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魔法少女まどかフロンティア 3

198: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 02:39:12.79 ID:bxIV+0iX0


「またシップか。今回は連続だな」

「おら、荷物をここに並べろ」

レッド「何だ、お前たちは」

「ゴチャゴチャ言ってねえで言われた通りにしろ!」

さやか「何よこいつら……」

マミ「うふふ、臓物の中から骸骨がでてきたわ~」

さやか「マミさん、これモンスターです。正気に戻ってください!」

「こいつらなめやがって……」

「やっちまえ!」


199: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 02:39:59.06 ID:bxIV+0iX0

「お前ら、まだ懲りてなかったのか?」


さやか「!」

さやか「杏子!?」

杏子「あ? なんだ……って」

杏子「さやか!?」

杏子「……と、マミはどうしたんだよ?」

マミ「あら、佐倉さん? こんなところで奇遇ね~」


200: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 02:40:45.58 ID:bxIV+0iX0

杏子「どうしたんだよ、コイツ」

レッド「マミはタンザーの中身にショックを受けたんだ……」

杏子「ああ……、ってアンタは?」

レッド「俺はレッド。マミとさやかには、色々助けてもらってる」

さやか「レッドさんは正義の……」

レッド「!?」

さやか「っじゃない! あの、なんかみんなを守る系の仕事を……」


「おいおい、あたしらを無視するんじゃないよ」


201: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 02:41:24.21 ID:bxIV+0iX0

さやか「またなんか出てきた」

マミ「……どちら様ですか?」

杏子「お、立ち直ったか」

マミ「悪人の気配がするわ……」

さやか「さすがマミさん……」

「こいつらが手荒なまねをして済まなかったね。どうも気の短い連中でね、許しとくれよ」


202: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 02:42:04.25 ID:bxIV+0iX0

杏子「ああ!? 何お前いまさらいい子ぶってんだよ」

さやか「え、何?」

杏子「こいつ、強盗団の頭なんだよ」

杏子「なんだっけ、ノーマッド?」

マミ「強盗!?」

レッド「強盗だと……」

ノーマッド「そうよ。あたしはノーマッドさ。確かに外じゃ悪さもしたさ」

ノーマッド「まあ、言い訳するつもりもないさ。けど……」


203: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 02:42:45.51 ID:bxIV+0iX0

杏子「んじゃあ、とりあえずついてこいよ」

杏子「ここにいたら、タンザーに吐き出されてお陀仏だぜ」

さやか「そ、それを先に言いなさいよ!」

マミ「どこか、場所があるの?」

杏子「ああ、まあな。あたしも連れがいるんだ」

さやか「へえ、杏子が」

杏子「いいだろ、別に」


204: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 02:43:54.05 ID:bxIV+0iX0

ノーマッド「……」

「お頭、どうします。連中行っちまいましたよ」

ノーマッド「チッ、仕方ないね」

ノーマッド「帰るよ!」


タンザー 居住地

マミ「場所って、ここ?」

杏子「ああ、一応安全だし、食いもんもあるぜ」

マミ「ふふふ、やっぱり臓物なのね……」

さやか「マ、マミさん、ほらこの辺りあんまりヌメってないですよ!」

マミ「そうね~なんだか動いてるわ~」


205: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 02:44:45.78 ID:bxIV+0iX0

クーン「ねえねえ、その頭病気なの?」

「びょ、病気ではない! これは修行のために……」

メイレン「私をほっといて、その挙げ句に弁髪? 信じられない!」


さやか「えーと、あれは?」

杏子「ああ、あたしの連れだ」

さやか「……弁髪も?」

杏子「あれはタンザーで会った。この場所もアイツが使わせてくれてるんだ」

マミ「いい人なのね……」

杏子「フェイオンってんだよ。ガチガチの善人だな」


206: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 02:45:21.75 ID:bxIV+0iX0


さやか「で、杏子は今まで何してたの?」

杏子「そこのクーンとメイレン、あいつらと指輪を探してる」

マミ「指輪?」

杏子「全部集めねーとあいつの故郷が滅びるんだとさ」

マミ「滅び……」

さやか「それでほっとけなかったんだねえ」

杏子「ニヤニヤすんな!」


207: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 02:45:51.28 ID:bxIV+0iX0


クーン「そうだ、指輪だよ!」

クーン「フェイオン、指輪のことなんか知らない? すごい力の魔法の指輪!」

フェイオン「指輪か……。私は聞いたことがないな」

メイレン「指輪の持ち主が乗ったシップがタンザーに呑まれたっていう話があるわ」

メイレン「心当たりはない?」

フェイオン「……ノーマッドなら何か知ってるかもしれないが」


208: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 02:48:33.65 ID:bxIV+0iX0


杏子「お前らは何をしてたんだ?」

マミ「……戦っていたわ」

マミ「正義のために!」

杏子「なんだよコイツ」

さやか「私も、正義のために……」

杏子「さやかまで?」

さやか「……いや、まあ、事情があってね」

さやか「私は魔法少女を探してたところに、マミさんと会ったんだ」

杏子「ふーん」


209: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 02:49:52.33 ID:bxIV+0iX0

杏子「そうだ、ほむらには会ったんだ」

さやか「おお、ほむらに! どんなだった?」

杏子「まあ、相変わらずだな。なんか魔法が戻ってた。あとはまあ、なんか人形みたいのと一緒だったな」

さやか「人形って何よ。機械じゃなくて?」

杏子「人形みたいな服と顔した女二人だよ。ほむらも合わせて三人が人形だな」

さやか「綺麗どころがそろったのかぁ……」

マミ「鹿目さんは一緒じゃなかったの?」

杏子「あいつだけだったよ。ほむらも心配してたな」

さやか「ああ、目に浮かぶなあ……」

マミ「鹿目さん、大丈夫かしら……」


210: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 02:50:50.18 ID:bxIV+0iX0

杏子「ま、お前らが無事でよかったよ。まどかもほむらが見つけるだろ、意地でも」

さやか「……そうだね」

マミ「無事に決まってるわ。当たり前でしょ?」

杏子「だな」

マミ「それで暁美さんとは別れちゃったの?」

杏子「合流するつもりだったんだよ。でもそこでタンザーだからさぁ……」

さやか「ああ、不運だね……」


クーン「キョーコ!」


211: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 02:52:45.67 ID:bxIV+0iX0

クーン「キョーコ、行くよ!」

杏子「んー、なんか分かったのか?」

クーン「ノーマッドが指輪のこと知ってるかもって!」

杏子「あいつがぁ? 本当かよ……」

クーン「早く早く!」

…………

杏子「……」

杏子「お前らもくるのか」

さやか「当たり前じゃん!」

マミ「遠慮しないの」

レッド「フェイオンさんから事情は聞いた! 俺も協力する!」

杏子「暑苦しいな、おい」

クーン「仲間が増えた!」


212: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 02:53:51.00 ID:bxIV+0iX0

タンザー ノーマッドのアジト


フェイオン「ノーマッドに取り次いでもらおう!」

「ああ!? お頭はお前なんかに会わねえよ!」

フェイオン「会うのは私ではない」

クーン「僕たちだ!」


ノーマッド「ふん、いい度胸だね。まあ、来るとは思ってたけどね」


213: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 02:54:22.30 ID:bxIV+0iX0

ノーマッド「指輪のことだろう?」

クーン「知ってるの?」

ノーマッド「知ってるさ。あたしが持ち主だからね」

メイレン「あなたがね……、奪い取ったものかしら?」

ノーマッド「そういうわけさ」

レッド「なんという悪党……!」


214: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 02:55:13.59 ID:bxIV+0iX0

ノーマッド「さて、アンタらの持ってる指輪を渡してもらおうか」

杏子「あ? 何言ってんだよ」

ノーマッド「とぼけるんじゃないよ。アンタが指輪を持ってることは、アタシの指輪が教えてくれた」

フェイオン「そんな話が通じるとでも?」

ノーマッド「あんたらには通じないだろうよ。でも、あんたと一緒にいるガキやらジジイやらはどうだい?」

フェイオン「貴様、まさか……!」

ノーマッド「そうさ、だからさっさと……」


215: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 02:56:10.75 ID:bxIV+0iX0

「待ちなさい!」

「ノーマッド、貴様の悪事の数々、許せん!」


「アルカイザー、見参!」

「ティロカイザー、イグニッション!」

「サヤカイザー、行くよ!」

杏子「……何してんだお前ら」

マミ「今は合わせて!」

さやか「空気読んで!」


216: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 02:57:13.26 ID:bxIV+0iX0

ノーマッド「なんだい、正義のヒーロー気取りかい」

ノーマッド「お前達やっちまいな!」


アルカイザー「雑魚に用はない! 行くぞ!」

マミ「はい!」


『シャイニング天地・フィナーレ』

杏子「うわ、だせえ」

「ギャアァァ」

「ぐはあぁっ」


217: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 02:58:05.31 ID:bxIV+0iX0


ノーマッド「チッ、役に立たない奴らだね……!」


杏子「あいつ、逃げるぞ!」

アルカイザー「逃がすものか!」

フェイオン「待ってくれ、アルカイザー! あちらは危険すぎる。戻れなくなるぞ!」

メイレン「だからって、見逃すわけにはいかないわ」

クーン「指輪も持っていっちゃったよ! 追いかけないと!」

フェイオン「……仕方がない。だが本当に気をつけてくれ」


218: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 02:58:46.71 ID:bxIV+0iX0

…………

さやか「うわ、本当にやばい感じ……」

マミ「うふふふふ、内臓だらけだわ~」

杏子「マ、ティロなんとか、正気に戻れ」

メイレン「いよいよ引き返せない感じになってきたわね……」

クーン「!」

クーン「あそこ!」


219: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 02:59:40.19 ID:bxIV+0iX0

さやか「ノーマッド! が……」

さやか「何あれ」

クーン「食べられてる?」


ノーマッド「ヒー、助けてー!!」


フェイオン「あれはタンザーの心臓部だ……」

杏子「心臓に食われるってどういうことだよ!?」

メイレン「どうする、助けるの?」

フェイオン「あんな奴でも見捨てる訳にはいかん!」

アルカイザー「もちろんだ!」


220: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:00:13.60 ID:bxIV+0iX0

ノーマッド「の、の・ま・れ・る~」


さやか「……」

マミ「……」

クーン「どうすればいいんだろ?」

メイレン「……攻撃?」

フェイオン「だが、下手に刺激するのも……」


221: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:01:21.65 ID:bxIV+0iX0


『ブライトナックルゥ!』

さやか「ええ!? 殴っちゃうの!?」

アルカイザー「悩んでいてもしかたがない! 殴れ!」

杏子「よ、よし!」


杏子『チャージ』
さやか『デッドエンド』

さやか「いくよ、杏子!」

杏子「遅れんなよ!」

『チャーエンド』

フェイオン「ええい、私たちも行くぞ!」

フェイオン『爆砕鉄拳』
メイレン『曲射』
クーン『牙』


222: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:02:13.88 ID:bxIV+0iX0

マミ「ど、どうかしら……」

さやか「だ、大丈夫ですよ。ほらなんかビクビクして……」

アルカイザー「吐くんだタンザー!」


ノーマッド「ぐ、ぐぼっ」


杏子「……」

クーン「呑まれちゃった」


223: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:03:25.07 ID:bxIV+0iX0

マミ「ま、まだよ!」

アルカイザー「待て、無茶をするな!」


マミ「あの口みたいなところに……!」

マミ「まだ助けられる!」


さやか「マ、ティロさん、危ない!」


マミ「え……?」


マミ「ぐ、ぐぼっ」

クーン「呑まれちゃった」


224: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:04:11.14 ID:bxIV+0iX0


杏子「どどどどうすんだ、おい!」

さやか「! ま、まだ足は出てる!」

アルカイザー「ひ、引きずり出んだ!」


ズズズズ……


杏子「で、出てきた……!」

さやか「いける! 今助けますからね!」

クーン「僕たちも手伝わないと!」

フェイオン「お、おお、そうだった!」

メイレン「衝撃的過ぎたわ……」


225: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:04:59.28 ID:bxIV+0iX0


さやか「か、顔の所で引っかかってる……」

杏子「こんなもん、魔法少女にあっていい絵面じゃねえよ!」

さやか「わああああ!」

杏子「引けえええ!」


グボッ


マミ「……」

ノーマッド「……」


アルカイザー「ノーマッドを離さなかったのか……」

杏子「ったく、どこまでお人好しなんだよ」
 


227: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:05:50.63 ID:bxIV+0iX0

…………

マミ「……」

さやか「え、えーと、大丈夫ですか……?」

杏子「か、カッコよかったぜ、さ、さすがはヒーローだな!」

マミ「……」

マミ「なんか、前にもこんなこと、合った気がする……」

杏子「え?」

さやか「ほ、ほら前世の記憶ってやつですよ。マミさんは前世でもヒーローだったんですよ!」


ノーマッド「……持ってきな」

クーン「指輪だ!」

ノーマッド「あたしを助けたこと、後悔するよ……」

フェイオン「ふん、まあこれで少しはおとなしくなるだろう」


228: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:07:16.41 ID:bxIV+0iX0


レッド「なんだこの揺れは……」

フェイオン「さっきの戦いの刺激で、タンザーが暴れているんだ!」

フェイオン「シップに戻るぞ。タンザーが吐き出してくれるかもしれない!」


シップ内

マミ「……」

杏子「なあ、マミ元気だせよ。お前は立派だったよ」

さやか「そうですよ。マミさんがいなかったらノーマッドはきっと……」

マミ「うう……」


229: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:08:07.05 ID:bxIV+0iX0

クーン「!」

メイレン「シップが動くわ!」

レッド「外にでるぞ!」


ゴン


杏子「お、おい、なんかぶつからなかったか?」

さやか「き、気のせいじゃないかな」

「シップ、脱出に成功しました!」


マミ「いぃぃやったぁぁぁ!」


230: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:09:21.60 ID:bxIV+0iX0

…………


マンハッタン行き シップ内

「航路上にタンザーが出現!」

「緊急回避します!」

まどか「な、何!? 何が起きてるの!?」

ほむら「タンザー!?」

レオナルド「リージョン間を移動する巨大生物だ。飲み込まれたら大変だね」

ドゴン!


231: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:11:01.84 ID:bxIV+0iX0

ほむら「!?」

T260「シップ底部に衝突を確認」

まどか「何が!?」

T260「タンザーに取り込まれていたシップと推測されます」

「推進部に異常発生!」

レオナルド「まずいね。付近のリージョンに不時着できないかな」

「現在確認中! 最寄りのリージョンは……」


232: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:11:50.44 ID:bxIV+0iX0

…………


トリニティ・ラムダ基地 

トリニティの軍事施設。執政官が統治する。

ほむら「不時着には成功したけれど……」

ほむら「ここは、軍事基地じゃないの?」

レオナルド「ここはトリニティ・ラムダ基地だね」

まどか「入っていいところなんですか?」

レオナルド「もちろんだめだ。だが今は緊急事態だから保護を求めれば……」


234: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:13:01.52 ID:bxIV+0iX0

レオナルド「だが、僕たちには好都合かもしれない」

ほむら「どういうこと?」

レオナルド「ここならタルタロスと同様の情報が得られるかもしれない。なんと言ってもトリニティの軍事基地だからね」

T260「鹿目様、ご指示を願います」


まどか「ど、どうしようほむらちゃん」

ほむら「……警備状況によるわね」


235: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:14:29.32 ID:bxIV+0iX0

まどか「場合によっては……?」

ほむら「侵入しましょう。大丈夫、慣れたものよ」

まどか「ほむらちゃんはそうかもだけど……」

ほむら「まどかは軍事基地初めて?」

まどか「は、初めてだよ!? それが普通だよ!?」


236: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:15:12.37 ID:bxIV+0iX0

レオナルド「……なんだか様子がおかしいね」

T260「基地内に多数の警備モンスターならびに警備用メカが確認されます」

レオナルド「僕たちのシップは救難信号を出していたはずだ。モンスターまで放つのは異常だ」

ほむら「混乱してる、ってことかしら?」

レオナルド「そういうことになるのかな」

まどか「えっと、そうなると……?」

ほむら「出撃、しましょう」

まどか「ほむらちゃん、生き生きしてるなあ」


237: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:15:53.74 ID:bxIV+0iX0

基地内


まどか「モンスターだらけだ……」

ほむら「博士、情報端末の位置は分かる?」

レオナルド「かなり深部だね」

レオナルド「君たちで少し時間を稼いでくれないかな。その間に僕とT260君が情報を取ってくる」

T260「多人数での潜入は危険です」

まどか「わ、分かった」

ほむら「時間稼ぎ、ね」


238: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:16:37.61 ID:bxIV+0iX0

…………


まどか「ほ、ほむらちゃん、あそこ!」

ほむら「敵!?」

まどか「ち、違うと思う……。ほら、女の人が」

ほむら「……本当」

まどか「えーと、あの人の服、なんていうか……」

ほむら「扇情的ね」

まどか「せんじょう……?」


239: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:17:09.03 ID:bxIV+0iX0

エミリア「どうなってるのよ!?」

エミリア「こんなとこに送られたと思ったら」

エミリア「いやらしい服まで着せられて!」

エミリア「最低!」


エミリア「……あそこにいるのは、子ども?」

エミリア「どうして……」


240: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:17:58.16 ID:bxIV+0iX0

エミリア「あなたたち、どうしてこんなところにいるの!」

まどか「え、えーと、あの、シップが壊れて……」

ほむら「迷い込んだというか……」

まどか(基地の人じゃないのかな)

ほむら(ちょっと様子がおかしいわね)

エミリア「とにかく、ここにいたら危険よ! どこかに……」

まどか「!?」

ほむら「……まどか?」


241: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:18:46.59 ID:bxIV+0iX0

まどか「今、あっちの方から何か……」

ほむら「……?」

ほむら「仮面? いえ、仮面をつけた男?」

エミリア「!」

エミリア「あなたたち、ここを動かないで!」

まどか「行っちゃった……」


242: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:20:10.53 ID:bxIV+0iX0

まどか「さっきの仮面、すごく嫌な感じがしたよ……」

ほむら「確かに不気味なデザインだったけど……」

まどか「!」

まどか「こっちに来るよ!」

ほむら「……!」

ほむら「止まりなさい」


ジョーカー「……子どもに用はない」

『タイムリープ』

ほむら「逃がさないわ」


243: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:20:53.63 ID:bxIV+0iX0

まどか「……男の人だね」

ほむら「仮面、外してみる?」

まどか「うん。この仮面、よくないと思うの……」

ほむら「取れるかしら」


まどか「……普通の人だね」

ほむら「知らない人。当然だけど」


エミリア「嘘……」


244: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:22:09.75 ID:bxIV+0iX0

まどか「あ、さっきの……」

ほむら「……?」

エミリア「嘘でしょ……」

まどか「どうかしました……?」


ジョーカー「チッ」


245: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:23:02.81 ID:bxIV+0iX0

まどか「あ、いつの間に!」

ほむら「また仮面を着けた……」

まどか「逃げていくよ」

ほむら「どうする、追いかける?」

まどか「うーん、でもおかしいところはなかったし……」

ほむら「怪しい人ではあったけど」


246: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:24:01.38 ID:bxIV+0iX0

エミリア「……」


まどか「えーと、大丈夫ですか?」

ほむら「ここは危険よ?」

ほむら「って私たちが言うのも、おかしな話ね」


レオナルド「お待たせ」

ほむら「!」

T260「HQの位置情報を収得しました」

まどか「大丈夫だった?」

T260「基地内部に私たちとは異なる侵入者があった模様」

レオナルド「おかげで侵入は簡単だったよ。比較的ね」


247: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:24:34.93 ID:bxIV+0iX0

ほむら「侵入者って……」

まどか「さっきの女の人?」

まどか「……あれ、いない?」

ほむら「スパイだったのかしら。でもそれにしては随分……」


レオナルド「行こう。長居はできないよ」


248: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:25:14.45 ID:bxIV+0iX0

マンハッタン 


巨大なショッピングモールを有する、商業に秀でたリージョン
トリニティの管轄下にある


シップ発着所

ほむら「無事、帰ってこられたわね」

レオナルド「取り調べくらいは覚悟していたけれど、何もなかった」

まどか「カメラとかに、私たち映ってたりしない?」

ほむら「大丈夫。常に死角にいたし、無理なものは破壊したから」

まどか「さ、さすが」


249: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:26:22.17 ID:bxIV+0iX0

T260「HQの所在地が判明しました」

T260「準備が完了次第、出向予定です」


ほむら「その前に、杏子と合流してもいいかしら」

まどか「あ、そうだったね。もうシップがあるかな?」

レオナルド「そうするといい。HQへのシップの調達は少し骨だからね」

ほむら「クーロン、行けます?」

係員「タンザーは去ったようですね。問題ありません」

ほむら「よし、行きましょう」

まどか「うん!」


250: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:27:14.93 ID:bxIV+0iX0

クーロン シップ発着所


杏子「ひどい目にあったな……」

さやか「久しぶりの乾いた地面だぁ」

マミ「もう何も怖くない」


クーン「でも指輪は見つかったよ!」

メイレン「それじゃあ、あと二つね」

さやか「あれ、もうそんなに?」

杏子「あたしが手伝う前から、何個か持ってたもんな」

メイレン「残ったのは策士の指輪と神秘の指輪」

メイレン「策士の方はオウミの領主が、神秘の方は指輪の君ヴァジュイールが持っているわ」

さやか「ヴァジュ……?」

メイレン「一筋縄では行かない相手でしょうね」


251: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:27:59.55 ID:bxIV+0iX0

さやか「一応、その前にグラディウスに顔だして欲しいんだけど」

杏子「あー、それがお前のいる組織か?」

マミ「魔法少女を探しているのよね……」

杏子「何か胡散臭いんだよなぁ」

さやか「……イタリア料理、おごるよ?」

杏子「いくぞ、マミ。イタリアだ」

マミ「イタリア……。ティロカイザーの故郷ね……」


252: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:29:03.02 ID:bxIV+0iX0

レッド「俺もシュウザーの情報が知りたい。一緒に行こう」

クーン「僕もイタリア食べたい!」

メイレン「はいはい、もう」

さやか「それじゃあ、みんなで……」


「やっとクーロンに着いたわ。杏子が待ちくたびれているでしょうね」

「杏子ちゃんに会うのも久しぶりだなあ……」


マミ「あれって……」

さやか「まどかと!」

杏子「ほむらじゃねーか!」


253: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:30:06.25 ID:bxIV+0iX0

杏子「おーい、ほむら、まどか!」


ほむら「あら、杏子。出迎えてくれたの? それとも待たせすぎた……って」

まどか「さやかちゃんとマミさん!?」

ほむら「あ、あなたたち……」


さやか「ふふん、さすがのほむらも突然の再会には弱いかね!」

さやか「二人とも、元気だった?」

まどか「よかった、みんな無事だったんだ!」


254: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:30:43.32 ID:bxIV+0iX0

マミ「鹿目さんだけ消息が分からなかったから、みんな心配してたのよ?」

まどか「すみません、でもほむらちゃんが見つけてくれました!」

まどか「私をロボットの輪廻から解放してくれたんです!」

杏子「ロボット?」

まどか「多段切りの悪夢からも!」

さやか「あー、なんかあったねこれは」

ほむら「まだ引きずってたのね……」


255: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:32:04.26 ID:bxIV+0iX0

さやか「ま、話はご飯食べながらにしようよ。こっちもいろいろあったんだから!」

杏子「マミが食われたりな」

マミ「やめて」

ほむら「マミ、あなたはまた……」

マミ「また!? またって何!?」


クーロン イタリア料理店

まどか「さやかちゃんがグラディウスで」

ほむら「マミがヒーロー……ってこれは秘密なのね」

まどか「それで、みんなタンザーの中にいたんだ」

杏子「ああ、恐ろしいところだったぜ。マミ的な意味で」

マミ「……」

ほむら「マミ的……」


256: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:33:08.35 ID:bxIV+0iX0

まどか「あの男の人がレッドさん」

レッド「よろしくな!」

ほむら「アルカぐむむ」

マミ「秘密だってば!」

まどか「あの犬っぽい子がクーン君で、チャイナ服の人がメイレンさん」

クーン「ほおろひく!」

メイレン「食べながらしゃべらない!」


ほむら「フェイオンさんというのは……」

メイレン「あいつは京に行ったわ。修行バカなの」

クーン「メイレンがいびるからでしょ」

杏子「髪型いじったからじゃね」


257: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:34:33.19 ID:bxIV+0iX0

………… 

厨房

ルーファス「おい、どれが暁美ほむらだ」

アニー「エミリアに謝るまで、教えない」

ルーファス「何故だ! 俺は常にグラディウスのために行動している!」

ライザ「それがだめなのよ。女にとってはね」

エミリア「……」

ルーファス「もういい! 直接聞く!」


258: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:35:28.18 ID:bxIV+0iX0

ルーファス「ミラノ風ドリア、お持ちしました……」

マミ「あら、そんなの頼んだかしら」

ルーファス「あちらのお客様から、暁美ほむらさんに……」

杏子「あちらって誰だよ。あたしらしかいないじゃん」

ほむら「……」

さやか「グラさん、引っ込んで」

ルーファス「さやか、何故だ」


259: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:36:16.95 ID:bxIV+0iX0

さやか「エミリアさんの話、聞きましたよ」

さやか「エロい服着せて軍事基地に送り込んだそうじゃないですか」

杏子「うわ、最低だな」

マミ「グ、グラディウスってそういう組織なの!?」

ほむら「さやか、抜けなさい」

まどか「そうだよ、よくないよ!」


ルーファス「どういうことだ、少女たちの私への評価が急落しているぞ」

アニー「そうなるよね」

ライザ「自業自得だわ」


260: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:36:58.09 ID:bxIV+0iX0

マミ「鹿目さんはロボットと一緒だったのね」

杏子「なんつーか、意外だな」

まどか「私も意外だったよ……」

さやか「私、ほむらのストーリーが全然わかんないんだけど」

ほむら「だから、基地落として、時の君襲名して、半妖の逃避行に巻き込まれたの」

さやか「もうちょい分かりやすく」

ほむら「基地の武器を奪って、時の魔法を取り戻して、半妖と妖魔の駆け落ちに付き合ってた」

さやか「すごいというか、奇妙というか」


261: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:37:52.59 ID:bxIV+0iX0

ほむら「みんなに聞きたいのだけど、こっちに来る時キュゥべえから何て言われたの?」

まどか「私はリージョンを守ってほしいとか……」

杏子「あー、あたしもそんな感じだな。あんま覚えてねーけど」

さやか「そう言われて、監獄に送られたんだけど」

マミ「私もそんな風だったわ。目覚めたのはキグナスね」

まどか「私はスクラップの酒場でした……」

ほむら「目覚めたら、秘密基地の最深部でした」


262: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:38:37.22 ID:bxIV+0iX0

杏子「マミだけ優遇されてないか?」

ほむら「キュゥべえの贔屓かしら」

マミ「そ、そんなことより、私たちの使命について話しましょ!」

まどか「やっぱり、リージョンを守るんじゃないでしょうか」

さやか「でも守るって言っても、リージョンってそんなピンチなの?」

杏子「クーンのリージョンは滅びかけらしいが」

マミ「そこは多分、特別よね」

ほむら「私はクーデターを阻止したけど」

さやか「でもパトロールに追われてるんでしょ」

ほむら「……難しいものね」


263: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:39:28.59 ID:bxIV+0iX0

杏子「まあ、今まで通りやるしかないだろ。他にやることもねーんだし」

さやか「となると、指輪探しとブラッククロスとロボットとジョーカーだね」

マミ「みんなで協力すれば、どれも大丈夫だと思うわ」


レッド「折角の所悪いが、俺は君たちの予定に付き合う訳にはいかない」

レッド「ブラッククロスは一日だって放っておくことはできないんだ」

マミ「悪の組織だもの、当然だわ」

クーン「僕も早くしないとマーグメルが滅んじゃうよ!」

メイレン「後回しにされるのはご免だわ」

ルーファス「我々の作戦も重要な段階に入った。君たちに合わせることはできない」


264: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:40:21.70 ID:bxIV+0iX0

ほむら「ですって。どうする? 全員で一つの目標に向かうのは無理みたいよ」

さやか「うーん、じゃあまた個別行動?」

まどか「やっとみんなに合えたのに……」

マミ「困ったわね……」

杏子「別にしょうもないことにまで、全員で付き合うことはねーだろ」


ルーファス「私から提案がある」

さやか「……なんですか」

ほむら「……」


265: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:41:20.82 ID:bxIV+0iX0

ルーファス「そう警戒するな。俺は君達の味方のつもりだ」

さやか「まあ、そうかもですけど」

ほむら「それで、提案って?」

ルーファス「この店を君たち魔法少女の拠点にするというのはどうだ?」

ルーファス「普段は個別行動を取っていても、仲間の協力が必要な時はここに来る」

マミ「決まった場所があるというのは、いいことだと思うけど……」

ルーファス「もちろん普段は君たちが自由に使っていい」

ルーファス「ベッドも食料も、射撃練習場もあるぞ」

ほむら「へえ……」

杏子「食いもんはタダか?」

ルーファス「タダだ」


266: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:42:22.57 ID:bxIV+0iX0

まどか「うーん、みんなと離れるのは辛いけど、仕方ないのかなぁ」

ほむら「全員で行動すると、必ず後回しになる人がでるわ」

マミ「それはできないものね……」


…………

さやか「それじゃあ、一旦解散! 一区切り着いたらここにまた集合ね!」

杏子「そういやほむらはどうすんだ? 一人だけフリーだろ?」

ほむら「もちろん、まどかのサポートに……」


「その話、待ってくれないかな」


267: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:43:16.03 ID:bxIV+0iX0

ほむら「……誰?」

「はじめまして。僕はゾズマだ」

さやか「胸に星形ニップレス……」

杏子「変態か」

マミ「く、口に出しちゃダメ!」

まどか「……ほむらちゃんに何か用ですか?」


ゾズマ「用があるのは僕じゃない。アセルスだ」

ほむら「アセルス? 彼女、何かあったの?」


268: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:44:09.59 ID:bxIV+0iX0

ゾズマ「アセルスは白薔薇姫を失った」

ほむら「!」

まどか「!?」

ほむら「……どういうことかしら」

ゾズマ「オルロワージュの仕業だよ。彼女にはどうすることもできないことだった」

ほむら「……それで」

ゾズマ「アセルスはオルロワージュと決着をつけるつもりだ。ただ一人でね」


269: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:44:48.39 ID:bxIV+0iX0

ほむら「……」

ゾズマ「彼女を助けてやってくれないか?」

ほむら「……ええ、もちろんよ。でも一つ聞かせて」

ほむら「あなたは何者?」

ゾズマ「ただのはぐれものの妖魔だよ。だからアセルスにはオルロワージュみたいになってほしくない」

ほむら「……」

ゾズマ「君なら分かるんじゃないかい? 大切な人のために、自分を捨ててしまう意味を」

ほむら「……ええ」

ほむら「……アセルスは今どこに?」


270: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:45:41.56 ID:bxIV+0iX0

まどか「だ、だったら私も! 私もアセルスさんが心配です」

ゾズマ「……まあ、いいかな」

ほむら「ごめんなさい、まどか。T260の方が後回しになってしまって……」

まどか「……それは、うん。でも今いかないとアセルスさんは……」

ゾズマ「戻れなくなるだろうね」

ほむら「ちゃんと謝らないと……。武器を提供して埋め合わせしましょう」


271: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:46:14.63 ID:bxIV+0iX0

さやか「ねえ、全然話についていけないんだけど」

杏子「あー、ほら言っただろ。ほむらの仲間の人形みたいな女」

マミ「それがアセルスさん? 待って駆け落ちって……」

杏子「そういうことなんだろうな」

さやか「おお……」


272: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:47:09.11 ID:bxIV+0iX0

…………

マミ「それじゃあ、みんな気をつけてね。絶対に無理だけはしないで」

杏子「どっちかっていうと、マミが心配だな」

さやか「あー、私も」


レッド「いいのか? 別に無理に俺に付き合うことないんだぞ」

マミ「今更部外者扱いなんて、ひどいですよ」

レッド「……そうだな。ありがとう」

クーン「僕はみんな一緒がいいなあ」

メイレン「わがまま言わないの」

杏子「指輪ぐらい、あたし一人で十分だよ」


273: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:47:40.49 ID:bxIV+0iX0

ルーファス「さやか、君にはエミリアと行動してもらう」

さやか「もらう、っていうか私が頼んだんですよね」

ルーファス「基地から戻って以来、エミリアの様子がおかしいからな。女たちでフォローしてくれ」

アニー「あんな事言ってるよ」

ライザ「誰のせいだと……」

さやか「……全部終わったら、ルーファスさんボコボコにしましょうね」


274: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:48:12.14 ID:bxIV+0iX0

ゾズマ「アセルスは今ごろファシナトゥールに向かっているだろう」

ゾズマ「シップは用意したから、あとは君たちに任せるよ」

ほむら「え?」

ゾズマ「それじゃあ、僕は失礼させてもらうよ」

ほむら「……」

まどか「……消えた? っていうか……」

ほむら「あなたは行かないの!?」


275: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:49:10.30 ID:bxIV+0iX0

…………

ファシナトゥール

妖魔の君オルロワージュが統治するリージョン
針の城とその城下からなる


城門前

アセルス「私はアセルス! 道を開けよ!」

アセルス(白薔薇、私がすべて終わらせるから)

アセルス「……?」


ほむら「……」

まどか「アセルスさん……」


276: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:50:08.72 ID:bxIV+0iX0

アセルス「君たちか……」

アセルス「来てくれたんだね……」

ほむら「……白薔薇姫は」

アセルス「闇の迷宮にいる。オルロワージュを倒さないと永遠にそのままだ」

アセルス「私の妖魔の血もね」

ほむら「あなたは、人間として?」

アセルス「分からないよ。でも、せめて君たちの前では人間でいたい」

まどか「アセルスさんは人間です!」

ほむら「私たちが言うのも変だけど」

アセルス「ふふっ、そうかな」


277: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:51:19.07 ID:bxIV+0iX0

アセルス「オルロワージュは私が倒さなければならない」

アセルス「二人の気持ちはうれしいけど……」

ほむら「そうね。私たちはあなたの露払いをさせてもらうわ」

アセルス「針の城はただの城じゃない。危険だよ」

まどか「それでも、私たちは行きます!」

アセルス「だけど……」

ほむら「……ついに、出番のようね」

ほむら「グレートマギカ、出撃!」

アセルス「え?」

まどか「ええ!?」


その日、ファシナトゥールにアセルス様がお帰りになりました。
巨大な機械と一緒に……


278: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:52:52.03 ID:bxIV+0iX0

…………

ほむら「まどか、コックピットは狭くない?」

まどか「そ、それは大丈夫なんだけど、あの世界観的に……」

ほむら「出力全開、針の城を攻撃する」

ほむら「準備はいい、まどか?」

まどか「じゅ、準備って私は何をするの?」

ほむら「まどかには、ミサイルとロケットを任せるわ」

まどか「えええ!? 私が撃つの!?」

ほむら「操縦は私に任せて」


279: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:53:54.99 ID:bxIV+0iX0

アセルス「ふふ、これでいいのかもしてない」

アセルス「こんな城があるから、みんな捉われるんだ」

アセルス「ほむら、遠慮はいらない!! 城ごと全部終わらせよう!!」

…………
「バスターランチャー、充填開始!」

「まどか、衝撃に備えて!」

「う、うん!」

アセルス「目標は城門だ! 撃ち抜け!」


280: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:54:49.21 ID:bxIV+0iX0

…………

アセルス「宝物庫か……」

アセルス「ふん、こんなもの……」

アセルス「ほむら、まどか!」

「発射!」

「わわわ、これミサイルだったの!?」

「まどか、上手よ」
…………


281: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:55:25.07 ID:bxIV+0iX0

…………

「前方に巨人型モンスターを確認!」

「ほむらちゃん、鳥みたいなモンスターも!?」

「第一装甲をパージ! からのハイパーバズーカ!」


アセルス「ふふ、すごいな」

アセルス「……針なんて、もう折れてしまいそうだよ」

…………


282: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:55:58.61 ID:bxIV+0iX0

針の城 隠し部屋

アセルス「ジーナ! 君だったのか。大丈夫かい?」

ジーナ「アセルス様? 本当にアセルス様だ!!」


この時、私は奇蹟というものの存在を実感しました


ほむら「誰?」

まどか「誰だろう」


283: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:56:35.02 ID:bxIV+0iX0

…………

アセルス「……ここまでだな」

アセルス「二人ともありがとう。ここからは私一人で行く」

ほむら「……もういいの?」

アセルス「十分だよ。もう針の城は原型も残ってない」

アセルス「セアトも消し飛んだ」

まどか「あああ、なんだか罪悪感……」


284: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:57:41.37 ID:bxIV+0iX0

アセルス「じゃあね、ほむら、まどか」

アセルス「私はやっぱり人間でいたいと思う。そう思える」

アセルス「きっと君たちのおかげだ。私一人なら妖魔の力で進んでしまっただろう」

まどか「アセルスさん、絶対帰ってきてくださいね。白薔薇さんも一緒に!」

ほむら「……頑張ってね、アセルス」

アセルス「……ありがとう、本当に」


285: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:58:24.26 ID:bxIV+0iX0

アセルス「二人とも行ったか……」

アセルス「さて……」

アセルス「ここからは私の戦い。そうでしょ、獅子姫」

アセルス「どうしても、戦わなくてはいけないの? 私が目指すのは、あなたの所ではないわ」

金獅子姫「言葉をかわす時は過ぎました。今は戦いで決着をつけるときです」

金獅子姫「今度は全力であなたを倒す!!」

アセルス「獅子姫……」


286: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 03:59:10.70 ID:bxIV+0iX0

針の城 寵姫の部屋


ほむら「ここは無事でよかった……。危うく破壊するところだった……」

まどか「これは、棺っていうのかな。中に人が……」

ほむら「眠っているみたいだけど……」

まどか「アセルスさんが、解放してくれるのかな」

ほむら「そうだと思うわ」


「また派手にやったものじゃな」


287: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 04:00:05.75 ID:bxIV+0iX0

ほむら「……あなたは?」

「わらわは零、オルロワージュの最初の寵姫じゃ。いや元寵姫というべきかの」

まどか「アセルスさんの味方ですか?」

零姫「ふむ、まあ味方というところじゃろう。案ずるな」


零姫「針の城もこの様では、格好がつかんな」

まどか「あの、やっぱりまずかったですか……?」

零姫「いや、この方がいい。これでいいのじゃ」

ほむら「……」


288: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 04:01:07.67 ID:bxIV+0iX0


零姫「じゃがの、ここからは妖魔の君とアセルスの一騎打ち」

零姫「お主らは、引くべきじゃ」

ほむら「そのつもり、ですけど」

零姫「ふむ、物わかりがいい」

零姫「よし。いい子には褒美をやろう。受け取るが良い」

まどか「え、え、何?」

ほむら「こ、これは空間移動!?」


零姫「これで、舞台は整った。そうじゃな、オルロワージュ?」


289: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 04:02:09.77 ID:bxIV+0iX0

…………

オルロワージュの王座 

オルロワージュ「我にひれ伏すために舞い戻ったか、娘よ」

アセルス「私の中の妖魔の血。これを浄化するにはあなたを倒すしかない」

オルロワージュ「やはり人間は人間か。つまらぬな」

アセルス「あなたにとっては人間も妖魔もつまらない存在でしょう。でもみんな生きてる。赤くても青くても血が流れてる」

オルロワージュ「ありふれた物言いだな。もう飽いたぞ」


アセルス「オルロワージュ、覚悟はいい?」

アセルス「私は、あなたを倒すよ」

オルロワージュ「ふん、思い上がりだ」


296: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 23:39:13.46 ID:bxIV+0iX0

…………


ジーナ「アセルス様、どうかご無事で……

ゾズマ「君がジーナかな」

ジーナ「ひっ」

ゾズマ「怯えなくて良い。僕はアセルスの味方だからね」

ジーナ「ア、アセルス様は……」

ゾズマ「ジーナ、君はアセルスを人間だと思うかい?」


297: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 23:39:59.14 ID:bxIV+0iX0

ジーナ「……」

ジーナ「……アセルス様は、高貴な血の流れるお方です」

ゾズマ「それだけかい?」

ジーナ「……ですが、暖かい心をお持ちの方。そう、きっと」

ジーナ「人間なのだと、私は思います」


ゾズマ「なるほど」

ゾズマ「それじゃあ、僕も行かないとね」


ジーナ「あ、どちらに……」


298: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 23:40:45.07 ID:bxIV+0iX0

…………


零姫「……」

零姫「イルドゥンか」

イルドゥン「……はい」

零姫「お主はいいのか。アセルスとオルロワージュの戦い、もう始まっておるぞ」

イルドゥン「……私にはもう分かりません」

零姫「ふむ?」

イルドゥン「ラスタバンはアセルスの血を狙って暗躍していた」

イルドゥン「彼は私にそう打ち明けました」

零姫「ほう、あの男が」


299: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 23:41:28.72 ID:bxIV+0iX0

イルドゥン「……彼を殺したのは、私です」

イルドゥン「私は、どうすればよかったのか……」

零姫「奴を殺したのはオルロワージュのためか? それともアセルスのためか?」

イルドゥン「……」

零姫「お主、アセルスのために色々立ち回っておったのだろう?」

零姫「……友を手にかけたのだ。もう心は決まっておろう」


イルドゥン「……アセルスに戦いを教えたのは私です」

イルドゥン「見届けるのは、私の務めでしょう」


零姫「往くか。わらわも心を決めたところじゃ」


300: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 23:42:18.75 ID:bxIV+0iX0

…………


アセルス「はぁ……はぁ……」

アセルス「ぐぁっ」


オルロワージュ「ふん、脆いものだ」

オルロワージュ「だが、それが人であるということだ」

アセルス「……私は負けない」

オルロワージュ「我の血に身を委ねれば、あるいは我に届くかもしれぬぞ」

アセルス「ふざけるな!」


301: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 23:42:58.51 ID:bxIV+0iX0

オルロワージュ「ならばよい。もはや頃合いだ」

オルロワージュ「死ぬがいい」


『三人の寵姫』


アセルス「!」

アセルス「……? 何も起こらない?」

オルロワージュ「……」

オルロワージュ「どういうことだ」


302: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 23:43:53.62 ID:bxIV+0iX0

零姫「ふむ、なんとかなるものじゃな」

ゾズマ「さすがは妖魔の君だね。邪魔をするのが精一杯だ」

イルドゥン「……」


オルロワージュ「……我に楯突くか」

零姫「も少し良い男だと思っておったのじゃがの」

ゾズマ「息苦しい王様は、もうたくさんなのさ」


イルドゥン「……どうしたアセルス。前を向け」

アセルス「イルドゥン……」

アセルス「零姫様も、ゾズマも……」

アセルス「どうして……?」


ゾズマ「みんな君のことが好きなのさ。今の君がね」


303: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 23:44:50.56 ID:bxIV+0iX0

オルロワージュ「下らぬな」

オルロワージュ「四人まとめて消し去ってくれよう」

ゾズマ「四人?」

零姫「まったく、困ったものじゃな」


オルロワージュ「……何を言っている」

アセルス「ふふ……」

オルロワージュ「貴様、何がおかしい!」


アセルス「あなたの負けだ、オルロワージュ」

アセルス「……そうだよね、白薔薇?」


305: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 23:45:53.20 ID:bxIV+0iX0

オルロワージュ「ついに狂ったか? 白薔薇は今も闇の迷宮にいる」

オルロワージュ「何ができるはずもない」


ゾズマ「二人の絆が、あんなチャチなもので切れるとでも?」

ゾズマ「魅了の君が、愛の力もしらないなんてね」

零姫「お主、言ってて恥ずかしくないのか」

ゾズマ「全然」


アセルス「行くぞ、オルロワージュ!」

アセルス「これが最後だ!」

オルロワージュ「よかろう」

オルロワージュ「見事その剣、我を貫いてみせよ!」


306: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 23:46:58.36 ID:bxIV+0iX0

…………
アセルス「…………」

オルロワージュ「……何故だ」

アセルス「……私は人間だから、ちゃんと誰かを好きなれた」

オルロワージュ「……ふん」

オルロワージュ「……零よ」

オルロワージュ「……我が恐ろしいか?」

零姫「いいや。愛おしい男のままじゃ」


オルロワージュ「……そうか、これが」






puella magi madoka ☆ frontier "The one loves her rose "

Story of Asellus END


…………


307: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2012/09/15(土) 23:48:58.31 ID:bxIV+0iX0

ごめんさい、今日はここまでです。
アセルス編をたたみたかったんです
……bleach? 知らないなー


308: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/09/15(土) 23:50:43.92 ID:aHUdJJ6zo



311: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2012/09/16(日) 07:22:44.81 ID:T8A0F7xho

オサレ乙


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