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猫「主様、起きて起きて!」

前→猫「ご主人様、起きて下さい」


1 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/25(月) 22:25:42.28 ID:liFOOhxo0

猫「ごーはーん!食べたい!」ユサユサ

男「ん…あと5分…」ゴロン


猫「主様!お腹空いたー、喉渇いたー」ユサユサ

男「うるせ………あ?」
猫「!主様が起きたー」


ギュッ


猫「言葉が通じると便利!」

男「…誰だよお前」

7 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/25(月) 22:35:05.36 ID:liFOOhxo0

猫「主様、お腹すーいーた!」

男「人の話を聞け。大体、主様って何だ」
猫「…私のこと、分からない?」

男「…」

ジーッ

男「…おい」
猫「なになに?主様」

男「自分の名前、言えるか?」
猫「あんみつー!」


男「…どうしてこうなった」

猫「起きてたらこうなってたー」


8 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/25(月) 22:38:54.33 ID:liFOOhxo0

男「…あんみつ、お前って猫だったよな?」
猫「うん!」
男「…」


男「…とりあえず、これ着とけ」バサッ
猫「わ、主様のパジャマー。ふわふわ良いにおーい」
男「いいから着ろ」

男「(これから…どうすりゃいいんだ…)」


猫「ごーはーんー」
男「…猫まんまでも作るか」


9 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/25(月) 22:41:58.79 ID:liFOOhxo0



猫「えへへー」
男「何だよ」

猫「主様とね、ずっと喋ってみたかったの!」
男「ほう」
猫「こっちが喋りかけてもね、全然通じなかったから!」


猫「だから、すーっごく嬉しー」ニッコリ
男「…俺は混乱中」ハァ

猫「えー、嬉しくないの!?なんで混乱するの!?」
男「いや、これからのこととか…色々」
猫「むぅ」


16 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/25(月) 22:48:03.26 ID:liFOOhxo0



猫「私ね、あんみつって言うのー。自分の名前言えるのー」
猫「にゃー」
猫「すごいでしょー」
猫「みゃぁ」


男「おい!あんみつ!」
猫「あ、主様だ!」タタタッ


男「何してんだよ。外にはむやみに出るなっつっただろ?」
猫「お友達とお話したかったの。ごめんね主様」シュン
男「友達?」

猫「にゃー」
男「…なるほど」





猫「ね。主様っ、主様!」
男「何だ?」
猫「呼んでみたかっただけー。喋れるって良いね!」
男「お気楽で良いな、お前は」


18 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/25(月) 22:52:35.41 ID:liFOOhxo0



姉「はい、頼まれたやつ」
男「サンキュ」

姉「何なの?いきなり。女もんの服だの下着だのよこせって…」

男「い、いや…。彼女が、その…」
姉「やだちょっと。変な女に誑かされてるんじゃないでしょうね?」

男「…っ、あんみつはそんな子じゃねーよ!!!」


姉「…随分美味しそうな名前ね」
男「(…しまった…)」


19 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/25(月) 23:01:59.01 ID:liFOOhxo0

猫「(ごめんね、主様…!やっぱりお外で遊んでみたいの…っ)」


猫「主様が帰ってくるまでに帰ればいいよね!」ニパッ

トタトタトタ...


猫「すごいすごい!いつも見てる景色と違ーう!」

猫「(こんなに色鮮やかなんだなぁ…綺麗だなぁ…)」

猫「あ!あの人、お家に来たことある!確か…主様のご友人!」



猫「ご友人様!」
友「え?」
猫「こんにちはー!」スリスリ
友「…どこかでお会いしましたっけ?」

猫「!…あわわわわわっ、今は違う姿だったー!」
友「え、えと…」
猫「ごめんなさーい!」タタタッ

友「何だったんだろう…」


猫「恥ずかしい恥ずかしい!人間って難しいよー!」


23 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/25(月) 23:16:25.23 ID:nxlqdAZRO

ガチャ…トテトテ


猫「…はぁ、良かった!帰ってきてないや」


猫「この姿になって結構経つけど…、今だになれないなぁ…。服を着るのもやだし、お風呂入らなきゃだし…」ハァ


男「ただいまー」

猫「主様!おかえりー!」タタタッ

ギュッ

猫「学校楽しかった?」
男「まぁまぁ」
猫「そっかそっかー」ニコニコ

男「?随分機嫌がいいな、あんみつ」

猫「やっぱり、主様とお話出来るのは素敵だなって思って!」

男「俺も、最近は慣れてきたかな」
猫「わーい!」ピョンピョン


24 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/25(月) 23:20:03.09 ID:nxlqdAZRO



男「…とは言ったものの、これからのことを考えると憂鬱だな」ハァ

友「男がため息つくなんて珍しいね。何かあった?」
男「…話したら、お前絶対引く。頭おかしいって思う」
友「そんなことしないし、思わないよ」

男「じゃ、話すからな」





友「…」
男「ってわけだ」

友「…最近、寝てないんじゃない?何だったら近くの病院にでも…」

男「ほらやっぱり」
友「冗談だよ」


27 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/26(火) 01:13:14.52 ID:sSWmbQ5zO



友「(まさか…猫が人間になるなんてなぁ…漫画じゃあるまいし)」ブツブツ


女「友くーん!」
友「あ、女さん。こんにちは」

女「…さっき、男君と喋ってたよね?」
友「うん」
女「何のことー?」
友「次の授業のことだよ」

女「あははっ、なら良かったー。ね、男君って彼女居ないよね!?」
友「うん」

女「…そっかぁ」ニコリ


友「(別れた後も未練たらたらなんだなぁ…この女)」


28 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/26(火) 01:15:58.10 ID:sSWmbQ5zO




猫「主様ー!今日は一緒にねよー!」

男「無理」キッパリ

猫「にゃ!何で何でっ」
男「(久しぶりに”にゃ”って呼んだな…)」


男「無理なもんは無理なんだよ。諦めて一人で寝ろ」

猫「むぅ…」



男「(一緒に寝たら何すっかわかんねーからだっての…。これでも頑張って我慢してんだよ)」


猫「(猫の時はいつも一緒に寝てたのに!むーっ!)」


29 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/26(火) 01:19:31.10 ID:sSWmbQ5zO

猫「…すー」


男「(寝たか…。よし、俺もそろそろ…)」


プルルルル...


男「はい」

女「あっ、男?ごめんね、電話なんか掛けちゃって。今日久しぶりに学校で見…」
男「もう掛けてくんなって言っただろうが」

女「で、でもやっぱり…」


猫「んぅ…っ、暑い…」


女「!?」
男「…とにかく、もう掛けてくんなよ」


ピッ…プープー…



女「今…女の声がした…」


31 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/26(火) 01:27:56.43 ID:sSWmbQ5zO



猫「主様は学校!私はいつも通りお留守番!」



猫「…暇ー。人間ってすっごく暇ー」


猫「…お外出ちゃえ!」





猫「わー、やっぱり気持ちがいいなぁ二足歩行は!」ニッコリ


?「あ、あのっ」

猫「?」
?「このへんで一番近い本屋さんってどこでしょうか?」

猫「…ほんや?」


33 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/26(火) 01:32:21.62 ID:sSWmbQ5zO

?「ご主人様にお使いをお願いされたのですが…本屋さんがなかなか見つからなくって…」オロオロ


猫「!私、”ほんや”は分からないけど”ご主人様”は分かるよ!私にも主様がいるよー!」

?「!ほんとですか!?」


猫「一緒だねー」ニコニコ
?「はいっ、一緒です」ニッコリ

猫「せっかくの機会だし、一緒に”ほんや”探してあげるー」
?「ありがとうございます…!助かりますっ」


35 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/26(火) 01:34:38.40 ID:sSWmbQ5zO

?「わぁ、ありました!」
猫「良かったねー」

?「本当にありがとうございました!えと、お名前は…」
猫「あんみつ!主様が付けてくれたの」

?「とても可愛いお名前ですね」


猫「お姉さんはー?」

チ「私はチロルと言います」ニッコリ

猫「なんか美味しそうな名前だね」
チ「あんみつちゃんには負けますよ」クスクス


37 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/26(火) 01:40:27.48 ID:sSWmbQ5zO



猫「主様、お友達が一人出来たー!猫じゃなくて、人間のお友達ー!」


男「(やっぱり度々抜け出してたか…)」


男「良かったじゃねーか」
猫「今度会った時はお茶しようって言われた!」

男「…よし」
猫「?」


男「ん。ずっと前から、渡そうと思ってたやつ」
猫「なにこれ」

男「その中にはお金ってのが入ってる。お金ってのはだな…」

猫「むぅ!そのぐらい分かるー!でも、私にお金はいらないんじゃないかなぁ…」


男「好きなもん買えよ。その友達とお茶する時だって必要だしな」


猫「…っ!主様優しいね!ありがとうー!」スリスリ
男「…その擦り寄ってくる癖、そろそろどうにかしてくれ」


40 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/26(火) 01:44:18.66 ID:sSWmbQ5zO

猫「お金は無駄遣いをしちゃいけない、お金は大切ー!」ニコニコ


男「それは猫ん時に学んだのか?」
猫「んーん。これー」
男「あ、なるほどな。テレビでか」


猫「テレビさんには色々教えてもらったよー」
男「例えば?」

猫「”ふりん”とか、”おしゅうとめ”とか!」

男「…!」ブッ

猫「主様ばっちぃ!」


男「(完全に昼ドラからだろ…っ!)」


男「…あんみつ。お前が見ていいチャンネルはココとココだ。分かったな?」
猫「えー」
男「問答無用」

猫「むぅ」


42 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/26(火) 01:48:34.74 ID:sSWmbQ5zO



男「…あいつが人間になって、大分経つな…」


友「ねぇ、そろそろ会わせて欲しいな。”あんみつちゃん”に」
男「そうだな。俺以外の人間とも話せるようになっただろうし」
友「楽しみ」ニコニコ


男「この前なんて、人間の友達が出来たっつって喜んでやがってさ」
友「へぇ」
男「今度一緒にお茶するんだとよ」


友「(随分嬉しそう…。親馬鹿ってこーいうことを言うんだろうなぁ)」


44 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/26(火) 01:52:40.91 ID:sSWmbQ5zO

?「なぁ、お前ら何の話してんの?混ぜろよ」


男「…お前やだ。うぜーから」

親「親友なのにうぜーってどういうことだよ!」
友「まぁまぁ」


親「あ、そういや。女のやつ、最近すっげー機嫌悪いみたいだぜ?」
男「俺には関係ねーよ」

親「ふーん」ニヤニヤ
男「…きも」


47 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/26(火) 01:57:32.06 ID:sSWmbQ5zO




猫「ねー、主様。今日は一緒に寝たい!」
男「ダメって言っただろうが」

猫「やだ!寝る寝るー!」


男「…はぁ、無理だって」
猫「何で…?前は良く一緒に寝てたのに…」

男「それは”猫”だったからだろ?」
猫「今の姿じゃどうして駄目なのー…」
男「…お前にはまだ早い。とにかくもう寝ろ」


猫「主様と仲良く出来ないなら猫のほうが良かったー!!」ベシベシ

男「こら、でけぇ声出すな!近所迷惑だろうが!つーか痛ぇって…!」


48 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/26(火) 02:00:10.23 ID:sSWmbQ5zO

男「ほら、お前の好きなかりかりベーコンだぞ」

猫「…」

男「んだよ、まだ怒ってんのか」ハァ


猫「怒ってるよ。あんみつ、すごーい怒ってるよ」ムスッ
男「怖くも何ともねーよ馬鹿」

猫「!馬鹿って言うほうが馬鹿なんだよ!」
男「じゃ、お前も馬鹿だろ」


猫「…むぅー!悔しい悔しい!」


50 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/26(火) 02:03:39.17 ID:sSWmbQ5zO

猫「主様のあほあほおたんこなす」


男「言い方変えてきやがったなこの野郎」
猫「ふーんだ」


男「…悪い子には、これやんねーぞ?」

猫「…な、何それ」ジー

男「あんみつ」
猫「?あんみつは私だもん」


男「あんみつっていうデザート。すっげー甘い」

猫「!あ、まい…?ミルクより?」
男「そりゃもう」


猫「食べる食べる!私と同じ名前ー!甘いー!」

男「なんか色々混じって日本語が大変なことになってんぞ」


53 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/26(火) 02:06:35.18 ID:sSWmbQ5zO




猫「…あれ」

男「どした」


猫「お友達が、何言ってるかわかんなくなってきちゃった」

男「…人間になったからじゃないか?」
猫「でもでも!最初はお話出来てた!」


男「んー、俺にはわかんねーな…」
猫「…寂しい」


男「んな顔すんなって。人間の友達作ればいい話だろ?明日には俺の友達もあんみつに会いに来てくれるしよ」

猫「うん…」


55 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/26(火) 02:09:32.53 ID:sSWmbQ5zO




友「えっと次は移動だから…」


女「友君!」
友「!わっ、びっくりした…ど、どうしたの?」

女「嘘つき!」
友「え…?」


女「男君に彼女いないって言ったよね!?」
友「言ったけど…」

女「いるんじゃない!嘘つくなんて酷いよ…っ!」

タタタタッ…


友「意味が…分からないんだけど…」


85 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/26(火) 17:06:19.83 ID:sSWmbQ5zO

猫「…主様ー!おかえりー!」

ギュッ

男「おっと…っ、ただいま」


友「随分可愛らしいお出迎えだね。こんにちは、男の友達で…あ、あれ?」
猫「…あー!」


男「?お前ら、知り合いなのか?」


猫「あ、あの時は本当にごめんなさいでした…」オロオロ
友「いや、全然平気だよ。君があんみつちゃんだったんだね」


男「…」


86 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/26(火) 17:10:18.68 ID:sSWmbQ5zO

男「…いつ知り合ったんだ?」

友「偶然道端でばったり。ね?」
猫「ばったりー」

男「ふーん…」





友「じゃ、僕のことは覚えててくれてたんだ!嬉しいな」
猫「あんみつ、すごいすごい!?」
友「とってもね」ニッコリ

猫「…っ!主様、褒められちゃったー」


男「…」


88 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/26(火) 17:19:51.34 ID:sSWmbQ5zO




猫「友さん、優しい人だったねー」
男「…」


猫「主様、さっきから私とお話してくれてない」
男「…別に」
猫「別に、じゃない!話し掛けても無視する!」


男「…っ、あんみつが悪いんだろ!?」

猫「!?」ビクッ

男「俺以外の奴に…簡単に懐きやがって…」


男「(うぜぇくらい、俺にしかまとわりつかなかったのによ…)」


89 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/26(火) 17:22:30.89 ID:sSWmbQ5zO

猫「あんみつ…よく分からない。なんで、主様が怒ってるのか」
男「…だろうな。俺もよくわかんねーもん」



猫「…主様、痛そうなお顔してる。ごめん、ごめんね」
男「あんみつ…」


男「…かった」
猫「…?」

男「お、俺のほうこそ悪かった…ごめんな、あんみつ」


ギュッ…


猫「主様…ちょっと痛い」
男「わりぃ…もう少しだけ…。頼む」


94 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/26(火) 19:55:36.62 ID:sSWmbQ5zO

猫「主様」
男「んー…?」

猫「主様にギュッてされたらドキドキした。すごくドキドキした」
男「いつも抱きしめてたじゃねーか」

猫「そう!だからびっくりなのー」


男「…可愛い奴」ナデナデ
猫「なでなでもドキドキするからやめてー」


97 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/26(火) 21:05:17.95 ID:sSWmbQ5zO




猫「主様、どっか行くの?」
男「あぁ。今日は帰りが遅くなる」
猫「…あんみつは行けない?」
男「悪いな。今日はサークルの集まりだから」

猫「行ってらっしゃーい…」
男「行ってくる」

バタン

猫「…変だなぁ。お留守番は得意っていうか、一人になるのも好きだったんだけどなぁ」ショボン


猫「早く帰ってきてー…」


101 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/26(火) 22:38:32.23 ID:sSWmbQ5zO

猫「一人…つまんない」

猫「にゃー」
猫「…ごめんね。何言ってるかわかんないのー」
猫「みゃぁみゃぁ」

猫「…っ!」ダッ





トボトボ...


猫「つまんないよー…」

友「あんみつちゃん!」
猫「!?」


109 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 00:05:04.93 ID:sSWmbQ5zO

猫「友…さん?」
友「こんなところで何してるの?男が心配しちゃうよ」

猫「今日、主様いないの。だから心配なんかされないの」
友「…」

猫「し、んぱいなんか…」


友「…一人が寂しいんだ?」
猫「…」コクリ
友「じゃ、僕が一緒に居てあげるよ」ニコッ

猫「!…ほんとに!?」

友「用事を済ませて帰ってきたところだったしね」
猫「ありがとうー!」


110 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 00:08:14.33 ID:P5MS3/ViO




女「ねぇってば!」
男「しつけーな…。何回も言ってんだろ?やり直す気はねぇって」

女「…なんで?あんなに好きって言ってくれてたのに…」


男「あぁ、好きだったよ」
女「じゃあ…どうして…っ」

男「どうしてだ?よくそんなことが言えるよな。浮気したくせによ」
女「!そ、それは違うのっ」


男「…話になんねぇ。じゃあな」

女「やだ…っ、行かないで!」


ギユッ…


111 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 00:11:45.55 ID:P5MS3/ViO

男「…離せ、女」
女「やだ…お願い、行かないで…」

男「ふざけんなよ…」ハァ
女「…っ、あれは勘違いだったの!私、男の気を引きたくて…だから…」


男「…聞きたくねぇし、興味もねぇ。じゃあな」バシッ
女「…っ!」


スタスタスタ...


女「…ふぇ…っ、ぅ…」ポロポロ


114 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 00:16:29.73 ID:P5MS3/ViO

スタスタ…ピタッ

男「…何やってんだ、俺」


男「(抱きしめられた瞬間、すぐに引き剥がせなかった…。名前で、呼んじまった…)」


男「…っ、何なんだよ…」





猫「うわぁ、大きな噴水ー」
友「ここは来たことなかったんだ」

猫「私が出ていい範囲はお家のすぐ側までだから」

友「それは今も?」
猫「うん」
友「相変わらず大事にされてるんだなぁ」


116 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 00:20:02.27 ID:P5MS3/ViO

猫「あんみつ、最近変なの。だから、猫の時の記憶があんまりないの」

友「忘れちゃってるのかな?」
猫「少しは覚えてるよ!…ねぇ、友さん」
友「ん?」

猫「私、大事にされてたの?」

友「そりゃもう。すごく可愛がられてたよ。それも覚えてない?」

猫「少しだけ。でも確かめたかったのー。友さんはよくお家に来てたから何でも知ってるでしょ?」
友「まぁ、ある程度はね」


猫「じゃあ、私が忘れちゃったことはまた色々教えてね!」

友「うん、いいよ。約束する」


117 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 00:23:50.98 ID:P5MS3/ViO

猫「友さんは、優しいねー」
友「そんなことないよ」

猫「お話出来るのってすごく嬉しい!」
友「今みたいに?」

猫「うん。猫の時はね、相手が何話してるか分からないし、何を話してるか分かってもらえないから」

友「へぇ」

猫「だから、いじけて生意気な態度取ったり無視したり、言葉が通じないから精一杯甘えたりしてた」
友「…なるほどね」




118 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 00:27:34.00 ID:P5MS3/ViO

猫「…人間になって嬉しいこともあるけど、悲しいこともいっぱいなの」ボソッ

友「?」
猫「な、何でもない!」プルプル

友「…何かあったら、いつでも相談しなよ?僕で良かったら力になるからね」

猫「…ありがとう!」

友「どういたしまして」ニッコリ


猫「(友さんといると楽しい!主様とは違うドキドキだ!)」


119 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 00:31:20.01 ID:P5MS3/ViO




男「…はぁ」

猫「主様、ため息つくと幸せが逃げちゃうよー」
男「逃げねーよ」
猫「むぅ。せっかく教えてあげたのにー」


男「(何でアイツのことばっかり考えてんだっての…)」


猫「あんみつ、もう寝るね。おやすみー」

男「…おい」
猫「?」

男「今日は、一緒に寝たいって駄々こねないのか?」


120 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 00:33:30.39 ID:P5MS3/ViO

猫「何言ってるの?主様」
男「…は?」

猫「あんみつと寝れないって言ったのは主様だよ?」
男「いや、まぁ…それはそうだけど…」

猫「だからもう言わないの。今までとは違うって分かったから」

男「…あんみつ」


猫「おやすみね、主様」
男「…おやすみ」


男「(猫にも反抗期ってあったっけか…)」


132 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 01:54:11.26 ID:P5MS3/ViO




猫「んー、迷う…。主様からもらった”お金”があるけど…むぅ…」


?「何かお困りー?」

猫「(綺麗な人…!)」


猫「お、おやつを買おうか迷ってて!」
?「へー、可愛いわね。何々?…あんみつ?」

猫「私と同じ名前で、甘くて、主様からもらったことがあるのです!」

?「待って待ってー。なんか日本語変よ」クスクス


133 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 01:59:32.82 ID:P5MS3/ViO



猫「ほ、ほんとに良かったのですか!?」

?「いいのいいの。受け取ってちょうだい」ニッコリ
猫「!ありがとう…!大事に食べます」

?「あははっ、その心掛けは素晴らしいけど早めに食べちゃってね。腐っちゃうから」
猫「…!そ、そうでした!」アワアワ


?「…可愛い子。あんみつって名前も素敵ね」
猫「主様が付けてくれたの!」ニパッ

?「あなたとはまた会って話がしたいわ」
猫「ぜひお願いします!」


?「今度はホットケーキってものを食べてみてね?美味しいからオススメよ」
猫「了解ですー」ニッコリ


135 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 02:02:38.78 ID:P5MS3/ViO



猫「ってわけで、お金を使わずにあんみつゲーット!」

男「それは良かったな。けど、今度会ったら改めてお礼言っとけよ?」
猫「はーい!」コクリ


猫「あんみつ、人間になれてまたちょっと嬉しくなっちゃったー」
男「よしよし。可愛いな」ナデナデ
猫「えへへ」


136 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 02:05:36.70 ID:P5MS3/ViO

猫「主様!お願いがあるのー」
男「?」

猫「私、主様の膝元で寝るの好きだったでしょ?だから、少しだけっ。ね、おねがーい!」


男「す…少しだけだぞ」

猫「…!やったー!」ゴロン


猫「幸せ幸せー。猫の時に戻ったみたい!」
男「こ…これならいつだってしてやるよ」

猫「主様やさしー!」


137 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 02:09:01.24 ID:P5MS3/ViO



親「男と寄りを戻したい?」
女「うん」

親「…無理だろ」


女「やだ…っ、戻したいの!親、どうにかしてよ」
親「はぁ?」

女「大体、親が勝手にあたしが浮気してるって勘違いして、男に告げ口したんじゃん!」

親「…そうだっけ」
女「惚けないでよ!!」

親「分かった分かった!頑張ってみっから」


女「…よろしくねっ」


138 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 02:12:42.09 ID:P5MS3/ViO



男「…あんみつ。ちょっとこっち来い」

猫「はーい!」タタッ


男「せ、洗濯物はちゃんとしまえよ!///」

猫「あっ、忘れてたー。ごめんね、主様」
男「…分かれば良いんだよ」


男「(何で下着見ただけでドキドキしてんだ…馬鹿か俺は)」


157 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 11:42:24.04 ID:P5MS3/ViO

猫「…主様、主様」

男「わり、そろそろ家出ねーと遅刻しちまう!」ドタバタ
猫「主さまぁ…」

男「じゃ、留守番頼んだぞ!行ってくる」

タタタタッ バタン!!


猫「…むぅ。主様ひどい…あんみつ、こんなに苦しいのに…」シュン


159 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 11:46:11.81 ID:P5MS3/ViO

猫「…だるい。熱っぽい」

猫「(お散歩行けば少しは気分転換になるかな…)」





猫「ふぁ…具合が悪い時は、主様何してたっけ。思い出さなきゃ…」

猫「!そうだ、お薬飲んでた!…主様からもらったお金で買ってみよ」


猫「お薬飲んで元気が出たら、主様心配させないで済むもんね…っ。やったぁー…」ニッコリ


160 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 11:50:52.09 ID:P5MS3/ViO

猫「えと…お薬はどこで売ってるんだろ…」キョロキョロ


タタタタッ…ドン!!


猫「…うわっ!…いたたた…あ、あのごめんなさい…大丈夫、です…か…」


猫「…あれ…?走って行っちゃった…」ジー


猫「!あれ…何で私のお財布を持って走ってるの!?だめ…っ」ダッ


161 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 11:55:28.51 ID:P5MS3/ViO

タッタッタ…


猫「はぁ…っ、ま、待って…!」

猫「(全然追い付かない…!苦しい…!)」



猫「主様からもらったの…!大切にするって約束したの…!」ハァハァ


”ん。ずっと前から、渡そうと思ってたやつ”


猫「あんみつの…っ、為に用意してくれてたんだよぉ…!」


”好きなもん買えよ。その友達とお茶する時だって必要だしな”


猫「…っ、はぁ!お願い…、ぅ…っ、か、返して…!」ポロポロ


166 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 12:57:20.15 ID:P5MS3/ViO

タタ…タッ ピタ…


猫「はぁ…はぁ…、い…行っちゃった…」ポロ…


猫「ふ…ふぇ…っ、うわあああん!」ポロポロ


チ「!…あんみつ、ちゃん?どうしました?どこか痛いのですか?」オロオロ

猫「チ…ロルちゃ…」バタッ


チ「あんみつちゃん…!しっかりして下さい…っ」


167 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 13:00:43.37 ID:P5MS3/ViO




猫「…あれ…」

チ「あぁ、良かった!気がついたのですねっ…」ギュッ
猫「チロ、ルちゃ…苦しい…!」

チ「あわわわ!ごめんなさいっ、つい癖で…」


猫「私…どうしちゃったの…?」
チ「道路でしゃがみ込みながら泣いていました…。私が声を掛けた途端、倒れてしまったのですよ…」


猫「…そうだ。あんみつ、お金取られちゃったんだ」ポロ…


168 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 13:06:46.87 ID:P5MS3/ViO




チ「…酷い方ですね!具合が悪いあんみつちゃんからお金を奪うなんて…っ」
猫「しっかりしてなかった私も悪い…から」

チ「あんみつちゃんは悪くないです…!」


猫「だるかったのもそうだけど、猫の時より大分走るのが遅くなっちゃったなぁ…」ボソッ

チ「猫の時?あんみつちゃんも、昔は猫さんだったのですか?」


猫「(しまった…!この事はあんまり他の人に言っちゃいけないって主様から言われてたのに!)」アワアワ

猫「…あれ?」


猫「あんみつ、”も”?」


172 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 14:30:36.52 ID:P5MS3/ViO

チ「はい、私は…」


?「チロル、チロル!」


猫「?」
チ「あっ、ご主人様が呼んでいます!」

猫「チロルちゃん、早く行ってあげて」
チ「で、でもあんみつちゃんが…」オロオロ

猫「私ならもう大丈夫ー!それじゃあね!」ダッ


チ「ま、待って…っ」


173 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 14:32:52.68 ID:P5MS3/ViO

トボトボ…


猫「…チロルちゃんは良いなぁ…。心配して迎えに来てもらえるんだもんなぁ」ハァ

猫「また具合悪くなってきちゃった…早く帰らなきゃ」





猫「た、だいまぁー…」


姉「…」
猫「あれ?」

姉「あなたが、男の彼女なの?」


190 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 19:02:50.35 ID:P5MS3/ViO

猫「(この人に会ったことある…!)」


猫「…っ、姉様だ!主様の姉様だ!」


姉「あら、あたしのこと聞いてたの!なんか嬉しいー」ニコニコ

猫「姉様姉様っ!会いたかったー」

ギュッ

姉「…でも、その”主様”って何?あの馬鹿がそういう風に呼ばせてるわけ?」

猫「主様は主様だよー」


姉「(可愛い女の子に何を言わせてんのよ…)」


191 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 19:08:24.66 ID:P5MS3/ViO

姉「…そういえば、服のサイズが合ってないみたいわね…。あたしの服じゃ大きかったか…」ジー

猫「?」

姉「よし!今度来た時は色々持ってきてあげるわ!」
猫「やったー」


姉「ね、何が好き?どんなブランドが好み?」ワクワク

猫「あんみつ!」

姉「あ、あんみつ?聞いたことないわね…。分かった!頑張って探すわ!」


194 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 19:16:26.79 ID:P5MS3/ViO




姉「じゃ、また来るわ」
猫「またねー」

姉「…もうっ、本当に可愛い!」

ギュッ

猫「ま、また痛い…っ」

姉「あんた抱き心地良いわねー!」





猫「姉様、相変わらず優しかったー。相変わらず力も強かったけど…」

猫「姉様とお話してたら、いつの間にか具合良くなったみたい!良かった良かったー」ニッコリ


201 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 20:45:36.08 ID:8F7UMgcA0

猫「…そういえば姉様、私のことを”彼女”だって誤解してた…」

猫「私は、主様の”彼女”じゃないのになー」


猫「…じゃ、主様の”彼女”って誰、なの…かな…」





男「…なるほどね」
猫「ごめんね、主様」

男「何かされなかったか?怪我とかしてねーよな?」
猫「…心配、してくれるの?」
男「ばか、当たり前だろ?金なんかより、お前のほうが大事だからな」


猫「…主様、あんみつの心配してくれた…嬉しい…」


202 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 20:48:00.80 ID:8F7UMgcA0




男「そういや…どうしてあんみつは人間になったんだろうな」
友「随分今さらな話だね」クスクス
男「そういう心配してる余裕なんかなかったんだよ」

友「…いつ、戻っちゃうんだろうね」
男「…」

友「戻ったら、寂しくなっちゃうね?男」
男「あ?別に寂しくも何ともねーよ。猫のほうが食費浮くし」
友「(嘘ばっか…)」


211 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 22:48:28.54 ID:8F7UMgcA0

トボトボ...


男「(猫に…戻る、か…深く考えたことなかったな)」


親「男ー!いたいた」タタッ

男「何だよ」
親「なぁ、明日暇?」
男「予定はねぇけど…」

親「やりぃ!じゃ、明日3人で遊園地行こうぜ!」

男「野郎と遊園地なんて嫌に決まってんだろ」ハァ
親「暇なら良いじゃねーかよ。じゃ、いつもんとこに9時なー!」タタタタッ

男「お、おい親…!」


男「…はぁ。ま、気分転換にはなる、か…」


213 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 22:51:45.67 ID:8F7UMgcA0




猫「主様、今日もお出かけ?」
男「あぁ。出来るだけ早く帰るようには心掛ける」
猫「いってらっしゃーい」

男「…あんみつ」
猫「なぁに?」

男「お前は…猫に戻っちまうのか?」

猫「わかんない」
男「そんなキッパリ…」
猫「だってわかんないもーん。人間になった理由だってわかんないしー」
男「まぁ…そうだけど…」

猫「あんみつはいつ戻っても良いけどー。あ、そうだ主様!」
男「何だ?」


猫「気を付けてね!」
男「…おう」


214 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 22:54:14.04 ID:8F7UMgcA0

男「(”気を付けてね”か…。あんみつが人間だから言ってもらえるんだよな…)」


男「…!何考えてんだ、俺…」





男「…誰もいねぇじゃねーか」

男「(親はともかく、友が遅刻って珍しいな…。電話でもしてみっか)」

ピッピ... ピ


女「男くーん!」


ピ...

男「…なんで、ここに女が…」


215 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 22:57:26.82 ID:8F7UMgcA0

女「相変わらず、時間はちゃーんと守るんだね」クスクス
男「…何しに来た」

女「え?親君にここで男君と待ち合わせ、ってメールが来たんだけど…」

男「(あの野郎…後で殺す。ぜってぇ殺す)」




ゴソゴソ...

友「…あーあ。やっぱり怒ってる」
親「やべーかな、後で切れっかな、男」

友「殺されるかもね」
親「…」


216 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 22:59:58.81 ID:8F7UMgcA0

女「ね、せっかくだし一緒に行こうよ!」
男「何がせっかくだよ…俺は帰…」
女「いいから!」グイッ

男「お、おい…!」





友「あー、流されちゃってる流されちゃってる」クスクス
親「…案外楽しんでるな、友」

友「人間模様ほど、見てて面白いものはないんだよ?親」
親「こわー」
友「ま、僕はあんみつちゃんの味方になるかもしれないけどね」

親「あんみつ?」


219 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 23:03:08.34 ID:8F7UMgcA0



女「次はあれね!あれっ!」
男「(…早く帰りてぇ…)」


男「(観覧車…。あんみつが喜びそうだな…)」

男「(あー、観覧車よりかはメリーゴーランドのほうが好きそうだ)」


女「…ん、男君!」

男「!な…何だよ」
女「人の話聞いてた!?」
男「いや…全然…悪かった」
女「もうー」


男「(あれ…。今、俺あんみつのことばっかり…)」


220 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 23:06:39.06 ID:8F7UMgcA0

猫「…主様、いつ帰ってくるんだろう」


猫「(寝れないし、寂しいし、何だか苦しい…)」

猫「人間って…やっぱり辛いかもだよ…主様)」





女「男君、次はあれ…」

男「悪い、女」
女「…?」

男「もう、お前とはこうして二人にはなれない」


222 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 23:09:43.91 ID:8F7UMgcA0

女「…どうして?」

男「傍に居て欲しい人が出来たから、だろうな」

女「例の彼女?」
男「…彼女では、ない。けれど、前々から大事な存在だった」
女「…」

男「大切だったのに、なかなかその思いに気付けなかったんだ。でも…」


”…いつ、戻っちゃうんだろうね”


”気を付けてね!”


男「居なくなるかもしれないって不安を感じたことで、段々と大切さが分かってきたっていうか…」


223 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 23:12:04.70 ID:8F7UMgcA0

女「…付き合ってもないのに?」

男「それどころか、恋愛感情かどうかも分からねぇ」
女「…!そんなのおかしいよ!」

男「…あいつとの時間を何よりも大事にしたいんだよ、今は」
女「…」


男「確かに、お前のことは好きだった。別れてから、心が揺れたことも度々あった」


男「でも…今はあいつでいっぱいいっぱいになってる俺がいるんだ…」


226 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 23:17:14.97 ID:8F7UMgcA0

女「…ばかじゃない」
男「馬鹿な上に単純だろ?そんなもんなんだよ、男って」
女「…」

女「やだ…やだよ、男君…」フルフル...


男「…悪いな。気を付けて帰れよ」

スタスタスタ...

女「やだ…やだよ…っ」




友「(僕が思ってる以上、だなぁ…当たり前か)」

親「お、おい!男が帰っちまったぜ!?」
友「男からも女さんからも責められちゃうだろうね、親」
親「…」


232 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 23:33:24.53 ID:P5MS3/ViO



ガチャ…


猫「…!主様おかえりーっ!」

男「…っ、あんみつ…!」

ギュッ

猫「あ、あれ…?」
男「ただいま…ごめんな、寂しかっただろ…」

猫「(いつもは、私からぎゅーってしたり、すりすりしたりするのに…)」


猫「主様、変。何かあった?」
男「…」


233 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 23:36:19.06 ID:P5MS3/ViO

男「…あんみつは、俺と一緒に居て楽しいか?」

猫「?もちろんだよ!楽しいし、すごく幸せだよ」
男「良かった…」


男「俺も、すげぇ幸せ」


猫「!…主様、あんみつが側に居るだけで幸せ?」
男「そりゃもう」

猫「じゃ、ずっと側に居るよ!それならあんみつにも出来るもん!」

男「…さんきゅ」ギュッ..


234 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 23:39:22.62 ID:P5MS3/ViO



友「へぇ、一人暮らしするんだ」
男「あぁ。学校から近いほうが便利だと思ってな」

友「でも寂しいんじゃない?男、こー見えて寂しがり屋だから」クスクス
男「…んなことねーよ」


友「寂しいのなら、癒してくれるペットでも飼ってみたらどうかな?」
男「だから寂しくなんかねーっての!」


235 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 23:42:02.21 ID:P5MS3/ViO

カラン…

?「いらっしゃいませー」


男「(…来ちまった)」

男「(ま、まぁ別にちょっと見に来ただけだからな!)」


?「どんな種類の子をお探しで?」
男「…じゃ、猫で」

?「(じゃあ?)」


男「(猫なら実家でも飼ってるから慣れて…いやいや、ただ見に来ただけなのに何考えてんだよ!)」フルフル

?「…お、お客様?」


236 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 23:44:42.17 ID:P5MS3/ViO

?「…この子なんかは最近流行してましてねー」

男「(…流行って何だ。猫は猫だろ)」

ジー…

男「…何で、コイツだけケージに入ってるんだ?」

?「あ、あぁその子は売れ残りでして…今から裏に運ぶ予定なんですよ」


猫「みゃぁ」
男「(…可愛いし)」


237 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 23:47:51.69 ID:P5MS3/ViO

男「…いくらですか?」
?「はい?」
男「この猫はいくらかって聞いるんですよ」

?「あぁ、無料で結構ですよ」キッパリ

男「…つい最近までは値を付けてたのに?」
?「もう売ってるわけではありませんから」

男「(良い人なんだか悪い奴なんだかわっかんねーな…)」



男「じゃ、俺が貰っていきます」


238 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 23:51:03.69 ID:P5MS3/ViO




男「…美味いか?」
猫「…」モグモグ
男「無視かよ」


男「(つーか…飼っちまった…)」


猫「にゃあ」

男「…何だよ」
猫「にゃ、にゃ」

男「…ははっ、お前可愛いな」

ナデナデ


男「なぁ、さっきは無視なんて言っちまって悪かったな」

猫「…」モグモグ
男「無視かよ」


239 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 23:53:35.03 ID:P5MS3/ViO

男「(なんか俺も腹減った…)」


男「そういや、冷蔵庫にあんみつが…」

猫「にゃ!にゃ」
男「…何だ?急に」


男「おーい、美味いか?」
猫「…」


男「…そういや、冷蔵庫にあんみつ…」

猫「にゃあ!みゃ」


男「そういや」
猫「…」

男「冷蔵庫」
猫「…」


男「…あんみつ」
猫「みゃー!にゃあにゃあ」


241 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 23:56:13.94 ID:P5MS3/ViO

男「(さっきまで無視しまくってたのに…)」


男「…あんみつ」ボソッ
猫「みゃー」

スリスリ

猫「にゃ、にゃ」

男「お前の前世はあんみつなのか?」
猫「にゃ?」
男「…何でもない」


男「(猫相手に何本気に頭捻ってんだよ…)」


242 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/27(水) 23:58:46.04 ID:P5MS3/ViO



男「んでな、今日は友達にすっげー自慢してきたんだ」
猫「…」
男「名前呼ぶとすっげー反応してくれる、ってな」

猫「みゃー」

男「親馬鹿だ、って言われちまった。ったく、馬鹿って言ったほうが馬鹿なんだっての」
猫「?」

男「お前も覚えとけよ、あんみつ」
猫「みゃ!」


244 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/28(木) 00:02:34.96 ID:P5MS3/ViO

男「…悪かったな。最初は、淋しさ紛らわせる為だけにお前を買いに行ったんだよ」

猫「…」

男「利用してるみてぇで…ごめんな」

猫「みゃ、みゃ!」

男「大丈夫だって、捨てたりしねーから。一人の寂しさに慣れたって、お前は手放さねーよ」

猫「にゃ…っ、にゃ」


男「今まで以上に、幸せにしてやっから。そしたら…帳消しとまではいかないだろうけど、少しは許してくれよな」


猫「…」


245 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/28(木) 00:05:20.74 ID:i/PKqXtnO

男「あんみつー」

猫「みゃ」

男「今日は一緒に寝ようぜ」
猫「にゃぁ」


男「(…名前以外にも反応してくれるようになったな)」


男「お前が猫として側に居てくれて…本当に幸せだ」
猫「みゃ…」

男「ありがとな、あんみつ」





246 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/28(木) 00:09:25.49 ID:i/PKqXtnO

男「…夢か」

ギシッ…


男「(随分懐かしい頃の夢だったな…。)」

男「まぁ、何年も経ってねーか…」


猫「何が経ってないのー?」

男「!…いきなり声掛けんな、びっくりすんだろうが!」アセアセ

猫「主様がいけないんだよー、一人言うるさいからー」
男「ご主人様に向かって何だその言い方は」ベシッ

猫「むぅ。痛い!馬鹿!」

男「馬鹿って言ったほうが馬鹿だって何回も教えただろうが」


250 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/28(木) 00:28:19.32 ID:i/PKqXtnO




ピンポーン..

猫「!おっきゃくさまー。姉様かな?」

猫「はーい」

ガチャッ


友「こんにちは。あんみつちゃん」

猫「わぁ、友さんでしたー!」


252 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/28(木) 00:30:51.38 ID:i/PKqXtnO

友「男いる?借りてた本を返しに来たんだけど」

猫「主様はただいま外出中!あんみつの好きなベーコンを買いに行ってくれてるの」

友「そっか。じゃ、これ渡しておいてくれる?」
猫「もちろんです!」


友「…僕は、ずっと前からあんみつちゃんの味方だからね。これからもずっと」

猫「?」

友「あはは、ごめんごめん。こんな話、急にされてもビックリするだけだよね」


253 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/28(木) 00:35:19.03 ID:i/PKqXtnO

猫「そんなことないよ、嬉しいよっ」
友「なら良かった」ニッコリ

猫「でも、どうしてあんみつの味方で居てくれるの?」


友「…男のことを、誰よりも何よりも癒してくれてた存在だからだよ」


”聞けよ、友。あんみつの奴、自分の名前に反応するんだぜ”


”俺がこんなに幸せなのは、お前が薦めてくれたおかげだよな!サンキュ”


友「ずっと、ずっと前から君にお礼が言いたくて仕方がなかったんだ」


254 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/28(木) 00:38:50.25 ID:i/PKqXtnO

友「僕、子供の頃に引っ越してきて…消極的な性格だったからなかなか友達が出来なくてね」
猫「…」

友「でも、男が助けてくれたんだ」
猫「主様すごい!」

友「うん。男が居なかったら、今の僕はなかったと思う」


友「だからね、男には恩返しがしたかったんだけど…なかなか出来なくて」

友「でも、僕の代わりに男を幸せにしてくれる存在が現れたんだ。それがあんみつちゃんなんだよ」


猫「…えへへ、嬉しいな」


255 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/28(木) 00:40:21.38 ID:VzylN7fs0

まさか友は・・・男のことを・・・・・・


257 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/28(木) 00:44:14.67 ID:i/PKqXtnO

友「あんみつちゃんが側に居てくれることが、男にとって一番幸せなことなのかもしれない」

猫「前に、主様にも同じようなことを気がする…」


友「両親が居ないからね、なかなか素直に接することが出来る人だって少ないだろうし」

猫「…私、ちゃんと主様のお役に立ててるよね?」

友「もちろんだよ。これからもきっとそうだろうし、僕が誰にも邪魔させない」

猫「…っ、私、これからもずっとずっと主様のお側に居るよ!友さんの為にも!」


友「ありがとう、あんみつちゃん」


258 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/28(木) 00:47:58.26 ID:i/PKqXtnO

猫「友さんは、主様のことが大好きなんだね!」

友「うん。恩人だしね」

猫「友さんは優しいからあんみつも好き!」
友「僕も好きだよ」


猫「なんかね、友さんは主様とは違うの」
友「?」

猫「…友さんは、私のお友達でいいんだよね?」ソワソワ


友「うん、大歓迎だよ」ニッコリ

猫「!…嬉しいっ!」


259 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/28(木) 00:51:41.36 ID:i/PKqXtnO

友「男は、違うんだね?」

猫「そうだよ!主様は、私の”ご主人様”だからお友達じゃないの」

友「うん、友達とは違うかもね」


猫「…主様には、”彼女”って居るのかなぁ」
友「居ないよ!てか、居るはずがないよ」

猫「どうして…?」

友「男はあんみつちゃんで頭がいっぱいだからね。他の女の子なんか眼中にないと思う」


猫「あんみつ、特別なんだね!」
友「そうだよ。特別」


267 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/28(木) 02:25:14.94 ID:i/PKqXtnO

男「何が特別なんだ?」


猫「主様!お、おかえりー」
友「おかえり」

男「…何が特別なんだよ。気になるじゃねーか」


猫「な、何でもないよー!」アワアワ
男「?」

友「…」クスクス


268 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/28(木) 02:31:00.19 ID:i/PKqXtnO



猫「主様、主様」
男「んー?」

猫「いつもお側に居させてくれてありがとう」

男「…なんだよ、いきなり」

猫「だって、私が人間になっても気持ち悪がらないでくれた。変わらずに接してくれたもん、主様」
男「あんみつはあんみつだからな」


猫「だからね、あんみつ嬉しいの。ありがとう」
男「分かった分かった!あんまり言うなって。照れっから…」


猫「人間になれて良かったな、って久しぶりに思えたよ!こうやってお礼が言えたり、友さんともお話出来たしー」ニッコリ

男「…だから何なんだよ、何が特別なんだよ」
猫「ひみつー」
男「教えろよ!」


269 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/28(木) 02:33:22.41 ID:i/PKqXtnO



親「こ、この前はごめんな!」

女「…別に?元はと言えば私が頼んだことだし」


親「(…!怒られないで済む!)」


女「それに、まだ諦めたわけじゃないから」キッパリ

親「…へ?」

女「協力、してよね?」

親「(マジかよ…)」


272 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/28(木) 02:57:02.43 ID:i/PKqXtnO

男「(天気が良いな…。ちゃんと洗濯物を干せてるんだろうか…)」


友「男」
男「…」

友「(最近、ボーッとしてることが多いなぁ…)」


?「おーい、男!」

友「今は話し掛けても無駄みたい。どうしたの?」

?「男に話があるって、女の子が尋ねてきたんだよ」


友「(女さん…かな?)」

友「分かった。代わりに僕が応対するよ」ガタッ


292 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/28(木) 10:38:46.30 ID:i/PKqXtnO

友「(あれは…確か、男の後輩の子…)」


友「こんにちは」ニッコリ
後「…あれ?友先輩、ですよね」
友「ごめんね。男、今忙しくて話を出来る状況じゃないんだ」
後「…」

友「何か言付けがあるなら、僕が伝えとくよ?」

後「…いえ、大丈夫です。ありがとうございました」ペコリ

スタスタスタスタ


友「(何の用だったんだろう…)」


294 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/28(木) 10:44:11.60 ID:i/PKqXtnO

男「…」ボー
友「男、男!」ユサユサ

男「…っ、あ…わり。どした?」
友「(よく見たらすごい顔してる…。寝てるのかな)」


友「さっき、後ちゃんが来たよ。男に用がありそうな感じだった」


男「…マジかよ。俺、あいつ苦手なんだよな」
友「何で?」


男「んー、色々とな。今更何の用なんだか」
友「…?」


295 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/28(木) 10:47:33.01 ID:i/PKqXtnO



猫「…ほぇ」

猫「んー、寝てたのかー…」グシグシ


猫「(まだ3時…。主様が帰ってくるのは4時くらい…)」


猫「…寂しいなー」ゴロン





親「さ、今日はデートデート!」
男「おい」

親「…な、何!?」ビクッ

男「掃除代われ」
親「…はい」


297 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/28(木) 10:52:18.70 ID:i/PKqXtnO

タッタッ

男「(…っ、はぁ…早く帰らねーと。あんみつには俺が…)」

ドン!!

男「…いてぇっ」

?「ちょっと!それはこっちの台詞よ!」
男「…あぁ?」
?「いきなり飛び出してきた君が悪い」

男「な…っ、あんただって走ってただろ!?」


?「…夢中になりすぎて、何かを見失っちゃ駄目よ」
男「何を言って…」


?「ちゃんと忠告しといたからね?少年」


298 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/28(木) 10:57:59.05 ID:i/PKqXtnO

猫「…むぅ。主様遅い!4時過ぎてる!」ムカムカ

猫「(今日は遅くなるって言わなかったもん。主様、嘘付いた!)」


ガチャッ…タタタタッ


男「あんみつ、ただいま」

猫「…おかえりー」ボソッ


男「はぁ…変な女に会ってさ。何だか知らねーけど説教された」ハァ

猫「(お、んな…)」

男「挙げ句の果てにはあんみつ奢れ、なーんて脅迫してきたんだぜ?有り得ねぇよな」

猫「…」


307 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/28(木) 14:43:24.85 ID:i/PKqXtnO

猫「…主様のばか!!」

男「な、何だよいきなり」ビクッ


猫「あんみつ、すごく寂しかった…。心配だってしてたのに…っ!」
男「あ、あんみつ…」

猫「それなのに、あんみつのことなんか忘れて他の人とイチャイチャしてたなんて!」

男「イチャイチャなんかしてねーよ!」


猫「ばかばか!主様なんて嫌い!」
男「…っ!」


308 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/28(木) 14:49:01.81 ID:i/PKqXtnO

男「…何だよ、それ」

猫「…」

男「俺だって必死に走って帰ってきたってのに。お前が一人で寂しがってると思ったから…お前が、心配だったから…っ」


猫「…そ、そんなの嘘だ」


男「…そうか。分かった」

猫「あんみつのことなんて、どうで…」
男「ならそう思ってればいい。もう知らねぇよ、お前のことなんか」

猫「っ、そ、そーするもん!」


309 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/28(木) 14:53:09.46 ID:i/PKqXtnO

スタスタスタスタ…


猫「…主様、どこか行…」

バタン!

猫「…っ!」ビクッ


猫「…あんみつ、主様のこと怒らせた…。ついムキになって、あんなことを…。最低だ、私…」ポロ...



猫「ご、ごめんね主様…駄目な子でごめんね…」ポロポロ


330 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/28(木) 19:08:36.74 ID:i/PKqXtnO




男「はぁ…勢いで外出ちまった…」


男「(俺の気持ちも知らないで…あんみつの奴…っ)」



トタトタトタ...


男「(!…あんみつ、か…?)」


331 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/28(木) 19:10:59.90 ID:i/PKqXtnO

後「…今日、会いに行ったのに」

男「んだよ。テメェか…」チッ


後「誰だったら良かったんですか」
男「関係ねぇだろ。つうか、もう関わってくんなって言ったよな」


後「私じゃなくて、誰が良かったか聞いてるのに」

男「(うっぜぇ…)」


333 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/28(木) 19:24:03.81 ID:i/PKqXtnO

後「ね、男先輩」


男「…っ、うっせーな!俺の大切な女からの迎え待ってただけだっての!」


後「…そんな人居るなんて聞いてない」
男「何でお前にいちいち話さなきゃいけないんだよ」

後「女って人?まだ付き合ってるの?」
男「んなわけねーだろ」


後「…誰」


男「誰が教えるか。もう近寄んなよ」ガタッ

スタスタスタスタ...


後「…誰なんだろ」


335 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/28(木) 19:33:09.71 ID:i/PKqXtnO




猫「ぅ…っ、主…様…」ポロポロ


ガチャ...バタン

スタスタ…


男「…あんみつ」

猫「ひっく…、主様…主様」


ギュッ


猫「ご…ごめんね、ごめんなさい…っ」
男「あんみつ…」

男「俺こそごめん、ごめんな…」


336 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/28(木) 19:37:09.60 ID:i/PKqXtnO

猫「私、最低だ…。主様のこと、怒らせちゃった…」

男「最低なのは俺のほうだ。怒鳴った上にあんみつを放っちまったんだから…。結局、寂しい思いをさせたな…ごめんな、あんみつ」


猫「…あんみつのほうが悪かったの。ごめんね…ごめんね…。やっぱり、喋れないほうが迷惑掛けないよね…っ」

男「何言ってんだよ。悪いのは俺だって…」
猫「うぅ…っ、はぁ」

男「もう大丈夫だからな…」ギュッ


339 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/28(木) 19:46:53.04 ID:i/PKqXtnO



男「今日は寝付くまで側にいっから」

猫「…ありがとう」


男「本当に悪かった」
猫「私もごめんね、迷惑掛けちゃってごめんね」

男「…あぁ」ナデナデ

猫「私、主様に頭撫でてもらうのすごく好き。ずっと前から好き」


男「…おやすみ」

猫「おやすみ、なさい…」


350 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/28(木) 20:55:45.37 ID:EOGvttOD0



男「それじゃ、行ってきます」
猫「行ってらっしゃい」

男「…」
猫「…」

男「今日はちゃんと4時に帰ってくるから」
猫「…!うん、待ってる!」ニパッ
男「いい子だ」ナデナデ


…バタン


猫「いい子って言ってもらえた!嬉しいなっ、嬉しいな」


猫「…あれ?」

猫「(このノート、主様のだ…。忘れ物かな?)」


353 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/28(木) 21:02:48.86 ID:EOGvttOD0

男「…」

友「(今日は機嫌がすこぶる良いみたいだなぁ)」クスクス


親「なぁなぁ」
友「何?」

親「なんか今日の男…にたにたしてて気持ち悪くね?」
友「幸せな証拠だよ」
親「何で幸せ!?新しい彼女でも出来た!?」

友「どうしていつも女関係の話に持ってくかな…親は」


男「(あんみつでも買って帰るか…。いや、帰ってから2人で買いに行くのもアリだな)」


親「今度は悩んでるな…」
友「コロコロ表情が変わるから見てて面白いね」


357 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/28(木) 21:43:55.36 ID:EOGvttOD0




猫「…お家から出てきたは良いけど、学校がどこにあるか分からないんだったー!」


猫「(ど、どうしよう…!)」アワアワ


?「あら、今度は迷子?」
猫「この前の…!」

?「こんにちは」ニッコリ
猫「こ、こんにちは!」ペコリ

?「また会えるなんて嬉しいわ。それで?どこに行きたいの?」
猫「え…えと、主様の学校に…」
?「任せて」ニパッ


358 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/28(木) 21:47:18.38 ID:EOGvttOD0



猫「…わ、ここが学校…」

?「ね?任せてって言ったでしょ」
猫「ありがとうございました!」

?「挨拶も、お礼もきちんと出来るのね。それに引き換え、”主様”は…」ブツブツ
猫「?」


?「何でもないわ。それじゃ、またね。ちゃんといい子にしてるのよ?」
猫「あんみつはちゃんといい子にします!主様との約束でもありますし!」
?「よしよし」



猫「(…あれ?そういえば、何であの人は主様がここの学校に通ってるって知ってるんだろう…?)」


猫「…ま、いいや!それよりも早く届けないと!」タタタタッ





361 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/28(木) 22:11:14.56 ID:EOGvttOD0

猫「お、おっきくて何が何だか…」ポカーン


猫「…よし、誰かに尋ねてみよー!」

猫「(待っててね、主様…!)」タタタタッ





猫「あ、あの…!」
女「?どうしたのー?」

女「(あたしよりちょっと下、かな?私服だから学生じゃないし)」


362 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/28(木) 22:16:50.94 ID:EOGvttOD0

猫「え…えとですね、主さ…!」

猫「(そ、そうだ!主様って呼んでも通じないんだ)」アセアセ


女「?」キョトン


猫「…男、さんって知ってますか?」

女「…!」


猫「も、もしもーし…」

女「…ちょっと。男君の何なの?」


猫「(い、いきなり雰囲気変わった!?」ビクッ




363 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/28(木) 22:18:21.97 ID:cFcK/mp1P

修羅場来たか


377 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/28(木) 23:52:02.90 ID:i/PKqXtnO

女「…ねぇ、答えてよ」

猫「わ、私は…」


友「彼女は男の従姉妹だよ」


猫「…友君」

女「あっ、そうだったの?なーんだ!それならそうと早く言ってくれれば良かったのに」ニッコリ

猫「へ…?」


女「(男君のご親戚に失礼な態度を取るとこだった…危ない危ない!)」


378 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/28(木) 23:54:25.25 ID:i/PKqXtnO

友「今日はどうしたの?」
猫「主…、男…さんに忘れ物を届けに」

女「えーっ、わざわざ来てくれたんだ!」


友「分かった。男のところまで案内するよ」ニッコリ

猫「あ…ありがとう!」


女「またねー」

猫「は…はいっ」ペコリ


380 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 00:00:03.36 ID:FoGsNElsO



スタスタ…

友「大丈夫だった?」

猫「う、うん。あの人、ちょっと苦手かも…うぅ…」
友「気持ちは分かるよ」

猫「…それに、男君って呼ぶのにも抵抗あったの」
友「慣れてないからだろうね」


猫「…ありがとう。友さんが来てくれなかったら、あんみつ…どうすれば良いか混乱してた」

友「いや、僕も勝手に従姉妹だなんて言っちゃってごめんね」

猫「ううん!そう言っておいたほうが良いんだって、あの雰囲気で分かったから大丈夫。助かったよー…」ハァ


友「(結構…頭が良いんだよな、あんみつちゃんって)」


383 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 00:02:51.97 ID:FoGsNElsO

男「いや…やっぱり先に帰ったほうが…。でも、サプライズも良いよな…」

親「さっきから何ブツブツ言ってんの?」

男「お前には関係ねーよ」
親「ひでぇ!」ガーン


友「男」

親「友!良いとこに来たーっ。男ってば酷いんだぜ?なんか俺には…」
友「ちょっとうるさいから黙ってて」

親「もっとひでぇよ!」


385 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 00:05:28.27 ID:FoGsNElsO

友「男に可愛いお客さんが来てるよ」

男「…後だろ、どうせ」

友「(?随分表情が暗くなったな…何かあったのか)」


友「違うよ、あんみつちゃん」


男「…っ!!本当か!」ガタッ

友「うん。廊下で待たせてるから早く会いに行ってあげて」


男「サンキュ…ッ」タタタタッ


387 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 00:08:38.49 ID:FoGsNElsO

タッタッタッ


男「あんみつ…!」

猫「あ、主様ー!良かった、会えたー」ニッコリ


男「ど…どうしたんだよ」
猫「これ、お届けに来たの!」

男「(数学のノート…。でも、今日は必要なかったんだけどな)」


猫「主様が困ってるかな、って思って!あんみつ、頑張って学校に来たんだよ!」

男「…あんみつ」ジーン...


男「ありがとな、おかげで助かった。今日はこれがなきゃ駄目な日だったからよ」

猫「へへっ、良かったー」ニッコリ


398 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 01:13:23.79 ID:FoGsNElsO

男「じ、実は…な」
猫「?」


男「今日、ずっとあんみつのことばっかり考えてたんだ。だから…お前が来てくれて、なんつーか…すっげぇ嬉しいんだ」

猫「…主、様…」

男「…変だよな!」アセアセ


猫「そんなことないよ、主様」
男「そ、そうか…?」


399 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 01:16:38.78 ID:FoGsNElsO

猫「私は今日だけじゃなくて、いつもいつも主様のことを思ってるよ」

男「あ、んみつ…」

猫「ずっと、ずっと…主様が私を選んでくれた日から、ずっと」


猫「あんみつの大切な”ご主人様”だから」


男「…ありがとな。いい子だ」ナデナデ
猫「今日は褒められてばっかりだー」ニッコリ


400 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 01:21:40.98 ID:FoGsNElsO

猫「じゃ、そろそろ帰るね!」
男「…もう帰っちまうのか?」

猫「学校は私が長居しちゃいけない場所だから!お邪魔になっちゃう」

男「分かった。気をつけて帰れよ?」
猫「うん!あんみつ、ちゃんと帰って主様のお帰り待ってるー」ニパッ



友「(端から見たらカップルそのものだなぁ…)」

親「友!」

友「…何、邪魔しないでよ。せっかく今良いと…」
親「だ、誰だよあの女の子!」

友「男の従姉妹っていう設定だよ」

親「設定!?どういう意味だよ!」
友「…声大きいって」ハァ


402 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 01:35:31.69 ID:FoGsNElsO

男「(…すっげぇドキドキしてる。何なんだこれ…っ)」


親「…ノート持ったまま、立ち尽くしてるな」
友「顔が真っ赤だ。珍しいね」クスクス

スタスタ…

男「…んだよ、お前ら居たのか」

友「帰っちゃったの?」
男「あぁ」
友「なんだ、残念だな」

親「な、従姉妹っていう設定ってどういう意味だよ」


男「…友がそう言ったのか?」コソッ
友「うん」
男「サンキュ。そのほうが良いだろうな」

親「なー、教えろよー」


442 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 17:14:30.43 ID:FoGsNElsO




猫「ふんふんふーん。ちゃんとお届け出来たー」ニコニコ


猫「私、ちゃんとお力になれたよね。主様、喜んでくれたよね!」





親「なーに言ってんだよ!有り得ねーだろ!」

男「…だから言いたくなかったんだ」ムスッ
友「同意見だね」


親「は…?え、何?マジなの?」


446 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 18:03:04.62 ID:FoGsNElsO




男「(やっと放課後…!さっさと帰んねーと!)」ダッ


親「男!さっきの話の続き…ってもういねーし…」
友「僕が話してあげるから」





男「…くそっ、何でこーいう時に限って靴紐が解けてんだよ!」


後「…先輩」


448 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 18:05:08.39 ID:FoGsNElsO

男「…」ハァ


後「さっき、女の子と喋ってたでしょ。見てた」

男「…何で2年の校舎に来てんだよ。相変わらずだな、お前」


後「先輩。誰?あの子。この前言ってた子?」


男「(めんどくせぇなもう…)」イライラ


449 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 18:11:47.86 ID:FoGsNElsO

男「お前さ、何なんだよ。大人しくなったと思ったらよ…」


後「…私だって我慢してたよ。先輩に、怒られてから…。でも、でも女って人とデートしてた…!私が、我慢してるのに先輩はデートだなんて…!」ギリッ…

男「(はぁ…。やっぱり行かなきゃ良かった)」


後「女って人ずるい。先輩と別れたと思ったら、またデートするなんて、ずるいずるい…!」


男「…俺とアイツが別れることになったのはお前のせいだろ」

後「…っ!」


460 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 20:58:41.58 ID:kN+Bu0PN0

後「…な、何を言って…」

男「親に女の浮気現場を見られるよう、仕向けたのはお前だろ」
後「…」

男「女は勘違いだって言い張ってるけどな。親は親でお前の思惑通り誤解しまくったし」


後「…どうして、私のせいだって分かったんですか」
男「女の浮気相手がお前の元彼だって聞いたら、そりゃあ誰でもピンと来るだろ」



461 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 21:01:28.19 ID:kN+Bu0PN0

後「だ、だって…!あの女が浮気したら先輩が私に振り向いてくれると思って…!」

男「…意味わかんね」ハァ


後「ねぇ、お願い先輩…。好きで、好きで仕方がないんです…!仕方がないことだったんですよ!」


男「…もう、うんざりなんだよ」
後「え…?」

男「浮気だとか、他の女がどうとか…うんざりなんだって…」


462 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 21:05:38.36 ID:kN+Bu0PN0

男「今は…そんなこと関係なしで、俺の傍に居てくれる存在を大切にしたいって思ってるんだ」

後「…」

男「お願いだから…今の幸せを壊さないで欲しい。頼むから」


男「本当に、大切なんだよ。初めてなんだよ、こんな気持ちを持ったのは」

後「せ…んぱい…」


男「…帰る」スタ..

後「…その存在って、やっぱり前に言ってた子ですよね。先輩の彼女なんですよね」


男「…っ」


463 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 21:09:28.37 ID:kN+Bu0PN0

男「…彼女じゃねーよ。俺の…”従姉妹”だ」
後「い、とこ」


後「そ…んなの変ですよ!親戚に恋してるなんて…!」

男「うっせーな!関係ねーだろ!!」バンッ
後「…!」ビクッ..


男「もう話掛けるんじゃねーぞ…近寄っても来るな」

スタスタスタ...


後「おかしいですよ、先輩…。目を、覚まさなきゃ…」ボソボソ


466 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 21:18:01.11 ID:kN+Bu0PN0

タッタッタッ...

男「(彼女ではない…。従姉妹、でもない…)」

タタッ...ピタ...

男「…今の俺とあんみつの関係って、何なんだろう…」





友「…ん?あれは…」

後「…」


友「(後ちゃん…。なんで下駄箱に立ち尽くしてるんだろ…)」


親「友ー!!わりぃ、待たせたな!!」

後「…!」ビクッ 

タタタタッ...


友「…あーあ、行っちゃった」
親「?何がだ?」


473 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 22:15:19.46 ID:kN+Bu0PN0



猫「ね、主様ー」
男「ん?」

猫「さっきね、テレビ見てたの。そしたらね、男より女のほうが寿命短いって。本当なの?」

男「あー、ほんとほんと」
猫「どうして?」

男「さぁ、どうしてだろうな。それよりもお前、テレビを見る時は離れろっつったろ」
猫「だだだだってテレビ面白いからついつい近くで見ちゃうんだもん!」


477 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 22:41:55.57 ID:kN+Bu0PN0

男「…なぁ」

猫「何?ちゃんと離れて見てるよ?」
男「そうじゃなくて」

猫「?」


男「…あんみつは、俺の…こ、こ…」
猫「こ?」
男「…っ、なんでもない」プイッ

猫「?変な主様ー」


男「(心臓がバクバクうるさい…!何だこれ…っ)」


478 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 22:45:45.63 ID:kN+Bu0PN0




男「行ってきます」

猫「行ってらっしゃーい!早く帰ってきてねー」
男「…お、おう」

猫「…なーんか変。主様、昨日から変!」
男「んなことねーよ…」
猫「変ったら変!」

男「よく考えてみると…新婚みたいだな…って、な…」ボソッ

猫「何?よく聞こえない」


男「…っ、行ってくる!」

ガチャッ...ダダダ


猫「…むぅ。やっぱり変」


482 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 23:12:31.93 ID:FoGsNElsO




友「…それで、あんみつちゃんと上手く話せないわけか」
男「おう…」

友「(意識してるってことに気付いてないのかな…)」


友「何でだか分からないの?」

男「分かってたらこうして相談なんかするかよ」


友「(無自覚か…)」


男「なぁ…何でだか友には分かるか?」

友「(男が男自身で気付く問題だよな…)」


友「どうだろ。分からないかも」


483 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 23:15:05.33 ID:FoGsNElsO



猫「…はぁ、やっぱりお外は気持ちいいなー」

猫「みゃぁ」
猫「…うぅ、ごめんね。何言ってるかやっぱり分からないや」ショボン


猫「(そう言えば、このお友達の猫ちゃんの名前…なんだっけ…)」


後「…あの」
猫「?」


484 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/29(金) 23:17:30.57 ID:FoGsNElsO

猫「どうしました?私に、何かご用ですか?」


後「…男さんの、お家って分かります?」

猫「はい!知ってますー」ニッコリ


後「どうして、分かるんですか?」
猫「ふぇ!?え…えと…」オロオロ


後「教えて下さい」

猫「(あ、あれを言えば…っ)」


猫「私、は…従姉妹だからですよ!」


489 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 00:21:07.62 ID:7UgIgXv0O

後「!」

後「(この子が…男先輩の言ってた…)」


猫「あ、あの…」オロオロ


後「…男さんに、会いたいんです。家の前で待たせてもらっても良いですか?」
猫「だ、大丈夫ですけど」

スタスタ…


猫「(あ、れ…何でこの人、こっち方面だって知ってるんだろ)」


490 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 00:23:23.28 ID:7UgIgXv0O




猫「(結局…私が付いてく形になっちゃった。おかしい…)」


後「じゃ、待たせてもらうんで」


猫「…だめ」

後「は?」


猫「よ、用件なら私が聞いて男、さんに伝えます!なので、お帰り頂けますか…っ?」


491 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 00:25:29.85 ID:7UgIgXv0O

後「…何、突然」


猫「(やっぱりだ…。なんか、嫌な予感がする…。学校で会った女の人と喋った時と一緒の…)」

猫「(この人と、主様を会わせちゃ駄目な気がする…!)」


後「ねぇ」

猫「…っ」ビクッ


後「どうして、いきなりそんなこと言い出したの?」


494 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 00:32:02.34 ID:7UgIgXv0O

猫「…」


後「もしかして、先輩から聞いてるの?」

猫「え…」


後「私が先輩のことを執着してて、ストーカーまでしてたこと」

猫「…す、とーかー」


”実はさ、最近ストーカーに悩まされてんだよな…”

”ずっと見張られてるみてぇで怖いんだ…。今日は一緒に寝てくれるか?”


”どうして、こんな目に合わないといけないんだろうな”


猫「(私が猫だった時…主様が悩んでたのは、この人のせいだったんだ…)」


495 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 00:36:00.58 ID:7UgIgXv0O

猫「…だめだめだめ!!」

後「!?」


猫「お願いだから帰って…っ!主様を困らせるのはもうやめて!」

後「…」


猫「主様、すごく傷付いてた…!いつも寝れない日々を過ごしてた!だか…」


パンッ!!


猫「…え…」

後「あんたに先輩の何が分かるの!?”従姉妹”だから特別とでも思ってるんでしょ!」


猫「(ほっぺ…じんじんする)」


496 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 00:39:12.96 ID:7UgIgXv0O

後「…このこと、先輩に喋ったらタダじゃ済まさないからね」

猫「まっ…」

タタタタッ


猫「…行っちゃった」


猫「あんみつ…頑張ったよね。主様のこと、守れた…よね」

ポロポロ…

猫「っ…ひっく…わ、私は特別だもん…っ。”従姉妹”なんかより、きっと特別だもん…!」



猫「…痛いよ、主様…。色んなところが痛いよ…」


500 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 00:44:50.67 ID:7UgIgXv0O

猫「…」ボー


猫「(道路のど真ん中でしゃがんでたら…迷惑になっちゃう…)」スクッ..


トボトボ…


猫「最近…主様の様子がおかしかったのは、あの人のせいなのかなぁ…」


猫「はぁ…とにかく、早く冷やさなきゃ…」


502 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 00:58:44.56 ID:7UgIgXv0O




男「ただいま。今日は少し時間があったからスーパーであんみ…」

猫「主様おかえりー」トタトタ

男「ど、どうしたんだよ…!その頬!真っ赤じゃねーか」

猫「(やっぱり冷やしても駄目だったかぁ…)」


男「あんみつ!」

猫「か、階段で転げ落ちちゃった時にほっぺを手摺りにぶつけちゃったの」アセアセ


男「…痛かっただろ。待ってろよ、今冷やすもん持ってくっから!」


猫「待って、主様」

男「…っ、なんだ…?」


503 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 01:03:57.10 ID:7UgIgXv0O

猫「あんみつは、特別?」

男「…?」


猫「”従姉妹”よりも特別だよね…?主様の”ペット”だよね…?」

男「特別に決まってんだろ…。ごめんな、従姉妹だなんて嘘ついちまって」

猫「良いの。そう言わなきゃいけないこと、分かってるから…でも、少し不安になっちゃったの」

男「あんみつ…」


猫「私、ずっとずっと主様のこと見てきたよね?ずっと一緒だったよね?ちゃんと主様のこ…」

ギュッ…

男「あんみつが1番大切だ…。不安にさせて悪かった。ごめん、ごめんな…」


505 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 01:11:03.32 ID:7UgIgXv0O

男「あんみつは、俺の…」
猫「…」スースー

男「寝てる…」



男「…おし、これで大丈夫だな」ピタッ

男「すっげー痛そう…。どんな落ち方したらこんなになるんだよ…」


猫「主…様…」

男「!…あ、んみつ…?」


男「(…寝言かよ…)」


506 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 01:18:51.22 ID:7UgIgXv0O



親「なぁ、あんみつにはいつ会わせてくれんだよ」
男「…誰がいつ”あんみつ”呼ばわりしていいって言った?」ギロッ

親「(こわ…!)」


友「親、人間になれて数ヶ月が経ったからってまだまだ環境に慣れてないんだから初対面の人間に気軽に会えるわけじゃないんだよ」

親「お前は会ってるじゃねーか」

友「僕は猫の時から何回も会ってるからね」ニッコリ


親「だから俺も家に誘ってくれれば良かったのに!」


508 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 01:21:23.35 ID:7UgIgXv0O

親「会ってみてぇなー…」ブツブツ


女「ね」
親「…!な、何だよ女か…」ハァ

女「最近、男君はどんな感じ?」


親「ど…どうって…あん…!」


”いい?あんみつちゃんのことは、あまり人にべらべら喋っちゃ駄目だからね”


女「何?」
親「あんパンにハマってるみたいだぜ!」アセアセ

女「はぁ?」


510 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 01:23:55.88 ID:7UgIgXv0O



猫「(最近、チロルちゃんに会えてないな…)」

猫「連絡先、聞けば良かった…」ショボン


姉「あ、いたいたー」タタタッ

猫「!姉様っ」


姉「家に居ないから探しちゃったわよ!」

猫「(わざわざ探しに来てくれたんだ…っ。姉様はやっぱり優しいなー…)」


511 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 01:27:21.48 ID:7UgIgXv0O



姉「ね、最近はどう?男と上手くいってる?」
猫「ちゃんと仲良し!いつも笑ってるよー」

姉「そう。良かった」ニッコリ


姉「あなたみたいな素敵な家族が増えるのなら大歓迎だわ!」
猫「家族?」

姉「2人が結婚したら、あたしはあなたのお姉さんになるのよ」

猫「結婚は無理だよー」

姉「まぁ、今はね!でも、このまま仲良くやってたらその可能性が無いわけじゃないわ」


513 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 01:29:56.41 ID:7UgIgXv0O

姉「…あら!もうこんな時間!」
猫「姉様、もう行っちゃう?」

姉「ごめんなさいね。仕事抜け出してきたものだから…そろそろ戻らないと」


猫「また会える?」
姉「もちろんよ!男にもよろしく伝えといて」

猫「うん!姉様、バイバイ!」
姉「またね」ニッコリ



猫「…また、会えるといいな」


514 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 01:33:06.25 ID:7UgIgXv0O

?「そんな顔しないで!可愛いお顔が台なしよ」

猫「わっ、また会ったー」


?「せっかく腫れも引いたんでしょ?なら笑って笑って!」
猫「…笑えない、です」
?「どうして?」

猫「最近、嫌なことばっかり…。姉様にも、嘘付いちゃった」

?「あんなの嘘なんて言わないわ。お姉さんに心配掛けさせたくないが為のことでしょう?」


猫「…でも」


?「大丈夫。きっと、そのうち良いことが起きるから」
猫「ほんと…?」

?「私が保証するわ」


515 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 01:35:36.13 ID:7UgIgXv0O

?「それはそうと、ホットケーキはもう食べた?」

猫「…はっ、忘れてたー!」
?「コラコラ。せっかく教えてあげたのに」

猫「ごめんなさい。最近、物忘れが激しくて…」


?「…そうね、色々と忘れてるかもしれないわね」ボソッ

猫「へ?」


?「また会いましょう。その時は、ちゃんとホットケーキを食べた感想を教えてね?」

猫「は、はいっ!」コクリ


516 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 01:38:24.11 ID:4ojX8UkYO

なんか無性に子猫ほしくなったよー


517 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 01:38:42.19 ID:7UgIgXv0O

?「それじゃ…」


猫「…待って下さい」

?「何?」ニッコリ


猫「あなたは、何物なの?」


?「…どういう事かしら」


猫「どうして私の頬が腫れたことを知ってるの?どうして…」

?「お姉さんに嘘を付いたことを知ってるかって?」


猫「…!は、い…」コクリ


524 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 02:06:52.83 ID:7UgIgXv0O

?「…ずーっと見てきたけど、あなたは本当に頭が良い猫ちゃんね。お姉さんびっくり」

猫「な、んで…私が猫だったことを…」

?「言ったでしょ?ずっと見てきた、って」クスクス


猫「…あなたもストーカーなの?」

?「ちょ、ちょっと!そんな者と一緒にしないでくれる!?」アセアセ
猫「だ、だってずっと見てるって…」


?「私は、あなたを猫から人間に変えた張本人よ」


525 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 02:09:43.92 ID:7UgIgXv0O

猫「…」ポカン

?「もう!ネタバレするのはもう少し先の話だったのに!」


猫「あ…あの…」

?「しっ!」
猫「!?」

?「その続きは今度会った時に聞いてあげる。その時まで、ちゃんと変わらず良い子にしてるのよ」

猫「は、はい…」

?「じゃあね」ニッコリ


猫「…私を、人間にしたのはあの人だったんだ…」


527 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 02:13:25.59 ID:7UgIgXv0O



男「…俺、ずっと無意識に否定し続けてたのかも」

友「うん?」


男「あんみつは元々猫だったし、いつ戻るかも分かんねーだろ?」
友「そうだね」

男「だから…自分の気持ちを、必死に抑え込んでた。否定…し続けてた」
友「…」


男「…正直、どうすれば良いか分かんねーんだ」

友「男」
男「ん…?」

友「そろそろ、自分に正直になっても良いんじゃない?もう、考えはまとまってるだろうし」


男「…おう」


528 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 02:15:51.76 ID:7UgIgXv0O




猫「(今日の出来事は…主様には言っちゃいけない、よね。きっと混乱しちゃうだろうし)」


男「…あんみつ」
猫「!な、なに?」

男「話が…あるんだ」

猫「は、なし?」


男「…っ、やっぱりまた今度で良い!」プイッ
猫「へ?」


529 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 02:18:49.95 ID:7UgIgXv0O



トボトボ...

猫「(昨日の主様、おかしかったな…。もしかしてまた…あの人が…)」


後「…ちょっと」

猫「(噂をすれば、だ…)」ハァ


後「先輩とは一緒に住んでるの?」

猫「…だったら何だって言うんですか」


531 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 02:22:15.24 ID:7UgIgXv0O

後「いつから住んでるの?」
猫「私は…」


猫「(あ、れ…いつから、主様とは一緒なんだっけ…)」


猫「(そもそも…どうやって主様とは知り合ったん…だっけか…)」


猫「(あ、れ…あれ…?)」


猫「…」

後「…ちょっと!無視しないで!」ガシッ
猫「…っ!?」


後「この前から何よ、その態度…!見てて本当にムカつく!」ギリッ…

猫「い、いた…っ」


532 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 02:25:49.72 ID:7UgIgXv0O

後「先輩と仲良くしてたって無駄なんだから!いとこ同士では結婚なんか…出来ないんだから!」

ギリ…ッ

猫「痛い…っ!」


後「私は出来る!彼女にも、奥さんにもなれるんだからね!あんたとは違う…!」


猫「…結婚が出来ないことくらい、知ってるもん」ボソッ

後「何…?」

猫「私は…、私は…!」



女「ちょっと!何してんの!!」


535 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 02:29:38.16 ID:7UgIgXv0O

女「大丈夫!?」
猫「…っ、あ…


」後「(この人に見られちゃまずい…っ!)」タタタタッ


女「あ、ちょっと!待ちなさいよ!」

猫「…はぁ」


女「…何よ、いつもはあんなに大人しいくせに逃げ足は速いんだから!」


猫「(二人は…顔見知りなんだ…)」


536 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 02:32:02.72 ID:7UgIgXv0O



女「とりあえず冷やさないとね」

猫「…いたっ…」ズキ..
女「あ、ごめん。染みちゃったかな…」


女「随分強く掴まれたんだね…っ。すごく赤くなってる」

猫「(どうしよう…また主様に心配かけちゃう…)」


猫「あ、あの…ありがとう」

女「平気平気!それにしても酷いね…」


533 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 02:28:21.28 ID:0Pt768HX0

いとこって結婚できるんじゃなかったっけ?


537 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 02:33:09.12 ID:7UgIgXv0O

>>533
orz

さっきから本当にすみません…
この世界では出来ないという設定でお願いしm


542 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 03:02:32.51 ID:7UgIgXv0O

猫「…っ、本当にありがとう。このお礼はまた改めて…」ヨロ...

女「!まだ座ってれば良いのに…」

猫「…いえ、ちゃんとお家で待ってる約束をしたので。それじゃ…」ペコリ



女「(何だ…すごく良い子じゃない)」


580 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 13:32:04.07 ID:7UgIgXv0O

ヨロ…スタスタ...


猫「っ、はぁ…」


猫「(痛いけど…そんなこと気にしてる場合じゃない…っ。早く、早く帰って主様に…)」


スタスタ…ピタッ


猫「…あ、れ…お家、どこだったっけ…」



猫「何で、私は”主様”なんて呼んでるんだろ」


581 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 13:35:20.17 ID:7UgIgXv0O

?「ダメ。もう見てらんない」


猫「…あ、れ…」


?「腕を掴まれただけじゃなくて、引っ張られた時に足も捻ったのね。可哀相に」

猫「あ、はは…何でも、お見通しなんですね」


?「ごめんなさいね。もう少し猶予をあげたかったんだけど…。まぁ、あなたの中では考えがまとまってるみたいだから大丈夫よね」

猫「…?」


582 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 13:41:43.57 ID:7UgIgXv0O

猫「…あなたは、一体何なんですか?」

?「んー、”猫の神様”ってところね。あなたの願いを叶えに来たのよ」

猫「か、みさま…」


?「もう少しきちんと説明したいんだけど、精神的にキテるみたいだから…」

猫「…」ポロ...


神「…ご、ごめんなさい。せっかく人間にしてくれたのに…」

?「大丈夫よ。ちゃんと分かってるから」


584 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 13:45:58.20 ID:7UgIgXv0O

?「あなたの願いを、もう一つだけ叶えてあげる。良い?一つだけよ」
猫「…っ、ぅ…はい…」ポロ...

?「あなたの主様ときちんと話し合って決めなさい」


猫「はい…はい、ごめんなさい…」


?「私こそごめんなさいね、辛い思いをさせちゃって。ホットケーキの感想、聞きたかったわ」
猫「うぅ…っ、ひっく…」


585 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 13:48:48.20 ID:7UgIgXv0O




男「(あんみつ…何してんのかな)」ボー


友「…男」
男「んー…?」

友「女さん、話があるって」

男「…ぜってぇ聞かね」


友「後ちゃんのことで…話があるみたいなんだ。あと、従姉妹がどうとか…」

男「!?」


587 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 13:52:27.46 ID:7UgIgXv0O




女「ごめんね、呼び出したりして」
男「…どうしたんだよ」

女「さっき、偶然見ちゃったの。後って子が男君の従姉妹に突っ掛かってるのを…」


男「…いつの話だ?」
女「今日の朝だよ。あたしが学校に来る前のことだから」


626 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 15:37:21.54 ID:7UgIgXv0O




チ「ご主人はあっちを探して下さいね!」
主「う、うん」

主「(学校あるんだけどな…。ま、いっか)」


主「でも、そんなに焦るチロルも珍しいな。急用なのか?」

チ「いえ…。でも、今会っておかなきゃ…もう会えないような気がして…」シュン..


主「(引っ越しの予定でもある友達なのか…?)」


627 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 15:38:08.33 ID:7UgIgXv0O




男「(あの時も様子がおかしかった…。思ってみれば、手摺りにぶつかっただけであんなに腫れるはずがないのに…)」

男「…後、のせいだったのか…」ブツブツ


女「…男?」

男「!…わり、ボーッとしてた…」


女「でも、さ…男がそんなに心配がるのなんて珍しいよね」
男「…」
女「そんなに大事な”従姉妹”なんだねっ!」

男「…違う」
女「?」

男「あんみつは…俺の、俺の…っ!」


629 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 15:40:58.02 ID:7UgIgXv0O

友「ちょっといいかな?」


男「…っ」
女「友、君…」

友「話し合ってる最中、邪魔しちゃってごめんね」


友「…女さん、さっき友達が呼んでたみたい。教室で待ってるって」

女「あ、うん…。分かった、ありがとう」タタッ


男「…」
友「…」


630 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 15:42:19.69 ID:7UgIgXv0O

男「話、聞いてたのか?」
友「…ごめんね、少しだけ」
男「いや、お前になら良い」


友「やっぱり…後ちゃんが何かやらかしたみたいだね」

男「やっぱりって何だよ…」

友「前々から様子がおかしかったんだ。そんなに接触はしてなかったけど」


男「…あんみつが心配だ。俺、このまま抜ける」
友「うん、先生には僕からちゃんと…」

?「ちょっと待って、少年」


634 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 16:00:25.24 ID:7UgIgXv0O

男「あんたは…」
友「え、知り合いなの?」キョロキョロ


?「この前はどうも」ニッコリ
男「…慰謝料でも貰いに来たのかよ。わざわざ学校まで調べて」


?「…本当に生意気ね。あんたの飼ってた可愛い猫ちゃんとは大違い!」

男「…あ?」


友「(猫って…あんみつちゃんのこと、だよな…)」


635 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 16:03:16.99 ID:7UgIgXv0O

男「前から変な女だとは思ってたけど…誰なんだよ、お前」

?「少年…少しは言葉遣いに気をつけたら?仮にも私は”猫の神様”なのよ?」イライラ


男「はぁ?何を言って…」

友「待って!」
男「!?な、何だよ」


友「僕らが話を出す前に、あんみつちゃんの話題をしてきたのはあの女の人からだ」

男「それが何だってんだよ…」


友「あんみつちゃんが猫だって前々から知ってたってことだろ?」
男「…」

友「この人なんじゃないかな、あんみつちゃんを人間にしたのは…」

男「…!」


636 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 16:05:34.94 ID:7UgIgXv0O

男「…あの」
?「何よ」

男「本当に、”神様”なのか…?」

?「…そうよ?何か文句あるの、少年」


男「いや…そうだったら礼を言わなくちゃ、と思って」
?「礼?」

男「あんみつ、を…人間にしてくれたこと、すげぇ嬉しく思ってるから…」
?「…」


男「…ありがとう。そして、すみませんでした」ペコリ

?「…どうも調子が狂っちゃうわね」


651 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 17:35:44.61 ID:7UgIgXv0O

?「あなた達が思ってるように、私があの子を人間にしたの」

友「…それは、何故?」


?「人間になって、自分の主と喋ってみたかったんじゃないかしら。あの子の場合はあなたの言ってることが通じなかったみたいだし」

男「…」

友「え、通じる場合もあるんですか?」
?「人間の言葉を理解出来る猫もいるわ。ごくたまーにだけどね」


652 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 17:40:28.77 ID:7UgIgXv0O

男「…じゃ、あなたが現れたってことは…あんみつは…」


?「誤解しないで。違うわよ」

男「…猫に戻すわけじゃないのか…」ホッ


?「随分と頭が良い猫ちゃんをお持ちで羨ましいわ。それに、とっても良い子だし」
男「…?」

?「私はね、そんなあんみつちゃんの願いをもう1度だけ叶えに来たの」

男「…願い…」


?「このことはもう、あの子には話してあるの。だから2人でゆっくり話し合っ…」

男「…!」ダッ


友「男!?」

?「あー、こら!まだ話の途中でしょうが!!」


656 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 17:42:52.83 ID:7UgIgXv0O




男「…!」タタタタッ


男「(あんみつが、ずっとずっと人間でいられる…!これからもずっと…!)」


男「…っ、はぁ…これで、これでやっと言える…!」





ガチャッ!!ダダダッ


男「あんみつ…!」


660 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 17:46:39.37 ID:7UgIgXv0O

猫「主様、おかえり」ニッコリ


男「ただいま…っ、いや、それどころじゃないんだ!お前も会ったんだろ!?」
猫「神様にでしょ?」

男「そうだよ!願いを叶えてくれるって…!だから、俺達はずっと人間同士として…っ」

猫「…」

男「俺、ずっと怖くて言えなかったけどやっと言えるんだ…お前のことが、」


猫「私、人間にはならないよ主様」


663 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 17:49:43.79 ID:7UgIgXv0O

男「…は…?」


猫「私は、猫に戻るの。もう決めたの」


男「な、何言ってんだよ…冗談だろ…」
猫「ううん、冗談じゃない」フルフル

男「…っ、あんみつ!!」


猫「…ごめんね。私は、人間にはなれないの」


666 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 18:00:50.83 ID:7UgIgXv0O



友「はぁ…、男足早過ぎ…っ。まぁ、家に向かったんだろうけど…」タタタッ
友「(それにしても…)」




?「…ったく、人の話は最後まで聞きなさいよ!」

友「あの…」
?「何、まだ居たの」

友「願いを叶えるにあたって、男やあんみつちゃんにリスクってありません…よね?」


?「…さぁ、どうかな」
友「答えて下さい」

?「駄目よ。内緒って言われちゃったの。私がここで喋ったら、約束を破ることになる」

友「…誰との、ですか」

?「あんみつちゃんとの」



友「(一体…何を隠してるんだ…)」


691 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 21:45:15.57 ID:20S7N9cN0



トタトタ...

友「…はぁ、やっと着いた…」

友「(ドアが開いてる…入っちゃって良いかな…)」


友「男…」


男「…ふざけんなよ!!!」

友「!?」ビクッ


友「(な、何だ…?)」


694 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 22:08:22.57 ID:20S7N9cN0

男「どういうことだよ…ちゃんと説明しろ!!」

友「(どうして男が怒ってるんだ…?)」


猫「…説明も何も、もう決めたことだから…」
男「それで俺が納得出来るとでも思ってんのか!?」

猫「…っ」


男「…あんみつ」

猫「…い、から」
男「あ?」


猫「私は、ずっと…ずっと主様のペットとして生きていたいから…!」


699 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 22:23:17.35 ID:20S7N9cN0

友「…そうだ」

”…っ、私、これからもずっとずっと主様のお側に居るよ!友さんの為にも!”


友「(あんみつちゃんは、ずっと…ずっと…)」

”…それに、男君って呼ぶのにも抵抗あったの”


友「…っ、…何で気づかなかったんだろう…」



”そうだよ!主様は、私の”ご主人様”だからお友達じゃないの”


700 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 22:26:28.75 ID:20S7N9cN0

男「…ペットより、人間のほうが幸せに決まってるだろ!?」

猫「…」

男「喋れるし、感情をちゃんと表現出来るし…!」


男「お前だって言ってただろ!?俺と喋れて嬉しい、って…人間になれて良かったなって!!」
猫「…」

男「第一、あんみつが願ったことじゃねーかよ!!」


701 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 22:28:02.99 ID:20S7N9cN0

猫「…主様」

男「…っ、はぁ…」


猫「確かに人間になりたいと願ったのはあんみつだよ?人間になれて、素敵だなって思ったこともあった」
男「なら…!」


猫「でも、思い出して欲しいな」

男「な、何を…」



猫「私は本当に、人間になりたがってた?」


702 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 22:30:01.59 ID:20S7N9cN0

””従姉妹”よりも特別だよね…?主様の”ペット”だよね…?”

男「…な、何言って…」


”主様と仲良く出来ないなら猫のほうが良かったー!!”

男「違う…違う…」


”あんみつはいつ戻っても良いけどー”

男「そんなこと…そんなこと…っ!!」


”ずっと、ずっと…主様が私を選んでくれた日から、ずっと


あんみつの大切な”ご主人様”だから”


707 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 22:51:12.41 ID:20S7N9cN0

男「…っ、そ…んな…」

猫「ごめんね…ごめんね、主様」


友「(人間になっても、男を”主様”としてしか思ってなかったわけか…)」


男「…」
猫「主…さ、ま」


男「…ごめん、ごめん…気づけなくて、分かってやれなくて…」
猫「…」


男「この前の頬の腫れも、その手首の傷も…俺のせいなんだ」


709 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 22:55:02.58 ID:20S7N9cN0

男「俺が…俺が、馬鹿みたいにベラベラあんみつのことを喋ったから…」




?「…夢中になりすぎて、何かを見失っちゃ駄目よ」
男「何を言って…」


?「ちゃんと忠告しといたからね?少年」



男「…っ、そいつを責めたって何にもならないことは…学んだはずだったのに…」


男「お、俺が…ちゃんと対処してたら…あんみつが傷付かなくても良かった、から…!」ポロ...



男「ご…ごめん、ごめんな、あんみつ…っ」


711 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 23:01:33.03 ID:20S7N9cN0

猫「…泣かないで、主様」

男「っ、く…う…」ポロポロ


猫「主様は悪くないよ。悪いのは…人間になりたいだなんて、軽々しく願った私なんだから」
男「…!」

猫「私が、人間にならなかったら…主様も傷付くこと、なかった。他の人だってそう…」

男「ちが…ちがう…っ」

猫「あんみつは、人間になっちゃ駄目な子だったね。”願い”でも、何でもなかったね」

男「あんみつ…!!!」



猫「だから、もう解放してあげる。あんみつの”わがまま”から、解放してあげる」


716 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 23:10:10.76 ID:20S7N9cN0

猫「…ごめんね。あんみつも、いっぱいいっぱいだったの」


”っ…ひっく…わ、私は特別だもん…っ。”従姉妹”なんかより、きっと特別だもん…!”

猫「人間でいれば、いるほど…何もかもを欲しがりそうな気がして…怖かった」


”…結婚が出来ないことくらい、知ってるもん”

猫「一つの”願い”が叶えば、また新しい”願い”が出来ちゃって…」


”…じゃ、主様の”彼女”って誰、なの…かな…”

猫「あんみつも…苦しかったんだ。すごく…辛かったの」



猫「…ご、めんね…本当にごめんなさい…」ポロポロ...


726 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 23:46:52.54 ID:7UgIgXv0O

友「(違う…。あんみつちゃんは、自分の気持ちに制御をかけてただけだったんだ…)」

友「(全ては男に迷惑を掛けたくないが為のこと)」


友「”主様”として見てる他なかったってわけか…」ポツリ





男「…」
猫「え…へへ。あんみつ、最後までわがままだよね」

男「(あんみつは…)」


猫「ほ…っ、本当はね、主様が先に死んじゃうのも嫌だったのっ。ほら、前寿命のお話したでしょ?」

男「(俺のことを…ずっと、ずっと想ってくれてたのに…)」


猫「さ、早く神様にお願い叶えてもらわなきゃ!あんみつの記憶が無くなっちゃう前に!」

男「(なのに俺は…俺は…っ!)」


728 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 23:51:00.23 ID:7UgIgXv0O

猫「…主、様?」


男「…分かった」
猫「え…?」


男「あんみつの”願い”なんだから、俺が無理強いするのも変な話だしな」

猫「主、様」



男「あんみつの好きにしたら良い。俺はもう、何も言わない」

猫「…」


男「…今度は、俺が我慢する番だから」


729 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 23:55:14.97 ID:7UgIgXv0O

猫「ほん、と?」
男「俺が嘘付いたこと、あるか?」
猫「…ない」


友「(男…)」


男「まぁ、前の生活に戻るだけだしな」
猫「…」

男「…ただ、戻るだけだ」
猫「う、ん」


男「…なぁ、あんみつ」

猫「なぁに?」



男「俺も、ずっとずっと…


…主人として、”ペット”としてのあんみつが好きだからな」


730 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 23:57:52.74 ID:7UgIgXv0O

猫「…ありがとう」


男「ほら、神様とやらんとこにさっさと行って来い。早いほうが良いだろ」

猫「主…様」


男「どうなるかは知らねぇけど、俺はずっとここに居るから」

猫「…っ、うん。行ってきます、主様」
男「気をつけてな、あんみつ」


猫「…」タタタッ


732 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/30(土) 23:59:52.96 ID:7/w1HD+O0

ほんとうにそれで良いのかばかやろう…


737 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/31(日) 00:05:24.72 ID:E0YUg3wmO

友「…駄目なご主人様だね。嘘つかないとかどーとか言っておいて、平然とした顔ですぐに嘘つくなんて」

男「…うっせ、見物料取るぞ」


友「ほんと…二人揃って嘘つきだね」





猫「…っ、いた…!」ズキズキ


猫「(やっぱりまだ痛い…)」



猫「…違う。痛いのは、足と腕だけじゃないみたいだね…」


748 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/31(日) 00:20:21.08 ID:E0YUg3wmO

?「まだ無理しちゃ駄目よ」

猫「…神様だぁ…。良かった、早めに見つかって」ホッ


?「ちゃんと、話し合ったのね?」

猫「…はい」コクリ


?「さっきのお願い事に変更は?」



猫「…ありません。よろしくお願いします」


749 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/31(日) 00:24:52.17 ID:E0YUg3wmO

?「分かった。あ、ちゃんと約束守ったからね」


?「あの2人には、あなたの”願い”のことに関して聞かれても絶対に何も話さない、って約束」

猫「…ありがとう」ニッコリ


?「まだ時間をあげられるわ。もう少し、お別れの挨拶でもしてきたほうが良いじゃない?」

猫「ううん、良いんです」


?「…後悔、しない?」

猫「はい!」


猫「私が後悔してるのは…知らず知らずのうちに”ご主人様”としてはなく、主様を見てしまっていたこと…ただ、それだけだから」


750 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/31(日) 00:29:40.32 ID:E0YUg3wmO

?「ゆっくり、目を閉じて」
猫「…な、何だか怖いです


?「大丈夫大丈夫。すぐに終わるから」

?「あなたが願ってくれたことで、きっとあの少年も幸せになってくれるわ。今以上にね」

猫「…よかった、です」


?「自然に意識を失い始めるから、それまでは目を開けたら駄目よ」


猫「…神様」

?「なぁに?」


猫「主様にはあんなこと言ったけど、主様と過ごせたこの数日間、幸せでもありました…。ありがとう…」

?「…どういたしまして、あんみつちゃん」


753 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/31(日) 00:33:21.57 ID:E0YUg3wmO

身体が、あったかい。
ほわほわする。


…あ、チロルちゃんと約束してたお茶…行けなかったな。
ごめんね、チロルちゃん

姉様にも、お洋服ありがとうって言いそびれちゃった。
ごめんなさい。

学校でも、道路でも助けてくれた…あの子にもお礼を言いに行くつもりだったのに…


友さんにも、”ありがとう”って伝えたかった。

神様にちゃんとホットケーキを食べた感想も言いたかった。


…みんな、ごめんなさい。


あれ…あんみつ謝ってばっかりだ…。


757 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/31(日) 00:36:20.53 ID:E0YUg3wmO

みんな、ごめんなさい。


やっぱり、私は少しでも早く戻りたかった。
主様に迷惑の掛からない姿に戻りたかったの。

最後までわがままでごめんね。
駄目な子で、ごめんなさい。



…大丈夫。寂しくなんかない。

これからはずっと、主様と一緒



これからもずっと、大好きな主様と一緒。


759 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/31(日) 00:39:43.17 ID:E0YUg3wmO




男「…」

”何を言ってるんだろう、この人…。どうしてずっと、こっちを見てるんだろう”


男「…」

”…何?怖い怖い。どうしてこの人にだっこされてるの?どこに連れていかれるの?

”やっぱり、私は他の猫とは違うんだ…。駄目な子、なんだ”



”あ、れ…。暖かい。さっきまでと居た場所じゃない”



”もしかして、この人が私を助けてくれたのかな…”


763 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/31(日) 00:43:38.89 ID:E0YUg3wmO

猫「にゃあ」

男「…」

”あれ、聞こえてないのかな…。すごい嫌そうな顔してる…”


猫「にゃ、にゃ」

男「…」


”…頭、撫でてくれた…。え、ちゃんと伝わったのかな。だから…褒めてくれたのかな…”


764 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/31(日) 00:47:19.58 ID:E0YUg3wmO

猫「にゃ!にゃ」
男「…」

”こ、今度は何か考えこんじゃった…。うぅ…難しい



男「…」

”待って…どこ行っちゃうの…?ごめんなさい、ちゃんと伝わるまで頑張るから…っ


猫「にゃあ!みゃ」

”だからもう…一人にしないで…っ”


770 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/31(日) 00:53:39.94 ID:E0YUg3wmO

”あぁ、また行っちゃう…”


男「…」

”私、ちゃんと感謝してるよ。本当だよ”


猫「みゃー」

スリスリ


”ありがとう、ありがとう…”

猫「にゃ、にゃ」


男「…」

猫「にゃ?」

”な、何でこの人首捻ったの?”



”あれ?でも、すごく嬉しそう…。あ、笑ってくれた…!”


771 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/31(日) 00:56:52.47 ID:E0YUg3wmO




”…あれ、でも今日は寂しそう…。どうして泣いてるんだろう”


男「…」

”泣かないで、お願いだから…”

猫「みゃ、みゃ!」


男「…」

”私がついてるよ…っ、ちゃんとお傍についてるから…”

猫「にゃ…っ、にゃ」



”ずっと、ずっとあなたのお傍に居るって約束するから”


779 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/31(日) 01:32:54.61 ID:E0YUg3wmO



?「泣かないで。大丈夫、別に記憶が全て無くなるわけじゃないんだから」

猫「ほ、んとに…?」

?「今回は特別よ。あなたの記憶が無くなっちゃったら、ホットケーキの感想が聞けなくなっちゃうもの」ニッコリ


猫「…お気持ちは嬉しいけど、私が猫に戻ったら…感想なんて、喋れない…」

?「猫に戻る、それがあなたの”願い”なの?」


猫「はい。だから、本当は話し合いなんか必要ないの。もう、決めたことだから…」


780 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/31(日) 01:34:16.50 ID:E0YUg3wmO

?「何故、猫に戻りたいの?あんみつちゃん」

猫「…私、駄目なの。猫のくせに…主様を好きになりかけてて…。そのことで主様を困らせたり、傷付けちゃって…」

?「…」


猫「だから、事が大きくなる前に…幸せな記憶が残ってる間に、戻りたいんです」


猫「…主様が辛かったり、悲しんでる顔は…もう見たくないから…」


781 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/31(日) 01:36:27.46 ID:E0YUg3wmO

?「…要は、あなたのご主人様が1番幸せでいられる環境があなたの望みなのよね?」

猫「その通りです…っ!さすがは神様ですね」

?「まあね。じゃ、あなたの”願い”はこんな感じでいいのよね」ニッ

猫「はい!え、へへ…ホッとしました。これで、主様にちゃんとご報告出来ます!ありがとう」


?「あんみつちゃん」

猫「はい?」


?「願い事には、色々な可能性が秘められてることと、上手なお願いの仕方があることを覚えておいてね」

猫「?分かりました!」ニッコリ




782 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/31(日) 01:37:45.81 ID:E0YUg3wmO




”あれ…何だか良い匂い…”


男「…あんみつー。もうすぐベーコンが焼きあがるぜ?俺1人で食っちゃうぞー」ボソッ
あ「…駄目!」ガバッ


”…あ、れ?”


あ「主様が…何言ってるか分かる…」


男「何ブツブツ言ってるんだよ。ほら、さっさと制服に着替えろって」


783 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/31(日) 01:38:29.29 ID:E0YUg3wmO

男「まーた変な夢でも見たんだろ。馬鹿っぽいやつ」

あ「!馬鹿って言ったほう…が…」


”あ…れ、主様と喋れてる…”


男「今日もお前のせいで遅刻したら晩飯抜きだからな」


”…ひょっとして、私…”


785 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/31(日) 01:39:37.63 ID:E0YUg3wmO

”っ…ひっく…わ、私は特別だもん…っ。”従姉妹”なんかより、きっと特別だもん…!”

あ「私って、特別…?」
男「何だよ今更。当たり前だろ」


”…結婚が出来ないことくらい、知ってるもん”

あ「あんみつと、主様は結婚出来る…の?」
男「ちゃんとする約束しただろ?つーかそろそろ…、その”主様”って呼び方やめろよ。付き合ってんだから」


”…じゃ、主様の”彼女”って誰、なの…かな…”

猫「…っ、主様の”彼女”ってあんみつなの?」
男「こら、今更過ぎだろうが。他に誰が居るんだよ」


787 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/31(日) 01:40:36.20 ID:E0YUg3wmO

あ「…っ!主様!」

ギュッ

男「お、おい…っ。いきなり何だよ…!」アセアセ


あ「主様とあんみつ、ずっと一緒だよね!あんみつが彼女でも迷惑じゃないんだよね!」

男「迷惑なわけねーだろ。ずっと、ずっと一緒だ」


あ「良かった…っ、良かった…。これで主様の”願い”も、私の”願い”も叶ったんだ!」

男「何のことだ…?」ポカン


あ「ずっと、ずっと主様のお傍に居るからねっ。ちゃんと約束守るからね!」



Fin.


788 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/31(日) 01:41:38.74 ID:a2VUU9dy0

お疲れ様。

良かったよ



791 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/31(日) 01:43:01.28 ID:E0YUg3wmO

これで終わりです。時間かかっちゃって本当にごめんなさい。


そして読み返してみたら矛盾点や誤字脱字が…うわああああ

いつにもまして内容がぐちゃぐちゃでした…。
すみませんすみません orz


でも、無事に終われて良かったです!
見て下さった方、保守や支援して下さった方本当にありがとう。


793 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/31(日) 01:43:30.08 ID:/jIxZMsB0

なんでこんなほとんど会話しかない文で感動するんだろう・・・。
お疲れ様。

なんというか、図々しいリクエストかもしれんが
その後の友人たちやチロルとそのご主人様とかの絡みエピソードを書いてくれると嬉しい・・・w



803 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/31(日) 01:48:08.99 ID:E0YUg3wmO

>>793
考え次第、スレが残ってたらまた来ます。

ちなみに、あんみつ以外の人達の中では

あんみつ=男と長年付き合ってる同棲中の彼女

と都合よくインプットされてる、なんとも有りがちな設定です。
有りがち大好きですごめんなさい


796 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/31(日) 01:44:55.18 ID:MjiJary/P

乙なんだからね!


807 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/31(日) 01:50:31.35 ID:f70qZd++O

∧∧
ミ。・ω・ミ 乙でしたー
ミ_uuミ





次→猫「ねぇ、起きてよ」

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