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白望「……ダルくないよ」塞「……え?」
引用元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1345276631/
胡桃「シロ、何かあったの?」
白望「別にそういうわけじゃないけど……」
塞「じゃあどういうわけよ!?」
豊音「塞の目が血走ってるよー」オロオロ
エイスリン「♪」 カキカキ サッ 『<●> <●>クワッ』
白望「塞はどうして怒ってんの……?」
胡桃「そっちより質問に答えて!」
ギャー!! ギャー!!
豊音「まったく収集つなかないよー」オロオロ
豊音「塞、塞はー」
塞「」
豊音「塞が息してないよー」ジワァ
豊音「誰か助けてよー……」シクシクシク
白望「よくわかんないけど……ダルいから泣かないで」ポンポン
豊音「うう、シロ~……」ギュッ
エイスリン「♪」 カキカキ
エイスリン サッ『ハートマークの絵』
塞・胡桃「……ハッ!?」
塞「シロ!その後の返事は!?」
胡桃「いえすおあのー! どっち!?」
白望「えーと」
塞「……」ゴクリ
白望「h」
胡桃「うわーー! わーー!!」
塞「胡桃うるさい!」
白望「二人ともうるさいけど」
豊音「全然事態が進まないよー」オロオロ
塞「ごめんシロ。 胡桃は黙らせたから」
胡桃「むー! むー!」←ガムテで口を塞がれました
豊音「ごめんねー」←胡桃を拘束しています
白望「えーと…………あれ」
塞「どしたの?」
白望「……どこまで話したっけ」
塞「もう! シロが女の子に告白されたって言ったんでしょ!!」
白望「あー……そっか」
エイスリン「♪」ワクワク
白望「うーん……」
白望「実はね」
塞「……」ゴクリ
豊音「……」ドキドキ
胡桃「……」ベリベリ←ガムテを剥がす音
エイスリン「♪」ワクワク
白望「返事――できなかったんだ」
塞「えっ?」
豊音「ど、どうしてー?」
白望「その子、終始一方的で……答える間もなく走り去っちゃったんだ」
胡桃「え? え?」
白望「えっと……まァ、そういうことで」
胡桃「どーゆうことさ!?」
豊音「胡桃、ちょっと落ち着いてー」アセアセ
豊音「シロ、それはつまりー」
胡桃「……言い逃げってこと?」
白望「……多分」
エイスリン「シロ、オイカケタ?」
白望「一応追ったけど、逃げられた」
豊音「……その娘、途中で怖くなっちゃったのかなー」
胡桃「モヤモヤが残りそうなやり方だよね……ってそうじゃなくてね!?」ドンッ
豊音「ひぅ!?」
白望「?」
胡桃「本題はそこじゃなくてっ、もっと別のところにあるでしょ!」
豊音「もっと別……?」
胡桃「うん、最も重大なこと! それは……」
エイスリン「シロジシンノ、キモチ!」
塞「」ピクッ
胡桃「それだよそれ!」
白望「私、の?」
胡桃「そう! その娘に告白されて、どう感じたか、どう思ったか! その辺りがいっちばん重要でしょ!」
白望「……私の気持ちかァ」
白望「んー……」ホッペポリポリ
胡桃「どう?」
白望「……今さらだけどさ」
胡桃「うんうん」
白望「恋愛って、男女間でするものじゃないの?」
胡桃「え!?」
豊音「へ?」
塞「……!」
エイスリン「?」
白望「みんな、何故か私に告白してきた女の子に対して何の疑問も抱いてないけど」
白望「……その辺り、どうなの?」
豊音「えっと、えーと……」オロオロ
胡桃「あー、うー……」アセアセ
塞「……」ズキ
白望「……ごめん、やっぱ今の質問はわすれ」
エイスリン「モンダイ、ナイ!!」グッ
一同「「「「!?」」」」
胡桃「え、エイちゃん?」
豊音「それってどういうー……」
エイスリン「……」 カキカキ
エイスリン「」 バッ
塞「……?」
胡桃「シロ、翻訳!」
白望「……『愛に形はない』かな」
エイスリン「」コクコクッ
エイスリン「♪」ニコッ
胡桃「でも、でもそれは……」
豊音「その、シロが言うように、やっぱり女のコ同士は……」
エイスリン「……」カキカキ バッ
白望「……『好きなものは好きなんだから仕方がない』?」
エイスリン「」コクコクッ
エイスリン「スキハ、スキ!」
塞・胡桃・豊音「「「!」」」
白望「……」
豊音「エイスリンさん……」胡桃「エイちゃん……」
エイスリン「」フンス
豊音「うわーん! なんだかとっても素敵だよーー!」ガバッ
胡桃「前から思ってた! エイちゃんってやっぱ天使だよ!」ガバァッ
エイスリン「What!?」
胡桃「もういいや! エイちゃん今日から私のモノね! 今日も一緒に帰ろうね!!」スリスリ
豊音「私も! 私も一緒に帰りたいよー!」ピョンッ ピョンッ
胡桃「トヨネの家は反対方向でしょ!!」
豊音「うぇぇぇぇんそぉだったぁぁぁぁー!!」グスグス
エイスリン「エ? エ?」
白望「……ダル」
塞(……好きは好き、かァ)
塞「あ」
塞(……そういえば、結局シロの話が曖昧になっちゃったな)
塞(まあ、いいか)
塞(シロもあんまり気にしてないみたいだったし)
塞(気にして……)ズキ
塞(……シロ)
胡桃「みんな、忘れ物はないー?」
豊音「問題ないよー」
エイスリン「ナイヨー!」
塞「おっけー」
白望「ダルい……」
塞「いつものことでしょそれ。 ほら立った立った」
白望「むぅ……」スッ
胡桃「じゃあ部室のカギ締めるよー」
豊音「はーい」
豊音「また明日ー!」フリフリ
塞「うん、お疲れー」フリフリ
白望「……」フリフリ
\エイチャン、テ、ツナゴッカ/// / \アッ、ズルイズルイー!/ \ミンナ、ナカヨシ!/
塞「本当、仲良いねぇあの三人」
白望「うん」
塞「私たちも、帰ろっか」
白望「」コクリ
――――帰路
白望「……」テク テク
塞「……」
白望「……」テク テク
塞「……」
白望「……」テク テ
白望「塞」
塞「なに?」
白望「んー……」
白望「……あのさ」
塞「うん」
白望「……ごめん、やっぱり何でもない」
塞「え?」
白望「……」
塞「えと……シロ?」
白望「……」ハァ
塞「無言でため息を吐かれた!? ちょちょ、どうしたってのシロー!?」
塞(私なにかしたっけ!? え? え!?)アタフタ
白望「……」クス
塞「!?」
塞(い、いま一瞬だけ……)
塞(……シロの、口元が緩んだ――!?)
塞「……」チラッ
白望「……なに?」
塞「あ、いや、別に」
塞(……気のせい、なのかな)
塞(いや、でもあれは確かに……)
塞「んぅ……?」
白望「塞」
塞「!?」
塞「な、に?」
白望「止まってるよ」
塞「な……なにが?」
白望「……足」
塞「あっ、ご、ごめん」
白望「……」
塞「うぅ……」
塞(さっきのは見間違いだったのかな……)
塞(……いや、でもあれは間違いなく)
塞(……)
塞(シロの笑顔、か)
塞(……きっと超絶可愛いんだろうなぁ)
塞(――いや、どっちかというと格好いいのかな?)
塞(男装とか似合いそうだし……)
塞(……まあ、それはそれで……)
塞(あぅ///)
白望「……?」
ピタッ
塞「ん」
白望「うん」
塞「それじゃ、私こっちだから」
白望「うん」
塞「それじゃ、また明」
白望「塞」
塞「た……え?」
白望「……」ジー
塞「し、シロ?」ドキッ
白望「……」
白望「……ん、また明日」
塞「う、うん……また明日」フリフリ
テク テク
テク テク
……
――――
――――
塞「なん、だったのかな……」
塞(あの、シロの眼……)
塞(何かを、探るような……見極めてるような)
塞(そういう、眼だった)
塞(……)
塞(考えても仕方がない、か)
塞(わからないのなら、本人に聞けばいいんだ)
塞(うん)
塞(明日、聞いてみよ)」
塞(……ま、十中八九はぐらかされると思うけどね)
――――翌日
塞「おっはよー」フリフリ
白望「うん」
塞「待たせた?」
白望「……今来たとこ」
塞(……待たせたかな、こりゃ)
塞「……それじゃ、行きますかー」
白望「うん」
塞(……本当、優しいんだから)
胡桃「おいっす、お二人さん!」ギュー
エイスリン「Good morning!」ナデナデ
塞(うわ、なにそのベタベタっぷり)
塞「お、おはよー」ヒク
白望「……」フリフリ
塞「(……何かやけにベタベタしてない?)」
白望「(……昨日の帰り際に、何かしらあったのかも)」
塞「(にしたってこれは……)」
胡桃「エイちゃんは温かいなぁー」スリスリ
エイスリン「クルミ、クスグッタイ///」
塞「(……進展し過ぎじゃない?)」
白望「(……昨日のあれそれが影響してるんじゃないかなァ)」
塞「(だよねぇ……)」
塞(あんな話をした翌日にこれだもん……)
塞(……羨ましいな)
塞(あっ)
塞(いやいやいや!)ブンブン
塞(思ってない! そんなこと考えてないから!)
塞(私もシロに抱きつきたいとかそんなことは全然っ……ハッ!?)
「――え」
塞(いやでもシロの身体って女っぽいし、かなり抱き心地良さそう……)
「塞」
塞「!?」
塞「なななななななにっ!?」
白望「……いや、ボーっとしてたから」
塞「シロに言われると何かショックだわそれ……」ズーン
白望「え、ごめん」
塞「……あれ? 胡桃たちは?」
白望「先に行っちゃったよ」
塞「え!?」
白望「なんかあの二人の世界が出来上がってたから……塞がボーっとしてる内に置いていかれた」
塞「なんつーバカップルよそれ……」
白望「……まあ、仲が良いのは悪いことじゃないし」
塞「そりゃそーかもしれないけど……」
塞(……シロから見て、あの二人の関係がどう見えてるのかが重要なわけで)
※塞シロ組。胡エイ組と合流。
豊音「みんなーおはよー!」ブンブンッ
塞「おはー」白望「ん」
胡桃「はいはーい」スリスリ
エイスリン「オハ、ヨー!」ニコニコ
豊音「……んん?」キョトン
塞(あ、気付いた)
豊音「(……胡桃たち、何かあったのー?)」
塞「(わっかんない)」
白望「(会った時からこんな感じだったよ)」
豊音「(へぇー!)」
豊音「何だかとっても微笑ましいね!」キラキラ
塞「それは否定しないけどさー」
塞「っていうか、豊音は昨日一緒に帰ったんじゃないの?」
豊音「んーんー。 一緒に帰ったのは途中までだからー」
塞「じゃあ、別れた後に何かがあったのか……」
白望「……」
豊音「シロー?」
白望「……また置いてかれてるよ、私たち」
塞「また!?」
トコトコ
塞「うー……マイペース過ぎるでしょあの二人」
豊音「桃色の空気が流れてたねー」
塞「だよねぇ。 あんなに引っ付いちゃって、お熱いわー」
白望「……エイスリンの抱き心地の良さは認めるけどね」
塞「あれ? それさらっと凄いこと言ってない?」
豊音「確かにエイスリンさんって温かいよね!」
白望「うん」
塞「あれ!? もしや私だけ出遅れてない!?」ガビーン
――――学校、到着
塞「着いたァー……」
白望「……大丈夫?」
豊音「まだ授業前だけど、疲れちゃった?」
塞「だいじょぶだいじょぶ。 朝からお腹いっぱい過ぎて疲れただけだから」
胡桃「だらしないなぁ、塞はー」
塞「主にアンタらが原因だけどね……」
エイスリン「」カキカキ
エイスリン「」サッ
白望「……『具合悪いなら保健室行く?』だって」
塞「平気だって。 エイスリンは優しいなァ」ナデナデ
エイスリン「///」
胡桃「むむ!」
塞「じゃ、また後でねー」
白望「……うん」
エイスリン「♪」フリフリ
――――
塞「やっぱあの二人も仲良いよね」
胡桃「私とエイちゃんほどじゃないけどね!」
塞「むむ、惚けるねぇ」
胡桃「フフン!」
塞(時折、本当に同い年かと疑ってしまうのは私だけじゃないよね……?)
豊音「あぅぅー、一人ぼっちは寂しいよー!」グスグス
塞「いや泣くほどのことじゃ……」
胡桃「豊音ってクラスじゃ弄られキャラでしょ? 別に寂しくないじゃん」
豊音「確かにみんなみんな仲良くしてくれるけどー、塞たちと一緒にいられないのが寂しいんだよー!」グスグス
塞「はいはい。 授業中にメールしたげるから、今は我慢しときなさい」
胡桃「携帯禁止!」
塞「えー?」
塞「胡桃は豊音が可哀想じゃないのー?」
胡桃「規則が大事!」
塞「なら……この豊音を直視しながら同じ台詞を言ってみろー!」→豊音「うぅ~」ウルウル
胡桃「…………クッ」
胡桃「……きょ、今日だけ特別ね! と・く・べ・つ!」
塞「はいはいっと、特別特別ー」
豊音「胡桃優しいー♪」ガバッ
胡桃「うわっ、重い! トヨネ重いー!」ジタバタ
――――放課後
胡桃「さてさて、部活部活っと」
塞「おー、やる気だねぇ」
胡桃「シロたちはまだ教室かな?」
塞「どうだろね。 とりあえず覗いてみようよ」
胡桃「だね。 行こ行こー」
ガラガラ
塞「ん?」
塞(シロが……いない?)
胡桃「エイちゃーん!」タタタッ バッ
エイスリン「クルミ!」パァッ
胡桃「会いたかったよぉ!」スリスリ
エイスリン「ワタシモ!」ナデナデ
塞「お昼一緒に食べてたじゃん……って聞いてるわけないかー」ハァ
塞「エイスリン、まさかと思うけど……シロは先に部室行ったの?」
エイスリン「」フルフル
塞「だよねぇ……」
胡桃「帰ったってわけでもなさそうだね。 鞄残ってるし」
塞「エイスリンは何か聞いてる?」
エイスリン「シロ、ヨウジ、アル!」
塞「あれ、そうなの?」
エイスリン「」コクコクッ
胡桃「シロが用事……珍しいね」
塞「だねぇ」
胡桃「とりあえず、先に部室行ってよーか」
塞「うん。 教室で弄り倒されてるであろうトヨネを救いがてら、ね」
胡桃「エイちゃんはどうする?」
エイスリン「」カキカキ
エイスリン「」サッ
塞「……エイスリンとシロの、絵?」
胡桃「これは多分……シロから『先に行ってていいよ』って言われた的な意味じゃないかな」
エイスリン「♪」コクコクッ
塞「おお、正解っぽい!」
胡桃「フッ、さすが私」ドヤァ
塞「殴ってもいい? というか殴る」
胡桃「痛い!」ペシッ
胡桃「シロの鞄どうしよ」
エイスリン「ワタシ、モツ!」
塞「ならメールで伝えとこっか」スッ
胡桃「なんて?」
塞「『お前の鞄は預かった。 返してほしくば部室まで来い! byクルミ怪人』」
胡桃「なんで脅迫気味なの……しかも怪人て」
エイスリン「カイジン! モンスター!」キラキラ
胡桃「そこ喜ぶポイントなんだ!?」
――――
ガラガラ
塞「トヨネいるー?」
豊音「ふぇぇぇぇぇん塞ぇぇぇぇぇぇぇ!」ガバァッ
塞「うわぁ!?」胡桃「どしたのトヨネ」
豊音「みんなが意地悪するんだよぉぉぉぉ!」グスグス
塞「へー」
豊音「私のこと八尺様って呼ぶんだよぉぉぉぉ私八尺様じゃないのにぃぃぃぃぃぃ」グスグス
塞「おーよしよし」ナデナデ
豊音「うぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!」グスグス
エイスリン(カワイイ)
胡桃(かわいい)
塞(かわいい)
胡桃「もう……あの娘らにはまた説教しなきゃね!」
豊音「だ、ダメだよー、みんなに悪気はないんだからー」オロオロ
胡桃「どうしてトヨネが庇うの!?」
豊音「だってだってー……」オロオロ
塞「もうこれも毎度のやり取りね」
エイスリン「オナジミハ、ダイジ!」
塞「確かに、見てる分には飽きないかも」
エイスリン「♪」ニコニコ
――――部室
豊音「え、シロが?」
胡桃「そうそう」
塞「何か用事があるらしくてさ」
エイスリン「メズラシイ!」
塞「もしかしたら、どっかで寝てるだけかもね」ケラケラ
胡桃「あり得るよ、シロなら」
豊音「でもでもー、さっきおそーじしてる時に廊下歩いてるの見掛けたよー?」
胡桃「へー」
豊音「何となくキョロキョロしてた気がするけどー、何でだろー?」
塞「キョロキョロ、ねぇ」
胡桃「ま、その内来るでしょ。 ダルいダルい言ってても何気にサボったことないし」
豊音「実はしっかりものだよねー」
エイスリン「シロ、エライ!」フンス
塞「それでも基本は怠け者だけどねぇ」
豊音「アハハッ」
胡桃「間違いないねー」ケラケラ
塞「四人いるし、そろそろ始めよっか」
豊音「わーい!」ピョンッ ピョンッ
エイスリン「♪」ワクワク
胡桃「今日は勝つよ!」
豊音「させないよー♪」
エイスリン「マケナイ!」
塞「それじゃ場決めから行くよー」
――――
――
塞(……そういえば)タン
塞(シロに昨日のこと聞くの、すっかり忘れてた)
塞(朝も昼もタイミングはあったのに)
塞(昨日からどこか抜けてるな、私……)
塞(でも考えてみれば……)タン
塞(二人きりの時に聞いた方が良い気がするし……)
塞(今日の帰りでも、いいかなぁ)タン
塞「あ、それロン、7700」
胡桃「ぐぁー!」
――――半荘終了
豊音「トップだよー!」キャッ キャッ
塞「まあ、妥当なところかな」←二位
エイスリン「クヤシイデス……」←三位
胡桃「焼き鳥じゃないもん……一回は和了ったもん……」←四位
塞「一回の和了でもあんなに低い打点じゃ、焼き鳥と変わらないんじゃない?」ニヤニヤ
胡桃「うぐぅっ」
エイスリン「サエ、イヂワル!」
豊音「いじめっこみたいだねー」
塞「敗者に口無し、ってね!」
胡桃「うぐぐぐっ」
ガチャリ
白望「ごめん……遅くなった」
豊音「あっ、来たー」
エイスリン「シロ!」
胡桃「ほんとに遅いよー?」
白望「知ってる。 ……だから、これ」スッ
豊音「おぉー」
エイスリン「――ジュース!」パァッ
白望「適当だけど、受け取って……」
胡桃「はいはい、お礼は言わないよー♪」
白望「うん」
塞(……ちゃんと皆の好きな種類が揃ってる。 相変わらずというかなんというか……)
白望「塞も、はい」
塞「さんきゅ」
白望「はぁ……ダルかった」プルプル←腕を振る音
塞「お疲れ様」
塞「……何やってたの?」
白望「あー……うん」
白望「……気が向いたら、話す」
塞「……ん」
塞(多分、教えてくれないんだろうなぁ)
胡桃「それじゃあドベの私が抜けるから……シロ! 仇は任せた!」
白望「え、やだ」
胡桃「たまにはノってくれても罰は当たんないでしょ!」
白望「……ダルい」
胡桃「……ですよねー」
エイスリン「マカセテ、クルミ!」
胡桃「エイちゃん!」ガバッ
エイスリン「カタキ、トル!」ナデナデ
胡桃「うん、お願い///」ギュッ
塞「……もうお腹いっぱいなんだけど」
豊音「微笑ましくてちょーかわいいよー」
――――帰り道
テク テク
塞(……さて)
塞(いつも通り、シロと二人で帰路についてるわけだけど)
塞(あー……)
塞(……切り出し方がわからない)
塞(ストレートに聞く? 変化球で攻める? それとも――)
白望「塞」
塞「あ、なに?」
白望「危ないよ……目の前」
塞「え?」クルッ
│電柱│←塞「うぉ!?」
白望「……前見て歩かないと」
塞「う、うん。 ありがとシロ」
白望「……何か悩み事?」
塞「へ?」
白望「さっきからずっと、難しい顔してるから」
塞「あー」
塞「……うん。 まあ、ちょっとね」
白望「聞かない方がいい?」
塞「んーん。 むしろ、今その悩みを解決させてもらおうかな」
白望「?」
塞「――単刀直入に聞くよ、シロ」
白望「……うん」
塞「昨日の帰り際、シロは妙な雰囲気だった。 その理由を、教えてほしい」
白望「……」
塞「」ジッ
白望「……」
塞「……やっぱり答えてくれない、か」
白望「……」
塞「そっか」
塞「……やっぱ、気が向くまでは、教えてくれないつもりなんだ?」
白望「……」
塞「だんまりね……」
塞「……わかった」
白望「……塞」
塞「や、ごめん。 気にしないで。 答えたくないことだって、そりゃあるよね……うん、わかってる」
白望「……」
塞「誰しも、あるものだよね。 秘密というか、言いたくないこととか……」
白望「……」
塞「……ほんと、ごめん」
白望「……塞」
塞「さっ、日も暮れてるし、とっとと帰ろーよ」
白望「……うん」
白望(……ごめん)
――――翌日
胡桃「え、今日は部活出られないの?」
白望「うん」
豊音「どうしてー?」
白望「外せない用事があって」
エイスリン「サビシイデス……」シュン
白望「ごめんね」
塞「……」
白望「明日は普通に出られるから」
胡桃「差し入れを持ってくるなら許してあげよう!」
白望「……それはちょっとダルい」
豊音「アハハっ」
――――授業中
教師「――であるからして……」
塞(……シロ)
塞(用事って、なんだろ)
塞(放課後に、何やってんのかな)
塞(……)
塞(どうして私は、こんなにも不安な気持ちになってるんだろう?)
塞(何があったわけでもないのに)
塞(……いや)
塞(なかったとは、言えないか)
塞(……確かにあったよね、特別なこと)
塞(やっぱりそれが……?)
塞(……)
――――昼休み
胡桃「塞ー、お昼行くよー」
塞「ああ、うん」
胡桃「よっし、今日こそ私からエイちゃんに『あーん』してやるぞー」
塞「そうだね」
胡桃「あれ……?」
塞「どしたの?」
胡桃「あ、いや、なんでもない」
塞「?」
胡桃「(いつもなら何かしら突っ込んでくるのに……)」
胡桃「(……うーん)」
胡桃「エイちゃんや、シロさんはどこぞに行ったのかね」
エイスリン「」チョイチョイ
胡桃「?」スッ…
エイスリン「(シロ、ヨウジ)」
胡桃「(え、また?)」
エイスリン「」コクコクッ
胡桃「(……そか、わかった)」
塞「なにコソコソ話してんの?」
胡桃「ちょっとね。 それよりシロだけど、なんか先生に呼び出されたっぽいよ?」
塞「? 何だって呼び出しなんか」
胡桃「提出物でも出し忘れれたとかじゃない? あるいは、居眠りのしすぎで指導、みたいな」
塞「ふぅん……」
塞「まあ、シロならあり得るかー」
胡桃「だよねー」ケラケラ
胡桃(後でシロに謝礼を要求しよう、うん)
塞「」モクモグ
エイスリン「クルミ、アーン」
胡桃「あーんっ」パクッ
胡桃「んん~、おいひぃ♪」
エイスリン「♪」ニコニコ
塞「……」モクモグ
塞「……」ゴックン
塞「……」
塞(……誰かこの桃色空間どうにかして)ズーン
――――5時限目
塞(……結局、シロは昼休みが終わるギリギリの時間まで、教室に戻ってこなかった)
塞(それとなく尋ねてみたら、同様にそれとなくはぐらかされた)
塞(胡桃たちに聞いても、困惑気味に首を傾げられた)
塞(程なくしてチャイムが鳴って、タイムオーバー)
塞(せっかくのシロと話せる機会が、また失われた)
塞(神様は……いぢわるだ)
――――
塞(……どうしてだろう)
塞(酷く、落ち着かない)
塞(肩が重い)
塞(思考がまるで働かない)
塞(授業の内容なんて、これっぽっちも頭に入ってこなかった)
塞(……唯一頭に浮かぶのは、あいつの顔)
塞(あいつのダルそうな顔だけ)
塞(……シロ)
塞(……息苦しい)
塞(胸の奥が、ざわめいてる)
塞(私……動揺してるの?)
塞(……どうして?)
塞(……シロが、どこか遠くに行ってしまいそうな、言い知れぬ不安を感じるから……?)
塞(そんなわけ、ない)
塞(シロが、離れていっちゃうなんて、そんな)
塞(そんなわけ……)
塞(……)
――――放課後
胡桃「さてさて、今日も部活頑張るよー」ヨイショ
塞「……うん」
胡桃「今日こそ雪辱を晴らすからね、覚悟しておくといいよ!」
塞「……うん」
胡桃「……」
胡桃「私とエイちゃんの相性は最高だよね!」
塞「……うん」
胡桃「だめだ、完全に心ここに在らずになってる」
胡桃「塞ー? 帰ってこーい」ペチペチ
塞「……うん」
胡桃「困ったなー……」
――――部室
胡桃「無理矢理連れてきたはいいけど……」
エイスリン「ウー……」
豊音「さ、塞ー……?」
塞「うん」ポケー……
胡桃「午後からずっとこんな感じだから、さすがに困っちゃって」
豊音「何があったのー……?」
胡桃「……私も、詳しく知ってるわけじゃないんだけどね」
胡桃「多分――」
胡桃「とまぁ、かくかくしかじかで」
豊音「昨日のお話の延長上にあるのかなー……?」
胡桃「多分、ね」
豊音「……胡桃ー。 実は大したことじゃないかなーって、黙ってたことがあるんだー」
胡桃「なになに?」
豊音「えっとねー……」ゴニョゴニョ
胡桃「ふんふんふん…………えっ?」
胡桃「(人を、捜してるの? あのシロが? ……誰を?)」
豊音「」コクコクッ
豊音「噂が色々あるから、『誰を』まではわからなくって。 ただ、学校中を捜し回ってるみたいなんだー」
胡桃「あのシロが、そこまでして捜す相手って……?」
豊音「何者だろうねー……」
胡桃「想像もつかないよ……」
エイスリン「ハイ」ピンッ
豊音「?」
胡桃「どしたの、エイちゃん」
エイスリン「コタエガワカッタ、カモデス!」
胡桃「え……」
豊音「シロの捜してる人がわかったのー!?」
エイスリン「タブン!」
胡桃「じゃ、じゃあちょっと耳打ちで……」
エイスリン「エーット……」ゴニョゴニョ
胡桃「な、なるほど……」
豊音「確かにその線が濃厚かもー……」
エイスリン「」フンス
胡桃「でも」スッ
胡桃「(それ、今の塞には伝えない方が無難かも)」
胡桃「(朝から色々と思い悩んでたみたいだし、昼休みの間も様子がおかしかったからねー……現に今だって)」チラッ
胡桃「ってあれ!?」
豊音「さ、塞がいなくなってるー!?」
エイスリン「!」
エイスリン「クルミ! トヨネ!」
豊音「うん!」
胡桃「捜さないとまずいね! 行こう!」
――――
白望「……やっと見つけた」
――――
白望(……帰ろ)
白望()トボトボ
白望(……んー)
白望(……なんか)
白望(……空しい)
白望「……はァ」
?「――――見つけた!」
白望「!」
白望「どうして、ここに」
白望「――塞」
塞「……シロ」
白望「……」
塞「用事があるって、言ってたよね」
塞「それ……もう済んだの?」
白望「……はァ」
白望「しくじったなァ……」
塞「……どういう、意味……?」
白望「……」
白望「ついてきて」
塞「っ」
塞「……」コクリ
白望「塞は、どう思う?」
白望「……同性間の、恋愛について」
塞「!」
塞「な、なんでまたそんなこと……」オロ
白望「聞かせて」ジッ
塞「っ」
塞「私、は……」
塞「互いに、好き合ってるんなら……」
塞「当人たちが、受け入れているなら」
塞「……そこに、性別は関係ない……と思ってる」
塞「だって、仕方ないし」
塞「たまたま好きになった相手が同性だった、ってだけだもん」
塞「好きなものは好き。 エイスリンが言ってたように、それが真理なんじゃないかなって」
塞「そう、思ってるよ」
白望「……」
白望「……」
白望「塞の意見はわかった」
白望「……ごめんね」
白望「私はずるいことをした」
塞「……?」キョトン
白望「……」
白望「塞」
塞「な、なに?」
白望「……あのね」
白望「何となく、塞が勘違いしていそうだから」
白望「敢えて……暴露する」
塞「……」
白望「私は普段……超が付くほどの物臭だけど」
白望「……塞と、一緒にいるのは」
白望「……ダルくないよ」
塞「……え?」
塞「あの、えと、それって……」
白望「……ん」ギュッ
塞「ふぇっ!?」
塞(こ、腰に手を回されてっ……)
白望「――これなら、伝わる?」キュッ
塞(シロの目が、いつもとちがう……)
塞(そんな……そんな真剣な眼差し)
塞「……ずるいよ、シロぉ……」ポロ
白望「……うん、知ってる」
白望「……塞」
塞「…………うん」キュッ
白望「返事……聞かせてくれる?」
塞「……」
塞「……」ギュー
白望「!」
塞「えへへ……」
塞「……これじゃ、答えにならないかな?」
白望「……」
白望「大丈夫……ちゃんと、伝わってきた」キュッ
塞「……」ギュウー
白望「ん……」
塞「心臓、早くなってるよ」
白望「塞こそ」
塞「……バレたか」クスクス
白望「体……温かいね」
塞「そりゃあ……シロに抱き締められてるし?」
白望「照れてるってこと?」
塞「有り体に言えばそうなる」
白望「言わなくてもそうなるよ?」
塞「う、うるさいな///」
塞「それより……ごめんね」
白望「なにが」
塞「や、その……私」
白望「誰も悪くない」
白望「悪くないから」
白望「……謝らないで」ナデナデ
塞「……そういうの、本当ズルいよ」カァァ
白望「そう?」
白望「……そうかもね」ナデナデ
塞「……///」
白望「もう一つ、おまけに暴露しとこう」
塞「なに……?」
白望「実は私のコレは……三年前から」
塞「……え?」
塞「こ、“コレ”って……“ソレ”?」
白望「うん」
塞「ええええええ!?」
白望「そんなに驚くこと?」
塞「びっくりもするでしょ!?」
塞「だってっ……だって……」
塞「シロが、三年も前から私のこと…………なんて///」
白望「迷ってたから」
塞「う、ん」
白望「ずっとずっと、迷ってたから」
白望「……麻雀の時みたいに」
白望「……迷って、迷って、迷い続けて」
白望「ようやく最近、決心がついたんだ」
塞「うぅ~……///」
白望「質問していい?」
塞「……答えられる範囲なら」
白望「塞は、いつから?」
塞「それは答えられない範囲」
白望「不公平」ジッ
塞「は、恥ずかしいから……」テレ
白望「答えないと」
塞「……ないと?」
白望「……塞いじゃうよ?」
塞「だからそーいうのズルいってぇ……///」
白望「ごー、よーん、」
塞「うっ」
白望「さーん、にーい、」
塞「うぅぅっ」
白望「いーち、」スッ
塞「に、二年前!」
白望「ん……」ちゅっ
塞「んん!?」
塞「けけけ結局するんじゃない!///」
白望「コンマ2秒、言うのが遅かった」
塞「そんなのズルい!」
白望「ズルい、って今日だけで何回言ったかな」
塞「シロがそーゆーことばっかりするからでしょー……」
白望「それにしても」
白望「二年前かァ……」
塞「う……」カァァ
白望「きっかけは?」
塞「……ヤダ、言いたくない」
白望「また塞い」
塞「にっ、2年に進級した時にっ」
塞「……シロとクラスが別れてから、色々あって」
白望「色々って?」
塞「い、色々はいろいろ……」
白望「詳しく聞きたい」
塞「なんでこーゆー話題に限ってそんな積極的なの!?」
白望「好きな人の話が気になるのは当たり前のことじゃ」
塞「っ~~!!」カァァ
塞「バカ! シロのアホ! タラシ!」
白望「……タラシは心外だなァ」
塞「そ、そういうシロは……どうなのよ」
白望「気になるの?」
塞「当たり前でしょ! だってその、私はシロが……」モジモジ
白望「……かわいい」ボソッ
塞「そっ、そーゆーのはいいから! きっかけ!」
白望「直感的に」
塞「えっ?」
白望「一目見た瞬間、思ったんだ」
白望「『私この人好きだ』って」
塞「そ、それってっ」
白望「一目惚れに近いかなァ」
塞「あぅぅ///」
塞「なにそれ、何なのよそれぇっ///」ジタバタ
白望「本当のことだよ」
塞「くぅぅっ!」ドタバタ
白望「塞ちょっと落ち着いて」
塞「ムリに決まってるでしょ!」
白望「……わかった」
ギュッ
塞「あっ……」
白望「力ずくで、黙らせよう」ナデナデ
塞「っ~~……」カァァ
塞「……なんか、さっきから抱き合ってばっかりだね、私たち」
白望「嫌?」
塞「ううん」フルフル
塞「むしろ…………好き」
白望「よかった」ナデナデ
塞「ん……」
塞「ねぇ、シロ」
白望「なに?」
塞「……さっきまで、どこで何をしていたの?」
白望「……多分、塞の想像通りだと思うけど」
塞「……告白してきた子に関係することだよね?」
白望「うん」
塞「……何のために?」
白望「ケジメをつけるために」
塞「そっか……」
白望「……あの子には、酷なことをした」
塞「……だとしても」
塞「それが、シロなりの誠意の見せ方だったんでしょ?」
塞「なら、それで十分だと思うんだけどなァ……」
白望「塞……」
白望「……ありがと」キュッ
塞「ん」
白望「塞」
塞「ん?」
白望「目、閉じて」
塞「ん……わかった」スッ
白望「……」チュッ
塞「んっ」
塞(シロの手が、頭の後ろに回って……)
塞(優しく撫でられて……)
塞(なんか……頭ん中ふわふわしてきちゃう)
塞(あー……まずいなぁ……)ギュウ
塞(このままずっと抱きついてたいなー……)ギュウウ
塞(……シロの体、色々と柔らかいしさー)ギュウウウ
白望「塞」
塞「なぁにー?」
白望「甘えてくれるのは、嬉しいんだけどさ」
塞「んー」
白望「――部活、戻んなくていいの?」
塞「えー?」
塞「……」
塞「……」チラッ→時計見る
塞「……」
塞「完っ全に忘れてたー!!」
――――
トボ トボ
塞「ね、ねぇ、やっぱり自分で歩くから下ろしてっ」
白望「ダメ」
塞「なんで!? いくら人気がないからって、さすがに恥ずかしいんだけど!」
白望「私がやりたいからおんぶしてる。 はい、交渉決裂」
塞「シロのくせにアグレッシブすぎる!!」
白望「まあまあ」
塞「しかも適当に押し切られるだなんて……っ!?」
白望「」クルッ
塞「シロ? 急に振り返って、どうし――」
チュッ
塞「っ!?」
白望「……ん……」
塞「ん、んっ……ちゅっ……」
塞「……ぷはっ」
塞「な、なんなの!?」カァァ
白望「……」
白望「隠すつもりなんて、ないからね」
塞「……え?」
白望「部活中でも、堂々といちゃつきたいし」
塞「や、そっそれはさすがに控えた方が、ねっ!?」
白望「どうして?」
塞「そりゃ、恥ずかしいから……」
白望「ならなおさらいちゃつかないと」
塞「なんで!?」
白望「……照れ顔が見たいから?」
塞「却下! ぜったい却下!///」
白望「無効」
塞「なんで!?」ガビーン
白望「私が法だから」
塞「意味わかんないだけどっ///」
塞「もう……」
塞「わかったよ……」
塞「……皆になんて説明しよっか?」
白望「……適当に」
塞「相変わらず無計画なのね……」タハハ
白望「……あ」
塞「どうしたの?」
白望「差し入れ……持ってきてない」
塞「……明日の予定だったし、別にいいんじゃない?」
白望「胡桃に叱られる……」
塞「っていうか私も叱られるわ……多分」
白望「塞と一緒ならいいや」
塞「切り替え早いね……嬉しいけどさ」
白望「……そろそろ入ろうよ」
塞「そうだね……うん、覚悟決めた!」
白望「行けそう?」
塞「平気平気! シロこそダルくない?」
白望「大丈夫だよ」
白望「何があっても」
白望「塞と一緒なら」
白望「……ダルくないから」
塞「……うんっ」
カン!
塞「あ、こら。 髪の毛触っちゃダメだってば」
白望「……なんで?」
塞「集中できないのっ。 そーゆーのは後でいくらでもしていいから今は、ね?」
白望「……待つのがダルい」
塞「そう言われてもねー……んー」
塞「あ、そうだ」ピンッ
塞「シロ、手出して」
白望「……」スッ
塞「ん、それをこう、私のお腹の方へ回して……」
白望「あ」
塞「じゃじゃんっ。 どう? 胡桃にしてたみたいに、この密着感があればちょっとは我慢できない?」
白望「いい、凄くいい」bグッ
塞「でっしょー?」ニコニコ
胡桃「ちょっと待てそこのお二人さん!!」
塞「なにー?」ニコニコ
白望「どうしたの胡桃」
胡桃「今っ、私たちは何をしてる最中だっけ!?」
白望「?」キョトン
塞「麻雀だけど?」キョトン
胡桃「そうだね! 対局中だね! じゃあお二人さんは何をしてるのかな!?」
塞「何って……」
白望「抱っこして座ってるだけだよ?」
胡桃「それが問題だって言ってるんだよこのお惚けコンビがぁ!!」
豊音(胡桃たちも人のこと言えないと思うんだけどなー?)
エイスリン「フタリハ、ナカヨシ!」
エイスリン「デモ!」
エイスリン「ワタシト、クルミモ、ナカヨシ!」
エイスリン「♪」bグッ
胡桃「あぁっ、エイちゃんの笑顔は天使のようだよぅ///」
エイスリン「クルミ///」
塞「……人のこと言えないよねぇ?」
白望「うん」ナデナデ
塞「ぁ、こら、くすぐったいってー」ニコニコ
白望「ぐーぜんぐーぜん」
塞「アハハっ、何それ~」
豊音(目の保養だよー)ホクホク
――――休日
ピンポーン
白望「ちわー」
塞「はいはーい」
ガチャリ
塞「いらっしゃーい」
白望「お邪魔します」ペコリ
塞「邪魔するんなら帰ってねー」
白望「どこで大阪のノリを覚えたの?」
塞「たまたまテレビで」テヘペロ
白望「かわいい」
塞「いいから上がってよ///」
白望「あれ、親御さんは?」
塞「可愛い一人娘をほっぽり出してラブラブデート、だってさー」
白望「……ふーん」
塞「シロ?」
白望「なに?」
塞「あ、いや、なんでもないんだけど」
塞(……?)
塞「シロがウチに来るのなんて久しぶりだねー」
白望「うん」
塞「あはは、なんか恥ずかしいなー」ホッペポリポリ
白望「模様替えした?」
塞「うん。 ちょっとだけね」
白望「……ぬいぐるみが増えてる」
塞「集めてるつもりはないんだけど、つい」タハハ
白望「塞っぽくて、いいと思う」
塞「そう、かな? 自分じゃよくわかんないけど」
白望「温かい空間というか……とにかく落ち着く」
塞「あはは。 ありがと」
塞「ね、シロ」
白望「なに?」
塞「その……隣、座ってもいいかな?」
白望「……もちろん」
塞「ん……」スッ
白望「……」
塞「……」
塞(……無言でいるのが、気まずくない)
塞(むしろ、心地いいくらい)
塞「……」トン
塞(シロに寄り掛かっちゃった……重かったり、しないよね?)
白望「……」トン
塞(!)
塞「……えへへ」
塞「……」
白望「……」スス
塞「?」
白望「……」ギュッ
塞「!」
塞(シロに、手握られちゃった)
白望「……」キュッ
塞(しかも恋人繋ぎ……)
塞(……恥ずかしい)カァァ
白望「……」
塞「……」
白望「……」
塞「……」
白望「……」
塞「……」
白望「……」
塞「……なんか」
白望「……うん」
塞「……心地好すぎて」
白望「……眠くなるね」
塞「……えへへ」キュッ
塞「……このまま寝ちゃう?」
白望「……それも、魅力的だけど」
塞「……なんかやりたいことでもあるの?」
白望「……うん」
塞「なに?」
白望「……ただ」
白望「ただ、塞に触れていたいな」
塞「シロ……」カァァ
塞「……ね、こっち向いて」
白望「……」
チュッ
白望「……塞?」
塞「えへへ」
塞「まだ、私からしてないなって思ってさ」
白望「……」
白望「次は、私から」スッ
塞「ん……」
塞「……なら、お返しってことで」スッ
白望「んんっ……」
白望「……じゃあお返しのお返しで」スッ
塞「んむっ――」
――――
――
塞「……んー」
塞「どのくらい、経ったかな……?」
白望「たぶん……一時間くらい」
塞「あはは……」
塞「……いちゃつき過ぎかな?」
白望「……まだ足りないよ?」
塞「……実は、私も」カァァ
白望「塞……」
白望「……おいで」スッ
塞「……」コクッ
白望「ご馳走さまでした」
塞「ん、お粗末さまー」
塞「……あっ」
白望「どうしたの?」
塞「や、別に」
塞(今のやり取り、なんか夫婦みたいだったな///)
白望「……」
白望「小瀬川塞」ボソッ
塞「!?」
白望「どうしたの?」
塞「え、あっ、いや今、え?」
白望「ご馳走になったし、洗い物は私がしていい?」
塞「ええっ、いいって、私がするよー」
白望「だめ」
塞「なんで?」
白望「エプロンした塞の後ろ姿は凶悪だから」
塞「何それ///」
\You got a mail ! /
塞「あ」
塞(お母さんからだ)
塞(えーと)
塞(……)
塞(えっ)
カチャッ
白望(おしまい、っと)
白望(二人分だから、言うほど洗うモノ多くなかったなァ)
白望「んー」フキフキ
白望「よし」
白望「塞ー、洗い物終わっ――」
塞「シロ!」
白望「……慌ててどうしたの?」
塞「えっと……えっとね……あの、」
白望「深呼吸、深呼吸」
塞「うんっ」スーハー スーハー
白望「落ち着いた?」
塞「……うん。 ちょっとだけ落ち着いた」
白望「……それで、どうしたの?」
塞「えっと――」
白望「親御さん、今日は帰ってこれないんだ」
塞「お父さんがお酒飲みすぎてべろんべろんらしくって……恥ずかしい親なんだからっ」
白望「……」
塞「だから、ものは相談なんだけど……その」
白望「……ねぇ」
塞「え? な、なに?」
白望「――今日、泊まっていってもいい?」
塞「……へっ?」
塞「あ、ぅ、ぇっ」
白望「こんな時間に、年頃の女の子が家で一人ぼっちだなんて不安だし」
白望「塞を、一人ぼっちにさせたくないし」
白望「何より……私がもっと塞と一緒にいたいから」
白望「……ダメかな」
塞「……」
塞「ううん……」フルフル
ル塞「……ありがと、シロ」
塞「もちろんっ、大歓迎だよ!」
塞(とは言ったものの……)
塞(どうしよ……)
塞(あれからしばらく経ったのに、シロの顔を一度も直視できないでいる)
塞(なんでって?)
塞(そんなの恥ずかしいからに決まってるでしょ!///)
塞(いざこうなると必要以上に意識しちゃうというか)
塞(一夜をシロと過ごせるんだって思うと心臓が破裂しそうになるというかっ)
塞(あ~ぅ~……///)
白望「塞」
塞(うぅ……)モジモジ
白望「塞?」
塞(どきどきが止まんないよぉ……)モジモジ
白望「……」
塞(もしかしたらもしかするかもしれないんだから、色々と覚悟し――)
チュッ
塞「……」
塞「!?」
塞「ふっ、不意打ちはダメだって前にあれほど!///」カオマッカ
白望「塞がさっきからずっとぼんやりしてるから」
塞「あっ、ぅ……」
白望「テンパりすぎ」
塞「でも、でもぉ……」
白望「……」
白望「ねぇ」
白望「塞は明日、用事とかあるの?」
塞「……なんにもないよ」
白望「そっか……よかった」
塞「……なんで?」
白望「――今夜は寝かせないから」
塞「っっ!?」
塞「シ、シロ、それってどういう」
白望「……こういう意味」スッ
塞「ひぅっ!?」
塞(シロの手が、私の身体にっ///)
白望「ベッド……行こっか」
塞「はぃ……///」
カン
1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/18(土) 16:57:11.22 ID:4nr7k11AO
2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/18(土) 16:57:58.99 ID:4nr7k11AO
胡桃「突然どうしたのシロ!」
塞「女同士が、何だって!?」
エイスリン カキカキ サッ『♀×♀=?』バッ
豊音「えっとえっとー……」
白望「ただの独り言だけど……」
塞「どんな経緯からそんな独り言が!?」
白望「……ダルい」
塞「シロ!」
胡桃「塞ちょっとうるさい!」
塞「女同士が、何だって!?」
エイスリン カキカキ サッ『♀×♀=?』バッ
豊音「えっとえっとー……」
白望「ただの独り言だけど……」
塞「どんな経緯からそんな独り言が!?」
白望「……ダルい」
塞「シロ!」
胡桃「塞ちょっとうるさい!」
4: 既に>>2でミスってるorz 2012/08/18(土) 17:06:42.96 ID:4nr7k11AO
胡桃「シロ、何かあったの?」
白望「別にそういうわけじゃないけど……」
塞「じゃあどういうわけよ!?」
豊音「塞の目が血走ってるよー」オロオロ
エイスリン「♪」 カキカキ サッ 『<●> <●>クワッ』
白望「塞はどうして怒ってんの……?」
胡桃「そっちより質問に答えて!」
5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/18(土) 17:07:57.87 ID:4nr7k11AO
白望「えっと……」
胡桃「うんうん」
白望「名前も知らない女の子に、告白されただけっていう……」
胡桃「ほうほう、なるほど、女の子に……告白、され……た……?」
胡桃「はぁぁぁぁぁぁぁ!?」
豊音「く、胡桃ー?」オロオロ
胡桃「何それ! 何それ!? シロに告白とか!! バッカみたい!!」
チョンチョン
白望「ん?」
エイスリン「ン!」→指差し
塞「orz」ズーン
白望「……」
胡桃「バカみたい! バカみたい! バーカーみーたーいー!!」
白望(なにこのダルい状況……)
胡桃「うんうん」
白望「名前も知らない女の子に、告白されただけっていう……」
胡桃「ほうほう、なるほど、女の子に……告白、され……た……?」
胡桃「はぁぁぁぁぁぁぁ!?」
豊音「く、胡桃ー?」オロオロ
胡桃「何それ! 何それ!? シロに告白とか!! バッカみたい!!」
チョンチョン
白望「ん?」
エイスリン「ン!」→指差し
塞「orz」ズーン
白望「……」
胡桃「バカみたい! バカみたい! バーカーみーたーいー!!」
白望(なにこのダルい状況……)
7: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/18(土) 17:18:34.63 ID:4nr7k11AO
ギャー!! ギャー!!
豊音「まったく収集つなかないよー」オロオロ
豊音「塞、塞はー」
塞「」
豊音「塞が息してないよー」ジワァ
豊音「誰か助けてよー……」シクシクシク
白望「よくわかんないけど……ダルいから泣かないで」ポンポン
豊音「うう、シロ~……」ギュッ
エイスリン「♪」 カキカキ
エイスリン サッ『ハートマークの絵』
塞・胡桃「……ハッ!?」
8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/18(土) 19:06:08.90 ID:4nr7k11AO
塞「シロ!その後の返事は!?」
胡桃「いえすおあのー! どっち!?」
白望「えーと」
塞「……」ゴクリ
白望「h」
胡桃「うわーー! わーー!!」
塞「胡桃うるさい!」
白望「二人ともうるさいけど」
豊音「全然事態が進まないよー」オロオロ
9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/18(土) 19:07:32.54 ID:4nr7k11AO
塞「ごめんシロ。 胡桃は黙らせたから」
胡桃「むー! むー!」←ガムテで口を塞がれました
豊音「ごめんねー」←胡桃を拘束しています
白望「えーと…………あれ」
塞「どしたの?」
白望「……どこまで話したっけ」
塞「もう! シロが女の子に告白されたって言ったんでしょ!!」
白望「あー……そっか」
エイスリン「♪」ワクワク
白望「うーん……」
10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/18(土) 19:13:26.61 ID:4nr7k11AO
白望「実はね」
塞「……」ゴクリ
豊音「……」ドキドキ
胡桃「……」ベリベリ←ガムテを剥がす音
エイスリン「♪」ワクワク
白望「返事――できなかったんだ」
塞「えっ?」
豊音「ど、どうしてー?」
白望「その子、終始一方的で……答える間もなく走り去っちゃったんだ」
胡桃「え? え?」
白望「えっと……まァ、そういうことで」
胡桃「どーゆうことさ!?」
豊音「胡桃、ちょっと落ち着いてー」アセアセ
12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/18(土) 19:24:28.10 ID:4nr7k11AO
豊音「シロ、それはつまりー」
胡桃「……言い逃げってこと?」
白望「……多分」
エイスリン「シロ、オイカケタ?」
白望「一応追ったけど、逃げられた」
豊音「……その娘、途中で怖くなっちゃったのかなー」
胡桃「モヤモヤが残りそうなやり方だよね……ってそうじゃなくてね!?」ドンッ
豊音「ひぅ!?」
白望「?」
13: >>11 ヒント:シロはモテモテ(自覚なし) 2012/08/18(土) 19:26:45.96 ID:4nr7k11AO
胡桃「本題はそこじゃなくてっ、もっと別のところにあるでしょ!」
豊音「もっと別……?」
胡桃「うん、最も重大なこと! それは……」
エイスリン「シロジシンノ、キモチ!」
塞「」ピクッ
胡桃「それだよそれ!」
白望「私、の?」
胡桃「そう! その娘に告白されて、どう感じたか、どう思ったか! その辺りがいっちばん重要でしょ!」
白望「……私の気持ちかァ」
14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/18(土) 19:28:05.48 ID:4nr7k11AO
白望「んー……」ホッペポリポリ
胡桃「どう?」
白望「……今さらだけどさ」
胡桃「うんうん」
白望「恋愛って、男女間でするものじゃないの?」
胡桃「え!?」
豊音「へ?」
塞「……!」
エイスリン「?」
15: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/18(土) 19:30:21.42 ID:4nr7k11AO
白望「みんな、何故か私に告白してきた女の子に対して何の疑問も抱いてないけど」
白望「……その辺り、どうなの?」
豊音「えっと、えーと……」オロオロ
胡桃「あー、うー……」アセアセ
塞「……」ズキ
白望「……ごめん、やっぱ今の質問はわすれ」
エイスリン「モンダイ、ナイ!!」グッ
一同「「「「!?」」」」
16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/18(土) 19:34:21.56 ID:4nr7k11AO
胡桃「え、エイちゃん?」
豊音「それってどういうー……」
エイスリン「……」 カキカキ
エイスリン「」 バッ
塞「……?」
胡桃「シロ、翻訳!」
白望「……『愛に形はない』かな」
エイスリン「」コクコクッ
エイスリン「♪」ニコッ
17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/18(土) 19:39:32.27 ID:4nr7k11AO
胡桃「でも、でもそれは……」
豊音「その、シロが言うように、やっぱり女のコ同士は……」
エイスリン「……」カキカキ バッ
白望「……『好きなものは好きなんだから仕方がない』?」
エイスリン「」コクコクッ
エイスリン「スキハ、スキ!」
塞・胡桃・豊音「「「!」」」
白望「……」
18: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/18(土) 19:42:54.11 ID:4nr7k11AO
豊音「エイスリンさん……」胡桃「エイちゃん……」
エイスリン「」フンス
豊音「うわーん! なんだかとっても素敵だよーー!」ガバッ
胡桃「前から思ってた! エイちゃんってやっぱ天使だよ!」ガバァッ
エイスリン「What!?」
胡桃「もういいや! エイちゃん今日から私のモノね! 今日も一緒に帰ろうね!!」スリスリ
豊音「私も! 私も一緒に帰りたいよー!」ピョンッ ピョンッ
胡桃「トヨネの家は反対方向でしょ!!」
豊音「うぇぇぇぇんそぉだったぁぁぁぁー!!」グスグス
エイスリン「エ? エ?」
白望「……ダル」
塞(……好きは好き、かァ)
19: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/18(土) 19:50:28.26 ID:4nr7k11AO
塞「あ」
塞(……そういえば、結局シロの話が曖昧になっちゃったな)
塞(まあ、いいか)
塞(シロもあんまり気にしてないみたいだったし)
塞(気にして……)ズキ
塞(……シロ)
20: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/18(土) 19:51:26.02 ID:4nr7k11AO
胡桃「みんな、忘れ物はないー?」
豊音「問題ないよー」
エイスリン「ナイヨー!」
塞「おっけー」
白望「ダルい……」
塞「いつものことでしょそれ。 ほら立った立った」
白望「むぅ……」スッ
胡桃「じゃあ部室のカギ締めるよー」
豊音「はーい」
21: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/18(土) 19:55:49.28 ID:4nr7k11AO
豊音「また明日ー!」フリフリ
塞「うん、お疲れー」フリフリ
白望「……」フリフリ
\エイチャン、テ、ツナゴッカ/// / \アッ、ズルイズルイー!/ \ミンナ、ナカヨシ!/
塞「本当、仲良いねぇあの三人」
白望「うん」
塞「私たちも、帰ろっか」
白望「」コクリ
30: >>1 2012/08/20(月) 22:31:39.57 ID:zIV2uWFAO
――――帰路
白望「……」テク テク
塞「……」
白望「……」テク テク
塞「……」
白望「……」テク テ
白望「塞」
塞「なに?」
白望「んー……」
31: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/20(月) 22:33:04.53 ID:zIV2uWFAO
白望「……あのさ」
塞「うん」
白望「……ごめん、やっぱり何でもない」
塞「え?」
白望「……」
塞「えと……シロ?」
白望「……」ハァ
塞「無言でため息を吐かれた!? ちょちょ、どうしたってのシロー!?」
32: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/20(月) 22:35:02.90 ID:zIV2uWFAO
塞(私なにかしたっけ!? え? え!?)アタフタ
白望「……」クス
塞「!?」
塞(い、いま一瞬だけ……)
塞(……シロの、口元が緩んだ――!?)
塞「……」チラッ
白望「……なに?」
塞「あ、いや、別に」
塞(……気のせい、なのかな)
塞(いや、でもあれは確かに……)
塞「んぅ……?」
33: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/20(月) 22:36:21.81 ID:zIV2uWFAO
白望「塞」
塞「!?」
塞「な、に?」
白望「止まってるよ」
塞「な……なにが?」
白望「……足」
塞「あっ、ご、ごめん」
白望「……」
34: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/20(月) 22:37:40.52 ID:zIV2uWFAO
塞「うぅ……」
塞(さっきのは見間違いだったのかな……)
塞(……いや、でもあれは間違いなく)
塞(……)
塞(シロの笑顔、か)
塞(……きっと超絶可愛いんだろうなぁ)
塞(――いや、どっちかというと格好いいのかな?)
塞(男装とか似合いそうだし……)
塞(……まあ、それはそれで……)
塞(あぅ///)
白望「……?」
35: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/20(月) 22:39:09.29 ID:zIV2uWFAO
ピタッ
塞「ん」
白望「うん」
塞「それじゃ、私こっちだから」
白望「うん」
塞「それじゃ、また明」
白望「塞」
塞「た……え?」
白望「……」ジー
塞「し、シロ?」ドキッ
白望「……」
36: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/20(月) 22:40:22.03 ID:zIV2uWFAO
白望「……ん、また明日」
塞「う、うん……また明日」フリフリ
テク テク
テク テク
……
――――
37: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/20(月) 22:41:52.94 ID:zIV2uWFAO
――――
塞「なん、だったのかな……」
塞(あの、シロの眼……)
塞(何かを、探るような……見極めてるような)
塞(そういう、眼だった)
塞(……)
塞(考えても仕方がない、か)
塞(わからないのなら、本人に聞けばいいんだ)
塞(うん)
塞(明日、聞いてみよ)」
塞(……ま、十中八九はぐらかされると思うけどね)
38: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/20(月) 22:53:47.71 ID:zIV2uWFAO
――――翌日
塞「おっはよー」フリフリ
白望「うん」
塞「待たせた?」
白望「……今来たとこ」
塞(……待たせたかな、こりゃ)
塞「……それじゃ、行きますかー」
白望「うん」
塞(……本当、優しいんだから)
39: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/20(月) 22:55:51.96 ID:zIV2uWFAO
胡桃「おいっす、お二人さん!」ギュー
エイスリン「Good morning!」ナデナデ
塞(うわ、なにそのベタベタっぷり)
塞「お、おはよー」ヒク
白望「……」フリフリ
塞「(……何かやけにベタベタしてない?)」
白望「(……昨日の帰り際に、何かしらあったのかも)」
塞「(にしたってこれは……)」
胡桃「エイちゃんは温かいなぁー」スリスリ
エイスリン「クルミ、クスグッタイ///」
塞「(……進展し過ぎじゃない?)」
白望「(……昨日のあれそれが影響してるんじゃないかなァ)」
塞「(だよねぇ……)」
40: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/20(月) 22:57:30.60 ID:zIV2uWFAO
塞(あんな話をした翌日にこれだもん……)
塞(……羨ましいな)
塞(あっ)
塞(いやいやいや!)ブンブン
塞(思ってない! そんなこと考えてないから!)
塞(私もシロに抱きつきたいとかそんなことは全然っ……ハッ!?)
「――え」
塞(いやでもシロの身体って女っぽいし、かなり抱き心地良さそう……)
「塞」
塞「!?」
塞「なななななななにっ!?」
白望「……いや、ボーっとしてたから」
塞「シロに言われると何かショックだわそれ……」ズーン
白望「え、ごめん」
41: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/20(月) 22:58:45.80 ID:zIV2uWFAO
塞「……あれ? 胡桃たちは?」
白望「先に行っちゃったよ」
塞「え!?」
白望「なんかあの二人の世界が出来上がってたから……塞がボーっとしてる内に置いていかれた」
塞「なんつーバカップルよそれ……」
白望「……まあ、仲が良いのは悪いことじゃないし」
塞「そりゃそーかもしれないけど……」
塞(……シロから見て、あの二人の関係がどう見えてるのかが重要なわけで)
42: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/20(月) 23:02:02.28 ID:zIV2uWFAO
※塞シロ組。胡エイ組と合流。
豊音「みんなーおはよー!」ブンブンッ
塞「おはー」白望「ん」
胡桃「はいはーい」スリスリ
エイスリン「オハ、ヨー!」ニコニコ
豊音「……んん?」キョトン
塞(あ、気付いた)
豊音「(……胡桃たち、何かあったのー?)」
塞「(わっかんない)」
白望「(会った時からこんな感じだったよ)」
豊音「(へぇー!)」
豊音「何だかとっても微笑ましいね!」キラキラ
塞「それは否定しないけどさー」
43: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/20(月) 23:03:58.54 ID:zIV2uWFAO
塞「っていうか、豊音は昨日一緒に帰ったんじゃないの?」
豊音「んーんー。 一緒に帰ったのは途中までだからー」
塞「じゃあ、別れた後に何かがあったのか……」
白望「……」
豊音「シロー?」
白望「……また置いてかれてるよ、私たち」
塞「また!?」
44: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/20(月) 23:05:14.92 ID:zIV2uWFAO
トコトコ
塞「うー……マイペース過ぎるでしょあの二人」
豊音「桃色の空気が流れてたねー」
塞「だよねぇ。 あんなに引っ付いちゃって、お熱いわー」
白望「……エイスリンの抱き心地の良さは認めるけどね」
塞「あれ? それさらっと凄いこと言ってない?」
豊音「確かにエイスリンさんって温かいよね!」
白望「うん」
塞「あれ!? もしや私だけ出遅れてない!?」ガビーン
45: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/20(月) 23:07:08.73 ID:zIV2uWFAO
――――学校、到着
塞「着いたァー……」
白望「……大丈夫?」
豊音「まだ授業前だけど、疲れちゃった?」
塞「だいじょぶだいじょぶ。 朝からお腹いっぱい過ぎて疲れただけだから」
胡桃「だらしないなぁ、塞はー」
塞「主にアンタらが原因だけどね……」
エイスリン「」カキカキ
エイスリン「」サッ
白望「……『具合悪いなら保健室行く?』だって」
塞「平気だって。 エイスリンは優しいなァ」ナデナデ
エイスリン「///」
胡桃「むむ!」
46: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/20(月) 23:09:19.18 ID:zIV2uWFAO
塞「じゃ、また後でねー」
白望「……うん」
エイスリン「♪」フリフリ
――――
塞「やっぱあの二人も仲良いよね」
胡桃「私とエイちゃんほどじゃないけどね!」
塞「むむ、惚けるねぇ」
胡桃「フフン!」
塞(時折、本当に同い年かと疑ってしまうのは私だけじゃないよね……?)
47: ミスった 2012/08/20(月) 23:10:58.75 ID:zIV2uWFAO
豊音「あぅぅー、一人ぼっちは寂しいよー!」グスグス
塞「いや泣くほどのことじゃ……」
胡桃「豊音ってクラスじゃ弄られキャラでしょ? 別に寂しくないじゃん」
豊音「確かにみんなみんな仲良くしてくれるけどー、塞たちと一緒にいられないのが寂しいんだよー!」グスグス
塞「はいはい。 授業中にメールしたげるから、今は我慢しときなさい」
胡桃「携帯禁止!」
塞「えー?」
48: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/20(月) 23:13:33.71 ID:zIV2uWFAO
塞「胡桃は豊音が可哀想じゃないのー?」
胡桃「規則が大事!」
塞「なら……この豊音を直視しながら同じ台詞を言ってみろー!」→豊音「うぅ~」ウルウル
胡桃「…………クッ」
胡桃「……きょ、今日だけ特別ね! と・く・べ・つ!」
塞「はいはいっと、特別特別ー」
豊音「胡桃優しいー♪」ガバッ
胡桃「うわっ、重い! トヨネ重いー!」ジタバタ
55: 1日遅れですがorz 2012/08/30(木) 21:17:18.68 ID:jNDMhyWAO
――――放課後
胡桃「さてさて、部活部活っと」
塞「おー、やる気だねぇ」
胡桃「シロたちはまだ教室かな?」
塞「どうだろね。 とりあえず覗いてみようよ」
胡桃「だね。 行こ行こー」
57: >>56ミスったので 2012/08/30(木) 21:21:18.57 ID:jNDMhyWAO
ガラガラ
塞「ん?」
塞(シロが……いない?)
胡桃「エイちゃーん!」タタタッ バッ
エイスリン「クルミ!」パァッ
胡桃「会いたかったよぉ!」スリスリ
エイスリン「ワタシモ!」ナデナデ
塞「お昼一緒に食べてたじゃん……って聞いてるわけないかー」ハァ
58: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/30(木) 21:22:22.60 ID:jNDMhyWAO
塞「エイスリン、まさかと思うけど……シロは先に部室行ったの?」
エイスリン「」フルフル
塞「だよねぇ……」
胡桃「帰ったってわけでもなさそうだね。 鞄残ってるし」
塞「エイスリンは何か聞いてる?」
エイスリン「シロ、ヨウジ、アル!」
塞「あれ、そうなの?」
エイスリン「」コクコクッ
胡桃「シロが用事……珍しいね」
塞「だねぇ」
59: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/30(木) 21:24:35.11 ID:jNDMhyWAO
胡桃「とりあえず、先に部室行ってよーか」
塞「うん。 教室で弄り倒されてるであろうトヨネを救いがてら、ね」
胡桃「エイちゃんはどうする?」
エイスリン「」カキカキ
エイスリン「」サッ
塞「……エイスリンとシロの、絵?」
胡桃「これは多分……シロから『先に行ってていいよ』って言われた的な意味じゃないかな」
エイスリン「♪」コクコクッ
塞「おお、正解っぽい!」
胡桃「フッ、さすが私」ドヤァ
塞「殴ってもいい? というか殴る」
胡桃「痛い!」ペシッ
60: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/30(木) 21:25:43.84 ID:jNDMhyWAO
胡桃「シロの鞄どうしよ」
エイスリン「ワタシ、モツ!」
塞「ならメールで伝えとこっか」スッ
胡桃「なんて?」
塞「『お前の鞄は預かった。 返してほしくば部室まで来い! byクルミ怪人』」
胡桃「なんで脅迫気味なの……しかも怪人て」
エイスリン「カイジン! モンスター!」キラキラ
胡桃「そこ喜ぶポイントなんだ!?」
61: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/30(木) 21:27:49.83 ID:jNDMhyWAO
――――
ガラガラ
塞「トヨネいるー?」
豊音「ふぇぇぇぇぇん塞ぇぇぇぇぇぇぇ!」ガバァッ
塞「うわぁ!?」胡桃「どしたのトヨネ」
豊音「みんなが意地悪するんだよぉぉぉぉ!」グスグス
塞「へー」
豊音「私のこと八尺様って呼ぶんだよぉぉぉぉ私八尺様じゃないのにぃぃぃぃぃぃ」グスグス
塞「おーよしよし」ナデナデ
豊音「うぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!」グスグス
エイスリン(カワイイ)
胡桃(かわいい)
塞(かわいい)
62: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/30(木) 21:29:08.67 ID:jNDMhyWAO
胡桃「もう……あの娘らにはまた説教しなきゃね!」
豊音「だ、ダメだよー、みんなに悪気はないんだからー」オロオロ
胡桃「どうしてトヨネが庇うの!?」
豊音「だってだってー……」オロオロ
塞「もうこれも毎度のやり取りね」
エイスリン「オナジミハ、ダイジ!」
塞「確かに、見てる分には飽きないかも」
エイスリン「♪」ニコニコ
63: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/30(木) 21:31:27.74 ID:jNDMhyWAO
――――部室
豊音「え、シロが?」
胡桃「そうそう」
塞「何か用事があるらしくてさ」
エイスリン「メズラシイ!」
塞「もしかしたら、どっかで寝てるだけかもね」ケラケラ
胡桃「あり得るよ、シロなら」
豊音「でもでもー、さっきおそーじしてる時に廊下歩いてるの見掛けたよー?」
胡桃「へー」
豊音「何となくキョロキョロしてた気がするけどー、何でだろー?」
塞「キョロキョロ、ねぇ」
64: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/30(木) 21:32:57.48 ID:jNDMhyWAO
胡桃「ま、その内来るでしょ。 ダルいダルい言ってても何気にサボったことないし」
豊音「実はしっかりものだよねー」
エイスリン「シロ、エライ!」フンス
塞「それでも基本は怠け者だけどねぇ」
豊音「アハハッ」
胡桃「間違いないねー」ケラケラ
65: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/30(木) 21:41:03.61 ID:jNDMhyWAO
塞「四人いるし、そろそろ始めよっか」
豊音「わーい!」ピョンッ ピョンッ
エイスリン「♪」ワクワク
胡桃「今日は勝つよ!」
豊音「させないよー♪」
エイスリン「マケナイ!」
塞「それじゃ場決めから行くよー」
66: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/30(木) 21:42:20.91 ID:jNDMhyWAO
――――
――
塞(……そういえば)タン
塞(シロに昨日のこと聞くの、すっかり忘れてた)
塞(朝も昼もタイミングはあったのに)
塞(昨日からどこか抜けてるな、私……)
塞(でも考えてみれば……)タン
塞(二人きりの時に聞いた方が良い気がするし……)
塞(今日の帰りでも、いいかなぁ)タン
塞「あ、それロン、7700」
胡桃「ぐぁー!」
67: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/30(木) 21:45:34.71 ID:jNDMhyWAO
――――半荘終了
豊音「トップだよー!」キャッ キャッ
塞「まあ、妥当なところかな」←二位
エイスリン「クヤシイデス……」←三位
胡桃「焼き鳥じゃないもん……一回は和了ったもん……」←四位
塞「一回の和了でもあんなに低い打点じゃ、焼き鳥と変わらないんじゃない?」ニヤニヤ
胡桃「うぐぅっ」
エイスリン「サエ、イヂワル!」
豊音「いじめっこみたいだねー」
塞「敗者に口無し、ってね!」
胡桃「うぐぐぐっ」
68: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/30(木) 21:47:12.81 ID:jNDMhyWAO
ガチャリ
白望「ごめん……遅くなった」
豊音「あっ、来たー」
エイスリン「シロ!」
胡桃「ほんとに遅いよー?」
白望「知ってる。 ……だから、これ」スッ
豊音「おぉー」
エイスリン「――ジュース!」パァッ
白望「適当だけど、受け取って……」
胡桃「はいはい、お礼は言わないよー♪」
白望「うん」
塞(……ちゃんと皆の好きな種類が揃ってる。 相変わらずというかなんというか……)
69: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/30(木) 21:48:58.95 ID:jNDMhyWAO
白望「塞も、はい」
塞「さんきゅ」
白望「はぁ……ダルかった」プルプル←腕を振る音
塞「お疲れ様」
塞「……何やってたの?」
白望「あー……うん」
白望「……気が向いたら、話す」
塞「……ん」
塞(多分、教えてくれないんだろうなぁ)
70: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/30(木) 21:50:37.46 ID:jNDMhyWAO
胡桃「それじゃあドベの私が抜けるから……シロ! 仇は任せた!」
白望「え、やだ」
胡桃「たまにはノってくれても罰は当たんないでしょ!」
白望「……ダルい」
胡桃「……ですよねー」
エイスリン「マカセテ、クルミ!」
胡桃「エイちゃん!」ガバッ
エイスリン「カタキ、トル!」ナデナデ
胡桃「うん、お願い///」ギュッ
塞「……もうお腹いっぱいなんだけど」
豊音「微笑ましくてちょーかわいいよー」
71: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/30(木) 21:58:56.72 ID:jNDMhyWAO
――――半荘、二戦目終了
白望「……ダル」←トップ
塞「意外な結果になったねー?」←二位
エイスリン「カタキ、トレナカッタ……」シュン←三位
豊音「まんまと塞がれたよー……」グスグス←四位
胡桃「エイちゃんは悪くないよ……悪いのはあのボンバーマンだよ!」ビシィッ
塞「超失礼だからそれ!」
白望「……ダル」←トップ
塞「意外な結果になったねー?」←二位
エイスリン「カタキ、トレナカッタ……」シュン←三位
豊音「まんまと塞がれたよー……」グスグス←四位
胡桃「エイちゃんは悪くないよ……悪いのはあのボンバーマンだよ!」ビシィッ
塞「超失礼だからそれ!」
72: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/30(木) 22:01:17.61 ID:jNDMhyWAO
――――帰り道
テク テク
塞(……さて)
塞(いつも通り、シロと二人で帰路についてるわけだけど)
塞(あー……)
塞(……切り出し方がわからない)
塞(ストレートに聞く? 変化球で攻める? それとも――)
白望「塞」
塞「あ、なに?」
白望「危ないよ……目の前」
塞「え?」クルッ
│電柱│←塞「うぉ!?」
白望「……前見て歩かないと」
塞「う、うん。 ありがとシロ」
73: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/30(木) 22:03:13.14 ID:jNDMhyWAO
白望「……何か悩み事?」
塞「へ?」
白望「さっきからずっと、難しい顔してるから」
塞「あー」
塞「……うん。 まあ、ちょっとね」
白望「聞かない方がいい?」
塞「んーん。 むしろ、今その悩みを解決させてもらおうかな」
白望「?」
塞「――単刀直入に聞くよ、シロ」
白望「……うん」
74: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/30(木) 22:12:36.18 ID:jNDMhyWAO
塞「昨日の帰り際、シロは妙な雰囲気だった。 その理由を、教えてほしい」
白望「……」
塞「」ジッ
白望「……」
塞「……やっぱり答えてくれない、か」
白望「……」
塞「そっか」
塞「……やっぱ、気が向くまでは、教えてくれないつもりなんだ?」
白望「……」
塞「だんまりね……」
塞「……わかった」
75: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/08/30(木) 22:14:31.44 ID:jNDMhyWAO
白望「……塞」
塞「や、ごめん。 気にしないで。 答えたくないことだって、そりゃあるよね……うん、わかってる」
白望「……」
塞「誰しも、あるものだよね。 秘密というか、言いたくないこととか……」
白望「……」
塞「……ほんと、ごめん」
白望「……塞」
塞「さっ、日も暮れてるし、とっとと帰ろーよ」
白望「……うん」
白望(……ごめん)
78: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/09(日) 16:14:26.84 ID:mKon1hlAO
――――翌日
胡桃「え、今日は部活出られないの?」
白望「うん」
豊音「どうしてー?」
白望「外せない用事があって」
エイスリン「サビシイデス……」シュン
白望「ごめんね」
塞「……」
白望「明日は普通に出られるから」
胡桃「差し入れを持ってくるなら許してあげよう!」
白望「……それはちょっとダルい」
豊音「アハハっ」
79: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/09(日) 16:15:25.89 ID:mKon1hlAO
――――授業中
教師「――であるからして……」
塞(……シロ)
塞(用事って、なんだろ)
塞(放課後に、何やってんのかな)
塞(……)
塞(どうして私は、こんなにも不安な気持ちになってるんだろう?)
塞(何があったわけでもないのに)
塞(……いや)
塞(なかったとは、言えないか)
塞(……確かにあったよね、特別なこと)
塞(やっぱりそれが……?)
塞(……)
80: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/09(日) 16:16:26.32 ID:mKon1hlAO
――――昼休み
胡桃「塞ー、お昼行くよー」
塞「ああ、うん」
胡桃「よっし、今日こそ私からエイちゃんに『あーん』してやるぞー」
塞「そうだね」
胡桃「あれ……?」
塞「どしたの?」
胡桃「あ、いや、なんでもない」
塞「?」
胡桃「(いつもなら何かしら突っ込んでくるのに……)」
胡桃「(……うーん)」
81: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/09(日) 16:17:58.87 ID:mKon1hlAO
――――
ガラガラ
胡桃「エイちゃーん!」ヒラヒラ
エイスリン「!」
エイスリン「クルミ! サエ!」パァァッ
塞「やっほー」
エイスリン「」カキカキ
エイスリン「」バッ!
塞(山? に、人が……反響?)
塞「……し、シロ翻訳!」
塞「ってあれ!? いないの!?」
胡桃「戸を開いた段階で気付かなかったの……?」
ガラガラ
胡桃「エイちゃーん!」ヒラヒラ
エイスリン「!」
エイスリン「クルミ! サエ!」パァァッ
塞「やっほー」
エイスリン「」カキカキ
エイスリン「」バッ!
塞(山? に、人が……反響?)
塞「……し、シロ翻訳!」
塞「ってあれ!? いないの!?」
胡桃「戸を開いた段階で気付かなかったの……?」
82: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/09(日) 16:20:43.48 ID:mKon1hlAO
胡桃「エイちゃんや、シロさんはどこぞに行ったのかね」
エイスリン「」チョイチョイ
胡桃「?」スッ…
エイスリン「(シロ、ヨウジ)」
胡桃「(え、また?)」
エイスリン「」コクコクッ
胡桃「(……そか、わかった)」
塞「なにコソコソ話してんの?」
胡桃「ちょっとね。 それよりシロだけど、なんか先生に呼び出されたっぽいよ?」
塞「? 何だって呼び出しなんか」
胡桃「提出物でも出し忘れれたとかじゃない? あるいは、居眠りのしすぎで指導、みたいな」
塞「ふぅん……」
塞「まあ、シロならあり得るかー」
胡桃「だよねー」ケラケラ
胡桃(後でシロに謝礼を要求しよう、うん)
83: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/09(日) 16:23:07.61 ID:mKon1hlAO
塞「」モクモグ
エイスリン「クルミ、アーン」
胡桃「あーんっ」パクッ
胡桃「んん~、おいひぃ♪」
エイスリン「♪」ニコニコ
塞「……」モクモグ
塞「……」ゴックン
塞「……」
塞(……誰かこの桃色空間どうにかして)ズーン
84: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/09(日) 16:26:39.97 ID:mKon1hlAO
――――5時限目
塞(……結局、シロは昼休みが終わるギリギリの時間まで、教室に戻ってこなかった)
塞(それとなく尋ねてみたら、同様にそれとなくはぐらかされた)
塞(胡桃たちに聞いても、困惑気味に首を傾げられた)
塞(程なくしてチャイムが鳴って、タイムオーバー)
塞(せっかくのシロと話せる機会が、また失われた)
塞(神様は……いぢわるだ)
85: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/09(日) 16:28:08.78 ID:mKon1hlAO
――――
塞(……どうしてだろう)
塞(酷く、落ち着かない)
塞(肩が重い)
塞(思考がまるで働かない)
塞(授業の内容なんて、これっぽっちも頭に入ってこなかった)
塞(……唯一頭に浮かぶのは、あいつの顔)
塞(あいつのダルそうな顔だけ)
塞(……シロ)
86: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/09(日) 16:29:31.69 ID:mKon1hlAO
塞(……息苦しい)
塞(胸の奥が、ざわめいてる)
塞(私……動揺してるの?)
塞(……どうして?)
塞(……シロが、どこか遠くに行ってしまいそうな、言い知れぬ不安を感じるから……?)
塞(そんなわけ、ない)
塞(シロが、離れていっちゃうなんて、そんな)
塞(そんなわけ……)
塞(……)
87: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/09(日) 16:34:42.57 ID:mKon1hlAO
――――放課後
胡桃「さてさて、今日も部活頑張るよー」ヨイショ
塞「……うん」
胡桃「今日こそ雪辱を晴らすからね、覚悟しておくといいよ!」
塞「……うん」
胡桃「……」
胡桃「私とエイちゃんの相性は最高だよね!」
塞「……うん」
胡桃「だめだ、完全に心ここに在らずになってる」
胡桃「塞ー? 帰ってこーい」ペチペチ
塞「……うん」
胡桃「困ったなー……」
88: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/09(日) 16:37:05.34 ID:mKon1hlAO
――――部室
胡桃「無理矢理連れてきたはいいけど……」
エイスリン「ウー……」
豊音「さ、塞ー……?」
塞「うん」ポケー……
胡桃「午後からずっとこんな感じだから、さすがに困っちゃって」
豊音「何があったのー……?」
胡桃「……私も、詳しく知ってるわけじゃないんだけどね」
胡桃「多分――」
89: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/09(日) 16:38:07.02 ID:mKon1hlAO
胡桃「とまぁ、かくかくしかじかで」
豊音「昨日のお話の延長上にあるのかなー……?」
胡桃「多分、ね」
豊音「……胡桃ー。 実は大したことじゃないかなーって、黙ってたことがあるんだー」
胡桃「なになに?」
豊音「えっとねー……」ゴニョゴニョ
胡桃「ふんふんふん…………えっ?」
90: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/09(日) 16:39:48.17 ID:mKon1hlAO
胡桃「(人を、捜してるの? あのシロが? ……誰を?)」
豊音「」コクコクッ
豊音「噂が色々あるから、『誰を』まではわからなくって。 ただ、学校中を捜し回ってるみたいなんだー」
胡桃「あのシロが、そこまでして捜す相手って……?」
豊音「何者だろうねー……」
胡桃「想像もつかないよ……」
91: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/09(日) 16:40:49.32 ID:mKon1hlAO
エイスリン「ハイ」ピンッ
豊音「?」
胡桃「どしたの、エイちゃん」
エイスリン「コタエガワカッタ、カモデス!」
胡桃「え……」
豊音「シロの捜してる人がわかったのー!?」
エイスリン「タブン!」
胡桃「じゃ、じゃあちょっと耳打ちで……」
エイスリン「エーット……」ゴニョゴニョ
92: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/09(日) 16:43:34.58 ID:mKon1hlAO
胡桃「な、なるほど……」
豊音「確かにその線が濃厚かもー……」
エイスリン「」フンス
胡桃「でも」スッ
胡桃「(それ、今の塞には伝えない方が無難かも)」
胡桃「(朝から色々と思い悩んでたみたいだし、昼休みの間も様子がおかしかったからねー……現に今だって)」チラッ
胡桃「ってあれ!?」
豊音「さ、塞がいなくなってるー!?」
エイスリン「!」
エイスリン「クルミ! トヨネ!」
豊音「うん!」
胡桃「捜さないとまずいね! 行こう!」
93: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/09(日) 16:45:58.20 ID:mKon1hlAO
――――
白望「……やっと見つけた」
――――
98: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/17(月) 22:16:42.35 ID:6kw4rfFAO
――――廊下
タッタッタッタッ
塞(……)
塞(シロに、)
塞(シロに会わなきゃ)
塞(会って、話をして)
塞(それから……)
塞(……それから?)
塞(……何で走ってんだろ、私)
塞(シロがまだ学校にいるかどうかも、わかんないのに)
塞(……)
塞(っ!)
塞(靴箱! 靴箱を見れば!)
塞(……よしっ)タッ
タッタッタッタッ
塞(……)
塞(シロに、)
塞(シロに会わなきゃ)
塞(会って、話をして)
塞(それから……)
塞(……それから?)
塞(……何で走ってんだろ、私)
塞(シロがまだ学校にいるかどうかも、わかんないのに)
塞(……)
塞(っ!)
塞(靴箱! 靴箱を見れば!)
塞(……よしっ)タッ
99: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/17(月) 22:18:09.48 ID:6kw4rfFAO
――――玄関
塞(シロの靴箱は確か……)
塞(!)
塞(外靴……)
塞(シロは、まだ学校にいるんだ)
塞(胡桃たちの話、やっぱ本当なのかも……)
塞(でも)
塞(それならなんでシロは、その子のこと……)
塞(……ダメだ)
塞(嫌な未来しか、想像できない)
塞(……会いたい)
塞(会って、直接シロに訊きたい)
塞(『何してんの?』って)
塞(……それでどう転ぶかは、わかんないけど)
塞(でも)
塞(それをしなきゃ、私は前に進めない気がするから)
塞(だから私は)
塞(……)
塞(シロの靴箱は確か……)
塞(!)
塞(外靴……)
塞(シロは、まだ学校にいるんだ)
塞(胡桃たちの話、やっぱ本当なのかも……)
塞(でも)
塞(それならなんでシロは、その子のこと……)
塞(……ダメだ)
塞(嫌な未来しか、想像できない)
塞(……会いたい)
塞(会って、直接シロに訊きたい)
塞(『何してんの?』って)
塞(……それでどう転ぶかは、わかんないけど)
塞(でも)
塞(それをしなきゃ、私は前に進めない気がするから)
塞(だから私は)
塞(……)
100: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/17(月) 22:19:43.29 ID:6kw4rfFAO
――――
――
ガラガラ
白望「……ふぅ」
白望(……ダル)
白望(慣れないこと、したもんなァ)
白望(我ながら情けない)
白望(でも……)
白望「……」
白望(……帰ろう)
――
ガラガラ
白望「……ふぅ」
白望(……ダル)
白望(慣れないこと、したもんなァ)
白望(我ながら情けない)
白望(でも……)
白望「……」
白望(……帰ろう)
101: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/17(月) 22:21:14.18 ID:6kw4rfFAO
――――廊下
トボ トボ トボ トボ
白望「」チラッ
白望(16時過ぎ、か)
白望(塞たちは、楽しく打ってるかな)
白望(んー……)
白望(……無駄な心配かァ)
白望(あ)
白望(……自販機)
白望(お財布は)スッ
白望(……軽い)
白望(……ダル)
トボ トボ トボ トボ
白望「」チラッ
白望(16時過ぎ、か)
白望(塞たちは、楽しく打ってるかな)
白望(んー……)
白望(……無駄な心配かァ)
白望(あ)
白望(……自販機)
白望(お財布は)スッ
白望(……軽い)
白望(……ダル)
102: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/17(月) 22:22:21.88 ID:6kw4rfFAO
白望(……帰ろ)
白望()トボトボ
白望(……んー)
白望(……なんか)
白望(……空しい)
白望「……はァ」
?「――――見つけた!」
白望「!」
103: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/17(月) 22:24:20.57 ID:6kw4rfFAO
白望「どうして、ここに」
白望「――塞」
塞「……シロ」
白望「……」
塞「用事があるって、言ってたよね」
塞「それ……もう済んだの?」
白望「……はァ」
白望「しくじったなァ……」
塞「……どういう、意味……?」
白望「……」
白望「ついてきて」
塞「っ」
塞「……」コクリ
104: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/17(月) 22:26:07.17 ID:6kw4rfFAO
――――他の空き教室
白望「ここなら、いいかな」
塞「」コクリ
白望「ん……」カミクシャ
白望「……本当は、明日にしようと思ってたんだけど」
塞「なにが……」
白望「まあ、いいか」
白望「これも多分、“そういうこと”なんだろうし」
塞「だからなにが」
白望「塞」
塞「っ!」ビクッ
白望「ここなら、いいかな」
塞「」コクリ
白望「ん……」カミクシャ
白望「……本当は、明日にしようと思ってたんだけど」
塞「なにが……」
白望「まあ、いいか」
白望「これも多分、“そういうこと”なんだろうし」
塞「だからなにが」
白望「塞」
塞「っ!」ビクッ
105: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/17(月) 22:27:01.97 ID:6kw4rfFAO
白望「塞は、どう思う?」
白望「……同性間の、恋愛について」
塞「!」
塞「な、なんでまたそんなこと……」オロ
白望「聞かせて」ジッ
塞「っ」
塞「私、は……」
106: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/17(月) 22:27:53.41 ID:6kw4rfFAO
塞「互いに、好き合ってるんなら……」
塞「当人たちが、受け入れているなら」
塞「……そこに、性別は関係ない……と思ってる」
塞「だって、仕方ないし」
塞「たまたま好きになった相手が同性だった、ってだけだもん」
塞「好きなものは好き。 エイスリンが言ってたように、それが真理なんじゃないかなって」
塞「そう、思ってるよ」
白望「……」
107: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/17(月) 22:31:44.15 ID:6kw4rfFAO
白望「……」
白望「塞の意見はわかった」
白望「……ごめんね」
白望「私はずるいことをした」
塞「……?」キョトン
白望「……」
白望「塞」
塞「な、なに?」
白望「……あのね」
108: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/17(月) 22:35:11.53 ID:6kw4rfFAO
白望「何となく、塞が勘違いしていそうだから」
白望「敢えて……暴露する」
塞「……」
白望「私は普段……超が付くほどの物臭だけど」
白望「……塞と、一緒にいるのは」
109: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/17(月) 22:35:42.61 ID:6kw4rfFAO
白望「……ダルくないよ」
110: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/17(月) 22:36:13.06 ID:6kw4rfFAO
塞「……え?」
111: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/17(月) 22:37:51.63 ID:6kw4rfFAO
塞「あの、えと、それって……」
白望「……ん」ギュッ
塞「ふぇっ!?」
塞(こ、腰に手を回されてっ……)
白望「――これなら、伝わる?」キュッ
塞(シロの目が、いつもとちがう……)
塞(そんな……そんな真剣な眼差し)
塞「……ずるいよ、シロぉ……」ポロ
白望「……うん、知ってる」
112: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/17(月) 22:39:19.22 ID:6kw4rfFAO
白望「……塞」
塞「…………うん」キュッ
白望「返事……聞かせてくれる?」
塞「……」
塞「……」ギュー
白望「!」
塞「えへへ……」
塞「……これじゃ、答えにならないかな?」
白望「……」
白望「大丈夫……ちゃんと、伝わってきた」キュッ
113: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/17(月) 22:40:51.28 ID:6kw4rfFAO
塞「……」ギュウー
白望「ん……」
塞「心臓、早くなってるよ」
白望「塞こそ」
塞「……バレたか」クスクス
白望「体……温かいね」
塞「そりゃあ……シロに抱き締められてるし?」
白望「照れてるってこと?」
塞「有り体に言えばそうなる」
白望「言わなくてもそうなるよ?」
塞「う、うるさいな///」
114: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/17(月) 22:42:14.14 ID:6kw4rfFAO
塞「それより……ごめんね」
白望「なにが」
塞「や、その……私」
白望「誰も悪くない」
白望「悪くないから」
白望「……謝らないで」ナデナデ
塞「……そういうの、本当ズルいよ」カァァ
白望「そう?」
白望「……そうかもね」ナデナデ
塞「……///」
115: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/17(月) 22:43:00.68 ID:6kw4rfFAO
白望「もう一つ、おまけに暴露しとこう」
塞「なに……?」
白望「実は私のコレは……三年前から」
塞「……え?」
塞「こ、“コレ”って……“ソレ”?」
白望「うん」
塞「ええええええ!?」
白望「そんなに驚くこと?」
塞「びっくりもするでしょ!?」
塞「だってっ……だって……」
塞「シロが、三年も前から私のこと…………なんて///」
116: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/17(月) 22:44:17.78 ID:6kw4rfFAO
白望「迷ってたから」
塞「う、ん」
白望「ずっとずっと、迷ってたから」
白望「……麻雀の時みたいに」
白望「……迷って、迷って、迷い続けて」
白望「ようやく最近、決心がついたんだ」
塞「うぅ~……///」
117: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/17(月) 22:45:27.10 ID:6kw4rfFAO
白望「質問していい?」
塞「……答えられる範囲なら」
白望「塞は、いつから?」
塞「それは答えられない範囲」
白望「不公平」ジッ
塞「は、恥ずかしいから……」テレ
白望「答えないと」
塞「……ないと?」
白望「……塞いじゃうよ?」
塞「だからそーいうのズルいってぇ……///」
118: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/17(月) 22:49:20.36 ID:6kw4rfFAO
白望「ごー、よーん、」
塞「うっ」
白望「さーん、にーい、」
塞「うぅぅっ」
白望「いーち、」スッ
塞「に、二年前!」
白望「ん……」ちゅっ
塞「んん!?」
119: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/17(月) 22:50:12.59 ID:6kw4rfFAO
塞「けけけ結局するんじゃない!///」
白望「コンマ2秒、言うのが遅かった」
塞「そんなのズルい!」
白望「ズルい、って今日だけで何回言ったかな」
塞「シロがそーゆーことばっかりするからでしょー……」
白望「それにしても」
白望「二年前かァ……」
塞「う……」カァァ
120: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/17(月) 22:51:14.18 ID:6kw4rfFAO
白望「きっかけは?」
塞「……ヤダ、言いたくない」
白望「また塞い」
塞「にっ、2年に進級した時にっ」
塞「……シロとクラスが別れてから、色々あって」
白望「色々って?」
塞「い、色々はいろいろ……」
白望「詳しく聞きたい」
塞「なんでこーゆー話題に限ってそんな積極的なの!?」
白望「好きな人の話が気になるのは当たり前のことじゃ」
塞「っ~~!!」カァァ
塞「バカ! シロのアホ! タラシ!」
白望「……タラシは心外だなァ」
121: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/17(月) 22:52:23.07 ID:6kw4rfFAO
塞「そ、そういうシロは……どうなのよ」
白望「気になるの?」
塞「当たり前でしょ! だってその、私はシロが……」モジモジ
白望「……かわいい」ボソッ
塞「そっ、そーゆーのはいいから! きっかけ!」
白望「直感的に」
塞「えっ?」
白望「一目見た瞬間、思ったんだ」
白望「『私この人好きだ』って」
塞「そ、それってっ」
白望「一目惚れに近いかなァ」
塞「あぅぅ///」
122: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/17(月) 22:53:50.60 ID:6kw4rfFAO
塞「なにそれ、何なのよそれぇっ///」ジタバタ
白望「本当のことだよ」
塞「くぅぅっ!」ドタバタ
白望「塞ちょっと落ち着いて」
塞「ムリに決まってるでしょ!」
白望「……わかった」
ギュッ
塞「あっ……」
白望「力ずくで、黙らせよう」ナデナデ
塞「っ~~……」カァァ
123: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/17(月) 22:54:51.36 ID:6kw4rfFAO
塞「……なんか、さっきから抱き合ってばっかりだね、私たち」
白望「嫌?」
塞「ううん」フルフル
塞「むしろ…………好き」
白望「よかった」ナデナデ
塞「ん……」
124: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/17(月) 22:56:12.06 ID:6kw4rfFAO
塞「ねぇ、シロ」
白望「なに?」
塞「……さっきまで、どこで何をしていたの?」
白望「……多分、塞の想像通りだと思うけど」
塞「……告白してきた子に関係することだよね?」
白望「うん」
塞「……何のために?」
白望「ケジメをつけるために」
塞「そっか……」
白望「……あの子には、酷なことをした」
塞「……だとしても」
塞「それが、シロなりの誠意の見せ方だったんでしょ?」
塞「なら、それで十分だと思うんだけどなァ……」
白望「塞……」
白望「……ありがと」キュッ
塞「ん」
125: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/17(月) 22:59:06.61 ID:6kw4rfFAO
白望「塞」
塞「ん?」
白望「目、閉じて」
塞「ん……わかった」スッ
白望「……」チュッ
塞「んっ」
塞(シロの手が、頭の後ろに回って……)
塞(優しく撫でられて……)
塞(なんか……頭ん中ふわふわしてきちゃう)
126: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/17(月) 23:03:42.34 ID:6kw4rfFAO
塞(あー……まずいなぁ……)ギュウ
塞(このままずっと抱きついてたいなー……)ギュウウ
塞(……シロの体、色々と柔らかいしさー)ギュウウウ
白望「塞」
塞「なぁにー?」
白望「甘えてくれるのは、嬉しいんだけどさ」
塞「んー」
白望「――部活、戻んなくていいの?」
塞「えー?」
塞「……」
塞「……」チラッ→時計見る
塞「……」
塞「完っ全に忘れてたー!!」
――――
127: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/17(月) 23:07:36.69 ID:6kw4rfFAO
――――
エイスリン「サーエー!」
豊音「どこにいるのー? おーい!」
胡桃「はぁー……見つからないねぇ」
豊音「もう帰っちゃったのかなー?」
胡桃「いや、靴箱に外靴残ってたし、校内のどっかにいるのは間違いないよ」
エイスリン「……チョット、ツカレマシタ」シュン
胡桃「うーん……とりあえず一回部室に戻ろっか? もしかすると、戻ってきてるかも」
豊音「はーい……」
――――
エイスリン「サーエー!」
豊音「どこにいるのー? おーい!」
胡桃「はぁー……見つからないねぇ」
豊音「もう帰っちゃったのかなー?」
胡桃「いや、靴箱に外靴残ってたし、校内のどっかにいるのは間違いないよ」
エイスリン「……チョット、ツカレマシタ」シュン
胡桃「うーん……とりあえず一回部室に戻ろっか? もしかすると、戻ってきてるかも」
豊音「はーい……」
――――
128: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/17(月) 23:09:16.99 ID:6kw4rfFAO
――――
白望「部室、戻らないの?」ポンポン
塞「……ダルくて動けないー」ギュー
白望「それ私の台詞……」
塞「おんぶしてー……」
白望「……」スッ
塞「なんてね。 今いk……ってうわっ!?」
白望「部室、連れてくから」ヒョイ
塞「あわわわっ」
塞(本当におんぶされちゃったよ///)
白望「私の鞄持っててくれる?」
塞「え、あっ、はい」
白望(塞、軽いなァ……)
塞(シロ、温かいなァ……)
白望「部室、戻らないの?」ポンポン
塞「……ダルくて動けないー」ギュー
白望「それ私の台詞……」
塞「おんぶしてー……」
白望「……」スッ
塞「なんてね。 今いk……ってうわっ!?」
白望「部室、連れてくから」ヒョイ
塞「あわわわっ」
塞(本当におんぶされちゃったよ///)
白望「私の鞄持っててくれる?」
塞「え、あっ、はい」
白望(塞、軽いなァ……)
塞(シロ、温かいなァ……)
129: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/17(月) 23:11:01.74 ID:6kw4rfFAO
トボ トボ
塞「ね、ねぇ、やっぱり自分で歩くから下ろしてっ」
白望「ダメ」
塞「なんで!? いくら人気がないからって、さすがに恥ずかしいんだけど!」
白望「私がやりたいからおんぶしてる。 はい、交渉決裂」
塞「シロのくせにアグレッシブすぎる!!」
白望「まあまあ」
塞「しかも適当に押し切られるだなんて……っ!?」
130: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/17(月) 23:13:32.98 ID:6kw4rfFAO
――――部室前
白望「とーちゃく」
塞「そうこうしてる内に着いてしまった……」
白望「塞、鞄ありがとう」
塞「あ、こちらこそ」
塞「って何かこのやり取り妙じゃない!?」
白望「ほら、入ろう」
塞「しかもいつも以上にマイペースだね!?」
白望「入らないの?」
塞「ま、待ってっ……色々と心の準備が……さっきなんて部室飛び出してきちゃってたし……」
白望「……」
白望「とーちゃく」
塞「そうこうしてる内に着いてしまった……」
白望「塞、鞄ありがとう」
塞「あ、こちらこそ」
塞「って何かこのやり取り妙じゃない!?」
白望「ほら、入ろう」
塞「しかもいつも以上にマイペースだね!?」
白望「入らないの?」
塞「ま、待ってっ……色々と心の準備が……さっきなんて部室飛び出してきちゃってたし……」
白望「……」
131: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/17(月) 23:14:28.94 ID:6kw4rfFAO
白望「」クルッ
塞「シロ? 急に振り返って、どうし――」
チュッ
塞「っ!?」
白望「……ん……」
塞「ん、んっ……ちゅっ……」
塞「……ぷはっ」
塞「な、なんなの!?」カァァ
白望「……」
132: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/17(月) 23:15:52.47 ID:6kw4rfFAO
白望「隠すつもりなんて、ないからね」
塞「……え?」
白望「部活中でも、堂々といちゃつきたいし」
塞「や、そっそれはさすがに控えた方が、ねっ!?」
白望「どうして?」
塞「そりゃ、恥ずかしいから……」
白望「ならなおさらいちゃつかないと」
塞「なんで!?」
白望「……照れ顔が見たいから?」
塞「却下! ぜったい却下!///」
白望「無効」
塞「なんで!?」ガビーン
白望「私が法だから」
塞「意味わかんないだけどっ///」
133: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/17(月) 23:17:19.25 ID:6kw4rfFAO
塞「もう……」
塞「わかったよ……」
塞「……皆になんて説明しよっか?」
白望「……適当に」
塞「相変わらず無計画なのね……」タハハ
白望「……あ」
塞「どうしたの?」
白望「差し入れ……持ってきてない」
塞「……明日の予定だったし、別にいいんじゃない?」
白望「胡桃に叱られる……」
塞「っていうか私も叱られるわ……多分」
白望「塞と一緒ならいいや」
塞「切り替え早いね……嬉しいけどさ」
134: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/17(月) 23:19:58.70 ID:6kw4rfFAO
白望「……そろそろ入ろうよ」
塞「そうだね……うん、覚悟決めた!」
白望「行けそう?」
塞「平気平気! シロこそダルくない?」
白望「大丈夫だよ」
白望「何があっても」
白望「塞と一緒なら」
白望「……ダルくないから」
塞「……うんっ」
カン!
140: 後日談(蛇足) 2012/09/29(土) 23:22:19.51 ID:HPp3YEFAO
塞「あ、こら。 髪の毛触っちゃダメだってば」
白望「……なんで?」
塞「集中できないのっ。 そーゆーのは後でいくらでもしていいから今は、ね?」
白望「……待つのがダルい」
塞「そう言われてもねー……んー」
塞「あ、そうだ」ピンッ
塞「シロ、手出して」
白望「……」スッ
塞「ん、それをこう、私のお腹の方へ回して……」
白望「あ」
塞「じゃじゃんっ。 どう? 胡桃にしてたみたいに、この密着感があればちょっとは我慢できない?」
白望「いい、凄くいい」bグッ
塞「でっしょー?」ニコニコ
胡桃「ちょっと待てそこのお二人さん!!」
141: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/29(土) 23:24:01.81 ID:HPp3YEFAO
塞「なにー?」ニコニコ
白望「どうしたの胡桃」
胡桃「今っ、私たちは何をしてる最中だっけ!?」
白望「?」キョトン
塞「麻雀だけど?」キョトン
胡桃「そうだね! 対局中だね! じゃあお二人さんは何をしてるのかな!?」
塞「何って……」
白望「抱っこして座ってるだけだよ?」
胡桃「それが問題だって言ってるんだよこのお惚けコンビがぁ!!」
豊音(胡桃たちも人のこと言えないと思うんだけどなー?)
142: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/29(土) 23:25:18.37 ID:HPp3YEFAO
エイスリン「フタリハ、ナカヨシ!」
エイスリン「デモ!」
エイスリン「ワタシト、クルミモ、ナカヨシ!」
エイスリン「♪」bグッ
胡桃「あぁっ、エイちゃんの笑顔は天使のようだよぅ///」
エイスリン「クルミ///」
塞「……人のこと言えないよねぇ?」
白望「うん」ナデナデ
塞「ぁ、こら、くすぐったいってー」ニコニコ
白望「ぐーぜんぐーぜん」
塞「アハハっ、何それ~」
豊音(目の保養だよー)ホクホク
143: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/29(土) 23:27:12.68 ID:HPp3YEFAO
――――休日
ピンポーン
白望「ちわー」
塞「はいはーい」
ガチャリ
塞「いらっしゃーい」
白望「お邪魔します」ペコリ
塞「邪魔するんなら帰ってねー」
白望「どこで大阪のノリを覚えたの?」
塞「たまたまテレビで」テヘペロ
白望「かわいい」
塞「いいから上がってよ///」
144: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/29(土) 23:29:03.96 ID:HPp3YEFAO
白望「あれ、親御さんは?」
塞「可愛い一人娘をほっぽり出してラブラブデート、だってさー」
白望「……ふーん」
塞「シロ?」
白望「なに?」
塞「あ、いや、なんでもないんだけど」
塞(……?)
145: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/29(土) 23:31:19.87 ID:HPp3YEFAO
塞「シロがウチに来るのなんて久しぶりだねー」
白望「うん」
塞「あはは、なんか恥ずかしいなー」ホッペポリポリ
白望「模様替えした?」
塞「うん。 ちょっとだけね」
白望「……ぬいぐるみが増えてる」
塞「集めてるつもりはないんだけど、つい」タハハ
白望「塞っぽくて、いいと思う」
塞「そう、かな? 自分じゃよくわかんないけど」
白望「温かい空間というか……とにかく落ち着く」
塞「あはは。 ありがと」
146: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/29(土) 23:33:12.87 ID:HPp3YEFAO
塞「ね、シロ」
白望「なに?」
塞「その……隣、座ってもいいかな?」
白望「……もちろん」
塞「ん……」スッ
白望「……」
塞「……」
塞(……無言でいるのが、気まずくない)
塞(むしろ、心地いいくらい)
塞「……」トン
塞(シロに寄り掛かっちゃった……重かったり、しないよね?)
白望「……」トン
塞(!)
塞「……えへへ」
147: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/29(土) 23:35:32.09 ID:HPp3YEFAO
塞「……」
白望「……」スス
塞「?」
白望「……」ギュッ
塞「!」
塞(シロに、手握られちゃった)
白望「……」キュッ
塞(しかも恋人繋ぎ……)
塞(……恥ずかしい)カァァ
148: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/29(土) 23:36:53.81 ID:HPp3YEFAO
白望「……」
塞「……」
白望「……」
塞「……」
白望「……」
塞「……」
白望「……」
塞「……なんか」
白望「……うん」
塞「……心地好すぎて」
白望「……眠くなるね」
塞「……えへへ」キュッ
149: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/29(土) 23:38:37.07 ID:HPp3YEFAO
塞「……このまま寝ちゃう?」
白望「……それも、魅力的だけど」
塞「……なんかやりたいことでもあるの?」
白望「……うん」
塞「なに?」
白望「……ただ」
白望「ただ、塞に触れていたいな」
塞「シロ……」カァァ
150: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/29(土) 23:43:26.31 ID:HPp3YEFAO
塞「……ね、こっち向いて」
白望「……」
チュッ
白望「……塞?」
塞「えへへ」
塞「まだ、私からしてないなって思ってさ」
白望「……」
白望「次は、私から」スッ
塞「ん……」
塞「……なら、お返しってことで」スッ
白望「んんっ……」
白望「……じゃあお返しのお返しで」スッ
塞「んむっ――」
――――
――
151: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/29(土) 23:45:12.78 ID:HPp3YEFAO
塞「……んー」
塞「どのくらい、経ったかな……?」
白望「たぶん……一時間くらい」
塞「あはは……」
塞「……いちゃつき過ぎかな?」
白望「……まだ足りないよ?」
塞「……実は、私も」カァァ
白望「塞……」
白望「……おいで」スッ
塞「……」コクッ
152: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/29(土) 23:46:33.95 ID:HPp3YEFAO
――――夕刻
塞「お腹、空いちゃったね」
白望「うん」
塞「簡単なものなら作れるけど」
白望「食べたい」
塞「ならリビング行こっか」
白望「ん」
塞「お腹、空いちゃったね」
白望「うん」
塞「簡単なものなら作れるけど」
白望「食べたい」
塞「ならリビング行こっか」
白望「ん」
153: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/29(土) 23:48:41.26 ID:HPp3YEFAO
白望「ご馳走さまでした」
塞「ん、お粗末さまー」
塞「……あっ」
白望「どうしたの?」
塞「や、別に」
塞(今のやり取り、なんか夫婦みたいだったな///)
白望「……」
白望「小瀬川塞」ボソッ
塞「!?」
白望「どうしたの?」
塞「え、あっ、いや今、え?」
154: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/29(土) 23:49:23.92 ID:HPp3YEFAO
白望「ご馳走になったし、洗い物は私がしていい?」
塞「ええっ、いいって、私がするよー」
白望「だめ」
塞「なんで?」
白望「エプロンした塞の後ろ姿は凶悪だから」
塞「何それ///」
155: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/29(土) 23:50:25.35 ID:HPp3YEFAO
\You got a mail ! /
塞「あ」
塞(お母さんからだ)
塞(えーと)
塞(……)
塞(えっ)
156: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/29(土) 23:51:48.68 ID:HPp3YEFAO
カチャッ
白望(おしまい、っと)
白望(二人分だから、言うほど洗うモノ多くなかったなァ)
白望「んー」フキフキ
白望「よし」
白望「塞ー、洗い物終わっ――」
塞「シロ!」
白望「……慌ててどうしたの?」
157: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/29(土) 23:53:55.43 ID:HPp3YEFAO
塞「えっと……えっとね……あの、」
白望「深呼吸、深呼吸」
塞「うんっ」スーハー スーハー
白望「落ち着いた?」
塞「……うん。 ちょっとだけ落ち着いた」
白望「……それで、どうしたの?」
塞「えっと――」
158: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/29(土) 23:55:20.43 ID:HPp3YEFAO
白望「親御さん、今日は帰ってこれないんだ」
塞「お父さんがお酒飲みすぎてべろんべろんらしくって……恥ずかしい親なんだからっ」
白望「……」
塞「だから、ものは相談なんだけど……その」
白望「……ねぇ」
塞「え? な、なに?」
白望「――今日、泊まっていってもいい?」
塞「……へっ?」
159: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/30(日) 00:00:05.63 ID:XdqeBuMAO
塞「あ、ぅ、ぇっ」
白望「こんな時間に、年頃の女の子が家で一人ぼっちだなんて不安だし」
白望「塞を、一人ぼっちにさせたくないし」
白望「何より……私がもっと塞と一緒にいたいから」
白望「……ダメかな」
塞「……」
塞「ううん……」フルフル
ル塞「……ありがと、シロ」
塞「もちろんっ、大歓迎だよ!」
160: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/30(日) 00:00:52.53 ID:XdqeBuMAO
塞(とは言ったものの……)
塞(どうしよ……)
塞(あれからしばらく経ったのに、シロの顔を一度も直視できないでいる)
塞(なんでって?)
塞(そんなの恥ずかしいからに決まってるでしょ!///)
塞(いざこうなると必要以上に意識しちゃうというか)
塞(一夜をシロと過ごせるんだって思うと心臓が破裂しそうになるというかっ)
塞(あ~ぅ~……///)
161: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/30(日) 00:01:46.67 ID:XdqeBuMAO
白望「塞」
塞(うぅ……)モジモジ
白望「塞?」
塞(どきどきが止まんないよぉ……)モジモジ
白望「……」
塞(もしかしたらもしかするかもしれないんだから、色々と覚悟し――)
チュッ
塞「……」
塞「!?」
162: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/30(日) 00:03:27.35 ID:XdqeBuMAO
塞「ふっ、不意打ちはダメだって前にあれほど!///」カオマッカ
白望「塞がさっきからずっとぼんやりしてるから」
塞「あっ、ぅ……」
白望「テンパりすぎ」
塞「でも、でもぉ……」
白望「……」
163: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/30(日) 00:04:34.24 ID:XdqeBuMAO
白望「ねぇ」
白望「塞は明日、用事とかあるの?」
塞「……なんにもないよ」
白望「そっか……よかった」
塞「……なんで?」
白望「――今夜は寝かせないから」
塞「っっ!?」
164: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/30(日) 00:05:37.94 ID:XdqeBuMAO
塞「シ、シロ、それってどういう」
白望「……こういう意味」スッ
塞「ひぅっ!?」
塞(シロの手が、私の身体にっ///)
白望「ベッド……行こっか」
塞「はぃ……///」
カン
165: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2012/09/30(日) 00:15:50.46 ID:XdqeBuMAO
今度こそ終わりです
感想くださった方々、ありがとうございました
後日談は、ただいちゃつかせたかっただけでした
書いててニヤけちゃって我ながらキモかったです、まる
シロ塞好きが増えたらいいなぁ……
では、またどこかのスレで
感想くださった方々、ありがとうございました
後日談は、ただいちゃつかせたかっただけでした
書いててニヤけちゃって我ながらキモかったです、まる
シロ塞好きが増えたらいいなぁ……
では、またどこかのスレで
171: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) 2012/10/03(水) 14:28:13.02 ID:wpUsZ2ceo
おっつー
この記事へのコメント
シロさんさすがやでぇ
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- 名無しさん - 2012年10月10日 21:15:55