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しんのすけ「ねぇねぇおねいさぁんピーマン食べれる~?」長門「……」
引用元:
「んん~何だこれ?」
「ハ、ル、ヒ、の、…漢字読めないゾ」
ペラッ
「うへぇ、字ばっかり…」
「ん~このおねいさんちょっと子供っぽさが残っていますなぁ」
「でもなかなか可愛いゾ、これからの成長に期待ですなぁえへぁ~」
「……」
「このほん、絵の部分だけ破って持って帰ったらダメかな…」
「……」
「でもぉ~落し物は交番に届けないといけないんだよね~」クルクル
「オラ、そんなに悪い子じゃないゾー?」
「…でも、少し気になるゾ」
「うーん…」
「……」
「そうだ!見終わったら元の場所に置いておけばいいんだ!」
「わーいオラあったまいい~!」
「そうと決まったら早速公園に行こうっと」
「出発おしんこー!きゅうりのぬかづけー!」
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・
―――――――――――――
キョン「季節は春。地球温暖化により昨年より早く開花してしまった桜の花が舞い散る中、生徒は春独特の陽気に感化され妙なテンションに陥っている」
キョン「来月を過ぎると一つ学年が上がり、自分達がいつまでも下級生ではないという事を自覚しなければならないのだが…どうも俺にはその実感が湧かない」
キョン「それもその筈。毎日のように文芸部部室に通い人生の糧にもならないような不可解な行動をしてる内は、俺の人間的向上なんて微塵にも望めないのだろう」
キョン「まぁこんなくだらない愚痴を吐いた所で我がSOS団団長様の馬耳には届きもしないのだがな」
ハルヒ「その愚痴を私の方に向きながら言うなんていい度胸ね。そんなに死にたいの?」
キョン「いかん、冒頭の語りに集中しすぎて今自分が置かれている状況を見失っていた」
ハルヒ「アンタみたいな馬鹿の事を何て言うと思う?『馬鹿』っていうのよ。この馬鹿」
キョン「馬鹿って言葉を三回も使いやがったな。そんな事言う奴の方が真性の馬鹿なんだよ」
ハルヒ「何ですって!?そうやって馬鹿って言ったのを馬鹿って返す方がもっと馬鹿なのよ!」
キョン「また馬鹿っていいやがったな!?そうやって馬鹿馬鹿言ってる奴に限って超ど級の馬鹿なんだよ!このバーカ!」
ハルヒ「馬鹿じゃないの!?そうやってまた馬鹿って返す人間が一番馬鹿だって何度言ったら!」
谷口「(コイツ等マジで殺してぇ…)」
キョン「…ん?そういえばお前が持ってるその本、一体何だ?」
ハルヒ「えっ?あぁコレね、昨日阪中さんに借りたのよ」
キョン「ほう、お前と阪中は貸し借りをする程の仲になっているのか、意外だな」
ハルヒ「あの事件以来結構話す機会が多くなったのよ。別にいいじゃない」
キョン「いや、お前がSOS団意外の人間とコミュニケーションを取っている事に少し驚いただけだ」
ハルヒ「何よそれ…」
キョン「で、その本は何だ?どこかで見た事あるような気もするが…」
ハルヒ「ほら、アンタも小さい頃によくテレビで見てたんじゃない?」
キョン「どれどれ…ほぅ。懐かしい物を持ってきたな」
ハルヒ「私も懐かしくなってちょっと読んでたのよ。今見ても中々面白いわ」
キョン「誰もが認める国民的漫画だからな。俺も幼稚園の時に影響されてケツ振ってたもんだ」
ハルヒ「…えっ、アンタそんな事してたの?」
キョン「えっ?お前しなかったの?」
ハルヒ「する訳ないでしょ!!」
キョン「嘘だろ…数々の意味不明な行動で世間を轟かせたお前があのアニメに影響されてなかったなんて考えられん」
ハルヒ「アンタ私の事一体何だと思ってるのよ!?小さい頃は普通の生活してたって前に話したじゃない!」
キョン「そうか…お前なら幼稚園の机の上に登ってゾウさん音頭ぐらいやってると思ったんだけどな」
ハルヒ「ちょっと待ってキョン。アンタ私を女とすら思ってないの?」
キョン「何言ってやがる。どう見たってお前は女だろ。変な質問をするな」
ハルヒ「だったら少しは考えなさいよっ!女の私にぞ…ゾウさんなんて付いてるワケないでしょ!?」
キョン「……」
ハルヒ「……」
キョン「…おぉ」
ハルヒ「何よ今の間は!?」
キョン「しかし当たり障りのない日常をだらだらと描写した漫画をお前が好むなんて珍しいな」
ハルヒ「これはれっきとした非日常ストーリーじゃない。映画なんてもう別世界の物語よ」
キョン「ん…確かに」
ハルヒ「望んでもないのにこんな楽しい事に巡り合えるなんて羨ましいわ…私にもこんな奇想天外な事起こらないかしら?」
キョン「無理に決まってるだろ。大体世界観が違うじゃねぇか」
ハルヒ「そうよねぇ…平気で変身ヒーローがビーム出しちゃうんだもの」
キョン「まぁ逆に俺達の世界にコイツが招かれたら面白い事になりそうだけどな」
ハルヒ「そうね。アンタにしては中々いい事言うじゃない」
キョン「それほどでもぉ」
ハルヒ「気持悪いからやめて」
キーンコーンカーンコーン…
キョン「む、もう昼休み終わりか」
ハルヒ「何かアンタと話してたら疲れたわ…」
キョン「今日はSOS団ミーティングの日だろ?団長のお前がしっかりしないでどうする」
ハルヒ「誰のせいよ誰のっ!!」
キョン「さて次の授業は体育か。じゃあなハルヒ、フォーエヴァー」
ハルヒ「もう、アンタいつからそんなキャラになったのよ…」
―――――――――――――
むかしむかしあるところに、木こりの親子が住んでいました。
木こりの夫婦には2人の息子がいました。兄の方は今の生活に満足していましたが、弟の方は
「いつか都に出て何かどでかいことをしてやろー」
という野望を持っていました。そんなある日・・・
長門「……」ペラッ
バ チ ィ!!
???「うおわっち!!」
ドシンッ!!
???「イテテテ…んもぅコレ母ちゃんの運転より荒いゾ~」
長門「……」
???「…お?」
長門「……」
???「……」
???「よっ!」
長門「……」
???「アンタだれ?」
キョン「人に名を尋ねる時はまず自分からって母ちゃんから教わらなかったのか坊主」
しんのすけ「オラ坊主じゃないぞ!野原しんのすけだゾ!」
しんのすけ「よく覚えとけぃ!」キリッ
長門「……」
キョン「…マジかよ」
キョン「…おい、長門」
長門「何」
キョン「ハルヒか?またハルヒの仕業なのか?」
長門「……」
長門「おそらく涼宮ハルヒが現在所持している漫画と呼ばれる書物の登場人物が具現化した存在だと思われる」
キョン「…はぁ」
長門「その発端は貴方と涼宮ハルヒの会話による彼女の想像力の肥大化だと推測され、これは主に貴方の発言が涼宮ハルヒの想像を増幅させる内容であったt」
キョン「あーもういい、みなまで言うな」
キョン「要するに俺の何気ない一言がこの事態を招いたって事だろ?」
長門「そう」
キョン「…やれやれ、また古泉に叱られそうだ」
しんのすけ「おじさん、オラはちゃんと名乗ったゾ」
キョン「誰がおじさんだ、俺はピチピチの高校生だ」
しんのすけ「ほうほう、『ぴちぴちのこうこうせい』…」
しんのすけ「プッ、ヘンなおなまえ~」
キョン「それは名前じゃねぇ!俺の名前は
ガチャ
みくる「すみません遅れました~」
キョン「あ、こんにちは朝比奈さん。今日も一段とお美しいですね」
みくる「もうキョン君ったら…おだてても何もありませんよ?」
しんのすけ「おぉ!きれいなおねいさん!」
みくる「えっ…えぇ?」
キョン「あっコラ!いきなり大声出すんじゃ…」
しんのすけ「ねぇねぇおねいさ~んカレーには何入れるタイプ~?オラは醤油をちょびっとかけて食べるほうが~」
みくる「えっ…この子って…えぇ!?」
キョン「落ち着いてください。今説明しますから…」
・・・・・・・・・・・・・
みくる「そうだったんですか。だからこの子…」
しんのすけ「んもうキョコン君ったら水虫臭いゾ~。こんな綺麗なおねいさんがいるなんてオラ知らなかったんだよ~?」
キョン「知らないも何もついさっき顔会わせたばかりだろ。それに俺の名前は巨根じゃねぇしキョンでもねぇ」
しんのすけ「まーまー細かい事は気にしない気にしない」
キョン「俺の名前を細かい事に分類するな!」
長門「……」
みくる「あ、あの~私そろそろ着替えたいのですけど…」
キョン「おっとそうでしたね。じゃあ俺は外で待ってます」
ガチャ
みくる「じゃあ、少し待っててくださいね?」
キョン「はい、了解です」
みくるのすけ「でわ~」
ガチャン
ガチャン
キョン「お前はこっちだ」
しんのすけ「軽いジョークなのに」
古泉「ところで彼の事ですが…あのビジュアルはやはり」
キョン「あぁ、お前が5歳ぐらいによくテレビに出演していたアレだ」
古泉「やはりそうでしたか…いやぁ懐かしいですね」
古泉「僕もあのアニメを見て母親によく生意気な口を利いて怒られてましたよ」
キョン「何?お前もアレに影響された時期があったのか」
古泉「えぇ、親が見せたくないゴールデンタイムアニメNO,1ですからね」
キョン「見るなって言われたら余計見たくなっちまうのが人間の性だよな」
古泉「まぁ流石に彼の行動をマネするという愚行はしませんでしたけどね」
キョン「…えっ、マジ?」
古泉「…もしや貴方」
キョン「い、いやそんな事ないぞ!?ケツ振ったり股間に象の落書きなんてしてないぞ絶対!」
古泉「ですよねー」
キョン「は…ははは…」
しんのすけ「んでね、オラがかーちゃんにお肩スーッってするやつ塗ってあげようとしたら…」
しんのすけ「母ちゃん、避けて鼻にお薬が当たっちゃってぇ~」
しんのすけ「『ひいいいいいいいいいいいっ!!』ガンッ!『だおおおおおおおおおおおおおっ!!』」
しんのすけ「って一人で踊り始めたんだゾ~」
みくる「あはは…それはお母さん大変でしたねぇ」
長門「……」
キョン「さて、この状況を一体どう処理すればいい?」
古泉「そうですね…取り敢えず涼宮さんにだけは彼との接触を避ける必要があるでしょうね」
古泉「彼は立場上異世界人という事になりますから、涼宮さんに影響が無いとは思えません」
キョン「そうだな、昼休であれだけこの漫画の話題で盛り上がってたんだ。実物なんて見てしまった際にゃあ」
ハルヒ「凄いじゃない!まるでテレビから飛び出てきたみたいに本物そっくりだわ!!」
キョン「てな具合に満天の笑みを浮かべて興味心身に」
キョン「えっ?」
キョン「うおおおおおおおおおおおっハルヒいいいいいいいい!!?」ガタタッ!!
古泉「す…涼宮さん…何時からそこに?」
ハルヒ「えっ?たった今来たばっかりだけど…何二人揃って驚いた顔してるのよ?」
キョン「……(アウト?)」
古泉「……(…セーフだと)」
ハルヒ「それよりもあの子しんのすけそっくりじゃない!何処から連れてきたのよ!?」
キョン「落ち着けハルヒ、これは色々な事情が重なってだn」
ハルヒ「もしかして本物!?私が望んだからひょっこり出てきたんじゃないかしら!?」
古泉「」
キョン「(世 界 が ヤ バ イ)」
キョン「い、いや違うんだハルヒ!」
キョン「あの坊主は長門の生き別れの弟だ!今日からしばらく長門が面倒見ることになってんだよ!!」
ハルヒ「えっ?有希の弟?」
キョン「おう、確か名前は~…焼け野原すんのけし君だった…と思う」
古泉「(ちょっと何ですかその露骨すぎる設定と偽名は!?)」
キョン「(うるさい!咄嗟の判断がきかなかったテメェよりマシだろうがっ!)」
キョン「と、とにかくだな…あの漫画の主人公とは似て非なる存在であって実際の団体人物とは一切関係ない事もないというか…」
ハルヒ「ふぅん…まぁいいわ、実際にアニメのキャラが現実に出てくる訳ないものね」
キョン・古泉「…ふぅ」
しんのすけ「おお、また人が増えたゾ!しかもびじんさんだ~」
ハルヒ「こんにちはしんのすけ君!SOS団長として有希の弟である君を歓迎するわっ!」
キョン「(コイツ俺が考えた偽名をナチュラルに無視しやがった…)」
しんのすけ「えすおーえすだん…おぉ!何だかカッコイイ名前ですなぁ~」
ハルヒ「!!」
ハルヒ「よく分かってるじゃない!流石は有希の弟ね!アンタ中々素質あるわよ!」
しんのすけ「えへぇ~それほどでもぉ~」
ハルヒ「良かったら私達の準団員にならない?歓迎するわよ!」
しんのすけ「いえいえ、せっかくですがオラには大事な使命があるのでお断りさせていたたきますです」
ハルヒ「使命?何かしらそれ?」
しんのすけ「オラはかすかべの平和を守るかすかべぼーえいたいなんだゾ!」
しんのすけ「ワッハッハッハッハッハ~!」
ハルヒ「春日部防衛隊?どこかで聞いた事あるような…」
キョン「パオーンパオーンッ!!!」
古泉「か、彼はですね、バルブ経済崩壊後の日本の経済的衰退を防ぐために政府特別機関工作員として任命された見た目は五歳頭も五歳の」
ハルヒ「バブル経済?古泉君いつの時代の話してるのよ?」
古泉「」
キョン「お前が自爆とは珍しいな」
古泉「放っておいてください…」
キョン「と、こんな風に色々あったのだが…特に目立った閉鎖空間も発生せず、この破天荒な一日は杞憂に終わりを告げる事になったのである」
キョン「あの坊主は長門の弟という設定にしてしまったため、しばらくは長門の家に居座らせるという事に決まり…」
キョン「それと同時にアイツを元の世界に戻す方法を長門が見つけてくれるとの事だ」
キョン「幸い今回は原因がはっきりしているため、方法を見つけるのは容易な事らしいが…」
キョン「この異世界人騒動はそんな簡単に鞘に収める事はできないのだろうと、俺は密かに思うのである」
長門「貴方が何故説明口調なのか理解できない」
キョン「気にするな。いつもの事だ」
長門「……」
―長門宅―
ガチャ
しんのすけ「おっかえり~」
長門「今の発言には不適切なキーワードが含まれている」
しんのすけ「お?」
長門「私達は今帰宅をした」
長門「この場合、私達は迎えうける立場にあるため、ただいま、が適切である」
しんのすけ「ほうほう、そうともゆぅ~」
長門「貴方の発言には理解できない。この場合にはこの単語以外に当て余るケースが一つも…」
しんのすけ「まぁまぁ細かい事は気にしない気にしない」
しんのすけ「そんなにきっちりしてるとかあちゃんみたいにたんさいぼーになっちゃうんだゾー」
長門「……」
しんのすけ「ほっほぉ~い」ダダダダ
長門「貴方は手洗いをするべき」
しんのすけ「ほーい」
・・・・・
しんのすけ「かあちゃんはらへったー」
長門「私は貴方の母親ではない」
長門「食事の準備が出来ているので運ぶのを手伝って欲しい」
しんのすけ「ブッラッジャー!」
長門「…?」
しんのすけ「お?」
長門「…貴方は早く手伝うべき」
しんのすけ「ほーい」
しんのすけ「おぉ!そろそろアクション仮面が始まる時間だぞ」
長門「…この時間帯にそのような番組は存在しない」
しんのすけ「な、なにいぃぃぃぃぃぃ!?」ガーン!
しんのすけ「そんな…アクション仮面が見られないなんて…」
しんのすけ「オラは…オラは何のために生きてるんだあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
長門「……vncdfvnvlgfdvbidfvb」
長門「今のは私の勘違い。その番組は今この時間に放映している」
しんのすけ「な、なぁ~んだそっか~。アハハハハハ」
しんのすけ「んもう、ゆきちゃんはちゃっかり屋さんなんだから~」
長門「今の発言はうっかりが適切」
しんのすけ「わっはっはっはっはっ!」
長門「……」ペラッ
しんのすけ「あー面白かった」
しんのすけ「お?」
長門「……」
しんのすけ「ねーねーゆきちゃん」
長門「何?」
しんのすけ「それ、今日のお昼にも読んでた本だよね?」
長門「…そう」
しんのすけ「おもしろい?」
長門「…ユニーク」
しんのすけ「ほうほう」
長門「でも、少し…分からない」
しんのすけ「どして?」
長門「……」スッ
しんのすけ「お?」
長門「ここ」
しんのすけ「おぉ!この絵本幼稚園でよんだことあるゾ!」
長門「…そう」
しんのすけ「んで、これのどこがわからないの?」
長門「……」
長門「……」スッ
しんのすけ「んん?」
長門「この絵は人間と動物が繋がっている」
長門「彼女は一度も笑った事がない」
長門「しかしこの姿を見た彼女は、笑っている」
長門「彼女は何故、笑っている?」
しんのすけ「ほうほう、なるへそなるへその尾はちょん切るもの」
しんのすけ「んん~むづかしいもんだいですなぁ」
長門「…ごめんなさい」
しんのすけ「いやぁそれほどでもぉ~」
長門「褒めてはいない」
しんのすけ「んん~オラ的には子供だましだけど…」
長門「?」
しんのすけ「きっとこのお姫様はこのへんてこりんな格好をみて笑ったんだと思うゾ?」
長門「それは理解している」
しんのすけ「ほうほう、じゃあ何がわからないの?」
長門「……」スッ
しんのすけ「お?」
長門「…これは、笑える?」
―――――――――――――――
pipipipipipi
ピッ
長門「…何?」
キョン「長門、俺だ」
長門「……」
キョン「今アイツはどうしてる?騒ぎとか起こしてなければいいんだが…」
長門「問題ない。全ては想定内の範囲で収まってる」
キョン「そうか、ならいいんだ」
キョン「こうなったのも少なからず俺の所為だからな。少し心配してたんだ」
長門「…そう」
キョン「それでどうだ?元の世界に戻す方法は見つかったか?」
長門「…まだ見つけていない」
キョン「そ、そうか。…結構難しいのか?」
長門「そうではない。貴方が望むならすぐにでも見つけ出す事ができる」
長門「ただ、今まであの有機生命体の観察を優先していたため、行動に移す事ができなかった」
キョン「観察?あの坊主に何かあるのか?」
長門「分からない。しかし貴方達とは違う個体である事はたしか」
キョン「そうか…」
長門「情報統合思念体は彼という個体にとても興味を抱いている」
長門「そのため、しばらくの間彼を涼宮ハルヒと同レベルの観察対象とする事が命じられた」
長門「期限は野原しんのすけと涼宮ハルヒの共通性を発見できるまで」
キョン「…大丈夫か?」
長門「安心して、彼は私が責任を持って保護する」
キョン「そうか、それを聞いて安心した」
長門「…私という個体もそれを望んでいる」
キョン「…ほう」
長門「何?」
キョン「いや、何だかお前が満更でもなさそうだからさ」
キョン「珍しいと思ってな」
長門「……」
キョン「…ふむ」
長門「…何?」
キョン「いや、何でもないさ」
キョン「じゃあすまないが…しばらくの間アイツの事、頼んだ」
長門「…了解した」
しんのすけ「ふぃ~いい湯であった」プラプラ
長門「タオルは肩にかけず股間を隠すべき」
しんのすけ「おお、そうでした」
しんのすけ「嫁入り前の娘もいることですからなぁ」
長門「…?」
しんのすけ「オラのかあちゃんはいつもそう言うゾ」
長門「…そう」
しんのすけ「有希ちゃんは大きくなったらお嫁さんになるの?」
長門「…分からない」
しんのすけ「オラは大きくなったらななこおねいさんを迎えにいくんだ~」
しんのすけ「んでね、オラはおねいさんの膝枕で耳掃除してもらうんだゾ」
しんのすけ『しんちゃん、痛くない?』
しんのすけ「ふっ、ななこのこと思うと胸がズキズキ痛むんだぜ」
しんのすけ『まぁ大変、じゃあ私のおむねでいいこいいこしてあ・げ・る(はぁと)』
しんのすけ「うひょおおおおおおおおおおおお!!!!」シュポポポー
長門「……」
しんのすけ「あぁななこおねいさん…そこは駄目だゾ…そんなに伸びない」
長門「…貴方は」
しんのすけ「お?」
長門「今、楽しい?」
しんのすけ「んん?」
長門「私は貴方に対して何も干渉していない」
長門「しかし貴方はとても楽しそうにしている」
長門「何故、表情の変化がこの短時間で多様なのかも理解不能」
長門「…貴方は、とても興味深い」
しんのすけ「ん~有希ちゃんの言ってる事全然分かんないけど」
しんのすけ「オラは今、とっても楽しいゾ?」
長門「……」
しんのすけ「オラの家じゃないところでお泊りなんておひさしぶりぶりだから~」
しんのすけ「かあちゃんにも怒られる事ないし~」
しんのすけ「オラはまんぞくであるっ!」
しんのすけ「ワッハッハッハッハッハーッ!」
長門「…そう」
しんのすけ「ゆきちゃん」
長門「何?」
しんのすけ「ゆきちゃんはオラといて…楽しくないの?」
長門「……」
しんのすけ「はっ!もしかしてオラにほれちゃったからおむねが痛くて泣いちゃいそうだとか!?」
しんのすけ「いやぁ~まいったなぁ~オラもつみきづくりな男だゾ~」クネクネ
長門「その心配は必要ない」
しんのすけ「あ…そなの」
長門「…貴方はとても興味深い」
しんのすけ「お?」
長門「私は貴方以上の喜怒哀楽の感情が激しい有機生命体を見た事がない」
しんのすけ「きどあいらく?」
長門「そう」
しんのすけ「それってカニがいっぱい食べれるお店のこと?」
長門「それはか○道楽」
しんのすけ「緑のもじゃもじゃ人形が二匹でCMで出てた…」
長門「愛・○球博」
しんのすけ「おぉ!最近カザマくんが見てたらくごのアニメの…」
長門「じょ○らく」
長門「……」
しんのすけ「お、おぉ…ゆきちゃんのお顔がかあちゃんみたいな鬼ババに…」
長門「…そろそろ寝る時間」
しんのすけ「ふわぁ~あ…」
長門「布団は敷いてある。好きにしていい」
しんのすけ「ほっほーい…」
ボフッ
しんのすけ「ん~このおふとんいいにおいだゾ~」
長門「それは私の寝具。貴方はこっちの…」
しんのすけ「zzz.......」
長門「……」
ファサ…
長門「…おやすみなさい」
-翌日-
ガチャ
キョン「うぃーっす」
長門「……」
キョン「ん?また長門だけ…ではないな」
長門「……」
しんのすけ「えへへ~じょしこうせいでもはったつが良い子はそそられますなぁ~」
キョン「…はぁ」
キョン「おい、あまり窓から顔出すな。誰かに見つかったらどうすんだ」
しんのすけ「ああんおねいさあん~」
キョン「長門もあまりこいつを甘やかすなよ。…まぁお前がいれば心配はないのだろうが」
長門「了解した」
しんのすけ「お?オラおじさんのおなまえ憶えてるゾ。うんとねー」
キョン「誰がおじさんだ。それにまだ本名は名乗ってない。俺の名は」
しんのすけ「ギョンくん!」
キョン「そうっ!俺は黒い球体に体を蘇えさせれらた漆黒のハンター!今日も転送され世界中の怪人を」ギョーンギョーン
キョン「ちがうっ!!」
バタンッ!!
ハルヒ「やっほー!みんないる!?…って、有希とキョンだけ?」
キョン「古泉はバイトだ」
みくる「おそくなりましたぁ」
ハルヒ「遅いじゃないみくるちゃん!団員たるもの団長の入室三十分前には部室にいる義務があるのよ!」
みくる「ふぇ!?」
キョン「三十分前は授業中だこの馬鹿」ゴツンッ
ハルヒ「いたい!よくもぶったわね!あと馬鹿ってまた言った!」
キョン「馬鹿に馬鹿と言って何が悪い」
ハルヒ「…ふ、ふふふ。キョン…アンタとは一度白黒つける必要があるみたいね…」ゴゴゴゴゴ…
キョン「奇遇だな、俺も常々同じ事を思っていたんだ…」ゴゴゴゴゴゴ…
ハルヒ「この際だから平団員から超平団員に降格してあげるわ。覚悟しなさい!」
キョン「そっちこそそのカチューシャ引っこ抜いて無理やりポニテにしてやる。覚悟しろ」
みくる「ひ、ひえぇ~何だか二人から禍々しいオーラが見えますぅ~」
しんのすけ「おぉ!オラこれ知ってるゾ!」
しんのすけ「とーちゃんとかーちゃんがいつもやってる『どたんば』ってやつだ!」
みくる「え、えぇ~....」
長門「この状況から把握すると、それは土壇場ではなく修羅場だと思われる」
しんのすけ「おぉ、そうともゆー」
長門「これ以上の闘争は悪影響を及ぼす。早急に止めるべき」
みくる「で、でもどうすればいいんですかぁ~?」
長門「今私達が介入することは許されない。第三者が横槍を入れる事は、世界の崩壊を意味している」
みくる「そ、そんなぁ~」オロオロ
しんのすけ「ねーねー」
キョン「何だ?俺達は今から食物連鎖の頂点を競い合う戦いを始めようと…」
しんのすけ「二人ともどたんばがおわったらプロレスごっこするの?」
ハルヒ・キョン「プロレスごっこ?」
しんのすけ「おらのかーちゃんととーちゃんは」
しんのすけ『あなたごめんなさい…私が悪かったわ』
しんのすけ『いいんだみさえ…お前の気持ちを分かってやれなかった俺が悪いんだ…』
しんのすけ『もう三段腹が悪いなんて言わないさ!その身体全部まとめて愛してこそが夫の務めだ!』
しんのすけ『私もあなたの足の匂いを愛してみせるわ!それこそが妻の努めだもの!』
しんのすけ『みさえ…』
しんのすけ『あなた…』
しんのすけ『んー』『んー』
-その後-
ハルヒ「全くキョンのやつ…どうしてあんなに反抗的なのかしら」ブツブツ
みくる「ま、まぁまぁ、涼宮さん落ち着いて、ね?」
ハルヒ「しんのすけ君にもかなり振り回されちゃったわ…。これは団長である私の唯一の失態ね」
みくる「あ、あのぉ~涼宮さんあの子はすんのけし君で」
ハルヒ「でもあの子はかなりの潜在能力を秘めてるわ!これは時期団長として育成のしがいがあるわね!」
みくる「え、えぇ~...」
ハルヒ「有希もそう思わない?あの子の姉としてこれは誇らしい事だと思うわ」
長門「……」
ハルヒ「…有希?」
長門「何?」
ハルヒ「あ、いやね?有希はしんのすけ君の事凄いと思わない?」
ハルヒ「あんな面白い子は世界中探しても中々いないわよ!」
長門「…そう」
ハルヒ「…うーん」
みくる「どうかしました?」
ハルヒ「えっと、有希としんのすけ君って本当に姉弟なのよね?」
ハルヒ「その割りにはあまりに似てないなぁーって…」
みくる「あ、それはその…」
ハルヒ「あんなに表情豊かなの子なのに有希はいっつも無表情だから…」
ハルヒ「あ、別にそれが悪いって言ってる訳じゃないのよ?」
ハルヒ「ただちょっと気になっちゃったから…」
みくる「す、涼宮さんっ!あまり長門さんの家庭の事には…」
ハルヒ「あっ…そうね!これはあんまり首突っ込む事じゃないわ!」
ハルヒ「ごめんね有希…気を悪くしちゃったなら謝るわ。許してくれる?」
長門「…いい、気にしていない」
ハルヒ「…ふぅ、何か今日はダメね。もう帰ったほうがよさそうだわ」
ハルヒ「みくるちゃん、着替えて帰る準備して頂戴」
みくる「あ、はぁい分かりました~」
長門「……」
――――――――――――――――
しんのすけ「ふんふふんふふーん」カキカキ
キョン「しんのすけ、お前何作ってるんだ?」
しんのすけ「この前幼稚園で作ったやつー」
キョン「どれどれ…ほう」
しんのすけ「キョン君にはあげないゾ」
キョン「もしかして、長門にか?」
しんのすけ「ぴんぽーん!」
キョン「ハハッ。それはあいつも喜ぶだろうな」
しんのすけ「でしょー?組長がごほん好きな人にあげたら喜ぶって言ってた」
キョン「組…あぁ、なるほどな」
しんのすけ「キョン君にはオラとくせいのなまこのもけいあげるね」
キョン「いらん」
しんのすけ「えんりょなんてしなくていいゾ~」
キョン「…はぁ、やれやれだ」
しんのすけ「はぁ、やれやれだぜ」
キョン「真似するな」
しんのすけ「あ、ゆきちゃんだ」
長門「……」
キョン「ん?もう部活はお開きになったのか?」
長門「……」コクリ
キョン「そうか、じゃあコイツの事よろしくな」
しんのすけ「ねぇねぇゆきちゃんオラはらへったー。今日のばんごはんなにー?」
長門「…カレー」
しんのすけ「なんと!二日続けてカレーですと!?」
しんのすけ「ゆきちゃんはお金持ちですなぁ~えへぇ」
キョン「おいおい、あんまりカレーばかり食べてると身体壊すぞ」
長門「…そう」
キョン「…長門?」
長門「何?」
キョン「いや…」
キョン「何かあったか?」
長門「……」
長門「何も」
キョン「そ、そうか」
キョン「じゃあ、帰るか」
しんのすけ「アークションかめーん。せいぎのかーめーんー」
キョン「ゴゴッゴー・・・」
しんのすけ「れっつごー!」
しんのすけ「おぉ!チョンくんアクション仮面しってるの!?」
キョン「まぁな、だが俺はチョンじゃねぇ」
しんのすけ「アクショーンビーム!ビビビビビビビビ!」
キョン「ふははははは!そんなものかアクション仮面!ミミコはいただいた!」
しんのすけ「ぬおおっ!ひきょうだぞかいじんジュンくん!」
キョン「そんな引き篭もりみたいな名前じゃない!さらばだアクション仮面!はっはっはー!」
ダッダッダッダッダ…
しんのすけ「やれやれ…おとなと遊ぶのも疲れますなぁ」
長門「……」
しんのすけ「ゆきちゃーんはやくかえろー」
長門「……」テクテク
-長門宅-
長門「いただきます」
しんのすけ「いっただっきまーす」
しんのすけ「あぬうんうんうん…」
長門「……」モグモグ
しんのすけ「おぉ?今日のカレーはひとあじちがいますなぁ」
長門「…どうして分かる?」
しんのすけ「きのうはまったりまろやかぁ~だったけどぉ」
しんのすけ「きょうのはきりっとしてておとなの味だゾ」
長門「…今日は醤油を混ぜてみた」
しんのすけ「おぉ!ゆきちゃん分かってるぅ~」
しんのすけ「やっぱりカレーにはしょうゆだよねー」
長門「…私は」
しんのすけ「お?」
長門「ウスターソースが至高」
しんのすけ「おぉ!とーちゃんがいっつもソースかけてたゾ!」
しんのすけ「かーちゃんにかけすぎてよく怒られるんだ~」
長門「…そう」
しんのすけ「ゆきちゃんのカレーはソースいれてるの?」
長門「食べてみる?」
しんのすけ「いただきまーすぅ」
しんのすけ「んぐんぐ…」
長門「…どう?」
しんのすけ「んんまいっ!」
しんのすけ「こってりとしててしつこくないおあじ~」
しんのすけ「オラ、これきにいったゾ!」
長門「…そう」
しんのすけ「ん~」
長門「…何?」
しんのすけ「オラ、ゆきちゃんと一緒にいて思ったんだけどー」
長門「……」
しんのすけ「ゆきちゃん、もっとわらってたらすごくかわいくなるとおもうゾ?」
長門「……」
しんのすけ「そしたらみくるちゃんにもだんちょーさんにも負けないきれいなおねいさんになるんじゃない?」
長門「…」
しんのすけ「んでもってしょうらいはきっとないすばでいなおねいさんに…」
しんのすけ「…はっ!?オラはだめだぞ!オラにはななこというこいびとが」
長門「」
しんのすけ「…ゆきちゃん?」
長門「」ポロポロ…
しんのすけ「!?」
―――
しんのすけ「ゆ、ゆきちゃん…?」
長門「」ポロポロ
しんのすけ「どうしたの?お腹いたいの?」
長門「…分から、ない」ポロポロ
長門「理解…不能」ポロポロ
しんのすけ「ああ泣かないで!オラがなんとかするから!」
長門「……」
長門「……」ポロポロ
しんのすけ「えぇーっとええーっと…」
しんのすけ「そうだっ!」
しんのすけ「踊るケツだけ星人!あっぶーりぶーり♪」ブリブリ
長門「……」
しんのすけ「ほーらゆきちゃん、たらこのなみのりだぞ~」ウニュー
長門「……」ポロポロ
しんのすけ「ううっ…こうなったらー!」
しんのすけ「ひっさつ!」
しんのすけ「チンコプタアアアアアアアアアッ!!!!」ブルンブルンブルン!!!
長門「」
しんのすけ「うおおおおおおおおいつもよりおおくまわっておりまああああああすうううううっ!」プルンプルン
長門「……」
長門「……」ガシッ
しんのすけ「(∵)」
長門「……」
しんのすけ「…ゆきちゃん、いま」
しんのすけ「わらった?」
長門「…分からない」
しんのすけ「ぜったいわらったゾ!」
しんのすけ「うわーいわーい!ゆきちゃんがわらったゾー!わーいわーい!」
長門「…これが、笑う?」
しんのすけ「やったーやったー!ぶりぶりぃ~ぶりぶりぃ~」
しんのすけ「ゆきちゃんをわらわせたゾー!ひゅーひゅー!」
長門「これが」
長門「笑う」
-翌日-
キョン「…んで、こんな朝から呼び出したのは何だ?」
しんのすけ「ん~オラまだ眠いぞ~」
長門「……」
長門「野原しんのすけを現在の次元から切り離す準備が完了した」
キョン「…そうか」
キョン「原因は何だったんだ?」
長門「おそらく野原しんのすけの世界に存在する媒体がこちらの媒体にリンクした事による情報伝達が原因」
キョン「媒体?」
長門「別世界の媒体は不明。しかしこちらの媒体は明らか」
長門「媒体は涼宮ハルヒが所有していた書物だと思われる」
キョン「…ほう」
長門「彼女は野原しんのすけをイメージし具現化をさせた」
長門「それと同時に野原しんのすけは別世界の媒体に触れ何らかのショックを与えたため、こちら側の世界にコンタクトを取る形になった」
長門「それは涼宮ハルヒ…又は私達をイメージさせる事のできる媒体であったのだと推測している」
キョン「…ん?ちょっと待て」
長門「何?」
キョン「いや…ちょっと確認したい事がある」
キョン「おいしんのすけ」
しんのすけ「なに~」
キョン「お前は俺達sos団の中で会った事のある奴がいるんじゃないか?」
しんのすけ「んもうやだなぁチュンくんったら~そんなナンパのほーほーは古臭いゾー」
キョン「…質問を変えてみよう」
キョン「お前、こっちに来るとき何か持ってなかったか?」
キョン「例えば…本、そうだ本だ」
しんのすけ「んんー持ってたような持ってないような…」
キョン「思い出してみろ。一昨日の出来事だろう」
しんのすけ「むむむ~」
しんのすけ「おぉおもいだしたゾ!」
キョン「何だ?」
しんのすけ「オラ、公園でごほん拾ったんだゾ」
しんのすけ「それにだんちょーの顔がかいてあったゾ」
キョン「…そうか」
長門「おそらくは」
キョン「あぁ、分かってる」
キョン(…ハルヒ)
キョン(お前は別世界でも有名らしいぞ)
しんのすけ「んで、そのごほんもって公園に行こうとしたら~」
しんのすけ「ゆきちゃんと会ったんだゾ?」
キョン「……」
長門「……」
しんのすけ「いやぁでもあのごほんをひろったかいがありますな~」
しんのすけ「だんちょーにもあえたしーみくるちゃんといっぱいお話したしー」
しんのすけ「あ、ゆきちゃんの笑った顔がみられたことがいちばんだったゾ!」
長門「……」
キョン「そう、か。そりゃよかったな」
しんのすけ「ねーねーゆきちゃん。今日は何して遊ぶー?」
しんのすけ「オラこの前のごほんもういっかい一緒に読みたいゾ!」
キョン「なぁ、しんのすけ」
しんのすけ「お?」
キョン「お前、そろそろ帰らなきゃいけないんじゃないか?」
しんのすけ「なんで?」
キョン「お前のかーちゃん、門限は何時だって言ってた?」
しんのすけ「うーん」
しんのすけ「はっ!五時だ!」
キョン「かーちゃん。怒ったら怖いだろ?」
しんのすけ「うっ…でも今朝の七時だゾ」
キョン「あぁ、朝の七時だ」
キョン「今日は平日だ。幼稚園には行かなくていいのか?」
しんのすけ「あ」
キョン「問題だ」
キョン「門限は午後の五時。今は朝の七時」
キョン「幼稚園バスに乗らないとかーちゃんが送り迎えをしなきゃいけない」
キョン「…かーちゃんはどのくらい怒る?」
しんのすけ「お、おおおおおおっ!!!妖怪ケツでかおばばのグリグリ攻撃だぁ~!」
しんのすけ「オラまだしにたくないぞおおおおお!」
キョン「大袈裟だな」
しんのすけ「キョン君はあの痛みを知らないからそんなのーてんきなこと言ってられるんだゾ!」
しんのすけ「あ、もしかしたらおつやのチョコビ抜きかも」
しんのすけ「ひいいいいいいいいっ!」
キョン「で、どうするんだ?」
しんのすけ「オラ、かえるっ!」
長門「……」
キョン「…だ、そうだぞ。長門」
長門「…了解した」
しんのすけ「ゆきちゃん!早くしないと妖怪ケツでかおばばが!」
長門「分かっている」
キョン「元の世界に戻る方法は?」
長門「私個人の媒体から向こうに直接コンタクトを行い、空間移動を行う」
キョン「…よく分からんが、よろしくな」
長門「…了解した」
キョン「っと、その前に」
キョン「おいしんのすけ。長門がお前に言いたいことがあるらしいぞ」
しんのすけ「お、ゆきちゃんが?」
長門「…私は何も」
キョン「そんな顔しても誤魔化せないぞ」
キョン「顔に書いてあるからな」
長門「……」ペタペタ
しんのすけ「ゆきちゃんなーにー?」
長門「……」
長門「…この二日間、あなたと行動を共にした事によって、有機生命体の観測を十分に行うことができた」
長門「特に貴方の奇怪な行動には興味深く、人間の新たな可能性を見出すことができた」
長門「情報統合思念体は貴方という異世界人を手放すには惜しいと考えている。しかし涼宮ハルヒへの過度な接触によって起こりうるとされる情報爆発は未知数なt」
キョン「……」ポカッ
長門「…何故、叩くの?」
キョン「ただの五歳児になに電波的な話をしてんだ」
キョン「もっと他に言う事があるだろ?」
長門「……」
キョン「恥ずかしがらないで言ってみなさい」
長門「……」コクリ
長門「野原しんのすけ」
しんのすけ「ほいっ!」
長門「この二日間。私という個体はとても充実していたと思われる」
長門「…ありがとう」
しんのすけ「ふむふむ」
長門「…何?」
しんのすけ「やっぱりゆきちゃんは笑ってる時の顔が一番おにあいだゾ」
しんのすけ「これからずっと笑ったらきっとしわよせになれるとおもうゾ!」
長門「…それを言うなら、幸せ」
しんのすけ「そうともいう~」
しんのすけ「ワッハッハッハッハーッ!」
長門「……」
キョン「もういいのか?」
長門「……」コクリ
しんのすけ「お、こってり忘れてた」
しんのすけ「ほいっ」
長門「…これは」
しんのすけ「オラが作ったんだゾ」
長門「…私に?」
しんのすけ「お礼は一億万円!ローンも可!」
キョン「長門、最後は気にしなくてもいい」
長門「…ありがとう。大事にする」
しんのすけ「大事にするだけじゃなくて、ちゃんと使ってよね~」
長門「…了解した」
長門「私は、これ」
しんのすけ「お?」
長門「…こんなものしか、思いつかなかった」
長門「ごめんなさい」
しんのすけ「おぉ!これオラが使ってたやつ!?」
長門「そう」
しんのすけ「ほっほほーい!ありがとござまーす!」
長門「……」
しんのすけ「さっそくかあちゃんに言ってカレー作ってもらおーっと」
しんのすけ「ゆきちゃん!大事に使わせもらうゾ!」
長門「…そう」
――――――――――――
長門「…ここを通り抜けると、元の世界に戻ることができる」
しんのすけ「……」
キョン「…ふぅ、お別れだ。しんのすけ」
しんのすけ「ねぇねぇ」
キョン「何だ?」
しんのすけ「また会える?」
キョン「……」
キョン「きっと、また会えるさ」
しんのすけ「ほんとに?」
キョン「ああ、約束でもするか?」
しんのすけ「おう!」
キョン「男同士の!」クイッ
しんのすけ「おやくそくっ!」クイッ
しんのすけ「ゆきちゃんもいっしょに!」
長門「私は女性に分類される」
しんのすけ「こまかいことはきにしないきにしない!はいっ」
しんのすけ「おとことおんなのぉーっ」
長門「…約束」
しんのすけ「これでよしっ!」
キョン「ほら、早く帰らないとかーちゃん怒るぞ」
しんのすけ「ほーい」タッタッタッ
長門「……」
しんのすけ「キョンくん、ちゃんとはーみがけよー」
キョン「お前こそ、ピーマン残すなよー」
しんのすけ「ゆきちゃーん!」
長門「……」
しんのすけ「今度来たときはカレーの玉ねぎ抜いといてねー!」
長門「…好き嫌いは、ダメ」
しんのすけ「ほーい」
「じゃ、そーゆーことでー」
―後日―
ハルヒ「うーん」
みくる「涼宮さーんできましたかー?」
ハルヒ「ちょっともみあげが気に入らないけど…まぁいいわ!完成!」
みくる「わー私これ知ってますー。トーテムポールの上の部分の顔ですよね」
ハルヒ「…これ、キョンの顔なんだけど」
みくる「えっ」
ハルヒ「……」
みくる「わ、わーホントそっくりですねー!特にこのもみあげの広がり具合とか特に…」
ハルヒ「いいのよみくるちゃん。私も薄々…」
長門「再現率99%。しかしこの彫刻を理解できる人類はこの時間帯には存在していない」
長門「貴女は隠れた芸術家、数十年後この作品は必ず世界遺産として評価されると私は」
ハルヒ「やめて有希!これ以上フォローしないで!すごく胸が痛い!」
キョン「…何やってんだアイツは?」パチッ
古泉「どうやら昔を懐かしんで粘土彫刻をしているようですね」パチッ
キョン「ふーん」パチッ
古泉「貴方は参加しなくてもよろしいのですか?」パチッ
キョン「別に」パッ
古泉「おっと、これは参りました」
キョン「弱いなお前、まぁ今知ったことじゃないが」
古泉「貴方が強すぎるのだと思いますよ?」
キョン「ぬかせ」
古泉「んっふ」
古泉「話は変わるのですが…」
キョン「何だ?」
古泉「長門さん、あれから随分と明るくなられたような気がします」
キョン「あぁ」
古泉「何か僕の知らない所で人頓着あったよですね。んふっ」
キョン「そうだな」
キョン「…確かに、長門は変わった」
キョン「いや、変わろうと努力しているのかもしれん」
古泉「努力、ですか?」
キョン「なぁ、お前金のがちょうって話知ってるか?」
古泉「えぇ、知っています」
キョン「アホな木こりがお姫様を笑わせて、なんやかんやで二人は結婚するって話だが…」
キョン「長門にとってのアホな木こりは、おそらくアイツの事だったんだろう」
古泉「長門さんをあそこまで変えてみせたのが彼の功績だと?」
キョン「あぁ。そこまで立派なことをした訳じゃあないと思うが…」
キョン「長門にとってアイツは、自分を変えようと決心するほど刺激を貰ったんだろう」
キョン「ま、恋のキューピットならぬ、笑顔のキューピットって所だな」
古泉「」
キョン「…おい古泉」
古泉「なんでしょう?」
キョン「何で後ろ向いてんだお前」
古泉「いえいえ別に、ブッ。何でも、ないです…」プルプル
古泉「笑顔の…笑顔…の、キュ、ピッ、ト」
古泉「ぶほぉww」
キョン「おいこら、古泉お前どういうことだ」
古泉「だってwwwwwだってっwwwwwwブフッwwwwwww」プルプル
古泉「すいませんwwwwww僕www少しwwwwトイレにwwwww」ダッ
キョン「逃がすか!待ちやがれっ!」ガタッ!
ハルヒ「あれ?男共は一体どこに消えたの?」
みくる「さぁ…さっき古泉くんとキョンが急いで外に行ってるのを見ました」
ハルヒ「全く、今は団活中だってのにふざけてるわね!帰ってきたら私が直々に説教をしてやるわ!」
みくる「アハハ…あれ?」
ハルヒ「どうしたの?」
みくる「長門さぁん。これ、一体何ですかぁ?」
長門「海鼠」
みくる「ふぇ?」
長門「主に棘皮動物門に属する動物の一群であり、体が前後に細長く、腹面と背面の区別がある。見かけ上は左右相称であるが、体の基本構造は棘皮動物に共通した五放射相称となっている。体表が刺や硬い殻ではなく、比較的柔軟な体壁に覆われ」
みくる「ひええぇ!わ、分かりました!もう大丈夫です!」
長門「そう」
ハルヒ「…にしても、何で海鼠なの?もっとこう普通の魚とかいろいろあったでしょうに」
長門「…気に入ったから」
ハルヒ「そ、そう…」
長門「……」ペラッ
ハルヒ「有希、栞変えたの?」
みくる「あ、ホントだ。いつもの真っ白な栞じゃないですね」
長門「…貰った」
ハルヒ「ふぅん。あっ、ちょっと待って!」
ハルヒ「この豚の絵って…アレよね!」
長門「…そう」
ハルヒ「へぇーよく出来てるわねぇ。作者が書いたみたいにそっくりだわ」
みくる「長門さーん、私にも見せてくださーい」
長門「…これは、私の」
―――――――――――――――――――
「かーちゃん!はらへったー!」
「はいはい分かってるっての!ちょっとぐらい待ちなさいよみっともない!」
「グズグズしてるとせっかくのカレーが逃げちゃうゾ!」
「心配しなくてもカレーは逃げません。はい、しんちゃんの分」
「ほっほほーいい。いっただきまーす」
「たい!たたいのお、たいやっ!」
「はいはいひまちゃんもお腹がすきましたねー」
「ん?しんのすけ。お前のスプーンってそんなにでかかったか?」
「それが聞いてよー。しんのすけったらせっかく買ったアクション仮面のスプーン使わないでこればっかりなのよ」
「アクション仮面のは幼稚園で使うやつの!カレーはこのスプーンで食べるんだゾ!」
「ほほう、しんのすけもこだわりのわかる男になったってことか!」
「こだわりってなに?カレーとウンチのちがいみたいなやつ?」
「うんこ食ってる時にカレーの話すんじゃねーよ!」
「逆よ逆!きったないわねー」
「とにかく!カレーは絶対このスプーンで食べるの!」
「はぁ、別にいいけど、何でそのスプーンじゃないとダメなのよ?」
しんのすけ「だって、これはオラの…」
『私(オラ)の、大切な宝物だから』
しんのすけ「だゾ!」
―終わり―
1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 01:51:23.56 ID:TBJQl9S80
「オラのかあちゃんケツでかい~♪」
「おらのとうちゃん足くさい~♪」
「お?」
・・・・・・・
「おぉ?何か見えるゾ?」
「女の人の絵…もしかしてエッチなほん!?」
「ほっほほぉ~い!」
「おらのとうちゃん足くさい~♪」
「お?」
・・・・・・・
「おぉ?何か見えるゾ?」
「女の人の絵…もしかしてエッチなほん!?」
「ほっほほぉ~い!」
2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 01:52:39.54 ID:TBJQl9S80
「んん~何だこれ?」
「ハ、ル、ヒ、の、…漢字読めないゾ」
ペラッ
「うへぇ、字ばっかり…」
「ん~このおねいさんちょっと子供っぽさが残っていますなぁ」
「でもなかなか可愛いゾ、これからの成長に期待ですなぁえへぁ~」
「……」
「このほん、絵の部分だけ破って持って帰ったらダメかな…」
3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 01:54:44.71 ID:TBJQl9S80
「……」
「でもぉ~落し物は交番に届けないといけないんだよね~」クルクル
「オラ、そんなに悪い子じゃないゾー?」
「…でも、少し気になるゾ」
「うーん…」
4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 01:56:46.67 ID:TBJQl9S80
「……」
「そうだ!見終わったら元の場所に置いておけばいいんだ!」
「わーいオラあったまいい~!」
「そうと決まったら早速公園に行こうっと」
「出発おしんこー!きゅうりのぬかづけー!」
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・
5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 01:58:55.51 ID:TBJQl9S80
―――――――――――――
キョン「季節は春。地球温暖化により昨年より早く開花してしまった桜の花が舞い散る中、生徒は春独特の陽気に感化され妙なテンションに陥っている」
キョン「来月を過ぎると一つ学年が上がり、自分達がいつまでも下級生ではないという事を自覚しなければならないのだが…どうも俺にはその実感が湧かない」
キョン「それもその筈。毎日のように文芸部部室に通い人生の糧にもならないような不可解な行動をしてる内は、俺の人間的向上なんて微塵にも望めないのだろう」
キョン「まぁこんなくだらない愚痴を吐いた所で我がSOS団団長様の馬耳には届きもしないのだがな」
ハルヒ「その愚痴を私の方に向きながら言うなんていい度胸ね。そんなに死にたいの?」
6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 02:00:26.65 ID:TBJQl9S80
キョン「いかん、冒頭の語りに集中しすぎて今自分が置かれている状況を見失っていた」
ハルヒ「アンタみたいな馬鹿の事を何て言うと思う?『馬鹿』っていうのよ。この馬鹿」
キョン「馬鹿って言葉を三回も使いやがったな。そんな事言う奴の方が真性の馬鹿なんだよ」
ハルヒ「何ですって!?そうやって馬鹿って言ったのを馬鹿って返す方がもっと馬鹿なのよ!」
キョン「また馬鹿っていいやがったな!?そうやって馬鹿馬鹿言ってる奴に限って超ど級の馬鹿なんだよ!このバーカ!」
ハルヒ「馬鹿じゃないの!?そうやってまた馬鹿って返す人間が一番馬鹿だって何度言ったら!」
谷口「(コイツ等マジで殺してぇ…)」
7: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 02:02:14.08 ID:TBJQl9S80
キョン「…ん?そういえばお前が持ってるその本、一体何だ?」
ハルヒ「えっ?あぁコレね、昨日阪中さんに借りたのよ」
キョン「ほう、お前と阪中は貸し借りをする程の仲になっているのか、意外だな」
ハルヒ「あの事件以来結構話す機会が多くなったのよ。別にいいじゃない」
キョン「いや、お前がSOS団意外の人間とコミュニケーションを取っている事に少し驚いただけだ」
ハルヒ「何よそれ…」
キョン「で、その本は何だ?どこかで見た事あるような気もするが…」
ハルヒ「ほら、アンタも小さい頃によくテレビで見てたんじゃない?」
8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 02:07:48.17 ID:TBJQl9S80
キョン「どれどれ…ほぅ。懐かしい物を持ってきたな」
ハルヒ「私も懐かしくなってちょっと読んでたのよ。今見ても中々面白いわ」
キョン「誰もが認める国民的漫画だからな。俺も幼稚園の時に影響されてケツ振ってたもんだ」
ハルヒ「…えっ、アンタそんな事してたの?」
キョン「えっ?お前しなかったの?」
ハルヒ「する訳ないでしょ!!」
9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 02:12:54.34 ID:TBJQl9S80
キョン「嘘だろ…数々の意味不明な行動で世間を轟かせたお前があのアニメに影響されてなかったなんて考えられん」
ハルヒ「アンタ私の事一体何だと思ってるのよ!?小さい頃は普通の生活してたって前に話したじゃない!」
キョン「そうか…お前なら幼稚園の机の上に登ってゾウさん音頭ぐらいやってると思ったんだけどな」
ハルヒ「ちょっと待ってキョン。アンタ私を女とすら思ってないの?」
キョン「何言ってやがる。どう見たってお前は女だろ。変な質問をするな」
ハルヒ「だったら少しは考えなさいよっ!女の私にぞ…ゾウさんなんて付いてるワケないでしょ!?」
キョン「……」
ハルヒ「……」
キョン「…おぉ」
ハルヒ「何よ今の間は!?」
10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 02:15:11.93 ID:TBJQl9S80
キョン「しかし当たり障りのない日常をだらだらと描写した漫画をお前が好むなんて珍しいな」
ハルヒ「これはれっきとした非日常ストーリーじゃない。映画なんてもう別世界の物語よ」
キョン「ん…確かに」
ハルヒ「望んでもないのにこんな楽しい事に巡り合えるなんて羨ましいわ…私にもこんな奇想天外な事起こらないかしら?」
キョン「無理に決まってるだろ。大体世界観が違うじゃねぇか」
ハルヒ「そうよねぇ…平気で変身ヒーローがビーム出しちゃうんだもの」
キョン「まぁ逆に俺達の世界にコイツが招かれたら面白い事になりそうだけどな」
ハルヒ「そうね。アンタにしては中々いい事言うじゃない」
キョン「それほどでもぉ」
ハルヒ「気持悪いからやめて」
11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 02:17:52.94 ID:TBJQl9S80
キーンコーンカーンコーン…
キョン「む、もう昼休み終わりか」
ハルヒ「何かアンタと話してたら疲れたわ…」
キョン「今日はSOS団ミーティングの日だろ?団長のお前がしっかりしないでどうする」
ハルヒ「誰のせいよ誰のっ!!」
キョン「さて次の授業は体育か。じゃあなハルヒ、フォーエヴァー」
ハルヒ「もう、アンタいつからそんなキャラになったのよ…」
13: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 02:19:47.55 ID:TBJQl9S80
―――――――――――――
むかしむかしあるところに、木こりの親子が住んでいました。
木こりの夫婦には2人の息子がいました。兄の方は今の生活に満足していましたが、弟の方は
「いつか都に出て何かどでかいことをしてやろー」
という野望を持っていました。そんなある日・・・
長門「……」ペラッ
バ チ ィ!!
???「うおわっち!!」
14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 02:28:02.21 ID:TBJQl9S80
ドシンッ!!
???「イテテテ…んもぅコレ母ちゃんの運転より荒いゾ~」
長門「……」
???「…お?」
長門「……」
???「……」
???「よっ!」
15: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 02:32:52.13 ID:TBJQl9S80
―――――――――――――
コンコンッ
キョン「ノックしてもしもーし」
ガチャ
キョン「よう、長…門?」
長門「……」
???「いやぁまいっちゃうよね~変なごほん読んでたら急に空がくらくなっちゃって~」
???「そうしたらオラの体がビューンって飛んでっちゃったんだゾ」
???「もうおまたヒューってなっちゃった…えへぁ」
長門「…そう」
キョン「…何の冗談だこれは?」
???「お?」
コンコンッ
キョン「ノックしてもしもーし」
ガチャ
キョン「よう、長…門?」
長門「……」
???「いやぁまいっちゃうよね~変なごほん読んでたら急に空がくらくなっちゃって~」
???「そうしたらオラの体がビューンって飛んでっちゃったんだゾ」
???「もうおまたヒューってなっちゃった…えへぁ」
長門「…そう」
キョン「…何の冗談だこれは?」
???「お?」
16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 02:38:16.45 ID:TBJQl9S80
長門「……」
???「アンタだれ?」
キョン「人に名を尋ねる時はまず自分からって母ちゃんから教わらなかったのか坊主」
しんのすけ「オラ坊主じゃないぞ!野原しんのすけだゾ!」
しんのすけ「よく覚えとけぃ!」キリッ
長門「……」
キョン「…マジかよ」
17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 02:38:59.38 ID:TBJQl9S80
キョン「…おい、長門」
長門「何」
キョン「ハルヒか?またハルヒの仕業なのか?」
長門「……」
長門「おそらく涼宮ハルヒが現在所持している漫画と呼ばれる書物の登場人物が具現化した存在だと思われる」
キョン「…はぁ」
長門「その発端は貴方と涼宮ハルヒの会話による彼女の想像力の肥大化だと推測され、これは主に貴方の発言が涼宮ハルヒの想像を増幅させる内容であったt」
キョン「あーもういい、みなまで言うな」
キョン「要するに俺の何気ない一言がこの事態を招いたって事だろ?」
長門「そう」
キョン「…やれやれ、また古泉に叱られそうだ」
18: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 02:43:28.66 ID:TBJQl9S80
しんのすけ「おじさん、オラはちゃんと名乗ったゾ」
キョン「誰がおじさんだ、俺はピチピチの高校生だ」
しんのすけ「ほうほう、『ぴちぴちのこうこうせい』…」
しんのすけ「プッ、ヘンなおなまえ~」
キョン「それは名前じゃねぇ!俺の名前は
ガチャ
みくる「すみません遅れました~」
キョン「あ、こんにちは朝比奈さん。今日も一段とお美しいですね」
みくる「もうキョン君ったら…おだてても何もありませんよ?」
しんのすけ「おぉ!きれいなおねいさん!」
みくる「えっ…えぇ?」
キョン「あっコラ!いきなり大声出すんじゃ…」
しんのすけ「ねぇねぇおねいさ~んカレーには何入れるタイプ~?オラは醤油をちょびっとかけて食べるほうが~」
みくる「えっ…この子って…えぇ!?」
キョン「落ち着いてください。今説明しますから…」
19: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 02:46:18.71 ID:TBJQl9S80
・・・・・・・・・・・・・
みくる「そうだったんですか。だからこの子…」
しんのすけ「んもうキョコン君ったら水虫臭いゾ~。こんな綺麗なおねいさんがいるなんてオラ知らなかったんだよ~?」
キョン「知らないも何もついさっき顔会わせたばかりだろ。それに俺の名前は巨根じゃねぇしキョンでもねぇ」
しんのすけ「まーまー細かい事は気にしない気にしない」
キョン「俺の名前を細かい事に分類するな!」
長門「……」
みくる「あ、あの~私そろそろ着替えたいのですけど…」
キョン「おっとそうでしたね。じゃあ俺は外で待ってます」
ガチャ
みくる「じゃあ、少し待っててくださいね?」
キョン「はい、了解です」
みくるのすけ「でわ~」
ガチャン
ガチャン
キョン「お前はこっちだ」
しんのすけ「軽いジョークなのに」
20: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 02:48:40.07 ID:TBJQl9S80
数分後・・・
ガチャ
古泉「こんにちは。…おや?見かけない殿方がいらっしゃいますね」
しんのすけ「おぉ、ひまが見たら飛びつきそうな美少年だゾ」
みくる「あっ古泉君こんにちは~」
長門「……」
キョン「あ~古泉…コレには深い訳があってだな…」
古泉「…ふぅ、大体の原因は予想できます」
キョン「…スマン」
古泉「いいですか?貴方の何気ない言葉一つが涼宮さんの思考を左右するのです」
古泉「たとえそれが微弱な改変であったとしても、いつ何処で何が起こるか予測できないのが涼宮さんという人物である事を貴方も充分おわかりになっている筈です」
古泉「貴方はもっと後先の事を想定してから自分の意見を涼宮さんにおっしゃってですね…」クドクド
キョン「…チッ、ウッセーナ」
古泉「何か言いましたか?」
キョン「別に」
ガチャ
古泉「こんにちは。…おや?見かけない殿方がいらっしゃいますね」
しんのすけ「おぉ、ひまが見たら飛びつきそうな美少年だゾ」
みくる「あっ古泉君こんにちは~」
長門「……」
キョン「あ~古泉…コレには深い訳があってだな…」
古泉「…ふぅ、大体の原因は予想できます」
キョン「…スマン」
古泉「いいですか?貴方の何気ない言葉一つが涼宮さんの思考を左右するのです」
古泉「たとえそれが微弱な改変であったとしても、いつ何処で何が起こるか予測できないのが涼宮さんという人物である事を貴方も充分おわかりになっている筈です」
古泉「貴方はもっと後先の事を想定してから自分の意見を涼宮さんにおっしゃってですね…」クドクド
キョン「…チッ、ウッセーナ」
古泉「何か言いましたか?」
キョン「別に」
21: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 02:51:43.65 ID:TBJQl9S80
古泉「ところで彼の事ですが…あのビジュアルはやはり」
キョン「あぁ、お前が5歳ぐらいによくテレビに出演していたアレだ」
古泉「やはりそうでしたか…いやぁ懐かしいですね」
古泉「僕もあのアニメを見て母親によく生意気な口を利いて怒られてましたよ」
キョン「何?お前もアレに影響された時期があったのか」
古泉「えぇ、親が見せたくないゴールデンタイムアニメNO,1ですからね」
キョン「見るなって言われたら余計見たくなっちまうのが人間の性だよな」
古泉「まぁ流石に彼の行動をマネするという愚行はしませんでしたけどね」
キョン「…えっ、マジ?」
古泉「…もしや貴方」
キョン「い、いやそんな事ないぞ!?ケツ振ったり股間に象の落書きなんてしてないぞ絶対!」
古泉「ですよねー」
キョン「は…ははは…」
22: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 02:52:29.69 ID:TBJQl9S80
しんのすけ「んでね、オラがかーちゃんにお肩スーッってするやつ塗ってあげようとしたら…」
しんのすけ「母ちゃん、避けて鼻にお薬が当たっちゃってぇ~」
しんのすけ「『ひいいいいいいいいいいいっ!!』ガンッ!『だおおおおおおおおおおおおおっ!!』」
しんのすけ「って一人で踊り始めたんだゾ~」
みくる「あはは…それはお母さん大変でしたねぇ」
長門「……」
キョン「さて、この状況を一体どう処理すればいい?」
古泉「そうですね…取り敢えず涼宮さんにだけは彼との接触を避ける必要があるでしょうね」
古泉「彼は立場上異世界人という事になりますから、涼宮さんに影響が無いとは思えません」
キョン「そうだな、昼休であれだけこの漫画の話題で盛り上がってたんだ。実物なんて見てしまった際にゃあ」
ハルヒ「凄いじゃない!まるでテレビから飛び出てきたみたいに本物そっくりだわ!!」
キョン「てな具合に満天の笑みを浮かべて興味心身に」
キョン「えっ?」
31: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 17:59:17.49 ID:TBJQl9S80
キョン「うおおおおおおおおおおおっハルヒいいいいいいいい!!?」ガタタッ!!
古泉「す…涼宮さん…何時からそこに?」
ハルヒ「えっ?たった今来たばっかりだけど…何二人揃って驚いた顔してるのよ?」
キョン「……(アウト?)」
古泉「……(…セーフだと)」
ハルヒ「それよりもあの子しんのすけそっくりじゃない!何処から連れてきたのよ!?」
キョン「落ち着けハルヒ、これは色々な事情が重なってだn」
ハルヒ「もしかして本物!?私が望んだからひょっこり出てきたんじゃないかしら!?」
古泉「」
キョン「(世 界 が ヤ バ イ)」
キョン「い、いや違うんだハルヒ!」
キョン「あの坊主は長門の生き別れの弟だ!今日からしばらく長門が面倒見ることになってんだよ!!」
32: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 18:00:05.63 ID:TBJQl9S80
ハルヒ「えっ?有希の弟?」
キョン「おう、確か名前は~…焼け野原すんのけし君だった…と思う」
古泉「(ちょっと何ですかその露骨すぎる設定と偽名は!?)」
キョン「(うるさい!咄嗟の判断がきかなかったテメェよりマシだろうがっ!)」
キョン「と、とにかくだな…あの漫画の主人公とは似て非なる存在であって実際の団体人物とは一切関係ない事もないというか…」
ハルヒ「ふぅん…まぁいいわ、実際にアニメのキャラが現実に出てくる訳ないものね」
キョン・古泉「…ふぅ」
33: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 18:01:48.72 ID:TBJQl9S80
しんのすけ「おお、また人が増えたゾ!しかもびじんさんだ~」
ハルヒ「こんにちはしんのすけ君!SOS団長として有希の弟である君を歓迎するわっ!」
キョン「(コイツ俺が考えた偽名をナチュラルに無視しやがった…)」
しんのすけ「えすおーえすだん…おぉ!何だかカッコイイ名前ですなぁ~」
ハルヒ「!!」
ハルヒ「よく分かってるじゃない!流石は有希の弟ね!アンタ中々素質あるわよ!」
しんのすけ「えへぇ~それほどでもぉ~」
ハルヒ「良かったら私達の準団員にならない?歓迎するわよ!」
しんのすけ「いえいえ、せっかくですがオラには大事な使命があるのでお断りさせていたたきますです」
ハルヒ「使命?何かしらそれ?」
35: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 18:04:47.63 ID:TBJQl9S80
しんのすけ「オラはかすかべの平和を守るかすかべぼーえいたいなんだゾ!」
しんのすけ「ワッハッハッハッハッハ~!」
ハルヒ「春日部防衛隊?どこかで聞いた事あるような…」
キョン「パオーンパオーンッ!!!」
古泉「か、彼はですね、バルブ経済崩壊後の日本の経済的衰退を防ぐために政府特別機関工作員として任命された見た目は五歳頭も五歳の」
ハルヒ「バブル経済?古泉君いつの時代の話してるのよ?」
古泉「」
キョン「お前が自爆とは珍しいな」
古泉「放っておいてください…」
36: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 18:06:11.51 ID:TBJQl9S80
キョン「と、こんな風に色々あったのだが…特に目立った閉鎖空間も発生せず、この破天荒な一日は杞憂に終わりを告げる事になったのである」
キョン「あの坊主は長門の弟という設定にしてしまったため、しばらくは長門の家に居座らせるという事に決まり…」
キョン「それと同時にアイツを元の世界に戻す方法を長門が見つけてくれるとの事だ」
キョン「幸い今回は原因がはっきりしているため、方法を見つけるのは容易な事らしいが…」
キョン「この異世界人騒動はそんな簡単に鞘に収める事はできないのだろうと、俺は密かに思うのである」
長門「貴方が何故説明口調なのか理解できない」
キョン「気にするな。いつもの事だ」
長門「……」
37: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 18:09:12.13 ID:TBJQl9S80
―長門宅―
ガチャ
しんのすけ「おっかえり~」
長門「今の発言には不適切なキーワードが含まれている」
しんのすけ「お?」
長門「私達は今帰宅をした」
長門「この場合、私達は迎えうける立場にあるため、ただいま、が適切である」
しんのすけ「ほうほう、そうともゆぅ~」
長門「貴方の発言には理解できない。この場合にはこの単語以外に当て余るケースが一つも…」
しんのすけ「まぁまぁ細かい事は気にしない気にしない」
しんのすけ「そんなにきっちりしてるとかあちゃんみたいにたんさいぼーになっちゃうんだゾー」
長門「……」
しんのすけ「ほっほぉ~い」ダダダダ
長門「貴方は手洗いをするべき」
しんのすけ「ほーい」
38: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 18:12:02.42 ID:TBJQl9S80
・・・・・
しんのすけ「かあちゃんはらへったー」
長門「私は貴方の母親ではない」
長門「食事の準備が出来ているので運ぶのを手伝って欲しい」
しんのすけ「ブッラッジャー!」
長門「…?」
しんのすけ「お?」
長門「…貴方は早く手伝うべき」
しんのすけ「ほーい」
39: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 18:13:39.31 ID:TBJQl9S80
しんのすけ「……」
長門「……」
しんのすけ「あーむ」
しんのすけ「んぐんぐ…」
長門「美味しい?」
しんのすけ「っんまぁぁい!」
長門「…そう」
しんのすけ「まったりぃ~でまろやかぁ~」クルクル
長門「食事中に片足で回転するべきではない」
しんのすけ「オラ、こんなに美味いカレー食べた事ないゾ~」
長門「貴方に気に入ってもらい、私という個体も嬉しいと思う」
しんのすけ「おぉ?ゆきちゃんは今喜んでるの?」
長門「そう」
しんのすけ「うーむなかなかお顔の変化が分からない喜び方ですな~」
長門「……」
しんのすけ「むむ、もしかして今流行りのアバズレというやつですかい!?」
長門「貴方の発言から推測すると、それはツンデレが適切だと思われる」
しんのすけ「ほうほう~そうともゆう~」
長門「しかし彼は私の事をクーデレに属すると言う。違いが分からないため理解不能」
しんのすけ「ほぅほぅ、何だか大人の香りがぷんぷんしますぜ親分」
長門「私は貴方を傘下に置いていない」
長門「……」
しんのすけ「あーむ」
しんのすけ「んぐんぐ…」
長門「美味しい?」
しんのすけ「っんまぁぁい!」
長門「…そう」
しんのすけ「まったりぃ~でまろやかぁ~」クルクル
長門「食事中に片足で回転するべきではない」
しんのすけ「オラ、こんなに美味いカレー食べた事ないゾ~」
長門「貴方に気に入ってもらい、私という個体も嬉しいと思う」
しんのすけ「おぉ?ゆきちゃんは今喜んでるの?」
長門「そう」
しんのすけ「うーむなかなかお顔の変化が分からない喜び方ですな~」
長門「……」
しんのすけ「むむ、もしかして今流行りのアバズレというやつですかい!?」
長門「貴方の発言から推測すると、それはツンデレが適切だと思われる」
しんのすけ「ほうほう~そうともゆう~」
長門「しかし彼は私の事をクーデレに属すると言う。違いが分からないため理解不能」
しんのすけ「ほぅほぅ、何だか大人の香りがぷんぷんしますぜ親分」
長門「私は貴方を傘下に置いていない」
40: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 18:15:02.73 ID:TBJQl9S80
しんのすけ「おぉ!そろそろアクション仮面が始まる時間だぞ」
長門「…この時間帯にそのような番組は存在しない」
しんのすけ「な、なにいぃぃぃぃぃぃ!?」ガーン!
しんのすけ「そんな…アクション仮面が見られないなんて…」
しんのすけ「オラは…オラは何のために生きてるんだあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
長門「……vncdfvnvlgfdvbidfvb」
長門「今のは私の勘違い。その番組は今この時間に放映している」
しんのすけ「な、なぁ~んだそっか~。アハハハハハ」
しんのすけ「んもう、ゆきちゃんはちゃっかり屋さんなんだから~」
長門「今の発言はうっかりが適切」
41: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 18:17:09.87 ID:TBJQl9S80
しんのすけ「わっはっはっはっはっ!」
長門「……」ペラッ
しんのすけ「あー面白かった」
しんのすけ「お?」
長門「……」
しんのすけ「ねーねーゆきちゃん」
長門「何?」
しんのすけ「それ、今日のお昼にも読んでた本だよね?」
長門「…そう」
しんのすけ「おもしろい?」
長門「…ユニーク」
しんのすけ「ほうほう」
48: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 19:50:32.56 ID:TBJQl9S80
長門「でも、少し…分からない」
しんのすけ「どして?」
長門「……」スッ
しんのすけ「お?」
長門「ここ」
しんのすけ「おぉ!この絵本幼稚園でよんだことあるゾ!」
長門「…そう」
しんのすけ「んで、これのどこがわからないの?」
長門「……」
49: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 19:52:31.19 ID:TBJQl9S80
長門「……」スッ
しんのすけ「んん?」
長門「この絵は人間と動物が繋がっている」
長門「彼女は一度も笑った事がない」
長門「しかしこの姿を見た彼女は、笑っている」
長門「彼女は何故、笑っている?」
しんのすけ「ほうほう、なるへそなるへその尾はちょん切るもの」
しんのすけ「んん~むづかしいもんだいですなぁ」
長門「…ごめんなさい」
しんのすけ「いやぁそれほどでもぉ~」
長門「褒めてはいない」
51: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 19:56:34.39 ID:TBJQl9S80
しんのすけ「んん~オラ的には子供だましだけど…」
長門「?」
しんのすけ「きっとこのお姫様はこのへんてこりんな格好をみて笑ったんだと思うゾ?」
長門「それは理解している」
しんのすけ「ほうほう、じゃあ何がわからないの?」
長門「……」スッ
しんのすけ「お?」
長門「…これは、笑える?」
53: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 19:58:57.13 ID:TBJQl9S80
―――――――――――――――
pipipipipipi
ピッ
長門「…何?」
キョン「長門、俺だ」
長門「……」
キョン「今アイツはどうしてる?騒ぎとか起こしてなければいいんだが…」
長門「問題ない。全ては想定内の範囲で収まってる」
キョン「そうか、ならいいんだ」
キョン「こうなったのも少なからず俺の所為だからな。少し心配してたんだ」
長門「…そう」
キョン「それでどうだ?元の世界に戻す方法は見つかったか?」
長門「…まだ見つけていない」
54: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 20:03:05.46 ID:TBJQl9S80
キョン「そ、そうか。…結構難しいのか?」
長門「そうではない。貴方が望むならすぐにでも見つけ出す事ができる」
長門「ただ、今まであの有機生命体の観察を優先していたため、行動に移す事ができなかった」
キョン「観察?あの坊主に何かあるのか?」
長門「分からない。しかし貴方達とは違う個体である事はたしか」
キョン「そうか…」
長門「情報統合思念体は彼という個体にとても興味を抱いている」
長門「そのため、しばらくの間彼を涼宮ハルヒと同レベルの観察対象とする事が命じられた」
長門「期限は野原しんのすけと涼宮ハルヒの共通性を発見できるまで」
キョン「…大丈夫か?」
長門「安心して、彼は私が責任を持って保護する」
キョン「そうか、それを聞いて安心した」
55: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 20:07:51.03 ID:TBJQl9S80
長門「…私という個体もそれを望んでいる」
キョン「…ほう」
長門「何?」
キョン「いや、何だかお前が満更でもなさそうだからさ」
キョン「珍しいと思ってな」
長門「……」
キョン「…ふむ」
長門「…何?」
キョン「いや、何でもないさ」
キョン「じゃあすまないが…しばらくの間アイツの事、頼んだ」
長門「…了解した」
56: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 20:12:24.90 ID:TBJQl9S80
しんのすけ「ふぃ~いい湯であった」プラプラ
長門「タオルは肩にかけず股間を隠すべき」
しんのすけ「おお、そうでした」
しんのすけ「嫁入り前の娘もいることですからなぁ」
長門「…?」
しんのすけ「オラのかあちゃんはいつもそう言うゾ」
長門「…そう」
しんのすけ「有希ちゃんは大きくなったらお嫁さんになるの?」
長門「…分からない」
しんのすけ「オラは大きくなったらななこおねいさんを迎えにいくんだ~」
しんのすけ「んでね、オラはおねいさんの膝枕で耳掃除してもらうんだゾ」
しんのすけ『しんちゃん、痛くない?』
しんのすけ「ふっ、ななこのこと思うと胸がズキズキ痛むんだぜ」
しんのすけ『まぁ大変、じゃあ私のおむねでいいこいいこしてあ・げ・る(はぁと)』
しんのすけ「うひょおおおおおおおおおおおお!!!!」シュポポポー
長門「……」
58: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 20:29:50.13 ID:TBJQl9S80
しんのすけ「あぁななこおねいさん…そこは駄目だゾ…そんなに伸びない」
長門「…貴方は」
しんのすけ「お?」
長門「今、楽しい?」
しんのすけ「んん?」
長門「私は貴方に対して何も干渉していない」
長門「しかし貴方はとても楽しそうにしている」
長門「何故、表情の変化がこの短時間で多様なのかも理解不能」
長門「…貴方は、とても興味深い」
60: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 20:44:30.44 ID:TBJQl9S80
しんのすけ「ん~有希ちゃんの言ってる事全然分かんないけど」
しんのすけ「オラは今、とっても楽しいゾ?」
長門「……」
しんのすけ「オラの家じゃないところでお泊りなんておひさしぶりぶりだから~」
しんのすけ「かあちゃんにも怒られる事ないし~」
しんのすけ「オラはまんぞくであるっ!」
しんのすけ「ワッハッハッハッハッハーッ!」
長門「…そう」
しんのすけ「ゆきちゃん」
長門「何?」
61: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 20:56:40.27 ID:TBJQl9S80
しんのすけ「ゆきちゃんはオラといて…楽しくないの?」
長門「……」
しんのすけ「はっ!もしかしてオラにほれちゃったからおむねが痛くて泣いちゃいそうだとか!?」
しんのすけ「いやぁ~まいったなぁ~オラもつみきづくりな男だゾ~」クネクネ
長門「その心配は必要ない」
しんのすけ「あ…そなの」
62: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 21:03:29.06 ID:TBJQl9S80
長門「…貴方はとても興味深い」
しんのすけ「お?」
長門「私は貴方以上の喜怒哀楽の感情が激しい有機生命体を見た事がない」
しんのすけ「きどあいらく?」
長門「そう」
しんのすけ「それってカニがいっぱい食べれるお店のこと?」
長門「それはか○道楽」
しんのすけ「緑のもじゃもじゃ人形が二匹でCMで出てた…」
長門「愛・○球博」
しんのすけ「おぉ!最近カザマくんが見てたらくごのアニメの…」
長門「じょ○らく」
長門「……」
しんのすけ「お、おぉ…ゆきちゃんのお顔がかあちゃんみたいな鬼ババに…」
64: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 21:20:56.54 ID:TBJQl9S80
長門「…そろそろ寝る時間」
しんのすけ「ふわぁ~あ…」
長門「布団は敷いてある。好きにしていい」
しんのすけ「ほっほーい…」
ボフッ
しんのすけ「ん~このおふとんいいにおいだゾ~」
長門「それは私の寝具。貴方はこっちの…」
しんのすけ「zzz.......」
長門「……」
ファサ…
長門「…おやすみなさい」
66: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 21:30:43.90 ID:TBJQl9S80
-翌日-
ガチャ
キョン「うぃーっす」
長門「……」
キョン「ん?また長門だけ…ではないな」
長門「……」
しんのすけ「えへへ~じょしこうせいでもはったつが良い子はそそられますなぁ~」
キョン「…はぁ」
67: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 21:34:12.58 ID:TBJQl9S80
キョン「おい、あまり窓から顔出すな。誰かに見つかったらどうすんだ」
しんのすけ「ああんおねいさあん~」
キョン「長門もあまりこいつを甘やかすなよ。…まぁお前がいれば心配はないのだろうが」
長門「了解した」
しんのすけ「お?オラおじさんのおなまえ憶えてるゾ。うんとねー」
キョン「誰がおじさんだ。それにまだ本名は名乗ってない。俺の名は」
しんのすけ「ギョンくん!」
キョン「そうっ!俺は黒い球体に体を蘇えさせれらた漆黒のハンター!今日も転送され世界中の怪人を」ギョーンギョーン
キョン「ちがうっ!!」
68: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 21:52:19.05 ID:TBJQl9S80
バタンッ!!
ハルヒ「やっほー!みんないる!?…って、有希とキョンだけ?」
キョン「古泉はバイトだ」
みくる「おそくなりましたぁ」
ハルヒ「遅いじゃないみくるちゃん!団員たるもの団長の入室三十分前には部室にいる義務があるのよ!」
みくる「ふぇ!?」
キョン「三十分前は授業中だこの馬鹿」ゴツンッ
ハルヒ「いたい!よくもぶったわね!あと馬鹿ってまた言った!」
キョン「馬鹿に馬鹿と言って何が悪い」
69: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 22:12:45.87 ID:TBJQl9S80
ハルヒ「…ふ、ふふふ。キョン…アンタとは一度白黒つける必要があるみたいね…」ゴゴゴゴゴ…
キョン「奇遇だな、俺も常々同じ事を思っていたんだ…」ゴゴゴゴゴゴ…
ハルヒ「この際だから平団員から超平団員に降格してあげるわ。覚悟しなさい!」
キョン「そっちこそそのカチューシャ引っこ抜いて無理やりポニテにしてやる。覚悟しろ」
みくる「ひ、ひえぇ~何だか二人から禍々しいオーラが見えますぅ~」
しんのすけ「おぉ!オラこれ知ってるゾ!」
しんのすけ「とーちゃんとかーちゃんがいつもやってる『どたんば』ってやつだ!」
みくる「え、えぇ~....」
長門「この状況から把握すると、それは土壇場ではなく修羅場だと思われる」
しんのすけ「おぉ、そうともゆー」
長門「これ以上の闘争は悪影響を及ぼす。早急に止めるべき」
みくる「で、でもどうすればいいんですかぁ~?」
長門「今私達が介入することは許されない。第三者が横槍を入れる事は、世界の崩壊を意味している」
みくる「そ、そんなぁ~」オロオロ
70: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 22:24:10.28 ID:TBJQl9S80
しんのすけ「ねーねー」
キョン「何だ?俺達は今から食物連鎖の頂点を競い合う戦いを始めようと…」
しんのすけ「二人ともどたんばがおわったらプロレスごっこするの?」
ハルヒ・キョン「プロレスごっこ?」
しんのすけ「おらのかーちゃんととーちゃんは」
しんのすけ『あなたごめんなさい…私が悪かったわ』
しんのすけ『いいんだみさえ…お前の気持ちを分かってやれなかった俺が悪いんだ…』
しんのすけ『もう三段腹が悪いなんて言わないさ!その身体全部まとめて愛してこそが夫の務めだ!』
しんのすけ『私もあなたの足の匂いを愛してみせるわ!それこそが妻の努めだもの!』
しんのすけ『みさえ…』
しんのすけ『あなた…』
しんのすけ『んー』『んー』
72: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 22:34:02.42 ID:TBJQl9S80
キョン「……」
ハルヒ「……」
しんのすけ「ってこんなふうにしてちゅーしてんだゾ?まったく二人ともまだまだ子供なんだから~」
みくる「で、で、その後お父さん達はどうなっちゃったのですか!?」
しんのすけ「それがさぁ~二人でお布団敷く部屋に行っちゃったんだゾ」
しんのすけ「とーちゃんが『今からママとプロレスごっこするからお外いってなさい』っていってた」
しんのすけ「オラは入っちゃだめっていわれたから公園に遊びに行ったんだゾ~」
みくる「ふ、ふえぇ~」プシュー
しんのすけ「だから二人だけでプロレスごっこで遊ぶなんてズルいゾ!オラもまぜろ~!」
キョン「するかっ!」
ハルヒ「そそそそそそうよ何でこんな奴とっ!プ…プロレスごっこなんか!」アタフタ
しんのすけ「おぉ!忘れてた!」
しんのすけ「とーちゃんたちがプロレスごっこしてるとティッシュがすぐなくなるんだった!」
ハルヒ「ひぇっ!?」
みくる「」プスプス…
しんのすけ「オラとしたことがぐったりしてたぞ。ゆきちゃんの家でもらったポケットティッシュがあるからこれ使ってね」
キョン「余計な気ぃ遣わんでいい!」
長門「……」
ハルヒ「……」
しんのすけ「ってこんなふうにしてちゅーしてんだゾ?まったく二人ともまだまだ子供なんだから~」
みくる「で、で、その後お父さん達はどうなっちゃったのですか!?」
しんのすけ「それがさぁ~二人でお布団敷く部屋に行っちゃったんだゾ」
しんのすけ「とーちゃんが『今からママとプロレスごっこするからお外いってなさい』っていってた」
しんのすけ「オラは入っちゃだめっていわれたから公園に遊びに行ったんだゾ~」
みくる「ふ、ふえぇ~」プシュー
しんのすけ「だから二人だけでプロレスごっこで遊ぶなんてズルいゾ!オラもまぜろ~!」
キョン「するかっ!」
ハルヒ「そそそそそそうよ何でこんな奴とっ!プ…プロレスごっこなんか!」アタフタ
しんのすけ「おぉ!忘れてた!」
しんのすけ「とーちゃんたちがプロレスごっこしてるとティッシュがすぐなくなるんだった!」
ハルヒ「ひぇっ!?」
みくる「」プスプス…
しんのすけ「オラとしたことがぐったりしてたぞ。ゆきちゃんの家でもらったポケットティッシュがあるからこれ使ってね」
キョン「余計な気ぃ遣わんでいい!」
長門「……」
73: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 22:54:15.86 ID:TBJQl9S80
-その後-
ハルヒ「全くキョンのやつ…どうしてあんなに反抗的なのかしら」ブツブツ
みくる「ま、まぁまぁ、涼宮さん落ち着いて、ね?」
ハルヒ「しんのすけ君にもかなり振り回されちゃったわ…。これは団長である私の唯一の失態ね」
みくる「あ、あのぉ~涼宮さんあの子はすんのけし君で」
ハルヒ「でもあの子はかなりの潜在能力を秘めてるわ!これは時期団長として育成のしがいがあるわね!」
みくる「え、えぇ~...」
ハルヒ「有希もそう思わない?あの子の姉としてこれは誇らしい事だと思うわ」
74: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 23:05:07.62 ID:TBJQl9S80
長門「……」
ハルヒ「…有希?」
長門「何?」
ハルヒ「あ、いやね?有希はしんのすけ君の事凄いと思わない?」
ハルヒ「あんな面白い子は世界中探しても中々いないわよ!」
長門「…そう」
ハルヒ「…うーん」
75: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 23:13:56.52 ID:TBJQl9S80
みくる「どうかしました?」
ハルヒ「えっと、有希としんのすけ君って本当に姉弟なのよね?」
ハルヒ「その割りにはあまりに似てないなぁーって…」
みくる「あ、それはその…」
ハルヒ「あんなに表情豊かなの子なのに有希はいっつも無表情だから…」
ハルヒ「あ、別にそれが悪いって言ってる訳じゃないのよ?」
ハルヒ「ただちょっと気になっちゃったから…」
みくる「す、涼宮さんっ!あまり長門さんの家庭の事には…」
76: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 23:26:07.29 ID:TBJQl9S80
ハルヒ「あっ…そうね!これはあんまり首突っ込む事じゃないわ!」
ハルヒ「ごめんね有希…気を悪くしちゃったなら謝るわ。許してくれる?」
長門「…いい、気にしていない」
ハルヒ「…ふぅ、何か今日はダメね。もう帰ったほうがよさそうだわ」
ハルヒ「みくるちゃん、着替えて帰る準備して頂戴」
みくる「あ、はぁい分かりました~」
長門「……」
77: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 23:38:02.93 ID:TBJQl9S80
――――――――――――――――
しんのすけ「ふんふふんふふーん」カキカキ
キョン「しんのすけ、お前何作ってるんだ?」
しんのすけ「この前幼稚園で作ったやつー」
キョン「どれどれ…ほう」
しんのすけ「キョン君にはあげないゾ」
キョン「もしかして、長門にか?」
しんのすけ「ぴんぽーん!」
キョン「ハハッ。それはあいつも喜ぶだろうな」
しんのすけ「でしょー?組長がごほん好きな人にあげたら喜ぶって言ってた」
キョン「組…あぁ、なるほどな」
80: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/04(木) 23:50:50.00 ID:TBJQl9S80
しんのすけ「キョン君にはオラとくせいのなまこのもけいあげるね」
キョン「いらん」
しんのすけ「えんりょなんてしなくていいゾ~」
キョン「…はぁ、やれやれだ」
しんのすけ「はぁ、やれやれだぜ」
キョン「真似するな」
しんのすけ「あ、ゆきちゃんだ」
81: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/05(金) 00:04:50.50 ID:LNXAYkSl0
長門「……」
キョン「ん?もう部活はお開きになったのか?」
長門「……」コクリ
キョン「そうか、じゃあコイツの事よろしくな」
しんのすけ「ねぇねぇゆきちゃんオラはらへったー。今日のばんごはんなにー?」
長門「…カレー」
しんのすけ「なんと!二日続けてカレーですと!?」
しんのすけ「ゆきちゃんはお金持ちですなぁ~えへぇ」
キョン「おいおい、あんまりカレーばかり食べてると身体壊すぞ」
82: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/05(金) 00:14:58.79 ID:LNXAYkSl0
長門「…そう」
キョン「…長門?」
長門「何?」
キョン「いや…」
キョン「何かあったか?」
長門「……」
長門「何も」
キョン「そ、そうか」
キョン「じゃあ、帰るか」
しんのすけ「アークションかめーん。せいぎのかーめーんー」
キョン「ゴゴッゴー・・・」
しんのすけ「れっつごー!」
しんのすけ「おぉ!チョンくんアクション仮面しってるの!?」
キョン「まぁな、だが俺はチョンじゃねぇ」
しんのすけ「アクショーンビーム!ビビビビビビビビ!」
キョン「ふははははは!そんなものかアクション仮面!ミミコはいただいた!」
しんのすけ「ぬおおっ!ひきょうだぞかいじんジュンくん!」
キョン「そんな引き篭もりみたいな名前じゃない!さらばだアクション仮面!はっはっはー!」
83: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/05(金) 00:26:04.08 ID:LNXAYkSl0
ダッダッダッダッダ…
しんのすけ「やれやれ…おとなと遊ぶのも疲れますなぁ」
長門「……」
しんのすけ「ゆきちゃーんはやくかえろー」
長門「……」テクテク
84: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/05(金) 00:38:07.19 ID:LNXAYkSl0
-長門宅-
長門「いただきます」
しんのすけ「いっただっきまーす」
しんのすけ「あぬうんうんうん…」
長門「……」モグモグ
しんのすけ「おぉ?今日のカレーはひとあじちがいますなぁ」
長門「…どうして分かる?」
しんのすけ「きのうはまったりまろやかぁ~だったけどぉ」
しんのすけ「きょうのはきりっとしてておとなの味だゾ」
長門「…今日は醤油を混ぜてみた」
しんのすけ「おぉ!ゆきちゃん分かってるぅ~」
しんのすけ「やっぱりカレーにはしょうゆだよねー」
85: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/05(金) 00:48:25.56 ID:LNXAYkSl0
長門「…私は」
しんのすけ「お?」
長門「ウスターソースが至高」
しんのすけ「おぉ!とーちゃんがいっつもソースかけてたゾ!」
しんのすけ「かーちゃんにかけすぎてよく怒られるんだ~」
長門「…そう」
しんのすけ「ゆきちゃんのカレーはソースいれてるの?」
長門「食べてみる?」
しんのすけ「いただきまーすぅ」
しんのすけ「んぐんぐ…」
長門「…どう?」
しんのすけ「んんまいっ!」
しんのすけ「こってりとしててしつこくないおあじ~」
しんのすけ「オラ、これきにいったゾ!」
長門「…そう」
しんのすけ「ん~」
87: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/05(金) 01:01:45.50 ID:LNXAYkSl0
長門「…何?」
しんのすけ「オラ、ゆきちゃんと一緒にいて思ったんだけどー」
長門「……」
しんのすけ「ゆきちゃん、もっとわらってたらすごくかわいくなるとおもうゾ?」
長門「……」
しんのすけ「そしたらみくるちゃんにもだんちょーさんにも負けないきれいなおねいさんになるんじゃない?」
長門「…」
しんのすけ「んでもってしょうらいはきっとないすばでいなおねいさんに…」
しんのすけ「…はっ!?オラはだめだぞ!オラにはななこというこいびとが」
長門「」
しんのすけ「…ゆきちゃん?」
長門「」ポロポロ…
しんのすけ「!?」
88: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/05(金) 01:20:57.62 ID:LNXAYkSl0
―――
しんのすけ「ゆ、ゆきちゃん…?」
長門「」ポロポロ
しんのすけ「どうしたの?お腹いたいの?」
長門「…分から、ない」ポロポロ
長門「理解…不能」ポロポロ
しんのすけ「ああ泣かないで!オラがなんとかするから!」
長門「……」
長門「……」ポロポロ
しんのすけ「えぇーっとええーっと…」
しんのすけ「そうだっ!」
しんのすけ「踊るケツだけ星人!あっぶーりぶーり♪」ブリブリ
長門「……」
しんのすけ「ほーらゆきちゃん、たらこのなみのりだぞ~」ウニュー
長門「……」ポロポロ
しんのすけ「ううっ…こうなったらー!」
89: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/05(金) 01:27:42.32 ID:LNXAYkSl0
しんのすけ「ひっさつ!」
しんのすけ「チンコプタアアアアアアアアアッ!!!!」ブルンブルンブルン!!!
長門「」
しんのすけ「うおおおおおおおおいつもよりおおくまわっておりまああああああすうううううっ!」プルンプルン
長門「……」
長門「……」ガシッ
しんのすけ「(∵)」
90: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/05(金) 02:09:56.39 ID:4NkNIKNSO
…………………え?
91: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2012/10/05(金) 02:37:18.92 ID:6xmZOPAvo
そりゃアカンですよ長門さん
95: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/05(金) 15:16:05.77 ID:LNXAYkSl0
グイッ
しんのすけ「あっちょ」
グイグイグイ
しんのすけ「そ、そんなに伸ばしちゃ…」
バチンッ!!!
しんのすけ「いやあああああああああん!」クルクル
しんのすけ「はぁ…はぁ…」
長門「……」
しんのすけ「もうおよめにいけない…」
しんのすけ「ゆきちゃんのいけずぅ…」
…クスッ
しんのすけ「おっ?」
しんのすけ「あっちょ」
グイグイグイ
しんのすけ「そ、そんなに伸ばしちゃ…」
バチンッ!!!
しんのすけ「いやあああああああああん!」クルクル
しんのすけ「はぁ…はぁ…」
長門「……」
しんのすけ「もうおよめにいけない…」
しんのすけ「ゆきちゃんのいけずぅ…」
…クスッ
しんのすけ「おっ?」
97: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/05(金) 15:19:00.46 ID:LNXAYkSl0
長門「……」
しんのすけ「…ゆきちゃん、いま」
しんのすけ「わらった?」
長門「…分からない」
しんのすけ「ぜったいわらったゾ!」
しんのすけ「うわーいわーい!ゆきちゃんがわらったゾー!わーいわーい!」
長門「…これが、笑う?」
しんのすけ「やったーやったー!ぶりぶりぃ~ぶりぶりぃ~」
しんのすけ「ゆきちゃんをわらわせたゾー!ひゅーひゅー!」
長門「これが」
長門「笑う」
98: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/05(金) 15:21:07.48 ID:LNXAYkSl0
-翌日-
キョン「…んで、こんな朝から呼び出したのは何だ?」
しんのすけ「ん~オラまだ眠いぞ~」
長門「……」
長門「野原しんのすけを現在の次元から切り離す準備が完了した」
99: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/05(金) 15:33:37.54 ID:LNXAYkSl0
キョン「…そうか」
キョン「原因は何だったんだ?」
長門「おそらく野原しんのすけの世界に存在する媒体がこちらの媒体にリンクした事による情報伝達が原因」
キョン「媒体?」
長門「別世界の媒体は不明。しかしこちらの媒体は明らか」
長門「媒体は涼宮ハルヒが所有していた書物だと思われる」
キョン「…ほう」
長門「彼女は野原しんのすけをイメージし具現化をさせた」
長門「それと同時に野原しんのすけは別世界の媒体に触れ何らかのショックを与えたため、こちら側の世界にコンタクトを取る形になった」
長門「それは涼宮ハルヒ…又は私達をイメージさせる事のできる媒体であったのだと推測している」
100: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/05(金) 15:47:37.94 ID:LNXAYkSl0
キョン「…ん?ちょっと待て」
長門「何?」
キョン「いや…ちょっと確認したい事がある」
キョン「おいしんのすけ」
しんのすけ「なに~」
キョン「お前は俺達sos団の中で会った事のある奴がいるんじゃないか?」
しんのすけ「んもうやだなぁチュンくんったら~そんなナンパのほーほーは古臭いゾー」
キョン「…質問を変えてみよう」
キョン「お前、こっちに来るとき何か持ってなかったか?」
キョン「例えば…本、そうだ本だ」
しんのすけ「んんー持ってたような持ってないような…」
キョン「思い出してみろ。一昨日の出来事だろう」
しんのすけ「むむむ~」
101: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/05(金) 16:00:22.49 ID:LNXAYkSl0
しんのすけ「おぉおもいだしたゾ!」
キョン「何だ?」
しんのすけ「オラ、公園でごほん拾ったんだゾ」
しんのすけ「それにだんちょーの顔がかいてあったゾ」
キョン「…そうか」
長門「おそらくは」
キョン「あぁ、分かってる」
102: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/05(金) 16:18:34.24 ID:LNXAYkSl0
キョン(…ハルヒ)
キョン(お前は別世界でも有名らしいぞ)
しんのすけ「んで、そのごほんもって公園に行こうとしたら~」
しんのすけ「ゆきちゃんと会ったんだゾ?」
キョン「……」
長門「……」
しんのすけ「いやぁでもあのごほんをひろったかいがありますな~」
しんのすけ「だんちょーにもあえたしーみくるちゃんといっぱいお話したしー」
しんのすけ「あ、ゆきちゃんの笑った顔がみられたことがいちばんだったゾ!」
長門「……」
キョン「そう、か。そりゃよかったな」
しんのすけ「ねーねーゆきちゃん。今日は何して遊ぶー?」
しんのすけ「オラこの前のごほんもういっかい一緒に読みたいゾ!」
103: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/05(金) 16:24:53.55 ID:LNXAYkSl0
キョン「なぁ、しんのすけ」
しんのすけ「お?」
キョン「お前、そろそろ帰らなきゃいけないんじゃないか?」
しんのすけ「なんで?」
キョン「お前のかーちゃん、門限は何時だって言ってた?」
しんのすけ「うーん」
しんのすけ「はっ!五時だ!」
キョン「かーちゃん。怒ったら怖いだろ?」
しんのすけ「うっ…でも今朝の七時だゾ」
キョン「あぁ、朝の七時だ」
キョン「今日は平日だ。幼稚園には行かなくていいのか?」
しんのすけ「あ」
キョン「問題だ」
キョン「門限は午後の五時。今は朝の七時」
キョン「幼稚園バスに乗らないとかーちゃんが送り迎えをしなきゃいけない」
キョン「…かーちゃんはどのくらい怒る?」
104: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/05(金) 16:34:11.62 ID:LNXAYkSl0
しんのすけ「お、おおおおおおっ!!!妖怪ケツでかおばばのグリグリ攻撃だぁ~!」
しんのすけ「オラまだしにたくないぞおおおおお!」
キョン「大袈裟だな」
しんのすけ「キョン君はあの痛みを知らないからそんなのーてんきなこと言ってられるんだゾ!」
しんのすけ「あ、もしかしたらおつやのチョコビ抜きかも」
しんのすけ「ひいいいいいいいいっ!」
キョン「で、どうするんだ?」
しんのすけ「オラ、かえるっ!」
長門「……」
105: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/05(金) 18:22:01.90 ID:LNXAYkSl0
キョン「…だ、そうだぞ。長門」
長門「…了解した」
しんのすけ「ゆきちゃん!早くしないと妖怪ケツでかおばばが!」
長門「分かっている」
キョン「元の世界に戻る方法は?」
長門「私個人の媒体から向こうに直接コンタクトを行い、空間移動を行う」
キョン「…よく分からんが、よろしくな」
長門「…了解した」
106: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/05(金) 18:22:50.13 ID:LNXAYkSl0
キョン「っと、その前に」
キョン「おいしんのすけ。長門がお前に言いたいことがあるらしいぞ」
しんのすけ「お、ゆきちゃんが?」
長門「…私は何も」
キョン「そんな顔しても誤魔化せないぞ」
キョン「顔に書いてあるからな」
長門「……」ペタペタ
しんのすけ「ゆきちゃんなーにー?」
長門「……」
107: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/05(金) 18:23:34.48 ID:LNXAYkSl0
長門「…この二日間、あなたと行動を共にした事によって、有機生命体の観測を十分に行うことができた」
長門「特に貴方の奇怪な行動には興味深く、人間の新たな可能性を見出すことができた」
長門「情報統合思念体は貴方という異世界人を手放すには惜しいと考えている。しかし涼宮ハルヒへの過度な接触によって起こりうるとされる情報爆発は未知数なt」
キョン「……」ポカッ
長門「…何故、叩くの?」
キョン「ただの五歳児になに電波的な話をしてんだ」
キョン「もっと他に言う事があるだろ?」
長門「……」
キョン「恥ずかしがらないで言ってみなさい」
長門「……」コクリ
108: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/05(金) 18:24:16.30 ID:LNXAYkSl0
長門「野原しんのすけ」
しんのすけ「ほいっ!」
長門「この二日間。私という個体はとても充実していたと思われる」
長門「…ありがとう」
しんのすけ「ふむふむ」
長門「…何?」
しんのすけ「やっぱりゆきちゃんは笑ってる時の顔が一番おにあいだゾ」
しんのすけ「これからずっと笑ったらきっとしわよせになれるとおもうゾ!」
長門「…それを言うなら、幸せ」
しんのすけ「そうともいう~」
しんのすけ「ワッハッハッハッハーッ!」
109: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/05(金) 18:26:11.02 ID:LNXAYkSl0
長門「……」
キョン「もういいのか?」
長門「……」コクリ
しんのすけ「お、こってり忘れてた」
しんのすけ「ほいっ」
長門「…これは」
しんのすけ「オラが作ったんだゾ」
長門「…私に?」
しんのすけ「お礼は一億万円!ローンも可!」
キョン「長門、最後は気にしなくてもいい」
長門「…ありがとう。大事にする」
しんのすけ「大事にするだけじゃなくて、ちゃんと使ってよね~」
長門「…了解した」
110: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/05(金) 18:27:56.59 ID:LNXAYkSl0
長門「私は、これ」
しんのすけ「お?」
長門「…こんなものしか、思いつかなかった」
長門「ごめんなさい」
しんのすけ「おぉ!これオラが使ってたやつ!?」
長門「そう」
しんのすけ「ほっほほーい!ありがとござまーす!」
長門「……」
しんのすけ「さっそくかあちゃんに言ってカレー作ってもらおーっと」
しんのすけ「ゆきちゃん!大事に使わせもらうゾ!」
長門「…そう」
111: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/05(金) 18:28:37.84 ID:LNXAYkSl0
――――――――――――
長門「…ここを通り抜けると、元の世界に戻ることができる」
しんのすけ「……」
キョン「…ふぅ、お別れだ。しんのすけ」
しんのすけ「ねぇねぇ」
キョン「何だ?」
しんのすけ「また会える?」
キョン「……」
112: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/05(金) 18:29:49.16 ID:LNXAYkSl0
キョン「きっと、また会えるさ」
しんのすけ「ほんとに?」
キョン「ああ、約束でもするか?」
しんのすけ「おう!」
キョン「男同士の!」クイッ
しんのすけ「おやくそくっ!」クイッ
しんのすけ「ゆきちゃんもいっしょに!」
長門「私は女性に分類される」
しんのすけ「こまかいことはきにしないきにしない!はいっ」
しんのすけ「おとことおんなのぉーっ」
長門「…約束」
しんのすけ「これでよしっ!」
113: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/05(金) 18:30:23.10 ID:LNXAYkSl0
キョン「ほら、早く帰らないとかーちゃん怒るぞ」
しんのすけ「ほーい」タッタッタッ
長門「……」
しんのすけ「キョンくん、ちゃんとはーみがけよー」
キョン「お前こそ、ピーマン残すなよー」
しんのすけ「ゆきちゃーん!」
長門「……」
しんのすけ「今度来たときはカレーの玉ねぎ抜いといてねー!」
長門「…好き嫌いは、ダメ」
しんのすけ「ほーい」
114: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/05(金) 18:30:49.46 ID:LNXAYkSl0
「じゃ、そーゆーことでー」
117: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/05(金) 23:27:32.26 ID:LNXAYkSl0
―後日―
ハルヒ「うーん」
みくる「涼宮さーんできましたかー?」
ハルヒ「ちょっともみあげが気に入らないけど…まぁいいわ!完成!」
みくる「わー私これ知ってますー。トーテムポールの上の部分の顔ですよね」
ハルヒ「…これ、キョンの顔なんだけど」
みくる「えっ」
ハルヒ「……」
みくる「わ、わーホントそっくりですねー!特にこのもみあげの広がり具合とか特に…」
ハルヒ「いいのよみくるちゃん。私も薄々…」
長門「再現率99%。しかしこの彫刻を理解できる人類はこの時間帯には存在していない」
長門「貴女は隠れた芸術家、数十年後この作品は必ず世界遺産として評価されると私は」
ハルヒ「やめて有希!これ以上フォローしないで!すごく胸が痛い!」
118: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/05(金) 23:29:57.88 ID:LNXAYkSl0
キョン「…何やってんだアイツは?」パチッ
古泉「どうやら昔を懐かしんで粘土彫刻をしているようですね」パチッ
キョン「ふーん」パチッ
古泉「貴方は参加しなくてもよろしいのですか?」パチッ
キョン「別に」パッ
古泉「おっと、これは参りました」
キョン「弱いなお前、まぁ今知ったことじゃないが」
古泉「貴方が強すぎるのだと思いますよ?」
キョン「ぬかせ」
古泉「んっふ」
119: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/05(金) 23:31:56.71 ID:LNXAYkSl0
古泉「話は変わるのですが…」
キョン「何だ?」
古泉「長門さん、あれから随分と明るくなられたような気がします」
キョン「あぁ」
古泉「何か僕の知らない所で人頓着あったよですね。んふっ」
キョン「そうだな」
キョン「…確かに、長門は変わった」
キョン「いや、変わろうと努力しているのかもしれん」
120: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/05(金) 23:38:25.53 ID:LNXAYkSl0
古泉「努力、ですか?」
キョン「なぁ、お前金のがちょうって話知ってるか?」
古泉「えぇ、知っています」
キョン「アホな木こりがお姫様を笑わせて、なんやかんやで二人は結婚するって話だが…」
キョン「長門にとってのアホな木こりは、おそらくアイツの事だったんだろう」
古泉「長門さんをあそこまで変えてみせたのが彼の功績だと?」
キョン「あぁ。そこまで立派なことをした訳じゃあないと思うが…」
キョン「長門にとってアイツは、自分を変えようと決心するほど刺激を貰ったんだろう」
キョン「ま、恋のキューピットならぬ、笑顔のキューピットって所だな」
古泉「」
121: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/05(金) 23:46:57.84 ID:LNXAYkSl0
キョン「…おい古泉」
古泉「なんでしょう?」
キョン「何で後ろ向いてんだお前」
古泉「いえいえ別に、ブッ。何でも、ないです…」プルプル
古泉「笑顔の…笑顔…の、キュ、ピッ、ト」
古泉「ぶほぉww」
キョン「おいこら、古泉お前どういうことだ」
古泉「だってwwwwwだってっwwwwwwブフッwwwwwww」プルプル
古泉「すいませんwwwwww僕www少しwwwwトイレにwwwww」ダッ
キョン「逃がすか!待ちやがれっ!」ガタッ!
122: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/05(金) 23:49:25.99 ID:LNXAYkSl0
ハルヒ「あれ?男共は一体どこに消えたの?」
みくる「さぁ…さっき古泉くんとキョンが急いで外に行ってるのを見ました」
ハルヒ「全く、今は団活中だってのにふざけてるわね!帰ってきたら私が直々に説教をしてやるわ!」
みくる「アハハ…あれ?」
ハルヒ「どうしたの?」
みくる「長門さぁん。これ、一体何ですかぁ?」
長門「海鼠」
みくる「ふぇ?」
長門「主に棘皮動物門に属する動物の一群であり、体が前後に細長く、腹面と背面の区別がある。見かけ上は左右相称であるが、体の基本構造は棘皮動物に共通した五放射相称となっている。体表が刺や硬い殻ではなく、比較的柔軟な体壁に覆われ」
みくる「ひええぇ!わ、分かりました!もう大丈夫です!」
長門「そう」
ハルヒ「…にしても、何で海鼠なの?もっとこう普通の魚とかいろいろあったでしょうに」
長門「…気に入ったから」
ハルヒ「そ、そう…」
123: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/05(金) 23:52:23.57 ID:LNXAYkSl0
長門「……」ペラッ
ハルヒ「有希、栞変えたの?」
みくる「あ、ホントだ。いつもの真っ白な栞じゃないですね」
長門「…貰った」
ハルヒ「ふぅん。あっ、ちょっと待って!」
ハルヒ「この豚の絵って…アレよね!」
長門「…そう」
ハルヒ「へぇーよく出来てるわねぇ。作者が書いたみたいにそっくりだわ」
みくる「長門さーん、私にも見せてくださーい」
長門「…これは、私の」
124: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/05(金) 23:54:06.64 ID:LNXAYkSl0
―――――――――――――――――――
「かーちゃん!はらへったー!」
「はいはい分かってるっての!ちょっとぐらい待ちなさいよみっともない!」
「グズグズしてるとせっかくのカレーが逃げちゃうゾ!」
「心配しなくてもカレーは逃げません。はい、しんちゃんの分」
「ほっほほーいい。いっただきまーす」
「たい!たたいのお、たいやっ!」
「はいはいひまちゃんもお腹がすきましたねー」
「ん?しんのすけ。お前のスプーンってそんなにでかかったか?」
「それが聞いてよー。しんのすけったらせっかく買ったアクション仮面のスプーン使わないでこればっかりなのよ」
「アクション仮面のは幼稚園で使うやつの!カレーはこのスプーンで食べるんだゾ!」
125: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/05(金) 23:57:24.77 ID:LNXAYkSl0
「ほほう、しんのすけもこだわりのわかる男になったってことか!」
「こだわりってなに?カレーとウンチのちがいみたいなやつ?」
「うんこ食ってる時にカレーの話すんじゃねーよ!」
「逆よ逆!きったないわねー」
「とにかく!カレーは絶対このスプーンで食べるの!」
「はぁ、別にいいけど、何でそのスプーンじゃないとダメなのよ?」
しんのすけ「だって、これはオラの…」
126: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/05(金) 23:58:13.85 ID:LNXAYkSl0
『私(オラ)の、大切な宝物だから』
しんのすけ「だゾ!」
―終わり―
130: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/10/06(土) 00:15:29.04 ID:09m4bp3go
面白かったよ
乙
乙
139: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/06(土) 16:28:11.06 ID:QnqNY/8SO
おつ
ほんわかしてて素敵だったわ
久しぶりにしんちゃんの原作とアニメ見たくなってきた……
ほんわかしてて素敵だったわ
久しぶりにしんちゃんの原作とアニメ見たくなってきた……
143: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2012/10/07(日) 11:17:02.18 ID:SuV9nqWEo
乙
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