳴っているのに気が付き、通話を受ける。
↓
俺(岡栗):助手の脳に俺の記憶が送信され、見た目は助手、中身は俺な存在が誕生。
岡栗(恐らくこんな所だろうか? しかしこれは……)
岡栗(助手が言っていた理論では、このような事態が起きる可能性は低かった筈だ)
岡栗(確か、他人が人格データを受け取ってしまった場合は、なにかしらの齟齬が生じて失敗)
岡栗(または……廃人になる可能性がどうとか言ってなかったか?)ダラダラ
岡栗(くっ、助手め……危ないことをしてくれよって)
岡栗(……しかし、今からどうしようか)
岡栗(この時間軸のこの時刻、現時点ではタイムリープマシンは完成していないので、更なる過去に跳び、岡部倫太郎に戻るのは不可能)
岡栗(かと言って電話レンジではどうしようもないしな……)
岡栗(仕方ない、助手がタイムリーブマシンを完成させるのを待つ……か?)
岡栗(あれ?なにかがおかしいぞ…なにか……が――)
まゆり「あれー?紅莉栖ちゃんだぁ!トゥットゥルー☆まゆしぃです!」
岡栗「えっ」
岡栗(つ、ついまゆりからも逃げてしまった)
岡栗(だが、よく考えたら拙い……非常に拙いぞ)
岡栗(そう、俺が元に戻るには、助手が……紅莉栖がタイムリープマシンを完成させる必要がある)
岡栗(――その紅莉栖は、俺だ)
岡栗(紅莉栖が俺で俺が紅莉栖で……いや待て違う、この時間軸においてこの時間軸の俺はあくまでおれであって……くそ、落ち着くんだ俺!)
岡栗(ようは……この時間軸において、牧瀬紅莉栖は存在しない)
岡栗(厳密に言えば牧瀬紅莉栖の精神は、だが)
岡栗(つまり……タイムリープマシンは完成しな、い?)
岡栗「詰んでね?」
―――完
岡栗(いやいやいやいや、待て待って待つのだ、待ってくださいこの野郎!)
岡栗(終わっては駄目だ、諦めたら色々と終わってしまう!!)
岡栗(だが、だがどうすると言うのだ!?)
岡栗(タイムリープマシンの完成に助手の存在は不可欠)
岡栗(だというのに、助手はいないのだぞ!?)
岡栗「クソッ!クソォォォッ!!」
オカリン「……じょ、助手?どうしたのだ、一体?」
岡栗「!!?」
全く驚かせやがって
岡栗「あ、あ……」
岡栗(お、俺だ!目の前に俺が!! 白衣を着込んだ俺ガイル!!)
オカリン「ん?」
岡栗(え、これどーすんの)
オカリン(な、なんで助手は黙ってるのだ?なんか眉間に皺が寄って……まさか、怒ってるとか?)
オカリン「な、なにかあったのか助……い、いや紅莉栖よ」ダラダラ
岡栗「………」
岡栗(よ、呼び掛けられた!?どうすれば……は、話すべきなのか?しかし、いったい何を)
オカリン(なんだかわからんが、絶対怒ってる!ど、どうする俺……助手は怒ると怖いし、この表情だと海馬に電極を突き刺されかねん)
岡栗リン「「あ、あの……」」
((か、かぶったぁぁぁぁぁぁ!!?))ダラダラ
岡栗「あ、あぅあ……」
オカリン「ぬ、ぬぅぅ……」
岡栗(や、ヤバい……どつぼにはまった)
オカリン(こ、こうなってしまっては普通に会話を始めるのは互いに気まずい)
岡栗(どうすれば、どうすればいいん……そうだ!こんな時こそ)
岡栗「フ、フゥーハハハ!お、岡部倫太郎よ!このクリスティィーンナッ!こと牧瀬紅莉栖になにか用か? ん?い、言ってみるがいい!」
オカリン「フ、フゥーハ……は?」
オカリン「えっ」
岡栗「あ゛っ」
岡栗「あ、えっと……その」ダラダラ
オカリン「えっ……えっ?」
岡栗(やっちまったぁぁぁぁ!!?鳳凰院凶真に頼る癖が、クソッ! 明らかに不審がられているではないか!)
岡栗(どうする!?こ、このまま鳳凰院凶真で押し切るか、それともいっそ逃げるか!?)
岡栗「ど、どどどどど……」
オカリン「……ど?」
岡栗「――どっせぇぇぇぇい!!」
オカリン「ぬわっ!?く、紅莉栖!?待て、紅莉栖ゥゥゥゥゥ!!?」
岡栗「跳べよぉぉぉぉぉぉぉおお!!」
岡栗(全力で走れ俺ェェェェェェ!!!)
岡栗「ハッ……ハッ……」
岡栗(ぐぅぅ……呼吸が、しんどい)
岡栗「カハッ……ハァッ……」チラッ
オカリン「ぜぇ……はっ…はっ……く、紅莉栖!ま、待て!!」
岡栗(付いて来るな俺ェェェェェェ!!)
岡栗「はぁっ…はぁっ…や、柳林神社……か!!」
岡栗(壁を乗り越えて、植え込みに隠れらればッ!!)
岡栗「と、跳べよぉぉぉぉぉぉぉおお!!」
オカリン「ちょ、あぶ――紅莉栖ゥゥゥゥゥ!!!」
岡栗(華麗に、着地する――ッ!!)
――グリッ!!
岡栗「んほぁぁぁぁぁぁ!!?」
オカリン「く、紅莉栖ゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!」
ルカ子「え、えぇっ!?牧瀬さん!!?」
オカリン「まったく、無茶をするからだ馬鹿者!コラ、暴れるんじゃない!!ルカ子、至急救急キットをここに!!」
岡栗「あ、足が!足がぁぁぁぁぁああ!!」バタバタ
ルカ子「は、はい!ま、牧瀬さん、すぐに持ってくるので動かず待っててください!!」
岡栗(くっ……な、情けない)
―――――
―――
―
ルカ子「はい、これで手当ては完了です」
岡栗「あたた……か、感謝する、ルカ子よ」
ルカ子「えっ」
岡栗「……じゃ、なくて、あ、ありあり、ありが、とう。漆原さん」ダラダラ
ルカ子「あ、はい。大事がなくて、本当によかったです」ニコッ
岡栗(あ、危なかった。しかし手際の良さといい、この笑みといい。やはりルカ子は普通の女よりも女らしいな)
岡栗「だが、男だ」ボソッ
ルカ子「はい?」
岡栗「い、いやいやいや。なんでもない……わよ?」
ルカ子「? そう、ですか」
岡栗(だぁぁぁぁ!喋りにくい!!)
―――――
―――
―
ルカ子「はい、応急処置完了です」
岡栗「あ、あぁ、感謝する」
ルカ子「いえいえ、大事はなかったようで本当によかったです」ニコッ
岡栗(漆原ルカ……見た目、仕草、処置の手際。全てが完璧で、美少女にしか見えない可憐な笑み……)
岡栗「だが、男だ」ボソッ
ルカ子「えっ?なんですか?」
岡栗「いや、なんでもない……わ。迷惑を掛けた……わね?」
岡栗(くぅぅぅ……不便すぎるッ!)
オカリン「助ぉ手ぅよぉ、処置は終わったようだな。ルカ子、流石は秋葉を守護する巫女だ!見事な手際だ、腕を上げたようで喜ばしい限りだぞ、フゥーハハハ!」
岡栗(……端から見ると俺痛いな)
岡栗(それから、この時間軸の俺は鳳凰院凶真モードに入り、ルカ子に妖刀五月雨の素振りを始めさせた)
岡栗(この俺はタイムリープを体験した俺ではない為だろう、その一時はどこか平和に満ち溢れ。清流が如き穏やかさで時間と言う名の川は流れていった)
オカリン「よし、今日の鍛錬はここまでた!助手よ、ラボへと戻るぞ」
岡栗「わ、わかった」
岡栗(俺とて、この数時間を怠惰に過ごしたわけではない。ひたすら考え事に費やしていた)
岡栗(まずこの世界線におけるラボメンへの接し方や身のフリ方。こちらは無口キャラを演じて言葉少なに返事をする事でクリアした)
ルカ子「あ、あの岡……きょ、凶真さん、ありがとう御座いました!!」
オカリン「うむ、いずれ来るラグナロックに備え、ますます精進するように!では、エル・プサイ・コングルゥ」
ルカ子「え、えとえと……エル・プサン・ジャンガリー?」アセアセ
オカリン「違ぁぁぁぁう!エル・プサイ・コングルゥ、だッ!!」
ルカ子「はぅぅ!エ、エル・プサイ・コングルゥ!、です……」
岡栗(そして、なによりも大事な今後のことなのだが、こちらに関しても光明が見えた)
岡栗(『記憶とは、積蓄されて行くものである』とは、誰の台詞だったか。その正しさを身を持って実感する事になったのだ)
岡栗(要はどういうことかって? つまりだな、なんとこの体には牧瀬紅莉栖としての知識、岡部倫太郎としての知識両方がインプットされていたのである!)
岡栗(それに気付けたのも、ぼーっと階段に腰掛け、考えに耽ることができたおかげだろう)
岡栗(しかし、助手……表層意識が俺にすり替わっても「マイフォーク……」といつの間にか呟いてしまう程のフォークへの執着。誠に天晴れだと言えよう)
オカリン「さて、今度こそ行くぞクリスティーナ!」
岡栗「……あぁ」スッ
岡栗(俺の中に紅莉栖の知識が生きている以上、恐らくタイムリープマシンは作り出せる)
岡栗(設計図はしかと、思い浮かべた。帰ったらすぐにでも電話レンジの改造に着手せねば……)
岡栗「痛っ…!」フラッ
オカリン「おっと……だ、大丈夫か?クリスティーナ、まだ痛むようだな」ガシッ
岡栗「………」
オカリン(……ま、まだ怒ってるんだろうか。口数が少なすぎるぞ、助手よ)ダラダラ
オカリン(お、俺が一体なにをしたというのだ!く、くそ、かくなる上はっ)
オカリン「……ク、クリスティーナ。乗るが良い」スッ
岡栗「!?」
岡栗(お、おんぶだと?俺が、俺におんぶぅ!?なんなんだこのシチュエーション!)
岡栗「い、いや、遠慮しておく」
オカリン「ダメだ、歩けないのだろう?まったく、ブーツなんかで無茶をするからだ、馬鹿者。つべこべ言わずにさっさと乗るが良いザ・ゾンビよ!」
オカリン「……ラボメンが傷付いたならば手を貸し、共に歩むのがラボの長たるこの鳳凰院凶真の仕事だからな」
岡栗「………えっ」ドキッ
岡栗(ちょっと待てドキッってなんだ!?おい、落ち着け俺!!)
オカリン「……紅莉栖?」
岡栗「うぁ……」ドキッ
岡栗(だからドキッじゃない!俺の中の紅莉栖落ち着けェェェェェェ!!!)
―――
―
オカリン「ほら、着いたぞ」ガチャ
岡栗「………//」
岡栗(う、迂闊だった。紅莉栖の知識が残っているならば、紅莉栖の感情も残っていてもおかしくはない)
岡栗(伝統的魂の在処、紅莉栖も悩んでいた問題が目の前に立ちはだかるとは……)
オカリン「ただいま帰ったぞ!」
ダル「お、オカリンどこいってたん?ケータイ忘れてたお」
オカリン「おぉ、どこにやったかと思えばラボにあったのか。少しルカ子と鍛錬をだな……おや、助手はまだ入って――」
岡栗(おっと、俺も早くラボに入るとするか)スタスタ
ダル「――あ、そういえばオカリン。昼に牧瀬氏がオカリンのケータイ握り締めてハァハァして……あっ」
オカリン「えっ」
岡栗「」
岡栗(は、端から見たらそうなるのか!?)
ダル「あ、いや、えと、その……」ダラダラ
オカリン「えっ……えっ?」
岡栗「」ダラダラ
ダル「ま、牧瀬氏!」
岡栗「な、なんだ!?」ビクッ
岡栗(流石は頼れるスーパーはカー!どうにかこの場を誤魔化すのだ!)
ダル「これはそういうフラグがたったと見て、イケメソな僕は早急に席を外した方がいい系?」キリッ
岡栗「死ね、氏ねじゃなくて死ね」ガンッ
ダル「ありがとうございまおふうっ!!」
ダル「」ピクピク
オカリン「………」ガタガタガタ
岡栗「フーッ!フーッ!!」
岡栗(こ、こんな事をしてる場合ではない!早くタイムリープマシンを完成させて戻らないと……)チラッ
オカリン「か、海馬に電極は勘弁をっ!」ヒィッ!
岡栗「………//」ドキドキ
岡栗(ナルシストとホモに……同時に目覚めてしまいかねん)汗ダラー
岡栗「た、タイムリープマシンの製作に入る!邪魔をしないように!!」スタスタ
オカリン「は、はいぃ!!」
カーテン、シャッ
岡栗「つ、疲れる……」
カチャカチャ……カチャカチャ……
フゥーハハッ……フハッフハッ……
カチャカチャ……カチャカチャ……
まゆり「トゥットゥルー☆まゆしぃです」ガチャ
オカリン「お、おぉ、まゆりか」ホッ
岡栗(まゆら、か。アイツは変なところで鋭いからな、話すと気付かれかねん)カチャカチャ
まゆり「あれー?ねぇねぇオカリン、どうしてダルくんは白目でピクピクしてるのかな?」
ダル「」ビクンビクン//
オカリン「あ、あれだ!発作だよ発作!」チラッ
オカリン(下手なことを言えば俺もあぁなるかも……)ダラダラ
まゆり「発作?まゆしぃにはよくわからないのです」
オカリン「そ、そうか、まぁ、そんなもの気にせずくつろぐがいい。バイト上がりで疲れているだろう?」
まゆり「うんー!ありがとうオカリン!!」
まゆり「あっ!まゆしぃはじゅーしからあげなんばわん☆を買ってきたのです!チンしてくるねー♪」
オカリン「ちょまっ!!」
カーテンシャッ
まゆり「あぁぁ!紅莉栖ちゃんもいたんだー!トゥットゥルー☆」
岡栗「……とぅ、とぅっとぅるーまゆり」
岡栗(空気を読めまゆり!そして邪魔をしないように言ったんだから、ちゃんとブロックせんか俺ェェェェェェ)ギロッ
オカリン「ひぃっ!!」ビクッ
まゆり「あれあれ?紅莉栖ちゃん元気ないねー、どうしたのかな?まゆしぃは心配なのです」
岡栗「い、いや。そんなことはない……わよ?」ニコッ
まゆり「そうかなぁー?お昼も急に逃げちゃうし、まゆしぃは悲しかったんだよー」
岡栗「す、すまな……ごめん、ね?まゆり」ニ、ニコッ
岡栗(ひとりにしてくれェェェェェェ!!)
岡栗「あ、まゆり。電話レンジはもうレンジとしては使えん……使えないし、向こうに行っててくれ……るかな?」
岡栗(グヌヌ、女言葉を使わねばならんとはなんたる屈辱……タイムリープマシンができるまでの辛抱だ、くそっ)
まゆり「あー、そうだった!まゆしぃはすっかり忘れちゃってたのです」ショボン
オカリン「ほ、ほらまゆり。助手は電話レンジ(仮)の改造で忙しいようだし、邪魔をしてはいけない!こ、こっちにくるんだ」汗ダラー
岡栗(ナイス俺ェェェェ!!さぁさぁ、まゆりも早く言うことを聞いて出て行くのだ!)
まゆり「そっかぁー、邪魔しちゃってごめんね紅莉栖ちゃん……」
岡栗「い、いやいやいや。構わんぞ、そちらでゆっくりと休むが良い」ニコニコ
まゆり「? なんだか、紅莉栖ちゃん喋り方がオカリンそっくりだねー?」
岡栗「」
岡栗(マ、マッハで墓穴掘ったぁぁぁぁ!!ど、どうする!?どうすればいいのだ!?)
ダル「それは僕も気になってた罠」スッ
オカリン「のわっ!?生きて……もとい、起きていたのかダル!!」
まゆり「あ、ダルくんおはようトゥットゥルー☆」
岡栗(お前は寝てろよぉぉぉぉぉぉ!!)
ダル「牧瀬氏、今日変だお?ハァハァした後も喋り方もろオカリンだったし、いきなり走って行っちゃうしさ」ジトー
岡栗「う゛っ」
岡栗(ダルにはタイムリープ直後の俺を見られているし……逃れようがない)汗ダラー
オカリン「そ、そうなのか?何かあったのなら、話を聞くぞ助手よ。さぁ、さぁ!包み隠さず話してみるのだ!」
岡栗(殴られ役のダルが復活した瞬間強気になりやがった)
岡栗「ぐぬぬ……」
ダル「こうなったオカリンは止まらないし、言うだけ言ってみたほうが楽になるかもしれないお」
オカリン「さぁさぁさぁ、助手ぅ!!話せ!おまえの罪を教えろ!!」
岡栗「う、ううぅぅ……」
岡栗(……もう、言うしかないのか?)
オカリン「さぁっ!さぁさぁっ!さぁぁぁぁ――」
まゆり(?)「――……トゥットゥルー★オカリン、ダルくん」
「「「!!?」」」
――……ゴゴゴゴゴ
瞬間、空気は凍り、不思議な威圧感がラボに充満する。
肌がチリチリと焼けるような感覚に、俺は威圧感の正体に気付いた。
殺気だ。
電話レンジ(仮)を起動した時のようにビルが揺れる程の、濃厚な殺気が溢れかえっていた。
その発信源は、まゆり。
まっちょしぃ「ねぇ、二人とも。紅莉栖ちゃんは嫌がってるのに、なんで聞き続けちゃうのかな?……かな?」ゴゴゴゴゴ……
いや、もはやそれはまゆりと呼べるほど生やさしい存在ではなかった。
思考を停止したくなるほどの恐怖、世界の深淵を垣間見たかのような絶望、そして
――圧倒的暴力の権化、鬼がそこにいた。
ダル「あ、あぁぁぁ……」ガクガクガクガク
オカリン「な、なんだよこれ、なんだよこれぇぇぇぇ!!」
まっちょしい「まゆしぃは、二人には少し反省が必要だと思うのです」
鬼はそう呟くと、手に持っていた唐揚げの箱を掲げた。
恐怖に支配され、逃げ出すことはおろか、一時も視線をはずせない俺を含めた三人の視線はそこに固定される。
まっちょしい「ねぇねぇ、二人共♪ここに、じゅーしからあげなんばわんがあるでしょ?」
まばたきの合間に、それは起こった。
唐揚げを包んでいたはずの箱はどこかに消え失せ、鬼の手に残ったのはゲル状に変化した唐揚げの姿。
まっちょしい「三秒後の貴様等の姿だ――ッ!!」
鬼の、一方的な殺戮が始まった。
――To True.(トゥットゥルー)
――Mad You She Death.(まゆしぃです)
えぇ、その呟きが聞こえた瞬間でした。
なんて言うんですかね、こう……
ブレたんですよ、はい。
写真の手ぶれみたいに、鬼の姿がね。
気付いたら、視界からは鬼が消えてましてね。
どこだどこだと、見渡そうとしたら……
――ボッッッッ!!!
そう、いきなり耳元でそんな音が聞こえたんです。
そしたらね、まるで大型車…いや、高速戦闘機にでもはねられたみたいに、飛んだんですよ。
え?なにがって?
はは、やだな。
決まってるじゃないですか、人が、ですよ。
樽みたいなおでぶも、電柱みたいな白衣も。
同時にすっ飛んでいったんです。
二人の体はラボを横切って、窓の向こうに消えていきましたよ。
ガラスってね、勢いよく割れるとこんなに綺麗に散るんだなって。
何故か私はそんな場違いなことを考えながら見てました。
二人の姿が見えなくなってから、今思い出したみたいに慌てて窓際に駆け寄ったんです。
そしたらね、そこで、笑ってるんですよ。
儚げに星を見つめて、夜空へと手を伸ばした少女が。
いつの間にか鬼はいなくなっていて、落ちていった二人はぐったりしながら、少女の細腕に引きずられて夜の街に消えて行きました。
この間、30秒。
呟きが聞こえてから、私が窓に駆け寄るまでは宣言通り、僅か3秒の出来事でした。
それからはもう、静かでしたね。
私も動けなくなっちゃって、腰が抜けて座り込んでました。
あの二人はどうなるんだろう、とか。
一体何が起きたんだろう、とか。
そんな事を考える余裕もなく、ただただ呆然としててね。
ふと気付いたら、笑い出してました。
きっと、笑うしかなかったんでしょうね。
余りに突飛で、非現実的すぎて。
岡栗「ハ、ハハハ、ハハハハハッ!!」
紅莉栖「フゥーハハハ!!どうしてこうなった!!」
――Fin
乙
新しく出来たSS深夜VIPのSSです
いろんなSSがあるので是非見てください!
SS深夜VIP
Entry ⇒ 2012.02.11 | Category ⇒ シュタインズゲートSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
さやか「おはよ、杏子」杏子「あ…う…」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1327833323/
さやか「それもしょうがないか、電池切れるまでずっとバイブ入れっぱなしだったもんね~?」
杏子「さやか…もうやめ…ろ…」
さやか「んー?きこえんなー?」
杏子「お願いだから…やめて…くれ…」
さやか「あ、バイブじゃ物足りなかった?しょーがないなー…」
さやか「ちゃんとおねだり出来たら私のちんこ挿れてあげるからさ…」
杏子「そ…んな…」
さやか(だからまたバイブの電池入れ替えて出掛けてる訳だけど…)
さやか(そろそろ陥落してる頃かな?)
さやかの部屋―――
ブーーー………
杏子「んっ……やぁっ……」ビクビクッ…
さやか「ただいまー」バタン
ブーーー………
杏子「さっ、さやかぁ……ぁっ」ビクンッ
さやか「あら、あたしが帰ってくると同時に達するなんて」クスクス
さやか「全く困った人だね」クスクス
杏子「もっもう…満足しただろぉっ……?これ、抜いてっ……」
杏子「んっ…そん、なことっ……」
さやか「恥ずかしくて出来ない?」
杏子「ひぁっ…」ビクンッ
さやか「あら、またイッたの?」クスクス
さやか「呂律が回ってないよ、杏子?」
杏子(イきすぎて頭がぼうっとしてきた…)
さやか「さて、まだおねだりはしないみたいだし…」
さやか「あたしも杏子の姿見てたらムラムラしてきたから、杏子をおかずに抜かせてもらうね?」ボロンッ
杏子「……ぇ?」
杏子「ぅ……ぁ……」
さやか「魔法をちょっと応用すると、こういう事も出来るんだよ?」
杏子(お、大きいっ……)ジッ
さやか「興味津々みたいだね、杏子?」
杏子「んっ…や、ちがっ…!」
杏子「さや、かっ…?なに、してるんだよ…?」
さやか「何って…オナニーだよ。知ってるでしょ?」シュッ…シュッ…
杏子「いや…やめろよぉ……ぁ…っ」ビクンッ
さやか「んふ、杏子可愛い…あたしもちょっとノッてきちゃった」シュッシュッ
杏子「んあっ…や、やめっ……あたしを見ながらそんなものしごくなよぉっ……」
さやか「だって、あたしもしたくなっちゃったんだもん、しょうがないじゃん?」シュッシュッ
杏子「や、やるなら、あたしとっ……」
さやか「ん?聞こえないなぁ?もっと大きい声で言ってよ?」シコシコ
杏子「っ……ぁっ」
杏子「ぇっ…?」
さやか「どうしてほしい、杏子?ぶっかけて欲しい?」シコシコシコシコ
杏子「ぶ、ぶっかけ…って……?」
さやか「意味わからないわけじゃないよね?」シコシコシコシコ
さやか「そ、わかった。んじゃ、ゴミ箱にぶちまけることにするよ」シコシコシコシコ
杏子「ぁ……ぁああっ!!」ビクッ…ビクッ!
さやか「ああっ…出るよぉっ!」ビュルルルルッ!
さやか「はぁっ…はぁっ…ああ、気持ちよかった」
さやか「あたしはね。でも、杏子はそんな事ないでしょ?」
杏子「あっ…たしはっ…!」
さやか「ん?」ニヤニヤ
杏子「別、にっ……!」
杏子「い、いいから、満足したならこれ、抜いてくれよぉ……」
杏子「もう、さっきから切なくて頭どうにかしそうなんだからっ……!」
ブーーー………ピタ
さやか「あれ?もう電池切れたの?」
杏子「んあぁっ!」ビクンッ
杏子「はぁっ…はぁっ…」
さやか「で、どう?そろそろおねだりする気になった?」
杏子「なんで、こんなことするんだ、さやか…?」
杏子「だったら…もっと、別な方法で…」ハァ…ハァ…
さやか「あたしって不器用だからさ、これくらいしか方法が思い付かないのよ」
杏子(あたしだって、普通に誘ってくれれば応じるってのに……)
さやか「いいから、答え聞かせてよ」←電池交換中
さやか「うーん、ごめん、思い付かないや」ニコッ←動作確認中
杏子「あたしは、普通に誘ってくれさえすりゃあ…」
さやか「はい、時間切れー」ヌポン カチッ
ブーーー………
杏子「んあぁぁぁっ!」ビクンッビクンッ
杏子「待てっ、さやかっ…ぁ!」
さやか「心配しなくても、昼に帰ってくるから」ニコッ
杏子「ひぃぃっ……」ビクッビクッ
さやか「あたしが帰ってくる頃には、いい返事が聞けるよね?」
杏子「……っ……っ……!」
さやか「聞こえてないっか」
さやか「ただいまー…っと」バタン
杏子「……っ……っ!」ビクッ…ビクッ…
さやか「あらら、失神しながらもイき続けてるや。さすがにちょっとやりすぎたかな?」
杏子「っ…さ、やかっ……?」ビクッ…ビクッ…
さやか「ん、気がついた?」
さやか「じゃあ、おねだり出来るの?」
杏子「おねだりでも何でもするからぁっ……こ、れ…止めっ……ぁぁあ!!」ビクビクビクッ!!
さやか「おお?一際大きい声上げたねぇ」ニヤニヤ
杏子「とり、っあえず……これ、止めて……」
杏子「そっ、そんな……ぁっ……」ジワァ
さやか「あら、泣いちゃうの?」
杏子「ヒック…もう、やめてくれよさやかぁ……!」
さやか「んー…さすがにちょっとやりすぎたかな」カチッ
ピタッ
杏子「ヒック……エグ……」
さやか「もう、泣かないでよ杏子。あたしは別にあんたを泣かせたい訳じゃないんだよ?」
杏子「っ………」
さやか「よし、いい子だ杏子」ナデナデ
杏子「な、なんて言えば良いんだよ…?」
さやか「それは自分で考えなきゃダメでしょ?あたしがいいと思うようなおねだりを期待してるよ」ニコッ
杏子「………」
さやか「ほら、早く♪」
さやか「ここじゃわかんない」スッ
杏子「っ、ま、マンコに!」
さやか「ふんふん」
杏子「さ、さやかの堅くて大きいモノを……」
杏子「ち、ちん……っ」
さやか「まだ足りなかったのかな?」 ヌポン カチッ
ブーーー……
杏子「ひいぃ、まっ、待って!言う、言うからぁっ…!」ビクビク
杏子「……っ、さやかの、ち…、ちんこっ、を……!」ビクンッ
杏子「い……挿れてっ…、下さい……っ!」
さやか「うん、いいよ。言うとおりにしてあげる」
杏子(よ、よかった…これで、この苦しみから解放されるっ……!)
杏子「んひぃぃぃぃ!!」ビクビクビクッ!!
さやか「っどう、杏子…?あたしのちんこは…?」ズブズブ…
杏子「もっ、もっとっ!もっと奥まで挿れてくれぇ!!」
さやか「んっ…!」ズブンッ
杏子「う、動いてくれよさやかっ!」ビクビクッ…
さやか「え?何言ってるの杏子?」
杏子「っ……え?」
さやか「あんたさっきは挿れてくれとしか言わなかったじゃん。あたしはその通りにしてあげたよ?」
杏子「え……?え?」
杏子「そ、そんな…ぁ……」ジワァ
さやか「泣いてもダメだよ、杏子。ちゃんと言わなかったあんたが悪い」
杏子「う……うくっ……っ」グッ
さやか「お、こらえたね。偉いよ杏子」ニコッ
杏子「っ……ぁ……っ」ブルブル
さやか「んっ…」シュッ…シュッ…
杏子「さやか…やめてくれよ、さやかぁ…!」
さやか「人に物を頼むんなら、それなりの言い方があるんじゃないの?…あっ…」シュッシュッ
さやか「もう遅いっ…あ、出ちゃうぅぅ!」ビュルルルルッ!
杏子「あ……あ……」ブルブル
さやか「はぁ、すっきりした」
杏子「そ…そんなぁ……」
杏子「あ、あたし……はっ……」
さやか「とりあえず、おねだりは出来たんだし、縄ほどいてあげる」シュルルル
杏子「………」ダラン
さやか「だらしないなぁ杏子は。腕に力入らないの?」
さやか「ちょ、ちょっと杏子?」
杏子「あ、あれ?手が、止まんないっ…ぅひいっ!!」ビクビクッ グチュグチュ
杏子「んああぁっ!たす、助けてくれさやっ、ぁあ!」グチュグチュ ビクンッ
さやか「………ゴクリ」ムクムク
杏子「さ、さやかっ…?」グニュ ズヌヌッ
さやか「んっ……あぁっ……!」シコシコ
杏子「まっ、待ってくれよさやかっ…!自分でやんないで、挿れてくれよぉっ…んあっ!」グチュッグチュッ
さやか「杏子っ……杏子ぉっ……!」シコシコシコシコ
さやか「あ、出るっ……出ちゃうよ杏子ぉっ……」シコシコシコシコシコシコ
杏子「やだ、さやか、助けてよさやかあっ……!」グチュグチュグチュグチュ
さやか「んはああぁぁぁっ!」ビュルルルルッ!
杏子「嫌あああああ!!」ビクンッビクンッビクンッ
杏子「っ………っ………!」グチュグチュ
さやか「……杏子?」
杏子「っ…ぁ…たす、けれぇ……さゃかぁあっ……ヒック」グチュグチュ グリュ ビクビクッ
さゃか「あららぁ……もしかして、結構重傷?」
杏子「はぁっ……はぁっ……」ググッ
ビクンビクン
さやか「…どうしよ」
すまん、起きたはいいけどこれで投下終了。需要あったら保守よろしく 午後4時位からならまとめて時間とれる
杏子「っ……もう、いじわるしないでくれよさやかぁっ……!」ビクビク
さやか「いじわる?あたしは別にいじわるしてるつもりないんだけどなぁ?」ニヤニヤ
杏子「自分の手じゃっ……全然満足なんて出来ないんだよっ…!」ビクビク グッ…
さやか「その割には縄解いてあげた時は一生懸命自分のマンコ弄ってるように見えたけど?」
杏子「だって…散々バイブで焦らされて……我慢なんて出来るわけないだろぉっ…?」ビクビク
さやか「ふーん……それで?結局あたしにどうして欲しいの?」
杏子「っ……なんて言ったらっ……挿れてくれるんだよぉっ……」
さやか「杏子の言った通りにしてあげるよ?」
杏子「っ……だったらっ……!」
杏子「さやかのちんこでっ!!あたしのマンコをぐちゃぐちゃにしてくれよぉぉっ!!」
杏子「はぁっ……はぁっ……これで、いいんだろぉ……?は、早くっ……ぅぅ…!」ビクビク
さやか「ん、そだね。杏子も頑張ったみたいだし」
杏子(こ、これで今度こそ……)
さやか「と思ったけど、二回も出しちゃったからちょっと勃たないかも」ギンギン
杏子「えっ……!?」
さやか「いやーごめんね杏子。復活したら挿れてあげるから」ニヤニヤ ギンギン
杏子「そんな……約束が違うだろさやかぁっ……!」ビクンビクン
さやか「とりあえず復活するまでは、これで我慢してね?」ヌポン カチッ
ブーーー……
杏子「嫌っ……もうこれ、やなのぉっ……!っ、ぁぁっ!!」ビクビクッ!
さやか(まだまだ、追い詰めてあげるよ杏子……)ゾクゾク
さやか「~♪」ペラ
杏子「んっ……あっ……!」ビクビク
さやか(押し殺したような喘ぎ声がたまらなくエロい……)ゾクゾク
杏子「あひっ……ぅぁ……!」ビクビク
ブーーー……ピタッ
さやか「!」
杏子「はぁ、はぁ……」(電池、切れ……?)
さやか「………」ペラ
杏子(さやか……気付いてない…?)
さやか(散々焦らしたし、次は放置かな…)ペラ
さやか「~♪」ペラ
杏子(ただでさえもう我慢できないってくらいだったのに…気付いてよ、さやかぁっ……!)
さやか「さて、と」
杏子「!」(気付いてくれ、さやかっ!)
さやか「それじゃ、あたしはちょっと買い物に出かけて来るから。いい子にして待っててね?」ガチャ バタン
杏子「え、ちょ……そんな……」
杏子「んっ……」ググッ……ポトッ
杏子「はぁ、はぁ……」(バイブが出ちゃった……)トロォ
杏子(さやか、早く帰って来てくれよぉ……)
杏子「っ……」ブルブル
杏子(ヤバい…おしっこしたくなってきちゃったっ…)ブルブル
杏子(昨日の夜から、水しか飲んでないからお腹も減ったし…)グゥゥゥ ブルブル
杏子「だ、ダメっ……我慢、出来ないぃっ……」チョロチョロ
ジワァー……
杏子「…絨毯、汚しちゃった…さやか、怒るかな……」グゥゥゥ
杏子「……お腹、減ったなぁ…」グゥゥゥ
さて、ホントにこれで投下終了。
落ちてたら最初からやるか、やめるかはわからん
杏子「……ぁ…さやか…」
さやか「…ん?なに、この匂い」
杏子「っ……」
さやか「……もしかして杏子、もらした?」
杏子「っ!……ごめん…」
さやか「あー……やっぱりかぁ」ハァ
杏子「で、でも!さやかだって悪いんだぞ!あたしを縛ったまま出掛けるからっ!」
さやか「ふーん…そういう態度取るんだ?」
杏子「!」ぐ~…
さやか「そういうこと言うんだったら、食べさせてあげないよ?」
杏子「い、意地悪言うなよさやか……さやかだって知ってるだろ?あたし、昨日の夜から水しか飲んでないんだぞ……」
さやか「お腹減ったの?」ニヤニヤ
杏子「……」コク
さやか「じゃあ、杏子に選ばせてあげる。この後あたしとセックスするか、ご飯を食べさせてもらうか」
杏子「な、なんだよそれ……?」
さやか「ホントは二つともしてあげるつもりだったけど……おしっこ漏らした罰で、ひとつ削ることにしたんだよ」
さやか「さあ、どっちがいい?」
杏子「ぅ……」(お腹は減ったし、下腹部の切なさは相変わらず残ったままだし……どうしよう……)
さやか「早く選びなよ、杏子。早くしないと、どっちもしてあげないよ?」
杏子「ま、待ってっ!わかった、決める、決めるからっ……」
さやか「……♪」ニヤニヤ
杏子(しょうがねぇ……性欲なんて、我慢できるものだし、お腹を満たした方が……)ぐ~……
杏子「ご、ご飯……食べさせて……」
さやか「あれ、ホントにそっちでいいの?」ニヤニヤ
杏子「ご、ご飯食わなきゃ死んじまうじゃねぇかよ……」
さやか「まぁ、そうだよね~。性欲は我慢できるものだしね?」
杏子「……」
杏子「!」
さやか「また新しい電池入れてあげようか?」ニヤニヤ
杏子「ぅ……」
さやか「どうしたの杏子?黙ってちゃわかんないよ?」パキ
杏子「……れて…」
さやか「うん?」
杏子「バイブ……入れて、ほしい……」
さやか「そっか~。でも、絨毯汚されちゃったしな~。どうしよっかな~♪」
杏子「っ……」
杏子「あ、あの……さやか…?」
さやか「ん?なに?」
杏子「縄、ほどいてくれないと……ご飯、食べられない…」
さやか「あぁ、それは大丈夫だよ」
杏子「え……?」
さやか「はい、あ~ん♪」ズイッ
杏子「えっ?」
さやか「早く口開けなよ」
杏子「は、恥ずかしいだろ……自分で食べるよ……」
さやか「股全開であれだけよがっておきながら、今更恥ずかしいもなにもないでしょ?」
ちょっと動くタンポン程度でしかなくなっちゃう
さやか「いいから口を開ける!」
杏子「! ……あ、あーん……」
さやか「それでよろしい♪」ヒョイ
杏子「……」モグモグ
~~~~~~
さやか「はい、お粗末さま」
杏子(はぁ……とりあえずお腹はいっぱいになった……)
さやか「さ~てと♪」ボフッ
杏子「…え?」
さやか「あたしはちょっと寝るから。起こさないでね?」
杏子「ちょ、ちょっと……バイ、ブ……」
さやか「……Zzz……」
杏子「………」
さやか「Zzz……」
杏子(が、我慢っ……我慢だあたしっ……)
杏子(このまま休んでれば、きっと下腹部の疼きも収まるっ……!)モジモジ
さやか「Zzz……」
杏子「……っ……」(何か、歯を食いしばる為の物……!)
杏子(じゅ、絨毯?でも、このあたりはあたしのおしっこがっ……)
杏子(…っ、ダメだ……!)トサ アム ギリギリッ……
杏子「ぐっ…うぅぐっ……」ギリギリッ
さやか「んっ…ふぁぁぁ……」ムクッ
杏子「ぐっ…うぅっ……オエッ…」ギリギリッ
さやか「杏子、おはよう。……あんた、何してんの?」
杏子「ふー、ふー……」ギリギリッ
さやか「……ああ、疼きが収まんなくて歯を食いしばってたのね。でもその辺、あんたのおしっこが染み込んでるんじゃない?」
杏子(言うなっ……言わないでくれよっ……!)ギリギリッ
さやか(そろそろかな……?いや、明日の朝まではこのまま放置にしよ)
杏子「っ…オエッ……はぁ、はぁ……さや、かっ……!」モジモジ
杏子「もうっ、ホントに限界だってっ……頼むから、あたしをこの苦しみから解放してくれっ……!」モジモジ
杏子「みっ、見たらわかるだろ…?ずっとバイブに犯されてたんだから……もう、頭がおかしくなるよっ……!」モジモジ
さやか「ふ~ん……いっそ、おかしくなってみたら?」
杏子「え…っ?」
さやか「頭がおかしくなって淫乱スケベになった杏子、ちょっと見てみたいかなぁ」ニヤニヤ
杏子「じょ、冗談……だよな?さやか……?」
さやか「さあ?どうだろうね」ニヤニヤ
杏子「……ヒッ……グスッ……」ポロポロ
さやか「だからぁ、さっきも言ったけど泣かないでって」
さやか「杏子は泣き虫じゃないでしょ?」
さやか「だって?何よ?」
杏子「さやかは……いつからそんないじわるになったんだよっ……?あたしの大好きなさやかに戻ってくれよっ……」ヒック エグ
さやか「………今、なんて?」
杏子「……?」グス エグ
さやか「ごめん、もう一回言って、杏子。今、なんて言ったの?」
杏子「い、いつからいじわるになったんだよ……?」グスグス
さやか「その後!」
杏子「戻ってくれよ……?」ヒック グス
さやか「ちょっと戻って!」
さやか「も、もう一回っ!」
杏子「っ……あたしの大好きなさやかに戻ってくれっ…!」グス ズビーッ
さやか「……ホントに?」
杏子「う゛ん……戻って…戻って欲しいっ……!」グスグス
さやか「……うあ…うわ、うわ、うわぁ~!」バタンッ
杏子「ぁ、ざやがぁ~!!」ボロボロ
さやか(嘘、マジで!?ホントにっ!?き、ききききき杏子が、ああああああああたしの事大好きって言った!?)
さやか(い、いやいやまさか!聞き間違いに決まってるってあたし!落ち着け、冷静に冷静にっ……)スゥー ハァーッ
杏子「っ!」グス ヒック
さやか「……や、やっほ、杏子!」
杏子「っ、ざやがぁぁぁ!!」ボロボロ
さやか「う、うわっ!?」
杏子「なんでいぎなりででぐんだよぉ~!」ボロボロ
さやか「ご、ごめんごめん杏子!泣かないで!あたしが悪かったからっ!」
杏子「……?」
さやか「ほ、ほら。縄も解いてあげるから!」シュルルル
杏子「……ぁ……」トサッ
さやか「待ったっ!」ガシッ
杏子「! さ、さやか…?」
さやか「か、確認したいことがあるの……」
杏子「っ……が、我慢なんて出来ねぇよっ!」バッ
さやか「あっ!?」
杏子「んあああっ!!」グチュグチュグチュグチュグチュグチュ!!
さやか(ま、またオナニーしてる……)ゴクリ
杏子「うひいいいいいぃぃぃっ!イク、イクううぅぅぅ!!」グチュグチュグチュ ビクビクビクッ!!
杏子「んあっ、手、が、止まんないよぉぉ!!」グヂュグヂュ
さやか「杏子っ……杏子ぉっ……」ジー ボロンッ シュッシュッ
杏子「あ、うひぃっ!!」グヂュグヂュ!
さやか「っ……あたしも、手が止まんないっ……」シコシコ
杏子「あ、あぁ、イク、またイクうぅぅ!!」グヂュグヂュグヂュッ!
さやか「っ……うぁぁっ……!」シコシコシコシコ
杏子「んああああああ!!」ビクビクビクッ!!
さやか「うああああっ!」ビュク ビュルル!
杏子「あああ、ま、まだ足りないっ・・・!」グチュグチュ
さやか「っ、杏子!」パシッ
杏子「と、止めないでくれよさやかっ!どうせ、またあたしにいじわるするつもりなんだろ!?」ジタバタ
さやか「違う、違うってっ!確認したいことがあるだけ!確認だけしたら、手、離してあげるから!」
杏子「うっ……わ、わかった……」ピタ
さやか「ん……それでいいの………」ドキドキ
杏子「で、確認したいことってなんだよ…?」モジモジ
杏子「はっ、早くしてくれよ!まだ、まだ疼きが収まんねぇんだよ!」ググッ…
さやか「さ、さっきさっ!あんた、あたしのこと……大好き……って……、言った……?」
杏子「? さっき……?」
さやか「ほ、ホラ!戻ってくれ、って言った時のこと!」
杏子「……っ!………」カァァァ
さやか「もう一回だけ……言ってくんないかなっ……?」
杏子「さ、さっきのことは……その……」
さやか「まさか……嘘、だったの?」
さやか「じゃ、じゃあ……もう一回言ってよっ……」
杏子「っ……」(冷静に考えてみりゃあ……あたし、かなり恥ずかしいこと言ったんじゃねえの?)
さやか「ほ、ほらっ……早くっ……!」
杏子「そ、そんな改まって言われると……だな」モジモジ
杏子「は……恥ずかしいだろ……?」
さやか「い、言ってくれないとまた縄で縛るよ!?」
杏子「そ、それは勘弁してくれ!」
さやか「じゃあ言ってよ!」
さやか「『あたしは』……?」パッ
杏子「さやかに……だな」トサッ
さやか(手を離してもオナニーしない……?相当動揺してる?)
杏子「あ、あたしの大好きなさやかに……元の、優しいさやかに戻って欲しいっ……」カァァァァァァァ
さやか「っ、杏子ぉ!!」ガバッ
杏子「さ、さやかっ!?え、ちょ、おいっ!」カァァァ
さやか「そっか!あたしたち、両思いだったんだね!」
杏子「昨日から言ってるじゃねぇか……あ、あたしのことが好きだったら、普通に……その、言ってくれれば応じる……って…」
さやか「嘘!そんなこと言ってないじゃん!」
杏子「さやかが聞かなかっただけだろ!?」
杏子「ちょっ、何すんだよ!」ジタバタ
さやか「あたしに歯向かう杏子にはおしおきが必要だね!」ビシッ
杏子「お、おしおき……って……」
さやか「あたしの槍で、あんたを貫いてあげるって言ってんの!」
杏子「っ!」
さやか「ほら、お尻こっちに向けなよ杏子……」ドキドキ
杏子「………」クルッ カガミ
杏子「こ、これでいいのか……?」
さやか「……ん」
杏子「な、なぁ……す、するのはいいけどさ、やっぱり縄解いてくんね?」
さやか「言ったでしょ、これはおしおきだ……って……」ドキドキ
さやか「ちょっと、何顔赤くしてんのよ!」
杏子「い、いやだってっ……」
さやか「こっちまで照れるでしょ!?」
杏子「さっきまであたしを散々いじめてた奴が今更何言ってんだよ!」
さやか「うるさいうるさい!お互いの気持ちを認識しちゃったもん、さっきまでと同じようになんて出来るわけないでしょ!?」
杏子「こっちはハナっから互いの気持ちなんてわかってたんだぞ!?それなのに、ば、バイブであたしをっ……」カァァァ
さやか「さっきまでの事は忘れる!」
杏子「忘れられるわけねぇだろが!」
さやか「反抗的な杏子には、こうだっ!」ズブブブッ!
杏子「んああああああ!!!」ビクビクッ!
杏子「あ、あたしのことを、んあっ、こんなにしたのは、うひぃっ、他でもねぇ、さやかだろうが!んあっ!!」ズプンッ
さやか「だ、だからさっきまでのことは忘れてって言ってんじゃんっ!」ズルル…パァンッ
杏子「んひぃぃ!」ビクンッ
さやか「ん?どうしたの、杏子?甲高い声なんて、上げちゃって!」パンッ パンッ
杏子「そっ、んな、激しっ…!」ビクビク
さやか「ふふふ、嬉しい、あたしのち、ちん…で、感じてくれてるんだね!」パンッ パンッ
杏子「は、はんっ、なんて言ったのか、うひっ、聞こえなかったぞ、さやかっ?んあっ!」
さやか「っ、だ、だから、あたしの…ち、ちん……」カァァァ
杏子「お、おい途中で止めんなよ!」
杏子「ひぐっ、ぅぁっ、さや、かぁぁ!」ビクンビクン
さやか「恥ずかしいんだから、言わせ、ない、でよっ!」ズパァンッ
杏子「自分で言っといて、そりゃ、ねぇだろっ!!」ビクビク
さやか「まだ反抗する元気が、残ってたんだねっ!」パァァン
杏子「んひぃぃぃ、お、おぐに、あた、ってるぅぅぅ!!」ビクッビクッ
さやか「なに?あたしを差し置いて、先に達したの、杏子?」パンッ パンッ
杏子「んお、おぉぉっ……」ビクンビクン
杏子「うひ、ちょ、待ってさやかっ、イったばっかりで、敏感なんだ、から、うひぃぃっ!」ビクンビクン
さやか「んっ、そろそろ、出すよ、杏子っ!」パンッパンッ
杏子「だ、出すって、膣内に、かよっ!?」
さやか「決まってる、でしょうがっ!」パンッパンッ
杏子「あ、赤ちゃん、出来ちまうってっ!」ビクビク
さやか「大丈夫、だよっ!魔法で出来たちんこなんだから、種無しだってっ!」
杏子「でっ、でもっ、それでもぉっ…」
さやか「あ、出る出るぅぅっ!!」ビュクッ ビュクッ
杏子「んああああああああひいいいいっ!!」ビクンッ!!ビクンッ!!
……
…
杏子「んで?」
さやか「全面的にあたしが悪うござんした……」ドゲザッ
杏子「それで終わりか?ん?」
さやか「謝って済む問題でないことは重々承知致してるつもりでございます……」ズリズリ
杏子「じゃあ、どうやってあたしの許しを乞うつもりだ?」
さやか「それは……その……」ズリズリ
さやか「こちらに先日入手したばかりの新品のグリーフシードがございます、お納めください」スッ ズリズリ
杏子「ん」パシッ パァァァ
さやか「………」チラッ
杏子「…」ギロッ
さやか「……」ズリズリ
杏子「とりあえず、そのちんこもうなくしちまえ」
さやか「はいぃぃぃっ!」パァァァ シュンッ
さやか「大変恐縮致しておりますが、ひと言申してもよろしいでしょうか杏子様?」ズリズリ
杏子「なんだ?」
さやか「あの、確かに今回の件についてはあたしに全ての責があることは承知しておりますが、あなた様が洩らしたおしっこで、あたしの部屋の絨毯が汚れてしまっているのですが、その辺についてはどうお考えなのでしょうか」ズリズリ
杏子「それだって、元を辿ればお前が悪いだろ?」
さやか「で、でも実際に汚したのは杏子様ですし、今のあたしの土下座とあなた様にお納めしたグリーフシードで、不問としていただくわけにはいかないでしょうか……?」ズリズリ
杏子「はぁ……まぁ、いいや」
杏子「許してやるよ、さやか」
さやか「あ、ありがとー杏子ー!だから杏子って好きだよっ!」ガバッ
杏子「こ、こらっ!お前、ホントに反省してんのか!?」
さやか「そりゃーもうホントに反省してますとも!」スリスリ
杏子「やめろー!頬擦りするなー!」ジタバタ
さやか「杏子ならきっと許してくれるって信じてたよっ!」
杏子「ムシのいいことばっかり言うなよ!あたしだって、今回はホント身の危険を感じたってレベルじゃねぇんだぞ!?」
さやか「杏子ぉー!」スリスリ
杏子「だぁぁぁぁ!」
さやか「そ、そう言えばさ」ゴシゴシ
杏子「あー?なんだ、さやか?」ゴシゴシ
さやか「お互いがお互いの事を好きってことがわかったわけじゃん?」ゴシゴシ
杏子「まぁ、な。あたしは前から知ってたけど」ゴシゴシ
さやか「でもさ、両思いになったってだけで正式に告白はしてないわけだよね?」ゴシゴシ
杏子「んー……まぁ、そうだな」ゴシゴシ
さやか「それじゃ」トンッ
杏子「おい、手ぇ止めんなよ。シミ、残るぞ?」
杏子「?」ゴシゴシ
さやか「あたしが、中学、高校、大学と卒業して、社会人になって、一人暮らしを始めたら……」
さやか「あたしと、一緒に暮らしてくれますか?」
杏子「っ!」
さやか「そりゃ、最初は互いに殺し合う中だったりもしたけどさ?今となってはそれももう昔の話でしょ?」
さやか「そういうこと、全部水に流して、あたしと一緒になってくれる?」
杏子「なんだよ、今更……」
さやか「え?」
さやか「杏子……」
杏子「あいつ、上条恭介とはもうなんでもないんだろ?」
さやか「う、うん。今はもうただの幼馴染だよ」
杏子「なら、お前にはあたしと一緒になる以外の選択肢は残ってねぇんだよ」ゴシゴシ
さやか「………」
杏子「魔法少女のことだってさ、一般人には言えねぇだろ?」
杏子「一人ぼっちは、寂しいからな」
杏子「だから、さやかとはあたしが一緒にいてやるよ」
杏子「改まって言うことでも、ねぇだろ……」カァァァ
さやか「……ん、ありがと、杏子」ギュッ
杏子「! おい、さやか……」
さやか「そうだね、一人ぼっちは寂しいよ。だからこそ、こうやって改めて確認するんじゃない」
杏子「~~……ったく、しょうがねぇなさやかは」
杏子「いいよ。ただし」
さやか「た、ただし?」
杏子「あと五年も待ってられねぇ。中学を卒業したら、一人暮らし始めちまえ」
杏子「その辺は心配すんな。あたしがなんとかすっから。ちゃんと真面目に働いて、な」ニカッ
さやか「……んもう、杏子!だから大好きだよっ!」ギュウウウ
杏子「こ、こらこらっ!苦しいって!」
さやか「わかった!じゃ、あと二年。待っててね、杏子!」
杏子「ああ、二年くらいなら待ってやる。一緒に暮らそう、さやか」ギュッ
さやか「うん!」
終わり
乙
どうやら俺が書くと最後はこうしたほのぼのエンドを迎える以外はないらしい
素晴らしい
おまいは優しいヤツなんだよ
乙乙
むしろこういう最後を見たかった
乙
Entry ⇒ 2012.02.11 | Category ⇒ まどかマギカSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
一方通行「過去に戻れる、だとォ…?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1328012983/
一方通行「知らねェ」
芳川「ねえねえ一方通行。一緒に晩酌しない?」
一方通行「しねェ」
番外個体「ちょっとアナタ、ミサカ片腕使えないんだから一緒にお風呂入って背中流しなよ」
一方通行「死ね」
黄泉川「あー! ちょっと一方通行! そっちのジャーの蓋開けるじゃん!! そのままだと蒸し過ぎに…」
一方通行「ああァァァァアアああああ鬱陶ォしィィィィイイいいいいいいい!!!!」
一方通行「あァハイハイハイこれでいンですかァ!?」カパッ
一方通行「なァンで炊飯ジャーからかに玉が出てくンだコラァァアアア!!!!」
黄泉川「ってゆーか桔梗! 未成年に酒進めちゃだめじゃん!!」
芳川「はいはい、愛穂は相変わらず固いわねえ…」
黄泉川「こちとら一応教師じゃん」
番外個体「なになに? ミサカのこの魅力的なボディを前に理性を保つ自信が無いのかにゃー?」
一方通行「そォいうセリフはせめて二桁の年になってから言え」
番外個体「ぶー。ミサカもうとっくに大人の体だっての。生理来てるし」
一方通行「黙れ」
打ち止め「ミサカのプリンーーー!!!!」ポカポカポカポカ!
一方通行「知らねェっつってンだろまとわりつくなクソガキッ!!」
一方通行「……寝不足なンだよ」
芳川「あら、珍しい。どうして?」
番外個体「そりゃーミサカ達みたいな魅力的な女に囲まれてちゃ、ねえ?」
一方通行「そンな事情は欠片もねェから安心しろクソガキ」
番外個体「ミサカとしては多少の情事はどんとこいなんだけどね」
黄泉川「イチ教育者としてそれは許すわけにはいかないじゃん。で、ホントのとこはどうなんだ?」
黄泉川「環境に問題があるなら改善するから言ってみるじゃん?」
打ち止め「プリン……」ションボリ…
一方通行「……別にそんな大層な理由なンぞねェよ」
一方通行「……ただ、最近ちょっと嫌な夢を見るだけだ」
一方通行「お前はマジで一回喋れなくすンぞ物理的に」
芳川「学園都市第一位の頭脳が見る夢、ねえ……」
黄泉川「どんな夢なんじゃん?」
一方通行「言うかボケ」
番外個体「あ、やっぱやらしい夢だ。それで第一位様は夜な夜な汚れたパンツを洗っていたために睡眠不足と」
打ち止め「そういえば夜中に洗面所でバシャバシャやってたあなたを見たことあるよ、ってミサカはミサカは報告してみる!!」
番外個体「えっ」
芳川「……」
黄泉川「……」
一方通行「いらンこと言うなクソガキそりゃ本当に手を洗ってただけだテメエらその生温い目をやめろコラァァアアアアアア!!!!」
黄泉川「あ、一方通行どこ行くじゃん!? もうご飯出来るじゃんよ!」
一方通行「……すぐそこのコンビニ。5分で戻る」
番外個体「夢の追求を恐れて逃げたねあれは」
芳川「隠せば隠すほどこういうのは誤解されちゃうのにねぇ……」
芳川(……或いは、誤解されてでも話すわけにはいかない内容なのか)
打ち止め「あー!!」
芳川「ど、どうしたの?」
打ち止め「プリンお願いしとけばよかったー!! ってミサカはミサカは自身の不手際にうぎぎぎぎぎーーー!!」
一方通行の手に提げられたビニールがガラガラと音を鳴らす。
その中身は、大量の缶コーヒーと、三個入りのプリンが二パック。
一方通行「……ったく、気ィ抜きすぎだっつの。何で本音語っちまうかねェ……」
夢。悪夢。
打ち止めの言葉に、一方通行は手を洗っていただけだと反論した。
事実、その通りだったから。
彼はただただ手を洗っていたのだ。
夢の中でこびりついた血を洗い流すように。
たったひとつの理由のために。
ただ自分のためだけに。
夢。悪夢。
少女の腕をもぎ取って、少女の腹を貫いて、少女の頭を踏み砕く。
凄惨な、直視できない、血にまみれた真っ赤な悪夢。
―――違う。それは過去。紛れも無くかつて存在した現実。
一方通行の脳裏に刻まれた、記憶に過ぎない。
一方通行(……俺ァ、どうして)
夢を見て、思い出して、当然また眠りに落ちることなど出来なくて。
つらつらと考えた末に出てくるのは、いつも自分への疑問。
あんなことをして―――どうして自分は今こうして『彼女たち』と過ごすことが出来るのか。
どのツラをさげて―――
一方通行「―――ッ!!!!」
ダン、と思い切り地面を踏みつけていた。
思考の末にたどり着くのはいつもこの結論で、そのたびに一方通行は耐え難い衝動に襲われる。
「ここは恩人の家だから」、彼がそんな良識を獲得していなかったなら、黄泉川の洗面所のガラスはもう何枚目になっていただろう。
第一位の能力を発揮できない今の一方通行は、当然地面を砕くこともできず、ただ足の裏にジンとした痛みを感じていた。
足元に色濃く落ちた影に気づき、空を見上げた。
満月。
一方通行は。
一方通行(そういや、あの馬鹿が俺を止めてくれたのも……)
こんな夜だったな。と、そんなことを思い出していた。
??『くだらねぇ実験なんざやめろ。どうせてめえは無敵なんかにゃ届かねぇ』
一方通行「…?」
思い出したのは、夢の中でいつも聞こえてくる言葉。
??『なんでもすぐに投げ出しちまうてめえは実験だって途中で投げ出すさ。それで、その後に残るのは――』
一方通行(……これは、アイツの言葉じゃねェ。これは、一体何だ?)
一方通行(俺が物事を忘れるなンて有り得ねェ。だからこれは俺の脳みそが勝手に作り出した幻想に過ぎねェ)
一方通行(だが、もし、あの馬鹿より前に俺をこうやって止めてくれた奴がいたとしら―――)
―――俺はどうしてそこで止まれなかった?
「こんばんは。学園都市第一位、一方通行<アクセラレータ>。お目にかかれて光栄の至りだ」
満月を背にして、電柱の上に誰かが立っていた。
長いブロンドの髪が月明かりを反射する。
ひらひらしたワンピースが夜風に揺れている。
一方通行「……女? しかも、ガキか……」
少女「ガキとは心外だな。これでも私は同年代の子達に比べれば成熟しているつもりだが」
一方通行「ンなこたァ心底どォでもいいンだよ。質問はひとつだ」
一方通行「テメエは、何モンだ?」
少女「ふむ、故あって名前を教えるわけにはいかないんだが、これだけは誓おう。私はあなたの敵ではない」
少女「いや、むしろ、私は私こそがあなたを真に救うことができる救世主だと信じている」
一方通行「……あァ? 何言ってやがンだクソガキ」
少女「私が救おう。一方通行、あなたを、『絶対能力進化計画』の亡霊から」
バチン、と一方通行はチョーカーのスイッチを入れる。
学園都市第一位の能力を開放した、完全戦闘モード。
対する少女は飄々としたまま続ける。
少女「勘違いはしないで欲しいな。それに、その力を私に向けるのをやめて欲しい」
少女「私はしがないただの少女だよ。そんな殺意をぶつけられては怯えて足が震えてしまう」
一方通行「『絶対能力進化計画』なンてモンにたどり着けりゃ立派なレディだ。認めてやるよ。テメエは極刑に値すンぜ」
少女「おしっこ漏らしちゃう」
一方通行「………」
少女「やあ、ありがとう。そうやって殺意を解いたまま私の言葉に耳を傾けてくれ」
少女「でも、私の能力をあなたに教えることは出来る。そうしなければ、あなたの信頼を勝ち取ることは出来ないだろうから」
少女「それでは開陳しよう。私の能力名、それは『時間跳躍(タイムジャンパー)』」
少女「『現在』と『過去』を自由に行き来できる能力だ」
一方通行「なっ……!?」
一方通行「……ありえねェ」
少女「しかし事実だ」
一方通行「もしそンな能力の持ち主がいたら学園都市が―――いや、世界がそいつを自由にするわけがねェ」
少女「そうだよ。だから私も完全に自由という訳ではない。学園都市の秘蔵も秘蔵っ子、それが私というわけだ」
少女「まああなた達にならって『時間跳躍』なんて名乗ってみたけど、実のところ私のこれは君たちの言う『超能力』とはまた別種の力さ」
少女「だから、レベルなんて括りで私を表すことはできない」
少女「……信じられないって顔だね」
一方通行「信じる方が馬鹿だろォが……」
少女「一方通行。君の家に誰もいなかった時間はなかったかい?」
一方通行「……5時」
少女「了解」シュンッ
少女「ただいま」パッ
少女「これなーんだ?」
少女の右手には「打ち止めの」とマジックで書かれたプリンが握られている。
一方通行「それは…ガキが無くなったって騒いでやがった……!!」
少女「これで信じてもらえたかな?」
一方通行「……」
少女「もちろん、これは私が前もってあなたの家に入って盗んだもので、私は今テレポートで隠していたこれを取りに行っただけかもしれない」
少女「信じるか信じないかは結局のところあなた次第。でも、信じてもらえたなら、私は、この力をあなたのために使うことを約束する」
少女「ねえ、一方通行」
少女「『絶対能力進化計画』を無かったことにしたくない?」
少女「あなたは苦しんでいる。一万人を殺した罪悪感で。あなたは許せずにいる。それでものうのうと幸せを享受している自分を」
少女「私があなたについて、『絶対能力進化計画』について知っているのはこの能力の力」
少女「過去と現在を自由に行き来できるということは全ての歴史を検閲出来ることに等しい」
少女「私はたくさんの人間の物語を追ってきた。その中でも、あなたは格別」
少女「初めて私が、自分の能力を誰かのために使いたいと思った」
少女「私なら、あなたを幸せにしてあげられると思った」
少女「幸せにしてあげたいと思った」
少女「もし、あなたが絶対能力進化計画を無かったことにするというのなら。かつて殺した一万人が笑顔で生きている未来を望むなら」
少女「今、この場で私の手を取ってほしい」
少女「先にあなたの懸念をいくつか消しておいてあげる」
少女「もし仮に、計画が初期の段階で止まったとしても、『妹達』はちゃんと二万体まで生産される」
一方通行「何ィ…?」
少女「『妹達』があなたの『絶対能力進化計画』に流用されたのはあくまでおまけ。アレイスターにはどうしても規定数の『妹達』を生産しなきゃならない理由があるのよ」
一方通行「……テメエは本当に一体何モンだ」
少女「名乗るべき時が来れば名乗るわ。今はただの少女よ」
少女「私の『時間跳躍』は完全な過去改変を可能にする。過去の改変による、現在の変革を可能にする」
少女「つまり、もしあなたが『絶対能力進化計画』を無かったことにすることに成功したなら」
少女「あなたが『現在』に戻ってきたとき―――『絶対能力進化計画』が存在した先である『今』は消えて、変わってしまっている」
少女「あなたのそばに『打ち止め』はいない」
少女「その代わりに、死んだはずの一万人が生きて―――笑っている」
少女が手を差し出す。
一方通行は―――
番外個体「……からかいすぎたかな?」
芳川「……」
黄泉川「……ったく、もうすっかり冷めちゃったじゃんよ」
一方通行「がァふ…!」ドシャァ!
少女「あ」
一方通行「……」ピクピク…
少女「しまった忘れてた。そりゃこの時はまだミサカネットワークなんて確立されてないんだから一方通行は活動出来なくなっちゃうよね」
一方通行「……」ピクピク…
少女「あ、やばい。早くしないと『この時代』のあの人が来ちゃう」
少女「ふぅ、これでよし。勝手にだけど、あなたのチョーカーをこの時代使用に変えさせてもらったよ」
一方通行「どうやって…!」
少女「未来では一万人の脳の補助によってあなたの脳の機能を賄っていた。その補助の役割を、この時代のコンピューターに切り替えただけ」
一方通行「オマエは本当に何モンなんだよ…」
少女「『時間跳躍<タイムジャンパー>』に不可能は無いのだ」
少女「あ、でも能力使用時の膨大な演算処理までは賄えないよ。そんなことしたら一瞬でコンピューター焼き切れちゃうから」
一方通行「うォォ!? そこ一番可能にしとかなきゃならンとこだろ!! ンなモンどうやって実験止めンだァ!?」
少女「成せば成る! 行きましょー!!」
一方通行「あと何かオマエキャラ変わってねェ!?」
少女「少しずつ慣れてきたんですよ!!」
一方通行「シレッと呼び捨てにしてンじゃねェよ」
少女「見てください、あそこ」
一方通行「……ッ!!」
スキルアウトA「ひ、ひぃぃぃ!!」
スキルアウトB「ぎゃばぁ!!!!」
一方通行(過去)「あぎゃァっはっはっはァァーーーーッ!!!!」
少女「この時代のあなたです」
一方通行「……調子乗ってやがンな、あのクソガキ」
少女「クソガキって、あれはあなた自身ですよ」
一方通行「まさしく自己嫌悪って奴だ、反吐が出る。蟻ンコいたぶって喜ンでンじゃねェよ……」
一方通行「今すぐ出ていってシバキ回してやりたいトコだがなァ……」
少女「逆にあなたがシバキ回されるでしょうね」
一方通行「今は何月何日だ」
少女「○月×日ですね」
一方通行「ちっ、時間はねェな。確か実験の声がかかンのがその辺だったはずだ」
少女「改めて聞きますが、どうします?」
一方通行「取り敢えず止めるしかねェだろ」
一方通行「直接。オイ! そこの最強気取りのクソ坊っちゃンよォッ!!」
一方通行(過去)「あァ?」
少女「ほわぁーーーー!!!!」ガバァッ!
一方通行「うごッ!!」ドタン!
過去通行「ン~? この俺に向かって随分愉快なクチ聞きやがるヤロォが居たと思ったが、気のせいか……」
一方通行「何しやがる!!」
少女「シー!! 何考えてるんですか!! 過去の自分との直接接触なんて禁止に決まってるでしょ!!!!」
一方通行「は、はァァ!!?」
少女「この時代のあなたが今ここにいるあなたを認識してしまった場合、二人とも爆裂して死にます」
一方通行「はァァァァァァアアアあああああああああああああああああああ!!!!!!!!??????」
少女「それが世界の理です」
一方通行「俺がどンな決意でこの時代に戻ってきたと思ってンの!?」
少女「それでも私は、あなたはやり遂げることができると、そう信じています」
一方通行「何その綺麗な瞳ッ!! そォいうのマジいらねェンだよォォおおおおおお!!!!!」
少女「とにかく、何か方法を考えましょうよ」
一方通行「つっても、時間はねェ。まず、今ここで、奴に接触するしか第一次実験を止める手立てはねェ」
少女「では、あれを使ってはいかかでしょう?」
一方通行「……マジかよ」
過去通行「……」ピタッ
過去通行「……カカッ、いいねェ。やっぱ聞き違いじゃ無かったンかよ。最強気取りってこたァ、俺のことを知ってるってことだよなァ」
過去通行「それでも俺にそンなクチ聞きやがる愉快野郎は今までちょっと会ったことねェぞォ!!」クルッ
一方通行「……」
過去通行「……」
一方通行「……」←ゲコ太の被り物してる
過去通行「イヤ、マジでこンな愉快な奴会ったことねェわァ……」
過去通行「ンで? テメエは何なのよ? 俺を笑い死にさせようって魂胆かァ?」
一方通行(ゲコ太)「いいか、一つだけ教えてやるよ。利口な利口な第一位ちゃン」
過去通行「あァ?」
一方通行(ゲコ太)「今日、あと数時間もしねェ内にオマエに声をかけてくる奴らが現れる」
一方通行(ゲコ太)「そいつらの口車に乗るな。乗せられて、安い幻想を抱くな。誓え」
一方通行(ゲコ太)「オマエは、誰も殺すンじゃねェ」
過去通行「………」
過去通行「ウゼェよ。何様だテメエは」
少女「目が覚めました?」
一方通行「……ッ!? 夜!?」
少女「はい。あなたは過去のあなたに吹き飛ばされ、今まで気を失っていました」
一方通行「じ、実験は……!」
少女「その結果が、今出るようです」
一方通行「………」
一方通行「……ッ!!」
過去通行「………」フラ…
一方通行「何て顔……してやがる……」
過去通行「コーヒー買って……サッサと寝るとすっかァ……」
過去通行「……」
過去通行「……またテメエかよ」
一方通行「……この、馬鹿野郎が」
過去通行「はァ?」
一方通行「殺すなって、言っただろォがァ!!」
過去通行「……何か色々知ってるみてェだけどよォ。人聞きの悪ィこと言ってンじゃねェよ」
過去通行「俺は人殺しなンてしてねェ……俺がしたのは、ただの『処理』だ」
一方通行「そォやって割り切ることが出来ねェのは、テメエが一番わかってるだろォが」
過去通行「……あァ?」ピクッ
一方通行「オマエはまず大量に買ってきたコーヒーをかっくらう。ケッ、酒飲ンで酔って誤魔化すことも出来ねェのさ。ホントにただのクソガキだ」
一方通行「好物飲ンで、多少落ち着きを取り戻して、オマエはそのままウトウト眠るのさ」
一方通行「そして、起きる。夢を見て、起きる」
一方通行「そしてオマエは手を洗うのさ。落ちないことなんて分かってンのに、いつまでもいつまでも洗ってンだ」
一方通行「そして、最悪なことにオマエは泣く。ポロポロ泣いて、もう嫌だと―――」
一方通行「――――??」
一方通行(もう、嫌だと―――?)
過去通行「ウルッセェエエえええええええええええええ!!!!!!」
一方通行「!!」ハッ
一方通行「オマエ……!」
過去通行「もォいい喋ンな口を開くな、テメエの声はどこまでも癇に触るンだよォォオオオおおおおおお!!!!」
一方通行「く……!!」
ズズ……ン……!!
一方通行「チ…またかよ……」ムクリ…
一方通行(能力が無きゃァ、ホントにただのクソガキだな俺ァ…『アイツ等』みてェに、体一つで何かを為すことなンて出来やしねェ)
少女「…彼は、あなたは、止まるでしょうか?」
一方通行「さァな」
少女「あなた自身のことなのに?」
一方通行「この時の俺がどンな精神状態だったかなンて覚えてねェよ」
一方通行「覚えてりゃもう少し……」
一方通行(待て…何で俺はこの時期の俺の気持ちを思い出せねェンだ?)
一方通行(俺は一方通行だぞ? 『俺が物事を忘れるなンて有り得ねェ』…!)
少女「思索に耽っているところ申し訳ないですが」
一方通行「!!」
少女「彼が、いえ、あなたがやって来ましたよ。二度目の実験を行うために」
一方通行「……オイ、俺は何時間寝てた……?」
少女「丸一日ほど。起こそうとはしましたが、起きませんでしたので」
一方通行「く……!」
少女への怒りも、先ほど頭を渦巻いた疑問も、今は置いておく。
目の前を歩む過去の自分は、これから二度目の実験へ向かう。
それだけは止めなければ。
ここで止めなければ、彼はもう戻れなくなる。
それだけは、覚えているから。
初めて自分の意思で『彼女』を殺した瞬間のことだけは、絶対に忘れないから。
一方通行「止まれ」
過去通行「よォ…生きてたンかよ。そりゃ何よりだったなァ」
過去通行「イヤァ…悪ィが通してもらうぜゲコ太君。俺にはやらなきゃなンねェコトがあるンでな」
一方通行「テメエ……!」
過去通行「問答もしてやンねェよ。教えてやるケド、俺ァ忙しいの。被りモンして遊ンでるテメエとは違ェンだよ」
一方通行「何故…何故わからねェ…」
過去通行「あ?」
一方通行「くだらねェ実験なンざやめろ。どォせテメエは無敵なンかにゃ届かねェ」
一方通行「なンでもすぐに投げ出しちまうテメエは実験だって途中で投げ出すさ。それで、その後に残るのは――」
一方通行「――――ッ!!!!????」
一方通行(今の――言葉は―――!!!!)
少女「………」
過去通行「俺は誰の指図も受けねェ。俺の行動を決定出来るのは、俺だけだ」
過去の一方通行が、今の一方通行の傍を通り抜ける――その刹那。
過去の一方通行の手が、今の一方通行の体にふれ――その自由を、一瞬で奪った。
一方通行「か…は…!」
過去通行「だがまァ……多少参考にはなった。礼だきゃ言っといてやるぜ」
少女「……!」タタタッ!
過去通行「……連れがいたンかよ。だったらさっさとそのゲコ太を病院に連れて行ってやれ」
一方通行「か…ふ…」
少女「……立って」
少女「立って!!!!」
少女「変えてください…過去を…未来を!!」
一方通行「お…まえ……」
少女「変えられなかったんです! 今まで、私の『時間跳躍』で過去を変えることなんて出来なかった……」
少女「あなたが今まで失敗し続けたように、過去を変えようとしても必ず世界からの修正を受ける」
少女「でも、あなたならって思った! あなたなら、出来るって……」
少女「人生は、やり直すことが出来ると証明してくれるって!!」
一方通行「が…ぐ…!」
少女「立って…『一方通行<アクセラレータ>』!! 立って、あなたの過去を塗り替えて!!」
過去通行「何ッ!?」
能力使用モード、ON。
コンピューターが焼き切れるのは一瞬。
能力が使えるのは、一瞬。
だが、それで十分。
一方通行「闇なンぞに行かせやしねェぞ、三下がァァァアアああああああああああ!!!!」
過去通行「……馬鹿が! デフォじゃ」
一方通行「『反射』だよなァ!! 知ってるよ、誰よりもよォ!!!!」
『今』の一方通行の手が、過去を掴む。
過去通行「……テメエ!! 俺の能力に干渉を…」
一方通行「演算の上書き対決だ。ケド、悪ィなァ……」
一方通行「これでもこちとら、成長してんだよォ!!」ゴォッ!
一人は渾身の一撃をその身に受けて。
一人は、その身を支える術を失って。
過去通行「が…か…!」
一方通行「く…か…!」
すたすたと、二人の一方通行に少女が歩み寄る。
少女「おめでとうございます、一方通行。といっても、もう人語を理解することは出来ないでしょうが」
少女「さて、忘れないうちにこの時代の一方通行の記憶をいじっておきましょうか」
少女「記憶は消えても、無意識に深く刻まれた敗北感は消え去らない」
少女「その敗北感は、『無敵』への更なる渇望を生み――その渇望がどういった結果を招くのか、それはあなたがよく知っている通り」
少女「これにてあなたの『今』は確定しました。プラン5032完了です」
一方通行「……オイ」
少女「状況を説明しましょうか? あなたは見事過去の自分を討ち果たし、『現在』へと帰還したところです」
一方通行「……オイ…!!」
一方通行の手が己の首元に伸びる。
その指が、演算補助のチョーカーに触れる。
一方通行「何でコレがまだ俺についてる…! 過去は変わったはずだ。なら今も変わったンじゃねェのか!?」
少女「つまり変わってないってことですね。簡単なことです」
一方通行「な…! ふざけ…!! ……!! なら、もォ一度だ!! もォ一度…」
少女「いい加減気づいても良さそうなものだけど」
少女「過去を変えることなんて出来るわけないじゃない。馬鹿じゃないの?」
少女「過去というのはあなたが過去を変えようと過去に戻ることまで含めて過去なんですよ」
少女「つまり、今この時のあなたが過去に戻って行動を起こす……それを今のあなたは過去で経験しているんです」
少女「あなたは、今ここにいるあなたは、過去にゲコ太の被り物をしたおかしな奴に出会っていた」
少女「おわかりですか?」
一方通行「だが……俺にその記憶はねェ……」
少女「あ、それは私が細工しました。ごめんなさい」
少女「もちろん、あなたを無敵にしたかったわけじゃないですよー。そんなん無理だとわかっていますし」
少女「肝要なのは『妹達』を大量生産するための口実をでっち上げることです」
少女「彼女たちが――ミサカネットワークがどれほど重要なものかは、『ドラゴン』にたどり着いたあなたなら薄々勘づいているとは思いますが」
少女「やっぱ『妹達』だけ一万規模で生産したら勘のいい奴は感づきますからねー」
少女「言うまでもなくあなたです。一方通行」
少女「あなたは笑えることに、本当に笑えることに、とてもとても優しかった」
少女「一体目の『妹達』を過失で殺してしまってあなた、本当は泣いてたんでしょう?」
少女「そして、本当は二体目の実験にかかる前に研究所を潰すつもりだった。本当なら『最強』である自分で満足しようと、妥協することが出来ていた」
少女「本当なら―――ね」
少女「あとはもう説明しなくてもわかるでしょうし、実のところ思い出してきてもいるのでしょう? あなたの記憶にロックをかける意味はもうありませんしね」
一方通行「肉片になれコラァ!!」ドゥッ!
少女「ふふっ」スカッ
一方通行「な…触れねェ…だと……?」
少女「お別れだよ、一方通行。だけど、その前に――最後に私の名前を教えようか」
そう言って、少女は―――いや、もう一方通行には『ソイツ』が少女だとは思えない。
かといって、男なのか、女なのか、はたまた少女か、老人か―――一方通行にはもうまるきりわからない。
そして少女は、いや、男にも女にも、子供にも老人にも、聖人にも囚人にも見える『ソイツ』は笑ってその名を告げた。
「面と向かって名乗るのは初めてだな。私は、アレイスター。アレイスター=クロウリー」
アレイスター「君は自覚しなくてはならない」
アレイスター「打ち止めと、それを取り巻く今の環境を、君は一度捨てたのだ。それも、自分のために」
一方通行「黙れ!! 黙れェェェえええええええ!!!!」
アレイスター「彼女たちのため? 違う。殺された一万人のため? 断じて違う」
アレイスター「君は君のために、ただ罪悪感に耐えられず、悪夢から逃げ出すために、そんな綺麗事を言って彼女たちを捨てたのだ」
一方通行「違う! 俺は…! 俺は……!!」
アレイスター「私はいつでも君を見ている。本当に見ものだよ。これから君が彼女たちとどう接していくのか」
一方通行「おァァァァアアアアあああああああ!!!!」
エイワス『彼には少々かわいそうなことになったな』
アレイスター『現在は全ての過去の積み重ねだ。過去を否定するということは、今の自分を否定することにほかならない』
アレイスター『私がこの術式を身に付けたのは既に200年ほど前になるが、これまで一度として自身の過去を変えようとしたことはない』
アレイスター『彼はそれがわかっていなかった。当然の報いと言えるだろう』
エイワス『そう仕向けたのは君ではないか。人でなしめ』
アレイスター『心外だなエイワス。私は誰よりも”人間”のつもりだよ』
アレイスター『そうしなかった理由は三つある。ひとつは当時の彼に”もうひとつの法則”に触れさせる訳にはいかなかったこと』
アレイスター『もうひとつは今現在の彼に、私に対して苛烈な敵愾心を抱かせる必要があったこと。彼はまだ規定のレベルに達していない。今のようなぬるま湯に浸っていたままでは困る』
アレイスター『最後の理由だが―――これがもっとも大きな理由なのだが』
アレイスター『それでは、私がつまらないだろう?』
エイワス『やれやれ、やはり君は”人でなし”だよ。アレイスター』
終わり
はっきりいって大失敗
寝ます
でも一方さんなら過去に戻れるって言われても罪から逃げるつもりはねェとかなんとか言って断りそう
Entry ⇒ 2012.02.10 | Category ⇒ 禁書目録SS | Comments (1) | Trackbacks (0)
ちなつ「あんなに愛を誓いあったのにぃ」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1328182903/
- 3分経過 -
あかり「は?」
ちなつ「だからぁ」
ちなつ「あかりちゃんの彼女になることにしたの」
あかり「な、なんでっ!?」
ちなつ「将を射るにはまず馬を射るとか言うでしょ?」うふ
あかり「わ、わけがわかんないけど」たじっ
ちなつ「まずあかりちゃんから攻略しないといけないの」えへ
あかり「で、でもそれだと」
あかり「結衣ちゃんのハート射とめたら、あかりはどうなるの?」
ちなつ「もちろん、さよならに決まってるじゃない」
あかり「あかり、ポイ捨て!?」がーんっ
ちなつ「だって王子様を捨てて、馬とつき合う人なんていないでしょ?」
あかり「それ、ほんとの馬扱いだよねぇ!?」
ちなつ「あかりちゃん、つき合おうよぉ」にこっ
あかり「そもそも、あかり達って女のコ同士だよ!?」
ちなつ「そんなの関係ないよぉ」
あかり「絶対、そう思ってないよねぇ!?」
ちなつ「ちっ、意外に強情だな」ぼそぉ
あかり「あ、あれれ?また聞いちゃいけないこと聞こえちゃったなぁ」
あかり「な、なに?」
ちなつ「キス、しよっか」
あかり「なんでそうなるのっ!?」
ちなつ「体から入る恋愛もあるよぉ」じりっ
あかり「ちなつちゃん、目つきがおかしいよ!?」
ちなつ「大丈夫、あかりちゃんは目を閉じてるだけでいいからぁ」じりじりっ
あかり「ちょ、ちょぉぉぉ!?」
京子「うわっ、びっくりした!」
結衣「ど、どうしたの?あかり」
あかり「はっ!?」きょろきょろ
あかり「ゆ、夢かぁ」ほっ
結衣「よっぽど怖い夢だったんじゃない?」
あかり「えっと、その」
あかり「忘れちゃったぁ」えへへ
あかり(あかりは、ファーストキスを奪われて以来)
あかり(ちょっと、ちなつちゃん恐怖症だったりします)ずーんっ
ちなつ「遅くなりましたぁ」
京子「ちなつちゃーん、待ってたよー」
ちなつ「京子先輩は待たなくていいです」
京子「ちっ、また結衣か」ぶーっ
結衣「ちょっと、京子」
ちなつ「あかりちゃぁん」
あかり「へ?」
ちなつ「置いてくなんてヒドいよぉ」
ちなつ「チーナ、寂しかったんだからぁ」うるる
あかり「えぇぇぇぇぇ!?」
結衣「なんか新鮮な展開だね」
あかり「な、なにこれ、ドッキリかなにか?」
あかり「か、カメラはどこにあるの?」きょろきょろ
ちなつ「ドッキリなんてヒドいよぉ」うるる
京子「おおー!ちなつちゃんの泣き顔色っぽい!」
あかり「なんかってなに!?」びっくぅ
京子「襲ったとか」
あかり「あかりが、するわけないじゃん!」
結衣「でもちなつちゃん、いつもと様子が違うよね」
あかり「結衣ちゃんまでっ!?」
あかり「えぇぇぇぇぇ!?」
京子「あかりじゃ君を満足させられない、わたしが・・・」
ちなつ「いりません」きっぱり
京子「うぅ」ずずぅん
結衣「ちょっと、あかり」ひそ
あかり「ゆ、結衣ちゃん、なに?」
結衣「こっちから、ちなつちゃんの頭を見てみな」ひそ
あかり「!?」
結衣「もしかして、前に京子がなったやつと同じかも」ひそ
あかり「性格とか変わっちゃうやつだよねぇ?」ひそ
ちなつ「あー!なんか内緒話してるぅ」
あかり「ひぃ!?」どっきーん
ちなつ「まさか、結衣先輩と浮気なんかしてないよねぇ?」ぎろっ
あかり「えぇぇぇぇぇ!?」
ちなつ「つき合って、ない?」がっくぅ
あかり「ちなつちゃん!?」
ちなつ「ヒドい、ヒドいよ、ファーストキス奪ったくせにぃ」あぅぅ
あかり「奪われたの、あかりだよねぇ!?」
ちなつ「あんな情熱的なキスしておいて、つき合ってないなんてぇ」
あかり「だから、されたのあかり!あかりだから!」
あかり「ちょぉぉぉ!誓い合ってないよぉ!」
結衣「ちょっと、あかり」
あかり「結衣ちゃんは信じてくれるよねぇ!?」
結衣「そうじゃなくてさ」
あかり「へ?」
結衣「いまは話を合わせないと」ひそ
結衣「ちなつちゃんを落ち着かせないと、どうしようもないよ?」ひそ
あかり「で、でもぉ」
ちなつ「また内緒でお話しぃ?」ゆらぁ
あかり「わひゃぁ!?」
ちなつ「浮気は許さないよ?」
ちなつ「結衣先輩も、あかりちゃんに手を出したら」ゆらぁ
結衣「出してない!出してませんっ!」
あかり「あははは、はは」ずずぅん
結衣「お、お似合いだよ二人とも」
京子「なんで頭打っても、相手はわたしじゃないんだー」ぼそぉ
結衣「こ、こら、京子」
京子「もう勝手にやってるがいいさー」ぶーっ
結衣「だ、だめだ、京子はもう頼りにならない」がっくり
千歳「娯楽部もいま帰りなん?」
京子「あー、千歳かー」ぼーっ
綾乃「ど、どうしたのよ、歳納京子?」
結衣「いや、いろいろとあって」あはは
千歳「いつもとなーにか違う気がするんやけど、なんやろぉ」
千歳「赤座さんと吉川さん、腕なんか組んでどうしたん?」
あかり「いえ、これはですねっ」
ちなつ「恋人だから腕を組むなんて当たり前なんですぅ」
あかり「あぅぅ」げっそり
千歳「こ、恋人っ!?」
あかり『こっちにおいで、ちなつ』
ちなつ『もう、こんなところで恥ずかしい』ぽっ
*・゜゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*
千歳「はぁぁぁぁぁ///」たらーっ
綾乃「ちょっと千歳ぇ!」
結衣「き、京子と綾乃以外でも、妄想出来るんだ」
千歳「割といけるもんやねぇ」あははぁ
結衣「そうみたいなんだよ」ひそ
千歳「いろいろ大変なんやねぇ」ひそ
綾乃「で、歳納京子の機嫌悪いのはどうしてなの?」
結衣「京子は放っておいてあげて」はは
京子「ぶーっ」
綾乃「そ、そうする」
綾乃「ちゃんと真っ直ぐ帰りなさいよ、歳納京子ぉ!」
京子「へいへーい」ぶっすぅ
千歳「赤座さんも頑張ってなぁ」
あかり「あ、ありがとうございます」
ちなつ「あかりちゃん、頑張ってなにするのぉ?」きゃー
千歳「はっ!?」
あかり『ちなつが可愛いからいけないんだよ』
ちなつ『もう、激しいんだからぁ』
*・゜゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*
千歳「ぶっはぁっ!///」ぶばっ
綾乃「また!?」
あかり「そ、そうだね」
あかり「ていうか、ちなつちゃん、家こっちじゃないよねぇ」
ちなつ「チーナ、あかりちゃんと離れたくないもん!」
あかり「あぅ」ずずぅん
あかり「ゆ、結衣ちゃあん」おろおろ
結衣「いまは我慢だよ」
あかり「京子ちゃあん」おろおろ
京子「そのまま結婚しちゃえばー?」ぶっすぅ
あかり「う、うん」
結衣「というわけで、いまは帰るね」
あかり「え?」
京子「じゃーなー」
あかり「え?」
ちなつ「あかりちゃん、二人っきりだね」にっこり
あかり「え?」
あかり「えぇぇぇぇぇ!?」
あかり「あかりの家!?」
ちなつ「うん♪」
あかり「ききき、今日は誰もいなくて、おかまいもできませんので!」
ちなつ「誰も・・・いない?」
あかり(しまったぁぁぁぁぁ!)
ちなつ「今日はなにがなんでも、お邪魔したいなぁ」にやぁ
あかり(ひぃぃぃ!?)
あかり(うぅ、断れる勇気が欲しいよぉ)がっくり
あかり(せ、せめてあかりの部屋に入れるのは阻止しないと)
あかり(なんかものすごく危険な気がするっ)
あかり「とりあえず、リビングでお茶・・・」
ちなつ「あかりちゃんの部屋はこっちだよね」すたすた
あかり「ちょぉ!待ってぇ!」
あかり「な、なんでベッドに座るのかなぁ?」おどおど
ちなつ「なんでって」
ちなつ「きゃっ!」てれっ
あかり(ななな、なにそのリアクション!?)
ちなつ「チーナの口から、そんなこと言えないっ」
あかり(どう反応しろと!?)ずずぅん
あかり「そうだ、チーナってあだ名気に入ってくれてたんだぁ」
ちなつ「当たり前だよぉ」
ちなつ「愛するあかりちゃんが付けてくれたんだもん」ぽっ
あかり(愛!?)ずがーんっ
【あかりは わだいがえ に、しっぱいした!】
もっと書きー
ちなつ「チーナって呼んで」うふ
あかり「え、ちょっとそれはっ」
あかり(こんなことならっ)
あかり(あだ名なんて付けるんじゃなかったぁぁぁ!)
ちなつ「ほらぁ、あかりちゃん」
あかり「ち、チーナ」
ちなつ「やーん、恥ずかしい」ぷるぷる
あかり(こっちが恥ずかしいよぉ)ぷしゅぅぅぅ
結衣「ちなつちゃんのことだけどさ」
京子「わたしにはカンケーないもん!」
結衣「いい加減、機嫌なおしなよ」
京子「ムリっ」ぷいっ
結衣「まったくもう」はぁ
結衣「じゃあ、言うけどさ」
結衣「あんたそれ、ちなつちゃんに出来るの?」
京子「あ、あれ?」
京子「わたし、叩かれて元に戻ったんだよね」
結衣「まあ、それはそれとして」
京子「スルー!?」
京子「こんな時にミラクるんがいてくれれば・・・」
ミラクるん『魔女っ娘ミラクるん、華麗に登場!』
ミラクるん『くらえ!ミラクるん鈍器!』どかっ
京子「よりによって、ミラクるん役のちなつちゃんがああなんて」くぅぅ
結衣「悩む方向が既に間違ってる」
京子「そうだ!綾乃にライバるんのコスプレさせてやらせよう!」
結衣「それ、ミラクるんの必殺技じゃないの?」
京子「そもそも、叩くという発想がいけないんじゃないか?」
結衣「どういうこと?」
京子「転ばせるとか」
結衣「どうやって?」
京子「コンビニでバナナ買ってくる!」ばひゅーん
ちなつ「ねぇ、あかりちゃん」
あかり「な、なに!?」
ちなつ「キス、しよっか」
あかり「ゆ、夢と同じ展開!?」
あかり「あれって、正夢だったのぉ!?」がーんっ
あかり「ちな・・・チーナに迫られる夢を見たんだよぅ」
ちなつ「あかりちゃん!」ぱぁぁ
ちなつ「夢で見ちゃうほど、チーナを好きなんだぁ」きゃー
あかり「ち、ちがっ」
ちなつ「もうキスするしかないよぉ」じりっ
あかり「ちょぉぉぉ!待ぁぁぁぁぁ!」
あかね「あかり、いる?」
あかり・ちなつ「!?」びっくぅ
あかり「お姉ちゃん!?」
あかね「あ、ごめんね、お友達来てたのね」
ちなつ「お、お邪魔してますぅ」
あかね「後でいいわ、大した用事じゃないから」
あかね「ごゆっくり」にっこり
ちなつ「ちっ」
あかり「し、舌うちが聞こえちゃってる気がするなぁ」
あかね(胸騒ぎがして、速攻で帰って来たけど)
あかね(わたし、グッジョブ!)ぐっ
あかね「監視も兼ねて、お茶でも入れてあげようかしら」
あかね「わたしって、なんて妹思い♪」
【あかねの いもうとおもい は、ほうこうせいがちがった!】
あかね「ねー、笑っちゃうでしょ?」
ちなつ「あ、あの、お姉さん」
あかね「なぁに?」
ちなつ「お姉さんも忙しいでしょうし、気を使っていただかなくても」にっこり
ちなつ(つーか、気を使えっつの)
あかり「な、なんか黒いオーラが見える気がするよぅ」びくびく
あかね(1秒でも早く帰ればいいのに)
あかり「お姉ちゃんからも黒いオーラが!?」
ちなつ・あかね「おほほほほほ」
あかり「ひぃぃぃぃぃ!?」
ちなつ・あかね「おほほほほほ」ごごごごごっ
ぴんぽーん
あかり「はーい」
がちゃ
京子「あかりぃ!ばななー!」どんっ
あかり「え、京子ちゃん意味わかんない」たじっ
あかり「二人とも心配で来てくれたの?」
京子「当たり前じゃんっ」
京子「で、ちなつちゃんは?」
あかり「ち、ちなつちゃんが心配で来たんだね」ぴくぴく
京子「いちおう、あかりも心配ー」
京子「まさか、ちなつちゃんをキズものに!?」
あかり「してないからっ!!!」
結衣「よく大人しく帰ったね」
あかり「お姉ちゃんが帰ってきたから」
結衣「なるほど」
結衣「あ、あかり、いったいなにが」
京子「とりあえず、作戦考えてきたよー」
あかり「ほんとに!?」ぱぁぁ
京子「名付けてっ」
京子「すてーん・ごちーん・あら戻った大作戦!」きりっ
あかり「あぅぅ」ずずぅん
結衣「たぶん、反応したら負けだよ」
京子「わかりやすいの考えたのにー」ぶーっ
あかり「それで、どういう作戦なの?」
京子「あかり、手に持ってるものを見てみるんだっ」
あかり「バナナ、だよね」
京子「その通りっ」
あかり「まさか、バナナの皮で転ばせるだけとかないよね」あはは
あかり「なんで黙るのっ!?」
京子「いや、これはバナナでビタミン摂ってもらおうと思って」
あかり「それ、絶対いま考えたよねぇ!?」
京子「ほ、ほら、皮をむいたら中身だけ切れてましたーみたいな」
結衣「手品やってどーする」
あかり「えぇぇぇぇぇ?」
結衣「すごい苦し紛れだな」
京子「皮しか使わないからいーじゃん」ぶーっ
あかり「結局、皮で転ばせるだけだよねぇ!?」
あかり「帰っちゃうの!?」
結衣「あんた、逃げる気まんまんだな」
あかり「結衣ちゃんにはなにか考えがあるの?」
結衣「ごめん」
結衣「京子があまりに自信たっぷりなんで、考えてなかった」
あかり「・・・・・・」がーんっ
あかり「うぅ、バナナの皮が微妙にくさいよぅ」
あかり「でもこれで昼休みにでも転ばせないと」
あかり「またキスされるのも時間の問題だよ」うぅぅ
あかり「いってきます」
がちゃ
ちなつ「おはよぉ、あかりちゃん」にっこり
あかり「!?」
あかり(登校時間をすっかり忘れてたあぁぁぁぁぁ!)がーんっ
ちなつ「ふんふふ~ん♪」
あかり「た、楽しそうだねぇ」
ちなつ「だって、あかりちゃんと一緒だもん」きらきら
あかり(別に悪いコじゃないんだよね)
ちなつ「天気も良くて、お散歩日和だし」
あかり(可愛くて【基本的には】明るいし)
ちなつ「もしかしてキス日和だったりしてぇ」きゃー
あかり(こ、これさえなければ問題ないのになぁ)うえーん
結衣「おはよ」
あかり「京子ちゃん、結衣ちゃん、おはよー」
ちなつ「おはようございます!」
結衣「治ってないみたいだね」あはは
あかり「う、うん」ずーんっ
ちなつ「なにが治ってないんですかぁ?」
結衣「こ、こっちの話、はは」
あかり「なんかだいぶ略されちゃってるけど!?」
京子「決戦は昼休みだー」
京子「このバナナで勝利を我々のものにっ」わさっ
あかり「え?あかり昨日のバナナの皮持ってきてるんだけど」
京子「そんなくさいの、よく持てるねー」
あかり「ちょぉぉぉぉぉ!?」
あかり「ち、チーナ、そろそろ手を離さないと」
ちなつ「なんで?」きょとん
あかり「だだ、だって恥ずかしいでしょ?」
ちなつ「ぜーんぜん」
ちなつ「むしろ、見せつけてあげなきゃぁ」うっとり
あかり「見せつけっ!?」がーんっ
あかり「そうだ、こういうことは秘密にしとかなきゃだよ」あせあせ
ちなつ「ひみつ?」
あかり「そう、二人だけの秘密」あせあせ
ちなつ「ひみつ・・・ひみつ」
ちなつ「そっかぁ、恋人同士の秘密かぁ」うっとり
あかり「えぇぇぇぇぇ!?」
結衣「あかりみたいなのが嘘つくとさ」ひそ
京子「どつぼにはまるんだなー」ひそ
あかり「うぅ」たじっ
京子「なんでその潤んだ目がわたし向けじゃないんだー!」がるる
ちなつ「手を離すの我慢したら」
あかり「し、したら?」
ちなつ「キス、してくれる?」
京子「はいはい!わたしがし・・・」
ちなつ「いりません」きっぱり
京子「うぅぅ」ずずぅん
あかり「まさかの裏切り!?」
結衣「ほら、作戦は昼休みでしょ」ひそ
あかり「そ、そっか」
あかり「放課後には元に戻ってるもんねぇ」ぱぁぁ
あかり「チーナ、放課後にき、キスしようね」
ちなつ「絶対だよぉ?」
千歳「き、キス!?」
あかり『時間を気にせずにキス出来るね』
ちなつ『長い長いキスが欲しいな』
*・゜゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*
千歳「はぁぁぁぁぁ///」たらーっ
綾乃「ちょっと、朝から!?」
綾乃「まったくもう、これで拭きなさい」
千歳「おおきに、綾乃ちゃん」
千鶴「はっ!?」
千歳『勘忍やわ、綾乃ちゃあん』
綾乃『体のすみからすみまで介抱して、あ・げ・る♪』
*・゜゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*
千鶴「だだーっ」だらだら
綾乃「こんどはこっち!?」
京子「放っておこう」
結衣「ごめん綾乃、頑張って」
あかり「大丈夫かなぁ、上手くいくかなぁ」おどおど
京子「あれだけバナナの皮を撒いたら転ぶはずでしょー」
結衣「まさか、あれ全部撒いたんじゃないよね」
京子「撒いたー」
結衣「それって、けっこう目立つよね」
京子「あ」
ちなつ『まったくこんなに散らかして』
がらっ
ちなつ「バナナの皮が一杯落ちてましたけど」
ちなつ「また京子先輩ですか?」じろっ
【さくせんは、みごとにしっぱいした!】
ちなつ「あかりちゃん!?なんで白目むいてるの!?」
京子「寝てるんだよー、あははー」
結衣「そ、そっとしておいてあげて」
京子「あかり、不憫な子」ぼそ
結衣「不憫なのは、あんたの頭だよ」
ちなつ「なんで部室じゃなくて結衣先輩の家にいくんですかぁ?」
結衣「たまにはいいかなーって」あはは
あかり「ゆ、結衣ちゃんにご飯作ってもらえるし」
ちなつ「みんながいたらキス出来ないじゃない」ぼそ
ちなつ「でも待って」
ちなつ「帰り道・・・公園・・・暗がり・・・そして抱き締め合う恋人達ぃ」ぼそぉ
あかり「聞こえてる!全部聞こえてるからぁ!」がーんっ
あかり「え、どして?」
京子「あまりにも自然に手を繋いだからさー」
あかり「!?」がーんっ
ちなつ「あかりちゃんの手って、温かいし」
ちなつ「チーナの手にぴったりなんですよぉ」きゃー
京子「ぴったりなんだってさ」
あかり「そ、そうなんだ」ずずぅん
ちなつ「いいじゃない、ラブラブなんだしぃ」うふ
あかり「ら、ラブラブ!?」
京子「連れてきたはいいけど、どうすんのー」
結衣「そこまで考えてないかも」
京子「そうだよねー」
京子「でも、このままじゃさ」
結衣「目の前でキスとかされそうな勢いだよね」ずずぅん
結衣「だけど、どうすんのさ」
京子「いま、いいこと思いついた!」
結衣「またそんな適当に」はぁ
京子「あかりー、ちなつちゃんを膝枕するんだ」
あかり「なんでっ!?」びっくぅ
ちなつ「ひざまくらぁ?」ぱぁぁ
京子「名付けて!」
京子「とりあえず寝かせちゃえ大作戦!」きりっ
あかり「あぅぅ」
京子「って、ほんとに寝た!」
結衣「あんたが驚いてどーする」
あかり「でも、助かったよぉ」ほっ
結衣「この間に解決策を探さないとね」
あかり「寝てると、こんなに可愛いのになぁ」はぁ
京子「あれあれ?」
京子「あかり、好きになっちゃったんじゃないのー?」にやり
あかり「そ、そんなことないよぅ!」ばっ
結衣「あかり、立ちあがったらダメ!」
ごっちーん
京子「す、すごい音がしたけど」
ちなつ「い、いたいです」うぅ
あかり「ご、ごめんチーナ!」あせあせ
ちなつ「な、なにチーナって、恥ずかしいよあかりちゃん」
結衣「もしかして」
京子「戻った!?」
ちなつ「わたし、いったい」
京子「君は夢から覚めたお姫様、さあわたしの胸に・・・」
ちなつ「いきません」きっぱり
京子「うぅ」ずずぅん
あかり「良かったぁ、ちなつちゃん!」だきっ
ちなつ「あ、あかりちゃん!?」どきーんっ
結衣「元に戻って良かったよ」
ちなつ「ご迷惑をおかけしましたぁ」ぺこっ
ちなつ「あかりちゃんも、ごめんね」
あかり「あかりはちなつちゃんが戻ってくれれば、それでいいよぉ」にこっ
結衣「ほら、京子もなにか言ってあげなよ」
京子「また頭打って、今度はわたしの番だと思ったのに、なんでぇ?」うるっ
ちなつ「いや、そんなこと言われても」たじっ
結衣「泣くなよ」
ちなつ「じゃあ、わたしはこっちですから」
京子「気を付けてねー」
あかり「また明日ねぇ」
ちなつ「ばいばーい」
京子「さて、わたし達も帰るかー」
あかり「ちなつちゃんもなおったことだし」
あかり「今日は安心して学校にいけるよぉ」ほっ
あかり「いってきまーす」
がちゃ
ちなつ「おはよぉ、あかりちゃん」にっこり
あかり「!?」
ちなつ「なんとなく一緒にいきたいなーって」
あかり「そ、そうなんだ」そーっ
ちなつ「どうしたの?わたしの頭になにかついてる?」
あかり「え、別になにも!?」びっくぅ
あかり(良かった、たんこぶあるかと思ったよぉ)
あかり「えぇぇぇぇぇ!?」
ちなつ「なんかね、手が寂しいの」きらきら
あかり「あぅ」たじっ
ちなつ「あかりちゃあん」きらきら
あかり「あの、その」
ちなつ「ダメぇ?」きらきら
あかり(やっぱり、断る勇気は必要みたいです)ずずぅん
ちなつ「それでね、あかりちゃん」
あかり「な、なに!?」
ちなつ「あかりちゃんの彼女になることにしたから」
あかり「は?」
ちなつ「だからぁ」
ちなつ「あかりちゃんの彼女になることにしたの」
あかり「な、なんでっ!?」
ちなつ「だってぇ」
ちなつ「昨日、抱き締めてもらっちゃったからぁ」ぽっ
あかり「もらっちゃった?」がーんっ
あかり「えっと」
*・゜゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*
あかり『良かったぁ、ちなつちゃん!』だきっ ←ぴんぽーん
*・゜゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*
あかり「あ」
ちなつ「キスもしてるし、もう彼女になるしかないよぉ」きゃー
ちなつ「昨日出来なかったみたいだからね」
あかり「な、なに!?」
ちなつ「今日の放課後にキスね」ぽっ
あかり「えぇぇぇぇぇ!?」
ちなつ「もちろん、いまでもいいよぉ?」じりっ
あかり「ちょぉぉぉ!待ぁぁぁぁぁ!」
千歳「へぇ、赤座さんがなぁ」
櫻子「びっくりですよー、もう顔中キスマークだらけ」
向日葵「一緒に入って来た吉川さんなんですけど」
向日葵「なぜかすごく満足げな顔をしていましたわ」
あかり『いやぁぁぁぁぁ!?』
ちなつ『待ってよぉ、あかりちゃあん!』
あかり『うぇーん、勘弁してくださいぃ!』
向日葵「噂をすればですわ」
櫻子「おー、あかりちゃんすごい速さ」
千歳「ええんちゃう、本人達が幸せなら」
千歳「歳納さんに一言ゆっておくのはありかもしれんけどなぁ」
綾乃「そ、そうよね、言わないとね」
綾乃「べべべ、別に会いたいわけじゃないなんだからねっ」
千歳「うちの妄想も、豊作になりそうやわぁ」にっこり
綾乃「いくわよ、千歳ぇ!」
今回の勝ち組
ちなつ ×ぶっぶー
千歳 ○ぴんぽーん
END
乙
乙!
Entry ⇒ 2012.02.10 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)