スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
岡部 「お前のことは牧瀬と呼ぶことにした」紅莉栖「」
URL:http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1339158027/
岡部「(そんなこんなで、数日ほど牧瀬と呼ぶ生活が続いたが……)」
岡部「(……うむ、何だか歯がゆい気持ちがするな……)」
岡部「(思えば、普段からまゆりを初めとして、色々な人に親しく呼びかけすぎたかもしれん)」
岡部「(バイト戦士や指圧師などは、本当はあまりこんな呼び方を気に入っては――――)」
ダル「オカリン、オカリン」
岡部「っ……ど、どうしたのだ、ダルよぉ?」
ダル「最近、牧瀬氏と喧嘩でもしたん?」
岡部「!?な、何を言うのだ、藪から棒に……」
ダル「いやさ、最近、助手とか紅莉栖とか呼ばずに牧瀬、牧瀬って呼んでんじゃん」
ダル「オカリンって結構初対面の人でも気安く呼びかけるのにさ、牧瀬氏に対してだけ、余所余所しくなって」
ダル「……ひょっとして、そのことで怒られたとか?」
岡部「いっ、いや違うぞダル!決して紅莉栖に嫌われたわけでは無ぁい!」
岡部「こ、これはだな……その、敬意というヤツだ」
ダル「敬意?……オカリンの口からそんな言葉が聴けるとは思わ」
岡部「紅莉栖は、すごく頭の良いヤツだ…………この俺の次くらいに」
ダル「ないない」
岡部「ゴホン……現に紅莉栖がラボメンとなってから、我がラボは、まさに飛躍的と言って過言ではない発展をしてきた」
岡部「だからこそ、俺は敬意を払って、紅莉栖のことを牧瀬と呼ぶことにしたのだ」
ダル「敬意を払ってるんだったらさ、牧瀬さんとか敬称をつけるのが普通じゃね?」
岡部「馬鹿を言え、この俺の次くらいに、と言っただろう、ヤツはまだまだ半人前だ」
ダル「……一体この自信はどこからくるのだろうか」
岡部「ともかく!俺が牧瀬と呼ぶのはこのような理由からであって、決して嫌われたわけでは……」
ダル「はいはい分かった分かった、そういう事にしとくお」
岡部「そういう事、とはなんだ!そういう事とは!」
鈴羽「おーっす、岡部倫太郎、遊びにきたよー」
岡部「……なんだお前か、バイトせん……」
岡部「(待てよ、バイト戦士もまた、このような呼び名に不快感を示しているかもしれん)」
岡部「(そもそもバイト戦士とは何だ!バイト戦士とは!阿万音鈴羽の要素がどこにもないではないか!)」
岡部「(……まあいい、物は試しだ)」
岡部「よ、よく来たな鈴羽よ!」
鈴羽「!?」
ダル「!?」
岡部「どうした鈴羽よ?鳩が豆鉄砲でも食らったような顔をして?」
鈴羽「あっ、えっ、えーっと……アハハハ……いきなりで、つい、ビックリしちゃって」
鈴羽「でも、いきなりどうしたの、岡部倫太郎?アタシのこと鈴羽って呼ぶだなんて」
岡部「いや、まぁ、特に深い意味は無いが……嫌だったか?」
鈴羽「……ん……ううん、少なくとも、バイト戦士よりかは聞こえが良いね」
鈴羽「あっ!だったらさ、アタシも、岡部倫太郎のコト、倫太郎って呼んでも良い?」
岡部「ゲホッゴホッ!!い、いきなり何を言いだすのだバイト……鈴羽よ」
鈴羽「アハハハ、だって、特に深い意味は無いんでしょ?倫太郎っ!」
岡部「ぐぬぬ……」
ダル「(……なんで阿万音氏、そんな嬉しそうな表情してるん?)」
紅莉栖「ハロー、あら、今日は三人?阿万音さんが来てるだなんて珍しいわね」
鈴羽「ちぃーっす!お邪魔させてもらってるよ、牧瀬紅莉栖」
岡部「お、おう、良く来たなくり……り……栗悟飯とカメハメハ!」
紅莉栖「!?」
ダル「何すか、その某格闘漫画のパクリみたいな名前は……センス無いにも程があるだろjk」
紅莉栖「ピキッ」
ダル「痛っ!痛っ!牧瀬氏!なんで蹴るん!?」
岡部「ウォーッホン!よぉく来たなぁ牧瀬よぉ、さぁ、今日も世界の支配構造の変革の為に、貴様のずぅのうを働かせてもらうぞ!」
紅莉栖「……わ、分かったわよ……じゃあ行きましょ岡b……」
鈴羽「倫太郎!ねーねー、今日は一体何の実験するの?あのがたがたーって地震起こすやつ?」
紅莉栖「( ゚д゚)! 」
岡部「え、えぇい!引っ付くな!むっむっ、胸が当たってるでは無いか!鈴羽!」
紅莉栖「( ゚д゚)ポカーン」
鈴羽「ねーねーあの実験のせいで、いーっつも店長の機嫌、悪いんだよ?」
鈴羽「お陰で、ちょーっとしたミスで、店長ってば、すぐ怒鳴るんだから!」
岡部「そ、それはだな……お前にも非があるのでは……」
鈴羽「むー、そんなことないよー……ただ、良い天気だったから、すこーしひなたぼっこしただけで……」
ダル「それを人は昼寝と言う」
鈴羽「とーにーかーく!倫太郎は、少しは私に恩返しをしてよね!」
岡部「あ、ああ……そういうことなら仕方ないな、鈴――――」
紅莉栖「ストーップ!!ストップ、ストップ!!」
※だーりん世界線での話です
鈴羽「……一体何、牧瀬紅莉栖?アンタには今、関係の無い話でしょ?」
紅莉栖「か、関係大有りよ!岡部に迷惑をかけられているのは私もなのよ!」
鈴羽「だからって、今ここで、大声出すことでも無いと思うんだけどなー」
岡部「(な、何故にこんな険悪なムードに……くっ……記憶の奥底に、何だか似たようなイメージが……)」
紅莉栖「う、うるさいわねっ!!そ、それに、その……いい加減、岡部の腕に抱きつくのを止めなさい!」
鈴羽「いーやーだ!そもそも、倫太郎は別に嫌じゃないって顔してるし、ね?」
岡部「え?」
紅莉栖「!!アンタ……一体なんて事を……!!」
岡部「いやいやいや、俺は別に何も悪くは……!!」
鈴羽「そうそう……じゃあ倫太郎から許可もでたことだし、実験室にいこっか!」
岡部「あ、あ……アハハハハ……」
岡部「(――――どうして、こうなった……)」
――――――――
――――――――――――――――
紅莉栖「…………」
岡部「…………すまん………」
紅莉栖「…………グスッ」
岡部「今日のことは、反省してる……」
紅莉栖「…………」
岡部「だから、許してくれ……牧瀬」
紅莉栖「また……グスッ……まきしぇ……ってぇ……ヒッグ……」
岡部「!!ああ、いや、これは、その!!……スマン……」
紅莉栖「……もう良いもん……岡部だって、阿万音さんとの方が……グスッ……良いんでしょ?」
岡部「そ、そういうわけではない!!」
紅莉栖「……だったら、何で……私のコト、苗字で呼んで……阿万音さんのこと、鈴羽って……」
岡部「…………」
紅莉栖「……どーして……?……」
岡部「それは、だな……いつもバイト戦士、バイト戦士と呼んでいたからだな……」
岡部「……やはり、ラボメンであるからには、俺は平等に接していきたい、と思っている」
紅莉栖「…………」
岡部「だから……いつまでも、こう、子供のようにバイト戦士と呼ぶのは鈴羽が嫌かと思って、だな」
岡部「(くっ……我ながら苦しい弁明だ……いつものように論破は……チラッ)」
紅莉栖「……分かった、岡部の言うこと、信用する」
岡部「!?……ほ、ホントか?」
紅莉栖「うん……でも――――……でも、今日みたいなことだけは……許さないから」
岡部「反省してます!」
紅莉栖「次やったら、海馬に電極ぶっ刺して、脳だけホルマリン漬けにして飼ってあげるからニコッ」
岡部「…………(気をつけよう)」
岡部「(結局昨日は、あの後直ぐ、紅莉栖は帰ってしまった)」
岡部「(あんな泣きはらした目で……通行人に通報されないか、心配だ)」
まゆしぃ「ねーねー、オカリン、ちょっと良いかな?」
岡部「ん、どうした、まゆ――――……」
岡部「(待てよ、そういえばまゆりも、まゆしぃと呼んで欲しいと以前言っていた気がするな)」
岡部「(あんなに紅莉栖を怒らせた後だ、これ以上誰かが怒ったり哀しんだりする姿は……)」
岡部「(うむ、たまにはまゆりを喜ばせるのも悪くは無いな――――)」
岡部「ゴホン!どうした?まゆしぃ☆にゃんにゃん?」
まゆしぃ「…………え?」
岡部「(しまったぁああああ!!メイクイーンの癖でにゃんにゃんをつけてしまった!)」
まゆしぃ「どうしたの、オカリン?まゆしぃは、まだタダのまゆしぃだよ?」
岡部「あ、あ……えーっと……これはだな、その……」
岡部「(くそっ!考えるんだ!何か、何かフォローの方法は……!!)」
まゆしぃ「(どうしたのかなー……オカリン、すっごく困った顔してる……)」
岡部「…………あっ……」
まゆしぃ「ぁ?」
岡部「……あー…………」
まゆしぃ「?」
岡部「おっ、俺は、お前がまゆしぃ☆にゃんにゃんになるのが待ち遠しく―――てぇ」
紅莉栖「」
岡部「…………ま……」
紅莉栖「――――ッ!!」
岡部「まっ待て!紅莉栖!!」
まゆしぃ「そ、そんなこと言われてもぅ……オカリン、ラボは、メイクイーンじゃないんだよ?」
岡部「紅莉栖!待てと言って――――」
まゆしぃ「オカリン、今、まゆしぃが喋ってるんだよ?紅莉栖ちゃんは、後にしてほしいのです」
岡部「そんなこと言ってる場合じゃない!紅莉栖が、紅莉栖が――――!!」
まゆしぃ「オカリン!そんなんじゃ、また、紅莉栖ちゃんを傷つけることになるよ?」
岡部「――――――――っ……」
まゆしぃ「……大体、おかりんは最近変なのです、急に紅莉栖ちゃんを苗字さんで呼ぶようになっちゃったし」
まゆしぃ「まゆしぃは何だか、紅莉栖ちゃんだけが、仲間はずれにされてるみたいで嫌だったよ?」
岡部「仲間はずれ……?……ち、違う、俺はそんな事思って……」
岡部「そ、そもそも、俺が紅莉栖の事だけ、親しげに呼ぶから、アイツだけを……えこひいきしてるみたいだ、って……」
まゆしぃ「……?……そんな嫌なこと、誰も思ってないよ」
岡部「いや、でも……それは……」
まゆしぃ「……だって、みんな、オカリンに名前を呼んで貰えるの、すっごく嬉しそうにしてたもん」
岡部「――――――――!!」
まゆしぃ「鈴さんも、フェリスちゃんも、るかくんも、萌郁さんも、紅莉栖ちゃんもみーんな」
まゆしぃ「オカリンが、あだ名とか名前さんとかで呼んでくれるの楽しみにしてたんだよ?」
まゆしぃ「きっと、紅莉栖ちゃん……牧瀬ちゃんって呼ばれて、すっごく哀しかったと思う」
まゆしぃ「……それでも紅莉栖ちゃんは、オカリンがそう呼ぶのには理由があるって、信じてたと思うなぁ」
まゆしぃ「だからさ、オカリン……紅莉栖ちゃんのこと……嫌いになんてならないであげて」
岡部「……だからこそ、だ……きっと俺は、取り返しのつかないことをしてしまったのだ」
岡部「紅莉栖の、紅莉栖の――――気持ちに、全然気づけなくて……っ!」
岡部「自分勝手に、紅莉栖の事を決め付けてしまって……!!」
岡部「何が紅莉栖のためだ!俺は、俺は……自分が恥ずかしかったから、だから、そんな風に名前を……!!」
岡部「……俺には、無理だ……紅莉栖もきっと、俺の事を嫌っている、軽蔑している」
岡部「――――……だから、まゆり、お前が、紅莉栖を助けにいってやってくれ」
岡部「俺にはもう、呼びかける言葉も見つからない――――」
まゆしぃ「……ねーねーオカリン、まゆしぃがね、オカリンのこと、なんでオカリンって呼ぶか知ってる?」
岡部「…………岡部、倫太郎だから……だろ?」
まゆしぃ「ブッブー違うのです、まゆしぃがオカリンって呼ぶのはねー……えへへ、オカリンを自分のものにしたいからなのです」
岡部「……どういう、ことだ……?」
まゆしぃ「オカリン、自分のこと、よくボーボー院なんとかさんって言ってるでしょ?まゆしぃ、あんまりあの呼び方好きじゃなかったんだー」
まゆしぃ「ボーボー院さんって自分のこと言ってる間は、オカリンは、オカリンじゃなくてボーボー院さんになってるんだよー」
まゆしぃ「だからね、まゆしぃはボーボー院さんじゃなくて、オカリンと話したいから、いっつもいっつもオカリンって呼ぶんだよ?」
まゆしぃ「だけどね、オカリンをオカリンって呼んでも、出てくるのはやっぱり、オカリンだけなんだ」
まゆしぃ「カッコイイ岡部倫太郎さんはね、岡部ーとか、倫太郎ーって呼んでもらわないと、中々姿を現さないのです」
まゆしぃ「……そう呼んでくれる人は、きっと、まゆしぃじゃないと、思うのです」
岡部「…………」
まゆしぃ「えへへ……何だか、まゆしぃ、沢山お話しちゃって疲れてしまいました」
まゆしぃ「あっ……えっと、ごめんね……呼び止めて、沢山お話しちゃって……」
まゆしぃ「……まゆしぃも手伝うよ、紅莉栖ちゃん、探しにいくの……」
まゆしぃ「だからオカリン、元気だし――――」
岡部「フッ……フフッ……」
岡部「フーッハッハッハッハ!!何を言うまゆりよぉ、人質なんぞに手伝ってもらうほど、落ちぶれてはいないぞ!」
岡部「この狂気のマッドサイエンティスト!鳳凰院凶真は!」
岡部「フフ……助手の居場所など、全てシュタインズ・ゲートによって運命づけられている」
岡部「今から迎えに行くぞ!仕方の無い助手めぇ!」
まゆしぃ「いってらっしゃい、ほ、ほ、鳳凰院さん!」
岡部「――――フッ……鳳凰院ではない、オカリンだ!!」ガタッ
紅莉栖「(何よ……岡部ったら、私を苗字で呼ぶかと思えば……他の皆とイチャイチャしちゃって)」
紅莉栖「(……なんだか、寂しいよ……仲間はずれに、されてるみたいだし……)」
紅莉栖「(向こうじゃ、皆……クリス、クリスって呼ぶから……)」
紅莉栖「(牧瀬ってぶっきらぼうに言われるの……叱られてるみたいで、嫌だったなぁ……)」
「――――――――――――――――りす――――!!」
紅莉栖「(たまにしか、呼んでくれなくても、それでも……)」
紅莉栖「(アンタに紅莉栖って呼ばれるの、すっごく嬉しかったんだから……)」
「――――――――――――くり――――――――!!」
紅莉栖「(だから、だから……牧瀬、だなんて呼ばないでよ……)」
「――――――――紅莉栖!!」
紅莉栖「バカ岡部!!!」
岡・紅「「え?」」
紅莉栖「な、な、な!!何か用!!まゆりとイチャイチャするんじゃなかったの!!」クルッ
岡部「ハァ……ハァ…………!!」
紅莉栖「わ、悪いけど……もう分かってるわよ、アンタが、私のコト、嫌ってるってコトぐらい」
岡部「紅莉栖…………」
紅莉栖「もう良いわよ、そんな風に、取ってつけたように私の名前なんて呼ばなくて」
岡部「紅莉栖……!!」
紅莉栖「ホントは、ホントは……私の名前なんて……名前なんて、どうでも良いって思って……」
岡部「絶対に違う!!」
紅莉栖「」ビクッ
岡部「……気づいたんだ、俺は……どうして、お前の事を、牧瀬だなんて呼ぼうと思ったのか」
岡部「イチャイチャしてるって思われたくなかったからでも、嫌いになったからでもない!」
岡部「――――――――ただ、お前の名前を呼ぶことに、照れてただけなんだ」
岡部「まゆりや、鈴羽や、フェイリスや、ルカ子や、萌郁も、気軽に友人として、仲間として呼べた」
岡部「でも、お前の名前だけが……俺にとって、特別に大切なものになってたんだ……」
紅莉栖「岡部…………」
岡部「単なる文字の羅列かもしれない、音の組み合わせかもしれない」
岡部「でも、俺にとっては……とても大切な、人の名前なんだ」
紅莉栖「おか……べ――――……」
岡部「……本当にすまなかった、俺の都合で、お前の事を傷つけてしまって」
岡部「この償いは、どうすれば良いか分からない……」
紅莉栖「……グス……ホントに……えっぐ……ホントに、かなしかったんだからぁ……ひっぐ……」
岡部「だから、紅莉栖、教えてくれ……俺は、どうしたら許してもらえる?」
岡部「お前と、また、バカやって……それで、笑い合えるようになれる?」
紅莉栖「……ズズ……一つだけ、ゆーこと、きいて……グスッ……」
岡部「……ああ、俺に出来ることなら、何でも聞こう……」
紅莉栖「――――おかべの……おかべの……グスッ……」
岡部「俺の……何だ?」
紅莉栖「…………苗字頂戴……」
岡部「…………え?」
岡部「(ふむ、一連の騒動も済んで、何とか元のラボの様子に戻れたな)」
岡部「(一時はどうなることかと思ったが……うむ、人を呼ぶときは、少し気をつけることにしよう)」
岡部「(常日頃から鳳凰院凶真だったからな、人をあだ名で呼んでばかりいた)」
岡部「(少しは俺も、落ち着きを持つとするかな……結婚するんだし)」
萌郁「…………居る?……みんな」
まゆしぃ「あっ、萌郁さんだートゥットゥルー☆」
紅莉栖「ハロー」
鈴羽「ちぃーっす、久々だねぇ、桐生萌郁」
萌郁「……うん…………お祝い、しにきた……」
岡部「ふむ、ご苦労であった指圧――――――――」
岡部「(待てよ、ついこの間痛い目見たばかりではないか)」
岡部「(もう少し節度を持つ、と誓ったばかりであろうが!)」
岡部「有難う、助かったよ、萌郁」
紅莉栖「」
END
鈴羽「倫太郎ー!おーい、倫太郎ー!」
岡部「わっ!あんまり大通りで叫ぶんじゃない!他の人の迷惑になるだろう!」
鈴羽「ゴメン、ゴメン、でもさ、倫太郎が悪いんでしょ?折角のデートだぁっていうのに10分も遅れて……」
岡部「10分は遅れたとは言わん、それにデートでもない、ただお前の買い物に付き合ってやるだけだ」
鈴羽「まっ、それでも良いよ、こーして名前を呼び合ってるだけで何だか楽しいし!」
岡部「ふむ……意外と小さな事で満足するのだな、鈴羽は」
鈴羽「あっ、小さいことって何さー!世の中にはそれすら出来ない人がけっこーいるんだよ?」
岡部「…………そうかぁ?」
鈴羽「まぁ良いや、取りあえずいこっ!」
岡部「わ、わぁ!待て、手を握るな……っ!!握るならせめて、もう少し歩くスピードをだな……!」
鈴羽「あははは!倫太郎ってば、ホントに体力ないねー!」
岡部「……おっ、俺は、インドア……ああぁあああ!!」
岡部「……仮に、この状況をデートである、と仮定しよう」
鈴羽「チュー……んっ、どうしたの?急に、倫太郎?」
岡部「……ええい、その口を開けば語尾に俺の名前をつけるのは止めろ!」
岡部「いつ機関の連中が感づいて、襲ってくるか分からんからな……」
鈴羽「だいじょーぶ、その時は私が護ってあげる、倫太郎のこと、傷つけさせたりはしない」
岡部「……そうか、なら……安心だな」
鈴羽「ふふーん、でしょでしょ、だからさ、安心して二人で仲良くしよ?」
岡部「ふーたーりで、と言ってもだな、こんながやがやした喫茶店で何を仲良くしろと……」
鈴羽「この前読んだ本に書いてあったんだけどさ、こういう時カップルは固有結界ってのを発動して空間を生成するんだって!」
岡部「カップルは、な、しかも固有結界って……何の本なのだ、それは一体」
鈴羽「え?カップルじゃないの、アタシ達?」
岡部「カップルというものはだなぁ……白衣とジャージでデートなぞしない」
鈴羽「えー仕方ないでしょ、これぐらいしか服ないんだし……倫太郎だって、白衣以外殆ど着ないじゃん」
岡部「狂気のマッドサイエンティストたるもの!白衣を脱ぐことなど在り得は……って鈴羽、今お前なんて言った?」
鈴羽「これぐらいしか服がない、それがどうかした?」
岡部「どうしたもこうしたも無いだろう!一体何故今までそれを言わん!」
鈴羽「へ、え?」
岡部「こうしちゃおれん、直ぐに服を買いに行くぞ、このビル内に在るはずだからな」
鈴羽「え、で、でも……アタシ、殆どお金なんて……」
岡部「馬鹿を言うな!誰がお前に払わせると言った、それぐらい、俺が払ってやろう」
鈴羽「んー……でも、何だか悪いよ、倫太郎にそんなことしてもらうなんて」
岡部「お前がカップルと言ったのだ、カップルだったら、彼女にコレぐらいのことはしてやらないとな」
鈴羽「か、彼女ぉ!?……えっと、倫太郎……それって、本気、かな?」
岡部「俺が嘘をつくはずないだろう、さあいくぞ鈴羽よ!」
岡部「……お前も女の子なんだから、それぐらいの格好は、当然だ」
鈴羽「ありがと……でも、たまに思うんだ、私ってば、服装も地味だし、顔も可愛くないし、おしとやかでもない」
鈴羽「彼女、彼女、って口では言っても……きっと、彼女らしいことなんてできてないしね」
鈴羽「アハハ、何だかしんみりしちゃったね、じゃあそろそろ帰ろっか、皆が待って――――」
岡部「鈴羽」
鈴羽「ふぇ!?い、いきなりどうしたのさ……手なんか握っちゃって……」
岡部「最初は、羨ましかった、お前の……その力強さや明るさ、前向きさ……」
岡部「そのどれもが、俺に無いものだった」
岡部「だからこそ、だろう……俺はお前と過ごすのが楽しかった、気の合う友人と連れ添っているみたいだった」
岡部「――――けど、違うんだ、そのことに、ようやく気が付いた」
岡部「お前に憧れてたんじゃない、お前を友人のように思っていたんじゃない」
岡部「お前の……お前の見た目も、仕種も、性格も、全てを含めて好きになっていたんだ」
鈴羽「――――倫太郎……」
岡部「倫太郎と呼ばれて、急に胸が熱くなった、どうしてだか、お前に真っ直ぐ向けなくなった」
岡部「でも、今日こうして、二人でデートしてようやく、その気持ちの正体に気づけたんだ」
岡部「だから、鈴羽――――……」
鈴羽「ダメ」
岡部「――――――――えっ……」
鈴羽「まだ話してないけどさ、アタシ、倫太郎に隠してる秘密があるんだ」
鈴羽「そのことは、今のアタシにとっても、今とこれからの貴方にとっても大切なことなんだ」
鈴羽「その秘密が話せる時が来たら、倫太郎の話、何でも聞いてあげるからさ――――」
鈴羽「だから今はね、その言葉……胸の奥にしまっておいてよ」
鈴羽「いつかは分からない、もしかしたら、もの凄く遠くかもしれない」
鈴羽「――――それでも、その時が来ても、その奥にしまった気持ちが残ってたなら」
鈴羽「その時は……沢山、聞いてあげるから」
岡部「…………鈴羽――――……」
鈴羽「……?どしたの、小指なんか立てちゃって」
岡部「指きりげんまんだ、知らないのか?」
鈴羽「あー……まあね、聞いた事はあっても、やったことはなかったから」
岡部「なら知っているだろう、この儀式を使って取り決められた約束は!」
鈴羽「絶対に、破られないもんね」
岡部「ふっ……そういうことだ」
鈴羽「ゆびきりげんまん……約束だよ、ずーっと、覚えておいてね」
岡部「ああ、忘れないさ、忘れるもんか、何年たっても」
鈴羽「ふふ……それじゃぁ帰ろっか、流石に夜も近づいてきたしさ」
岡部「うむ……むっ、もうこんな時間か、長居し過ぎたな」
鈴羽「もーまったくだよ、さっ帰ろ!行きしはアタシが引っ張ったんだしさー」
岡部「えーい、分かった分かった、俺が先を歩くから……着いて来い、鈴羽」
鈴羽「追い抜かされないように注意するんだよ、倫太郎!」
9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/08(金) 21:59:18.81 ID:NjRBjYDJ0
紅莉栖「ちょっと、どういうことよ岡部!」
岡部「どうもこうもない、俺の説明を聞けば分かる」
紅莉栖「聞けば分かるって……アンタねぇ……」
岡部「まあ落ち着け紅莉……牧瀬よ」
岡部「最近俺達が付き合ってるのではないか、という噂がラボメンの間で広がっているようなのだ」
紅莉栖「!?」
岡部「どうもこうもない、俺の説明を聞けば分かる」
紅莉栖「聞けば分かるって……アンタねぇ……」
岡部「まあ落ち着け紅莉……牧瀬よ」
岡部「最近俺達が付き合ってるのではないか、という噂がラボメンの間で広がっているようなのだ」
紅莉栖「!?」
14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/08(金) 22:05:02.28 ID:NjRBjYDJ0
岡部「俺は……まぁ、その、まんざらではない……気もするのだが」
岡部「このことが原因で、ラボメン達とお前との間に亀裂でも生じてしまったら、俺は悔やんでも悔やみきれん」
岡部「現にダルなどは最近NTRのエロゲばかりするようになってだな……」
紅莉栖「……わ、分かったわよ、そういうことなら……呼んでも良い」
紅莉栖「けっ!けど!今みたいな……二人っきりの時は、紅莉栖って……呼んでくれない?」
紅莉栖「いやっ、べっ別に、呼んでもらいたい!ってわけじゃなくて、前々から、そうだったし……落ち着かない、っていうか、なんと言うか……」
岡部「……ああ、良いだろう、では、宜しく頼むぞ紅莉――――っ」
まゆり「トゥットルー☆あれー?紅莉栖ちゃんとオカリン、二人だけ?」
岡部「まっ、牧瀬よ……」
岡部「このことが原因で、ラボメン達とお前との間に亀裂でも生じてしまったら、俺は悔やんでも悔やみきれん」
岡部「現にダルなどは最近NTRのエロゲばかりするようになってだな……」
紅莉栖「……わ、分かったわよ、そういうことなら……呼んでも良い」
紅莉栖「けっ!けど!今みたいな……二人っきりの時は、紅莉栖って……呼んでくれない?」
紅莉栖「いやっ、べっ別に、呼んでもらいたい!ってわけじゃなくて、前々から、そうだったし……落ち着かない、っていうか、なんと言うか……」
岡部「……ああ、良いだろう、では、宜しく頼むぞ紅莉――――っ」
まゆり「トゥットルー☆あれー?紅莉栖ちゃんとオカリン、二人だけ?」
岡部「まっ、牧瀬よ……」
18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/08(金) 22:10:58.99 ID:NjRBjYDJ0
岡部「(そんなこんなで、数日ほど牧瀬と呼ぶ生活が続いたが……)」
岡部「(……うむ、何だか歯がゆい気持ちがするな……)」
岡部「(思えば、普段からまゆりを初めとして、色々な人に親しく呼びかけすぎたかもしれん)」
岡部「(バイト戦士や指圧師などは、本当はあまりこんな呼び方を気に入っては――――)」
ダル「オカリン、オカリン」
岡部「っ……ど、どうしたのだ、ダルよぉ?」
ダル「最近、牧瀬氏と喧嘩でもしたん?」
岡部「!?な、何を言うのだ、藪から棒に……」
ダル「いやさ、最近、助手とか紅莉栖とか呼ばずに牧瀬、牧瀬って呼んでんじゃん」
ダル「オカリンって結構初対面の人でも気安く呼びかけるのにさ、牧瀬氏に対してだけ、余所余所しくなって」
ダル「……ひょっとして、そのことで怒られたとか?」
20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/08(金) 22:17:25.48 ID:NjRBjYDJ0
岡部「いっ、いや違うぞダル!決して紅莉栖に嫌われたわけでは無ぁい!」
岡部「こ、これはだな……その、敬意というヤツだ」
ダル「敬意?……オカリンの口からそんな言葉が聴けるとは思わ」
岡部「紅莉栖は、すごく頭の良いヤツだ…………この俺の次くらいに」
ダル「ないない」
岡部「ゴホン……現に紅莉栖がラボメンとなってから、我がラボは、まさに飛躍的と言って過言ではない発展をしてきた」
岡部「だからこそ、俺は敬意を払って、紅莉栖のことを牧瀬と呼ぶことにしたのだ」
ダル「敬意を払ってるんだったらさ、牧瀬さんとか敬称をつけるのが普通じゃね?」
岡部「馬鹿を言え、この俺の次くらいに、と言っただろう、ヤツはまだまだ半人前だ」
ダル「……一体この自信はどこからくるのだろうか」
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/08(金) 22:22:57.85 ID:NjRBjYDJ0
岡部「ともかく!俺が牧瀬と呼ぶのはこのような理由からであって、決して嫌われたわけでは……」
ダル「はいはい分かった分かった、そういう事にしとくお」
岡部「そういう事、とはなんだ!そういう事とは!」
鈴羽「おーっす、岡部倫太郎、遊びにきたよー」
岡部「……なんだお前か、バイトせん……」
岡部「(待てよ、バイト戦士もまた、このような呼び名に不快感を示しているかもしれん)」
岡部「(そもそもバイト戦士とは何だ!バイト戦士とは!阿万音鈴羽の要素がどこにもないではないか!)」
岡部「(……まあいい、物は試しだ)」
岡部「よ、よく来たな鈴羽よ!」
鈴羽「!?」
ダル「!?」
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/08(金) 22:29:09.27 ID:NjRBjYDJ0
岡部「どうした鈴羽よ?鳩が豆鉄砲でも食らったような顔をして?」
鈴羽「あっ、えっ、えーっと……アハハハ……いきなりで、つい、ビックリしちゃって」
鈴羽「でも、いきなりどうしたの、岡部倫太郎?アタシのこと鈴羽って呼ぶだなんて」
岡部「いや、まぁ、特に深い意味は無いが……嫌だったか?」
鈴羽「……ん……ううん、少なくとも、バイト戦士よりかは聞こえが良いね」
鈴羽「あっ!だったらさ、アタシも、岡部倫太郎のコト、倫太郎って呼んでも良い?」
岡部「ゲホッゴホッ!!い、いきなり何を言いだすのだバイト……鈴羽よ」
鈴羽「アハハハ、だって、特に深い意味は無いんでしょ?倫太郎っ!」
岡部「ぐぬぬ……」
ダル「(……なんで阿万音氏、そんな嬉しそうな表情してるん?)」
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/08(金) 22:32:20.30 ID:KseToQG60
いい流れだな……
31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/08(金) 22:37:25.50 ID:NjRBjYDJ0
紅莉栖「ハロー、あら、今日は三人?阿万音さんが来てるだなんて珍しいわね」
鈴羽「ちぃーっす!お邪魔させてもらってるよ、牧瀬紅莉栖」
岡部「お、おう、良く来たなくり……り……栗悟飯とカメハメハ!」
紅莉栖「!?」
ダル「何すか、その某格闘漫画のパクリみたいな名前は……センス無いにも程があるだろjk」
紅莉栖「ピキッ」
ダル「痛っ!痛っ!牧瀬氏!なんで蹴るん!?」
岡部「ウォーッホン!よぉく来たなぁ牧瀬よぉ、さぁ、今日も世界の支配構造の変革の為に、貴様のずぅのうを働かせてもらうぞ!」
紅莉栖「……わ、分かったわよ……じゃあ行きましょ岡b……」
鈴羽「倫太郎!ねーねー、今日は一体何の実験するの?あのがたがたーって地震起こすやつ?」
紅莉栖「( ゚д゚)! 」
岡部「え、えぇい!引っ付くな!むっむっ、胸が当たってるでは無いか!鈴羽!」
紅莉栖「( ゚д゚)ポカーン」
39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/08(金) 22:47:08.27 ID:NjRBjYDJ0
鈴羽「ねーねーあの実験のせいで、いーっつも店長の機嫌、悪いんだよ?」
鈴羽「お陰で、ちょーっとしたミスで、店長ってば、すぐ怒鳴るんだから!」
岡部「そ、それはだな……お前にも非があるのでは……」
鈴羽「むー、そんなことないよー……ただ、良い天気だったから、すこーしひなたぼっこしただけで……」
ダル「それを人は昼寝と言う」
鈴羽「とーにーかーく!倫太郎は、少しは私に恩返しをしてよね!」
岡部「あ、ああ……そういうことなら仕方ないな、鈴――――」
紅莉栖「ストーップ!!ストップ、ストップ!!」
41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/08(金) 22:55:30.64 ID:NjRBjYDJ0
※だーりん世界線での話です
鈴羽「……一体何、牧瀬紅莉栖?アンタには今、関係の無い話でしょ?」
紅莉栖「か、関係大有りよ!岡部に迷惑をかけられているのは私もなのよ!」
鈴羽「だからって、今ここで、大声出すことでも無いと思うんだけどなー」
岡部「(な、何故にこんな険悪なムードに……くっ……記憶の奥底に、何だか似たようなイメージが……)」
紅莉栖「う、うるさいわねっ!!そ、それに、その……いい加減、岡部の腕に抱きつくのを止めなさい!」
鈴羽「いーやーだ!そもそも、倫太郎は別に嫌じゃないって顔してるし、ね?」
岡部「え?」
紅莉栖「!!アンタ……一体なんて事を……!!」
岡部「いやいやいや、俺は別に何も悪くは……!!」
鈴羽「そうそう……じゃあ倫太郎から許可もでたことだし、実験室にいこっか!」
岡部「あ、あ……アハハハハ……」
岡部「(――――どうして、こうなった……)」
44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/08(金) 23:01:04.68 ID:NjRBjYDJ0
――――――――
――――――――――――――――
紅莉栖「…………」
岡部「…………すまん………」
紅莉栖「…………グスッ」
岡部「今日のことは、反省してる……」
紅莉栖「…………」
岡部「だから、許してくれ……牧瀬」
紅莉栖「また……グスッ……まきしぇ……ってぇ……ヒッグ……」
岡部「!!ああ、いや、これは、その!!……スマン……」
紅莉栖「……もう良いもん……岡部だって、阿万音さんとの方が……グスッ……良いんでしょ?」
岡部「そ、そういうわけではない!!」
紅莉栖「……だったら、何で……私のコト、苗字で呼んで……阿万音さんのこと、鈴羽って……」
46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/08(金) 23:04:15.73 ID:4EpV6rki0
駄々っ子助手も悪くない
47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/08(金) 23:07:22.15 ID:NjRBjYDJ0
岡部「…………」
紅莉栖「……どーして……?……」
岡部「それは、だな……いつもバイト戦士、バイト戦士と呼んでいたからだな……」
岡部「……やはり、ラボメンであるからには、俺は平等に接していきたい、と思っている」
紅莉栖「…………」
岡部「だから……いつまでも、こう、子供のようにバイト戦士と呼ぶのは鈴羽が嫌かと思って、だな」
岡部「(くっ……我ながら苦しい弁明だ……いつものように論破は……チラッ)」
紅莉栖「……分かった、岡部の言うこと、信用する」
岡部「!?……ほ、ホントか?」
紅莉栖「うん……でも――――……でも、今日みたいなことだけは……許さないから」
岡部「反省してます!」
紅莉栖「次やったら、海馬に電極ぶっ刺して、脳だけホルマリン漬けにして飼ってあげるからニコッ」
岡部「…………(気をつけよう)」
49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/08(金) 23:11:41.72 ID:NjRBjYDJ0
岡部「(結局昨日は、あの後直ぐ、紅莉栖は帰ってしまった)」
岡部「(あんな泣きはらした目で……通行人に通報されないか、心配だ)」
まゆしぃ「ねーねー、オカリン、ちょっと良いかな?」
岡部「ん、どうした、まゆ――――……」
岡部「(待てよ、そういえばまゆりも、まゆしぃと呼んで欲しいと以前言っていた気がするな)」
岡部「(あんなに紅莉栖を怒らせた後だ、これ以上誰かが怒ったり哀しんだりする姿は……)」
岡部「(うむ、たまにはまゆりを喜ばせるのも悪くは無いな――――)」
岡部「ゴホン!どうした?まゆしぃ☆にゃんにゃん?」
まゆしぃ「…………え?」
岡部「(しまったぁああああ!!メイクイーンの癖でにゃんにゃんをつけてしまった!)」
52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/08(金) 23:17:16.86 ID:NjRBjYDJ0
まゆしぃ「どうしたの、オカリン?まゆしぃは、まだタダのまゆしぃだよ?」
岡部「あ、あ……えーっと……これはだな、その……」
岡部「(くそっ!考えるんだ!何か、何かフォローの方法は……!!)」
まゆしぃ「(どうしたのかなー……オカリン、すっごく困った顔してる……)」
岡部「…………あっ……」
まゆしぃ「ぁ?」
岡部「……あー…………」
まゆしぃ「?」
岡部「おっ、俺は、お前がまゆしぃ☆にゃんにゃんになるのが待ち遠しく―――てぇ」
紅莉栖「」
54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/08(金) 23:23:28.07 ID:NjRBjYDJ0
岡部「…………ま……」
紅莉栖「――――ッ!!」
岡部「まっ待て!紅莉栖!!」
まゆしぃ「そ、そんなこと言われてもぅ……オカリン、ラボは、メイクイーンじゃないんだよ?」
岡部「紅莉栖!待てと言って――――」
まゆしぃ「オカリン、今、まゆしぃが喋ってるんだよ?紅莉栖ちゃんは、後にしてほしいのです」
岡部「そんなこと言ってる場合じゃない!紅莉栖が、紅莉栖が――――!!」
まゆしぃ「オカリン!そんなんじゃ、また、紅莉栖ちゃんを傷つけることになるよ?」
岡部「――――――――っ……」
56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/08(金) 23:29:25.59 ID:NjRBjYDJ0
まゆしぃ「……大体、おかりんは最近変なのです、急に紅莉栖ちゃんを苗字さんで呼ぶようになっちゃったし」
まゆしぃ「まゆしぃは何だか、紅莉栖ちゃんだけが、仲間はずれにされてるみたいで嫌だったよ?」
岡部「仲間はずれ……?……ち、違う、俺はそんな事思って……」
岡部「そ、そもそも、俺が紅莉栖の事だけ、親しげに呼ぶから、アイツだけを……えこひいきしてるみたいだ、って……」
まゆしぃ「……?……そんな嫌なこと、誰も思ってないよ」
岡部「いや、でも……それは……」
まゆしぃ「……だって、みんな、オカリンに名前を呼んで貰えるの、すっごく嬉しそうにしてたもん」
岡部「――――――――!!」
まゆしぃ「鈴さんも、フェリスちゃんも、るかくんも、萌郁さんも、紅莉栖ちゃんもみーんな」
まゆしぃ「オカリンが、あだ名とか名前さんとかで呼んでくれるの楽しみにしてたんだよ?」
58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/08(金) 23:35:47.92 ID:NjRBjYDJ0
まゆしぃ「きっと、紅莉栖ちゃん……牧瀬ちゃんって呼ばれて、すっごく哀しかったと思う」
まゆしぃ「……それでも紅莉栖ちゃんは、オカリンがそう呼ぶのには理由があるって、信じてたと思うなぁ」
まゆしぃ「だからさ、オカリン……紅莉栖ちゃんのこと……嫌いになんてならないであげて」
岡部「……だからこそ、だ……きっと俺は、取り返しのつかないことをしてしまったのだ」
岡部「紅莉栖の、紅莉栖の――――気持ちに、全然気づけなくて……っ!」
岡部「自分勝手に、紅莉栖の事を決め付けてしまって……!!」
岡部「何が紅莉栖のためだ!俺は、俺は……自分が恥ずかしかったから、だから、そんな風に名前を……!!」
岡部「……俺には、無理だ……紅莉栖もきっと、俺の事を嫌っている、軽蔑している」
岡部「――――……だから、まゆり、お前が、紅莉栖を助けにいってやってくれ」
岡部「俺にはもう、呼びかける言葉も見つからない――――」
62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/08(金) 23:43:55.20 ID:NjRBjYDJ0
まゆしぃ「……ねーねーオカリン、まゆしぃがね、オカリンのこと、なんでオカリンって呼ぶか知ってる?」
岡部「…………岡部、倫太郎だから……だろ?」
まゆしぃ「ブッブー違うのです、まゆしぃがオカリンって呼ぶのはねー……えへへ、オカリンを自分のものにしたいからなのです」
岡部「……どういう、ことだ……?」
まゆしぃ「オカリン、自分のこと、よくボーボー院なんとかさんって言ってるでしょ?まゆしぃ、あんまりあの呼び方好きじゃなかったんだー」
まゆしぃ「ボーボー院さんって自分のこと言ってる間は、オカリンは、オカリンじゃなくてボーボー院さんになってるんだよー」
まゆしぃ「だからね、まゆしぃはボーボー院さんじゃなくて、オカリンと話したいから、いっつもいっつもオカリンって呼ぶんだよ?」
まゆしぃ「だけどね、オカリンをオカリンって呼んでも、出てくるのはやっぱり、オカリンだけなんだ」
まゆしぃ「カッコイイ岡部倫太郎さんはね、岡部ーとか、倫太郎ーって呼んでもらわないと、中々姿を現さないのです」
まゆしぃ「……そう呼んでくれる人は、きっと、まゆしぃじゃないと、思うのです」
65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/08(金) 23:49:18.63 ID:NjRBjYDJ0
岡部「…………」
まゆしぃ「えへへ……何だか、まゆしぃ、沢山お話しちゃって疲れてしまいました」
まゆしぃ「あっ……えっと、ごめんね……呼び止めて、沢山お話しちゃって……」
まゆしぃ「……まゆしぃも手伝うよ、紅莉栖ちゃん、探しにいくの……」
まゆしぃ「だからオカリン、元気だし――――」
岡部「フッ……フフッ……」
岡部「フーッハッハッハッハ!!何を言うまゆりよぉ、人質なんぞに手伝ってもらうほど、落ちぶれてはいないぞ!」
岡部「この狂気のマッドサイエンティスト!鳳凰院凶真は!」
岡部「フフ……助手の居場所など、全てシュタインズ・ゲートによって運命づけられている」
岡部「今から迎えに行くぞ!仕方の無い助手めぇ!」
まゆしぃ「いってらっしゃい、ほ、ほ、鳳凰院さん!」
岡部「――――フッ……鳳凰院ではない、オカリンだ!!」ガタッ
67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/08(金) 23:50:23.45 ID:aL6Q8Edr0
どっちだよ
71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/08(金) 23:54:47.15 ID:NjRBjYDJ0
紅莉栖「(何よ……岡部ったら、私を苗字で呼ぶかと思えば……他の皆とイチャイチャしちゃって)」
紅莉栖「(……なんだか、寂しいよ……仲間はずれに、されてるみたいだし……)」
紅莉栖「(向こうじゃ、皆……クリス、クリスって呼ぶから……)」
紅莉栖「(牧瀬ってぶっきらぼうに言われるの……叱られてるみたいで、嫌だったなぁ……)」
「――――――――――――――――りす――――!!」
紅莉栖「(たまにしか、呼んでくれなくても、それでも……)」
紅莉栖「(アンタに紅莉栖って呼ばれるの、すっごく嬉しかったんだから……)」
「――――――――――――くり――――――――!!」
紅莉栖「(だから、だから……牧瀬、だなんて呼ばないでよ……)」
「――――――――紅莉栖!!」
紅莉栖「バカ岡部!!!」
岡・紅「「え?」」
74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 00:02:23.63 ID:rjJloAvl0
紅莉栖「な、な、な!!何か用!!まゆりとイチャイチャするんじゃなかったの!!」クルッ
岡部「ハァ……ハァ…………!!」
紅莉栖「わ、悪いけど……もう分かってるわよ、アンタが、私のコト、嫌ってるってコトぐらい」
岡部「紅莉栖…………」
紅莉栖「もう良いわよ、そんな風に、取ってつけたように私の名前なんて呼ばなくて」
岡部「紅莉栖……!!」
紅莉栖「ホントは、ホントは……私の名前なんて……名前なんて、どうでも良いって思って……」
岡部「絶対に違う!!」
紅莉栖「」ビクッ
78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 00:07:58.70 ID:AS5ZfNNV0
岡部「……気づいたんだ、俺は……どうして、お前の事を、牧瀬だなんて呼ぼうと思ったのか」
岡部「イチャイチャしてるって思われたくなかったからでも、嫌いになったからでもない!」
岡部「――――――――ただ、お前の名前を呼ぶことに、照れてただけなんだ」
岡部「まゆりや、鈴羽や、フェイリスや、ルカ子や、萌郁も、気軽に友人として、仲間として呼べた」
岡部「でも、お前の名前だけが……俺にとって、特別に大切なものになってたんだ……」
紅莉栖「岡部…………」
岡部「単なる文字の羅列かもしれない、音の組み合わせかもしれない」
岡部「でも、俺にとっては……とても大切な、人の名前なんだ」
紅莉栖「おか……べ――――……」
79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 00:09:35.48 ID:rjJloAvl0
岡部「……本当にすまなかった、俺の都合で、お前の事を傷つけてしまって」
岡部「この償いは、どうすれば良いか分からない……」
紅莉栖「……グス……ホントに……えっぐ……ホントに、かなしかったんだからぁ……ひっぐ……」
岡部「だから、紅莉栖、教えてくれ……俺は、どうしたら許してもらえる?」
岡部「お前と、また、バカやって……それで、笑い合えるようになれる?」
紅莉栖「……ズズ……一つだけ、ゆーこと、きいて……グスッ……」
岡部「……ああ、俺に出来ることなら、何でも聞こう……」
紅莉栖「――――おかべの……おかべの……グスッ……」
岡部「俺の……何だ?」
紅莉栖「…………苗字頂戴……」
岡部「…………え?」
81: 忍法帖【Lv=16,xxxPT】 2012/06/09(土) 00:10:43.46 ID:qbS9GJtU0
きやああああああああああほおおおおおおおおおおおおおおお
85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 00:15:54.41 ID:rjJloAvl0
――――――――
――――――――――――
まゆしぃ「あっ、オカリン!紅莉栖ちゃんと仲直りできたんだぁ」
岡部「……あっ、ああ……見ての通り、な……」チラッ
紅莉栖「……な、なによ!あんまり見るなと言っとろーが!」
岡部「いや、だな……結局、あの橋の上から……ここまで……」
紅莉栖「こーしないと、岡部、すぐ、他の子に取られちゃうもん……」
岡部「……ふっ……もうすぐ貴様も岡部になるのだ、呼び方が違うぞ、紅莉栖よ」
紅莉栖「……そっ、そうよね!……ねっ……倫太郎……」
岡・紅「「フッ……ハーッハッハッハッハ!!!」」
まゆしぃ「仲良くなれたようで何よりなのです♪」
ダル「……どうでもいいけどまゆ氏、僕が牧瀬氏って呼ぶんはおkなん?」
まゆしぃ「んー……多分、紅莉栖ちゃんにとってダルくんは、その程度の存在なんじゃないかなぁ?」
ダル「……壁殴り代行早く来いお」
――――――――――――
まゆしぃ「あっ、オカリン!紅莉栖ちゃんと仲直りできたんだぁ」
岡部「……あっ、ああ……見ての通り、な……」チラッ
紅莉栖「……な、なによ!あんまり見るなと言っとろーが!」
岡部「いや、だな……結局、あの橋の上から……ここまで……」
紅莉栖「こーしないと、岡部、すぐ、他の子に取られちゃうもん……」
岡部「……ふっ……もうすぐ貴様も岡部になるのだ、呼び方が違うぞ、紅莉栖よ」
紅莉栖「……そっ、そうよね!……ねっ……倫太郎……」
岡・紅「「フッ……ハーッハッハッハッハ!!!」」
まゆしぃ「仲良くなれたようで何よりなのです♪」
ダル「……どうでもいいけどまゆ氏、僕が牧瀬氏って呼ぶんはおkなん?」
まゆしぃ「んー……多分、紅莉栖ちゃんにとってダルくんは、その程度の存在なんじゃないかなぁ?」
ダル「……壁殴り代行早く来いお」
88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 00:17:28.20 ID:8NbdDeA30
ダルに幸あれ
91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 00:23:59.13 ID:rjJloAvl0
岡部「(ふむ、一連の騒動も済んで、何とか元のラボの様子に戻れたな)」
岡部「(一時はどうなることかと思ったが……うむ、人を呼ぶときは、少し気をつけることにしよう)」
岡部「(常日頃から鳳凰院凶真だったからな、人をあだ名で呼んでばかりいた)」
岡部「(少しは俺も、落ち着きを持つとするかな……結婚するんだし)」
萌郁「…………居る?……みんな」
まゆしぃ「あっ、萌郁さんだートゥットゥルー☆」
紅莉栖「ハロー」
鈴羽「ちぃーっす、久々だねぇ、桐生萌郁」
萌郁「……うん…………お祝い、しにきた……」
岡部「ふむ、ご苦労であった指圧――――――――」
岡部「(待てよ、ついこの間痛い目見たばかりではないか)」
岡部「(もう少し節度を持つ、と誓ったばかりであろうが!)」
岡部「有難う、助かったよ、萌郁」
紅莉栖「」
END
95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 00:29:02.36 ID:rjJloAvl0
ご静聴有難うございました
SS見ることは多いけど書いてみたのは初めてでした
少しでも楽しんでいただけたなら幸いです
俺はまゆしぃ派なので書いてて複雑でしたが、明日も頑張って生きようと思います
お疲れ様でした
SS見ることは多いけど書いてみたのは初めてでした
少しでも楽しんでいただけたなら幸いです
俺はまゆしぃ派なので書いてて複雑でしたが、明日も頑張って生きようと思います
お疲れ様でした
92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 00:25:32.13 ID:qbS9GJtU0
面白かった乙
……それで
鈴羽ルート……は……
……それで
鈴羽ルート……は……
97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 00:33:24.91 ID:rjJloAvl0
>>92
鈴羽ルートは……どうなんでしょう、需要あるのかな?
イチャイチャするだけしか書けなさそうだけど
鈴羽ルートは……どうなんでしょう、需要あるのかな?
イチャイチャするだけしか書けなさそうだけど
99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 00:34:47.17 ID:QRdeeRat0
あるに決まってんだろーが!!
ぐずぐずすんな早くやれ!!!!
お願いしまっす
ぐずぐずすんな早くやれ!!!!
お願いしまっす
101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 00:39:58.56 ID:rjJloAvl0
鈴羽「倫太郎ー!おーい、倫太郎ー!」
岡部「わっ!あんまり大通りで叫ぶんじゃない!他の人の迷惑になるだろう!」
鈴羽「ゴメン、ゴメン、でもさ、倫太郎が悪いんでしょ?折角のデートだぁっていうのに10分も遅れて……」
岡部「10分は遅れたとは言わん、それにデートでもない、ただお前の買い物に付き合ってやるだけだ」
鈴羽「まっ、それでも良いよ、こーして名前を呼び合ってるだけで何だか楽しいし!」
岡部「ふむ……意外と小さな事で満足するのだな、鈴羽は」
鈴羽「あっ、小さいことって何さー!世の中にはそれすら出来ない人がけっこーいるんだよ?」
岡部「…………そうかぁ?」
鈴羽「まぁ良いや、取りあえずいこっ!」
岡部「わ、わぁ!待て、手を握るな……っ!!握るならせめて、もう少し歩くスピードをだな……!」
鈴羽「あははは!倫太郎ってば、ホントに体力ないねー!」
岡部「……おっ、俺は、インドア……ああぁあああ!!」
103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 00:46:45.64 ID:rjJloAvl0
岡部「……仮に、この状況をデートである、と仮定しよう」
鈴羽「チュー……んっ、どうしたの?急に、倫太郎?」
岡部「……ええい、その口を開けば語尾に俺の名前をつけるのは止めろ!」
岡部「いつ機関の連中が感づいて、襲ってくるか分からんからな……」
鈴羽「だいじょーぶ、その時は私が護ってあげる、倫太郎のこと、傷つけさせたりはしない」
岡部「……そうか、なら……安心だな」
鈴羽「ふふーん、でしょでしょ、だからさ、安心して二人で仲良くしよ?」
岡部「ふーたーりで、と言ってもだな、こんながやがやした喫茶店で何を仲良くしろと……」
鈴羽「この前読んだ本に書いてあったんだけどさ、こういう時カップルは固有結界ってのを発動して空間を生成するんだって!」
岡部「カップルは、な、しかも固有結界って……何の本なのだ、それは一体」
106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 00:54:02.35 ID:rjJloAvl0
鈴羽「え?カップルじゃないの、アタシ達?」
岡部「カップルというものはだなぁ……白衣とジャージでデートなぞしない」
鈴羽「えー仕方ないでしょ、これぐらいしか服ないんだし……倫太郎だって、白衣以外殆ど着ないじゃん」
岡部「狂気のマッドサイエンティストたるもの!白衣を脱ぐことなど在り得は……って鈴羽、今お前なんて言った?」
鈴羽「これぐらいしか服がない、それがどうかした?」
岡部「どうしたもこうしたも無いだろう!一体何故今までそれを言わん!」
鈴羽「へ、え?」
岡部「こうしちゃおれん、直ぐに服を買いに行くぞ、このビル内に在るはずだからな」
鈴羽「え、で、でも……アタシ、殆どお金なんて……」
岡部「馬鹿を言うな!誰がお前に払わせると言った、それぐらい、俺が払ってやろう」
鈴羽「んー……でも、何だか悪いよ、倫太郎にそんなことしてもらうなんて」
岡部「お前がカップルと言ったのだ、カップルだったら、彼女にコレぐらいのことはしてやらないとな」
鈴羽「か、彼女ぉ!?……えっと、倫太郎……それって、本気、かな?」
岡部「俺が嘘をつくはずないだろう、さあいくぞ鈴羽よ!」
109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 00:59:05.79 ID:rjJloAvl0
――――――――
――――――――――――
岡部「ど、どうだ……鈴羽、あまりコーディネイトの自信は無いが……」
鈴羽「ううん、とっても素敵だよ、ホントにありがとう、倫太郎」
岡部「…………彼氏として、当然の事をしたまでだ」
鈴羽「そっか、そうだったね……へへ……でもさ、一つだけ……文句、ううん、じゃなくて、言いたいことがあるんだけど」
岡部「ど、どうした……む、胸がキツイ、とかだったら…………スマンっ!」
鈴羽「あははは、違うよ違うよ、ただ、このスカートっていうやつ?妙にすーすーしてくすぐったいなぁって」
鈴羽「それに、スパッツと比べて殆ど脚を隠してないからさ……ちょっと風吹いたら、見えちゃいそうだし……」
岡部「……スマン……いや、だったか……?」
鈴羽「ううん!そんなこと無い!……女の子っぽい格好も、悪くは無いかなって思っちゃって……」
――――――――――――
岡部「ど、どうだ……鈴羽、あまりコーディネイトの自信は無いが……」
鈴羽「ううん、とっても素敵だよ、ホントにありがとう、倫太郎」
岡部「…………彼氏として、当然の事をしたまでだ」
鈴羽「そっか、そうだったね……へへ……でもさ、一つだけ……文句、ううん、じゃなくて、言いたいことがあるんだけど」
岡部「ど、どうした……む、胸がキツイ、とかだったら…………スマンっ!」
鈴羽「あははは、違うよ違うよ、ただ、このスカートっていうやつ?妙にすーすーしてくすぐったいなぁって」
鈴羽「それに、スパッツと比べて殆ど脚を隠してないからさ……ちょっと風吹いたら、見えちゃいそうだし……」
岡部「……スマン……いや、だったか……?」
鈴羽「ううん!そんなこと無い!……女の子っぽい格好も、悪くは無いかなって思っちゃって……」
111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 01:06:50.20 ID:rjJloAvl0
岡部「……お前も女の子なんだから、それぐらいの格好は、当然だ」
鈴羽「ありがと……でも、たまに思うんだ、私ってば、服装も地味だし、顔も可愛くないし、おしとやかでもない」
鈴羽「彼女、彼女、って口では言っても……きっと、彼女らしいことなんてできてないしね」
鈴羽「アハハ、何だかしんみりしちゃったね、じゃあそろそろ帰ろっか、皆が待って――――」
岡部「鈴羽」
鈴羽「ふぇ!?い、いきなりどうしたのさ……手なんか握っちゃって……」
岡部「最初は、羨ましかった、お前の……その力強さや明るさ、前向きさ……」
岡部「そのどれもが、俺に無いものだった」
岡部「だからこそ、だろう……俺はお前と過ごすのが楽しかった、気の合う友人と連れ添っているみたいだった」
岡部「――――けど、違うんだ、そのことに、ようやく気が付いた」
113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 01:11:36.66 ID:rjJloAvl0
岡部「お前に憧れてたんじゃない、お前を友人のように思っていたんじゃない」
岡部「お前の……お前の見た目も、仕種も、性格も、全てを含めて好きになっていたんだ」
鈴羽「――――倫太郎……」
岡部「倫太郎と呼ばれて、急に胸が熱くなった、どうしてだか、お前に真っ直ぐ向けなくなった」
岡部「でも、今日こうして、二人でデートしてようやく、その気持ちの正体に気づけたんだ」
岡部「だから、鈴羽――――……」
鈴羽「ダメ」
岡部「――――――――えっ……」
114: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 01:12:20.59 ID:qbS9GJtU0
おい
おい
おい
115: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 01:14:24.57 ID:joEiXMQn0
えっ?
116: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 01:16:37.47 ID:rjJloAvl0
鈴羽「まだ話してないけどさ、アタシ、倫太郎に隠してる秘密があるんだ」
鈴羽「そのことは、今のアタシにとっても、今とこれからの貴方にとっても大切なことなんだ」
鈴羽「その秘密が話せる時が来たら、倫太郎の話、何でも聞いてあげるからさ――――」
鈴羽「だから今はね、その言葉……胸の奥にしまっておいてよ」
鈴羽「いつかは分からない、もしかしたら、もの凄く遠くかもしれない」
鈴羽「――――それでも、その時が来ても、その奥にしまった気持ちが残ってたなら」
鈴羽「その時は……沢山、聞いてあげるから」
岡部「…………鈴羽――――……」
鈴羽「……?どしたの、小指なんか立てちゃって」
岡部「指きりげんまんだ、知らないのか?」
鈴羽「あー……まあね、聞いた事はあっても、やったことはなかったから」
117: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 01:21:19.92 ID:rjJloAvl0
岡部「なら知っているだろう、この儀式を使って取り決められた約束は!」
鈴羽「絶対に、破られないもんね」
岡部「ふっ……そういうことだ」
鈴羽「ゆびきりげんまん……約束だよ、ずーっと、覚えておいてね」
岡部「ああ、忘れないさ、忘れるもんか、何年たっても」
鈴羽「ふふ……それじゃぁ帰ろっか、流石に夜も近づいてきたしさ」
岡部「うむ……むっ、もうこんな時間か、長居し過ぎたな」
鈴羽「もーまったくだよ、さっ帰ろ!行きしはアタシが引っ張ったんだしさー」
岡部「えーい、分かった分かった、俺が先を歩くから……着いて来い、鈴羽」
鈴羽「追い抜かされないように注意するんだよ、倫太郎!」
118: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 01:27:06.21 ID:rjJloAvl0
――――――――
――――――――――――
鈴羽「ねぇ、倫太郎」
岡部「どうした、鈴羽よ?」
鈴羽「橋田至と、仲良くしてあげてる?」
岡部「突然だな……まぁ、悪友達、という表現が一番近いか……」
岡部「単にハカーとしてだけでなく、友人としても、仲良くしているともりだが……」
岡部「ハッ!もしかしてヤツが実は機関と繋がっていた!?」
鈴羽「アハハ、かもね、彼、ホントは凄いやり手なんだから」
岡部「言われずとも分かっているさ、ダルがどんなヤツか、なんてな」
鈴羽「――――うん、有難う、その言葉だけで十分」
鈴羽「じゃ、もう少し早く走るよ、このままだとラボにつくの明日になっちゃうし!」
岡部「……え!?ちょ、ま……待ってくれ、待ってくれ、鈴羽――――っ!!」
END
――――――――――――
鈴羽「ねぇ、倫太郎」
岡部「どうした、鈴羽よ?」
鈴羽「橋田至と、仲良くしてあげてる?」
岡部「突然だな……まぁ、悪友達、という表現が一番近いか……」
岡部「単にハカーとしてだけでなく、友人としても、仲良くしているともりだが……」
岡部「ハッ!もしかしてヤツが実は機関と繋がっていた!?」
鈴羽「アハハ、かもね、彼、ホントは凄いやり手なんだから」
岡部「言われずとも分かっているさ、ダルがどんなヤツか、なんてな」
鈴羽「――――うん、有難う、その言葉だけで十分」
鈴羽「じゃ、もう少し早く走るよ、このままだとラボにつくの明日になっちゃうし!」
岡部「……え!?ちょ、ま……待ってくれ、待ってくれ、鈴羽――――っ!!」
END
119: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 01:29:27.23 ID:rjJloAvl0
これでホントに終わりです
イチャラブ書こうとしたらこんな落ちになってしまって……
少しでも楽しんでいただけたなら幸いです
遅くまでお付き合いいただき有難うございました
イチャラブ書こうとしたらこんな落ちになってしまって……
少しでも楽しんでいただけたなら幸いです
遅くまでお付き合いいただき有難うございました
121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 01:29:53.52 ID:391RQbvO0
乙!
123: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 01:40:38.63 ID:/5AtMPlH0
おつん
この記事へのコメント
トラックバック
URL :