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あずさ「運命の人、み~つけた」
引用元: ・http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1336303929/
あずさ「春香ちゃんたち、何だか楽しそうね~」
千早「はい。でも、いいんでしょうか?」
あずさ「……?」キョトン
千早「仮にも、アイドルがプロデューサーに恋心を抱くなんて……」
あずさ「あら。でも、プロデューサーさんは充分魅力的だと思うわよ~?」
千早「そ、そういう事ではなくてですね……」
あずさ「春香ちゃんも、真ちゃんも年頃の女の子なのよ~?」
千早「それは……そうですけど」
あずさ「恋のひとつやふたつ、経験しておいた方がいいんじゃないかしら?」
千早「あずささんは、恋愛した事はあるんですか?」
あずさ「無くはないけれど……。あまり良い想い出はないわね~」ハア
千早「そうですか。何にせよ、変に関係が拗れなければ良いのですけど」
あずさ「プロデューサーさんなら、心配ないと思うわよ~?」
千早「そうでしょうか。確かに、頼りにはなりますけど」
あずさ「ねえ、千早ちゃんは、プロデューサーさんの事、好き?」
千早「へっ? ま、まあどちらかと言えば」
あずさ「そう……。わたしも好きなのよね~」
千早「…………」
千早(飽くまでも、プロデューサーとして、って事よね……?)
あずさ「恋、したいわね~」ポー
千早「…………」
――――
――
あずさ「プロデューサーさん! 奇遇ですね~」ペコリ
P「ちょっと運動不足で……この辺を走っていたんです」ハアハア
綾子「あずさちゃん。この方は……?」
あずさ「わたしの、プロデューサーさんです♪」
P「いや、あずささんの他にも問題児は沢山居ますけどね」
綾子「あなたが……。私、上野綾子と申します」ペコリ
P「ど、どうもご丁寧に……。えーと、上野さんは、あずささんとはどういったご関係なんですか?」
綾子「この子のお散歩をしているときに、よく会うんです。時々こうして、お話をしているんですよ」
犬「わんわんっ!」
あずさ「挨拶しているのね~。偉いわライアンちゃん」ナデナデ
P「そうなんですか。あずささん、迷子になったりしませんでした?」
あずさ「プロデューサーさん。私、そんなにドジじゃありません」プクーッ
綾子「と、時々ふら~っと居なくなるコトがありますね……」
P「やっぱり。あずささん、あまり迷惑をかけちゃダメですよ?」
あずさ「そうそう! この子お手とおかわり、同時に出来るんですよ~」ホワーン
P「聞いてないし……。それじゃ、俺はもう行きますね」
綾子「お気をつけて下さい」
あずさ「プロデューサーさんも、迷子にならないように、注意してくださいね~」
P「自宅に戻るだけなのに迷うわけないでしょー!」タッタッタ
綾子「……優しそうな人ね」
あずさ「ええ……。とっても親切で、良い人ですよ~」
綾子「あずさちゃん、結婚したいんでしょう? あの人なんか、いいんじゃない?」パアア
あずさ「わ、私なんかじゃムリですよ~。他に可愛い子、いっぱい居ますから」
綾子「でも、最近よく会うって言ってたじゃない?」
あずさ「それは……ただの偶然だと思います~」
綾子「もしかしたら、運命かもしれないわよ?」ニヤッ
あずさ「運命……ですか?」
綾子「だってこの前も……」
あずさ「……」
綾子「こんな都会で、あんな偶然有り得ないわよ~」
――――
――
先日/10:00/街
P「あれ? あずささん?」
あずさ「プロデューサーさん。奇遇ですねえ~」トコトコ
P「こんな所で会うなんて、すごい偶然ですね」
あずさ「それはそうと、今日は良い天気ですね~」キラキラ
P「そ、そうですね……。それじゃあ、また」テクテク
あずさ「は~い」ノシ
13:00/CDショップ
あずさ「あら、プロデューサーさん」トコトコ
P「わっ、あずささん。今日はよく会いますね~」ハハ
あずさ「本当ですね~。あら、それは……」
P「なんか久々に聴きたくなっちゃって」ハハハ
あずさ「いい曲ですよね~」ウンウン
P「あずささん、お一人なんですか?」
あずさ「ええ。たまには、ゆっくり出掛けたいなあと」
P「迷子にならなかったのは奇跡ですね……」
あずさ「えー? 私だって、もう大人なんですよ~?」プンッ
P「…………」
P「それじゃ、俺はもう行きます」クルリ
あずさ「はい。行ってらっしゃい」ニコッ
17:00/公園
P「……!? あ、あずささん?」
あずさ「あらあら、プロデューサーさん。三度目ですね~」トコトコ
P「いや……この遭遇率は異常ですよ」
あずさ「それはそうと、噴水、キレイですね~」
P「ま、またマイペースな……」
あずさ「…………」テクテク
P「…………」
あずさ「プロデューサーさん?」
P「はい?」
あずさ「プロデューサーさんって、恋人は居ないんですか~?」クルリ
P「ええっ!? 今は仕事が忙しいですし……。それに、居たら休日に一人で出掛けたりしませんよ」ハハ
あずさ「それもそうですね~」テクテク
P「あずささんは、どうなんですか?」
あずさ「私も、同じです」ニコッ
P「そうですか……」
あずさ「……~~♪」
P「あの、あずささん」
あずさ「何ですか~?」
P「一緒に夕食でも、どうですか?」
あずさ「あらあら、いいんですかあ?」クルリ
P「…………?」
あずさ「迷わないように、ちゃーんと連れて行って下さいね?」ニコッ
――
――――
綾子「ほらあ。やっぱり運命じゃない?」
あずさ「そんな……。私じゃプロデューサーさんに相応しくないですよ~」
綾子「あずさちゃん。とっても美人なのに。っていうか」
あずさ「…………?」キョトン
綾子「もしかしたら、彼、あずさちゃんに気があるのかもしれないわよ?」パアア
あずさ「え、ええ~?」
綾子「たび重なる遭遇も、すべて図られていたのかも!」キラキラ
あずさ「そ、そんなこと……」
あずさ「……!!」ハッ
綾子「ん? どーしたのあずさちゃん」キョトン
あずさ(そういえば……あの日の占い、恋愛運だけやけに良かった気がするわ……)
あずさ(ま、まさかプロデューサーさんが……?)カアア
綾子「あずさちゃん、結婚っていいものよ~」ウンウン
あずさ「け、結婚?」
綾子「それに、私もうすぐ赤ちゃん生まれるの……楽しみだなあ」
あずさ「あ、赤ちゃん……?」
あずさ「…………」
あずさ「…………///」ポワン
綾子「……あらら。あずさちゃんったら、可愛いわね」クスクス
――――
――
翌週・休日/7:30/あずさ邸
あずさ「~~~~♪」チーン
あずさ「~~♪」コポコポ
あずさ「でーきた♪」
あずさ「やっぱり、朝はコーヒーとトーストに限るわね~」パクッ
あずさ「久しぶりに、早起きして良かったわ~」パクパク
あずさ「あ、占いが始まる時間」ポチッ
テレビ「は~い! 今日も元気に、亜美と真美がお兄ちゃんとお姉ちゃんの一日を占ってあげるコーナーいっくよ→」
テレビ「まずは~、おひつじ座から占っちゃお→」
9:30/街
あずさ(とりあえず家を出てみたけれど……)
あずさ(何処に行こうかしら~?)ウーン
あずさ(ショッピングは友美に付き合ってもらったばかりだし……)
あずさ(食べ歩きもいいけれど……)キョロキョロ
あずさ「……どうしようかしら?」
P「あれ? もしかして、あずささん?」トコトコ
あずさ「……あら! ぷ、プロデューサーさん?」
P「はは。どうしたんですか? そんなに慌てて」ニコッ
あずさ(……え、どうしてプロデューサーさんが?)
あずさ(もしかして……占いの『運命の相手』って……)ドキドキ
P「あずささんは、今日はお一人で買い物ですか?」
あずさ「そ、そうですね~。プロデューサーさんもですか~?」
P「ええ、まあ。今朝、テレビで占い観ていたら、めちゃめちゃ運勢が良かったもんで」ハハハ
あずさ「実は、私もなんです~。もしかして、かに座ですか?」
P「はい。7月生まれで。ひょっとして、あずささんも?」
あずさ「はい。占いの『運命の相手』が気になってしまって~」
P「ははは。あずささんらしいですね……」
あずさ「…………」
P「…………」
あずさ(ほんとに……、プロデューサーさんが……?)
P(最近よく会うなあと思っていたら……まさか……)
あずさ&P(目の前に居るこの人が……運命の相手?)
あずさ「あの~……ぷ、プロデューサーさん?」
P「は、はい……。どうしました? あずささん」カチコチ
あずさ「今日は……お一人なんですか?」
P「え、ええ。考えなしにとりあえず出掛けただけなので……」
あずさ「実は……私もなんです~」
P「…………」
あずさ「…………」
P「よければ一緒に……」
あずさ「デート、しませんか?」
――――
――
10:00/古着屋「Beside」
あずさ「これなんか、どうかしら~?」トテテ
P「へえ……これからの季節には、良さそうですね」
あずさ「プロデューサーさんは、どんな服が好みなんですか~?」
P「そうですね……。割とタイトめで、派手過ぎない感じですかね」
P「あずささんは、どんな服が好きですか?」
あずさ「今日みたいなぽかぽか陽気の日は、ゆったり着れるものがいいですね~」
P「確かに、今日の服は自然な感じですね。まるで妖精みたいな……って」
P(うわ~、何恥ずかしいこと言ってるんだ俺……)
あずさ「あらあら。褒めていただいて、嬉しいです~」ニコニコ
P「そのファッション、最近流行ってましたよね? えーと、『林ガール』でしたっけ?」
あずさ「プロデューサーさん。それを言うなら、『森ガール』ですよ~」クスクス
P「ああそれだ。すみません疎くって。似合ってますよ、とっても」
あずさ「ファッションの勉強も、アイドルには必要なんです」エッヘン
P「俺も頑張らなきゃですね」
あずさ「ふふっ。じゃあ、私がカッコイイお洋服、選んであげますね~」ウキウキ
P「いいんですか? あずささんお洒落ですし、是非願いします」
あずさ「じゃあ、さっそく寸法を……」スッ
P「ちょ、ちょっとあずささん?」
あずさ「はい。何ですか? プロデューサーさん」ペタペタ
P「その……あまり近づかれるとですね……」
あずさ「はい……?」スッスッ
P(その果実のような、豊満なOPPAIが……)
P「…………」ドギマギ
あずさ「……はい。おしまい。それじゃ、ちょっと待っていて下さいね~」トテテ
P「は、はい……」
あずさ「…………♪」ルンルン
P「……」
P(……まあ、あずささんが楽しいならいいか)
――――
――
11:10/レコード店「9:02pm」
P「へえ、あずささんってレコードとか聴くんですか?」
あずさ「いえ……。何だか、こういうお店って、覗いているだけで楽しくなりませんか~?」
P「ああ、わかります。ある種の赴きがありますよね~」
あずさ「はい。記念に、一枚買っていこうかしら~」テクテク
P「あ、あずささん。前見て歩いてくださいよ」
あずさ「大丈夫ですよ~……きゃっ」ドン
店員の女の子「わわっ!?」
バサバサ……、バラバラ……。
P「あーあ。大丈夫ですか?」タタタ
あずさ「はい~。あの……お怪我はありませんか?」ペコリ
店員の女の子「すみません……こっちこそボーッとしてしまって」ペコリ
あずさ「あらら、レコードが散らばっちゃった」サッサッ
P「すみません……。売り物なのに……」ッス
店員の女の子「いえ……私の不注意ですので……」
あずさ「本当に、ごめんなさいね」
P「あずささん。気を付けてくださいね? 怪我でもしたら大変です。アイドルなんですから」
あずさ「はい。心配してくれて、ありがとうございます~」
店員の女の子「……あの、アイドルをされているんですかあ?」
あずさ「ええ。でも、まだ駆け出しなんですよ~」
店員の女の子「す、すごいですねっ! 良かったら、お名前をお聞きしてもいいですか? 私は、林田凛子っていいます」キラキラ
あずさ「凛子ちゃんね? 私は、三浦あずさと申します~」ペコ
店員の女の子「あずささん、ですか。私、応援しますね」パアア
あずさ「ふふっ。ありがとう。本当に、ごめんなさいね~」
店員の女の子「こちらこそスミマセンでした。お仕事、頑張って下さいねっ」ペコ
――――
――
12:30/カフェ「Sweet Doughnuts」
あずさ「ここのお店、トレンドなんです~」ニコッ
P「うわあ……なんていうか、ファンシーですね」
あずさ「とっても可愛いんですよ~? 絵本を飾っていたり、内装も……」
P「基本的に木目調だし、アットホームで落ち着きますね」
あずさ「はい。それにメニューも、可愛くて美味しいものばかりなんです」
P「はは。あずささんは素敵な所、たくさん知ってますね」
あずさ「楽しむことくらいしか、取り柄がありませんからね~」クスクス
P「それじゃあ、何食べましょうか」ペラ
あずさ「私のオススメは、このトマトのグラタンですね~」
P「へえ……、スイーツも充実してますね」
あずさ「ここのカフェラテも、ほんわか美味しいですよ~」
P「じゃあ、それに決めます」
あずさ「ふふっ。それじゃあ、私も」ニコッ
P(はあ……。何か、幸せだなあ)
13:10/カフェ「Sweet Doughnuts」
P「そういえば、この間の……、上野さんでしたっけ? もともと知り合いというわけでは、無かったんですよね?」
あずさ「そうですね~。ワンちゃんが可愛くって、撫でさせてもらっているうちに仲良く」ニコッ
P「あずささんって、実は結構、顔が広いですよね~」
あずさ「そうですか~? あ、そうそう、綾子さんの旦那さんって、ブリーダーさんなんですよ?」
P「ブリーダー? って、何のですか?」
あずさ「ワンちゃんのです。コンテストなんかも、あるらしくって」
P「へえ~。世の中、いろんな人が居るもんですねえ」
あずさ「最近、子犬が生まれたそうなので、今度抱っこさせてもらいに行く約束もしているんですよ~」ニコニコ
P「……なんか、あずささんって、本当に楽しそうに話をしますよね」
あずさ「そうですか~? あまり意識した事はないですよ~?」キョトン
P「いえ、何か……あずささんと居ると、こっちまで楽しくなってきます」ハハ
あずさ「そ、そうですか~?」テレテレ
P「はい。あ、俺会計してきますね」
あずさ「それじゃ、お金を……」ゴソゴソ
P「いや、俺が出しますよ」
あずさ「そんな、悪いです……」
P「今日は楽しませてもらってますから。ほんの気持ちですよ」
あずさ「それは私も同じですよ~」アセアセ
P「まあ、男ですから。これくらいは、させて下さいよ」ニコッ
あずさ「じゃあ、今回だけ……ですよ?」
P「はい。行ってきます」タタタ
あずさ「…………」
あずさ「優しいなあ、プロデューサーさん」
――――
――
14:00/街
P「こうして、少し人混みから離れた道を歩くのも、良いもんですね」
あずさ「そうですね~。ぽかぽか暖かくて、気持ちいいです~」
P「よくよく見れば、いろんなお店があるんですね」
P「帽子屋、古着屋、靴屋、楽器屋……。個人で経営している店も、案外多いみたいだなあ」
あずさ「…………」ジーッ
P「……? どうしました、あずささん」
あずさ「プロデューサーさん。あのお店、入りませんか?」スッ
P「……占い?」
あずさ「私、占いには目がないんです~」
P「いいですよ。面白そうだし、行ってみましょうか」
――――
――
14:00/占い屋「KING」
カランコロン……。
占い師「いらっしゃい。あらあら、素敵なカップルさんですね……」ニコニコ
あずさ「こんにちは~」
P「わ、綺麗ですね。これ」
あずさ「ほんとだわ~。この水晶玉を使って、占いをするんですか~?」
占い師「いろいろなやり方がありますよ。とりあえず、座ってください」
P「は、はい……座りましょう。あずささん」
あずさ「……」チョコン
お姉さん「さて、今日は何を占いましょう?」
P「あずささん、どうします? やっぱり仕事についてですかね?」
あずさ「う~ん……せっかくのデートだし……」
P「…………?」
あずさ「プロデューサーさんと私の、相性を占ってもらいましょう!」ポンッ
P「え、ええ!? 何か恥ずかしくないですか? それ」アセアセ
あずさ「嫌、なんですかあ?」シュン
P「そ、そんな事ないですよ!」
あずさ「それじゃあ、カップリング占いを……」
占い師「かしこまりました。それでは、まず手を繋いでください」
P「えええ!?」
あずさ「ぷ、プロデューサーさん」
P「わ、わかりました……」
ギュ……。
あずさ「……///」
P「…………」ドキドキ
占い師「続いて……そのまま向き合ってください」
あずさ「……」クルリ
P「……」
占い師「お互いの目を、よく見て下さい……」
あずさ「…………」ウルウル
P(や、やばい。あずささん可愛すぎる……)
占い師「うぬぬぬ……はああ……ふう……」
占い師「ジューシー……ポーリー……」ブツブツ
あずさ(……イェイ)
P(これホントに当たるのかあ~?)
占い師「見えました……」
P「ふう……」
あずさ「そ、それで……どうだったんですかあ?」ドキドキ
占い師「…………」
P「……」ゴクッ
あずさ「……」ゴクッ
占い師「あなた方の相性は……」
――――
――
15:30/公園・ベンチ
あずさ「陽射しが気持ちいいですね~」
P「そうですねえ。何だか眠くなります」
あずさ「プロデューサーさん。女の子と一緒にいるのに、お昼寝しちゃダメですよ~」メッ
P「す、すみません……。それより、さっきの占いですが……」
あずさ「……カップリング相性、91%……」カアア
P「あんなに高いとは、思いませんでした」ハハハ
あずさ(やっぱり……プロデューサーさんが、私の……?)ドキドキ
P「でも、良い結果が出てよかったですよね」ニコッ
あずさ「……そう、ですね……///」
P「…………」
あずさ「…………」
あずさ&P「「あ、あの……」」
P「あ、あずささんからどうぞ……」
あずさ「そ、その……」
P「…………?」
あずさ「て、手を……」モジモジ
女子高生「あ! あずささん!」トテテ
あずさ「きゃあっ!?」
P「うわあっ!?」
女子高生「ど、どうしたんですかあ?」
あずさ「り、凛子ちゃん……」
P「レコード店で会った……」
子「……もしかして、お邪魔でした?」ニヤッ
あずさ「そ、そんなことないわよ~。ね、プロデューサーさん?」ドギマギ
P「え、ええ。ただ休んでいただけですし……」アセアセ
凛子「そうですか。あの、ちょっとだけお話しませんか?」チョコン
あずさ「あらあら。良いですか?」
P「構いませんよ」
凛子「ありがとうございます。あずささんっ!」
――――
――
凛子「実は……、ちょっと進路の事で悩んでいるんです」シュン
あずさ「凛子ちゃんって、高校生だったのね~」
凛子「はい。何か、イマイチ受験勉強に打ち込めなくって……。バイトばかりしちゃって」
あずさ「そうだったの。プロデューサーさんは、高校生の頃は何をしていたんですかあ?」
P「う~ん。俺はバンドやってましたね。まあ、三年になってからは、予備校に通い詰めでしたけど」
凛子「へえ~、あずささんの彼氏さん、楽器が出来るんですかあ~」キラキラ
P「か、彼氏!?」
あずさ「そ、そう見えるかしら~?」テレテレ
凛子「へ? 違うんですかあ? 私てっきり……」
P「ち、違いますよ。俺はあずささんのプロデューサーなんです」
凛子「なーんだ。傍から見れば完璧にカップルでしたよ~?」
あずさ「ええ~? もう、困っちゃいますね、プロデューサーさん」テレテレテレ
P「あ、あずささん?」
凛子「あずささん可愛いですね~」ダキッ
あずさ「ちょ、ちょっと凛子ちゃん?」
凛子「……あずささんが、お姉ちゃんだったらいいのになあ」
あずさ「……どうしたの?」
凛子「私……、一人っ子なんですよ。パパもママも共働きで、遅くまで帰らないんです。だから、ちょっとだけ寂しくって」
あずさ「そうだったの……」
凛子「何も無いんですよ、わたし」
P「……どういうこと?」
凛子「やりたい事が、見つからないんです」
凛子「友達とかは、それぞれ将来の目標とか、夢とか持ってて」
凛子「それが……羨ましいんです……」
凛子「先が……見えないんです」
あずさ「凛子ちゃん……」
P「…………」
凛子「あーあ、世の中って、幸せなことばかりじゃないんですよね~」
凛子「魔法みたいに、楽しいことだけなら、いいのになあ」ハア
あずさ「……ねえ、私がどうしてアイドルになったか、教えてあげよっか?」ニコ
凛子「わあ、聞かせてください!」
あずさ「私を見つけてくれる、運命の人を探すため……」
凛子「へ……? 何だか間接的な理由ですね……」
あずさ「お仕事を頑張って、テレビとかに出ていれば、いつか出逢えるかなあって、始めたのよね~」
凛子「何だか、純粋なんですね。あずささんって」
あずさ「そんなことないわよ~。ねえ、プロデューサーさん?」
P「いや……何故そこで俺に振るんですか」
凛子「あはは。本当に、幸せそうですね」
あずさ「そうかしら~? でも、今日は特に楽しいことが多かったわね~」ニコニコ
凛子「この人と一緒だったからですかあ?」ニヤニヤ
あずさ「そ、そういうわけじゃ……///」
凛子「あ、赤くなった~」
あずさ「もうっ! からかわないで~」プンプン
凛子「ご、ごめんなさ~い」テヘペロ
あずさ「……ね、凛子ちゃん」
凛子「はい?」
あずさ「私は、近道をしても、良いと思うわ」
凛子「近道、ですか?」キョトン
あずさ「ええ。私ね、アイドルを始めてから、いろいろ学んだ事があってね?」
凛子「…………」
あずさ「人には、それぞれに合った生き方があると思うの」
あずさ「辛い時や、悲しい時にね? 少しくらい立ち止まって、他の道を歩いてみても良いんじゃないかしら? 見つけたいモノを探すの」
凛子「見つけたいモノ?」
あずさ「そうやって、幸せを掴めたらいいなって。自分で考えて、やってみる事で、結果的にそれが、近道になるかもしれないでしょう?」ニコニコ
凛子「あずささん……」
凛子「……そう、ですね。何だか、少しだけスッキリした気がします」ニパッ
あずさ「自分のペースで、歩いていけば大丈夫」ブイッ
P「まあ、あずささんは少々マイペース過ぎですけどね」
あずさ「ぷ、プロデューサーさん?」ムーッ
P「ははは。冗談ですよ」
携帯『ぷるるる、ぷるるるる』
あずさ「あら? 誰からかしら?」パカッ
電話『もしもし? 綾子でーす』
あずさ『あらあら、綾子さん。どうしたんですか~?』
綾子『今から少し、時間ないかしら? 子犬、抱っこさせてあげようかと思って』
あずさ『いいんですか~? ちょ、ちょっと待って下さいね』
P「どうしました?」
あずさ「綾子さんが、今から子犬を触りに来ないかって」
P「良かったじゃないですか」ニコ
あずさ「もちろん、プロデューサーさんも、来てくれますよね?」
P「え、いいんですか?」
あずさ「一緒がいいです。それと……」
あずさ「凛子ちゃんも、子犬、抱っこしたくない?」ニコッ
凛子「わ、わたしも行っていいんですか?」
あずさ「きっと大丈夫だと思うわ」
凛子「ありがとうございます。私、ワンコ大好きなんですっ!」キラキラ
あずさ「あらあら。それじゃ、住所聞くわね~」
P「ま、待ってください。住所聞くなら、俺が替わります」アセアセ
凛子「へ? どうしてですか?」
P「あずささんは、人類一の方向音痴なんですよ……」
あずさ「た、確かによく迷子になるけれど……。プロデューサーさん?」プクー
P「はいはい。文句を言うなら、これからは真っ直ぐ事務所に着けるようにしてくださいね?」
あずさ「……ごめんなさい」シュン
P「わかればよろしい」
P『あ、もしもし……僕、前にお会いしたあずささんの……』
凛子「ほんとに、可愛いひとですね。あずささんって」クスクス
――――
――
18:00/上野邸
P「どうも、お邪魔しました」ペコリ
あずさ「綾子さん。またいつかの朝に」
綾子「あずさちゃんも、お仕事ガンバってね」
あずさ「ふふっ。プロデューサーさんが居るから、大丈夫です~」
P「ま、任せてくださいっ!」グッ
凛子「綾子さん、私まで押しかけてしまって、ありがとうございました」ペコ
綾子「いいえ。あの子たちも楽しかったみたい。勿論、私もよ? またいつでも来てね?」ニコッ
凛子「はいっ!」
凛子「それじゃあ、私は本屋に寄ってから帰りますので、あずささんも、いろいろと頑張ってくださいね」パチン
あずさ「……いろいろ? ふふっ、凛子ちゃんもね」ニコッ
凛子「はいっ! 今日は、本当にお世話になりました~!」タッタッタ
P「元気になったみたいで良かったですね」
あずさ「はい。それじゃあ、私たちも、帰りましょうか?」
P「ええ。帰りましょう」
――――
――
18:20/土手・並木道
昼間、私たちをぽかぽかと照らしていた太陽も、そろそろ眠りにつくようだった。
プロデューサーさんと、爽やかな風を受けながら、並木道を歩く。
時折、私のほうをちらりと見て、歩調を合わせようとしてくれる気遣いとその距離感が、暖かくて嬉しかった。
P「なんだか、今日は色々ありましたね~」
あずさ「はい。とっても幸せな一日になりました」ニコ
P「ホント、あずささんって、すごいですよね」
あずさ「ええ~? 何がですか?」
P「なんて言うか、自然と人が集まるんですよね。周りに」
あずさ「そうですかあ?」
P「そうですよ。こうやって、人の輪をつくれる人って、素敵だと思いますよ」
あずさ「あ、ありがとうございます……///」
プロデューサーさんに素敵だと褒められて、少しだけ頬が上気するのを感じた。
今は夕日のおかげで隠せるけれど、何だか気恥ずかしく思う。
P「不思議な一日でしたね。示し合わせたわけじゃないのに……」
あずさ「ですね……。でも、少しだけ、予感はしてました」
P「へ……?」
今朝に観た、テレビの占い番組。数分眺めるだけで、幸せになれる魔法のおかげ。
もしかしたら、先日のように出会うのではないかと、私はひそかに思っていた。
あずさ「……お昼の占い、どう……思いますか?」カアア
P「え、ええと……まあ、素直に嬉しいですよ」
あずさ「……私もです」
探していた、運命の人。
特別な出会いや、容姿や、財産などには、興味はなかった。
ただ、自分が一緒に過ごしていて、心から好きと思える人。
そして、愛して欲しい人は、今、隣を歩いているこの人なのかもしれない。
あずさ「プロデューサーさん?」
P「はい。何ですか? あずささん」
あずさ「私……、アイドルを辞めちゃうかもしれません」
P「え、えええ!?!? どうしてですか?」アセアセ
あずさ「……だって」
あずさ「もう、運命の人、見つけちゃったんですもの」
P「へ……? そ、それはどういう……」
あずさ「ふふっ。冗談ですよ、プロデューサーさん」
P「あ、あずささん! 驚かせないで下さいよ!」
あずさ「ごめんなさい」
P「まったく……寿命が縮みましたよ……」ハアア
あずさ「ねえ、プロデューサーさん」
P「……はい?」
あずさ「少しだけ、近道しちゃダメかしら?」ググッ
P「……!?」チュッ
私より背が高いプロデューサーさん。
その唇に届かせるために、ちょっとだけ背伸びをする。
この人はプロデューサーなのに……という理性と、言いようのない充足感が心の中で葛藤する。
それでも、自然と、体が動いてしまった。
彼を求めてしまっていた。
あずさ「プロデューサーさんのこと、好きです」
P「……また、冗談ですか?」
あずさ「いいえ。私、運命の人、見つけちゃいました」
P「すみません」
あずさ「…………」
P「プロデューサーだってのに、すみません」
あずさ「…………?」
P「俺も、大好きですよ、あずささんのこと」
まるで、テレビドラマのラストシーンみたいに、私は抱きしめられていた。
ただひたすらに心地よくて、泣けるほどに暖かくて。
私がアイスクリームだったら、トロトロに溶けてしまいそうだった。
あずさ「一緒に、幸せを掴めたら……良いですね」
P「はい……。これからも、あずささんの隣、歩きたいです」
この人と一緒なら、どんな事があっても、楽しく過ごせると思った。
もし、毎日がつまらなくなって、何かに負けそうになったとしても。
目を開いていれば、幸せはきっと訪れる。
だから、これからもずっと、二人で歩きましょう。
たくさん、たくさん、近道をしながら。
――――
――
翌日/午後/765プロ事務所
春香「プロデューサーさん! 今日はドーナツを作ってきたんですよ♪ 是非、食べてくださいっ」キャイキャイ
真「ボク、耳かき得意なんです! プロデューサー、横になってください」キャピキャピ
P「お、お前らなあ……」
あずさ「春香ちゃん、真ちゃん」
春香「へっ? 何ですか? あずささん」キョトン
真「なんだか、怒ってるような……?」
あずさ「プロデューサーさんは、私の運命の人なんだから、ちょっかい出しちゃだめよ~」プクー
P「ちょ、ちょっとあずささん! その事は……」アセアセ
春香「ど、どいうことですか? 詳しく聞かせてください!」
真「あっ! 逃がしませんよ~! プロデューサー!」タタタ
P「あずささーん! 助けてくださいよ~」ドタドタ
あずさ「あらあら……」
千早「……更に拗れてますね……」ハア
あずさ「あ、そうだわ!」トコトコ
亜美「んー、どしたのあずさお姉ちゃん」キョトン
真美「真美たちに何か用事?」キョトン
あずさ「2人とも、ありがとう」ニコッ
亜美&真美「「な、なんのこと→?」」
あずさ『運命の人、み~つけた』 ―take a shorter route―
FIN
7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 20:34:22.81 ID:1JZFX8xc0
5月上旬/午後/765プロ事務所
春香「プロデューサーさん! クッキー作ってきたんですけど、食べませんか?」スッ
真「最近ちょっと仕事頑張り過ぎじゃないですか? 肩でも揉んであげますよ」サッ
P「お、お前ら最近、おかしくないか……?」
春香「な、何がですか……?」アセアセ
真「そ、そんな事ないですよっ!?」テレテレ
P「そ、そうかあ?」
伊織「何よ春香たち、ゾッコンじゃない」
やよい「ぞっこん……? どういう意味ですかあ?」キョトン
亜美「んっふっふ~。やよいっちにはまだ分かんないか→」
真美「よーするに、はるるんとまこちんは、兄(C)にラブって事だYO!」
やよい「へ……? そうだったんですかあ」
雪歩「ま、真ちゃあん……」シクシク
春香「プロデューサーさん! クッキー作ってきたんですけど、食べませんか?」スッ
真「最近ちょっと仕事頑張り過ぎじゃないですか? 肩でも揉んであげますよ」サッ
P「お、お前ら最近、おかしくないか……?」
春香「な、何がですか……?」アセアセ
真「そ、そんな事ないですよっ!?」テレテレ
P「そ、そうかあ?」
伊織「何よ春香たち、ゾッコンじゃない」
やよい「ぞっこん……? どういう意味ですかあ?」キョトン
亜美「んっふっふ~。やよいっちにはまだ分かんないか→」
真美「よーするに、はるるんとまこちんは、兄(C)にラブって事だYO!」
やよい「へ……? そうだったんですかあ」
雪歩「ま、真ちゃあん……」シクシク
8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 20:38:51.09 ID:1JZFX8xc0
あずさ「春香ちゃんたち、何だか楽しそうね~」
千早「はい。でも、いいんでしょうか?」
あずさ「……?」キョトン
千早「仮にも、アイドルがプロデューサーに恋心を抱くなんて……」
あずさ「あら。でも、プロデューサーさんは充分魅力的だと思うわよ~?」
千早「そ、そういう事ではなくてですね……」
あずさ「春香ちゃんも、真ちゃんも年頃の女の子なのよ~?」
千早「それは……そうですけど」
あずさ「恋のひとつやふたつ、経験しておいた方がいいんじゃないかしら?」
千早「あずささんは、恋愛した事はあるんですか?」
10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 20:42:59.99 ID:1JZFX8xc0
あずさ「無くはないけれど……。あまり良い想い出はないわね~」ハア
千早「そうですか。何にせよ、変に関係が拗れなければ良いのですけど」
あずさ「プロデューサーさんなら、心配ないと思うわよ~?」
千早「そうでしょうか。確かに、頼りにはなりますけど」
あずさ「ねえ、千早ちゃんは、プロデューサーさんの事、好き?」
千早「へっ? ま、まあどちらかと言えば」
あずさ「そう……。わたしも好きなのよね~」
千早「…………」
千早(飽くまでも、プロデューサーとして、って事よね……?)
あずさ「恋、したいわね~」ポー
千早「…………」
――――
――
12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 20:47:24.06 ID:1JZFX8xc0
休日/8:30/土手
あずさ「あら、ライアンちゃん、おはよう」ナデナデ
犬「わんっ!」ペロペロ
綾子「あずさちゃん。最近よく会うわね~」
あずさ「少し、早起きを心がけようと思いまして~」
綾子「そうなんだ。ね、リード持ってみる?」
あずさ「いいんですか~? それじゃあ」クイッ
犬「わんっわんっ!」タタタ
あずさ「あらあら。本当に元気ねえ~」ニコニコ
P「あ、あれ? あずささんじゃないですか」タッタッタ
あずさ「あら、ライアンちゃん、おはよう」ナデナデ
犬「わんっ!」ペロペロ
綾子「あずさちゃん。最近よく会うわね~」
あずさ「少し、早起きを心がけようと思いまして~」
綾子「そうなんだ。ね、リード持ってみる?」
あずさ「いいんですか~? それじゃあ」クイッ
犬「わんっわんっ!」タタタ
あずさ「あらあら。本当に元気ねえ~」ニコニコ
P「あ、あれ? あずささんじゃないですか」タッタッタ
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 20:51:44.98 ID:1JZFX8xc0
あずさ「プロデューサーさん! 奇遇ですね~」ペコリ
P「ちょっと運動不足で……この辺を走っていたんです」ハアハア
綾子「あずさちゃん。この方は……?」
あずさ「わたしの、プロデューサーさんです♪」
P「いや、あずささんの他にも問題児は沢山居ますけどね」
綾子「あなたが……。私、上野綾子と申します」ペコリ
P「ど、どうもご丁寧に……。えーと、上野さんは、あずささんとはどういったご関係なんですか?」
綾子「この子のお散歩をしているときに、よく会うんです。時々こうして、お話をしているんですよ」
犬「わんわんっ!」
あずさ「挨拶しているのね~。偉いわライアンちゃん」ナデナデ
14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 20:55:46.81 ID:1JZFX8xc0
P「そうなんですか。あずささん、迷子になったりしませんでした?」
あずさ「プロデューサーさん。私、そんなにドジじゃありません」プクーッ
綾子「と、時々ふら~っと居なくなるコトがありますね……」
P「やっぱり。あずささん、あまり迷惑をかけちゃダメですよ?」
あずさ「そうそう! この子お手とおかわり、同時に出来るんですよ~」ホワーン
P「聞いてないし……。それじゃ、俺はもう行きますね」
綾子「お気をつけて下さい」
あずさ「プロデューサーさんも、迷子にならないように、注意してくださいね~」
P「自宅に戻るだけなのに迷うわけないでしょー!」タッタッタ
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 20:59:33.45 ID:1JZFX8xc0
綾子「……優しそうな人ね」
あずさ「ええ……。とっても親切で、良い人ですよ~」
綾子「あずさちゃん、結婚したいんでしょう? あの人なんか、いいんじゃない?」パアア
あずさ「わ、私なんかじゃムリですよ~。他に可愛い子、いっぱい居ますから」
綾子「でも、最近よく会うって言ってたじゃない?」
あずさ「それは……ただの偶然だと思います~」
綾子「もしかしたら、運命かもしれないわよ?」ニヤッ
あずさ「運命……ですか?」
綾子「だってこの前も……」
あずさ「……」
綾子「こんな都会で、あんな偶然有り得ないわよ~」
――――
――
17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 21:03:16.66 ID:1JZFX8xc0
先日/10:00/街
P「あれ? あずささん?」
あずさ「プロデューサーさん。奇遇ですねえ~」トコトコ
P「こんな所で会うなんて、すごい偶然ですね」
あずさ「それはそうと、今日は良い天気ですね~」キラキラ
P「そ、そうですね……。それじゃあ、また」テクテク
あずさ「は~い」ノシ
18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 21:06:57.10 ID:1JZFX8xc0
13:00/CDショップ
あずさ「あら、プロデューサーさん」トコトコ
P「わっ、あずささん。今日はよく会いますね~」ハハ
あずさ「本当ですね~。あら、それは……」
P「なんか久々に聴きたくなっちゃって」ハハハ
あずさ「いい曲ですよね~」ウンウン
P「あずささん、お一人なんですか?」
あずさ「ええ。たまには、ゆっくり出掛けたいなあと」
P「迷子にならなかったのは奇跡ですね……」
あずさ「えー? 私だって、もう大人なんですよ~?」プンッ
P「…………」
P「それじゃ、俺はもう行きます」クルリ
あずさ「はい。行ってらっしゃい」ニコッ
19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 21:10:58.64 ID:1JZFX8xc0
17:00/公園
P「……!? あ、あずささん?」
あずさ「あらあら、プロデューサーさん。三度目ですね~」トコトコ
P「いや……この遭遇率は異常ですよ」
あずさ「それはそうと、噴水、キレイですね~」
P「ま、またマイペースな……」
あずさ「…………」テクテク
P「…………」
あずさ「プロデューサーさん?」
P「はい?」
あずさ「プロデューサーさんって、恋人は居ないんですか~?」クルリ
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 21:14:44.00 ID:1JZFX8xc0
P「ええっ!? 今は仕事が忙しいですし……。それに、居たら休日に一人で出掛けたりしませんよ」ハハ
あずさ「それもそうですね~」テクテク
P「あずささんは、どうなんですか?」
あずさ「私も、同じです」ニコッ
P「そうですか……」
あずさ「……~~♪」
P「あの、あずささん」
あずさ「何ですか~?」
P「一緒に夕食でも、どうですか?」
あずさ「あらあら、いいんですかあ?」クルリ
P「…………?」
あずさ「迷わないように、ちゃーんと連れて行って下さいね?」ニコッ
――
――――
22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 21:19:05.52 ID:1JZFX8xc0
綾子「ほらあ。やっぱり運命じゃない?」
あずさ「そんな……。私じゃプロデューサーさんに相応しくないですよ~」
綾子「あずさちゃん。とっても美人なのに。っていうか」
あずさ「…………?」キョトン
綾子「もしかしたら、彼、あずさちゃんに気があるのかもしれないわよ?」パアア
あずさ「え、ええ~?」
綾子「たび重なる遭遇も、すべて図られていたのかも!」キラキラ
あずさ「そ、そんなこと……」
あずさ「……!!」ハッ
綾子「ん? どーしたのあずさちゃん」キョトン
24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 21:23:30.43 ID:1JZFX8xc0
あずさ(そういえば……あの日の占い、恋愛運だけやけに良かった気がするわ……)
あずさ(ま、まさかプロデューサーさんが……?)カアア
綾子「あずさちゃん、結婚っていいものよ~」ウンウン
あずさ「け、結婚?」
綾子「それに、私もうすぐ赤ちゃん生まれるの……楽しみだなあ」
あずさ「あ、赤ちゃん……?」
あずさ「…………」
あずさ「…………///」ポワン
綾子「……あらら。あずさちゃんったら、可愛いわね」クスクス
――――
――
25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 21:27:17.99 ID:1JZFX8xc0
翌週・休日/7:30/あずさ邸
あずさ「~~~~♪」チーン
あずさ「~~♪」コポコポ
あずさ「でーきた♪」
あずさ「やっぱり、朝はコーヒーとトーストに限るわね~」パクッ
あずさ「久しぶりに、早起きして良かったわ~」パクパク
あずさ「あ、占いが始まる時間」ポチッ
テレビ「は~い! 今日も元気に、亜美と真美がお兄ちゃんとお姉ちゃんの一日を占ってあげるコーナーいっくよ→」
テレビ「まずは~、おひつじ座から占っちゃお→」
28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 21:32:57.70 ID:1JZFX8xc0
あずさ「あらあら。亜美ちゃんと真美ちゃん、こんなお仕事もしていたのね~」パク
テレビ「続いて、かに座の兄ちゃんと姉ちゃん!」
あずさ「……じーっ」パクパク
テレビ「今日は、最っ高の一日になるかもねっ! 特に……んっふっふ~♪ 恋愛運に恵まれてるようですなあ~」パチパチ
あずさ「やったあ♪」
テレビ「外でお買い物とかしてみたら、運命の相手と出会っちゃうかもよ→」
あずさ「……運命の相手ねえ~」パクパク
テレビ「それじゃ、しし座の……」
あずさ「……天気も良いし、出掛けてみようかしら~」ンーッ
――――
――
テレビ「続いて、かに座の兄ちゃんと姉ちゃん!」
あずさ「……じーっ」パクパク
テレビ「今日は、最っ高の一日になるかもねっ! 特に……んっふっふ~♪ 恋愛運に恵まれてるようですなあ~」パチパチ
あずさ「やったあ♪」
テレビ「外でお買い物とかしてみたら、運命の相手と出会っちゃうかもよ→」
あずさ「……運命の相手ねえ~」パクパク
テレビ「それじゃ、しし座の……」
あずさ「……天気も良いし、出掛けてみようかしら~」ンーッ
――――
――
30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 21:38:04.81 ID:1JZFX8xc0
9:30/街
あずさ(とりあえず家を出てみたけれど……)
あずさ(何処に行こうかしら~?)ウーン
あずさ(ショッピングは友美に付き合ってもらったばかりだし……)
あずさ(食べ歩きもいいけれど……)キョロキョロ
あずさ「……どうしようかしら?」
P「あれ? もしかして、あずささん?」トコトコ
あずさ「……あら! ぷ、プロデューサーさん?」
P「はは。どうしたんですか? そんなに慌てて」ニコッ
あずさ(……え、どうしてプロデューサーさんが?)
あずさ(もしかして……占いの『運命の相手』って……)ドキドキ
31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 21:41:47.69 ID:1JZFX8xc0
P「あずささんは、今日はお一人で買い物ですか?」
あずさ「そ、そうですね~。プロデューサーさんもですか~?」
P「ええ、まあ。今朝、テレビで占い観ていたら、めちゃめちゃ運勢が良かったもんで」ハハハ
あずさ「実は、私もなんです~。もしかして、かに座ですか?」
P「はい。7月生まれで。ひょっとして、あずささんも?」
あずさ「はい。占いの『運命の相手』が気になってしまって~」
P「ははは。あずささんらしいですね……」
あずさ「…………」
P「…………」
あずさ(ほんとに……、プロデューサーさんが……?)
P(最近よく会うなあと思っていたら……まさか……)
あずさ&P(目の前に居るこの人が……運命の相手?)
32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 21:45:38.21 ID:1JZFX8xc0
あずさ「あの~……ぷ、プロデューサーさん?」
P「は、はい……。どうしました? あずささん」カチコチ
あずさ「今日は……お一人なんですか?」
P「え、ええ。考えなしにとりあえず出掛けただけなので……」
あずさ「実は……私もなんです~」
P「…………」
あずさ「…………」
P「よければ一緒に……」
あずさ「デート、しませんか?」
――――
――
34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 21:49:37.37 ID:1JZFX8xc0
10:00/古着屋「Beside」
あずさ「これなんか、どうかしら~?」トテテ
P「へえ……これからの季節には、良さそうですね」
あずさ「プロデューサーさんは、どんな服が好みなんですか~?」
P「そうですね……。割とタイトめで、派手過ぎない感じですかね」
P「あずささんは、どんな服が好きですか?」
あずさ「今日みたいなぽかぽか陽気の日は、ゆったり着れるものがいいですね~」
P「確かに、今日の服は自然な感じですね。まるで妖精みたいな……って」
P(うわ~、何恥ずかしいこと言ってるんだ俺……)
35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 21:53:43.89 ID:1JZFX8xc0
あずさ「あらあら。褒めていただいて、嬉しいです~」ニコニコ
P「そのファッション、最近流行ってましたよね? えーと、『林ガール』でしたっけ?」
あずさ「プロデューサーさん。それを言うなら、『森ガール』ですよ~」クスクス
P「ああそれだ。すみません疎くって。似合ってますよ、とっても」
あずさ「ファッションの勉強も、アイドルには必要なんです」エッヘン
P「俺も頑張らなきゃですね」
あずさ「ふふっ。じゃあ、私がカッコイイお洋服、選んであげますね~」ウキウキ
P「いいんですか? あずささんお洒落ですし、是非願いします」
36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 21:57:49.29 ID:1JZFX8xc0
あずさ「じゃあ、さっそく寸法を……」スッ
P「ちょ、ちょっとあずささん?」
あずさ「はい。何ですか? プロデューサーさん」ペタペタ
P「その……あまり近づかれるとですね……」
あずさ「はい……?」スッスッ
P(その果実のような、豊満なOPPAIが……)
P「…………」ドギマギ
あずさ「……はい。おしまい。それじゃ、ちょっと待っていて下さいね~」トテテ
P「は、はい……」
あずさ「…………♪」ルンルン
P「……」
P(……まあ、あずささんが楽しいならいいか)
――――
――
37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 22:01:48.41 ID:1JZFX8xc0
11:10/レコード店「9:02pm」
P「へえ、あずささんってレコードとか聴くんですか?」
あずさ「いえ……。何だか、こういうお店って、覗いているだけで楽しくなりませんか~?」
P「ああ、わかります。ある種の赴きがありますよね~」
あずさ「はい。記念に、一枚買っていこうかしら~」テクテク
P「あ、あずささん。前見て歩いてくださいよ」
あずさ「大丈夫ですよ~……きゃっ」ドン
店員の女の子「わわっ!?」
バサバサ……、バラバラ……。
P「あーあ。大丈夫ですか?」タタタ
あずさ「はい~。あの……お怪我はありませんか?」ペコリ
店員の女の子「すみません……こっちこそボーッとしてしまって」ペコリ
あずさ「あらら、レコードが散らばっちゃった」サッサッ
P「すみません……。売り物なのに……」ッス
40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 22:06:37.77 ID:1JZFX8xc0
店員の女の子「いえ……私の不注意ですので……」
あずさ「本当に、ごめんなさいね」
P「あずささん。気を付けてくださいね? 怪我でもしたら大変です。アイドルなんですから」
あずさ「はい。心配してくれて、ありがとうございます~」
店員の女の子「……あの、アイドルをされているんですかあ?」
あずさ「ええ。でも、まだ駆け出しなんですよ~」
店員の女の子「す、すごいですねっ! 良かったら、お名前をお聞きしてもいいですか? 私は、林田凛子っていいます」キラキラ
あずさ「凛子ちゃんね? 私は、三浦あずさと申します~」ペコ
店員の女の子「あずささん、ですか。私、応援しますね」パアア
あずさ「ふふっ。ありがとう。本当に、ごめんなさいね~」
店員の女の子「こちらこそスミマセンでした。お仕事、頑張って下さいねっ」ペコ
――――
――
42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 22:10:11.16 ID:1JZFX8xc0
12:30/カフェ「Sweet Doughnuts」
あずさ「ここのお店、トレンドなんです~」ニコッ
P「うわあ……なんていうか、ファンシーですね」
あずさ「とっても可愛いんですよ~? 絵本を飾っていたり、内装も……」
P「基本的に木目調だし、アットホームで落ち着きますね」
あずさ「はい。それにメニューも、可愛くて美味しいものばかりなんです」
P「はは。あずささんは素敵な所、たくさん知ってますね」
44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 22:15:21.47 ID:1JZFX8xc0
あずさ「楽しむことくらいしか、取り柄がありませんからね~」クスクス
P「それじゃあ、何食べましょうか」ペラ
あずさ「私のオススメは、このトマトのグラタンですね~」
P「へえ……、スイーツも充実してますね」
あずさ「ここのカフェラテも、ほんわか美味しいですよ~」
P「じゃあ、それに決めます」
あずさ「ふふっ。それじゃあ、私も」ニコッ
P(はあ……。何か、幸せだなあ)
45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 22:20:48.91 ID:1JZFX8xc0
13:10/カフェ「Sweet Doughnuts」
P「そういえば、この間の……、上野さんでしたっけ? もともと知り合いというわけでは、無かったんですよね?」
あずさ「そうですね~。ワンちゃんが可愛くって、撫でさせてもらっているうちに仲良く」ニコッ
P「あずささんって、実は結構、顔が広いですよね~」
あずさ「そうですか~? あ、そうそう、綾子さんの旦那さんって、ブリーダーさんなんですよ?」
P「ブリーダー? って、何のですか?」
あずさ「ワンちゃんのです。コンテストなんかも、あるらしくって」
P「へえ~。世の中、いろんな人が居るもんですねえ」
あずさ「最近、子犬が生まれたそうなので、今度抱っこさせてもらいに行く約束もしているんですよ~」ニコニコ
47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 22:24:32.51 ID:1JZFX8xc0
P「……なんか、あずささんって、本当に楽しそうに話をしますよね」
あずさ「そうですか~? あまり意識した事はないですよ~?」キョトン
P「いえ、何か……あずささんと居ると、こっちまで楽しくなってきます」ハハ
あずさ「そ、そうですか~?」テレテレ
P「はい。あ、俺会計してきますね」
あずさ「それじゃ、お金を……」ゴソゴソ
P「いや、俺が出しますよ」
49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 22:28:53.11 ID:1JZFX8xc0
あずさ「そんな、悪いです……」
P「今日は楽しませてもらってますから。ほんの気持ちですよ」
あずさ「それは私も同じですよ~」アセアセ
P「まあ、男ですから。これくらいは、させて下さいよ」ニコッ
あずさ「じゃあ、今回だけ……ですよ?」
P「はい。行ってきます」タタタ
あずさ「…………」
あずさ「優しいなあ、プロデューサーさん」
――――
――
51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 22:33:43.71 ID:1JZFX8xc0
14:00/街
P「こうして、少し人混みから離れた道を歩くのも、良いもんですね」
あずさ「そうですね~。ぽかぽか暖かくて、気持ちいいです~」
P「よくよく見れば、いろんなお店があるんですね」
P「帽子屋、古着屋、靴屋、楽器屋……。個人で経営している店も、案外多いみたいだなあ」
あずさ「…………」ジーッ
P「……? どうしました、あずささん」
あずさ「プロデューサーさん。あのお店、入りませんか?」スッ
P「……占い?」
あずさ「私、占いには目がないんです~」
P「いいですよ。面白そうだし、行ってみましょうか」
――――
――
53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 22:38:48.88 ID:1JZFX8xc0
14:00/占い屋「KING」
カランコロン……。
占い師「いらっしゃい。あらあら、素敵なカップルさんですね……」ニコニコ
あずさ「こんにちは~」
P「わ、綺麗ですね。これ」
あずさ「ほんとだわ~。この水晶玉を使って、占いをするんですか~?」
占い師「いろいろなやり方がありますよ。とりあえず、座ってください」
P「は、はい……座りましょう。あずささん」
あずさ「……」チョコン
お姉さん「さて、今日は何を占いましょう?」
P「あずささん、どうします? やっぱり仕事についてですかね?」
あずさ「う~ん……せっかくのデートだし……」
P「…………?」
56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 22:43:51.31 ID:1JZFX8xc0
あずさ「プロデューサーさんと私の、相性を占ってもらいましょう!」ポンッ
P「え、ええ!? 何か恥ずかしくないですか? それ」アセアセ
あずさ「嫌、なんですかあ?」シュン
P「そ、そんな事ないですよ!」
あずさ「それじゃあ、カップリング占いを……」
占い師「かしこまりました。それでは、まず手を繋いでください」
P「えええ!?」
あずさ「ぷ、プロデューサーさん」
P「わ、わかりました……」
59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 22:49:11.05 ID:1JZFX8xc0
ギュ……。
あずさ「……///」
P「…………」ドキドキ
占い師「続いて……そのまま向き合ってください」
あずさ「……」クルリ
P「……」
占い師「お互いの目を、よく見て下さい……」
あずさ「…………」ウルウル
P(や、やばい。あずささん可愛すぎる……)
60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 22:55:07.99 ID:1JZFX8xc0
占い師「うぬぬぬ……はああ……ふう……」
占い師「ジューシー……ポーリー……」ブツブツ
あずさ(……イェイ)
P(これホントに当たるのかあ~?)
占い師「見えました……」
P「ふう……」
あずさ「そ、それで……どうだったんですかあ?」ドキドキ
占い師「…………」
P「……」ゴクッ
あずさ「……」ゴクッ
占い師「あなた方の相性は……」
――――
――
61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 23:00:18.98 ID:1JZFX8xc0
15:30/公園・ベンチ
あずさ「陽射しが気持ちいいですね~」
P「そうですねえ。何だか眠くなります」
あずさ「プロデューサーさん。女の子と一緒にいるのに、お昼寝しちゃダメですよ~」メッ
P「す、すみません……。それより、さっきの占いですが……」
あずさ「……カップリング相性、91%……」カアア
P「あんなに高いとは、思いませんでした」ハハハ
あずさ(やっぱり……プロデューサーさんが、私の……?)ドキドキ
P「でも、良い結果が出てよかったですよね」ニコッ
あずさ「……そう、ですね……///」
64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 23:05:24.38 ID:1JZFX8xc0
P「…………」
あずさ「…………」
あずさ&P「「あ、あの……」」
P「あ、あずささんからどうぞ……」
あずさ「そ、その……」
P「…………?」
あずさ「て、手を……」モジモジ
女子高生「あ! あずささん!」トテテ
あずさ「きゃあっ!?」
P「うわあっ!?」
女子高生「ど、どうしたんですかあ?」
65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 23:10:39.55 ID:1JZFX8xc0
あずさ「り、凛子ちゃん……」
P「レコード店で会った……」
子「……もしかして、お邪魔でした?」ニヤッ
あずさ「そ、そんなことないわよ~。ね、プロデューサーさん?」ドギマギ
P「え、ええ。ただ休んでいただけですし……」アセアセ
凛子「そうですか。あの、ちょっとだけお話しませんか?」チョコン
あずさ「あらあら。良いですか?」
P「構いませんよ」
凛子「ありがとうございます。あずささんっ!」
――――
――
67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 23:17:27.84 ID:1JZFX8xc0
凛子「実は……、ちょっと進路の事で悩んでいるんです」シュン
あずさ「凛子ちゃんって、高校生だったのね~」
凛子「はい。何か、イマイチ受験勉強に打ち込めなくって……。バイトばかりしちゃって」
あずさ「そうだったの。プロデューサーさんは、高校生の頃は何をしていたんですかあ?」
P「う~ん。俺はバンドやってましたね。まあ、三年になってからは、予備校に通い詰めでしたけど」
凛子「へえ~、あずささんの彼氏さん、楽器が出来るんですかあ~」キラキラ
P「か、彼氏!?」
あずさ「そ、そう見えるかしら~?」テレテレ
凛子「へ? 違うんですかあ? 私てっきり……」
P「ち、違いますよ。俺はあずささんのプロデューサーなんです」
凛子「なーんだ。傍から見れば完璧にカップルでしたよ~?」
あずさ「ええ~? もう、困っちゃいますね、プロデューサーさん」テレテレテレ
P「あ、あずささん?」
凛子「あずささん可愛いですね~」ダキッ
あずさ「ちょ、ちょっと凛子ちゃん?」
68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 23:21:46.18 ID:1JZFX8xc0
凛子「……あずささんが、お姉ちゃんだったらいいのになあ」
あずさ「……どうしたの?」
凛子「私……、一人っ子なんですよ。パパもママも共働きで、遅くまで帰らないんです。だから、ちょっとだけ寂しくって」
あずさ「そうだったの……」
凛子「何も無いんですよ、わたし」
P「……どういうこと?」
凛子「やりたい事が、見つからないんです」
凛子「友達とかは、それぞれ将来の目標とか、夢とか持ってて」
凛子「それが……羨ましいんです……」
凛子「先が……見えないんです」
あずさ「凛子ちゃん……」
P「…………」
凛子「あーあ、世の中って、幸せなことばかりじゃないんですよね~」
凛子「魔法みたいに、楽しいことだけなら、いいのになあ」ハア
72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 23:25:44.70 ID:1JZFX8xc0
あずさ「……ねえ、私がどうしてアイドルになったか、教えてあげよっか?」ニコ
凛子「わあ、聞かせてください!」
あずさ「私を見つけてくれる、運命の人を探すため……」
凛子「へ……? 何だか間接的な理由ですね……」
あずさ「お仕事を頑張って、テレビとかに出ていれば、いつか出逢えるかなあって、始めたのよね~」
凛子「何だか、純粋なんですね。あずささんって」
あずさ「そんなことないわよ~。ねえ、プロデューサーさん?」
P「いや……何故そこで俺に振るんですか」
凛子「あはは。本当に、幸せそうですね」
あずさ「そうかしら~? でも、今日は特に楽しいことが多かったわね~」ニコニコ
凛子「この人と一緒だったからですかあ?」ニヤニヤ
あずさ「そ、そういうわけじゃ……///」
凛子「あ、赤くなった~」
あずさ「もうっ! からかわないで~」プンプン
凛子「ご、ごめんなさ~い」テヘペロ
73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 23:29:47.82 ID:1JZFX8xc0
あずさ「……ね、凛子ちゃん」
凛子「はい?」
あずさ「私は、近道をしても、良いと思うわ」
凛子「近道、ですか?」キョトン
あずさ「ええ。私ね、アイドルを始めてから、いろいろ学んだ事があってね?」
凛子「…………」
あずさ「人には、それぞれに合った生き方があると思うの」
あずさ「辛い時や、悲しい時にね? 少しくらい立ち止まって、他の道を歩いてみても良いんじゃないかしら? 見つけたいモノを探すの」
凛子「見つけたいモノ?」
あずさ「そうやって、幸せを掴めたらいいなって。自分で考えて、やってみる事で、結果的にそれが、近道になるかもしれないでしょう?」ニコニコ
凛子「あずささん……」
凛子「……そう、ですね。何だか、少しだけスッキリした気がします」ニパッ
あずさ「自分のペースで、歩いていけば大丈夫」ブイッ
P「まあ、あずささんは少々マイペース過ぎですけどね」
74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 23:33:55.64 ID:1JZFX8xc0
あずさ「ぷ、プロデューサーさん?」ムーッ
P「ははは。冗談ですよ」
携帯『ぷるるる、ぷるるるる』
あずさ「あら? 誰からかしら?」パカッ
電話『もしもし? 綾子でーす』
あずさ『あらあら、綾子さん。どうしたんですか~?』
綾子『今から少し、時間ないかしら? 子犬、抱っこさせてあげようかと思って』
あずさ『いいんですか~? ちょ、ちょっと待って下さいね』
P「どうしました?」
あずさ「綾子さんが、今から子犬を触りに来ないかって」
P「良かったじゃないですか」ニコ
あずさ「もちろん、プロデューサーさんも、来てくれますよね?」
P「え、いいんですか?」
あずさ「一緒がいいです。それと……」
あずさ「凛子ちゃんも、子犬、抱っこしたくない?」ニコッ
76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 23:38:33.73 ID:1JZFX8xc0
凛子「わ、わたしも行っていいんですか?」
あずさ「きっと大丈夫だと思うわ」
凛子「ありがとうございます。私、ワンコ大好きなんですっ!」キラキラ
あずさ「あらあら。それじゃ、住所聞くわね~」
P「ま、待ってください。住所聞くなら、俺が替わります」アセアセ
凛子「へ? どうしてですか?」
P「あずささんは、人類一の方向音痴なんですよ……」
あずさ「た、確かによく迷子になるけれど……。プロデューサーさん?」プクー
P「はいはい。文句を言うなら、これからは真っ直ぐ事務所に着けるようにしてくださいね?」
あずさ「……ごめんなさい」シュン
P「わかればよろしい」
P『あ、もしもし……僕、前にお会いしたあずささんの……』
凛子「ほんとに、可愛いひとですね。あずささんって」クスクス
――――
――
78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 23:43:02.34 ID:1JZFX8xc0
18:00/上野邸
P「どうも、お邪魔しました」ペコリ
あずさ「綾子さん。またいつかの朝に」
綾子「あずさちゃんも、お仕事ガンバってね」
あずさ「ふふっ。プロデューサーさんが居るから、大丈夫です~」
P「ま、任せてくださいっ!」グッ
凛子「綾子さん、私まで押しかけてしまって、ありがとうございました」ペコ
綾子「いいえ。あの子たちも楽しかったみたい。勿論、私もよ? またいつでも来てね?」ニコッ
凛子「はいっ!」
80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 23:46:27.23 ID:1JZFX8xc0
凛子「それじゃあ、私は本屋に寄ってから帰りますので、あずささんも、いろいろと頑張ってくださいね」パチン
あずさ「……いろいろ? ふふっ、凛子ちゃんもね」ニコッ
凛子「はいっ! 今日は、本当にお世話になりました~!」タッタッタ
P「元気になったみたいで良かったですね」
あずさ「はい。それじゃあ、私たちも、帰りましょうか?」
P「ええ。帰りましょう」
――――
――
81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 23:53:51.39 ID:1JZFX8xc0
18:20/土手・並木道
昼間、私たちをぽかぽかと照らしていた太陽も、そろそろ眠りにつくようだった。
プロデューサーさんと、爽やかな風を受けながら、並木道を歩く。
時折、私のほうをちらりと見て、歩調を合わせようとしてくれる気遣いとその距離感が、暖かくて嬉しかった。
P「なんだか、今日は色々ありましたね~」
あずさ「はい。とっても幸せな一日になりました」ニコ
P「ホント、あずささんって、すごいですよね」
あずさ「ええ~? 何がですか?」
P「なんて言うか、自然と人が集まるんですよね。周りに」
あずさ「そうですかあ?」
P「そうですよ。こうやって、人の輪をつくれる人って、素敵だと思いますよ」
あずさ「あ、ありがとうございます……///」
83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 23:58:36.55 ID:1JZFX8xc0
プロデューサーさんに素敵だと褒められて、少しだけ頬が上気するのを感じた。
今は夕日のおかげで隠せるけれど、何だか気恥ずかしく思う。
P「不思議な一日でしたね。示し合わせたわけじゃないのに……」
あずさ「ですね……。でも、少しだけ、予感はしてました」
P「へ……?」
今朝に観た、テレビの占い番組。数分眺めるだけで、幸せになれる魔法のおかげ。
もしかしたら、先日のように出会うのではないかと、私はひそかに思っていた。
あずさ「……お昼の占い、どう……思いますか?」カアア
P「え、ええと……まあ、素直に嬉しいですよ」
あずさ「……私もです」
85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 00:05:07.73 ID:79l0xd400
探していた、運命の人。
特別な出会いや、容姿や、財産などには、興味はなかった。
ただ、自分が一緒に過ごしていて、心から好きと思える人。
そして、愛して欲しい人は、今、隣を歩いているこの人なのかもしれない。
あずさ「プロデューサーさん?」
P「はい。何ですか? あずささん」
あずさ「私……、アイドルを辞めちゃうかもしれません」
P「え、えええ!?!? どうしてですか?」アセアセ
あずさ「……だって」
あずさ「もう、運命の人、見つけちゃったんですもの」
P「へ……? そ、それはどういう……」
あずさ「ふふっ。冗談ですよ、プロデューサーさん」
P「あ、あずささん! 驚かせないで下さいよ!」
あずさ「ごめんなさい」
P「まったく……寿命が縮みましたよ……」ハアア
88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 00:09:17.13 ID:79l0xd400
あずさ「ねえ、プロデューサーさん」
P「……はい?」
あずさ「少しだけ、近道しちゃダメかしら?」ググッ
P「……!?」チュッ
私より背が高いプロデューサーさん。
その唇に届かせるために、ちょっとだけ背伸びをする。
この人はプロデューサーなのに……という理性と、言いようのない充足感が心の中で葛藤する。
それでも、自然と、体が動いてしまった。
彼を求めてしまっていた。
あずさ「プロデューサーさんのこと、好きです」
P「……また、冗談ですか?」
あずさ「いいえ。私、運命の人、見つけちゃいました」
P「すみません」
あずさ「…………」
89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 00:12:39.61 ID:79l0xd400
P「プロデューサーだってのに、すみません」
あずさ「…………?」
P「俺も、大好きですよ、あずささんのこと」
まるで、テレビドラマのラストシーンみたいに、私は抱きしめられていた。
ただひたすらに心地よくて、泣けるほどに暖かくて。
私がアイスクリームだったら、トロトロに溶けてしまいそうだった。
あずさ「一緒に、幸せを掴めたら……良いですね」
P「はい……。これからも、あずささんの隣、歩きたいです」
この人と一緒なら、どんな事があっても、楽しく過ごせると思った。
もし、毎日がつまらなくなって、何かに負けそうになったとしても。
目を開いていれば、幸せはきっと訪れる。
だから、これからもずっと、二人で歩きましょう。
たくさん、たくさん、近道をしながら。
――――
――
92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 00:16:13.30 ID:79l0xd400
翌日/午後/765プロ事務所
春香「プロデューサーさん! 今日はドーナツを作ってきたんですよ♪ 是非、食べてくださいっ」キャイキャイ
真「ボク、耳かき得意なんです! プロデューサー、横になってください」キャピキャピ
P「お、お前らなあ……」
あずさ「春香ちゃん、真ちゃん」
春香「へっ? 何ですか? あずささん」キョトン
真「なんだか、怒ってるような……?」
あずさ「プロデューサーさんは、私の運命の人なんだから、ちょっかい出しちゃだめよ~」プクー
P「ちょ、ちょっとあずささん! その事は……」アセアセ
94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 00:19:27.47 ID:79l0xd400
春香「ど、どいうことですか? 詳しく聞かせてください!」
真「あっ! 逃がしませんよ~! プロデューサー!」タタタ
P「あずささーん! 助けてくださいよ~」ドタドタ
あずさ「あらあら……」
千早「……更に拗れてますね……」ハア
あずさ「あ、そうだわ!」トコトコ
亜美「んー、どしたのあずさお姉ちゃん」キョトン
真美「真美たちに何か用事?」キョトン
あずさ「2人とも、ありがとう」ニコッ
亜美&真美「「な、なんのこと→?」」
あずさ『運命の人、み~つけた』 ―take a shorter route―
FIN
98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 00:24:31.18 ID:CbLhU68T0
おつおつ
104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 00:30:02.24 ID:DSLr3xcN0
乙
相変わらずアイマス愛を感じさせるSSだ
次も楽しみにしてる
相変わらずアイマス愛を感じさせるSSだ
次も楽しみにしてる
111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 00:40:23.29 ID:ov3BK4aL0
乙
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