スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
田中「沖田、本当に行っちまうんだな」
引用元: http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1349758914/
3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 14:05:56.40 ID:zXrg6v800
奥都「紗羽、来月で学校辞めるってホント!?」
紗羽「うん。一応、卒業扱いだけどね」
有田「えー!? じゃ、卒業式も出れないの!?」
紗羽「ごめんね。もう、決めちゃったから」
奥都「うそー……マジなんだ……」
有田「紗羽の隠れファンクラブ会員たちが泣くよ?」
紗羽「そんなの居ないって! もー。」
田中「……」
紗羽「うん。一応、卒業扱いだけどね」
有田「えー!? じゃ、卒業式も出れないの!?」
紗羽「ごめんね。もう、決めちゃったから」
奥都「うそー……マジなんだ……」
有田「紗羽の隠れファンクラブ会員たちが泣くよ?」
紗羽「そんなの居ないって! もー。」
田中「……」
4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 14:07:02.25 ID:zXrg6v800
ウィーン「どうしたの、大智」
田中「……いや、別に」
来夏「なになに、田中くん。いっちょ前に寂しがってんの?」
田中「……なんのことだよ」
来夏「だって、田中のその眼。完全に、飼い主に置いてけぼりくらう犬みたいだよ」
田中「なんだそりゃ」
来夏「まー、あんた達もいいコンビだったからねぇ」
和奏「いつも無神経なこと言ってた印象だけどね」
田中「いきなり出てきてひでぇこと言うな、坂井」
ウィーン「……来月……までなんだね」
来夏「ウィーンまで。どうした、にくレッドの情熱は!」
ウィーン「……うん。」
田中「……いや、別に」
来夏「なになに、田中くん。いっちょ前に寂しがってんの?」
田中「……なんのことだよ」
来夏「だって、田中のその眼。完全に、飼い主に置いてけぼりくらう犬みたいだよ」
田中「なんだそりゃ」
来夏「まー、あんた達もいいコンビだったからねぇ」
和奏「いつも無神経なこと言ってた印象だけどね」
田中「いきなり出てきてひでぇこと言うな、坂井」
ウィーン「……来月……までなんだね」
来夏「ウィーンまで。どうした、にくレッドの情熱は!」
ウィーン「……うん。」
5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 14:08:00.96 ID:zXrg6v800
田中「……宮本」
来夏「ん? なに?」
田中「お前は、寂しくねぇのか?」
来夏「……」
和奏「田中、それは……」
来夏「寂しいよ」
田中「!」
来夏「寂しくて仕方ないよ。けど、だからって、暗くなる必要はないでしょ? 寂しがる表現って、一つじゃないと思うし」
来夏「あたしがもし、逆の立場だったら。どんより、悲しい雰囲気のまま、学校生活を終わらせたくない。」
来夏「だから、紗羽にそう思って欲しくないから。明るく、楽しく過ごすの」
和奏「……」
田中「……悪い」
来夏「ん? なに?」
田中「お前は、寂しくねぇのか?」
来夏「……」
和奏「田中、それは……」
来夏「寂しいよ」
田中「!」
来夏「寂しくて仕方ないよ。けど、だからって、暗くなる必要はないでしょ? 寂しがる表現って、一つじゃないと思うし」
来夏「あたしがもし、逆の立場だったら。どんより、悲しい雰囲気のまま、学校生活を終わらせたくない。」
来夏「だから、紗羽にそう思って欲しくないから。明るく、楽しく過ごすの」
和奏「……」
田中「……悪い」
6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 14:10:20.79 ID:zXrg6v800
来夏「だーかーら! それが暗いってーの! ほれ、いつものようにいじってみなよ!」
田中「……そうだな。わかったよ、つるぺた」
来夏「そうそう、そんな風にチビって……つるぺたぁ!? なんじゃそれ!?」
田中「事実だろ」
来夏「むきー! チビって言われるよりよっぽど腹立つんだけど!」
ウィーン「和奏、つるぺたって?」
和奏「あー……えっと……」
紗羽「何騒いでんの?」
来夏「あ、紗羽! 聞いてよ! 田中がセクハラしてきた!」
紗羽「セクハラ?」
田中「……そうだな。わかったよ、つるぺた」
来夏「そうそう、そんな風にチビって……つるぺたぁ!? なんじゃそれ!?」
田中「事実だろ」
来夏「むきー! チビって言われるよりよっぽど腹立つんだけど!」
ウィーン「和奏、つるぺたって?」
和奏「あー……えっと……」
紗羽「何騒いでんの?」
来夏「あ、紗羽! 聞いてよ! 田中がセクハラしてきた!」
紗羽「セクハラ?」
9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 14:12:52.60 ID:zXrg6v800
ウィーン「大智が、来夏につるぺた、って。どういう意味かな?」
紗羽「うわー、それはサイテーだわ」
田中「いや、それは……その……ノリっつーか……」
紗羽「モジモジしてキモイよ。なに、田中は大きい方が好きなの?」
田中「なっ……! ば、バカかお前!?」
紗羽「じゃ、小さい方?」
ウィーン「……ねえ、来夏。大きいとか小さいとか、どういうこと? 来夏に関係しているの? 来夏はどっち?」
和奏「それは……あはは。ね、来夏」
来夏「ウィーン。天然であたしにダメージ与えるのやめてくれるかな……」
田中「どっちでもいいだろ! ったく……」
来夏「よくない! かなり重要だから、そこ!」
田中「はいはい」
紗羽「うわー、それはサイテーだわ」
田中「いや、それは……その……ノリっつーか……」
紗羽「モジモジしてキモイよ。なに、田中は大きい方が好きなの?」
田中「なっ……! ば、バカかお前!?」
紗羽「じゃ、小さい方?」
ウィーン「……ねえ、来夏。大きいとか小さいとか、どういうこと? 来夏に関係しているの? 来夏はどっち?」
和奏「それは……あはは。ね、来夏」
来夏「ウィーン。天然であたしにダメージ与えるのやめてくれるかな……」
田中「どっちでもいいだろ! ったく……」
来夏「よくない! かなり重要だから、そこ!」
田中「はいはい」
10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 14:15:40.08 ID:zXrg6v800
紗羽「……あ、そうだ。みんな、今日一緒に帰らない?」
来夏「いいね! ……っていきたいところなんだけど」
和奏「受験、もうすぐだしね」
ウィーン「和奏も、受験勉強してるの?」
和奏「うん。私の学力じゃまだ厳しいんだけど、一回受けてみるのも良いかも、って」
来夏「驚きだよね、この発言があの教頭先生から出て来たんだよ?」
紗羽「白祭終わってから、そんなもんじゃない?」
田中「あの冷血漢が、よくあそこまで穏やかになったもんだよな」
和奏「冷血『漢』じゃないけどね」
紗羽「ウィーンと田中は?」
来夏「いいね! ……っていきたいところなんだけど」
和奏「受験、もうすぐだしね」
ウィーン「和奏も、受験勉強してるの?」
和奏「うん。私の学力じゃまだ厳しいんだけど、一回受けてみるのも良いかも、って」
来夏「驚きだよね、この発言があの教頭先生から出て来たんだよ?」
紗羽「白祭終わってから、そんなもんじゃない?」
田中「あの冷血漢が、よくあそこまで穏やかになったもんだよな」
和奏「冷血『漢』じゃないけどね」
紗羽「ウィーンと田中は?」
12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 14:18:05.98 ID:B849Fd5G0
奧都、有田って誰?
13: 一話で出てきた、モブ二人です。 2012/10/09(火) 14:18:49.51 ID:zXrg6v800
ウィーン「僕も、今日はごめん。家の近くで、本屋に寄って帰るつもりだったから」
来夏「何買うの?」
ウィーン「パークスの本を。」
和奏「パックス?」
ウィーン「パークス。平和の神様の名前だよ」
来夏「ふーん。流石は正義と平和のヒーローだね」
田中「俺は暇だぞ。特にやることないし」
和奏「さすが推薦合格者……」
来夏「おや~? って、ことは二人きりで下校ですか? ふふふ」
田中「は!?」
紗羽「何変なこと考えてんの。友達なんだから、別にいいじゃない」
田中「ああ……そう……だな」
来夏「何買うの?」
ウィーン「パークスの本を。」
和奏「パックス?」
ウィーン「パークス。平和の神様の名前だよ」
来夏「ふーん。流石は正義と平和のヒーローだね」
田中「俺は暇だぞ。特にやることないし」
和奏「さすが推薦合格者……」
来夏「おや~? って、ことは二人きりで下校ですか? ふふふ」
田中「は!?」
紗羽「何変なこと考えてんの。友達なんだから、別にいいじゃない」
田中「ああ……そう……だな」
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 14:20:56.28 ID:zXrg6v800
和奏「ん。そろそろ予鈴なるし、席に戻るね」
ウィーン「じゃ、僕も」
来夏「はー。初っ端から世界史かー。眠たくなるなー……」
紗羽「受験生がそんな愚痴言わないの。ほら、席戻りなよ」
来夏「はーい」
紗羽「それじゃ、田中。放課後よろしくね」
田中「おう」
田中(友達……か。そりゃそうだよな。俺が宮本や坂井と同じことになったら、きっと同じように言うだろうし)
ウィーン「じゃ、僕も」
来夏「はー。初っ端から世界史かー。眠たくなるなー……」
紗羽「受験生がそんな愚痴言わないの。ほら、席戻りなよ」
来夏「はーい」
紗羽「それじゃ、田中。放課後よろしくね」
田中「おう」
田中(友達……か。そりゃそうだよな。俺が宮本や坂井と同じことになったら、きっと同じように言うだろうし)
18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 14:24:01.71 ID:zXrg6v800
田中(変な勘違いをさせない予防線なんだろうけど……ショックっちゃショックだな)
田中(そもそも。俺だって、沖田のこと意識し始めたのも最近だし)
田中(今までは、普通に男女の友達って関係だったんだから。当たり前だろうな)
田中(…………沖田、本当に行っちまうんだな)
田中(友達も、家も、全部置いて。自分の夢を叶えるために)
田中(……かっこいいよな。すげえよ。俺には絶対選べない道だ)
田中(だったら、やっぱり応援……しねえとな)
――――放課後、駐輪場にて。
紗羽「そういえば、田中もチャリ通だったよね」
田中「ああ」
田中(そもそも。俺だって、沖田のこと意識し始めたのも最近だし)
田中(今までは、普通に男女の友達って関係だったんだから。当たり前だろうな)
田中(…………沖田、本当に行っちまうんだな)
田中(友達も、家も、全部置いて。自分の夢を叶えるために)
田中(……かっこいいよな。すげえよ。俺には絶対選べない道だ)
田中(だったら、やっぱり応援……しねえとな)
――――放課後、駐輪場にて。
紗羽「そういえば、田中もチャリ通だったよね」
田中「ああ」
20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 14:27:12.15 ID:zXrg6v800
紗羽「前に思ったんだけど、馬で通学ってダメなのかな」
田中「は?」
紗羽「自転車使うより、かなり早く来れたんだよね」
田中「あー……そういやお前、一回馬で来たことあったな」
紗羽「馬で きた」
田中「……なんだ、そのヤンキーみてーなポーズ」
紗羽「知らない? ネットで有名な画像なんだけど」
田中「あんま見ねーから、わからん」
紗羽「そっか」
田中「うし、じゃ帰るか」
紗羽「あ、自転車乗っちゃうんだ」
田中「え? そりゃそうだろ」
紗羽「こーいう時は、歩いて帰るもんじゃない?」
田中「は?」
紗羽「自転車使うより、かなり早く来れたんだよね」
田中「あー……そういやお前、一回馬で来たことあったな」
紗羽「馬で きた」
田中「……なんだ、そのヤンキーみてーなポーズ」
紗羽「知らない? ネットで有名な画像なんだけど」
田中「あんま見ねーから、わからん」
紗羽「そっか」
田中「うし、じゃ帰るか」
紗羽「あ、自転車乗っちゃうんだ」
田中「え? そりゃそうだろ」
紗羽「こーいう時は、歩いて帰るもんじゃない?」
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 14:29:35.32 ID:zXrg6v800
田中「そ、そう……なのか?」
紗羽「うん。なんとなく。雰囲気の話だけど」
田中「……ま、それがいいなら。それで」
紗羽「うん」
――――――――
田中「……」
紗羽「……」
田中「……なぁ」
紗羽「ん?」
田中「前から思ってたんだけど」
紗羽「うん。なんとなく。雰囲気の話だけど」
田中「……ま、それがいいなら。それで」
紗羽「うん」
――――――――
田中「……」
紗羽「……」
田中「……なぁ」
紗羽「ん?」
田中「前から思ってたんだけど」
25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 14:32:22.91 ID:zXrg6v800
紗羽「なに? 告白?」
田中「ち、ちげえよ!」
紗羽「なんだ、残念。で?」
田中「お前さ。何で、指定の靴履かねぇの?」
紗羽「ああ。だって動きにくいじゃん。革靴って」
田中「そりゃ、運動するためのもんじゃないし」
紗羽「と言ってる田中も、スニーカーでしょ?」
田中「革靴じゃ、自転車が漕ぎにくいからな」
紗羽「結局、わたしと同じ理由じゃない」
田中「……たしかに。」
紗羽「わたしね、毎朝サブレと散歩してから学校来てるんだ」
田中「へえ。サブレって、お前んちの馬だよな?」
紗羽「うん。だから、いちいち靴取り換えるの面倒で」
田中「ち、ちげえよ!」
紗羽「なんだ、残念。で?」
田中「お前さ。何で、指定の靴履かねぇの?」
紗羽「ああ。だって動きにくいじゃん。革靴って」
田中「そりゃ、運動するためのもんじゃないし」
紗羽「と言ってる田中も、スニーカーでしょ?」
田中「革靴じゃ、自転車が漕ぎにくいからな」
紗羽「結局、わたしと同じ理由じゃない」
田中「……たしかに。」
紗羽「わたしね、毎朝サブレと散歩してから学校来てるんだ」
田中「へえ。サブレって、お前んちの馬だよな?」
紗羽「うん。だから、いちいち靴取り換えるの面倒で」
26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 14:35:04.08 ID:zXrg6v800
田中「そんなの、脱いですぐだろ」
紗羽「うわっ。なんか、田中が言うとエロく聞こえる」
田中「なんだそれ」
紗羽「……まぁ、後は踵の厚みがないからかな」
田中「? どういう意味だ」
紗羽「そのままの意味」
田中「スポーツやる人間からすると、だけど。踵ってすげえ負担かかるから、ぶ厚い方が良いと思うぞ」
紗羽「そうだね。でも、こっちはスポーツ関係なし」
田中「ますますわからん」
紗羽「あえて言うなら、わたしが指定靴はいたら」
スッ
紗羽「こうやって、下から覗きこむのも難しくなるよ?」
田中(ちっ、近い近い!)
紗羽「うわっ。なんか、田中が言うとエロく聞こえる」
田中「なんだそれ」
紗羽「……まぁ、後は踵の厚みがないからかな」
田中「? どういう意味だ」
紗羽「そのままの意味」
田中「スポーツやる人間からすると、だけど。踵ってすげえ負担かかるから、ぶ厚い方が良いと思うぞ」
紗羽「そうだね。でも、こっちはスポーツ関係なし」
田中「ますますわからん」
紗羽「あえて言うなら、わたしが指定靴はいたら」
スッ
紗羽「こうやって、下から覗きこむのも難しくなるよ?」
田中(ちっ、近い近い!)
28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 14:38:22.50 ID:zXrg6v800
紗羽「わたし達、あんまり身長かわらないもんね」
田中「そっ、そういや……そうだな」
紗羽「……親のせいにするつもりはないんだけどさ」
田中「ん?」
紗羽「この年になって、初めて思った。もっと背が低かったらなー、って」
田中「……宮本が聞いたら、キレるぞ?」
紗羽「ふふ。かもね」
――――――――
田中「……」
紗羽「……」
紗羽「……あ。綺麗だねー、夕日」
田中「そうだな」
田中「そっ、そういや……そうだな」
紗羽「……親のせいにするつもりはないんだけどさ」
田中「ん?」
紗羽「この年になって、初めて思った。もっと背が低かったらなー、って」
田中「……宮本が聞いたら、キレるぞ?」
紗羽「ふふ。かもね」
――――――――
田中「……」
紗羽「……」
紗羽「……あ。綺麗だねー、夕日」
田中「そうだな」
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 14:41:16.73 ID:zXrg6v800
紗羽「海の近くに住んでて良かったー、って思うんだよね。こういう景色見るとさ」
田中「たしかにな」
紗羽「……そうだ」
田中「?」
紗羽「田中、今日バドミのラケット持ってる?」
田中「ああ、あるけど。ってか略すな」
紗羽「えー……。部活もないのに持ってきてるんだ……」
田中「聞いたのお前だろ。なんでそこで引くんだよ……」
紗羽「一本だけ?」
田中「いや、練習用とか試合用とか合わせれば三本ある」
紗羽「三本も!?」
田中「それぐらい普通だし」
紗羽「ふーん……じゃあもちろん、羽根もあるんだよね?」
田中「シャトルか? そりゃ、もちろん」
田中「たしかにな」
紗羽「……そうだ」
田中「?」
紗羽「田中、今日バドミのラケット持ってる?」
田中「ああ、あるけど。ってか略すな」
紗羽「えー……。部活もないのに持ってきてるんだ……」
田中「聞いたのお前だろ。なんでそこで引くんだよ……」
紗羽「一本だけ?」
田中「いや、練習用とか試合用とか合わせれば三本ある」
紗羽「三本も!?」
田中「それぐらい普通だし」
紗羽「ふーん……じゃあもちろん、羽根もあるんだよね?」
田中「シャトルか? そりゃ、もちろん」
31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 14:43:16.24 ID:zXrg6v800
紗羽「ふふん」
田中「?」
紗羽「ちょっとだけ、やってかない? バドミントン」
田中「え?」
――――――――
シュパァン! パシュッ!
紗羽「うわっ! 変な動きした! 素人相手にカーブかけるの!?」
田中「バドミントンにカーブは、ないぞー」
紗羽「そうなのー?」
田中「むしろ、シャトルが軌道を変えたら壊れてる証拠だ! ほっ!」
紗羽「そうなんだ。知らなかったー!」
田中「?」
紗羽「ちょっとだけ、やってかない? バドミントン」
田中「え?」
――――――――
シュパァン! パシュッ!
紗羽「うわっ! 変な動きした! 素人相手にカーブかけるの!?」
田中「バドミントンにカーブは、ないぞー」
紗羽「そうなのー?」
田中「むしろ、シャトルが軌道を変えたら壊れてる証拠だ! ほっ!」
紗羽「そうなんだ。知らなかったー!」
33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 14:46:22.19 ID:zXrg6v800
田中「大体な、屋内で、風のないところでやるもんなんだって。バドミントン、はッ!」
紗羽「じゃあ、こんな海岸の近くで潮風に煽られてやるのってー、間違ってる?」
田中「だから言った、ろッ! 風で曲がるからやりにくいって!」
紗羽「そうなんだー。ま、面白いからいいけどー」
田中「面白いか?」
紗羽「面白いよー。勝ち負けじゃなくて、単に打ち合ってるだけなんだもーん!」
田中「俺はいつもみたいに動けなくて、少しやりにくい!」
紗羽「足場は砂浜だしねー!」
田中「……まー、いいけどよー! 良い運動には、なっからッ!」
紗羽「……」
スパァン! シュパァン!
紗羽「というか!」
パシッ!
紗羽「じゃあ、こんな海岸の近くで潮風に煽られてやるのってー、間違ってる?」
田中「だから言った、ろッ! 風で曲がるからやりにくいって!」
紗羽「そうなんだー。ま、面白いからいいけどー」
田中「面白いか?」
紗羽「面白いよー。勝ち負けじゃなくて、単に打ち合ってるだけなんだもーん!」
田中「俺はいつもみたいに動けなくて、少しやりにくい!」
紗羽「足場は砂浜だしねー!」
田中「……まー、いいけどよー! 良い運動には、なっからッ!」
紗羽「……」
スパァン! シュパァン!
紗羽「というか!」
パシッ!
35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 14:49:19.17 ID:zXrg6v800
田中「あ、こら。そんな風にシャトルを掴むな。羽根が痛むだろ」
紗羽「ごめん。でも、これ、すっごい疲れるじゃん!」
田中「当たり前だろ。バドミントンなんだし」
紗羽「こんな激しいスポーツだったっけ……」
田中「一応、沖田でも打ちやすいように打ってるつもりなんだけど」
紗羽「そうなの?」
田中「ラリー続かない方がつまんねーし」
紗羽「そうなんだ。優しいね、田中」
田中「…………。いいから、再開してくれ」
紗羽「あ、ごめんごめん」
ヒュッ、スパァン! パァッ!
紗羽「ごめん。でも、これ、すっごい疲れるじゃん!」
田中「当たり前だろ。バドミントンなんだし」
紗羽「こんな激しいスポーツだったっけ……」
田中「一応、沖田でも打ちやすいように打ってるつもりなんだけど」
紗羽「そうなの?」
田中「ラリー続かない方がつまんねーし」
紗羽「そうなんだ。優しいね、田中」
田中「…………。いいから、再開してくれ」
紗羽「あ、ごめんごめん」
ヒュッ、スパァン! パァッ!
37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 14:52:31.60 ID:zXrg6v800
紗羽「田中はさー」
田中「んー?」
紗羽「バドミントンで、プロになりたいんだよねー?」
田中「……まーな」
紗羽「ずっと、言いそびれてたんだけどー」
田中「?」
紗羽「田中さ、わたしが騎手になるって言った時にー!」
田中「ああー!」
紗羽「カッコいいって、言ってくれたよね!」
田中「そうだっけー?」
紗羽「そうだよー。それがさ、わたし、すっごく嬉しかったんだー!」
紗羽「だから、ありがとねー!」
田中「……おー! 気にすんなー!」
田中「んー?」
紗羽「バドミントンで、プロになりたいんだよねー?」
田中「……まーな」
紗羽「ずっと、言いそびれてたんだけどー」
田中「?」
紗羽「田中さ、わたしが騎手になるって言った時にー!」
田中「ああー!」
紗羽「カッコいいって、言ってくれたよね!」
田中「そうだっけー?」
紗羽「そうだよー。それがさ、わたし、すっごく嬉しかったんだー!」
紗羽「だから、ありがとねー!」
田中「……おー! 気にすんなー!」
39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 14:55:41.25 ID:zXrg6v800
紗羽「田中が、バドミントンでプロを目指すって夢もさー」
田中「んー?」
紗羽「結構、カッコいいよー!」
田中「!」
ブォン!
紗羽「あ、全国ベスト8が空振った!」
田中「か、風で軌道が変わったんだよ」
紗羽「ほんとにー?」
田中「ったく……あー汚れちまった」
紗羽「わたしのせいじゃないよ?」
田中「はいはい。俺のせい。」
紗羽「ふふ。」
田中「んー?」
紗羽「結構、カッコいいよー!」
田中「!」
ブォン!
紗羽「あ、全国ベスト8が空振った!」
田中「か、風で軌道が変わったんだよ」
紗羽「ほんとにー?」
田中「ったく……あー汚れちまった」
紗羽「わたしのせいじゃないよ?」
田中「はいはい。俺のせい。」
紗羽「ふふ。」
40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 14:58:35.72 ID:zXrg6v800
田中「……シャトル変えて……っと、おし、いくぞ」
紗羽「うん。でも、そろそろ日も落ちてきちゃったね」
田中「ああ、それもそうだな」
紗羽「次のラリー終わったら、帰ろっか」
田中「……わかった。じゃ、いくぞ」
紗羽「こい!」
シュッ、パン! スパァンッ!
紗羽「あー、やっぱ動きにくい!」
田中「スニーカーだろ、お前」
紗羽「普段、こんなところでスポーツしないじゃん!」
田中「それもそうだなー」
紗羽「ほっ! よっ!」
田中(……もうすぐ終わりか)
紗羽「うん。でも、そろそろ日も落ちてきちゃったね」
田中「ああ、それもそうだな」
紗羽「次のラリー終わったら、帰ろっか」
田中「……わかった。じゃ、いくぞ」
紗羽「こい!」
シュッ、パン! スパァンッ!
紗羽「あー、やっぱ動きにくい!」
田中「スニーカーだろ、お前」
紗羽「普段、こんなところでスポーツしないじゃん!」
田中「それもそうだなー」
紗羽「ほっ! よっ!」
田中(……もうすぐ終わりか)
41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 15:02:22.37 ID:zXrg6v800
スパァン! シュパァン!
田中(もう、ひと月もすりゃあ沖田は……居ないんだな)
田中(遠い国で、必死で騎手になるため、行っちまうんだ)
田中(俺が同じ条件なら……絶対、諦める気がするし)
田中(やっぱ、この思いきりの良さはすげーわ)
田中(宮本が言ってたように。暗い雰囲気で、送り出されたら)
田中(ただでさえ不安なのに、たまんねーよな)
シュパン! スパン!
田中(だから、明るく……せめて、楽しく)
田中(送り出して……)
紗羽「あはは。やっぱスポーツって楽しいよねー!」
田中「…………ッ」
ポトッ
田中(もう、ひと月もすりゃあ沖田は……居ないんだな)
田中(遠い国で、必死で騎手になるため、行っちまうんだ)
田中(俺が同じ条件なら……絶対、諦める気がするし)
田中(やっぱ、この思いきりの良さはすげーわ)
田中(宮本が言ってたように。暗い雰囲気で、送り出されたら)
田中(ただでさえ不安なのに、たまんねーよな)
シュパン! スパン!
田中(だから、明るく……せめて、楽しく)
田中(送り出して……)
紗羽「あはは。やっぱスポーツって楽しいよねー!」
田中「…………ッ」
ポトッ
42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 15:05:14.66 ID:zXrg6v800
紗羽「? 田中、どしたの? いきなり止まって」
田中「……」
紗羽「シャトル、汚れるよ?」
田中「……沖田」
紗羽「ん?」
田中(やっぱり、俺は……!)
田中「俺、さ」
紗羽「うん」
田中「沖田に…………行って欲しくない」
田中「……」
紗羽「シャトル、汚れるよ?」
田中「……沖田」
紗羽「ん?」
田中(やっぱり、俺は……!)
田中「俺、さ」
紗羽「うん」
田中「沖田に…………行って欲しくない」
43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 15:08:31.21 ID:zXrg6v800
紗羽「!」
田中「せっかく、仲良くなっただろ。なのに、すぐまた離れちまうのって……」
田中「すげぇ……寂しいと……思う」
紗羽「……」
田中「……悪い。いきなり、こんなこと……」
紗羽「ううん。ありがとう」
田中「せっかく、仲良くなっただろ。なのに、すぐまた離れちまうのって……」
田中「すげぇ……寂しいと……思う」
紗羽「……」
田中「……悪い。いきなり、こんなこと……」
紗羽「ううん。ありがとう」
45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 15:11:45.19 ID:zXrg6v800
田中「え……?」
紗羽「みんなさ、意地っ張りなんだよね」
紗羽「暗くなったり、別れを悲しんだら、わたしがためらっちゃうから」
紗羽「だから、みんな無理して、明るく振る舞ってる」
田中「……知ってたのか」
紗羽「見てればわかるよ、そんなの。特に来夏なんかね」
田中「……でも、それは」
紗羽「わたしを思いやって、考えてくれてることもわかってるよ」
紗羽「でもさ。それでも、やっぱり言って欲しいことって、あるんだよね」
紗羽「寂しいとか、行って欲しくない、とか」
田中「……」
紗羽「みんなさ、意地っ張りなんだよね」
紗羽「暗くなったり、別れを悲しんだら、わたしがためらっちゃうから」
紗羽「だから、みんな無理して、明るく振る舞ってる」
田中「……知ってたのか」
紗羽「見てればわかるよ、そんなの。特に来夏なんかね」
田中「……でも、それは」
紗羽「わたしを思いやって、考えてくれてることもわかってるよ」
紗羽「でもさ。それでも、やっぱり言って欲しいことって、あるんだよね」
紗羽「寂しいとか、行って欲しくない、とか」
田中「……」
46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 15:14:36.55 ID:zXrg6v800
紗羽「だから、言ってくれてありがとう」
田中「……俺は……」
紗羽「あ。そうだ。わかってるだろうけど、言うね」
田中「え?」
紗羽「それでも、わたしは行くよ」
田中「……」
紗羽「夢だったから。出来る可能性は、全部試したい。納得できるまで」
田中「……そうだな。」
紗羽「だから田中も、頑張ってね」
スッ
田中「……?」
紗羽「なにしてんの、ハイタッチでしょ。ほら」
田中「……俺は……」
紗羽「あ。そうだ。わかってるだろうけど、言うね」
田中「え?」
紗羽「それでも、わたしは行くよ」
田中「……」
紗羽「夢だったから。出来る可能性は、全部試したい。納得できるまで」
田中「……そうだな。」
紗羽「だから田中も、頑張ってね」
スッ
田中「……?」
紗羽「なにしてんの、ハイタッチでしょ。ほら」
49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 15:16:21.07 ID:zXrg6v800
田中「あ、ああ」
紗羽「お互い、絶対に夢をかなえようね」
田中「ああ。俺は世界に、沖田は日本に、行けるように」
紗羽「……なんか変な感じ」
田中「大きな夢には、変わりないだろ」
紗羽「そうだね。約束だよ。破らないでね」
田中「おう。沖田こそな!」
パァン!
おしまい
紗羽「お互い、絶対に夢をかなえようね」
田中「ああ。俺は世界に、沖田は日本に、行けるように」
紗羽「……なんか変な感じ」
田中「大きな夢には、変わりないだろ」
紗羽「そうだね。約束だよ。破らないでね」
田中「おう。沖田こそな!」
パァン!
おしまい
51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 15:17:34.28 ID:zXrg6v800
以上です。恋愛なようで、そうでないような。そんな感じ。
書き溜めしてから投下のスタイルなので、投げっぱなしジャーマンにはなりません。
書き溜めしてから投下のスタイルなので、投げっぱなしジャーマンにはなりません。
52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 15:19:45.04 ID:C8tiIXc30
乙
この距離のまま〆るとはよくわかってるジャマイカ
この距離のまま〆るとはよくわかってるジャマイカ
54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 15:23:46.40 ID:zXrg6v800
>>52
二人のお話(というか紗羽側)が動くなら、やっぱり空港イベントの後からかな、と
TARI TARIのSSは結構少ないので、もっとみんなもやってくれたら嬉しいな、って思ったり
二人のお話(というか紗羽側)が動くなら、やっぱり空港イベントの後からかな、と
TARI TARIのSSは結構少ないので、もっとみんなもやってくれたら嬉しいな、って思ったり
53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 15:21:12.91 ID:J8MNGJFF0
乙!このほろにが微甘がいい
55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 15:39:44.42 ID:xwD5MNHH0
乙
こういう雰囲気いいな
こういう雰囲気いいな
この記事へのコメント
トラックバック
URL :