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エルシィ「この人達みんな駆け魂が入ってますーー!!」夜空「ん?」
元スレ:エルシィ「この人達みんな駆け魂が入ってますーー!!」夜空「ん?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1334988935/
エルシィ「本当にこの砂浜と海が結さんのものなんですかーー!?」
結「うん。まぁ、僕のじゃなくて五位堂の敷地だけどね」
ちひろ「さすがお金持ちはスケールが違う……」
歩美「そのおかげでこうやって2B-PENCILSの合宿が出来るんじゃない」
京「夏休みに海で合宿ってバンドっぽいよねー」
桂馬「おい、立ち止まるな。さっさと五位堂の別荘に案内してくれ」
エルシィ「もー、神にーさま。海ですよ! もっと楽しみましょうよ~~!!」
歩美「やっぱり桂木は連れて来なくてよかったんじゃない?」
ちひろ「確かにオタメガは関係ない。でもエリーがどうしてもって」
結「え? 二人ともあんなに頑張って男の子が好きそうな水着選んでたのに?」
歩美「ゆ、結ぃぃーー!!」
ちひろ「な、なに言ってんのさーー!!」
桂馬「別にお前達の合宿を邪魔するつもりはないよ」ピコピコ
歩美「それなら……」ちひろ「いいけど……」
エルシィ「あれ? 向こうの砂浜に誰かいますよ?」
結「本当だ。あれは―――」
小鷹「はぁはぁ、やっと着いた……」
幸村「あにき、荷物持ちお疲れ様です」
理科「あぁん、火照った身体に潮風が気持ちいいですぅ」
小鳩「海だーー!!」マリア「海だーー!!」
夜空「ほう、ここが肉の海か。想像していたのより気持ち悪くないな」
星奈「あんたねぇ、どんなのを想像して―――」
結「星奈!! 星奈じゃないか!!」
星奈「ご、五位堂!?」
歩美「へぇ、それならあの岬が境界線で別れてるんだ?」
結「そういうことだね。こっちは五位堂、向こうは柏崎の敷地なんだ」
星奈「―――ところで、五位堂。あんた達はなんで別荘に来てるのよ?」
ちひろ「私達はガールズバンドやってて舞高祭でライブやるのさ~」
京「その為の強化合宿なんだよねー」
夜空(ガールズバンド!? 文化祭でライブ!?)
小鷹「よ、夜空…?」
夜空(……リア充! 圧倒的リア充!! こいつ等は敵だ……!!)
エルシィ「ここで知り合えたのも何かの縁。皆さんよろしくお願いします~~!!」
ドロドロドロドロ!!!!
桂馬「!?」
エルシィ「!?」
桂馬「ま、まさか……」
エルシィ「に、にーさま大変です……」
桂馬「嫌だあああ!! 聞きたくない!!!!」
エルシィ「この人達みんな駆け魂が入ってますーーーー!!!!」
夜空「ん?」
桂馬「ああああぁぁぁぁーーーー!!!!」
星奈「な、なに、こいつ……。まぁいいわ。それじゃ五位堂、私達は行くから」
結「あぁ、僕達も荷物を置きに行こう」
桂馬「それじゃ駆け魂が入ってるのはそいつだけなのか?」
エルシィ「うぅ、すみません。駆け魂センサーが心のスキマをキャッチしただけでした」
桂馬「それでも全員に心のスキマがあるのか……。なんて残念な奴等なんだ……」
エルシィ「でも三日月夜空さんだけは本当に駆け魂が入ってますよ!!」
桂馬「―――」ガクッ
エルシィ「神にーさま?」
桂馬「……夏休みは毎日駆け魂狩り、家にいればハクアやノーラ、それにディアナ……」
桂馬「結の別荘なら誰にも邪魔されることなくギャルゲーが出来ると思ったらこれだ!!」
エルシィ「こんな所でも駆け魂に出会えるなんて運がイイですね!!」
桂馬「どこがだ!!」
エルシィ「さぁ、また駆け魂を捕まえて最高の夏休みにしましょう!!」
桂馬「はぁ、最悪な夏休みだよ……」
桂馬「それで、今回の相手のデータはあるのか?」
エルシィ「私はまだ何も調べてないですけど地獄のデータベースに少しだけありました!」
エルシィ「聖クロニカ学園高等部二年、三日月夜空さん」
桂馬「三日月、夜空、すごい名前だな。それに二年、僕達と同級生か」
エルシィ「それから今は隣人部という部活をしているそうです」
桂馬「隣人部? なんだそれは」
エルシィ「えーと、隣人部の主な活動は『友達を作ること』だそうです」
桂馬「……は?」
エルシィ「え、えと、友達を作ることって書いてありますよ」
桂馬「友達…? 奴等と友達になれば駆け魂は出て行くのか…?」
エルシィ「さ、さぁ…?」
桂馬「僕のギャルゲー理論で攻略すると友達ルートはバッドエンドだぞ!?」
ちひろ「あっ、エリーこんなところにいた! ほら着替えて行くよ」
エルシィ「ちひろさん、行くってどこにですか?」
ちひろ「もちろん海さ~~!!」
歩美「桂木も来たんだー」
ちひろ「オタメガも海で遊びたいのさー」
桂馬「おい、僕に絶対に海に来いって言った奴等は誰だ」
歩美「…………」
ちひろ「…………」
歩美「そ、それよりさ。桂木、私達に何か言うことあるんじゃない?」
ちひろ「そ、そうさー。こう、なんか、見た目とか」
桂馬「は……? あぁ、水着か。確かにギャルゲーで水着イベントは重要、だが」
桂馬「リアルの水着イベントなどに興味はない!!!!」
ドゴーン!! バシャバシャバシャ
桂馬「僕のPFPがああああああああああ!!!!」
『海だーーーーーーーーーー!!!!!!!』
桂馬「ん…?」
結「向こうの砂浜の星奈達だね」
エルシィ「あれは、何をしているんでしょう?」
ちひろ「海に向かって叫んでいる、としか」
歩美「説明のしようがない」
京「青春だねー」
結「そうだ、せっかくみんな同じ砂浜にいるんだ。みんなで一緒に遊ぼうよ!」
歩美「あ、いいかも。ビーチバレーの試合とかやろ!」
ちひろ「ちょっと怖そうだけど向こうにはイケメンもいた!」
京「ちひろ……」
桂馬(さっそく出会いイベントか。ここは重要だぞ)
星奈「五位堂、あんた変わったわね。さっきの男装といい、何かあったの?」
結「え? 別に、ただ自然にこうなっただけだよ」
幸村「パーティーで知り合った人に海で再会、素敵ですね」
理科「そ、それでセレブな二人の出会いはパーティーでら、ら、らんk」
夜空「おいっ!」バシッ
星奈「舞島で有名な所は五位堂と青山だけだからね。ちょっと覚えてただけよ」
桂馬(青山…? あぁ、美生か)
結「それで、どうかな?」
小鷹「いいんじゃないか? 人数は多い方が楽しいだろ?」
夜空「お、おい、小鷹。どういうつもりだ?」
小鷹「どうって、俺達は隣人部の活動で来てるんだ。友達を作るチャンスじゃないか」
夜空「そ、それは、そうだが……」
結「さて、自己紹介も済んだことだし、何をして―――」
星奈「ハァハァ……エルシィちゃん……ハァハァ……」
エルシィ「…? なんでしょう?」
星奈「一目見たときからカワイイと思ってたのよ! エルシィちゃんもふもふ羽衣モフモフさせてぇぇ!!」
エルシィ「星奈さんくっ付かないで下さい~~。どっちが喋っているのか分からなくなります~~」
小鷹「へ、へぇ、それじゃ小阪さん?は勉強も料理もギターも上手いんだ?」
ちひろ「そうなんですよ~~」クネクネ
京「おい」歩美「ないわー」
結「みんな好き勝手だなぁ。三日月さんのところも大変そうだね」
夜空(……なんだこいつ、馴れ馴れしいヤツだな……)
夜空「小鷹達はお前達と遊ぶようだが、私は違う。小鷹、私は部屋に戻っているぞ」
小鷹「お、おい、夜空! 夜空……」
夜空(……なんで私があんなリア充達と遊ばないといけないんだ……)
夜空(……小鷹もあんなバンドなんかやってる女と仲良くするとは……)
桂馬「ふぅ、やっとPFPに入った海水を拭き取れた」フキフキ
夜空「!?!?!? だ、誰だ!?」
桂馬「さっき自己紹介しただろ。桂木桂馬だ」
夜空「……なんでここにいる? ここは肉…、柏崎の別荘なんだが?」
桂馬「五位堂の別荘は結のボディガードが多くて、ゆっくりゲームも出来やしないよ」
夜空「そうか。だがそれとお前がここにいていい権利にはならないな」
桂馬「お前の読書の邪魔はしないよ。それともこの広いリビングに僕がいるだけで読書も出来ないというなら出て行くが」
夜空「……まぁいい。好きにしろ」
桂馬(あれだけ大勢の人間がいたら二人きりのイベントはそうそうない)
桂馬(ここで夜空との関係を他の奴等と違うモノにする。ここはどう攻めるか)
星奈「小鳩ちゃん! エルシィちゃん! 一緒にサンオイルの塗り合いしましょぉぉ!!」
小鳩「いやああああ!!」
エルシィ「あわわわ~~」
幸村「あにき、ビーチバレーといえど勝負は勝負、真の男たるもの勝ちたいです」
小鷹「あぁ、舞島と聖クロニカの対戦だからな。これは戦だ」
理科「小鷹先輩、ビーチボールを胸で受け止めたときに水着が脱げる確率はですね」
小鷹「おい」
マリア「ルールは知らないけどマリアもやるぞぉーー!!」
小鷹(……夜空、戻って来ないな。やっぱり追いかけたほうが良かったか……)
『やっぱり私一人は嫌です! みんなと、貴方と一緒にいたい!』
桂馬「フッ、分かっていたさ。さぁ行こう、僕達の楽園へ」ピコピコ
夜空(……凄く読書の邪魔なんだが……)
夜空「……おい、お前は友達のところへ行かなくていいのか?」
桂馬「友達…? あぁ、歩美達のことか。あいつ等はただのクラスメイト、妹のバンドメンバーだよ」
夜空「妹の付き添いで海まで来たのか? 随分シスコンなんだな」
桂馬(そいつも本当の妹じゃないんだが、というか悪魔だ、いや小悪魔、いやポンコツ小悪魔か)
桂馬「お前こそ部活の友達と遊ばなくていいのか?」
夜空「別にあいつ等は友達じゃない。同じ目的の為に一緒に行動しているだけだ」
桂馬(……目的、それが『友達を作ること』か……。色々矛盾している気がするが)
桂馬(やはり僕は、僕のギャルゲー理論でいく。友達ルートではなく、恋愛ルートだ!!)
理科「キマシ……」
星奈「ハァハァ……エルシィちゃんハァハァ……」ヌルヌル
エルシィ「あわわわ、変なところにサンオイル塗らないで下さい~~!!」
歩美「へぇー、でも本当に楠くん男なの?」
幸村「はい。わたくしは、真の男を目指す男です」
ちひろ「男なのに私達よりカワイイとは……」
京「でも男子なのになんで女子の水着?」
幸村「それは、夜空の姉御に『真の男は女装していても男らしさがにじみ出る』と聞いたので」
歩美ちひろ京(……全然にじみ出てない……)
結「いいじゃないか! 男の子が女の子の格好をしたって!」グイッ
幸村「結の姉御……。ありがとうございます」
結「かよわい男の子を守るのが、女の役目さ」
理科「キマシ……キマシタワー!!」ビクンビクン
結(……男の子なのに女の子の格好か。……帰ったらすぐに舞校の女子制服を注文しよう!!)
桂馬「!?!?!?」ガタッ
夜空「……どうした?」
桂馬「いや、なんだか寒気が……。ちょっと先の未来にとんでもない事が起こるような……」
夜空「……変なヤツだな」スタスタスタ
桂馬「おい、待て。どこに行くつもりだ?」
夜空「……買い出しだ。そろそろ晩ご飯の準備をしないといけない時間だからな」
桂馬「他のヤツらを待たなくていいのか? どうせ結のことだ、晩飯も一緒にとか―――」
夜空「あんなリア充達と一緒にいるつもりはない。私たちは私たちの合宿をするまでだ」
桂馬「そうか、なら僕も行こう」
夜空「はぁ!? お前は私の話を聞いてないのか!?」
桂馬「お前一人で部活全員の食料を持てるとは思えないな。まぁ僕のことはただの荷物持ちだと思えばいい」
夜空「自ら下僕になりたがるとは、お前はMなのか?」
桂馬「いいから行くぞ。―――他のヤツらが帰ってくる前にな」
桂馬(……ここは二人きりのイベントを維持する。買い出しイベント、ここはどう攻めるか)
星奈「買い出しに行くって書き置きがあったけど、夜空のヤツ帰りが遅いわね」
エルシィ「にーさまもいません! どうしましょ~~!?」
理科「これはもしかしたら……」
幸村「もしかしたら…?」
理科「夜空先輩と一緒の桂木さんが送り狼になって雑木林であんなことやこんなことにぃぃーー!!」
歩美「!?!?!?」ちひろ「!?!?!?」
ちひろ「……な、ないない。オタメガに限ってそんな度胸はない」
歩美「そ、そうそう。弁当を奪い合うオオカミにはなっても、女の子を襲う狼にはならない」
京「二つ名を持ってる人が言うと説得力あるねー」
理科「そうですか……。理科の推理だとこれ以外の答えはないんですが」
小鷹「おいおい……」
小鳩「あんちゃん……」
小鷹「小鳩……。そうだな、ちょっと俺が周りを見てくるよ」
桂馬「おい、本当にこっちでいいのか?」
夜空「う、うるさい! ちょっと待ってろ!」
夜空(……別荘にあった地図ではこっちのはずだが、土地勘のある肉を連れて来るべきだったか)
夜空(いや、あんなリア充達と仲良くしている肉を頼るなどありえん)
不良A「うはwwwwカワイイ女の子www見つけたwwww」
不良B「さすがリョー君wwww女の子探索レーダーはんぱないッスwwww」
不良C「あれww一人ッスかwwww」
夜空「………」スタスタスタ
不良A「ちょwwwスルーwwwww」
不良B「それはwwwwないwww」
桂馬(……ここでパセリ登場だと……!?)
桂馬「……ナンパとは、リアルの出会い方はこれだから困る」
不良A「ちょwwwwなにこいつwwwwww」
桂馬「キャラ設定も甘い、今時不良キャラはないな。二重人格で片方は優男、片方は精霊で暴走するぐらいしろ」
不良B「うはwwwwやっちゃっていいんすかwwwww」
夜空「止せ、相手は三人だ。ここは素通りして―――」グイッ
桂馬「夜空、後ろにいてくれ」
夜空「お前、なんで私の名前を……」
桂馬(フ、フフフ、フハハハハ!!)
桂馬(僕が夜空をかばう → 僕がパセリに殴られ気を失う → 通りすがりの警官がパセリを追い払う)
桂馬(夕日の浜辺で膝枕で僕を介抱する夜空!! 悩みを打ち明ける夜空!!)
桂馬(……完璧だ。僕のギャルゲー理論は完璧すぎる!! このままエンディングへ―――)
小鷹「お前ら、俺の知り合いになんか用か?」
不良ABC「なんだお前!?」
桂馬(……なんだお前!?)
夜空「小鷹!」
小鷹「俺の知り合いに用があるのかって聞いてんだよ」ギロリ
不良ABC「ヒィ…」
桂馬(……おいおい、まさかこの展開は……)
不良A「ちょっと道を聞こうとしただけッスよwwww」
不良B「思い出したんでいいッスwww」
不良C「それじゃ行きますわwwwwwwww」
小鷹「二人とも大丈夫か?」
夜空「小鷹、助かった」
桂馬(あ、あぁぁ……僕のギャルゲー理論が……)
小鷹(……あれ、これって桂木を助けたことになるのか?)
小鷹(これをきっかけに友達になれたりとか。よし、俺の初の男友達に!!)
桂馬「………」ギロリ
小鷹(めっちゃ睨まれてるぅぅーー!? なんでだーーーー!?)
夜空「結局、五位堂のバーベキューに参加することになるとは……」
小鷹「仕方ないだろ、時間も時間だったし、折角誘ってもらったんだしな」
マリア「肉だぁぁーー!!」小鳩「あぁぁーー!! それはうちの肉たい!!」
結「はい、三日月さん。お肉焼けたよ」
夜空「あ、あぁ……ん……う、美味いな」モグモグ
結「そう? それはよかった」
星奈「五位堂の言いなりだったあの結があんなに変わるとはね~」
桂馬「今は本人が好きでやってるんだ。いいんじゃないか」ピコピコ
星奈「ふーん……。アンタ、何か知ってそうね?」
桂馬(……星奈、声は似てるくせにポンコツとは違って鋭いのか……?)
エルシィ「うーー!! 今にーさま失礼なこと考えてました!!」
桂馬(……こういう所だけ鋭いんだよコイツは……)
星奈「まぁ、天才の私は何でもお見通しよ!!」
桂馬(……やっぱり勘違いか)
エルシィ「うーー!! 本当に神にーさまは凄いんですーー!!」
星奈「エルシィちゃんの言うことだから信じてあげたいけど……」
理科「さすがに桂木さんが『落とし神』というのはちょっと……」
夜空「どうした? 落とし神、何だそれは」
星奈「ええぇぇーー!? 夜空、落とし神知らないのぉぉーー!?」
理科「落とし神とは、ギャルゲー攻略の神とされている人物ですね」
夜空「……有名なゲーマーということか」
エルシィ「にーさまは本当に落とし神さまなんですーー!!」
星奈「発売当日に全てのヒロインを攻略する落とし神なんて、あんなのどうせチート技よ」
理科「そうですね。きっと落とし神はデバッグ会社の社員とか関係者でしょう」
エルシィ「うぅー……誰も信じてくれません……」
夜空「桂木、お前はその、落とし神なのか?」
桂馬「あぁ、僕は神だ。別に信じてもらえなくてもいいんだが」
夜空「それなら肉や理科の質問に全て答えられるな?」
桂馬「―――なるほど、そういうことか。いいだろう、神は逃げない!!」
星奈「そ、そんな……私より『きらスク』に詳しいヤツがいるなんて……」
理科「理科のギャルゲー知識を全て使ったのに……」
桂馬「まさかこの程度で、神である僕に挑むつもりだったのか?」
桂馬「今度はこちらから質問だ。星奈、質問傾向からしてギャルゲーをやり始めたのは最近だな」
星奈「そ、それは…!?」
桂馬「過去の名作をプレイしていないお前が、神に挑むなど……笑止!!!!」
星奈「くっ……。 ん? そ、それは、昨日発売したギャルゲー!?」
理科「それは開発陣がかなり難しく作ったのでヒロイン攻略には数週間かかると言われている新作です!!」
桂馬「………」ポチッ
『桂馬くん……。私、あなたが好きなの……!!』 シナリオ達成率100% CG達成率100%
星奈「こ、これが……」ヘナヘナ
理科「神の、力……」ビクンビクン
エルシィ「えへへ~~。どうです! スゴイでしょう! 私のにーさまはスゴイんですぅ!!」
桂馬「なんでお前が偉そうなんだよ」
夜空「フフ、無様だな肉!!(―――桂木桂馬、落とし神、なんなんだコイツは……)」
ちひろ「まさか温泉まであるとは、五位堂家さまさまですな」
歩美「夜空さん肌キレー!」
京「わー、本当だー。やっぱりモブとは違うよねー」
夜空「お、おい……。触る、な……。ちょ、やめ……」
エルシィ「星奈さん胸おっきいですぅーー!!」
小鳩「昼間のお返しじゃーー!!」バシャバシャ
星奈「ひゃーー!! もう、やったなーー☆」
理科「―――とか妄想しているんでしょう!! 小鷹先輩!! 桂木さん!!」
理科「さぁ、主人公スキルを使ってこの竹壁を壊すのですーー!!」
理科「それとも覗き穴から見てるんですか!? 見てるんですね!? きゃぁぁ!!」
結「いつもあんな感じ?」
夜空「あぁ……」
星奈「そうね……」
桂馬「おい、何か聞こえなかったか?」
小鷹「え? いや何も」
桂馬「そうか…」
桂馬「そういえば楠、ってなんだか主将を呼んでるみたいだな。幸村は?」
小鷹「幸村なら俺達の後に入るってさ。折角の露天風呂なんだから一緒に入ればいいのになぁ」
桂馬「―――まぁ、リアルは湯気が仕事したりしないからな」
小鷹「湯気…?」
桂馬(……駆け魂センサーは小鷹以外の隣人部に反応した。つまり幸村は……)
小鷹「それにしても風呂の中でもゲームやめないんだな」
桂馬「当然だ。僕の攻略を待っているヒロインがいる限り、僕がギャルゲーをやめることはない!!」
小鷹「お、おう……」
桂馬(……攻略初日はこんなものか)
桂馬(……明日からは夜空とイベントを重ねて好感度を上げる。合宿最終日までに攻略するんだ)
ちひろ「よーし、練習再開。……お?」
小鷹「へぇ、別荘の地下にこんなスタジオがあるなんて凄いな」
星奈「演奏するエルシィちゃんを見に来たわ!!」
夜空「私はリア充の練習風景なんか興味はないんだが、こいつ等が行きたいとうるさくてな」
マリア「マイクだぁぁーー!!」ダッ
ちひろ「あっ……」
マリア「んでっ!wwwwんでっ!wwwwんでっ!wwwww」
エルシィ「!?」 歩美「!?」
エルシィ「……にゃ~んでっwwwwwwww」
歩美「かまってwwwかまってwwww欲しいのwwwww」
エルシィ「イイ子じゃない時のwwwwワタシwwww」
歩美「カワイイとかってwwwwwありえな~いwwwww」
ちひろ「――――――歩美、エリー」
エルシィ「あわわわ、口が勝手に……。す、すみませーーーーん!!」
歩美「ご、ごめんごめん。真面目に練習するからさ」
ちひろ「昨日はあれだけ遊んだんだから今日は練習!!」
歩美「わ、分かってるって。さぁ、やろうか」
ちひろ「オッケー、それじゃ」
http://www.youtube.com/watch?v=LumWAyNp_D4
ちひろ「初めて恋をした記憶~~♪」
マリア「おぉー! ちひろの歌は元気が出るぞーー!!」
星奈「演奏するエルシィちゃんカワイイーーーー!!」
夜空「――――――初めて恋をした記憶、か」
夜空「お前は覚えてないのか、小鷹……」
小鷹「え? なんだって?」
夜空「―――なんでもない。用事を思い出した、先に別荘に帰ってるぞ」
小鷹「夜空…?」
桂馬(……あの二人……)
小鳩「……あんちゃん、ここの問題が分からんたい」
小鷹「え? や、やべぇ、ここは俺も苦手だった場所だ……」
夜空(……ん? あれは小鷹が宿題を教えているのか、それに桂木も?)
桂馬「こことそこ、途中から間違えてる。正しいルートはこっちだ」
小鷹「あぁ、そうか、なるほど。桂木は勉強も出来るんだな」
桂馬「隣のページでも同じような問題で間違えてるな。苦手ならここを重点的にやるといい」
小鷹「ちょっと見ただけでそんなことまで分かるのか!?」
小鳩「……ク、ククク、よくやったピエール。我が褒めてやるぞ」
桂馬「どういたしまして」スタスタスタ
小鳩「あっ……」グイッ
桂馬「ん?」ピコピコ
小鳩「あ……ぁ……ありがろん」
小鷹「あぁ、悪い。こいつ人見知りなんだよ」
桂馬「いや、別に気にしてないが(……ろん?)」
夜空(……そうか、桂木は成績いいのか。って私は何で隠れてるんだ……)
『バレバレ~バレンタイン~♪ バレバレ~バレンタイン~♪』
エルシィ「あぁーー!! かのんちゃんの新曲ですぅぅーー!!」
エルシィ「バレバレ~バレンタイン~♪」
桂馬「おい、なんだその黄色のサイリウムは……。前までそんなの持ってなかっただろ」
エルシィ「いつでもかのんちゃんを応援出来るようにと防衛隊の人にハッピープレゼントで貰いました!!」
星奈「アイドルの真似するエルシィちゃんもカワイイーー!!」
理科「そういえば中川かのんは舞島の学園に通ってるらしいですね。皆さん見たことあるんですか?」
歩美「え…と…」 ちひろ「見たことあるって言うか…」 京「同じクラスだったり…」
小鷹「中川かのんと同じクラスなのか!?」
夜空(……なっ!? アイドルが同じクラス!? どこまでリア充なんだコイツら!!)
星奈「……な、なによ。私たちの学園だって有名人ぐらいいるわよ」
幸村「なんと、初耳です」
星奈「数々の企業から商品開発の天才と言われてるこの志熊理科が!!」
理科「―――あのぉ、星奈先輩。トップアイドルと理科を比べられるのはちょっと……」
星奈「うっ……。うぅ、パパの学園だって凄いんだからぁぁーー!!」ダッ
エルシィ「神にーさまぁ! 花火やりましょうよーー!!」
星奈「神さまぁ!『きらスク』の花火イベントごっこやりましょう!!」
桂馬「だぁぁーー!! ステレオでカミサマカミサマ呼ぶんじゃねぇぇーー!!」
夜空「……なんだ桂木、お前は花火やらないのか?」
桂馬「夜空……。僕はリアルの花火なんて」
夜空「結構キレイだぞ?」バチバチ
桂馬「……まぁ、な」
夜空「フッ……」
歩美「あぁー、花火終わっちゃった」
ちひろ「ありゃ、こっちもだ」
歩美「ちひろー、新しいの取りに行こー」テクテク
ちひろ「―――あのさ、歩美ってオタメガのこと……」
歩美「ん? なに?」
ちひろ「い、いやー、なんでもないさー」
桂馬「…………」バチバチ
夜空「…………」バチバチ
桂馬「……なんで僕を花火に誘ったんだ?」
夜空「深い意味はない。この合宿でお前と二人になることが多かったからな、その流れだ」
桂馬(……そうなるように仕組んだのは僕なんだがな)
夜空「……私とお前は似ているのかもしれない」
桂馬「え?」
夜空「隣人部と舞校の奴等は随分仲良くなった。だが、私とお前はいつも一人だ」
桂馬「……他人と仲良くすることが出来ないのが似ている、か?」
夜空「フッ、酷い共通点だな。気を悪くしたか?」
桂馬「別に。事実だしな」
夜空「あぁ、そうか……。だから私はお前が気になっ――――――なんでもない」
桂馬(……夜空の好感度は上がってる。明日は合宿最終日、何かイベントが必要だな)
星奈「さぁエルシィちゃん、一緒にトナカイの数を数えて眠りましょう」
エルシィ「星奈さんの部屋は向こうですぅーー!! なんでここにいるんですかぁぁーー!!」
理科「………」ススス
ガチャ
小鷹「Zzz……Zzz……」
理科「やっと見つけましたよ。小鷹先輩、桂木さん」
理科「お二人のその逞しいモノで夜這いに来た理科を前から後ろから両方一緒に、ってあれ?」
理科「桂木さん……?」
理科「こんなところにいたんですか、桂木さん」
桂馬「理科か」
理科「夜の浜辺で海を見ながら黄昏るなんて、桂木さんは案外ロマンチストなんですね」
桂馬「別にそんなのじゃない」
理科「ここ最近ずっと夜空先輩と一緒にいるみたいですけど、何かあるんですか?」
桂馬「そうか? たまたまだろう」
理科「……夜空先輩を救うのは、小鷹先輩だと思ってました。まさかあなたのような人が現れるとは」
桂馬「……理科、お前は……」
理科「夜空先輩を助けてあげて下さい、落とし神様」
桂馬「………」
理科「さて! 理科は夜這いに失敗したので部屋に戻ります。それではオヤスミナサイです」
桂馬「……残念な奴らなのか、そうじゃないのか……」
エルシィ「嫌ですぅぅーー!! 私行きませーーん!!」
星奈「ハァハァ、エルシィちゃんが肝試しやろうって言ったのよぉぉ!!」グイグイ
エルシィ「うぅ……」
星奈「大丈夫、エルシィちゃんは私にくっ付いていればいいから。さぁ行きましょう」
エルシィ「……星奈さんは、幽霊怖くないんですか?」
星奈「幽霊なんて、冥土のメイドである私たちの下僕みたいなものよ、全然怖くないわ」
エルシィ「今はメイドの鎌はないじゃないですか~~。ここにはホウキしかありませーーん!!」
星奈「それならホウキで天狼七星陣? せめてソフトテニスのラケットがあれば妄想でなんとかするのに」
エルシィ「ラケットもないですし、宇宙船で遊びに来たワケでもないですよ~~!!」
星奈「まぁ、幽霊なんて無能力者でもなんとかなるわよ。さぁ行きましょう!!」
エルシィ「うぅ……。にーさまぁぁ!! 助けて下さーーい!!」
桂馬「早く行け」
歩美「それじゃ行こうか、小鳩ちゃん」
小鳩「うん……」
歩美(……そういえば、中二病で黒のゴスロリ服で、この声……)
小鳩(……このお姉ちゃん、大会で優勝する陸上部のエースで、この声……)
歩美(どこかで……)
小鳩(会ったことが……)
マリア「ひょうか、じゃなかった。ちひろは友達なんだよ!!」
ちひろ「イン……さん、じゃなくて。ほら、マリアちゃん行くよ」
結「かよわい男の子を守る僕が先頭に」
幸村「いえいえ、真の男たるわたくしが」ガサッ
結「っっ!?」幸村「っっ!?」
桂馬「何をやってるんだアイツ等は……。そろそろ僕達の順番か、夜空」
夜空「あ、あぁ……(またコイツと二人になるとは……)」
夜空「ぞ、雑木林を一周する程度では、肝試しにはならなかったな」
桂馬「そうだな。そこ、危ないぞ。木の根が張ってる」ピコピコ
夜空「お前はゲームしながら何故分かる……」
桂馬(……肝試しに意味はない。ここは二人で歩いたことに意味がある)
桂馬(……これで夜空の夏の最後の思い出は、僕と一緒に過ごした事になる)
夜空「―――あれは、もうみんな帰ってきてるみたいだな」
桂馬(……よし、ここで僕が夜空に好意がある素振りを見せ、考える時間を与える)
桂馬(……夏の思い出に浸る夜空を、海に呼び出して告白、これで攻略だ!!)
歩美「もー、なにいきなり変なこと聞いてくるのよー」
ちひろ「そうそう、私たち友達に決まってるのにー」
小鷹「そ、そうだよな」
星奈「い、いやー、そうよねー」
夜空「―――――――――」
桂馬「……夜空?」
エルシィ「あぁー! にーさま、おかえりなさいですーー!!」タッタッタッ
桂馬「………」
エルシィ「あれ、夜空さんは?」
桂馬「雑木林の奥の方へ走って行ったよ」
エルシィ「えぇー!? は、早く追いかけましょう!!」
桂馬「待て、今ルートの確認中だ」
桂馬(……夜空、星奈、小鷹、隣人部、友達……)
桂馬「……行くぞ、エルシィ」
エルシィ「い、行くって、どこですか!?」
桂馬「―――ラストイベントだ」
桂馬「見えたぞ…… エンディングが!!」
エルシィ「あのクールな夜空さんが走り去ってしまうなんて、いったい何があったんでしょう……」スィー
桂馬「もしかしたら駆け魂の影響が出始めてるのかもな、そうなると厄介だぞ。ん?」タッタッタッ
[○○岬][危険][立入禁止]
桂馬「看板が倒されてる……。まさかこの先に行ったのか?」タッタッタッ
夜空「………」フラフラ
エルシィ「カミさまぁ!!」
桂馬「夜空……。エルシィ、隠れてろ」
エルシィ「は、はい!!」
桂馬「……夜空!!」
夜空「……なんだ、桂木か。私なんかを追って来たのか? お前は本当に変わったヤツだな」
桂馬(……私なんか? なるほど、夜空の周りに黒い靄が見える、駆け魂のレベルが上がったか)
桂馬「夜空、そっちは危ない。とりあえずこっちに―――」
夜空「ち、近寄るな!!」
桂馬「夜空……?」
夜空「……あんなに簡単に友達が出来るものか。いつか裏切る、ヤツらも学校の連中と一緒だ……」フラフラ
桂馬「おい、夜空!!」
夜空「そうだ、みんな裏切る、私を……。タカ…… タカも、私を忘れてる……!!」
桂馬(……タカ? そうか、小鷹のことか……)
夜空「お、お前だって、どうせ私のこと、なんて―――」ガラッ
桂馬「夜空っっ!!!!」
エルシィ(……カミさま大丈夫ですかーー!? すぐに羽衣で引っ張りあげますーー!!)
桂馬(……待てエルシィ。このままでいい)
桂馬(このまま僕と夜空が落ちないように羽衣で固定しててくれ)
エルシィ(で、でも……)
桂馬(……僕を、信じろ)
エルシィ(……私は悪魔ですけど、いつでも神様信じてます!!)
夜空「くっ、足をかける場所がない……」
桂馬「夜空……!! 大丈夫か!?」
夜空「もうダメか…… 桂木、手を放せ。このままだとお前まで落ちるぞ」
桂馬「放せるワケ、ないだろ」グググ
夜空「お前がいなくなると高原や小阪が悲しむぞ。私の場合は誰も悲しまん、私はクラスで空気だからな」
桂馬「………」
夜空「そういえば、お前は落とし神だったな。その名の通り、私を落とせばいいじゃないか」
桂馬「……そう、僕は神だ。でも、僕が好きなヒロインを落とすのは崖からじゃなくて恋愛だよ」グイッ
夜空「か、桂木…?」
桂馬「落とし神として、このイベントで好きな女の子を落とすワケにはいかないな」
夜空「す、すす、好きな、って……」
桂馬「さっき、夜空がいなくなっても誰も悲しまないと言ったな」
桂馬「……僕が悲しい。僕は、夜空にいなくなってほしくない」
夜空「桂木……」
桂馬「それに、夜空がいなくなって本当に誰も悲しまないと思ったのか?」
桂馬「星奈が、小鷹が、隣人部のヤツらが、歩美やちひろ達だってそうだ」
夜空「そ、それは……」
桂馬「耳をすませ、聞こえるだろ?」
「ヨゾラー」「アホヨゾラー」「アネゴー」「センパーイ」「ヨゾラー」「ヨゾラサーン」「ヨゾラサーン」
夜空「……あいつら……私を、探して……」
桂馬「―――さぁ、帰ろう。君がいなくなると悲しむ人達がいる場所へ」
桂馬「――――――隣人部へ」
桂馬「このまま進めば雑木林の道に出れるはずだ」
夜空「か、桂木、もういいだろ。手を、離してくれ」
桂馬「ん? あぁ、そうだな」
夜空「………」
桂馬「……?」
夜空「―――桂木、先ほど助けてもらった礼が、まだだったな」
桂馬「え?」クルッ
夜空「……ん////」
桂馬「!?!?!?!?」
エルシィ「で、出たああぁぁ~~~~!!!!」
エルシィ「駆け魂、勾留♪♪」
夜空「か、勘違いするなよ。私は落とされたんじゃない、自分からお前に落ちたんだ」
小鷹「よ、夜空!! 大丈夫か!?」
夜空「どうした? みんな揃ってなにしてる?」
理科「夜空先輩達が帰ってこないからみんなで探してたんですよーー!!」
幸村「あねご、心配しました」
夜空「あぁ、少し道に迷っただけだ。何も心配いらない」
小鷹「そ、そうか、それならよかった」
星奈「だから言ったでしょー? あーあー、心配して損したーー」
夜空「……みんな、すまなかったな。……肉、心配をかけた、すまん」
星奈「え……? え、ええぇぇーー!?」
夜空「どうした……?」
小鷹「よ、夜空が、星奈に、あ、謝った……」
星奈「ちょ、ちょっと夜空大丈夫!? 雑木林で何か変なモノ拾い食いしたんじゃないでしょうね!?」
夜空「そんなことするワケないだろう。こんな夜中にうるさい肉だな、少しは黙れ」
星奈「な、なんですってぇぇーー!?」
ちひろ「……あっ、オタメガーー!!」
歩美「やっと見つけた~~。桂木、なにやってんのよ」
桂馬「あぁ、道に迷った。なんでだろうな」ピコピコ
歩美ちひろ「「ゲームしながら歩いてるからよーー!!」」
歩美「結たちも探してるから早く戻ろーー」
ちひろ「まったく、心配させないでよ~~」
桂馬「……心配? お前たちが、僕を……?」
歩美「そりゃ心配ぐらいするでしょ。私たち、と、とと、友達なんだから」
桂馬「友達……? 僕たちが?」
歩美「そうよ?」
ちひろ「というか友達とも思ってないクラスメイトを合宿に誘うワケないさーー」
桂馬(――――――僕の、友達……――――――)
ガチャ
小鷹「おーい、この間の合宿の写真が出来たぞーー」
星奈「へぇー、見せて見せて」
小鳩「あんちゃん、これ……」 マリア「お兄ちゃん、これ……」
星奈「何よこれ、誰を撮ろうとしたの? 小鷹、あんた写真撮るの下手すぎ……」
幸村「誰も写ってない風景写真もあります。あにきは自然を愛する真の男ということですね」
小鷹「ちょ、待て待て!! そんなはずは…… あれ、確か上手く撮ったよな……」
理科「この集合写真なんてスカスカですね。まぁ、理科たちらしいといえばらしいですが」
夜空「……そうだな」
夜空(―――私たちは、この写真のようにまだ距離がある。今はそれでいい)
夜空(これからその距離をつめていこう、この隣人部で。そうだろ? けい――――――)
小鷹「……夜空?」
夜空(……私は、誰かの名前を……。気のせいか……?)
小鷹「どうした、もうみんな集まってるぞ」
夜空「分かった。――――――隣人部の活動を始める!!!!」
エルシィ「うーー……」ジー
桂馬「なんだ、駆け魂と睨めっこか? 新地獄にはそういう遊びがあるのか」
エルシィ「うーー!! 違いますぅ!!」
桂馬「ならなんだ、夜空の駆け魂に何かあるのか?」
エルシィ「夜空さんの心のスキマの反応は、かなり大きかったんですけど……」
エルシィ「出てきた駆け魂はこの小ささ…… どうしてでしょう~~?」
桂馬「あぁ、そのことか。いいんだよ、僕たちは駆け魂を出したんだ」
エルシィ「それは、そうですけど……」
桂馬「夜空の本当の心のスキマは、これから向こうのプレイヤーキャラが満たしていくよ」
エルシィ「プレイヤーキャラ?? 誰ですかそれ??」
桂馬「このバグ魔……」
エルシィ「夜空さん達、今頃なにしてますかね~~」
桂馬「知らないよ。また友達作りとかいうのをやってるんじゃないか」
エルシィ「わーー!! それは楽しそうですぅ!!」
桂馬「……部活までして友達作り、理解できないな。僕は友達いないけど、まったく気にしてないぞ」
エルシィ「あーー、またにーさまそんなこと言ってます~~」
エルシィ「それじゃ、にーさまは歩美さんやちひろさんも友達だと思ってないんですか?」
桂馬「…………訂正する」
桂馬「――――『僕は友達が少ない』……これならいいだろ?」
エルシィ「はい! それでは行きましょう、にーさまの攻略を待っているヒロインのもとへ!!」
桂馬「僕が攻略したいのはリアルじゃなくてゲームのヒロインなんだが……」
「神のみぞ知るセカイ」×「僕は友達が少ない」
『神のみぞ知る隣人部』
完
オマケ
ちひろ「さ、それじゃエンディングいきますか」ギュィーン
歩美「オッケー」 エルシィ「はい!!」 星奈「そうね」
夜空「……おい待て肉」
星奈「なによ夜空、私アンプの調整とかで忙しいんだけど」
夜空「なんでお前が2B-PENCILSの演奏に入ろうとしてるんだ」
星奈「誰かさんが攻略されてる間にエルシィちゃんからベース習ったのよ」
夜空「なん……だと……」
星奈「まぁ、私は天才だからすぐに覚えたわ!!」
夜空「ぐぬぬ……」
星奈「あれ?wwまさか夜空ww楽器の一つも演奏出来ないの?wwww」
夜空「……何を言ってる肉、私もエンディングの演奏に参加する予定だったぞ」
星奈「えっ……楽器は……?」
夜空「エアギターだ!!!!」
http://www.youtube.com/watch?v=kub2XaZfHBE
これで終わりになります。
ここまで読んで下さった方々、ありがとうございました。
支援レス保守レスとても嬉しかったです。
ちょっと休憩しました
アニメ版はがないの夜空には駆け魂が入っているようにしか見えなかった……
ですからこのSSを書きました
星奈のほうが人気高いのは分かってるんですけど、夜空が好きなんで
スレタイ通り本当に隣人部全員同時攻略を書こうかと思ったのですが
凄い長編になりそうだったのでやめました
でもいつかそういうのも書いてみたいです
神のみ本編の同時攻略ネタが面白いので興味があります
それでは『神のみぞ知る隣人部』にお付き合い頂き、ありがとうございました!!
また次のSSでお会いしましょう
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1334988935/
1 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 15:15:35.38 ID:EelD9mFc0
エルシィ「本当にこの砂浜と海が結さんのものなんですかーー!?」
結「うん。まぁ、僕のじゃなくて五位堂の敷地だけどね」
ちひろ「さすがお金持ちはスケールが違う……」
歩美「そのおかげでこうやって2B-PENCILSの合宿が出来るんじゃない」
京「夏休みに海で合宿ってバンドっぽいよねー」
桂馬「おい、立ち止まるな。さっさと五位堂の別荘に案内してくれ」
エルシィ「もー、神にーさま。海ですよ! もっと楽しみましょうよ~~!!」
歩美「やっぱり桂木は連れて来なくてよかったんじゃない?」
ちひろ「確かにオタメガは関係ない。でもエリーがどうしてもって」
結「え? 二人ともあんなに頑張って男の子が好きそうな水着選んでたのに?」
歩美「ゆ、結ぃぃーー!!」
ちひろ「な、なに言ってんのさーー!!」
2 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 15:20:22.19 ID:EelD9mFc0
桂馬「別にお前達の合宿を邪魔するつもりはないよ」ピコピコ
歩美「それなら……」ちひろ「いいけど……」
エルシィ「あれ? 向こうの砂浜に誰かいますよ?」
結「本当だ。あれは―――」
小鷹「はぁはぁ、やっと着いた……」
幸村「あにき、荷物持ちお疲れ様です」
理科「あぁん、火照った身体に潮風が気持ちいいですぅ」
小鳩「海だーー!!」マリア「海だーー!!」
夜空「ほう、ここが肉の海か。想像していたのより気持ち悪くないな」
星奈「あんたねぇ、どんなのを想像して―――」
結「星奈!! 星奈じゃないか!!」
星奈「ご、五位堂!?」
5 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 15:29:41.75 ID:EelD9mFc0
歩美「へぇ、それならあの岬が境界線で別れてるんだ?」
結「そういうことだね。こっちは五位堂、向こうは柏崎の敷地なんだ」
星奈「―――ところで、五位堂。あんた達はなんで別荘に来てるのよ?」
ちひろ「私達はガールズバンドやってて舞高祭でライブやるのさ~」
京「その為の強化合宿なんだよねー」
夜空(ガールズバンド!? 文化祭でライブ!?)
小鷹「よ、夜空…?」
夜空(……リア充! 圧倒的リア充!! こいつ等は敵だ……!!)
エルシィ「ここで知り合えたのも何かの縁。皆さんよろしくお願いします~~!!」
ドロドロドロドロ!!!!
桂馬「!?」
エルシィ「!?」
8 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 15:39:30.69 ID:EelD9mFc0
桂馬「ま、まさか……」
エルシィ「に、にーさま大変です……」
桂馬「嫌だあああ!! 聞きたくない!!!!」
エルシィ「この人達みんな駆け魂が入ってますーーーー!!!!」
夜空「ん?」
桂馬「ああああぁぁぁぁーーーー!!!!」
星奈「な、なに、こいつ……。まぁいいわ。それじゃ五位堂、私達は行くから」
結「あぁ、僕達も荷物を置きに行こう」
9 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 15:49:57.06 ID:EelD9mFc0
桂馬「それじゃ駆け魂が入ってるのはそいつだけなのか?」
エルシィ「うぅ、すみません。駆け魂センサーが心のスキマをキャッチしただけでした」
桂馬「それでも全員に心のスキマがあるのか……。なんて残念な奴等なんだ……」
エルシィ「でも三日月夜空さんだけは本当に駆け魂が入ってますよ!!」
桂馬「―――」ガクッ
エルシィ「神にーさま?」
桂馬「……夏休みは毎日駆け魂狩り、家にいればハクアやノーラ、それにディアナ……」
桂馬「結の別荘なら誰にも邪魔されることなくギャルゲーが出来ると思ったらこれだ!!」
エルシィ「こんな所でも駆け魂に出会えるなんて運がイイですね!!」
桂馬「どこがだ!!」
エルシィ「さぁ、また駆け魂を捕まえて最高の夏休みにしましょう!!」
桂馬「はぁ、最悪な夏休みだよ……」
11 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 16:01:02.85 ID:EelD9mFc0
桂馬「それで、今回の相手のデータはあるのか?」
エルシィ「私はまだ何も調べてないですけど地獄のデータベースに少しだけありました!」
エルシィ「聖クロニカ学園高等部二年、三日月夜空さん」
桂馬「三日月、夜空、すごい名前だな。それに二年、僕達と同級生か」
エルシィ「それから今は隣人部という部活をしているそうです」
桂馬「隣人部? なんだそれは」
エルシィ「えーと、隣人部の主な活動は『友達を作ること』だそうです」
桂馬「……は?」
エルシィ「え、えと、友達を作ることって書いてありますよ」
桂馬「友達…? 奴等と友達になれば駆け魂は出て行くのか…?」
エルシィ「さ、さぁ…?」
桂馬「僕のギャルゲー理論で攻略すると友達ルートはバッドエンドだぞ!?」
ちひろ「あっ、エリーこんなところにいた! ほら着替えて行くよ」
エルシィ「ちひろさん、行くってどこにですか?」
ちひろ「もちろん海さ~~!!」
12 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 16:09:47.67 ID:EelD9mFc0
歩美「桂木も来たんだー」
ちひろ「オタメガも海で遊びたいのさー」
桂馬「おい、僕に絶対に海に来いって言った奴等は誰だ」
歩美「…………」
ちひろ「…………」
歩美「そ、それよりさ。桂木、私達に何か言うことあるんじゃない?」
ちひろ「そ、そうさー。こう、なんか、見た目とか」
桂馬「は……? あぁ、水着か。確かにギャルゲーで水着イベントは重要、だが」
桂馬「リアルの水着イベントなどに興味はない!!!!」
ドゴーン!! バシャバシャバシャ
桂馬「僕のPFPがああああああああああ!!!!」
13 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 16:19:40.38 ID:EelD9mFc0
『海だーーーーーーーーーー!!!!!!!』
桂馬「ん…?」
結「向こうの砂浜の星奈達だね」
エルシィ「あれは、何をしているんでしょう?」
ちひろ「海に向かって叫んでいる、としか」
歩美「説明のしようがない」
京「青春だねー」
結「そうだ、せっかくみんな同じ砂浜にいるんだ。みんなで一緒に遊ぼうよ!」
歩美「あ、いいかも。ビーチバレーの試合とかやろ!」
ちひろ「ちょっと怖そうだけど向こうにはイケメンもいた!」
京「ちひろ……」
桂馬(さっそく出会いイベントか。ここは重要だぞ)
17 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 16:30:41.35 ID:EelD9mFc0
星奈「五位堂、あんた変わったわね。さっきの男装といい、何かあったの?」
結「え? 別に、ただ自然にこうなっただけだよ」
幸村「パーティーで知り合った人に海で再会、素敵ですね」
理科「そ、それでセレブな二人の出会いはパーティーでら、ら、らんk」
夜空「おいっ!」バシッ
星奈「舞島で有名な所は五位堂と青山だけだからね。ちょっと覚えてただけよ」
桂馬(青山…? あぁ、美生か)
結「それで、どうかな?」
小鷹「いいんじゃないか? 人数は多い方が楽しいだろ?」
夜空「お、おい、小鷹。どういうつもりだ?」
小鷹「どうって、俺達は隣人部の活動で来てるんだ。友達を作るチャンスじゃないか」
夜空「そ、それは、そうだが……」
19 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 16:39:42.29 ID:EelD9mFc0
結「さて、自己紹介も済んだことだし、何をして―――」
星奈「ハァハァ……エルシィちゃん……ハァハァ……」
エルシィ「…? なんでしょう?」
星奈「一目見たときからカワイイと思ってたのよ! エルシィちゃんもふもふ羽衣モフモフさせてぇぇ!!」
エルシィ「星奈さんくっ付かないで下さい~~。どっちが喋っているのか分からなくなります~~」
小鷹「へ、へぇ、それじゃ小阪さん?は勉強も料理もギターも上手いんだ?」
ちひろ「そうなんですよ~~」クネクネ
京「おい」歩美「ないわー」
結「みんな好き勝手だなぁ。三日月さんのところも大変そうだね」
夜空(……なんだこいつ、馴れ馴れしいヤツだな……)
夜空「小鷹達はお前達と遊ぶようだが、私は違う。小鷹、私は部屋に戻っているぞ」
小鷹「お、おい、夜空! 夜空……」
21 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 16:50:07.24 ID:EelD9mFc0
夜空(……なんで私があんなリア充達と遊ばないといけないんだ……)
夜空(……小鷹もあんなバンドなんかやってる女と仲良くするとは……)
桂馬「ふぅ、やっとPFPに入った海水を拭き取れた」フキフキ
夜空「!?!?!? だ、誰だ!?」
桂馬「さっき自己紹介しただろ。桂木桂馬だ」
夜空「……なんでここにいる? ここは肉…、柏崎の別荘なんだが?」
桂馬「五位堂の別荘は結のボディガードが多くて、ゆっくりゲームも出来やしないよ」
夜空「そうか。だがそれとお前がここにいていい権利にはならないな」
桂馬「お前の読書の邪魔はしないよ。それともこの広いリビングに僕がいるだけで読書も出来ないというなら出て行くが」
夜空「……まぁいい。好きにしろ」
桂馬(あれだけ大勢の人間がいたら二人きりのイベントはそうそうない)
桂馬(ここで夜空との関係を他の奴等と違うモノにする。ここはどう攻めるか)
23 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 16:59:44.67 ID:EelD9mFc0
星奈「小鳩ちゃん! エルシィちゃん! 一緒にサンオイルの塗り合いしましょぉぉ!!」
小鳩「いやああああ!!」
エルシィ「あわわわ~~」
幸村「あにき、ビーチバレーといえど勝負は勝負、真の男たるもの勝ちたいです」
小鷹「あぁ、舞島と聖クロニカの対戦だからな。これは戦だ」
理科「小鷹先輩、ビーチボールを胸で受け止めたときに水着が脱げる確率はですね」
小鷹「おい」
マリア「ルールは知らないけどマリアもやるぞぉーー!!」
小鷹(……夜空、戻って来ないな。やっぱり追いかけたほうが良かったか……)
26 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 17:09:19.11 ID:EelD9mFc0
『やっぱり私一人は嫌です! みんなと、貴方と一緒にいたい!』
桂馬「フッ、分かっていたさ。さぁ行こう、僕達の楽園へ」ピコピコ
夜空(……凄く読書の邪魔なんだが……)
夜空「……おい、お前は友達のところへ行かなくていいのか?」
桂馬「友達…? あぁ、歩美達のことか。あいつ等はただのクラスメイト、妹のバンドメンバーだよ」
夜空「妹の付き添いで海まで来たのか? 随分シスコンなんだな」
桂馬(そいつも本当の妹じゃないんだが、というか悪魔だ、いや小悪魔、いやポンコツ小悪魔か)
桂馬「お前こそ部活の友達と遊ばなくていいのか?」
夜空「別にあいつ等は友達じゃない。同じ目的の為に一緒に行動しているだけだ」
桂馬(……目的、それが『友達を作ること』か……。色々矛盾している気がするが)
桂馬(やはり僕は、僕のギャルゲー理論でいく。友達ルートではなく、恋愛ルートだ!!)
29 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 17:19:26.55 ID:EelD9mFc0
理科「キマシ……」
星奈「ハァハァ……エルシィちゃんハァハァ……」ヌルヌル
エルシィ「あわわわ、変なところにサンオイル塗らないで下さい~~!!」
歩美「へぇー、でも本当に楠くん男なの?」
幸村「はい。わたくしは、真の男を目指す男です」
ちひろ「男なのに私達よりカワイイとは……」
京「でも男子なのになんで女子の水着?」
幸村「それは、夜空の姉御に『真の男は女装していても男らしさがにじみ出る』と聞いたので」
歩美ちひろ京(……全然にじみ出てない……)
結「いいじゃないか! 男の子が女の子の格好をしたって!」グイッ
幸村「結の姉御……。ありがとうございます」
結「かよわい男の子を守るのが、女の役目さ」
理科「キマシ……キマシタワー!!」ビクンビクン
結(……男の子なのに女の子の格好か。……帰ったらすぐに舞校の女子制服を注文しよう!!)
33 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 17:29:56.64 ID:EelD9mFc0
桂馬「!?!?!?」ガタッ
夜空「……どうした?」
桂馬「いや、なんだか寒気が……。ちょっと先の未来にとんでもない事が起こるような……」
夜空「……変なヤツだな」スタスタスタ
桂馬「おい、待て。どこに行くつもりだ?」
夜空「……買い出しだ。そろそろ晩ご飯の準備をしないといけない時間だからな」
桂馬「他のヤツらを待たなくていいのか? どうせ結のことだ、晩飯も一緒にとか―――」
夜空「あんなリア充達と一緒にいるつもりはない。私たちは私たちの合宿をするまでだ」
桂馬「そうか、なら僕も行こう」
夜空「はぁ!? お前は私の話を聞いてないのか!?」
桂馬「お前一人で部活全員の食料を持てるとは思えないな。まぁ僕のことはただの荷物持ちだと思えばいい」
夜空「自ら下僕になりたがるとは、お前はMなのか?」
桂馬「いいから行くぞ。―――他のヤツらが帰ってくる前にな」
桂馬(……ここは二人きりのイベントを維持する。買い出しイベント、ここはどう攻めるか)
34 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 17:39:39.04 ID:EelD9mFc0
星奈「買い出しに行くって書き置きがあったけど、夜空のヤツ帰りが遅いわね」
エルシィ「にーさまもいません! どうしましょ~~!?」
理科「これはもしかしたら……」
幸村「もしかしたら…?」
理科「夜空先輩と一緒の桂木さんが送り狼になって雑木林であんなことやこんなことにぃぃーー!!」
歩美「!?!?!?」ちひろ「!?!?!?」
ちひろ「……な、ないない。オタメガに限ってそんな度胸はない」
歩美「そ、そうそう。弁当を奪い合うオオカミにはなっても、女の子を襲う狼にはならない」
京「二つ名を持ってる人が言うと説得力あるねー」
理科「そうですか……。理科の推理だとこれ以外の答えはないんですが」
小鷹「おいおい……」
小鳩「あんちゃん……」
小鷹「小鳩……。そうだな、ちょっと俺が周りを見てくるよ」
36 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 17:49:58.55 ID:EelD9mFc0
桂馬「おい、本当にこっちでいいのか?」
夜空「う、うるさい! ちょっと待ってろ!」
夜空(……別荘にあった地図ではこっちのはずだが、土地勘のある肉を連れて来るべきだったか)
夜空(いや、あんなリア充達と仲良くしている肉を頼るなどありえん)
不良A「うはwwwwカワイイ女の子www見つけたwwww」
不良B「さすがリョー君wwww女の子探索レーダーはんぱないッスwwww」
不良C「あれww一人ッスかwwww」
夜空「………」スタスタスタ
不良A「ちょwwwスルーwwwww」
不良B「それはwwwwないwww」
桂馬(……ここでパセリ登場だと……!?)
38 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 17:59:38.10 ID:EelD9mFc0
桂馬「……ナンパとは、リアルの出会い方はこれだから困る」
不良A「ちょwwwwなにこいつwwwwww」
桂馬「キャラ設定も甘い、今時不良キャラはないな。二重人格で片方は優男、片方は精霊で暴走するぐらいしろ」
不良B「うはwwwwやっちゃっていいんすかwwwww」
夜空「止せ、相手は三人だ。ここは素通りして―――」グイッ
桂馬「夜空、後ろにいてくれ」
夜空「お前、なんで私の名前を……」
桂馬(フ、フフフ、フハハハハ!!)
桂馬(僕が夜空をかばう → 僕がパセリに殴られ気を失う → 通りすがりの警官がパセリを追い払う)
桂馬(夕日の浜辺で膝枕で僕を介抱する夜空!! 悩みを打ち明ける夜空!!)
桂馬(……完璧だ。僕のギャルゲー理論は完璧すぎる!! このままエンディングへ―――)
小鷹「お前ら、俺の知り合いになんか用か?」
42 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 18:11:04.82 ID:EelD9mFc0
不良ABC「なんだお前!?」
桂馬(……なんだお前!?)
夜空「小鷹!」
小鷹「俺の知り合いに用があるのかって聞いてんだよ」ギロリ
不良ABC「ヒィ…」
桂馬(……おいおい、まさかこの展開は……)
不良A「ちょっと道を聞こうとしただけッスよwwww」
不良B「思い出したんでいいッスwww」
不良C「それじゃ行きますわwwwwwwww」
小鷹「二人とも大丈夫か?」
夜空「小鷹、助かった」
桂馬(あ、あぁぁ……僕のギャルゲー理論が……)
小鷹(……あれ、これって桂木を助けたことになるのか?)
小鷹(これをきっかけに友達になれたりとか。よし、俺の初の男友達に!!)
桂馬「………」ギロリ
小鷹(めっちゃ睨まれてるぅぅーー!? なんでだーーーー!?)
44 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 18:21:04.15 ID:EelD9mFc0
夜空「結局、五位堂のバーベキューに参加することになるとは……」
小鷹「仕方ないだろ、時間も時間だったし、折角誘ってもらったんだしな」
マリア「肉だぁぁーー!!」小鳩「あぁぁーー!! それはうちの肉たい!!」
結「はい、三日月さん。お肉焼けたよ」
夜空「あ、あぁ……ん……う、美味いな」モグモグ
結「そう? それはよかった」
星奈「五位堂の言いなりだったあの結があんなに変わるとはね~」
桂馬「今は本人が好きでやってるんだ。いいんじゃないか」ピコピコ
星奈「ふーん……。アンタ、何か知ってそうね?」
桂馬(……星奈、声は似てるくせにポンコツとは違って鋭いのか……?)
エルシィ「うーー!! 今にーさま失礼なこと考えてました!!」
桂馬(……こういう所だけ鋭いんだよコイツは……)
星奈「まぁ、天才の私は何でもお見通しよ!!」
桂馬(……やっぱり勘違いか)
46 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 18:31:20.11 ID:EelD9mFc0
エルシィ「うーー!! 本当に神にーさまは凄いんですーー!!」
星奈「エルシィちゃんの言うことだから信じてあげたいけど……」
理科「さすがに桂木さんが『落とし神』というのはちょっと……」
夜空「どうした? 落とし神、何だそれは」
星奈「ええぇぇーー!? 夜空、落とし神知らないのぉぉーー!?」
理科「落とし神とは、ギャルゲー攻略の神とされている人物ですね」
夜空「……有名なゲーマーということか」
エルシィ「にーさまは本当に落とし神さまなんですーー!!」
星奈「発売当日に全てのヒロインを攻略する落とし神なんて、あんなのどうせチート技よ」
理科「そうですね。きっと落とし神はデバッグ会社の社員とか関係者でしょう」
エルシィ「うぅー……誰も信じてくれません……」
夜空「桂木、お前はその、落とし神なのか?」
桂馬「あぁ、僕は神だ。別に信じてもらえなくてもいいんだが」
夜空「それなら肉や理科の質問に全て答えられるな?」
桂馬「―――なるほど、そういうことか。いいだろう、神は逃げない!!」
47 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 18:41:13.31 ID:EelD9mFc0
星奈「そ、そんな……私より『きらスク』に詳しいヤツがいるなんて……」
理科「理科のギャルゲー知識を全て使ったのに……」
桂馬「まさかこの程度で、神である僕に挑むつもりだったのか?」
桂馬「今度はこちらから質問だ。星奈、質問傾向からしてギャルゲーをやり始めたのは最近だな」
星奈「そ、それは…!?」
桂馬「過去の名作をプレイしていないお前が、神に挑むなど……笑止!!!!」
星奈「くっ……。 ん? そ、それは、昨日発売したギャルゲー!?」
理科「それは開発陣がかなり難しく作ったのでヒロイン攻略には数週間かかると言われている新作です!!」
桂馬「………」ポチッ
『桂馬くん……。私、あなたが好きなの……!!』 シナリオ達成率100% CG達成率100%
星奈「こ、これが……」ヘナヘナ
理科「神の、力……」ビクンビクン
エルシィ「えへへ~~。どうです! スゴイでしょう! 私のにーさまはスゴイんですぅ!!」
桂馬「なんでお前が偉そうなんだよ」
夜空「フフ、無様だな肉!!(―――桂木桂馬、落とし神、なんなんだコイツは……)」
50 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 18:50:48.38 ID:EelD9mFc0
ちひろ「まさか温泉まであるとは、五位堂家さまさまですな」
歩美「夜空さん肌キレー!」
京「わー、本当だー。やっぱりモブとは違うよねー」
夜空「お、おい……。触る、な……。ちょ、やめ……」
エルシィ「星奈さん胸おっきいですぅーー!!」
小鳩「昼間のお返しじゃーー!!」バシャバシャ
星奈「ひゃーー!! もう、やったなーー☆」
理科「―――とか妄想しているんでしょう!! 小鷹先輩!! 桂木さん!!」
理科「さぁ、主人公スキルを使ってこの竹壁を壊すのですーー!!」
理科「それとも覗き穴から見てるんですか!? 見てるんですね!? きゃぁぁ!!」
結「いつもあんな感じ?」
夜空「あぁ……」
星奈「そうね……」
53 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 19:00:47.54 ID:EelD9mFc0
桂馬「おい、何か聞こえなかったか?」
小鷹「え? いや何も」
桂馬「そうか…」
桂馬「そういえば楠、ってなんだか主将を呼んでるみたいだな。幸村は?」
小鷹「幸村なら俺達の後に入るってさ。折角の露天風呂なんだから一緒に入ればいいのになぁ」
桂馬「―――まぁ、リアルは湯気が仕事したりしないからな」
小鷹「湯気…?」
桂馬(……駆け魂センサーは小鷹以外の隣人部に反応した。つまり幸村は……)
小鷹「それにしても風呂の中でもゲームやめないんだな」
桂馬「当然だ。僕の攻略を待っているヒロインがいる限り、僕がギャルゲーをやめることはない!!」
小鷹「お、おう……」
桂馬(……攻略初日はこんなものか)
桂馬(……明日からは夜空とイベントを重ねて好感度を上げる。合宿最終日までに攻略するんだ)
56 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 19:11:52.26 ID:EelD9mFc0
ちひろ「よーし、練習再開。……お?」
小鷹「へぇ、別荘の地下にこんなスタジオがあるなんて凄いな」
星奈「演奏するエルシィちゃんを見に来たわ!!」
夜空「私はリア充の練習風景なんか興味はないんだが、こいつ等が行きたいとうるさくてな」
マリア「マイクだぁぁーー!!」ダッ
ちひろ「あっ……」
マリア「んでっ!wwwwんでっ!wwwwんでっ!wwwww」
エルシィ「!?」 歩美「!?」
エルシィ「……にゃ~んでっwwwwwwww」
歩美「かまってwwwかまってwwww欲しいのwwwww」
エルシィ「イイ子じゃない時のwwwwワタシwwww」
歩美「カワイイとかってwwwwwありえな~いwwwww」
ちひろ「――――――歩美、エリー」
エルシィ「あわわわ、口が勝手に……。す、すみませーーーーん!!」
歩美「ご、ごめんごめん。真面目に練習するからさ」
58 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 19:21:40.14 ID:EelD9mFc0
ちひろ「昨日はあれだけ遊んだんだから今日は練習!!」
歩美「わ、分かってるって。さぁ、やろうか」
ちひろ「オッケー、それじゃ」
http://www.youtube.com/watch?v=LumWAyNp_D4
ちひろ「初めて恋をした記憶~~♪」
マリア「おぉー! ちひろの歌は元気が出るぞーー!!」
星奈「演奏するエルシィちゃんカワイイーーーー!!」
夜空「――――――初めて恋をした記憶、か」
夜空「お前は覚えてないのか、小鷹……」
小鷹「え? なんだって?」
夜空「―――なんでもない。用事を思い出した、先に別荘に帰ってるぞ」
小鷹「夜空…?」
桂馬(……あの二人……)
60 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 19:32:03.65 ID:EelD9mFc0
小鳩「……あんちゃん、ここの問題が分からんたい」
小鷹「え? や、やべぇ、ここは俺も苦手だった場所だ……」
夜空(……ん? あれは小鷹が宿題を教えているのか、それに桂木も?)
桂馬「こことそこ、途中から間違えてる。正しいルートはこっちだ」
小鷹「あぁ、そうか、なるほど。桂木は勉強も出来るんだな」
桂馬「隣のページでも同じような問題で間違えてるな。苦手ならここを重点的にやるといい」
小鷹「ちょっと見ただけでそんなことまで分かるのか!?」
小鳩「……ク、ククク、よくやったピエール。我が褒めてやるぞ」
桂馬「どういたしまして」スタスタスタ
小鳩「あっ……」グイッ
桂馬「ん?」ピコピコ
小鳩「あ……ぁ……ありがろん」
小鷹「あぁ、悪い。こいつ人見知りなんだよ」
桂馬「いや、別に気にしてないが(……ろん?)」
夜空(……そうか、桂木は成績いいのか。って私は何で隠れてるんだ……)
62 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 19:41:37.71 ID:EelD9mFc0
『バレバレ~バレンタイン~♪ バレバレ~バレンタイン~♪』
エルシィ「あぁーー!! かのんちゃんの新曲ですぅぅーー!!」
エルシィ「バレバレ~バレンタイン~♪」
桂馬「おい、なんだその黄色のサイリウムは……。前までそんなの持ってなかっただろ」
エルシィ「いつでもかのんちゃんを応援出来るようにと防衛隊の人にハッピープレゼントで貰いました!!」
星奈「アイドルの真似するエルシィちゃんもカワイイーー!!」
理科「そういえば中川かのんは舞島の学園に通ってるらしいですね。皆さん見たことあるんですか?」
歩美「え…と…」 ちひろ「見たことあるって言うか…」 京「同じクラスだったり…」
小鷹「中川かのんと同じクラスなのか!?」
夜空(……なっ!? アイドルが同じクラス!? どこまでリア充なんだコイツら!!)
星奈「……な、なによ。私たちの学園だって有名人ぐらいいるわよ」
幸村「なんと、初耳です」
星奈「数々の企業から商品開発の天才と言われてるこの志熊理科が!!」
理科「―――あのぉ、星奈先輩。トップアイドルと理科を比べられるのはちょっと……」
星奈「うっ……。うぅ、パパの学園だって凄いんだからぁぁーー!!」ダッ
64 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 19:51:02.36 ID:EelD9mFc0
エルシィ「神にーさまぁ! 花火やりましょうよーー!!」
星奈「神さまぁ!『きらスク』の花火イベントごっこやりましょう!!」
桂馬「だぁぁーー!! ステレオでカミサマカミサマ呼ぶんじゃねぇぇーー!!」
夜空「……なんだ桂木、お前は花火やらないのか?」
桂馬「夜空……。僕はリアルの花火なんて」
夜空「結構キレイだぞ?」バチバチ
桂馬「……まぁ、な」
夜空「フッ……」
歩美「あぁー、花火終わっちゃった」
ちひろ「ありゃ、こっちもだ」
歩美「ちひろー、新しいの取りに行こー」テクテク
ちひろ「―――あのさ、歩美ってオタメガのこと……」
歩美「ん? なに?」
ちひろ「い、いやー、なんでもないさー」
67 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 19:59:41.00 ID:EelD9mFc0
桂馬「…………」バチバチ
夜空「…………」バチバチ
桂馬「……なんで僕を花火に誘ったんだ?」
夜空「深い意味はない。この合宿でお前と二人になることが多かったからな、その流れだ」
桂馬(……そうなるように仕組んだのは僕なんだがな)
夜空「……私とお前は似ているのかもしれない」
桂馬「え?」
夜空「隣人部と舞校の奴等は随分仲良くなった。だが、私とお前はいつも一人だ」
桂馬「……他人と仲良くすることが出来ないのが似ている、か?」
夜空「フッ、酷い共通点だな。気を悪くしたか?」
桂馬「別に。事実だしな」
夜空「あぁ、そうか……。だから私はお前が気になっ――――――なんでもない」
桂馬(……夜空の好感度は上がってる。明日は合宿最終日、何かイベントが必要だな)
69 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 20:07:10.92 ID:EelD9mFc0
星奈「さぁエルシィちゃん、一緒にトナカイの数を数えて眠りましょう」
エルシィ「星奈さんの部屋は向こうですぅーー!! なんでここにいるんですかぁぁーー!!」
理科「………」ススス
ガチャ
小鷹「Zzz……Zzz……」
理科「やっと見つけましたよ。小鷹先輩、桂木さん」
理科「お二人のその逞しいモノで夜這いに来た理科を前から後ろから両方一緒に、ってあれ?」
理科「桂木さん……?」
71 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 20:15:57.44 ID:EelD9mFc0
理科「こんなところにいたんですか、桂木さん」
桂馬「理科か」
理科「夜の浜辺で海を見ながら黄昏るなんて、桂木さんは案外ロマンチストなんですね」
桂馬「別にそんなのじゃない」
理科「ここ最近ずっと夜空先輩と一緒にいるみたいですけど、何かあるんですか?」
桂馬「そうか? たまたまだろう」
理科「……夜空先輩を救うのは、小鷹先輩だと思ってました。まさかあなたのような人が現れるとは」
桂馬「……理科、お前は……」
理科「夜空先輩を助けてあげて下さい、落とし神様」
桂馬「………」
理科「さて! 理科は夜這いに失敗したので部屋に戻ります。それではオヤスミナサイです」
桂馬「……残念な奴らなのか、そうじゃないのか……」
72 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 20:22:12.64 ID:EelD9mFc0
ちひろ「もう合宿も最後の夜かーー」
歩美「いっぱい練習したし遊んだし、楽しかったよねーー」
桂馬(……そろそろ、か。エルシィ、頼むからバグるなよ……)
エルシィ「あのぉ、みなさーーん!!」
夜空「ん? なんだ?」
星奈「どうしたのエルシィちゃん!?」
エルシィ「今から皆さんでこの夏の最後の思い出作りとして、肝試しをしましょう!!」
理科「あぁー、いいですね。夏の定番行事です」
幸村「肝を試す。あにき、真の男になるため挑戦したいです」
小鷹「あぁ、いいんじゃないか。近くに雑木林があるし、そこら辺を一周するとか」
エルシィ「じ、実はですね。もう私ペアを作るクジを(羽衣で)作っておいたんです!!」
ちひろ「……なんかいつものエリーじゃないみたい」
エルシィ「そ、そんな事ないですよ~~!!」
桂馬(……思いっきり怪しまれてるじゃないか。まぁいい、僕と夜空がペアになれば後はこっちで)
エルシィ「ところで皆さん、肝試しってなにをするんですか????」
桂馬「――――――」
歩美「いっぱい練習したし遊んだし、楽しかったよねーー」
桂馬(……そろそろ、か。エルシィ、頼むからバグるなよ……)
エルシィ「あのぉ、みなさーーん!!」
夜空「ん? なんだ?」
星奈「どうしたのエルシィちゃん!?」
エルシィ「今から皆さんでこの夏の最後の思い出作りとして、肝試しをしましょう!!」
理科「あぁー、いいですね。夏の定番行事です」
幸村「肝を試す。あにき、真の男になるため挑戦したいです」
小鷹「あぁ、いいんじゃないか。近くに雑木林があるし、そこら辺を一周するとか」
エルシィ「じ、実はですね。もう私ペアを作るクジを(羽衣で)作っておいたんです!!」
ちひろ「……なんかいつものエリーじゃないみたい」
エルシィ「そ、そんな事ないですよ~~!!」
桂馬(……思いっきり怪しまれてるじゃないか。まぁいい、僕と夜空がペアになれば後はこっちで)
エルシィ「ところで皆さん、肝試しってなにをするんですか????」
桂馬「――――――」
73 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 20:30:02.75 ID:EelD9mFc0
エルシィ「嫌ですぅぅーー!! 私行きませーーん!!」
星奈「ハァハァ、エルシィちゃんが肝試しやろうって言ったのよぉぉ!!」グイグイ
エルシィ「うぅ……」
星奈「大丈夫、エルシィちゃんは私にくっ付いていればいいから。さぁ行きましょう」
エルシィ「……星奈さんは、幽霊怖くないんですか?」
星奈「幽霊なんて、冥土のメイドである私たちの下僕みたいなものよ、全然怖くないわ」
エルシィ「今はメイドの鎌はないじゃないですか~~。ここにはホウキしかありませーーん!!」
星奈「それならホウキで天狼七星陣? せめてソフトテニスのラケットがあれば妄想でなんとかするのに」
エルシィ「ラケットもないですし、宇宙船で遊びに来たワケでもないですよ~~!!」
星奈「まぁ、幽霊なんて無能力者でもなんとかなるわよ。さぁ行きましょう!!」
エルシィ「うぅ……。にーさまぁぁ!! 助けて下さーーい!!」
桂馬「早く行け」
75 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 20:37:21.75 ID:EelD9mFc0
歩美「それじゃ行こうか、小鳩ちゃん」
小鳩「うん……」
歩美(……そういえば、中二病で黒のゴスロリ服で、この声……)
小鳩(……このお姉ちゃん、大会で優勝する陸上部のエースで、この声……)
歩美(どこかで……)
小鳩(会ったことが……)
マリア「ひょうか、じゃなかった。ちひろは友達なんだよ!!」
ちひろ「イン……さん、じゃなくて。ほら、マリアちゃん行くよ」
結「かよわい男の子を守る僕が先頭に」
幸村「いえいえ、真の男たるわたくしが」ガサッ
結「っっ!?」幸村「っっ!?」
桂馬「何をやってるんだアイツ等は……。そろそろ僕達の順番か、夜空」
夜空「あ、あぁ……(またコイツと二人になるとは……)」
76 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 20:41:41.25 ID:1wcP+nUA0
中の人ネタが得意な>>1
78 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 20:51:49.73 ID:EelD9mFc0
夜空「ぞ、雑木林を一周する程度では、肝試しにはならなかったな」
桂馬「そうだな。そこ、危ないぞ。木の根が張ってる」ピコピコ
夜空「お前はゲームしながら何故分かる……」
桂馬(……肝試しに意味はない。ここは二人で歩いたことに意味がある)
桂馬(……これで夜空の夏の最後の思い出は、僕と一緒に過ごした事になる)
夜空「―――あれは、もうみんな帰ってきてるみたいだな」
桂馬(……よし、ここで僕が夜空に好意がある素振りを見せ、考える時間を与える)
桂馬(……夏の思い出に浸る夜空を、海に呼び出して告白、これで攻略だ!!)
歩美「もー、なにいきなり変なこと聞いてくるのよー」
ちひろ「そうそう、私たち友達に決まってるのにー」
小鷹「そ、そうだよな」
星奈「い、いやー、そうよねー」
夜空「―――――――――」
桂馬「……夜空?」
81 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 21:01:26.54 ID:EelD9mFc0
エルシィ「あぁー! にーさま、おかえりなさいですーー!!」タッタッタッ
桂馬「………」
エルシィ「あれ、夜空さんは?」
桂馬「雑木林の奥の方へ走って行ったよ」
エルシィ「えぇー!? は、早く追いかけましょう!!」
桂馬「待て、今ルートの確認中だ」
桂馬(……夜空、星奈、小鷹、隣人部、友達……)
桂馬「……行くぞ、エルシィ」
エルシィ「い、行くって、どこですか!?」
桂馬「―――ラストイベントだ」
桂馬「見えたぞ…… エンディングが!!」
83 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 21:11:25.49 ID:EelD9mFc0
エルシィ「あのクールな夜空さんが走り去ってしまうなんて、いったい何があったんでしょう……」スィー
桂馬「もしかしたら駆け魂の影響が出始めてるのかもな、そうなると厄介だぞ。ん?」タッタッタッ
[○○岬][危険][立入禁止]
桂馬「看板が倒されてる……。まさかこの先に行ったのか?」タッタッタッ
夜空「………」フラフラ
エルシィ「カミさまぁ!!」
桂馬「夜空……。エルシィ、隠れてろ」
エルシィ「は、はい!!」
桂馬「……夜空!!」
86 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 21:20:38.19 ID:EelD9mFc0
夜空「……なんだ、桂木か。私なんかを追って来たのか? お前は本当に変わったヤツだな」
桂馬(……私なんか? なるほど、夜空の周りに黒い靄が見える、駆け魂のレベルが上がったか)
桂馬「夜空、そっちは危ない。とりあえずこっちに―――」
夜空「ち、近寄るな!!」
桂馬「夜空……?」
夜空「……あんなに簡単に友達が出来るものか。いつか裏切る、ヤツらも学校の連中と一緒だ……」フラフラ
桂馬「おい、夜空!!」
夜空「そうだ、みんな裏切る、私を……。タカ…… タカも、私を忘れてる……!!」
桂馬(……タカ? そうか、小鷹のことか……)
夜空「お、お前だって、どうせ私のこと、なんて―――」ガラッ
桂馬「夜空っっ!!!!」
89 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 21:30:48.10 ID:EelD9mFc0
エルシィ(……カミさま大丈夫ですかーー!? すぐに羽衣で引っ張りあげますーー!!)
桂馬(……待てエルシィ。このままでいい)
桂馬(このまま僕と夜空が落ちないように羽衣で固定しててくれ)
エルシィ(で、でも……)
桂馬(……僕を、信じろ)
エルシィ(……私は悪魔ですけど、いつでも神様信じてます!!)
93 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 21:41:26.07 ID:EelD9mFc0
夜空「くっ、足をかける場所がない……」
桂馬「夜空……!! 大丈夫か!?」
夜空「もうダメか…… 桂木、手を放せ。このままだとお前まで落ちるぞ」
桂馬「放せるワケ、ないだろ」グググ
夜空「お前がいなくなると高原や小阪が悲しむぞ。私の場合は誰も悲しまん、私はクラスで空気だからな」
桂馬「………」
夜空「そういえば、お前は落とし神だったな。その名の通り、私を落とせばいいじゃないか」
桂馬「……そう、僕は神だ。でも、僕が好きなヒロインを落とすのは崖からじゃなくて恋愛だよ」グイッ
夜空「か、桂木…?」
桂馬「落とし神として、このイベントで好きな女の子を落とすワケにはいかないな」
夜空「す、すす、好きな、って……」
95 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 21:51:07.58 ID:EelD9mFc0
桂馬「さっき、夜空がいなくなっても誰も悲しまないと言ったな」
桂馬「……僕が悲しい。僕は、夜空にいなくなってほしくない」
夜空「桂木……」
桂馬「それに、夜空がいなくなって本当に誰も悲しまないと思ったのか?」
桂馬「星奈が、小鷹が、隣人部のヤツらが、歩美やちひろ達だってそうだ」
夜空「そ、それは……」
桂馬「耳をすませ、聞こえるだろ?」
「ヨゾラー」「アホヨゾラー」「アネゴー」「センパーイ」「ヨゾラー」「ヨゾラサーン」「ヨゾラサーン」
夜空「……あいつら……私を、探して……」
桂馬「―――さぁ、帰ろう。君がいなくなると悲しむ人達がいる場所へ」
桂馬「――――――隣人部へ」
97 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 22:01:08.88 ID:EelD9mFc0
桂馬「このまま進めば雑木林の道に出れるはずだ」
夜空「か、桂木、もういいだろ。手を、離してくれ」
桂馬「ん? あぁ、そうだな」
夜空「………」
桂馬「……?」
夜空「―――桂木、先ほど助けてもらった礼が、まだだったな」
桂馬「え?」クルッ
夜空「……ん////」
桂馬「!?!?!?!?」
エルシィ「で、出たああぁぁ~~~~!!!!」
エルシィ「駆け魂、勾留♪♪」
夜空「か、勘違いするなよ。私は落とされたんじゃない、自分からお前に落ちたんだ」
99 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 22:05:41.82 ID:g+ilOhY6i
かーみーのーみ~~~
100 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 22:11:24.60 ID:EelD9mFc0
小鷹「よ、夜空!! 大丈夫か!?」
夜空「どうした? みんな揃ってなにしてる?」
理科「夜空先輩達が帰ってこないからみんなで探してたんですよーー!!」
幸村「あねご、心配しました」
夜空「あぁ、少し道に迷っただけだ。何も心配いらない」
小鷹「そ、そうか、それならよかった」
星奈「だから言ったでしょー? あーあー、心配して損したーー」
夜空「……みんな、すまなかったな。……肉、心配をかけた、すまん」
星奈「え……? え、ええぇぇーー!?」
夜空「どうした……?」
小鷹「よ、夜空が、星奈に、あ、謝った……」
星奈「ちょ、ちょっと夜空大丈夫!? 雑木林で何か変なモノ拾い食いしたんじゃないでしょうね!?」
夜空「そんなことするワケないだろう。こんな夜中にうるさい肉だな、少しは黙れ」
星奈「な、なんですってぇぇーー!?」
103 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 22:20:30.11 ID:EelD9mFc0
ちひろ「……あっ、オタメガーー!!」
歩美「やっと見つけた~~。桂木、なにやってんのよ」
桂馬「あぁ、道に迷った。なんでだろうな」ピコピコ
歩美ちひろ「「ゲームしながら歩いてるからよーー!!」」
歩美「結たちも探してるから早く戻ろーー」
ちひろ「まったく、心配させないでよ~~」
桂馬「……心配? お前たちが、僕を……?」
歩美「そりゃ心配ぐらいするでしょ。私たち、と、とと、友達なんだから」
桂馬「友達……? 僕たちが?」
歩美「そうよ?」
ちひろ「というか友達とも思ってないクラスメイトを合宿に誘うワケないさーー」
桂馬(――――――僕の、友達……――――――)
107 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 22:32:04.32 ID:EelD9mFc0
ガチャ
小鷹「おーい、この間の合宿の写真が出来たぞーー」
星奈「へぇー、見せて見せて」
小鳩「あんちゃん、これ……」 マリア「お兄ちゃん、これ……」
星奈「何よこれ、誰を撮ろうとしたの? 小鷹、あんた写真撮るの下手すぎ……」
幸村「誰も写ってない風景写真もあります。あにきは自然を愛する真の男ということですね」
小鷹「ちょ、待て待て!! そんなはずは…… あれ、確か上手く撮ったよな……」
理科「この集合写真なんてスカスカですね。まぁ、理科たちらしいといえばらしいですが」
夜空「……そうだな」
夜空(―――私たちは、この写真のようにまだ距離がある。今はそれでいい)
夜空(これからその距離をつめていこう、この隣人部で。そうだろ? けい――――――)
小鷹「……夜空?」
夜空(……私は、誰かの名前を……。気のせいか……?)
小鷹「どうした、もうみんな集まってるぞ」
夜空「分かった。――――――隣人部の活動を始める!!!!」
110 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 22:41:17.27 ID:EelD9mFc0
エルシィ「うーー……」ジー
桂馬「なんだ、駆け魂と睨めっこか? 新地獄にはそういう遊びがあるのか」
エルシィ「うーー!! 違いますぅ!!」
桂馬「ならなんだ、夜空の駆け魂に何かあるのか?」
エルシィ「夜空さんの心のスキマの反応は、かなり大きかったんですけど……」
エルシィ「出てきた駆け魂はこの小ささ…… どうしてでしょう~~?」
桂馬「あぁ、そのことか。いいんだよ、僕たちは駆け魂を出したんだ」
エルシィ「それは、そうですけど……」
桂馬「夜空の本当の心のスキマは、これから向こうのプレイヤーキャラが満たしていくよ」
エルシィ「プレイヤーキャラ?? 誰ですかそれ??」
桂馬「このバグ魔……」
113 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 22:55:30.50 ID:EelD9mFc0
エルシィ「夜空さん達、今頃なにしてますかね~~」
桂馬「知らないよ。また友達作りとかいうのをやってるんじゃないか」
エルシィ「わーー!! それは楽しそうですぅ!!」
桂馬「……部活までして友達作り、理解できないな。僕は友達いないけど、まったく気にしてないぞ」
エルシィ「あーー、またにーさまそんなこと言ってます~~」
エルシィ「それじゃ、にーさまは歩美さんやちひろさんも友達だと思ってないんですか?」
桂馬「…………訂正する」
桂馬「――――『僕は友達が少ない』……これならいいだろ?」
エルシィ「はい! それでは行きましょう、にーさまの攻略を待っているヒロインのもとへ!!」
桂馬「僕が攻略したいのはリアルじゃなくてゲームのヒロインなんだが……」
「神のみぞ知るセカイ」×「僕は友達が少ない」
『神のみぞ知る隣人部』
完
117 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 23:06:40.58 ID:EelD9mFc0
オマケ
ちひろ「さ、それじゃエンディングいきますか」ギュィーン
歩美「オッケー」 エルシィ「はい!!」 星奈「そうね」
夜空「……おい待て肉」
星奈「なによ夜空、私アンプの調整とかで忙しいんだけど」
夜空「なんでお前が2B-PENCILSの演奏に入ろうとしてるんだ」
星奈「誰かさんが攻略されてる間にエルシィちゃんからベース習ったのよ」
夜空「なん……だと……」
星奈「まぁ、私は天才だからすぐに覚えたわ!!」
夜空「ぐぬぬ……」
星奈「あれ?wwまさか夜空ww楽器の一つも演奏出来ないの?wwww」
夜空「……何を言ってる肉、私もエンディングの演奏に参加する予定だったぞ」
星奈「えっ……楽器は……?」
夜空「エアギターだ!!!!」
http://www.youtube.com/watch?v=kub2XaZfHBE
120 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 23:11:57.29 ID:EelD9mFc0
これで終わりになります。
ここまで読んで下さった方々、ありがとうございました。
支援レス保守レスとても嬉しかったです。
126 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 23:36:35.12 ID:EelD9mFc0
ちょっと休憩しました
アニメ版はがないの夜空には駆け魂が入っているようにしか見えなかった……
ですからこのSSを書きました
星奈のほうが人気高いのは分かってるんですけど、夜空が好きなんで
119 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 23:10:46.21 ID:k1YSApRq0
乙
面白かった
面白かった
123 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 23:28:58.82 ID:KU9Kr3wo0
乙!
面白かった
面白かった
127 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 23:39:07.98 ID:h+FSDWDP0
>>126
乙乙
俺は理科が好きだがな
乙乙
俺は理科が好きだがな
129 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/21(土) 23:57:47.97 ID:EelD9mFc0
スレタイ通り本当に隣人部全員同時攻略を書こうかと思ったのですが
凄い長編になりそうだったのでやめました
でもいつかそういうのも書いてみたいです
神のみ本編の同時攻略ネタが面白いので興味があります
それでは『神のみぞ知る隣人部』にお付き合い頂き、ありがとうございました!!
また次のSSでお会いしましょう
130 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/22(日) 00:01:09.72 ID:7clG7iM90
乙
夜空可愛よね
並行攻略今度書いてくれよ 長くなるなら最悪ss速報いくとかあるしね
夜空可愛よね
並行攻略今度書いてくれよ 長くなるなら最悪ss速報いくとかあるしね
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No Title - 名無しさん - 2012年04月25日 18:43:07