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半兵衛「よ、良晴さん……! も、もうっ!」

引用元: http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1351632737/
6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/31(水) 06:39:29.66 ID:KjbNUk6Y0

半兵衛「も、もう……! 最近戦がないからって良晴さん、気が緩んでますよ!」

半兵衛「いつ戦が起こるか分からないのに……」

良晴「でも少なくとも今は戦争だって起こって無いんだ、ちょっとくらいいいだろ?」

半兵衛「ちょ、ちょっとくらいって……ここ数日そう言って毎日いきなり背後から抱き付いて」

良晴「嫌か?」

半兵衛「い、嫌じゃありませんけど、くすん」


8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/31(水) 06:45:12.26 ID:KjbNUk6Y0

良晴「嫌じゃないならいいだろ、半兵衛ちゃん?」

良晴「最近は信奈の奴とも十兵衛ちゃんとも会えないし、人肌恋しいんだよ」

半兵衛「わたしはお二人の代わりですか……」ムスッ

良晴「そんなわけないだろ! 半兵衛ちゃんが一番可愛いし大事だよ!」

半兵衛「ま、またそんな調子の良い事言って――ひゃぅっ」

半兵衛「み、耳をはむはむしないでくださいっ!」

良晴「半兵衛ちゃんが可愛くて、つい……」

半兵衛「んっ、"つい"ってそんな理由で……ひぁっ」


10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/31(水) 06:56:10.11 ID:KjbNUk6Y0

五右衛門「相良氏」

良晴「ん、五右衛門か。どうした」ハムハム

半兵衛「ぁっ……んぁ」

五右衛門「拙者、僭越ながら申し上げまちゅとちゃちゅがにちゃいきんにょちゃがりゃうじは……」

五右衛門「…………」

良晴「…………」ハムハム

半兵衛「あぅ……やぁっ……」

五右衛門「流石に最近の相良氏は気が緩みすぎかと」

良晴「……ふむ」ハムハム

半兵衛「ひゃぅ……よ、よしはるさん」

良晴「ん? なんだい半兵衛ちゃん」


14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/31(水) 07:02:39.07 ID:KjbNUk6Y0

半兵衛「そ、そろそろ止めてもらえませんか……くすん」

良晴「…………」ハムハム

半兵衛「よし……はる、さん」

五右衛門「相良氏、度が過ぎるようなら拙者も容赦しないで御座るよ」

良晴「…………」

良晴「そうか、お前らがそういう気ならこっちにも考えがある」

半兵衛「えっ……」

五右衛門(噛まずに言えた……っ!)パァァア


16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/31(水) 07:06:29.98 ID:KjbNUk6Y0

【次の日の朝】

半兵衛(あ……良晴さん)

半兵衛「良晴さんっ、おはようございます!」

良晴「…………」スタスタ

半兵衛(あれ……聞こえなかったのでしょうか)

半兵衛「良晴さんっ! おはようございます!!」

良晴「…………」スタスタ


17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/31(水) 07:09:41.08 ID:KjbNUk6Y0

半兵衛(あれー……?)

半兵衛「殿っ!」

良晴「…………」スタスタ

半兵衛「とーのーっ!」

良晴「…………」スタスタ

半兵衛(……無視、されてる?)

半兵衛「くすんくすん、わたしはいぢめられてるようです」

良晴「…………」スタスタ

半兵衛「…………うぅ、くすん、くすん」



19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/31(水) 07:12:08.48 ID:KjbNUk6Y0

五右衛門「竹中氏」

半兵衛「あ、五右衛門さん」

五右衛門「今の相良氏に何を言っても無駄でごじゃるよ」

半兵衛「無駄、とは……?」

五右衛門「相良氏は昨晩からだんまりを決め込んでいるようちゅでごじゃる」

五右衛門「拙者が何を話しかけてもうんともすんとも答えないでごじゃるよ」

半兵衛「そ、そんな……」


22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/31(水) 07:21:11.28 ID:KjbNUk6Y0

半兵衛「良晴さんが何を考えてるのか分かりませんが……」

半兵衛「私は良晴さんの軍師ですっ」

半兵衛「絶対に良晴さんと会話してみせます!」

五右衛門「御武運をお祈りいたちゅでごじゃるよ、たけにゃかうぢ」

五右衛門「…………ぁう」

半兵衛(五右衛門さん、可愛いです……)


23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/31(水) 07:25:19.71 ID:KjbNUk6Y0

【昼】

半兵衛(良晴さん……いた)

良晴「…………」スタスタ

半兵衛「…………よし」

半兵衛「良晴さんっ。今日は天気がいいのでお散歩にでも行きませんか?」

良晴「…………」スタスタ

半兵衛(やはり無視されてる……ぅぅ、早くも心が折れそうです……)


25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/31(水) 07:30:33.03 ID:KjbNUk6Y0

半兵衛「よ、よしはるさ――」

良晴「お、官兵衛」

官兵衛「ん、きみか相良良晴」

良晴「今日は天気も良いし、散歩にでも行かないか?」

官兵衛「ふむ……たまには町の様子を見てみるのもいいものか」

官兵衛「最近は戦も無く運動する機会も少ないからな……いいだろう、きみと散歩してやる」

良晴「はは、じゃあ行こうぜ官兵衛」

官兵衛「シム。エスコートしてもらうからな、相良良晴」

半兵衛「…………っ」


49: ◆NEET//MSL. 2012/10/31(水) 11:54:01.98 ID:KjbNUk6Y0

【町中】

官兵衛「ふん……やはりここまでくると中々騒々しいな」

良晴「でも、そう悪いもんでもないだろう? ……おっ」

官兵衛「どうした、相良良晴」

良晴「団子屋だ。行こうぜ、官兵衛!」

官兵衛「!? い、いきなり手を握るな、びっくりするだろう!」

官兵衛「そそそれに最近身体を動かして無いからと外に来てるのに団子なんて食べたら意味が……」

良晴「なーに言ってんだよ官兵衛! 折角外に来たのに団子の一つも食べなかったらそれこそ意味が無いだろ」

良晴「こう見えても今は俺も一国一城の主、女の子に団子を奢るくらいの甲斐性はあるんだぜ」

官兵衛「き、きみがそれほど言うなら……食べてやらんこともない……っ」

良晴「じゃ、決まりだな! 団子食おうぜ官兵衛!」

官兵衛「だ、だからいきなり手を握るなと…………もう」



半兵衛(…………)コソコソ


51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/31(水) 12:03:17.69 ID:KjbNUk6Y0

半兵衛(……結局こっそり付いてきてしまいました)

半兵衛(良晴さんと官兵衛さん、あんなに楽しそうにして……)

半兵衛(良晴さんの軍師は私だというのに……)

半兵衛「…………はぁ、なんでこんな事になったんでしょう」



良晴「おばちゃん、団子二人分ください。はい、お代」

官兵衛「……本当に、奢ってもらっても良かったのかい、相良良晴」

良晴「何今更言ってんだよ! さっきから良いって言ってるだろ?」

官兵衛「む、だが……」

良晴「それに官兵衛は女の子だしさ、男の俺が官兵衛に奢るのは当然だろ?」

官兵衛「き、きみがそう言うなら……そうなのだろうな」テレテレ

良晴「おう、そうなんだよ」ニコ



半兵衛(ぅぅ……しかもなんか良い雰囲気になってます)

半兵衛「くすん、くすん」


52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/31(水) 12:14:37.20 ID:KjbNUk6Y0

半兵衛(って官兵衛さん、良晴さんに近づき過ぎです!)

半兵衛(良晴さんの隣にぴったりくっついて……席は結構広さがあるのに)

半兵衛(ま、まさか、官兵衛さんも良晴さんのことを……?)



良晴「お、きたきた」

官兵衛「ふん、中々美味しそうではないか」

良晴「そうだな。……官兵衛、あーん」

官兵衛「!?」



半兵衛「!?」


54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/31(水) 12:33:46.92 ID:KjbNUk6Y0

良晴「……どうした? ほら、あーん」

官兵衛「ちょ、ちょっと待て相良良晴!」

良晴「?」

官兵衛「そ、それはまさかこのシメオンに食べろと言う意味なのか!?」

良晴「それ以外にどんな意味があるんだよ」

官兵衛「と、とにかく! わたしはそんなの――むぐっ!?」

良晴「……どうだ? 美味いだろ?」

官兵衛「もぐもぐ……ごくん」

官兵衛「ま、まあ、悪くはないが……」テレテレ

官兵衛「それにしてもいきなり人の口に団子を突っ込むのは感心しないぞ」

良晴「ん、それは悪かった。ごめんな」

官兵衛「わ、分かればいいのだ……」



半兵衛「ぐぬぬ……」


55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/31(水) 12:42:39.49 ID:KjbNUk6Y0

半兵衛(わたしと町までお散歩したときは良晴さんは"あーん"なんてしてくれなかったのに)

半兵衛(それどころか手だって繋いでくれなかったし……)

半兵衛(あんなに幼い官兵衛さんにでれでれしてしまって……はっ)

半兵衛(もしや良晴さん、こんどこそついに未来の不治の病"露璃魂"に掛かってしまったのでは――?)

半兵衛(で、でも、だとしたら良晴さんが官兵衛さんにでれでれしてわたしにでれでれしない理由は?)

半兵衛(まさか、わたしなんかでは良晴さんにとっては歳が行き過ぎているというのでしょうか?)

半兵衛(良晴さん……いつの間にかそんなところまで"露璃魂"を進行させてしまって……)

半兵衛「わ、わたしが良晴さんをなんとかしなくちゃ……!」


56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/31(水) 12:54:42.88 ID:KjbNUk6Y0

半兵衛(で、でも「なんとかする」って言ったって、具体的にどうすれば……)

半兵衛(むー……、中々良い策が思いつきません……)



良晴「おし、官兵衛、あっちの方に行ってみようぜ」

官兵衛「シム。……シメオンもあっちの方には行った事が無くてな。何があるのだ?」

良晴「んー、確か大きめの川が通ってたはずだ。天気も良い事だしそこでのんびりしよう」

官兵衛「のんびり、か。天下布武を為そうとする織田に仕えるきみがそんなんでいいのかい?」

良晴「大切なのはメリハリを付けることだ。遊べるときに遊び、のんびり出来るときにのんびりすることも大切なんだ」

官兵衛「ふむ、一理あるな」

良晴「よし、行くぞ官兵衛」

官兵衛「だ、だからいきなり手を握るなと言ってるだろうっ」デレデレ



半兵衛(あぁっ、お二人があちらに行ってしまいます……)

半兵衛(……しかも良晴さんはまたもや官兵衛さんの手を握り締めて)

半兵衛「前途多難です、くすんくすん」


58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/31(水) 13:05:55.02 ID:KjbNUk6Y0

良晴「おお、綺麗な景色だなっ」

官兵衛「シム。それにここらはあまり騒がしくなくてとても……良い」

良晴「やっぱり人込みは苦手だったか?」

官兵衛「別に苦手と言うわけではないよ。ただ、静かな方が好きだと言うだけの事だ」

良晴「…………」

官兵衛「…………良い、風だ」

良晴「……ああ」

官兵衛「…………」

官兵衛「…………相良良晴、もう少しあちらの方へ行って見ないか」

良晴「おう」



半兵衛(……あっちは見晴らしが良すぎてこれ以上近づく事が出来ませんね)


62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/31(水) 13:17:42.73 ID:KjbNUk6Y0

官兵衛「……それで?」

良晴「……何の事だ?」

官兵衛「ふん、とぼけても無駄だ。忘れたのか? シメオンは天才軍師なんだぞ」

良晴「…………」

官兵衛「きみは普段シメオンを散歩になんて誘ったりしない」

官兵衛「手を繋いだり、"あーん"をしたり、きみの普段の行動からは考えられない行為ばっかりだ」

良晴「それが、どうした」

官兵衛「それだけじゃない。きみも気付いていたかもしれないが、さっきから竹中半兵衛がシメオンたちの後をこっそり追って来ている」

官兵衛「……相良良晴、きみは竹中半兵衛と何かあったのか?」

良晴「……ふふ、天才軍師様は全部お見通しって訳か」

良晴「それで見晴らしが良く、半兵衛が近寄れないここに行こうと言ったのか」

官兵衛「……まあ、そんなところだ」



半兵衛「くすん、遠すぎて何を喋っているのか全く聞こえません」


65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/31(水) 13:29:10.09 ID:KjbNUk6Y0

良晴「別に、大した事じゃないよ」

官兵衛「…………」

良晴「喧嘩というか……いや、悪いのは一方的にこっちなんだけれどさ」

良晴「ちょっとからかってやろうと思ただけなんだけれど予想以上に良い反応が帰ってきたもんで」

良晴「本当はすぐに謝ろうと思ってたんだけれど、ついそのまま続けちまってさ……」

官兵衛「……それで、謝るタイミングを逃した、というわけか」

良晴「あ、ああ……」

官兵衛(この……馬鹿者が……!)

官兵衛(竹中半兵衛が相良良晴に抱いている感情も知らずに……!)

官兵衛(そしてこのシメオンを一瞬でも期待させておいて……!)

官兵衛(…………くそっ!)

官兵衛「…………に行け」ボソッ

良晴「え? 何だって?」

官兵衛「竹中半兵衛に謝りに行け! 今すぐにだっ!」

良晴「ひっ!? わ、分かりました!」


66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/31(水) 13:35:23.94 ID:KjbNUk6Y0

半兵衛(良晴さんと官兵衛さん、何のお話をしているんでしょう?)

半兵衛(……ん? 官兵衛さん、怒ってる? 良晴さんに何か怒鳴りつけて――)

半兵衛「って、良晴さんがこっちに来る!?」

半兵衛「か、隠れなくちゃ」アワアワ

半兵衛「木、木の裏にでも隠れて――」


良晴「半兵衛!」

半兵衛「!」ビクッ

良晴「半兵衛……」

半兵衛「よ、良晴……さん?」

半兵衛(……良晴さんがわたしに話しかけてくれた?)


67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/31(水) 13:41:26.09 ID:KjbNUk6Y0

良晴「半兵衛、ごめん! 俺が悪かった!」

半兵衛「きゃぅっ!?」

半兵衛(よ、良晴さんがわたしを抱きしめてる――!?)

良晴「本当はすぐに謝るつもりだったのに、タイミングを逃してしまって……」

半兵衛「くすん、わたしは良晴さんがわたしに話しかけてくれたのでそれでいいです」

半兵衛「無視されるのはとても辛いです、くすんくすん」

良晴「本当に、ごめん」

半兵衛「……後で五右衛門さんにも謝っておいてくださいね?」

半兵衛「……五右衛門さんも傷ついてましたから」

良晴「ああ、分かった」


68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/31(水) 13:45:37.91 ID:KjbNUk6Y0

半兵衛(そうして、わたしと良晴さんは仲直りをした)

半兵衛(わたしは良晴さんに冷たくした事を謝って)

半兵衛(良晴さんはわたしたちを無視した事を謝って)

半兵衛(…………)

半兵衛(……良晴さんはこれからはわたしと出かけるときは手を繋ぐと約束してくれた)

半兵衛("あーん"をしてくれるとも)

半兵衛(……そして、それから一ヶ月)


70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/31(水) 13:49:37.13 ID:KjbNUk6Y0

良晴「はーんーべえっ」ダキッ

半兵衛「ひゃっ!? よ、良晴さん……! も、もうっ!」

半兵衛「最近戦がないからって良晴さん、気が緩んでますよ!」

半兵衛「いつ戦が起こるか分からないのに……」

良晴「でも少なくとも今は戦争だって起こって無いんだ、ちょっとくらいいいだろ?」

半兵衛「ちょ、ちょっとくらいって……ここ数日そう言って毎日いきなり背後から抱き付いて」

良晴「嫌か?」

半兵衛「…………嫌じゃないです」

良晴「そっか」ニコ



そんな、のどかな昼下がりの日常。
わたしと良晴さんは"まだ"特別な関係ではないけれども。
わたしはなによりもこの日常を幸せに感じているのだ。



良晴「…………」ハムハム

半兵衛「で、でも耳をはむはむするのは止めてくださいっ!」
                                                                  【終わり】


71: ◆NEET//MSL. 2012/10/31(水) 13:50:40.03 ID:KjbNUk6Y0

途中離席してすまんかった
今度やるときは書き溜めて来るんでよかったら読んでください

ノシ


72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/31(水) 13:51:29.32 ID:NkmcEyku0

良かったぞ


74: 以下名無しにかわりましてVIP がお送りします 2012/10/31(水) 14:14:09.16 ID:uFOAV9Zo0



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